JP2001156298A - 半導体素子 - Google Patents

半導体素子

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JP2001156298A
JP2001156298A JP33678799A JP33678799A JP2001156298A JP 2001156298 A JP2001156298 A JP 2001156298A JP 33678799 A JP33678799 A JP 33678799A JP 33678799 A JP33678799 A JP 33678799A JP 2001156298 A JP2001156298 A JP 2001156298A
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layer
quantum dots
semiconductor device
gate electrode
quantum dot
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JP33678799A
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Hideki Ono
秀樹 小野
Juichi Suzuki
寿一 鈴木
Kenichi Taira
健一 平
Noriyuki Kawashima
紀之 川島
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 消費電力が小さく、高速動作および高集積化
が可能な半導体素子を提供する。 【解決手段】 基板1の上にチャネル層11,スペーサ
層12,第1の障壁層13,量子ドット14b,第2の
障壁層15,量子ドット16bおよび第3の障壁層17
を順次積層し、その上にゲート電極4を形成する。ゲー
ト電極4に光パルスLを照射すると、発生した光電子は
ショットキー障壁を乗り越えまずゲート電極4に近い量
子ドット16bに蓄積され、次いでゲート電極4から遠
い量子ドット14bに蓄積される。電子の蓄積効果の大
きさはチャネル層11との間の距離により異なるので、
電子の蓄積状態に応じてしきい値電圧の変化率は異な
る。すなわち、光パルスLの照射回数に対してしきい値
電圧は非線形に変化し、多値情報に対応することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、量子ドットを利用
して電荷を蓄積する半導体素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のEEPROM(Electrically Era
sable and Programable Read Only Memory)やフラッシ
ュメモリなどに代表される半導体素子は、MOS(Meta
l-Oxide-Semiconductor )トランジスタのゲート電極と
伝導層との間に、絶縁膜(例えば二酸化珪素膜)により
囲まれた電荷蓄積層を備えている。この半導体素子で
は、ソース電極とドレイン電極との間およびゲート電極
に高電圧が印加されると、絶縁膜中をトンネル効果によ
り電荷(すなわち電子または正孔)が遷移して電荷蓄積
層に蓄積され、その個数の違いを情報の違いとして保持
するようになっている。保持された情報は、電荷蓄積層
に蓄積された電荷の個数に応じてソース電極とドレイン
電極との間に流れる電流の大きさが変化すること利用し
て読み出すことができる。
【0003】このような半導体素子では、電荷蓄積層に
蓄積される電荷量をゲート電圧の印加時間により制御す
るようになっている。図10にゲート電圧の印加時間と
しきい値電圧の変化量との関係を示す。このように、こ
の半導体素子では、ゲート電圧の印加時間に伴いしきい
値電圧の変化量がほぼ線形に増加し、電荷蓄積層にそれ
以上の電荷が蓄積されなくなると飽和して一定となる。
よって、このような半導体素子では、一般に、電荷蓄積
層に十分電荷が蓄積されてしきい値電圧が十分大きく変
化した状態と、電荷蓄積層に電荷のほとんど無い状態と
の2つの状態を、「1」と「0」とにそれぞれ対応させ
て情報を保持している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の半導体素子では「1」または「0」の2つの
情報しか保持することができなかったので、1素子で多
値情報を保持することができず、論理素子あるいはニュ
ーロン素子などを作製する場合には複数の素子を配線で
結合しなければならなかった。そのため、配線により浮
遊抵抗や浮遊容量が大きくなり高速動作が制限されてし
まうと共に、複数の素子の結合により消費電力および素
子面積が大きくなってしまうという問題があった。
【0005】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、消費電力が小さく、高速動作および
高集積化が可能な半導体素子を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による半導体素子
は、伝導領域と、この伝導領域との間の距離が異なる2
以上の量子ドットと、これら量子ドットの前記伝導領域
と反対側の位置に設けられた制御電極とを備えており、
この制御電極に入力されるパルス信号の回数に応じて前
記量子ドットにおける電荷の蓄積状態が異なるものであ
る。
【0007】本発明による他の半導体素子は、伝導領域
と、この伝導領域との間の距離が異なる2以上の量子ド
ットと、これら量子ドットの前記伝導領域と反対側の位
置に設けられた制御電極とを備えており、この制御電極
に入力されるパルス信号の回数に応じてしきい値電圧が
変化するものである。
【0008】本発明による半導体素子では、制御電極に
パルス信号が入力されると、その回数に応じて量子ドッ
トに電荷が蓄積される。ここでは、伝導領域との間の距
離が異なる2以上の量子ドットを備えているので、電荷
が蓄積された量子ドットと伝導領域との間の距離によ
り、異なった電荷の蓄積効果が得られる。
【0009】本発明による他の半導体素子では、制御電
極にパルス信号が入力されると、その回数に応じてしき
い値電圧が変化する。ここでは、伝導領域との間の距離
が異なる2以上の量子ドットを備えているので、電荷が
蓄積された量子ドットにより、しきい値電圧がパルス信
号の入力回数に対して非線形に変化する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0011】(第1の実施の形態)図1は本実施の形態
に係る半導体素子である電界効果トランジスタ(FE
T;Field Effect Transistor )の上部から見た構造を
表すものである。図2は図1に示したFETのI−I線
に沿った断面構造を表すものである。このFETは、半
絶縁性GaAsよりなる基板1の上に、ソース電極2,
ドレイン電極3および制御電極としてのゲート電極4が
それぞれ離間して設けられている。これらソース電極
2,ドレイン電極3およびゲート電極4の一部は、基板
1の表面に設けられた素子領域10の一部とそれぞれ接
触しており、ゲート電極4は素子領域10の上において
ソース電極2とドレイン電極3との間に位置している。
【0012】ソース電極2とゲート電極4との間および
ドレイン電極3とゲート電極4との間には、例えば、素
子領域10のうちソース電極2,ドレイン電極3および
ゲート電極4によりそれぞれ覆われていない表面を覆う
ように、遮光膜5がそれぞれ設けられている。これら遮
光膜5は、例えば、絶縁性および遮光性を有するプラス
チックによりそれぞれ構成されている。ゲート電極4の
上には、例えば、光ファイバ6の一端部が素子領域10
に対応して配設されている。この光ファイバ6の一端部
は、例えば、遮光膜5の上に設けられたプラスチック製
の固定部材7により固定されている。光ファイバ6の他
端部は、例えば、図示しないレーザ光発生装置に接続さ
れており、図示しないレーザ光発生装置から発生された
光Lをゲート電極4に照射できるようになっている。
【0013】図3は図2における素子領域10の構成を
拡大して表すものである。なお、図3では光ファイバ6
および固定部材7の記載を省略してある。この素子領域
10は、例えば、基板1とゲート電極4との間に、基板
1の側からチャネル層11,スペーサ層12,第1の障
壁層13,第1の蓄積層14,第2の障壁層15,第2
の蓄積層16,第3の障壁層17およびキャップ層18
がこの順に積層された構造を有している。
【0014】チャネル層11は、例えば、積層方向の厚
さ(以下、単に厚さと言う)が20nm程度であり、ケ
イ素(Si)またはセレン(Se)などのn型不純物が
5×1017/cm3 程度添加されたn型GaAsにより
構成されている。スペーサ層12は、例えば、厚さが5
0nm程度であり、GaAsにより構成されている。こ
れらチャネル層11およびスペーサ層12のうちの少な
くとも一部は、電圧の印加状態に応じて、電流の通路で
ある伝導領域として機能するようになっている。
【0015】第1の障壁層13,第2の障壁層15およ
び第3の障壁層17は、第1の蓄積層14および第2の
蓄積層16に電荷として電子を閉じ込めるためのもので
ある。具体的には、後述する量子ドット14b,16b
に電子を閉じ込めるためのものである。これら第1の障
壁層13,第2の障壁層15および第3の障壁層17
は、例えば、AlGaAs混晶によりそれぞれ構成され
ており、第1の障壁層13および第2の障壁層15の厚
さはそれぞれ20nm程度、第3の障壁層17の厚さは
60nm程度となっている。
【0016】第1の蓄積層14は、例えば、濡れ層14
aと、この濡れ層14aの面内に形成された複数の量子
ドット14bとを有している。濡れ層14aおよび量子
ドット14bは、例えば、InAsによりそれぞれ構成
されている。濡れ層14aは、後述する製造方法により
量子ドット14bを形成する場合に第1の障壁層13の
表面に形成されるものであり、単原子層よりなってい
る。なお、この濡れ層14aは必須の構成要素ではな
く、他の製造方法により量子ドット14bが形成される
場合には、第1の蓄積層14に設けられていなくてもよ
い。
【0017】量子ドット14bの大きさは、離散化準位
間のエネルギー幅がkB Tよりも十分大きくなるように
なっており、例えば、数nm程度となっている。なお、
Bはボルツマン定数=1.38×10-23 J/Kであ
り、Tは素子の絶対温度である。すなわち、量子ドット
14bの電子状態はそれぞれ零次元的に量子化されてお
り、量子ドット14bには局在するエネルギー準位(す
なわち量子準位)がそれぞれ形成されている。
【0018】第2の蓄積層16は、例えば、第1の蓄積
層14と同様の構成を有している。すなわち、InAs
よりそれぞれなる濡れ層16aと複数の量子ドット16
bとを有している。濡れ層16aは、濡れ層14aと同
様に必須の構成要素ではない。なお、量子ドット14b
と量子ドット16bとは数が同一であり、互いに対応す
る位置にそれぞれ形成されている。具体的には、互いに
対応する量子ドット14bと量子ドット16とは、チャ
ネル層11に対して垂直な同一の線上にそれぞれ位置し
ており、伝導領域との間の距離およびゲート電極4との
間の距離が互いに異なっている。
【0019】キャップ層18は酸化を防止するためのも
のであり、例えば、厚さが5nmのGaAsにより構成
されている。このキャップ層18は、この上に設けられ
たゲート電極4と非オーミック接触している。なお、ゲ
ート電極4は、例えば、アルミニウム(Al)などの適
宜の金属により構成されている。
【0020】素子領域10には、また、ソース電極2に
対応してソース領域19aが設けられており、ドレイン
領域3に対応してドレイン領域19bが設けられてい
る。これらソース領域19aおよびドレイン領域19b
は、例えば、半導体と金属との合金層によりそれぞれ構
成されており、ソース電極2またはドレイン電極3とそ
れぞれオーミック接触している。これらソース領域19
aおよびドレイン領域19bは、また、チャネル層11
およびスペーサ層12にもそれぞれ隣接しており、これ
により、チャネル層11およびスペーサ層12はソース
電極2およびドレイン電極3とそれぞれ電気的に接続さ
れている。なお、ソース電極2およびドレイン電極3
は、例えば、基板1の側から金(Au)とゲルマニウム
(Ge)との合金層,ニッケル(Ni)層および金層を
順に積層して加熱処理により合金化した構造をそれぞれ
有している。
【0021】図4は図3におけるII−II線に沿った
熱平衡時のエネルギーバンド構造を表すものである。な
お、このFETでは量子ドット14b,16bに蓄積さ
れる電荷が電子であるので、ここでは伝導帯端のエネル
ギー準位EC について表している。図4中においてEF
はフェルミ準位、E0 は真空準位である。
【0022】このように、チャネル層11を構成する物
質の電子親和力φch,スペーサ層12を構成する物質の
電子親和力φS および量子ドット14b,16bをそれ
ぞれ構成する物質の電子親和力φQ1,φQ2は、第1の障
壁層13を構成する物質の電子親和力φB1,第2の障壁
層15を構成する物質の電子親和力φB2および第3の障
壁層17を構成する物質の電子親和力φB3よりもそれぞ
れ大きくなっている。また、量子ドット14b,16b
にそれぞれ局在する電子の最低エネルギー準位E0 Q1
0 Q2は、チャネル層11のフェルミ準位EF よりも大
きくなっている。
【0023】このような構成を有するFETは、次のよ
うに作用する。
【0024】このFETでは、ゲート電極4に光ファイ
バ6を介して光パルスLを照射することにより、量子ド
ット14b,16bに電子をそれぞれ蓄積させる。ここ
では、量子ドット14bよりも量子ドット16bの方が
ゲート電極4との間の距離が短くなっているので、ゲー
ト電極4に数1を満たす光パルスLを照射すると、ゲー
ト電極4において発生した光電子は、まず、図5に示し
たように、ショットキー障壁を乗り越えてゲート電極4
に近い量子ドット16bに蓄積される。
【0025】
【数1】hν>Eb h ;プランク定数 ν ;照射光の振動数 Eb ;ショットキー障壁の高さ
【0026】更に、光パルスLの照射を続け量子ドット
16bの準位が満たされると、それ以降の光パルスLの
照射により生成した光電子は、図6に示したように、シ
ョットキー障壁を乗り越えてゲート電極4から離れた量
子ドット14bに蓄積される。すなわち、ゲート電極4
に入力されるパルス信号Lの回数に応じて量子ドット1
4b,16bにおける電子の蓄積状態が異なる。
【0027】このように量子ドット14b,16bに電
子が蓄積されると、このFETでは、電子の蓄積状態に
応じてしきい値電圧が変化する。図7はゲート電圧4へ
の光パルスLの照射回数としきい値電圧の変化量との関
係を表すものである。ここでは、量子ドット14bと量
子ドット16bとで伝導領域との間の距離が異なってい
るので、量子ドット14bに電子が蓄積されるか量子ド
ット16bに電子が蓄積されるかで電子の蓄積効果の大
きさが異なり、しきい値電圧の変化率が異なる。具体的
には、光パルスLの照射回数の増加に伴い量子ドット1
6bに電子が蓄積されると、図7においてAで示したよ
うにしきい値電圧の変化量が増加し、更に量子ドット1
4bに電子が蓄積されると、図7においてBで示したよ
うにしきい値電圧の変化量が増加する。すなわち、光パ
ルスLの照射回数に対してしきい値電圧の変化量が非線
形に変化する。よって、このFETでは、1素子で多値
情報に対応することができるようになっている。
【0028】なお、量子ドット14b,16bに蓄積さ
れた電子は、例えば、ゲート電極4に逆バイアスの負の
ゲート電圧が印加されることにより、伝導領域に遷移さ
れる。
【0029】このようなFETは、次のようにして製造
することができる。
【0030】図8および図9はその製造工程を表すもの
である。まず、図8(A)に示したように、半絶縁性の
GaAsよりなる基板1の一面に、例えば、分子線エピ
タキシー(Molecular Beam Epitaxy;MBE)法,有機
金属気相成長(Metal Organic Chemical Vapor Deposit
ion ;MOCVD)法あるいは有機金属分子線エピタキ
シー(Metal Organic Molecular Beam Epitaxy;MOM
BE)法により、n型GaAsよりなるチャネル層1
1,GaAsよりなるスペーサ層12,AlGaAs混
晶よりなる第1の障壁層13およびInAsよりなる第
1の蓄積層14を順次成長させる。
【0031】なお、第1の蓄積層14における量子ドッ
ト14bは、他の層と同様にして原料を供給することに
より自己形成される。すなわち、第1の障壁層13を成
長させたのち、第1の蓄積層14を形成するための原料
を供給すると、まず第1の障壁層13の全面に対して単
原子層のInAs層が成長し、次いで突状に複数のIn
As層が成長する。これにより、濡れ層14aと量子ド
ット14bが形成される。
【0032】次いで、図8(B)に示したように、第1
の蓄積層14を覆うように、例えば、MBE法,MOC
VD法あるいはMOMBE法により、AlGaAs混晶
よりなる第2の障壁層15およびInAsよりなる第2
の蓄積層16を順次成長させる。なお、第2の蓄積層1
6における量子ドット16bは第1の蓄積層14と同様
にして自己形成される。その際、量子ドット16bは量
子ドット14bと対応するように形成される(Phys. Re
v. Lett.,76,952(1996) 参照)。
【0033】続いて、図9に示したように、第2の蓄積
層16を覆うように、例えば、MBE法,MOCVD法
あるいはMOMBE法により、AlGaAs混晶よりな
る第3の障壁層17およびGaAsよりなるキャップ層
18を順次成長させる。キャップ層18を形成したの
ち、例えば、素子領域10を除きキャップ層18からチ
ャネル層11までを選択的に除去して素子分離を行う。
素子分離をしたのち、例えば、全面に図示しないフォト
レジスト膜を形成し、ソース電極2およびドレイン電極
3の形成領域に対応させて開口をそれぞれ形成する。そ
ののち、例えば、真空蒸着法あるいはスパッタリング法
により、全面に金とゲルマニウムとの合金層,ニッケル
層および金層を順次蒸着し、図示しないフォトレジスト
膜の上に形成されたこれらの金属層をフォトレジスト膜
と共に除去(リフトオフ)して、ソース電極2およびド
レイン電極3を形成する。ソース電極2およびドレイン
電極3をそれぞれ形成したのち、例えば400℃程度の
温度で加熱処理をし、ソース領域19aおよびドレイン
領域19bをそれぞれ形成する。
【0034】ソース領域19aおよびドレイン領域19
bをそれぞれ形成したのち、全面に図示しないフォトレ
ジスト膜を形成し、ゲート電極4の形成領域に対応させ
て開口を形成する。そののち、例えば、真空蒸着法ある
いはスパッタリング法により、全面にアルミニウム層を
蒸着し、図示しないフォトレジスト膜の上に形成された
これらの金属層をフォトレジスト膜と共に除去して、ゲ
ート電極4を形成する。ゲート電極4を形成したのち、
遮光膜5を形成し、光ファイバ6を固定部材7により固
定する。これにより、図1ないし図3に示したFETが
形成される。
【0035】このように本実施の形態に係るFETによ
れば、伝導領域との間の距離が異なる量子ドット14
b,16bを備えると共に、ゲート電極4に光パルスL
を照射して量子ドット14b,16bに電子を蓄積させ
るようにしたので、光パルスLの照射回数に応じて量子
ドット14b,16bにおける電子の蓄積状態を変化さ
せることができる、これによりしきい値電圧を変化させ
ることができる。すなわち、量子ドット14b,16b
と伝導領域との間の距離により電子の蓄積効果の大きさ
は異なるので、光パルスLの照射回数に対してしきい値
電圧を非線形に変化させることができる。よって、1素
子で多値情報に対応することができ、論理素子あるいは
ニューロン回路などであっても消費電力および面積を小
さくすることができると共に、高速で動作させることが
できる。
【0036】また、パルス信号として光パルスLを利用
するようにしたので、光電変換素子としての利用も考え
ることができる。
【0037】以上、実施の形態を挙げて本発明を説明し
たが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではな
く、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態にお
いては、第1の蓄積層14と第2の蓄積層16とを備え
る場合について説明したが、電荷を蓄積する層を3以上
備えるようにしてもよい。すなわち、伝導領域との間の
距離が異なる3以上の量子ドットを備えるようにしても
よい。
【0038】また、上記実施の形態においては、量子ド
ット14と量子ドット16とが互いに対応して形成され
る場合について説明したが、対応して形成されていなく
てもよい。また、数も同一でなくてもよい。
【0039】更に、上記実施の形態においては、各構成
要素を構成する材料について具体的な一例を挙げて説明
したが、他の材料によりそれぞれ構成することもでき
る。例えば、第1の障壁層13,第2の障壁層15およ
び第3の障壁層17をAlAsまたはAlx Ga1-x
b(0≦x≦1)によりそれぞれ構成するようにしても
よい。また、チャネル層11およびスペーサ層12をI
y Ga1-y As(0<y≦1)によりそれぞれ構成す
るようにしてもよく、量子ドット14b,16bをIn
z Ga1-z As(0≦z<1)によりそれぞれ構成する
ようにしてもよい。更に、これらをIII−V族化合物
半導体以外の他の半導体によりそれぞれ構成するように
してもよい。
【0040】加えて、上記実施の形態においては、FE
Tの構成について具体的な一例を挙げて説明したが、他
の構成とされていてもよい。例えば、スペーサ層を備え
ていなくてもよく、伝導領域のキャリアは変調ドーピン
グまたは二次元電子ガス(2DEG)により形成されて
いてもよい。
【0041】更にまた、上記実施の形態においては、ゲ
ート電極4に光パルス信号を入力する場合について説明
したが、電圧パルス信号などの他のパルス信号でもよ
い。
【0042】加えてまた、上記実施の形態においては、
チャネル層11をn型半導体により構成する場合につい
て説明したが、p型半導体(例えば、亜鉛(Zn)など
のp型不純物を添加したp型GaAs)により構成する
ようにしてもよい。
【0043】更にまた、上記実施の形態においては、F
ETを例に挙げて説明したが、本発明は、他の半導体素
子についても広く適用することができる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように請求項1または2に
記載の半導体素子によれば、伝導領域との間の距離が異
なる2以上の量子ドットを有し、制御電極に入力される
パルス信号の回数に応じて量子ドットにおける電荷の蓄
積状態が異なるようにしたので、電荷の蓄積状態の違い
を多値情報に対応させることができる。よって、1素子
で多値情報に対応することができ、論理素子あるいはニ
ューロン回路などであっても消費電力および面積を小さ
くすることができると共に、高速で動作させることがで
きるという効果を奏する。
【0045】特に、請求項2記載の半導体素子によれ
ば、パルス信号として光パルスを用いるようにしたの
で、光電変換素子としての利用も考えることができると
いう効果を奏する。
【0046】また、請求項3に記載の半導体素子によれ
ば、伝導領域との間の距離が異なる2以上の量子ドット
を有し、制御電極に入力されるパルス信号の回数に応じ
てしきい値電圧が変化するようにしたので、しきい値電
圧の違いを多値情報に対応させることができる。よっ
て、1素子で多値情報に対応することができ、論理素子
あるいはニューロン回路などであっても消費電力および
面積を小さくすることができると共に、高速で動作させ
ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る半導体素子である
FETの構成を表す平面図である。
【図2】図1に示したFETのI−I線に沿った構成を
表す断面図である。
【図3】図2における素子領域の構成を拡大して表す断
面図である。
【図4】図3におけるII−II線に沿ったエネルギー
バンド構造を表す図である。
【図5】図1ないし図3に示したFETの動作を説明す
るためのエネルギーバンド構造図である。
【図6】図1ないし図3に示したFETの動作を説明す
るためのエネルギーバンド構造図である。
【図7】図1ないし図3に示したFETにおける光パル
スの照射回数としきい値電圧の変化量との関係を表す特
性図である。
【図8】図1ないし図3に示したFETの製造工程を表
す断面図である。
【図9】図8に続く製造工程を表す断面図である。
【図10】従来の半導体素子におけるゲート電圧印加時
間としきい値電圧の変化量との関係を表す特性図であ
る。
【符号の説明】
1…基板、2…ソース電極、3…ドレイン電極、4…ゲ
ート電極(制御電極)、5…遮光膜、6…光ファイバ、
7…固定部材、10…素子領域、11…チャネル層、1
2…スペーサ層、13…第1の障壁層、14…第1の蓄
積層、14a,16a…濡れ層、14b,16b…量子
ドット、15…第2の障壁層、16…第2の蓄積層、1
7…第3の障壁層、18…キャップ層、19a…ソース
領域、19b…ドレイン領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平 健一 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 川島 紀之 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5F049 MA14 MB07 NA20 NB10 QA16 5F083 FZ04 ZA21 5F102 FB07 GA19 GB01 GC01 GD05 GJ05 GL05 GQ05 GT02 HC01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 伝導領域と、 この伝導領域との間の距離が異なる2以上の量子ドット
    と、 これら量子ドットの前記伝導領域と反対側の位置に設け
    られた制御電極とを備えており、 この制御電極に入力されるパルス信号の回数に応じて前
    記量子ドットにおける電荷の蓄積状態が異なることを特
    徴とする半導体素子。
  2. 【請求項2】 前記制御電極に入力されるパルス信号
    は、光パルスであることを特徴とする請求項1記載の半
    導体素子。
  3. 【請求項3】 伝導領域と、 この伝導領域との間の距離が異なる2以上の量子ドット
    と、 これら量子ドットの前記伝導領域と反対側の位置に設け
    られた制御電極とを備えており、 この制御電極に入力されるパルス信号の回数に応じてし
    きい値電圧が変化することを特徴とする半導体素子。
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