JP4825965B2 - 量子ドットの形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、量子ドットの形成方法に関し、特に、高密度で均一な量子ドットを自己形成する方法に関する。
近年、量子ドットの光電子デバイスへの適用が注目を集め、種々の研究、開発がなされている。3次元的なキャリアの閉じ込め構造である量子ドットは、キャリアの一次元的な閉じ込めである量子井戸構造や、二次元的な閉じ込めである量子細線構造と比較して、キャリアのエネルギスペクトルが非常に鋭く、離散的になる。室温においても、キャリアの遷移が量子準位間で不連続に生じ、鋭い発光スペクトルを得ることができる。
量子ドットの形成には、ヘテロエピタキシャル成長の初期に出現するいわゆるS−K(Stranski-Krastanov)モード成長を利用する方法が、一般的に採用されている。この方法では、ヘテロ界面に生じる歪エネルギを利用するため、リソグラフィやエッチングなどのようなバルク材料の加工を必要せず、簡単なプロセスで量子ドットが自己形成される。一例として、GaAs基板上にGaAsバッファ層を成長し、GaAsバッファ層上に、格子定数の異なるInAs層を1.8分子層成長させることによって、円錐状の成長島(量子ドット)を自己形成(自己組織化)することができる(たとえば、特許文献1参照)。
S−Kモード成長を利用すると、結晶成長のみにより量子ドットが形成されるため、良質な結晶ドットが得られる。しかし、この方法では、量子ドットのサイズや位置、密度の制御が困難であり、S−Kモード成長を利用しつつ、サイズと密度の揃った量子ドットを自己形成する方法は、いまだ実現されていない。
一方、自己形成によらずに、機械的な手法で均一な量子ドットを高密度で形成する方法が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
この方法は、半導体基板の表面に先端が鋭利な金属構造物を近接させ、これに電気的パルスを印加して、基板の表面に直径、高さが数nm〜数十nmの微細突起物を形成する。その後、この突起物を含む基板表面に、半導体の超薄膜をエピタキシャル成長すると、突起物の直上に微細なくぼみが形成される。微細なくぼみを有する超薄膜の表面に量子ドット原材料を供給すると、くぼみの部分にのみ量子ドットが形成される。
走査型トンネル顕微鏡(STM)チップを用いると、50nm〜100nnの繰り返し周期で量子ドットの2次元配列を形成することができる。しかし、この方法では、エピタキシャル成長室とSTM加工室の間で、基板搬送しなければならない。量子ドットを積層にする場合は、エピタキシャル成長室とSTM加工室の間の往復を、何度も繰り返す必要がある。量子ドット形成プロセスとして煩雑であるうえに、メタルチップ(カンチレバー、プローブ等)による基板への悪影響が懸念される。
特開平10−289996号公報 特開2001−7315号公報
GaAs基板上へのInAs系量子ドットは、光通信波長帯の高性能な半導体レーザ(量子ドットレーザ)などへの応用が期待されている。量子ドットレーザの実現のためには、高均一かつ高密度の量子ドット作製方法の開発が必須である。特に、良質な結晶ドットを高均一、高密度で得るために、S−K成長モードを用いた量子ドットの自己形成法の開発が進められている。
量子ドットの自己形成において、高均一化を図るためには、成長速度を低減して、成長因子の表面マイグレーションを活発にさせることが重要である。このため、低い成長速度の条件が必要とされていた。
しかし、このような長い表面マイグレーションの成長条件では、ドットサイズが大きくなり、量子ドットの密度が1×1010〜3×1010程度と低く、高密度化が困難である。
また、形成される量子ドットの密度を上げようとすると、ドット同士のコアレッセンス(合体)が生じるという問題もある。
そこで、本発明は、量子ドット同士のコアレッセンスを防止しつつ、高均一かつ高密度の量子ドットを形成する方法を提供することを課題とする。
また、このような量子ドットを利用した量子ドットレーザの提供を課題とする。
上記課題を解決するために、本発明では、GaAs基板上にInAs量子ドットを作製する際に、GaAs層表面上に、GaSbAs1−x(0<x≦1)層を導入し、このGaSbAs1−x(0<x≦1)層上に、InAs量子ドットを自己形成する。
1つの態様として、GaAs層表面に、0.24〜1.52ML厚、より好ましくは1分子層厚のGaSb層を導入し、GaSb層上にInAs量子ドットを形成する。これは、GaSbAs1−x層の組成で、x=1の場合である。
この場合は、InAs量子ドットは、1.1×1011cm-2以上のドット密度で自己形成される。
別の態様として、GaAs層表面に、GaAsSb混晶バッファ層を導入し、GaAsSb混晶バッファ層上にInAs量子ドットを形成する。これは、GaSbAs1−x層の組成でx≠1の場合である。
この場合は、InAs量子ドットは、基板面内の所定の方向に、正方格子状に自己配列する。また、1.0×1011cm-2以上の高いドット密度で、均一に配列される。
より具体的には、量子ドットの形成方法は、
(a)GaAs基板上に、GaAsバッファ層を形成し、
(b)前記GaAsバッファ層上に、GaSbAs1−x(0<x≦1)層を形成し、
(c)前記GaSbAs1−x(0<x≦1)層上に、InAs量子ドットを自己形成する。
この方法によれば、GaAsバッファ層表面に、アンチモン(Sb)を含む薄膜を導入することによって、InAs量子ドットの高密度かつ高均一な形成を実現するとともに、量子ドット同士のコアレッセンスを効果的に抑制することができる。
さらに、上述した量子ドットの形成方法を量子ドットレーザに適用することができる。量子ドットレーザは、GaAs基板と、GaAs基板上の活性層と、活性層に電流を注入する電極とを備え、活性層は、
(a)0.24〜1.52ML厚のGaSb層と、
(b)GaSb層上のInAs量子ドットと、
(c)InAs量子ドットを埋め込むGaAs埋め込み層と、
を含み、前記InAs量子ドットは、1.1×1011cm-2以上の密度で配置される。
コアレッセンスの発生を抑制しつつ、現実のデバイス応用に適した高密度かつ高均一な量子ドットを自己形成することができる。
以下で、添付図面を参照して、本発明の良好な実施形態を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るGaAs基板上へのInAs量子ドットの形成を説明するための模式図である。本発明において、InAs量子ドットは、GaAsバッファ層の表面に導入されたGaSbAs1−x(0<x≦1)層上に形成されるが、第1実施形態では、Sbの組成xをx=1に設定し、GaSb層上にInAs量子ドットを形成する。
図1(a)は、GaSb層上にInAs量子ドットを形成したサンプルの模式図である。このサンプルは、GaAs基板1の(001)面にGaAsバッファ層2を形成し、GaAsバッファ層2の表面にGaSb層3を形成し、GaSb層3上にInAs量子ドット4を自己形成することによって得られる。このサンプルに形成されたInAs量子ドット4の表面配置形状は、後述するように、AFM(原子間力顕微鏡)により観察される。
図1(b)は、図1(a)に示すInAs量子ドット4を、GaAsキャップ層5でさらに埋め込んだサンプルの模式図である。後述するように、このサンプルを用いて、InAs量子ドット4のフォトルミネッセンス(PL)を観察する。
図2は、InAs量子ドット4を形成する際の、分子線エピタキシー(MBE)法による各層の成長条件を示す表である。
まず、GaAs基板1の(001)面に、GaAsバッファ層2を成長温度590℃で200nmの膜厚に成長する。このときのAs圧力は16×10-7Torrである。なお、この圧力の値は絶対圧力ではなく、所定の補正係数を乗算して得られた値である。補正係数は、測定方法、成長条件、ガス原料の種類、測定子の構造など、複数の要素に基づいて算出されたものである。同様に、以下の実施形態中においても、供給物質の圧力は、補正係数が乗算された値で示すものとする。
次に、GaAsバッファ層2上に、0.24〜1.52ML、好ましくは1MLのGaSb層3を、基板温度500℃、Sb圧力0.5×10-7Torrで形成する。このとき、GaSb層3の膜厚を正確に制御して、表面構造をRHEEDで観察すると、As4 の照射をSb4 の照射に切り換えた直後から、GaAs−c(4×4)回折パターンが、徐々に(1×3)回折パターンに変化し、AsとSbの交換反応により、GaSbの再配列表面が形成されることがわかる。すなわち、最表面でGaと結合しているAsが、部分的にSbに置き換えられ、その後、全体がSbに置き換えられて、表面がフラットなGaSb層が形成されると考えられる。
次に、GaSb層3上に、InAs量子ドット4を、基板温度500℃、成長速度0.035ML/sでS−Kモード成長により形成する。このときのAs圧力は、3×10-7〜8×10-7Torr、好ましくは3×10-7〜6×10-7Torrである。このような成長速度とAs圧力を低く設定することによって、InAs量子ドットサイズのばらつきを低減することができる。InAs量子ドット4の成長量は、2.1〜3.7MLである。
この状態が、図1(a)に示す状態である。
InAs量子ドット4の形成後、基板温度を急激に450℃に下げて、6×10-7TorrのAs圧力下で、100nmの膜厚のGaAsキャップ層5を形成する。この状態が、図1(b)に示す状態である。
図3(a)は、図1(a)のサンプルから得られたAFM像である。図1(a)のサンプルでは、GaSb層3の膜厚は、1分子層厚、InAs量子ドットの成長量は3MLである。AFMの観察結果に基づき、InAs量子ドットのサイズと密度を評価した。
InAs量子ドットの下地層に、1分子層厚のGaSb層を導入することで1.1×1011cm-2という高密度のInAs量子ドットが形成される。また、図3(a)のAFM像から明らかなように、GaSb層上のInAs量子ドットは、非常に高い均一性を有している。
注目すべき点は、このような高密度の形成にもかかわらず、コアレッセンスの発生が抑制されていることである。図3(a)で得られた観察結果では、コアレッセンスの発生による転位などの欠陥もほとんどない。
アンチモン(Sb)は表面エネルギを下げる働きをすることが知られている。InAs量子ドットの下地にGaSb層を挿入することによって、表面が安定化し、この低エネルギ化は、GaSb/InAs界面から、InAs量子ドットの表面にも影響するものと考えられる。すなわち、隣接するInAs量子ドット表面の不活性により、コアレッセンスが効果的に抑制されると考えられる。この表面安定性は、InAs量子ドットの高均一化にも寄与していると考えられる。
比較例として、図3(b)および図3(c)に、GaSb層を導入せずに、従来のようにGaAsバッファ層上にInAs量子ドットを形成したときのAFM像を示す。図3(b)は、GaAsバッファ層上に、成長速度0.035ML/sInAs量子ドットを形成したもの、図3(c)は、同じくGaAsバッファ層上に、成長速度0.17ML/sでInAs量子ドットを形成したものである。
図3(b)に示すように、成長速度およびAs圧力を低く設定することによって、表面マイグレーションが活発になる。この結果、ドットサイズが大きくなるが、サイズのばらつきが小さくなる。しかし、ドット密度は、2×1010cm-2であり、十分な密度を得ることができない。
一方、図3(c)のように、成長速度を速くすると、7×1010cm-2という比較的高い密度を達成することができるが、InAs量子ドットのサイズのばらつきがはげしい。さらに、コアレッセンスの発生が著しく(2×109cm-2)、コアレッセンス(合体)により巨大化したドットが多くみられる。コアレッセンスを起こして巨大化したドットには、結晶欠陥が存在し、デバイス応用上の問題となる。
このように、従来の自己形成方法では、成長条件の調整だけでは、高密度かつ高均一の
量子ドットを形成することが困難であったが、本実施形態のように、GaAsバッファ層の表面に1分子層程度の膜厚のGaSb層を導入することによって、サイズおよび配置間隔がともに均一なInAs量子ドットが高密度に形成される。これと同時に、好ましくないコアレッセンスの発生も効果的に抑制され、デバイスへの実用性が非常に高い。
図4は、上記と同じ基板温度、成長速度、As圧力で、1分子層厚のGaSb層上に、InAs量子ドットを3.28MLの成長量で形成したときの平面TEM(透過電子顕微鏡)像である。1.1×1011cm-2という高いドット密度にもかかわらず、コアレッセンスの発生が抑制されており、転位などの欠陥もほとんど観察されない。
また、図5および図6に示すように、観察の結果、GaSb層上のInAsの成長初期(成長量1ML程度)において、高さ約0.3nm(約1ML)、幅約10nmの細線状の2次元初期核が、<1−10>方向に周期的な配列で形成されることがわかった。
図5(a)〜5(d)は、GaSb層表面へのInAs量子ドットの成長過程を示すAFM像である。GaSb層の表面に、InAsを1ML程度成長すると、細線状の2次元島が発生し始め、1.4MLでは、図5(b)に示すように、非常に狭く高密度な2次元島が形成される。
InAsを1.6MLまで成長すると、図5(c)に示すように2次元島が3次元島に遷移し、3.1MLまで成長すると、図5(d)のように、高密度、高均一なInAs量子ドットが形成される。
図6(a)は、図5(b)のInAs2次元島の拡大像である。<1−10>方向に周期的かつ高密度に配列した、細長い線状の2次元島の発生が確認できる。図6(b)は、2次元島から3次元島への遷移を模式的に描いた図である。細線状の2次元島の上にトラップされるように3次元ドットが成長するので、最終的に図5(d)のような高密度、高均一のInAs量子ドットが形成されるものと思われる。このとき、InAs3次元量子ドットの形成過程においても、下地層のSb表面偏析効果が生じ、表面近傍のSb原子による表面エネルギの低下が、効果的にコアレッセンスの発生を抑制している。
1分子層厚のGaSb層上に成長したInAs量子ドットのサイズと構成は、InAsの成長量によって制御可能である。
図7は、InAs量子ドットの成長量を変化させたときのAFM像である。図7(a)は、InAsカバレッジ(成長量)が2.4MLのときのAFM像、図7(b)は、InAsカバレッジが3.7MLのときのAFM像である。InAs成長量を2.4〜3.7MLまで変化させることによって、ドット密度が7×1010cm-2 から1.1×1011cm-2に向上する。図7のAFM像からも明らかなように、コアレッセンスの発生が非常に少ない。3MLを超える成長量では、ドット間の距離が狭くなり、この結果、ドットサイズはほぼ飽和する。すなわち、InAsカバレッジを高くした高密度InAsドットでは、サイズのばらつきの抑制効果が期待される。
サイズのばらつきの抑制には、ドットの側壁に形成される安定した{110}ファセットと{136}ファセットによる自己制限現象が重要な役割を果たす。ファセットの形成を観察するために、GaAs表面のGaSb層(GaSb/GaAs)上にInAs量子ドットをS−Kモード成長する間、RHEEDシェブロンパターンをモニタした。
図8は、GaSb/GaAs層上にInAsドットが形成された直後のRHEEDパターンであり、<100>方向と<130>方向で観察したものである。図8(a)は、InAs量子ドットの成長量が2.4ML、図8(b)は成長量が3.7MLのときのものである。
InAsカバレッジが2.4MLのとき(図8(a))は、<130>方向で{136}ファセットを示すRHEEDシェブロンが観察されている。InAs成長量が増えるにつれ、{110}ファセットも観察されるようになる。図8(b)に示すように、3.7MLのカバレッジでは、{136}ファセットと{110}ファセットの双方が観察される。
{110}ファセットの形成は、ドットサイズの増大と、ドットアスペクト比の向上を意味する。
図9は、GaSb上の高密度InAs量子ドットの成長量に応じたフォトルミネッセンススペクトル(温度12K)を示す。InAs成長量が2.4ML以下では、PLスペクトルの幅が広く、ピーク波長は1100nm近傍にある。InAs成長量が増すにつれ、
長波長側(1170nm)に狭いPLスペクトルが現れるようになる。このような、PLスペクトルのドット成長量に対する依存性は、図8を参照して説明したInAs量子ドットの形状遷移によって説明できる。
すなわち、成長量の増大につれて{110}ファセットを有するに到ったInAs量子ドットで、低エネルギ側の1170nmにピークを有するようになる。これは、InAsカバレッジ(成長)が進むにつれ、大きなドットサイズの量子ドットが増えていることを裏付けるものである。この結果、4.1MLの成長量で形成された高密度のInAs量子ドットにおいて、33meVという比較的狭いピーク幅を得ることができ、ドットサイズのばらつきも抑制されていることがわかる。
このように、第1実施形態においては、GaAs(001)基板上のGaAsバッファ層表面に、1分子層厚程度のGaSb層を導入することによって、高い均一性で、InAs量子ドットを1.1×1011cm-2以上の密度で形成することが可能になる。
さらに、このような高密度化にもかかわらず、コアレッセンスの発生を効果的に抑制でき、デバイスへの適用が期待される。
図10は、上述した高密度かつ高均一なInAs量子ドットを適用した量子ドットレーザの概略構成図である。図10(a)の例では、量子ドットレーザ10は、n型のGaAs(001)基板11上に、n型GaAsバッファ層12、n型AlGaAsクラッド層13、GaAs導波層14を有し、GaAs導波層14上に、活性層15を有する。この活性層15を挟んで、GaAs導波層16、p型AlGaAsクラッド層17が位置し、開口部を有する絶縁層(SiO2層)18を介して、p型電極19を有する。一方、基板11の裏面には、n型電極20が設けられる。
図10(b)に示すように、活性層15は、1分子層厚程度のGaSb層21と、GaSb層21上に1.1×1011cm-2以上の密度で高均一に形成されたInAs量子ドット22と、GaAsキャップ層23を有する。GaSb層21の膜厚は、0.24〜1.52ML厚の範囲で制御可能であるが、1分子層程度の膜厚が望ましい。図10(b)では便宜上、2層の積層構造を示しているが、GaSb層21上に自己成長したInAs量子ドット22を、3層以上に積層してもよい。
プローブやカンチレバーを用いて量子ドットを形成する場合と異なり、何層に積層しても、同一の成長室内で、供給ガスの種類と供給量を制御することによって、高密度、高均一のInAs量子ドットを自己形成することができる。
また、商業的に入手が容易なGaAs(001)基板を用いて、高密度、高均一の量子ドットを容易に形成できるので、コストの低減にも寄与する。
次に、図11および図12を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態では、GaAsバッファ層上のGaSbAs1−x(0<x≦1)層として、GaAsSb混晶バッファ層(x≠1)を用いる。この場合、InAs量子ドットは、GaAs基板面内の所定の方向に、正方格子状に自己配列する。
図11は、GaAsSb混晶バッファ層上に自己配列形成されたInAs量子ドットのAFM像である。GaAs基板の(001)面内の<010>方向に、InAs量子ドットが、1×1011cm-2以上の高密度で、均一な正方格子状に自己配列する様子がわかる。
図12は、このような正方格子状態のInAs量子ドットの形成を説明するための模式図である。
GaAs(001)基板31上に、GaAsバッファ層32を590℃で成長した後、
成長温度450℃、As4/Sb4照射フラックス比3〜9でGaAsSb混晶バッファ層33を10ML形成する。As4/Sb4照射フラックス比は、3〜9の範囲で適宜調整できるが、一例として、照射フラックス比を6に設定してGaAsSb混晶バッファ層33を形成し、さらにその上にGaAs層34を2ML形成する。GaAs層34上にInAs量子ドット35を成長温度500℃で2.6ML成長する。
第1実施形態のようにSbの組成x=1の場合、すなわちGaSb層を導入する場合は、InAs量子ドットは全体にまんべんなく均一な配置になる。これに対し、第2実施形態のように、Sbの構成xを1以外の値(0<x<1)にして、GaAsSb混晶バッファ層33の膜厚を、As4/Sb4照射フラックス比に応じて適切に制御することによって、第1実施形態と同様の高密度で、正方格子状の量子ドットが得られる。また、正方格子状に配列する場合の均一性も高い。
以上述べたように、本発明の実施形態では、InAs量子ドットを形成する際に、GaAsバッファ層表面にアンチモン(Sb)を含む薄膜を導入することによって、高密度かつ高均一な量子ドットの自己形成を、低コストで実現することができる。
GaSb膜上にInAs量子ドットを形成する場合は、コアレッセンスの発生を抑制して、ランダムな均一配置で高密度の量子ドットが得られる。
GaAsSb膜上にInAs量子ドットを形成する場合は、高密度の量子ドットを均一な正方格子状に自己配列することができる。
本発明の第1実施形態に係る量子ドットの形成を説明するための模式図である。 本発明の第1実施形態に係る量子ドットの成長条件を示す表である。 図3(a)は本発明の第1実施形態に係るGaSb/GaAs層上へのInAs量子ドットの成長を示すAFM像であり、図3(b)および3(c)は、比較例として、従来方法でGaAsバッファ層上に成長速度を変えてInAs量子ドットを成長したときのAFM像である。 本発明の第1実施形態に係るGaSb/GaAs層上へのInAs量子ドットの成長を示すTEM像である。 本発明の第1実施形態に係るGaSb/GaAs層上へのInAs量子ドットの成長を示すAFM像であり、図5(a)は、InAsカバレッジ(成長量)が2.4ML、図5(b)は、InAsカバレッジが3.7MLのときの像である。 GaSb上へのInAs2次元島から3次元島への成長を示すAFM像である。 図7(a)は、図6に示す細線状の2次元島のAFM拡大像であり、図7(b)は、2次元島から3次元島への遷移を示す模式図である。 本発明の第1実施形態に係る1分子層厚のGaSb層上のInAs量子ドット形成直後のRHEED像であり、図8(a)は2.4MLのInAsカバレッジ、図8(b)は3.7MLのInAsカバレッジのときの像である。 本発明の第1実施形態に係る1分子層厚のGaSb層上のInAs量子ドットの成長量に応じたPLスペクトルを示すグラフである。 本発明の第1実施形態に係る量子ドットを適用した量子ドットレーザの概略構成図である。 本発明の第2実施形態に係るGaAsSbバッファ層上に自己配列形成される量子ドットのAFM像である。 本発明の第2実施形態に係る量子ドットの形成を説明するための模式図である。
符号の説明
1、11、31 GaAs基板
2、12、32、34 GaAsバッファ層
3、21 GaSb層
4、22、35 InAs量子ドット
5、23 GaAsキャップ層
13、17 AlGaAsクラッド層
14、16 GaAs光導波層
15 活性層
33 GaAsSb混晶バッファ層

Claims (10)

  1. GaAs基板の表面に、GaAsバッファ層を成長して形成し、
    前記GaAsバッファ層の表面または前記GaAsバッファ層の上層に、GaSbAs1−xx=1)層を0.24〜1.52ML厚に成長して形成し、
    前記GaSbAs1−xx=1)層の表面に、InAs量子ドットを成長して自己形成する
    ことを特徴とする量子ドットの形成方法。
  2. 前記GaSb As 1−x (x=1)層は、As−Sb交換反応によって形成されることを特徴とする請求項に記載の量子ドットの形成方法。
  3. 前記InAs量子ドットは、1.1×1011cm-2以上のドット密度で自己形成されることを特徴とする請求項に記載の量子ドットの形成方法。
  4. 前記InAs量子ドットの自己形成ステップにおいて、コアレッセンスの発生が抑制されることを特徴とする請求項に記載の量子ドットの形成方法。
  5. 前記InAs量子ドットは、その成長初期において、細線状の2次元島が形成されることを特徴とする請求項に記載の量子ドットの形成方法。
  6. GaAs基板の表面に、GaAsバッファ層を成長して形成し、
    前記GaAsバッファ層の表面に、GaAsSb混晶バッファ層を成長して形成し、
    前記GaAsSb混晶バッファ層上にGaAs層を成長して形成し、
    前記GaAs層の表面にInAs量子ドットを、前記基板面内の所定の方向に、正方格子状に自己配列させて形成することを特徴とする量子ドットの形成方法。
  7. 前記InAs量子ドットは、(001)基板面内上の<010>方向に沿って正方格子状に配列することを特徴とする請求項に記載の量子ドットの形成方法。
  8. 前記InAs量子ドットは、1×1011cm-2以上のドット密度で正方格子状に自己配列することを特徴とする請求項に記載の量子ドットの形成方法。
  9. 前記GaAsSb混晶バッファ層を、As4/Sb4 照射フラックス比3〜9で形成することを特徴とする請求項に記載の量子ドットの形成方法。
  10. GaAs基板と、
    前記GaAs基板上の活性層と、
    前記活性層に電流を注入する電極と
    を備え、前記活性層は、
    0.24〜1.52ML厚のGaSb層と、
    前記GaSb層の表面に成長したInAs量子ドットと、
    前記InAs量子ドットを埋め込むGaAs埋め込み層と、
    を含み、前記InAs量子ドットは、1.1×1011cm-2以上の密度で配置されることを特徴とする量子ドットレーザ。
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