JP2002084042A - 量子ドット構造体及びそれを有する半導体デバイス装置 - Google Patents

量子ドット構造体及びそれを有する半導体デバイス装置

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 量子ドットとマトリクス間のV族原子の置換
及びIII族原子のミキシングを制御した量子ドット構造
体を提供すること。 【解決手段】 III−V族元素からなる第一の化合物半
導体層18中に、III−V族元素からなる第二の化合物
半導体を量子ドット16として有する量子ドット構造体
であって、第一の化合物半導体層と第二の化合物半導体
の間に、第二の化合物半導体と同一のV族元素を含有
し、かつ第二の化合物半導体と比較して同等ないしは大
きい禁制帯幅を有する第三の化合物半導体層17を設け
たことを特徴とする量子ドット構造体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、量子ドットレーザ
ーなどの光デバイスや量子ドットメモリなどの電子デバ
イスを実現するのに好適な量子ドット構造体、及びそれ
を用いた半導体デバイス装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、量子ドットの作製で最も多く用い
られている技術は、格子不整合系材料で生じるS−K
(Stranski-Krastanov)モード成長と呼ばれる結晶成長
現象を利用したS−Kモード成長法である。このS−K
モード成長法は、一定の格子定数をもつ第一の半導体層
上に第一の半導体とは大きく異なる格子定数をもつ第二
の半導体を成長させるものであり、第二の半導体は、そ
の成長の初期段階においては、第一の半導体上に擬似格
子整合的に層状に二次元成長を行うが、格子不整合によ
る歪エネルギーが蓄積していくため、成長がある層厚に
達すると、歪エネルギーを緩和し、ナノメータースケー
ルの三次元な島状の構造を形成するようになる。このよ
うにして形成された三次元な島上にさらに第一の半導体
を成長させ、該三次元島を埋め込むことによって量子ド
ット構造体が形成される。
【0003】量子ドット構造体の光デバイスや電子デバ
イスへの応用に当たっては、従来の量子井戸構造と同
様、量子ドット構造体を量子閉じ込め構造として機能さ
せる必要がある。このためには、量子ドットがもつ禁制
帯幅と比較して十分大きい禁制帯幅を有する第一の半導
体(以下、「マトリクス」という)層中に第二の半導体
(以下「量子ドット」という)を閉じ込める必要があ
る。例えば、InAs量子ドット構造体を半導体デバイス
として利用する場合には、上記閉じ込め構造を形成する
ために、InAsよりも禁制帯幅が大きいGaAs層中にI
nAsを閉じ込めることが一般的に行われている。
【0004】しかしながら、例えばInAsとGaAsの組
み合わせのように、V族元素であるAsを共通の元素と
して有するIII−V族化合物半導体のみで量子ドット構
造体を構成する場合には、量子ドットとマトリクス間の
禁制帯幅の差、すなわち電子と正孔に対するポテンシャ
ル障壁の高さを設計する上で制約が生じる。例えば、上
記のInAs量子ドットとGaAsマトリクスの組み合わせ
ではポテンシャル障壁の高さが十分ではないため、高温
でキャリアが量子ドット側からマトリクス側へ漏出して
しまう。その結果、活性層における非発光性再結合が増
大して量子ドットの発光効率が著しく低下してしまう。
具体的には、V族元素を共通とするIII−V族化合物半
導体からなる量子ドット構造体を活性層として有するレ
ーザダイオードが高温においてレーザ特性が著しく劣化
するといった、デバイス性能の高温での劣化が報告され
ている(例えば、小路 元、応用物理、第67巻、第2号
(1998)p172〜p175)。
【0005】そこで、上記問題点を解決するために、G
aAsマトリクスよりもさらに大きい禁制帯幅を有するA
lGaAsをマトリクスとして利用したInAs量子ドット
構造体がこれまでに報告されている(小池ら:Jpn.J. Ap
pl. Phys. Vol.38(1999) p L417-L419)。
【0006】しかしながら、AlGaAsをマトリクスと
したInAs量子ドット構造体をレーザダイオード等に応
用する場合には、半導体層をエピタキシャル成長させる
必要がある。このエピタキシャル成長法として分子線エ
ピタキシー(MBE)法を用いる場合、光学的に良質な結
晶特性を有するAlGaAsマトリクスの成長には700℃以
上の基板温度が必要となる。これに対し、InAs量子ド
ットの最適な成長温度は520℃付近である。したがっ
て、AlGaAsとInAsの間には成長に適した共通の基
板温度領域が存在しないため、量子ドット構造の形成が
困難でなるという欠点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記基板温度に関する
欠点を解消するために、例えばMBE法によるエピタキ
シャル成長に適した共通の基板温度領域を有するマトリ
クスとして、V族原子のPを含有するGaInP、AlGa
InPなどを選択することもできる。Pを含有するマト
リクスを選択すれば、InAs量子ドットと禁制帯幅の差
を大きくし、かつGaAs基板に格子整合させ得る。しか
し、量子ドットとマトリクスのヘテロ界面の組成急唆性
及び平坦性を制御することは難しいため、量子ドットの
サイズ、密度、発光エネルギー等を制御することは難し
くなってしまうという課題がある。
【0008】量子ドット構造体においては、量子ドット
分子がマトリクス上を移動する現象、すなわちマイグレ
ーションは構造を制御する上で重要なファクターとな
る。マトリクスがGaAsである場合には、InAs分子
は、十分マイグレーションし得るため、Inの供給量を
調節することで量子ドットのサイズや密度の制御が比較
的容易となる。しかるに、GaInPやAlInPをマトリ
クスとして利用する場合には、InAs分子のマイグレー
ション距離はGaAs中に比べて小さくなるため、量子ド
ットが自己形成される臨界膜厚がGaAsをマトリクスと
する場合とは異なる。このため、GaInPやAlInPを
マトリクスとして利用する場合には、量子ドットのサイ
ズや密度を制御することが困難になるという問題もあ
る。
【0009】さらに、InAs量子ドットは、一旦形成さ
れたとしてもP系マトリクス半導体層形成時にV族の置
換が生じるため、量子ドットの組成の保存、量子ドット
のサイズや密度の維持が困難であるという問題がある。
【0010】
【課題を解決するための手段】かくして本発明は、量子
ドット構造体を作製する際の量子ドット半導体とマトリ
クス半導体の相互間における上記諸問題を解決し得る量
子ドット構造体及びこの量子ドット構造体を有する半導
体デバイス装置を提供するものである。
【0011】本発明者らは、これまで量子ドットのサイ
ズ及び密度の調節が困難であるとされてきたGaInPや
AlInPをマトリクスとして利用する場合であっても、
計画どおりの量子ドットサイズ及び密度を含む量子ドッ
ト構造体を得るために、様々な鋭意検討を重ねて来た。
すなわち、上記課題を解決するため、本発明者らは量子
ドット構造体の量子ドット及びマトリクス間のV族原子
の相互置換の制御、さらには量子ドット半導体とマトリ
クス半導体間のIII族元素のミキシングの制御に着目し
て鋭意検討を行って来た。
【0012】量子ドットのサイズと密度は、格子不整合
度、成長表面におけるマイグレーションの起こりやすさ
などにより決定される。量子ドットのサイズ及び密度の
均一化・最適化は、量子ドットの光デバイスや電子デバ
イスへの応用に不可欠な課題である。そこで、本発明者
らは、設計したとおりの量子ドット密度と大きさを有す
る新規な量子ドット構造体の開発を目的として研究を続
けた。
【0013】量子ドットの製作に汎用されているS−K
モード成長法では、半導体層のエピタキシャル成長とし
てMBE法を主として使用する。例えばGaInPの(1
00)面上に直接InAs量子ドットをMBE法を用いて
形成する場合には、GaInPの成長からInAs量子ドッ
ト形成に移行する際にGaInP表面にAs分子を照射す
るプロセスが必要となる。また、GaInPでInAs量子
ドットを埋め込む際には、InAs量子ドット表面にP分
子を照射するプロセスが必然的に含まれることになる。
しかもInAs量子ドットを成長させる場合、通常、成長
速度を1原子層/秒以下とする必要があるため、それだ
けGaInP表面にAs分子が照射される時間は長くな
る。
【0014】発明者らは、上記プロセスにおいてInAs
量子ドット中のAs原子が、照射されたP原子と置換さ
れやすくなり、その結果、量子ドットの組成が変化し、
量子ドットのサイズ、密度、発光エネルギー等を制御す
ることが難しくなると考察した。また発明者らは、この
AsとPとのV族元素の相互置換が引き金となって、量
子ドット半導体とマトリクス半導体間のミキシングを促
進させ、マトリクス表面及び量子ドットの組成制御や、
量子ドット構造体のサイズや密度の制御が困難になると
考察した。さらに発明者らは、形成されたInAs量子ド
ットの表面が(100)面以外の高次の面指数からなる
結晶面で構成され、しかも格子歪みを有しているため、
一旦形成されたInAs量子ドットであっても、格子整合
した材料系からなる歪みのない平坦な(100)表面と
比較して、V族原子間の相互置換に伴うIII族原子のミ
キシングが促進されやすいことが原因で、マトリクス半
導体層の量子ドットとの界面近傍の組成、量子ドット組
成の制御、及び量子ドットのサイズや密度の制御が困難
になるとも考察した。
【0015】そこで、本発明者らは、上記の考察の下、
量子ドット及びマトリクス間のV族元素の相互置換と、
それに伴うIII族元素のミキシングを制御する手段とし
て、マトリクス半導体と量子ドット半導体の間に第三の
化合物半導体の中間層を形成することを考案した。より
具体的には、本発明者らは量子ドットよりも大きい禁制
帯幅を有し、かつ量子ドットと同一のV族元素を含有す
る化合物半導体の中間層を、量子ドットに閉じ込められ
た電子の波動関数がマトリクス半導体に十分しみ出す程
度の薄い厚さで、マトリクス半導体と量子ドットとの間
に設けた量子ドット構造体を考案した。驚くことに、こ
の構造を有する量子ドット構造体であれば、所望の量子
ドットのサイズと密度を得ることができ、しかも、量子
ドット半導体とマトリクス半導体間のV族原子の置換
と、III族元素のミキシングの制御も可能という優れた
成果を得ることができた。
【0016】すなわち、本発明の量子ドット構造体は、
III−V族元素からなる第一の化合物半導体層中に、III
−V族元素からなる第二の化合物半導体を量子ドットと
して有するものであって、第一の化合物半導体層と第二
の化合物半導体の間に、第二の化合物半導体と同一のV
族元素を含有し、かつ第二の化合物半導体よりも大きい
禁制帯幅を有する第三の化合物半導体層を設けたことを
特徴とする。
【0017】本発明の量子ドット構造体の好ましい態様
としては、第二の化合物半導体の全表面が、第三の化合
物半導体層で覆われている態様;第三の化合物半導体
が、第二の化合物半導体よりも第一の化合物半導体に近
い格子定数を有する態様;第一の化合物半導体がGaAs
に格子整合可能なGaInP、AlInP又はAlGaInP
であり、第二の化合物半導体がInAs又はGaInAs
であり、第三の半導体がGaAs、GaInAs、AlGaI
nAs又はAlGaAsである態様;第一の化合物半導体層
の厚さが1原子層以上である態様;第三の化合物半導体
層の厚さが1原子層〜10nmである態様;上記のいず
れかの量子ドット構造体を少なくとも1回以上積層した
態様が挙げられる。
【0018】また、本発明の半導体デバイス装置は、上
記量子ドット構造体を活性層として有し、かつ第一の化
合物半導体より禁制帯幅が広く、屈折率が小さい第四の
化合物半導体層をクラッド層としたダブルヘテロ構造を
有することを特徴とする。
【0019】本発明の半導体デバイス装置の好ましい態
様としては、上記量子ドット構造体を活性層及び光ガイ
ド層として有する態様;半導体デバイス装置が半導体発
光素子である態様;該半導体発光素子が半導体レーザー
である態様が挙げられる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明の量子ドット構造体
について詳細に説明する。本発明の量子ドット構造体
は、V族元素を含有する第一の化合物半導体層中に、量
子ドットとしてV族元素を含有する第二の化合物半導体
を有するIII−V族化合物半導体であって、第一の化合
物半導体層と第二の化合物半導体の間に、第二の化合物
半導体と同一のV族元素を含有し、かつ第二の化合物半
導体と比較して同等ないしは大きい禁制帯幅を有する第
三の化合物半導体層を設けたことを特徴とする。
【0021】本発明の量子ドット構造体には、第一の化
合物半導体層と第二の化合物半導体の間に第三の化合物
半導体層が存在する構造部分が存在していることが必要
とされる。これは、第一の化合物半導体層と第二の化合
物半導体の間に必ず第三の化合物半導体層が存在してい
なければならないことを意味するものではない。すなわ
ち、第一の化合物半導体中に量子ドットとして存在する
第二の化合物半導体の一部だけが第三の化合物半導体と
接するように構成されているものも本発明の範囲に包含
される。ただし、本発明のもっとも好ましい態様は、第
二の化合物半導体の全表面が第三の化合物半導体と接す
るように構成されている態様である。
【0022】本発明の量子ドット構造体を図1に示す態
様を参照しながら具体的に説明する。なお、本明細書に
添付する図面は、本発明の構造を把握しやすくするため
に、敢えて寸法を変えている部分があるが、実際の寸法
は本明細書に記載されているとおりである。
【0023】図1は、GaInPマトリクス中にInAs量
子ドット構造を形成した量子ドット構造体を含む、ダブ
ルへテロ構造を有する半導体デバイス装置の正面図であ
る。図1には、基板11の上に、バッファー層12、第
1導電型クラッド層13、マトリクス層14、中間層1
5、量子ドット16、中間層17、マトリクス層18か
らなる活性層21、第2導電型クラッド層19、キャッ
プ層20を順に積層した半導体デバイス装置が示されて
いる。ここで、マトリクス層14、中間層15、量子ド
ット16、中間層17及びマトリクス層18は本発明の
量子ドット構造体を構成するものであり、図1の半導体
デバイス装置において活性層21として機能する。な
お、本発明の半導体デバイス装置は、これらの層のほか
に、例えばレーザダイオードやトランジスタなどに通常
形成される層を適宜有していてもよい。
【0024】図1において基板11は、その上にダブル
へテロ構造の結晶を成長することが可能なものであれ
ば、その導電性や材料については特に限定されない。好
ましいものは、導電性がある基板である。具体的には、
基板上への結晶薄膜成長に適したGaAs、InP、Ga
P、ZnSe、ZnO、Si、Al23等の結晶基板、特に
閃亜鉛鉱型構造を有する結晶基板を用いるのが好まし
い。その場合、基板結晶成長面は低次な面、又はそれと
結晶学的に等価な面が好ましく、(100)面が最も好
ましい。なお、本明細書において(100)面という場
合、必ずしも厳密に(100)シャストの面である必要
はなく、最大30°程度のオフアングルを有する場合ま
で包含する。オフアングルの大きさの上限は30°以下
が好ましく、16°以下がより好ましい。下限は0.5
°以上が好ましく、2°以上がより好ましく、6°以上
がさらに好ましく、10°以上が最も好ましい。
【0025】また、基板11は六方晶型の基板でもよ
く、例えばAl23、6H−SiC等からなる基板を用い
ることもできる。
【0026】基板11上には、基板の欠陥をエピタキシ
ャル成長層に持ち込まないために厚さ0.2〜2μm程
度のバッファ層12を形成しておくことが好ましい。バ
ッファー層12は、基板上に形成しようとしている化合
物半導体層が良質な薄膜として形成され得るものであれ
ば特に限定はないが、一般には基板とその上に形成され
る化合物半導体層(第1導電型クラッド層)のいずれに
も格子整合のよい材料が選択される。バッファー層とし
ては、例えば、GaAs、AlGaAs/GaAs超格子など
が挙げられる。
【0027】図1の態様においては、基板11上にマト
リクス層14,18、中間層15,17及び量子ドット
16からなる量子ドット構造体を活性層21として形成
している。活性層21の上下には、活性層21より屈折
率の小さい層を含んでおり、そのうち基板側の層は第1
導電型クラッド層、他方のエピタキシャル側の層は第2
導電型クラッド層として機能する。これらの屈折率の大
小関係は、各層の材料組成を当業者に公知の方法にした
がって適宜選択することにより調節することができる。
例えば、AlxGa1-xAs、(AlxGa1-x)0.5In0.5P、
AlxGa1-xNなどのAl組成を変化させることによって
屈折率を調節することができる。
【0028】第1導電型クラッド層13は、活性層2
1、特にマトリクス層14よりも屈折率が小さく、かつ
禁制帯幅の大きい材料で形成される。また、第1導電型
クラッド層13の屈折率は、後述する第2導電型クラッ
ド層19の屈折率よりも大きいことが好ましい。さら
に、第1導電型クラッド層13は、後述する第2導電型
クラッド層19と共に、本発明の第四の化合物半導体層
として機能し得るものである。第1導電型クラッド層1
3の材料としては、例えば、第1導電型のGaInP、A
lGaInP、AlInP、AlGaAs、AlGaAsP、AlG
aInAs、GaInAsP、GaN、AlGaN、AlGaIn
N、BeMgZnSe、MgZnSSe、CdZnSeTe等の一
般的なIII−V族、II−VI族半導体を用いることができ
る。第1導電型クラッド層13のキャリア濃度は、下限
は1×1017cm-3以上が好ましく、3×1017cm-3
以上がより好ましく、5×1017cm-3以上が最も好ま
しい。上限は2×1020cm-3以下が好ましく、5×1
19cm-3以下がより好ましく、3×1019cm-3以下
が最も好ましい。なお、キャリア濃度は容量−電圧法
(CV法)で測定することができ、以下の各層における
キャリア濃度についても同様である。
【0029】第1導電型クラッド層13は、単層からな
るものであるときは、好ましくは0.5〜4μm、より
好ましくは1〜3μm程度の厚みを有する。
【0030】第1導電型クラッド層13は複数層からな
るものであってもよく、具体的には活性層側にはGaIn
P、AlGaInP又はAlInPからなるクラッド層と、
その層よりも基板側に第1導電型のAlGaAs又はAlG
aAsPからなるクラッド層が形成されている態様を例示
することができる。このとき、活性層側の層の厚さは薄
くすることが好ましく、厚さの下限としては0.01μ
m以上が好ましく、0.05μm以上がより好ましい。
上限としては、0.5μm以下が好ましく、0.3μm
以下がより好ましい。また、基板側の層のキャリア濃度
は、下限2×1017cm-3以上が好ましく、5×1017
cm-3以上がより好ましい。上限は3×1018cm-3
下が好ましく、2×1018cm-3以下がより好ましい。
【0031】図1の態様における活性層21は、マトリ
クス層14,中間層15、量子ドット16、中間層17
及びマトリクス層18から構成される。マトリクス層1
4,18は、本発明の第一の化合物半導体層として機能
するものであり、III−V族の化合物半導体である。マ
トリクス層14,18の種類は、III−V族の化合物半
導体であれば、特に限定はない。マトリクス層を構成す
る化合物半導体としては、例えば、GaP、GaAsP、
GaN、AlSbが挙げられる。好ましくはGaAsに格子
整合することができるGaInP、AlInP又はAlGaI
nPであり、より好ましくはGaInPである。マトリク
ス層14,18の厚さについては、特に限定されない
が、半導体層として機能するためには、少なくとも1原
子層以上の厚さを有する。マトリクス層の厚さは、好ま
しくは1〜200nmであり、より好ましくは2〜10
0nmである。
【0032】中間層15,17は、本発明の第三の化合
物半導体層として機能するものであり、マトリクス層と
同様に、III−V族の化合物半導体からなる。中間層
は、マトリクス層中に形成される量子ドットとの間にお
けるV族原子の置換を阻止すると共に、量子ドット形成
後のIII族元素のミキシングを抑止する機能を有する。
このため、中間層をマトリクス層と量子ドットとの間に
少なくとも1層有することが必要となる。またマトリク
ス層と量子ドットがまったく接しないように中間層を形
成すれば、ミキシングをより効果的に抑止することがで
きるため、さらに好ましいものとなる。図1の態様では
中間層を2層有する量子ドット構造体の実施例が示され
ている。中間層15,17は、量子ドット16の上側及
び下側であり、マトリクス層14,18の間に層として
形成される。
【0033】中間層15,17は量子ドット16と同一
のV族元素を含有する。中間層15,17と量子ドット
16とが異なるV族元素を含有する場合には、エピタキ
シャル成長過程において、中間層と量子ドットのV族原
子の相互置換が起こり、量子ドットのサイズ及び密度の
制御が困難となる。そこで、中間層15,17のV族元
素を量子ドット16のV族元素と同一にすれば、中間層
と量子ドット間におけるV族原子の置換は起こらず、量
子ドット16の大きさと密度を容易に制御することがで
きるようになるため、好ましい。したがって、中間層1
5,17としては、例えば、量子ドットが第V族元素と
してAsを含む場合には、GaAs、GaInAs、AlG
aAs、AlGaInAsなどが挙げられる。量子ドット16
がInAs又はGaInAsである場合には、GaAs、Ga
InAs又はAlGaAsが好ましい。
【0034】また、中間層15,17は、量子ドット1
6と比較して同等ないしは大きい禁制帯幅を有する。中
間層の禁制帯幅が量子ドット16と比較して狭い禁制帯
幅であると、キャリアが量子ドットから中間層へ漏出す
る。そして、この漏出したキャリアは、中間層に局在す
るため量子ドット内で再結合し、発光する割合が小さく
なる。
【0035】中間層15,17の格子定数については、
マトリクス層14,18上に所望の中間層を形成しうる
ものであれば、特に限定はない。中間層15,17の結
晶成長における格子不整合性を小さくするためには、中
間層15,17は、量子ドット16の格子定数よりもマ
トリクス層14,18の格子定数に近い格子定数を有す
ることが好ましい。
【0036】中間層15,17の厚さについては、量子
ドット16に閉じ込められた電子の波動関数がマトリク
ス層14,18に十分しみ出す程度の厚さであれば特に
制限はない。中間層の厚さが1原子層より薄くなると、
V族原子の置換及びミキシングの制御が不十分となる。
一方、10nmより厚くなると、量子ドット16に閉じ
込められた電子のしみ出しが不十分となる。そこで、中
間層の厚さとしては、1原子層〜10nmの範囲である
ことが好ましい。
【0037】量子ドット16は、本発明の第二の化合物
半導体として機能するものであり、S−Kモード成長さ
せて形成することが好ましい。すなわち、量子ドット1
6は、中間層15の上で2次元平面を形成した後にその
上に三次元的な島状の構造を自己形成させることが好ま
しい。S−Kモード成長により量子ドット16を形成す
るとき、量子ドット16は、中間層15とは異なる格子
定数を有する。
【0038】量子ドット16の材質は、量子ドットの周
囲に形成する化合物半導体との関係において選択するこ
とができる。例えば、中間層15がGaAs、GaInA
s又はAlGaAsである場合には、量子ドット16とし
てInAs又はGaInAsを選択することができる。
【0039】図1における活性層21は1回積層させた
ものであるが、本発明では活性層21を少なくとも1回
積層させたものであれば、2回以上繰り返して積層した
ものであってもよい。活性層21の積層回数を増やせ
ば、活性層としての機能が増加し、その分だけ発光波長
の狭線幅化や利得の増加を期待することができる。好ま
しくは活性層21を3回積層させたものであり、5回以
上積層すればさらに好ましいものとなる。
【0040】活性層21の上には、第2導電型クラッド
層19が形成される。第2導電型クラッド層19は、活
性層21、特にマトリクス層18よりも屈折率が小さ
く、かつ禁制帯幅が大きい材料で形成される。例えば、
第2導電型のAlGaInP、AlInP、AlGaAs、Al
GaAsP、AlGaInAs、GaInAsP、AlGaInN、
BeMgZnSe、MgZnSSe、CdZnSeTe等の一般的
なIII−V族、II−VI族半導体を用いることができる。
第2導電型クラッド層がAlを含むIII−V族化合物半導
体で構成されている場合は、その成長可能な実質的全面
をGaAs、GaAsP、GaInAs、GaInP、GaInN
等のAlを含まないIII−V族化合物半導体で覆えば表面
酸化を防止することができるため好ましい。
【0041】第2導電型クラッド層19のキャリア濃度
は、下限は2×1017cm-3以上が好ましく、5×10
17cm-3以上がより好ましく、7×1017cm-3以上が
最も好ましい。上限は5×1018cm-3以下が好まし
く、3×1018cm-3以下がより好ましく、2×1018
cm-3以下が最も好ましい。厚さの下限としては0.0
1μm以上が好ましく、0.05μm以上がより好まし
く、0.07μm以上が最も好ましい。上限としては、
0.5μm以下が好ましく、0.3μm以下がより好ま
しく、0.2μm以下が最も好ましい。
【0042】第2導電型クラッド層19の上にキャップ
層20を形成する。キャップ層20は、電極を形成する
場合に接触抵抗を低くするために形成するものであり、
第二導電型クラッド層19と同一の導電型を有するもの
が好ましい。このとき、キャップ層20の材料は、通常
はクラッド層よりバンドギャップが小さい材料の中から
選択し、金属電極とのオーミック性を取るため低抵抗で
適当なキャリア密度を有するのが好ましい。キャリア密
度の下限は、1×1018cm -3以上が好ましく、3×1
18cm-3以上がより好ましく、5×1018cm-3以上
が最も好ましい。上限は、2×1020cm-3以下が好ま
しく、5×1019cm -3以下がより好ましく、3×10
19cm-3以下が最も好ましい。キャップ層の厚みは、
0.1〜10μmが好ましく、1〜8μmがより好まし
く、2〜6μmがもっとも好ましい。
【0043】本発明の半導体デバイス装置は、図1には
示されていないが、さらに活性層21とクラッド層の間
に光ガイド層を有するものであってもよい。光ガイド層
の材料は、マトリクス14,18よりも禁制帯幅が大き
く、屈折率が小さいものであり、かつ光を活性層21へ
収束できるものであれば特に限定されない。例えば、
(AlxGa1-x)0.51In0.49Pを組成の材料として挙げる
ことができる。光ガイド層の厚みは、下限は2nm以上
が好ましく、4nm以上がより好ましく、6nm以上が
さらに好ましい。上限は、200nm以下が好ましく、
100nm以下がより好ましく、50nm以下がさらに
好ましい。
【0044】本発明を半導体レーザとして利用する場合
には、例えば、情報処理用光源(通常AlGaAs系(波
長780nm近傍)、AlGaInP系(波長600nm
帯)、通信用信号光源(通常GaInAsPあるいはGaI
nAsを活性層とする1.3μm帯)レーザなどの通信用
半導体レーザ装置など多用な装置として利用することも
できる。
【0045】本発明の量子ドット構造体及び半導体デバ
イス装置を製造する方法は特に制限されない。いかなる
方法により製造されたものであっても、上記請求項1の
要件を満たすものであれば本発明の範囲に含まれる。
【0046】本発明における化合物半導体の結晶の成長
方法は、量子ドットを形成することができれば特に限定
されるものではない。例えば、有機金属気相成長法(M
OCVD法)、分子線エピタキシ法(MBE法)などを
適宜選択して用いることができる。また、本発明の半導
体デバイス装置を製造する際には、従来から用いられて
いる方法を適宜選択して使用することができる。
【0047】本発明の半導体デバイス装置の製造方法と
しては、まず基板11上にバッファー層12を形成した
後、第1導電型クラッド層13を形成し、次いで、活性
層21をマトリクス層14、中間層15、量子ドット1
6、中間層17及びマトリクス層18の順に形成し、さ
らに、第2導電型クラッド層19及びキャップ層20を
形成する工程を例示することができる。この製造方法の
詳細やその他の製造方法については、以下の実施例や関
連技術文献から理解することができる。
【0048】
【実施例】以下に具体例を挙げて、本発明をさらに詳細
に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、割合、操
作等は、本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更する
ことができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す
具体例に制限されるものではない。
【0049】(実施例1)本実施例において、図2に示
す順に各層を形成して半導体デバイス装置を製造した。
なお、図2(a)〜(e)には、構造を把握しやすくする
ために敢えて寸法を変えている部分があるが、実際の寸
法は以下の文中に記載されるとおりである。
【0050】原料としIII族元素については金属Ga、I
n及びAlを、またV族元素については固体As及びPを
それぞれ用いた。この際、バルブドクラッカーセルによ
りフラックスを制御して行った。各層及び量子ドットの
エピタキシャル成長は、分子線エピタキシ法(MBE
法)で行った。MBE装置内において、表面が(00
1)面である厚さ350μmのn型GaAs(n=1×1
18cm-3)基板101の表面の酸化膜を除去し650
℃でサーマルクリーニングを行った後、基板温度580
℃で厚さ100nm程度のn型GaAs(Siドープ)バ
ッファー層102を形成し、その上にGaAs基板101
に格子整合する厚さ500nmのn型AlInP(Siド
ープ:n=1×1018cm-3)クラッド層103を、成
長速度1.5μm/h、基板温度500℃で形成し、さ
らに厚さ50nmのGaInP(ノンドープ)マトリクス
層104を成長速度1.5μm/h、基板温度500℃
で形成した(図2(a))。
【0051】次にGaAs(ノンドープ)中間層105を
成長速度0.5μm/h、基板温度500℃で6原子層
の厚さに成長させた(図2(b))。次にInAs(ノン
ドープ)を成長速度0.1原子層/s、基板温度500
℃で0.5〜2.5原子層分を供給し、量子ドット10
6を形成した(図2(c))。さらにその上にGaAs(ノ
ンドープ)中間層107を成長速度0.5μm/h、基
板温度500℃で10原子層成長させInAs(ノンドー
プ)量子ドットを覆った(図2(d))。次いで、厚さ5
0nmのGaInP(ノンドープ)マトリクス層108を
成長速度1.5μm/h、基板温度500℃で形成し、
さらにその上に厚さ100nmのp型AlInP( Beド
ープ:n=1×1018cm-3)クラッド層109を成長
速度1.5μm/h、基板温度500℃で形成し、最後
に厚さ5nmのp型GaAs(Beドープ:n=5×10
18cm-3)キャップ層110を形成した(図2(e))。
なお、GaAs基板101の表面温度は、GaAs酸化膜が
蒸発する温度で校正されたパイロメーターで測定した。
また、成長速度はRHEED(反射高エネルギー電子回
折)振動により測定した。
【0052】(比較例1)比較のために、InAs量子ド
ット106とGaInPマトリクス層104,108の間
に一切GaAs中間層105,107を形成しないものを
作製した(図3)。
【0053】(実施例2)図4は、図2(c)の構造を原
子間力顕微鏡でAFM像として観察したものである。図
4の(a)及び(b)は、InAsの供給量がそれぞれ
0.7原子層及び1原子層のときに形成されたInAs量
子ドットの大きさを示している。図4から分かるよう
に、InAsの供給量を0.7原子層から1原子層に増加
すると、InAsの増加量に従ってInAs量子ドット10
6のサイズと密度が増大していることが観察された。こ
の結果よりInAsの供給量に応じて量子ドットのサイズ
と密度を制御することができた。
【0054】(比較例2)図5は、比較例として図3に
示すようにInAs量子ドット106の下側の中間層10
5を形成していない構造を示したものである。InAsの
供給量は0.15原子層(図5(a))から0.55原子
層(図5(b))に増加させた。図5における(a)及び
(b)のAFM像から分かるように、InAsの供給量を
変えても量子ドットのサイズと密度はほとんど変化しな
かった。この結果から、GaInPとInAsの間で原子
のミキシングが起こっていると考えられ、量子ドットの
下面に中間層を形成しない場合には、InAsの供給量に
よって量子ドットのサイズを制御できないことが分かっ
た。
【0055】実施例2及び比較例2の結果から、InAs
量子ドット106と量子ドット106の下側のGaInP
マトリクス層104の間にGaAs中間層105を形成す
ることにより、InAsの供給量に応じてInAs量子ドッ
トの大きさを制御できることが確認された。
【0056】(実施例3)図6は、1.7原子層分のI
nAs量子ドット構造を含む本発明の半導体発光素子と、
従来の量子ドット構造体を含む半導体発光素子との室温
におけるフォトルミネッセンス(PL)のスペクトルを
比較したものである。図2(e)の構造を含む半導体発光
素子からのフォトルミネッセンス(b)は、ピークを1
000nm近傍にもち、組成が制御されたInAs量子ド
ットの形成を確認することができた。これに対して、I
nAs量子ドットの上側にGaAs中間層を形成せずにGa
InPマトリクス層を形成した構造(図3)からのフォ
トルミネッセンス(a)は、ピークが図2(e)の構造に
比べて短波長側にシフトし、また強度も著しく弱く、半
値幅も著しく増大している。これはInAs量子ドットと
特に上側のGaInPマトリクス層との間で原子のミキシ
ングが激しく起こったため、量子ドットの組成が変化し
禁制帯幅がInAsの禁制帯幅よりも広くなったためであ
ると考えられる。このようにInAs量子ドットとGaIn
Pマトリクス層の間にGaAs中間層を形成することによ
り、InAs量子ドットとGaInPマトリクス層の間の原
子のミキシングが抑止され、量子ドットの組成制御性の
向上が図られた。
【0057】
【発明の効果】本発明の量子ドット構造体は、マトリク
ス層と量子ドットとの間に中間層が形成されるため、量
子ドット構造体の形成中に起こり得る量子ドットとマト
リクス層間のV族原子の置換を抑制することができる。
このため、量子ドットの組成制御性が向上し、量子ドッ
トのサイズ及び密度の制御性の向上が図られ、所望の量
子ドットを提供することが可能となる。また、本発明の
量子ドット構造体であれば、量子ドット形成後の量子ド
ットとマトリクス層間のIII族原子のミキシングを制御
できる。このため、形成後の量子ドット構造体の安定性
の向上を図ることができ、本発明を半導体デバイス装置
として利用する場合には、しきい値電流密度が低く、波
長安定性に優れ温度特性が大幅に改善された半導体レー
ザを得ることができるため、光通信システムの信号用光
源などへの応用にも適する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の半導体デバイス装置の具体的態様を
示す図である。
【図2】 実施例における本発明の半導体デバイス装置
の製造工程を示す概略説明図である。
【図3】 中間層を形成していない従来の量子ドット構
造体を有する半導体デバイス装置の概略断面図である。
【図4】 実施例における本発明の量子ドット構造体を
AFM顕微鏡で観察したAFM像を示す説明図である。
【図5】 従来の量子ドット構造体をAFM顕微鏡で観
察したAFM像を示す説明図である。
【図6】 実施例における本発明の量子ドット構造体及
び従来の量子ドット構造体からのフォトルミネッセンス
を比較した説明図である。
【符号の説明】
11 基板 12 バッファー層 13 第1導電型クラッド層 14 マトリクス層 15 中間層 16 量子ドット 17 中間層 18 マトリクス層 19 第2導電型クラッド層 20 キャップ層 21 活性層 101 GaAs基板 102 GaAsバッファー層 103 AlInPクラッド層 104 GaInPマトリクス層 105 GaAs中間層 106 InAs量子ドット 107 GaAs中間層 108 GaInPマトリクス層 109 AlInPクラッド層 110 GaAsキャップ層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5F045 AA04 AB09 AB10 AB17 AB18 CA09 CA12 DA53 DA56 DA63 5F073 AA75 BA01 CA07 CB10 EA03 EA23 5F103 AA04 DD03 DD05 DD08 DD30 GG01 HH03 LL01 LL03 LL17

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 III−V族元素からなる第一の化合物半
    導体層中に、III−V族元素からなる第二の化合物半導
    体を量子ドットとして有する量子ドット構造体であっ
    て、 第一の化合物半導体層と第二の化合物半導体の間に、第
    二の化合物半導体と同一のV族元素を含有し、かつ第二
    の化合物半導体と比較して同等ないしは大きい禁制帯幅
    を有する第三の化合物半導体層を設けたことを特徴とす
    る量子ドット構造体。
  2. 【請求項2】 前記第二の化合物半導体の全表面が、前
    記第三の化合物半導体層で覆われていることを特徴とす
    る請求項1に記載の量子ドット構造体。
  3. 【請求項3】 前記第三の化合物半導体が、前記第二の
    化合物半導体よりも前記第一の化合物半導体に近い格子
    定数を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の
    量子ドット構造体。
  4. 【請求項4】 前記第一の化合物半導体がGaInP、A
    lInP又はAlGaInPであり、第二の化合物半導体が
    InAs又はGaInAsであり、第三の半導体がGaA
    s、GaInAs、AlGaInAs又はAlGaAsであること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の量子ドッ
    ト構造体。
  5. 【請求項5】 前記第一の化合物半導体層の厚さが1原
    子層以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    かに記載の量子ドット構造体。
  6. 【請求項6】 前記第三の化合物半導体層の厚さが1原
    子層〜10nmであることを特徴とする請求項1〜5の
    いずれかに記載の量子ドット構造体。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかの量子ドット構
    造体を少なくとも1回以上積層した構造を有することを
    特徴とする量子ドット構造体。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の量子ド
    ット構造体を活性層として有し、かつ前記第一の化合物
    半導体層よりも禁制帯幅が大きく、屈折率が小さい第四
    の化合物半導体層をクラッド層としたダブルヘテロ構造
    を有する半導体デバイス装置。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7のいずれかに記載の量子ド
    ット構造体をさらに光ガイド層として有することを特徴
    とする請求項8に記載の半導体デバイス装置。
  10. 【請求項10】 前記半導体デバイス装置が半導体発光
    素子であることを特徴とする請求項8又は9に記載の半
    導体デバイス装置。
  11. 【請求項11】 前記半導体発光素子が半導体レーザで
    あることを特徴とする請求項10に記載の半導体デバイ
    ス装置。
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