JP4817404B2 - 監査用会計処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、会計処理技術に関し、特に、インターネットを介し会計処理機能等を備えたコンピュータ装置(会計処理装置やパソコン、ワークステーション等の端末)の一方又は双方で会計データの入力、訂正等を行った場合の会計データの整合性を保つための同期処理技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
会計事務所とその顧問先(会計事務所との契約により会計処理又は会計処理にかかわる指導を委託した個人又は企業をいう)、又は一般企業の本−支店(営業所)間(又は、企業内の経理担当部門と他部門(例えば、営業部門))で会計データのやり取りを行なって会計処理を行なう方法として、(1)顧問先又は支店等で入力したある期間(日、週、月)内の会計データを会計事務所や本社に通信ネットワークを介して送信する方法がある。この方法では、送信された会計データを会計事務所や本社で処理して会計ファイルを更新して会計処理を行なうことができる。
(2) また、近年、インターネットを利用して会計処理を行なう、いわゆるインターネット会計による会計処理技術が開発されつつある。
【0003】
しかしながら、前記(1)の会計データの授受方法では、顧問先(又は、支店或いは部門(以下、単に顧問先と記す))で会計データの入力や訂正を行なうタイミングは上記期間内の任意或いは顧問先で定めた一定の時であり、上記期間毎に顧問先から一括して送られてくる会計データを監査する会計事務所(又は、本社或いは本部(以下、単に会計事務所と記す))側との処理タイミングとは一致しない場合が普通である。このため、顧問先の会計ファイルと会計事務所にある当該顧問先用の会計ファイルの内容とが異なることとなる。
【0004】
従って、更新時期に顧問先から一括して送られてくる会計データで会計事務所側コンピュータの当該顧問先用の各会計ファイルを更新すると、それら各会計ファイルの内容は、会計事務所で前回の更新時期から今回の更新時期までの間まったく当該顧問先用の各会計ファイルの内容に訂正を加えていない場合とは異なる内容になるといった問題点が生じていた。
【0005】
つまり、顧問先での前回の更新時期の会計ファイルの内容をCとし、次の更新時期までに生じた変動ファイルをDとすると、変動ファイルDによって更新された顧問先の会計ファイルの内容はC’=C+Dとなる。また、会計事務所での前回の更新時期の会計ファイルの内容もCであるが次の更新時期までに会計事務所の監査処理による訂正データの入力等によって変更されたとすると、当該顧問先用の会計マスタファイルの内容はC”=C+sとなる。この会計マスタファイルC”を変動データDで更新すると顧問先の会計ファイルの変動分はDであるが、会計事務所側の変動分はs+Dとなり、顧問先と会計事務所で本来一致(同期)しなければならない変動分が処理タイミングによって不一致(非同期)となることがある。
【0006】
上記問題点、つまり、会計データを同期(一致)させるために、従来は顧問先と会計事務所で操作可能な月をロック(プロテクト)可能に構成し、会計データ授受のためのデータ通信時に特定の期間の会計データ(例えば、特定の月単位で「入力可」のデータ)を相手側に送り、その他の期間(月)の会計データは入力できないようにして特定の期間の会計データを合成するようにしてデータ更新を実現していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記(1)の会計処理方法では、会計データの「入力」、「訂正」、「削除」)を行なう側と「監査」、「決算」による「訂正」、「削除」といった異なる作業を行なう側があるので、双方の会計ファイルは内容の異なるバージョン(版)となるため、上記従来の顧問先と会計事務所で操作可能な月をロック(プロテクト)してデータを同期させる方式では顧問先と会計事務所などでの会計データの入力、管理の手順、データ授受の際の手順、特に返信時における手順の制約が多く煩雑であるといった問題点があった。これは顧問先と会計事務所とでインターネット(又は、企業内でのイントラネット)による会計データの共用やデータ交換にあたって大きな障害になる問題点である。
【0008】
また、上記(2)のインターネット会計処理では、例えば、会計事務所では受信データ(顧問先から電子メールで送信された仕訳データ等)について検証を行いデータの正誤判定を相手に通知するためにはデータの受信処理を直ちに行わなければならないが、顧問先と会計事務所の会計ファイルが同期しない限りデータの正誤判定が直ちにできないといった問題点がある。具体例としては、顧問先から会計事務所に全月次データを送ることによりデータの一貫性を保つと共に、会計事務所では受信したデータを直ちに監査して訂正個所については訂正を施した後、直ちに、当該顧問先にメール返送することにより、会計事務所が監査し訂正した月次データを返送するまでの期間に顧問先によって次のデータの入力や訂正を行う時間をなくして顧問先のファイルと会計事務所のファイルの不一致が生ずることを防止していた。しかし、このようにしても会計事務所での監査中に顧客側で入力を行わないという保証はなく、電話やファクシミリで監査中の旨を通知しておく必要があった。また、会計事務所側でも一顧問先の監査に集中する必要があり、作業スケジュールの調整が難しくなるといった副次的な問題も生じていた。つまり、インターネット会計でも、上記(1)の会計データの授受方法の場合と同様に、タイムラグにより顧問先と会計事務所で行なうデータ入力等によって更新された会計ファイルが一致していないという現象が生ずる。そこで、上述した従来のロック方式(排他処理)によって同期をとることとなるが、この場合、ロック方式の場合の問題点、すなわち、データ授受の際の手順、特に返信時における手順の制約が多く煩雑となるといった問題点があった。
【0009】
また、本願特許の出願人による平成11年8月19日(1999年8月19日)の特許出願(特願平11−232649)によれば、会計事務所と顧問先(或いは、本−支店間、ホストコンピュータとクライアントコンピュータ間)で簡単な操作で会計データの授受や受信した会計データの検証を簡単に行なうことができるが、更に、随時同期処理を行なうことができればデータの送信後、相手先からの返信を待つことなく、互いの正式会計ファイルに対し更新(追加、訂正、削除)処理を行なうことができ、顧問先或いは会計事務所独自のタイミングでの入力・訂正等の作業を可能とすることが期待できる。
【0010】
本発明は、上記従来のインターネット会計処理の問題点及び課題に鑑みてなされたものであって、インターネット会計処理の際に、顧問先及び又は会計事務所の会計処理装置でオフラインで独立に行われたデータ更新結果をインターネット接続時に排他処理なしに任意のタイミングで同期させ得る会計データの同期方法、会計処理装置、およびプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体の提供を目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、インターネット等の通信ネットワークを介してデータの授受を行うための通信制御プログラムと、複数の会計ファイルを記憶する保存メモリと、通信制御プログラムによる通信制御下で、顧問先会計処理装置から送信された電子メールを受信し、受信した電子メールの添付ファイルを操作者による指示なしに開いて更新用会計データを含む一次会計ファイルおよび顧問先会計処理装置における更新処理後の各会計ファイルの最終更新記録を集めた更新情報を取り出す電子メール受信処理手段と、通信制御プログラムによる通信制御下で、電子メールを送信する際にバッファメモリに記憶されているデータから該送信する電子メールに添付する添付ファイルを操作者による指示なしに生成して該電子メールに添付し、顧問先会計処理装置に送信する電子メール送信処理手段と、前記保存メモリに記憶されている会計ファイルと顧問先会計処理装置のメモリに記憶されている会計ファイルを同期させるためのデータ同期制御手段と、を備え、データ同期制御手段は、同期指示の有無を検出し、同期指示を検出した場合に、会計データの同期処理を行うための同期処理プログラムに基づいて、電子メール受信処理手段によって操作者による指示なしに取り出された更新情報および所与の優先度に基づいて該電子メール受信処理手段によって操作者による指示なしに取り出された一次会計ファイルで保存メモリに記憶されている会計ファイルを更新するか保存メモリに記憶されている会計ファイルのうちの既に更新済みの会計ファイルで該電子メール受信処理手段によって操作者による指示なしに取り出された一次会計ファイルを更新するかを決定し、該決定した更新方法により、保存メモリに記憶されている会計ファイル又は前記電子メール受信処理手段によって操作者による指示なしに取り出された一次会計ファイルの更新を行ない、この更新により更新された会計ファイル及びその会計ファイルに関連する各会計ファイルの残高更新を行うと共に更新処理後の各会計ファイルの最終更新記録を集めた新たな更新情報を作成し、電子メール送信処理手段を介して保存メモリに格納している会計ファイルと顧問先会計処理装置のメモリに格納されている会計ファイルとの同期処理を行なう、ことを特徴とする監査用会計処理装置を提供する。
【0018】
また、請求項2では、データ同期制御手段は、電子メール受信処理手段によって受信された電子メールに同期指示が含まれているか否かにより同期指示の有無を検出することを特徴とする請求項1に記載の監査用会計処理装置を提供する。
【0029】
【発明の実施の形態】
[同期処理の概要]
図1は、インターネット会計システムへの本発明の会計データの同期処理方式の適用例の概要説明図である。
以下、図1により会計事務所の会計処理装置A(監査用会計処理装置)と顧問先企業の会計処理装置B(顧問先用会計処理装置)との間でインターネット3を利用して正式会計ファイルを同期させる例について説明する。なお、会計処理装置Bは図2に示した会計処理装置2と同等の構成でよく、会計処理装置Aは後述するように会計処理装置2と、制御部による制御動作及び保存メモリの構成以外は同等の構成でよい。
【0030】
会計処理装置Bで入力処理を行なった会計データ(仕訳データ)は画面14Bに表示されると共に一次会計ファイル13Bに記憶され、訂正等の修正処理を経て、送信指示がなされると、一次会計ファイル13Bは添付ファイルF1とされ、送信通知メールM1に添付されてインターネット3に送出され、メールサーバーSを介して会計事務所側の会計処理装置Aの顧問先別一次会計ファイル13Aに記憶され、同時に画面14Bに表示されたフォーマットと同様のフォーマットで画面14Aに表示される(なお、画面14Aに表示されるフォーマットは画面14Bに表示されたフォーマットに限定されない(つまり、異なっていてもよい))。会計事務所側では仕訳内容や摘要をチェック(監査)して誤りがあった場合にはそれを訂正するための訂正入力を行う(監査は直ちに行う必要はなく、会計事務所のスケジュールで行うことができる)。
【0031】
訂正(監査)終了後、所望の時期に(通常は、修正処理後、直ちに)会計事務所の担当者が会計処理装置Aで同期指示操作を行なうと一次会計ファイル13Aに記憶されている受信データ(訂正処理後の一次会計ファイル)と、正式会計ファイル18Aとの同期処理が行われる。
【0032】
同期処理終了後、直ちに、同期処理された正式会計ファイル18Aが一次会計ファイル13Aに上書きされ、一次会計ファイル13Aは添付ファイルF2とされて送信通知メールM2に添付され、インターネット3に送出される。メール受信後、一次会計ファイル13AはメールサーバーSを介して顧問先側の会計処理装置Bの一次会計ファイル13Bとして記憶される。一次会計ファイル13Bの内容(つまり、会計処理装置Aで同期処理した正式会計ファイルの内容)と正式会計ファイル18Bの同期処理が行われる。
【0033】
なお、上記図1の説明では顧問先で入力処理を行なった後、担当者が電子メールの送信指示を行った後は、メール受信後の会計事務所側の同期処理への切り替え、顧問先への電子メールの送信及び顧問先での受信メールの同期処理を自動的に行なうようにしたが、これに限定されず、例えば、顧問先で入力処理を行なった後、担当者が電子メールの送信指示を行い、メール受信後、会計事務所側で担当者が同期指示を行った後、同期処理が終わると電子メールの送信指示を行ない、顧問先で担当者が受信したメールの同期指示を行なうと、顧問先での同期処理を行なうように構成してもよい。
【0034】
また、上記図1の説明では顧問先の会計処理装置Bでの送信指示による会計処理装置Bから会計事務所の会計処理装置Aへの会計データの電子メールでの送信を同期処理サイクルのスタートとしたが、会計事務所の会計処理装置Aでの送信指示による会計処理装置Aから会計処理装置Bへの会計データの電子メールでの送信を同期処理サイクルのスタートとすることもできる。
【0035】
また、上記図1の説明では顧問先の会計処理装置Bでの送信指示による会計処理装置Bから会計事務所の会計処理装置Aへの会計データの電子メールでの送信を同期処理サイクルのスタートとしたが、顧問先の会計処理装置Bでの更新データ数と会計事務所の会計処理装置Aの更新データ数の比較結果により、会計処理装置Bから更新データを会計処理装置Aに電子メールで送信するか、会計処理装置Aから更新データを会計処理装置Bに電子メールで送信するかを切り替えるようにしてもよい。
【0036】
なお、本願特許の出願人による平成11年8月19日(1999年8月19日)の特許出願(特願平11−232649)の会計データの装置間対話処理方式では、会計処理装置Bで入力処理を行なった会計データが送信指示により会計事務所側に電子メールで送信され、一次会計ファイルAに記憶され、訂正等の修正処理を経た後、送信指示を行なうと顧問先側に電子メールで送信され、登録指示を行なうと正式会計ファイル18Aに登録される(同様に一次会計ファイルBに記憶されたデータは送信指示を行なうと顧問先側に電子メールで送信され、登録指示を行なうと正式会計ファイル18Bに登録される)ように構成されているが、同特許出願の装置間対話処理方式を適用したインターネット会計システムに本発明のデータの同期処理方式を追加して、正式会計ファイルへのデータ登録を行なうか、データ同期処理を行なうかを選択可能に構成することもできる。また、図1の例では会計事務所と顧問先を例としたが、本社と支店間のインターネット(イントラネット)会計システムとすることもできる。
【0037】
[会計処理装置の構成例]
(正式会計ファイル)
以下の説明で、顧問先会計処理装置(第1のコンピュータ装置)及び監査用会計処理装置(第2のコンピュータ装置)の保存メモリに記憶される会計ファイル、例えば、顧問先企業の会計処理上に必要な基礎的データ(商号コード(支店コード)、商号(支店名)、期数、会計期間、・・・)を格納した基礎ファイルや、勘定科目及び科目コード、借方・貸方の別等を登録した科目ファイル、科目分類ファイル、会計データ(=仕訳データ)を一定期間(本実施例では月単位)格納した仕訳ファイル(1月分の仕訳ファイル、2月分の仕訳ファイル、・・・(図16))、各種元帳ファイルや各種補助ファイル及び制御ファイル等を、作業メモリに記憶される一次会計ファイルと区別するために、正式会計ファイルと記す。
【0038】
顧問先会計処理装置には上述したような各種の正式ファイルを格納するための正式ファイル領域が保存メモリの正式ファイル領域にインストール時に確保されている(図2)。また、監査用会計処理装置の保存メモリの正式ファイル領域181’は、図2に示すように基礎ファイル191以外の正式会計ファイルは複数の顧問先A、B、・・・別に分類されて顧問先別正式ファイル領域192−1、192−2、・・・に記憶されている。また、監査用会計処理装置の顧問先別正式ファイル領域192−1、192−2、・・・に記憶されている各種正式ファイルは各顧問先にインストール時に確保された各種正式ファイルと同一構造であり、顧問先の各種正式ファイルと共通のファイル識別コード(又はファイル名称)が与えられている。また、顧問先会計処理装置及び監査用会計処理装置に記憶されている各正式会計ファイルには顧問先識別コード(或いは商号等の顧問先名称)が与えられている。つまり、各正式会計ファイルは顧問先識別コード及びファイル識別コードによって管理される。
また、監査用会計処理装置に記憶されている顧問先別の各正式会計ファイルの内容は各顧問先の各正式会計ファイルの内容と取引日毎に一致させなければならない。
【0039】
(一次会計ファイル)
一次会計ファイルは顧問先会計処理装置及び監査用会計処理装置の作業メモリの一次会計ファイル領域に記憶されるファイルであり、一次会計ファイル領域には会計データ入力処理によって入力され仕訳された仕訳ファイル(入力された会計データ(新規会計データ及び訂正入力データ)の取引月によってそれぞれ月別に作成される))及び本発明のデータ同期処理によって記憶される正式会計ファイルが記憶される。
【0040】
(顧問先会計処理装置)
図3は、本発明の会計処理システムを構成するコンピュータ装置の一実施例(顧問先会計処理装置(第2のコンピュータ装置))の構成を示すブロック図であり、会計処理装置2はデータ入力部10、制御部12、作業メモリ13、表示部14、通信制御部15、受信部16、送信部17、保存メモリ18および印刷出力部(プリンタ)19を備えている。なお、データ入力部10の一部機能(指示(ポイント)機能)を代わって実行するポインテイングデバイス(例えば、マウス)11を備えるようにしてもよい。また、会計データを光学的に読み取って電気信号に変換し、文字認識して文字コードを得るOCR(光学的文字読取装置(図示せず))を備えるようにしてもよい。
【0041】
データ入力部10は会計データや訂正データ入力又はメッセージ入力等を行なう。なお、データ入力部10は図示しないがデータ入力用バッファを備えている。
【0042】
制御部12はCPU、プログラム格納メモリ、RAM及びクロック等の周辺回路からなるプロセッサ構成をなし、会計処理装置2全体の動作を制御すると共に、プログラム格納メモリに格納されている電子メール送受信用の電子メールソフト(プログラム)及び会計データの同期処理プログラムの実行制御を行い、本発明の会計データの同期処理を実行させる。また、プログラム格納メモリに格納されている会計処理アプリケーションプログラム(会計データ入力処理プログラムを含む)の実行制御を行なう。また、プログラム格納メモリは各種プログラムのほか表示用フォーマットデータやアイコンデータ等を格納することができる(表示用フォーマットデータやアイコンデータ等を格納する格納メモリを別に設けてもよい)。
【0043】
例えば、制御部12は、担当者による同期指示があると、電子メールソフト及び本発明に基づく会計データの同期処理プログラムによる一連の同期処理の実行制御を行い、作業メモリ13の一次会計ファイル領域131に記憶されている一次会計ファイル(同期処理されていない仕訳ファイル等)を用いて本発明のデータの同期処理を行う。なお、実施例では電子メールソフトは制御部12の制御下で作業メモリ13の送信データバッファに記憶されたデータ(ファイル)を添付ファイル化して送信し、また、受信された添付ファイルから会計データを復元して取り出す。
【0044】
また、制御部12は起動時に又は監査用会計処理装置(第1のコンピュータ装置)1から送られる電子メール中に同期開始指示データが含まれている場合には正式会計ファイルのバックアップ処理を行なう。
【0045】
また、制御部12は同期処理時にデータ送信制御があると、該当する一次会計ファイルを一次会計ファイル領域131から取り出し、送信データバッファ132に記憶するよう記憶制御する。また、一次会計ファイル等を圧縮して送信する場合には制御部12は該当する一次会計ファイルを一次会計ファイル領域131から取り出し、所定の圧縮プログラムで圧縮された一次会計ファイル等を送信データバッファ132に記憶するよう制御する。また、一次会計ファイル等を暗号化して送信する場合には制御部12は該当する一次会計ファイルを一次会計ファイル領域131から取り出し、所定の暗号化プログラムで圧縮された一次会計ファイル等を送信バッファ132に記憶するよう制御する。
【0046】
また、制御部12は顧問先会計処理装置2が監査用会計処理装置1側から同期処理に基づく一次会計ファイルを受信(電子メール受信)すると、受信した一次会計ファイルを一次会計ファイル領域131に記憶するよう記憶制御する。
【0047】
また、受信した一次会計ファイル等が圧縮されている場合には作業用バッファ133での伸張プログラムによる圧縮データの伸張を実行制御し、伸張された一次会計ファイル等の一次会計ファイル領域131への記憶制御を行なう。また、一次会計ファイル等が暗号化されている場合には復号プログラムによる暗号化データの復号を行ない、復号された一次会計ファイル等の一次会計ファイル領域131への記憶制御を行なう。
【0048】
作業メモリ13はDRAM等の揮発性メモリからなり、図4(a)に示すように、データ入力処理によって得られた一次会計ファイル(仕訳ファイル)及びインターネット3を介して監査用会計処理装置1から電子メール送信され、受信処理されたデータから取り出した一次会計ファイルを記憶する一次会計ファイル領域131と、インターネット3を介して監査用会計装置1に送信するデータ(一次会計ファイル、送信通知データ及び表示制御データ)を一時的に記憶する送信データバッファ132と作業用バッファ133を確保することができる。
【0049】
表示部14は一次会計ファイル領域に記憶された会計データを表示制御データに基づいて所定の入力フォーマットで表示する。
【0050】
また、通信制御部15はインターネット用の通信制御プログラムで構成され、接続するインターネット用に規定されたプロトコルを監査用会計処理装置1との間で確立し、インターネット3を介して電子メール(送信通知メール及び添付ファイル)の授受を制御する。
【0051】
受信部16は、制御部12によって実行制御される電子メールソフトにより、送信通知データと一次会計ファイルをインターネット3を介して電子メールで受け取って受信バッファに記憶し、制御部12の制御により一次会計ファイル領域131に転送する。また、送信通知メールの添付ファイル化された一次会計ファイルを受け取った場合にはその添付ファイルを開いて復元してから一次会計ファイル領域131に転送する。
【0052】
送信部17は、制御部12によって実行制御される電子メールソフトにより送信データバッファ132から転送された送信通知データと一次会計ファイルを送信バッファに記憶し、電子メールとしてインターネット3を介して監査用会計処理装置1に送信する。また、実施例では一次会計ファイルは添付ファイル化され送信通知メールの添付ファイルとして送信される。
【0053】
保存メモリ18は磁気ディスクや光ディスク、又はフラッシュメモリ等の書き換え可能な保存メモリからなり、各仕訳ファイルをはじめ会計処理用の各種ファイルや基礎ファイルからなる複数の正式会計ファイルを記憶する正式会計ファイル領域181及び正式会計ファイル領域181に記憶されている正式会計ファイルのバックアップファイル183や履歴データ保存用の履歴ファイル等を備えている。
【0054】
なお、上記図3の説明ではコンピュータ装置2を会計処理装置として構成した例を示したが、本発明の会計データの同期処理方式を適用可能なコンピュータ装置はこれらに限定されず、例えば、パソコン(パーソナルコンピュータ)に会計処理用プログラム(会計データ入力処理機能を含む)、電子メールの送受信を行なう電子メールソフト及びインターネット用通信制御プログラムを搭載したものでもよい。ここで、会計データ入力処理機能とは会計データを入力して仕訳する機能(キー入力に限定されない(例えば、OCRによる入力でもよい))と所定のフォーマットで画面表示された会計データに対して訂正、削除、追加入力等の訂正処理を行なう機能を含み、会計データ入力処理プログラムはこのような会計データ入力処理機能を実現するために作成されたプログラムを意味する。
【0055】
(監査用会計処理装置)
また、監査用会計処理装置(第1のコンピュータ装置)1の構成は次に述べる制御部12’の制御動作及び作業用メモリ13’及び保存用メモリ18’の領域構成及びデータ容量を除けば図2の会計処理装置2と同様の構成の装置でもよい。
【0056】
制御部12'はCPU、プログラム格納メモリ、RAM及びクロック等の周辺回路からなるプロセッサ構成をなし、会計処理装置1全体の動作を制御すると共に、プログラム格納メモリに格納されている電子メールソフト及び会計データの同期処理プログラムの実行制御を行い、本発明に基づく会計データの同期処理を実行させる。また、プログラム格納メモリに格納されている監査用アプリケーションプログラム(会計データ入力処理を含む)の実行制御を行なう。また、プログラム格納メモリは各種プログラムのほか表示用フォーマットデータやアイコンデータ等を格納することができる(表示用フォーマットデータやアイコンデータ等を格納する格納メモリを別に設けてもよい)。
【0057】
例えば、制御部12’は顧問先会計処理装置2から同期処理に基づく接続要求があると、電子メールソフト及び本発明に基づく会計データの同期処理プログラムによる一連の同期処理の実行制御を行なう。
【0058】
また、制御部12'は同期処理が開始されると先ず同期指示又は会計処理装置2からの電子メールの同期指示開始データにより指定された顧問先の各正式ファイルのバックアップ処理を行う。
【0059】
また、制御部12’は同期処理時に電子メール送信制御があると、一次会計ファイルを作業用バッファ13’の一次会計ファイル領域131’から取り出し、送信データバッファ132’に記憶するよう制御する。また、一次会計ファイル等を圧縮して送信する場合には制御部12’は一次会計ファイル領域18’から一次会計ファイル等を取り出して所定の圧縮プログラムで圧縮された一次会計ファイル等を送信データバッファ132’に記憶するよう制御する。また、一次会計ファイル等を暗号化して送信する場合には制御部12’は一次会計ファイル領域131’から一次会計ファイル等を取り出して所定の暗号化プログラムで圧縮された一次会計ファイルに記憶するよう制御する。
【0060】
また、制御部12’は指定された顧問先会計処理装置2から同期処理に基づく一次会計ファイルを受信(電子メール受信)すると、受信した一次会計ファイルを一次会計ファイル領域131’に記憶するよう制御する。また、受信した一次会計ファイル等が圧縮されている場合には作業用バッファ133’で伸張プログラムによる圧縮データの伸張を実行制御し、伸張された一次会計ファイル等の一次会計ファイル領域131’への記憶制御を行なう。また、一次会計ファイル等が暗号化されている場合には復号プログラムによる暗号化データの復号を行ない、復号された一次会計ファイル等の一次会計ファイル領域131’への記憶制御を行なう。
【0061】
作業メモリ13’はDRAM等の揮発性メモリからなり、顧問先会計処理装置2の作業メモリ13より大きなメモリ容量を備えている。作業メモリ13’は図4(b)に示すように、監査用データ入力処理によって得られた一次会計ファイル(仕訳ファイル)及びインターネット3を介して各顧問先会計処理装置2から電子メール送信され、受信処理されたデータから取り出した一次会計ファイルを記憶する一次会計ファイル領域131’と、インターネット3を介して顧問先会計装置2に送信するデータ(一次会計ファイル、送信通知データ及び表示制御データ)を一時的に記憶する送信データバッファ132’と作業用バッファ133’を確保することができる。また、一次会計ファイル領域131’は複数の顧問先会計処理装置2からインターネット3を介して電子メールで送信された一次会計ファイルを顧問先別に記憶する顧問先別一次会計ファイル領域に分割されている。
【0062】
保存メモリ18’は磁気デイスクや光デイスク、又はフラッシュメモリ等の書き換え可能な保存メモリからなり、各顧問先の基礎データを顧問先別に記憶した基礎ファイルをはじめ顧問先別の複数の正式ファイルを正式会計ファイル領域181’及び正式会計ファイル領域181’に格納されている各顧問先の各正式会計ファイルのうち同期対象の顧問先の正式会計ファイルをバックアップするバックアップファイル183’や履歴データ保存用の履歴ファイル等を備えている(図2)。なお、履歴ファイルを別々の保存メモリに設けるようにしてもよい。
【0063】
図5は会計データ及び送信ファイルの一実施例を示す図であり、図5(a)は会計データ(仕訳レコード)の一実施例、図5(b)は送信ファイルの構造を示す説明図、図5(c)は送信ファイルの先頭に格納される制御データの構成を示す図である。
【0064】
図5(a)で、会計データ(仕訳レコード)40は日付欄41、借方科目欄42、貸方科目欄43、金額欄44、摘要欄45、伝票番号欄46、区分コード欄47および訂正フラグ欄48からなっており、仕訳された取引が記憶されている。なお、データの訂正(追加、修正)が行われるとフラグ欄48に訂正フラグ(追加=「1」、訂正=「2」、削除=「3」)が書き込まれる。
【0065】
また、会計データ40は会計処理装置2(1)、或いは本発明に基づく会計データの同期処理を実現する会計データの同期処理プログラムと会計処理プログラム又は会計データ入力処理プログラム及び通信制御プログラムを搭載したパソコン等により入力され、会計データ入力処理機能(プログラム)により仕訳処理されて作業メモリ13の一次会計ファイル領域に記憶され、図6及び図7に示すような入力フォーマットで画面表示される。
【0066】
また、訂正データが入力されると会計データ入力処理機能により該当する会計データの訂正個所に訂正データを上書きし、削除指示が行われると削除指示データ番号(行数)を作業用バッファ133に保持して該当の会計データに削除表示(反転表示等の差別表示等)を施して担当者の確認を待ち、確認入力があると該当する会計データのフラグ欄48に削除フラグ「3」を書き込む(削除フラグが付けられた場合には表示部14には表示されない)。
【0067】
また、図5(b)で、送信ファイル50は1個の制御データ51と表示制御データ52及び会計データ40が1対1に対応付けられた複数の送信データの組からなっている。また、制御データ51は後述するように送信ファイル50の識別を行なう識別コードを含み、表示制御データ52は対応する会計データの画面上の表示位置関係(前後関係)を示すポインタからなっている(例えば、1行前に表示される会計データの日付及び伝票番号をポインタとする。この場合、先頭の会計データのポインタの伝票番号は0とする)。
【0068】
送信ファイル50は送信時にインターネットのプロトコル等によって規定される送信ファイル(送信データ)データ形式(実施例では添付ファイル)に組み立てられて送信部17からインターネット3に送出される。従って、表示制御データ52及び会計データ50からなる送信データの組の最大数はプロトコル等によって規定される送信ファイルサイズ(データ長)によって異なる。また、送信時に送信ファイルに格納する各データを暗号化(圧縮なし)或いは圧縮して送信ファイル50を生成することもできる。
【0069】
また、図5(c)で、制御データは商号コード511、商号512、決算年月日513のような書誌的データを格納する部分と顧問先識別コード、ファイル識別コードを格納する識別コード欄514から構成されている。商号コード511、商号512、決算年月日513のような書誌的データは画面表示の際の表示フォーマットの上欄等に表示される。
【0070】
図6は表示画面に表示される会計データ入力フォーマットの一実施例を示す図であり、振替伝票入力画面の例を示す図である。
図6で、振替伝票入力画面60は取引日(年・月・日)を入力する取引日入力欄61と、部門や事業所、プロジェクト単位で会計管理を行なうための管理区分を入力する管理区分入力欄62とを設けた見出し項目欄と、借方金額を入力する借方金額入力欄63、借方科目を入力する借方科目入力欄64、借方摘要入力欄65、貸方摘要入力欄66、貸方科目を入力する貸方科目入力欄67および借方金額を入力する貸方金額入力欄68からなる入力行を所定行数設けた入力行欄と、借方金額および貸方金額の合計を表示する合計欄と、送信指示用ボタン69(アイコン又はマーク)及び同期指示用ボタン69’(アイコン又はマーク)とを備えている。また、見出し項目欄には図示していないが会計データの表示、訂正、削除、追加入力、印刷及び終了等の指示を行なうためのアイコン(ボタン等)が表示される。
【0071】
管理区分は本社、支店、工場、部門、プロジェクト、受注工事等会計管理上設けられた区分であり、予め分類され、コード化されている。
また、管理区分入力欄62、借方科目入力欄63、貸方科目入力欄67には入力時に、それぞれ、管理区分、借方科目、貸方科目をコード化したコードを入力すると、会計処理装置100に予め備えられた変換テーブルにより文字に変換されて、夫々の入力欄に文字表示される。なお、入力時に管理区分入力欄62、借方科目入力欄63、貸方科目入力欄67に管理区分名、借方科目、貸方科目に直接文字入力するようにしてもよい。
【0072】
また、借方摘要入力欄65は借方金額入力欄63および借方科目入力欄64からなる借方の取引内容を示す摘要を入力する入力欄であり、貸方摘要入力欄66は貸方科目入力欄67および貸方金額入力欄68からなる貸方の取引内容を示す摘要を入力する入力欄であり、摘要が文字入力される。
【0073】
また、本実施例では各入力行で借方摘要入力欄65を上段とし、貸方摘要入力欄66を下段として配置したが、借方摘要入力欄65および貸方摘要入力欄66の配置はこれに限定されず表示部14の画面サイズによって設計上の制約を受けるのみであり、例えば、借方摘要入力欄65と貸方摘要入力欄66を隣り合うように一列に配置してもよく、また、貸方摘要入力欄66を貸方金額入力欄68の次に配置してもよい。
【0074】
また、本実施例では借方金額入力欄63の次に借方科目入力欄64を配置したが、借方科目入力欄64の次に借方金額入力欄を配置するようにしてもよい。また、入力行の数は図6の例では8行としたが、これに限定されず、設計上可能な数だけ設ければよい。
【0075】
また、振替伝票入力画面60に伝票番号を入力(或いは、自動表示)する伝票番号入力(表示)欄を設けてもよい(図6の例では右上隅に設けられている)。また、管理区分入力欄62は管理区分に応じて複数個設けてもよい。また、借方科目入力欄64および貸方科目入力欄67に補助コード入力欄を設けるようにしてもよい。また、入力時には、入力箇所を案内するカーソルが表示される。
【0076】
図7は表示画面に表示される会計データ入力フォーマットの他の実施例を示す図である。
図7で、会計データ入力フォーマット70は受信した制御データ61から取得した会社名、決算年度等の書誌的事項を表示する欄71と、取引月を表示する月表示欄72と、会計データの表示、訂正、削除、追加入力、印刷及び終了等の指示をアイコン表示し、担当者による指示選択をさせる選択欄73と、送信指示用ボタン74(アイコン又はマーク)と同期指示用ボタン74’(アイコン又はマーク)と、データ名表示欄76と会計データ表示欄77と、案内メッセージ表示欄78及び入力欄79が設けられている。
【0077】
また、データ名表示欄76には行番号欄、日付欄、借方科目欄、貸方科目欄、金額欄及び摘要欄が設けられ、データ表示欄77にはキー入力された会計データ又は受信した会計データ(図5(a))の日付データが日付欄に対応する位置に表示され、会計データが借方科目の場合には借方科目欄に対応する位置に借方科目名称が、会計データが貸方科目欄の場合は貸方科目欄に対応する位置に貸方科目名称が表示され、金額データが金額欄に対応する位置に、摘要データが対応する位置に行われる。また、各会計データは対応する表示制御データにより表示時の前後関係が関係付けられているので、データ表示欄77の最上欄から順に1行ずつ振り分けられて表示される。また、作業メモリ132の会計データの数がデータ表示欄77の行数より多い場合にも、スクロールキー操作又は図示しないスクロールボタンのポイント操作により上下にスクロールさせて表示されていない会計データを表示することができる。
【0078】
また、案内メッセージ表示欄78にはデータ入力やデータ修正入力時の操作案内メッセージや警告メッセージが表示される。また、入力欄79は入力されたデータが表示される欄であり、確認操作により入力した文字列又は名称に変換された文字列がカーソル位置の表示欄に表示される。
【0079】
上記図6の振替伝票入力画面及び/又は図7の入力画面から入力された会計データは仕訳処理されて会計データファイルに格納される。また、会計データの訂正処理や検証時にはこれらの入力画面上に会計データファイルに格納されている会計データ等を表示できる。
【0080】
[インターネットによる同期処理]
(同期処理プロセス)
図8は電子メール送信元を顧問先会計処理装置、電子メール送信先を監査用会計処理装置とした場合における顧問先会計処理装置2から監査用会計処理装置へのデータの流れを示す説明図である。
また、図9は電子メール送信元の会計処理装置とメール送信先の会計処理装置におけるインターネットによる同期処理時のプロセスチャートである。また、図9で、P1が前処理、P3が入力処理、P4、P5、P10、P11が電子メールの送受信処理、P6〜P9、P11〜P14が同期処理プロセスである。なお、図9で、メール送信元の会計処理装置を顧問先会計処理装置とした場合には、送信先の会計処理装置は監査用会計処理装置1となり、メール送信元の会計処理装置を監査用会計処理装置とした場合には、送信先の会計処理装置は顧問先会計処理装置2となる。
【0081】
プロセスP1:(データ入力等の対象ファイルの読み込み)
メール送信元会計処理装置2(1)で担当者が正式会計ファイル領域181(181’)のある正式会計ファイルを選択すると、選択された正式会計ファイルが作業メモリ13の表示用データバッファ132(132’)及び作業用バッファ133(133’)に読み込まれる。また、会計データ入力処理プログラムが起動され、表示部14に入力画面(図6、図7)が表示される。
【0082】
プロセスP2:(処理の選択)
メール送信元の担当者が入力画面の選択ボタン等をマウス11(1’)でポイントして「データ入力」、「訂正」或いは「削除」処理を選択するとP3に遷移し、「送信」を選択するとP4に遷移し、「同期」を選択するとP7に遷移し、「終了」を選択すると会計データ入力処理を終了する。
【0083】
プロセスP3:(新規データ入力、訂正データ等の入力等)
上記プロセスP2で「データ入力」処理が選択されるとデータの入力操作が可能となり、入力された会計データ(新規データ又は訂正データ等)は表示用バッファ131(131’)に書き込まれ、入力画面の表示欄に表示される。入力データはメール送信元の担当者による確認操作がなされると仕訳処理されて作業用バッファ133(133’)に記憶される。また、訂正処理が選択されると入力結果で表示用データバッファ132(132’)が訂正され、入力画面には訂正結果が表示される。また、作業用バッファ133(133’)に入力結果が書き込まれる。一連のデータ入力が終わると作業用バッファ133(133’)に書き込まれた会計データは送信データバッファ132(132’)に一次会計ファイル((指定された期間の)仕訳ファイル)として記憶され、一次会計ファイル領域131(131’)及び作業用バッファ133(133’)はクリアされ、P2に戻って次の処理選択操作を待つ。
【0084】
プロセスP4:(電子メール送信先の同期先正式会計ファイル情報の取得)
メール送信元の担当者が会計処理装置2(1)に表示された入力画面(図6又は図7)上の送信ボタン(69、74)をマウス11(11’)でポイントすると会計処理装置2は後述の図10のフローチャートに示す動作によって電子メール送信先に記憶されている当該電子メール送信先の正式会計ファイルを決定し、メール送信先識別コード及びファイル識別コードを取得する。
【0085】
プロセスP5:(電子メールによる送信)
メール送信元では同期開始指示データとメール送信元別コード及びファイル識別コードを送信通知メールに書き込み、電子メールソフトを起動して一次会計ファイルを添付ファイル化して送信通知メールに添付してインターネット3を介してメール送信先会計処理装置1(2)に送信する。また、この際、メール送信元の各ファイルの最終更新情報を格納した更新情報ファイル(図12(c)及びメール送信元の各ファイルの最新更新情報(図12(a))も併せて送信する。
【0086】
プロセスP6:(電子メール送信先のデータバッファへの書き込み等)
メール送信元会計処理装置2(1)からの電子メールを受信したメール送信先会計処理装置1(2)は電子メールソフトを起動して送信通知メールに添付された添付ファイルを開いて一次会計ファイルを復元し、一次会計ファイル領域131(131’)に記憶する。次に、入力処理プログラムを起動してからP2に戻って次の処理(入力処理又は同期処理)の選択操作を待つ(入力処理プログラムの起動により会計処理装置1(2)には入力画面が表示される。従って、入力画面上に表示されたボタンの選択により、データ入力或いは同期処理を選択できる)。なお、受信した電子メール送信元の更新情報ファイルおよび電子メール送信元の各ファイルの最新更新情報はバッファ133(133’)に記憶する。
【0087】
プロセスP7:(電子メール送信先正式会計ファイルのバックアップ)
メール送信先の会計処理装置1(2)は上記プロセスP6で受信した送信通知電子メールから同期開始指示データを検出すると、その送信通知電子メールから送信元先識別コード及びファイル識別コードを抽出し、正式会計ファイル領域181’(181)に記憶されている複数の正式会計ファイルから送信元識別コード及びファイル識別コードを用いて該当する正式会計ファイル及び関連する正式会計ファイル(同期処理により、データが更新される正式会計ファイル)を抽出してバックアップファイル183’に転送(バックアップ)する。
【0088】
プロセスP8:(送受信ファイル及び優先度の決定及び同期)
また、電子メール送信先の会計処理装置1(2)は後述する図13のフローチャートに示すような動作で送受信ファイル候補を選定した後、送受信ファイルの決定及び電子メール送信元から受信した各一次会計ファイルで会計処理装置1(2)に記憶されている正式会計ファイルのうち受信した各一次会計ファイルに対応するファイルを更新するか、電子メール送信先の正式会計ファイル中の更新されたファイルで受信した一次会計ファイル中の対応するファイルを更新するかの優先度の決定を各ファイル毎に行ってから、決定された送受信ファイルによる正式会計ファイル又は一次会計ファイルの更新処理(同期)を行なう(図13〜図18)。
【0089】
プロセスP9:(メール送信先の残高更新及び更新情報ファイル作成)
メール送信先の会計処理装置1(2)の正式会計ファイル領域181’(181)に記憶されている正式会計ファイルの中で上記プロセスP8の更新処理によって更新された正式会計ファイル及び関連する各正式会計ファイルの残高更新を行い、更新処理後の各正式会計ファイルの最終更新記録(更新日時、更新データ数等)を集めた更新情報ファイル(CTyyyyy)を作成する。また、この際、同期処理によって更新された一次会計ファイルを一次会計ファイル領域131’(131)から送信データバッファ132’(132)に書き込む。
【0090】
ステップP10:(電子メール送信)
メール送信先の会計処理装置1(2)では同期開始指示データと送信元識別コード及びファイル識別コードを送信通知メールに書き込み、電子メールソフトを起動して一次会計ファイルを添付ファイル化して送信通知メールに添付してインターネット3を介して電子メール送信元の会計処理装置2(1)に送信する。
【0091】
プロセスP11:(メール送信先のデータバッファへの書き込み等)
メール送信先の会計処理装置1(2)から送信された電子メールを受信したメール送信元の会計処理装置2(1)は電子メールソフトを起動して送信通知メールに添付された添付ファイルを開いて一次会計ファイルを復元し、一次会計ファイル領域131(131’)に記憶する。
【0092】
プロセスP12:(メール送信元の正式会計ファイルのバックアップ)
メール送信元の会計処理装置2(1)は上記プロセスP11で受信した送信通知電子メールから同期開始指示データを検出すると、正式会計ファイル領域181(181’)に記憶されている複数の正式会計ファイルから受信した一次会計ファイルに対応する正式会計ファイル及び関連する正式会計ファイル(同期処理により、データが更新される正式会計ファイル)を抽出してバックアップファイル183(183’)に転送(バックアップ)する。
【0093】
プロセスP13:(メール送信元の一次会計ファイルのコピー)
また、メール送信元の会計処理装置2(1)は正式会計ファイル領域181(181’)に記憶されている複数の正式会計ファイルのうち受信した各一次会計ファイルに対応する正式会計ファイルに各一次会計ファイルをコピーし、受信した一次正式会計ファイル(電子メール送信先の正式ファイルで更新した一次会計ファイル)による更新処理(同期)を行なう。
【0094】
プロセスP14:(メール送信元の残高更新及び更新情報ファイル作成)
メール送信元の会計処理装置2(1)の正式会計ファイル領域181(181’)に記憶されている正式会計ファイルの中で上記プロセスP13の更新処理によって更新された正式会計ファイル及び関連する各正式会計ファイルの残高更新を行い、同期処理による更新処理後の各ファイルの最終更新記録(更新日時、更新データ数等)を集めた更新情報ファイル(CTxxxxx)を作成する。また、この際、一次会計ファイル領域131(131’)をクリアする。
【0095】
なお、上記図9の説明では電子メール送信元を顧問先会計処理装置2または監査用会計処理装置1のいずれでもよいものとしたが、電子メール送信元を顧問先会計処理装置2に限定するように構成してもよい。
【0096】
また、上記ステップP10でメールを相手側装置に送ると相手側では自動的に同期処理を行うように図示してあるが、メールを受信するとデータ入力処理プログラム(監査処理用プログラム)を起動するように構成して、データ入力(監査による訂正入力)を行った後、担当者が同期指示を行うとプロセスP12に遷移するように構成してもよい。
【0097】
[同期処理の選択及び電子メール送信先正式会計ファイルの選択決定]
図10は図9のプロセスP4の電子メール送信先正式会計ファイル決定動作の一実施例を示すフローチャートである。また、図11は電子メール送信先正式会計ファイル決定用画面の一実施例を示す図であり、図11(a)は電子メール送信先正式会計ファイル確認画面の一例、図11(b)はサーバー選択画面の一例を示す。
【0098】
ステップS1:(メール送信先での正式会計ファイル領域確認画面の表示)
制御部12(12’)は正式会計ファイル領域181(181’)に記憶されている基礎ファイルにインストール時に書き込まれた会計処理装置2(1)の正式会計ファイルの送信元識別コードを取り出して図11(a)のようなファイル確認画面110として表示部14に表示して、電子メール送信先で同期対象とする正式会計ファイルが含まれている正式ファイル領域の確認をユーザに促す。
【0099】
ステップS2:(確認判定)
制御部12(12’)はユーザが確認ボタン(YES)をマウス11でポイントすると、この正式会計ファイルを電子メール送信先の同期先正式会計ファイルとしてステップS4に遷移する。また、否定ボタン(NO又はキャンセル)をポイントするとステップS3に遷移する。
【0100】
ステップS3:(サーバ選択画面表示等)
上記ステップS2で否定ボタンがポイントされるか同期初回時などで相手先を特定できない場合は図11(b)に示すようなサーバー選択画面110’を表示して電子メール送信先正式会計ファイルを確定させてからステップS1に遷移する。
ステップS4:(同期可能か否かの判定)
制御部12(12’)は通信制御部15に対し決定された正式会計ファイルの顧問先識別コード、ファイル識別コード及び状態通知要求を送信する。通信制御部15からインターネットがビジーであったり、電子メール送信先が電子メール送受信中であったり、その他同期できない条件が設定されていることを意味する状態信号(電子メール送信不許可信号)を受け取った場合は同期処理を終了させプロセスP3に戻る。また、同期可能な場合(同期可能信号)にはプロセスP5に遷移する。
【0101】
[更新情報ファイルの生成]
図12は更新情報ファイルの生成方法の説明図である。
メール送信先の会計処理装置1(2)の正式会計ファイルが送信された一次会計ファイルとの同期処理により更新されたとき、及びメール送信元の会計処理装置2(1)の正式会計ファイルが受信した一次会計ファイルとの同期処理により更新されたとき電子メール送信元及び電子メール送信先装置でそれぞれ対応する正式会計ファイルを構成するファイルの最終更新期間などを各ファイルの更新情報から抽出して更新情報ファイルをそれぞれ生成することで、次回の同期時に、前回の同期処理から今回の同期処理までの間に行われたデータ入力処理(データ訂正入力を含む)等によりどのファイルが更新されているかがわかる。
【0102】
なお、各ファイルの更新情報に記憶されるタイムスタンプ(時刻情報)は各装置のシステムクロックからセットされるので電子メール送信元と電子メール送信先のシステムクロックが違っている場合でも正確な送受信候補ファイルの決定が可能となる。なお、図12(a)は会計処理装置2側の更新ファイルの更新情報、図12(b)は会計処理装置1側の正式会計ファイルの更新情報を示す。
【0103】
また、図12の例では更新情報ファイル123として図12(a)の更新情報121から生成される電子メール送信元で生成されるもの(図12(c)(図12(a)の更新情報の左隅下の記号「CT00019000」で表す))のみを示したが、電子メール送信先の更新情報ファイル124((図12(b)の更新情報122の左隅下の記号「CT00022000」で表されている)も同様にして図12(b)の各ファイルの更新情報から生成される。
【0104】
[送受信ファイルの決定及び送受信処理]
図13は送受信ファイルの決定及び送受信処理による正式会計ファイルの更新(同期)動作の一実施例を示すフローチャートである。
また、図14は送信候補ファイル選定方法の説明図であり、図15は受信候補ファイル選定方法の説明図である。また、図16は送受信ファイル確認画面の一実施例を示す図であり、図17は送受信ファイルの優先設定切り替え用画面の一実施例を示す図である。
【0105】
ステップT1:(データ入力によって更新された送信候補ファイルの選定)
図9のプロセスP5の電子メール送信先正式会計ファイルのバックアップ処理が終わると、送信先の会計処理装置1(2)は電子メール受信の際、受信した一次会計ファイルを調べ、メール送信元でデータ入力処理を行って更新したファイルを送信候補ファイルとする。つまり、データ入力の内部記憶変数より、データ入力処理プログラムを起動してから同期ボタンをポイントされるまでの間に更新(新規データ入力及び/又は訂正入力)したファイル(更新仕訳ファイル)を特定できるので、データ数が前回と異なっているファイルを送信候補ファイル(メール送信先の正式会計ファイルを更新する候補ファイル)とする。
【0106】
ステップT2:(メール送信元更新情報の比較による送信候補ファイルの選定)
次に、メール送信先の会計処理装置1(2)の制御部12’(12)は会計処理装置1(2)が受信した電子メール送信元の正式会計ファイルの各ファイルの更新情報(最新更新情報)と更新情報ファイルに記憶されている更新情報(最終更新情報)を比較し、更新時刻が一致していないファイルを送信候補ファイル(メール送信先の正式会計ファイルを更新する候補ファイル)とする。
【0107】
ステップT3:(メール送信先更新情報の比較による受信候補ファイルの選定)
更に、制御部12’(12)はメール送信先の会計処理装置1(2)の正式会計ファイルの各ファイルの更新情報(最新更新情報)と更新情報ファイルに記憶されている更新情報(最終更新情報)を比較し、更新時刻が一致していない全てのファイルを更新済みファイルとし、それらを受信候補(メール送信元の正式会計ファイルを更新するファイルとしてメール送信元が受信する候補ファイル)とする。
【0108】
ステップT4:(送受信候補ファイルの一覧表示)
制御部12’(12)は、上記ステップT1、T2で抽出した送信候補ファイル及び上記ステップT3で抽出した受信候補ファイルをファイル番号順に、送信候補ファイル、受信候補ファイルに分類して、そのファイル名称を図16に示すようなフォーマットの送受信ファイル確認画面160に表示する。
【0109】
図16の例では電子メール送信元である顧問先「○○○○株式会社」と送信先である「△△△△会計事務所」間の送受信ファイル候補が一覧表示されている。また、送受信の優先度は「送信」、「受信」欄に表示された記号で表されている。この例では優先度は◎>○>×の順で表されている。また、メール送信元、メール送信先共に更新されている場合は「◎○」又は「○◎」で表示され、一方しか更新されない場合は「○×」、「×○」で表される。また、メール送信元、メール送信先共に更新されている場合はデータ数の多い方を◎とする。また、データ数が一致した場合は最新更新時間で決定する。
【0110】
ステップT5:(送受信ファイルの確認又は変更操作等)
ユーザは、送受信ファイル確認画面160に表示された各送受信ファイルでよいとする場合には画面160の下欄に表示されている「確認ボタン」161をマウス11でポイントするか改行キーを押す。また、設定変更又はキャンセルしたい場合にはカーソル162を上下させて該当のファイルの位置まで移動させ、設定変更ボタン163をポイントするか、「キャンセルボタン」164をポイントするかキャンセルキーを押す。
【0111】
制御部12(12’)はデータ入力部10及びマウス11からの信号を調べ、「確認ボタン」161のポイント又は改行キーの押し下げがあった場合は、優先記号の表示されているファイルを送受信ファイルとして抽出し、ステップT6に遷移する。また、設定変更ボタン163のポイントがあった場合にはステップT7に遷移し、「キャンセルボタン」164のポイントかキャンセルキーの押し下げがあった場合にはT10に遷移する。
【0112】
ステップT6:(ファイル更新処理)
上記ステップT5で確認が行われると、制御部12’(12)は図18に示すような動作でファイル送受信処理を実行してプロセスP9(又はP14)に遷移する。
【0113】
ステップT7:(優先設定変更画面表示)
制御部12’(12)は、図17に示すようなフォーマットの送受信ファイルの優先設定切り替え用画面170を表示すると共に、上記ステップT5でカーソル162で指定された行のデータを優先設定切り替え用画面170の切り替えデータ表示欄173に表示する。
【0114】
ステップT8:(設定変更)
ユーザは、切り替え操作案内欄171の3つの切り替えパターン「1、2:優先順位の切り替え」、「3.同期しない」のいずれかの行にカーソル171を移動させると、制御部12(12’)は確認表示欄172に選択された行番号を表示して確認を促す。そして、ユーザが改行キーを押すとステップ゜T9に遷移する。
【0115】
ステップT9:(設定変更後の送受信ファイル確認画面の表示)
制御部12’(12)は上記ステップT8で切り替えパターン1又は2が選択されると、上記ステップT4で表示された受信ファイル確認画面160の表示データで、上記ステップT5でカーソル162で指定された行のデータのうち優先順位を示す「送信」欄、「受信」欄の内容を指定された内容に置き換えてから受信ファイル確認画面160を表示してステップT5に遷移する。また、上記ステップT8で切り替えパターン3が選択されるとステップT10に遷移する。
【0116】
図17の例では送受信ファイル確認画面160に表示されたファイルのうち6月分の仕訳ファイルがステップT5の設定切り替え操作により優先設定切り替え用画面170の表示欄173に表示されている。また、この例では切り替えパターン2が選択されているので、改行キーを押すと、6月分の仕訳ファイルの送受信優先表示が「○×」から「×○」に切り替えられた送受信ファイル確認画面160が表示される(つまり、メール送信元優先からメール送信先優先に切り替えられる)。
【0117】
ステップT10:(送受信候補ファイルの優先設定キャンセル)
制御部12’(12)はカーソル162で指定された行に表示されている「送信」欄、「受信」欄の優先送信の表示をキャンセルしてキャンセル記号(例えば「*」を「送信」欄と「受信」欄に表示するようにしてから受信ファイル確認画面160を表示してステップT5に遷移する。
【0118】
上記ステップT7、T8でデータ数又は最終変更時間によりユーザがファイル送受信の優先度を変更できるように構成したことにより、顧問先或いは会計事務所の都合でファイル送受信の優先度を変更し、相手側に電子メールで送信するか相手側から電子メールで受信するようにするかを切り替える(例えば、顧問先で前回の入力処理について監査結果を知りたい場合は監査データの受信を優先するように優先設定を変更する)ことができる。また、変更データの数により相手側に顧問先から会計事務所にメール送信するか、事務所から受信するかを切り替えることもできる。
【0119】
[ファイルの更新(同期)]
図18は同期処理するファイルの送受信処理動作の一実施例を示すフローチャートであり、図13のステップT6の動作に相当する。この場合、メール送信元、メール送信先の対応するファイルが双方とも更新されていた場合には更新された会計データが重複している可能性があるので、一次会計ファイルの該当ファイルとレコード単位でマージを行い、メール送信元かメール送信先の一方でのみ更新している場合は一次会計ファイルの該当ファイルとファイル単位にコピーを行なう。
【0120】
ステップT5−1:(優先条件の判定)
図18で、メール送信先の会計処理装置1(2)の制御部12’(12)は、ステップT5で「確認」操作が押されたときの送受信ファイルの確認画面160に表示されたメール送信元のファイル及びメール送信先の正式会計ファイル(つまり、図16の例で、送受信ファイルが同一行にあるメール送信元、メール送信先のファイル)が共に更新されたファイルか否かを調べ、共に更新されたファイル(図16の例で「◎○」又は「○◎」のファイル)の場合にはT5−2に遷移する。
【0121】
また、メール送信元かメール送信先の一方のファイルだけが更新されている場合((図16の例で「○×」又は「×○」のファイルの場合)にはT5−9に遷移する(この例で、×印のファイルは更新されていないファイルを意味する)。また、その他の場合(例えば、両方ともに更新されていないファイルの場合)には送受信ファイルの確認画面160の次の行を調べる)。
【0122】
ステップT5−2:(優先度判定(1))
制御部12’(12)はメール送信元、メール送信先の一対のファイルのどちらが優先度が高い(◎印)かを調べ、メール送信元のファイルの方が優先度が高い場合には、そのファイルのファイル識別コードとそのファイルに対応するメール送信先のファイルのファイル識別コードを取得してT5−3に遷移し、そうでない場合にはメール送信先のファイルのファイル識別コードとそのファイルに対応するメール送信元のファイルのファイル識別コードを取得してT5−9に遷移する。
【0123】
ステップT5−3:(メール送信元ファイルレコードとのマージ処理)
制御部12’(12)は、上記ステップT5−2で取得したファイル識別コードに対応する正式会計ファイルをレコード単位で一次会計ファイルの対応するファイルにマージする。なお、マージの際、当該一次会計ファイルのレコードで訂正フラグがオンのレコードについては正式会計ファイルの対応するレコードで一次会計ファイルのレコードに上書きし、その他のレコードは一次会計ファイルに追加する。
【0124】
ステップT5−4:(メール送信先の一次会計ファイルレコード終了判定)
制御部12’(12)は上記ステップT5−3でのレコード単位のマージを正式会計ファイルのレコードが終了するまで続行し、レコードが終了するとT5−5に遷移する。
【0125】
ステップT5−5:(訂正フラグオフ処理)
制御部12’(12)は上記ステップT5−3で送信先のレコードをマージした更新ファイルの各レコードのフラグ欄48を調べ、各レコードの訂正フラグを全てオフにする。
【0126】
ステップT5−6:(次の送受信ファイルの有無判定)
制御部12’(12)は送受信ファイルの確認画面160に表示されている送受信ファイルのうち未だ送受信処理を行っていないファイルがあるか否かを調べ、未だ送受信処理を行っていないファイルがある場合には、T5−1に戻って次のファイルの優先条件判定を行なう。また、そうでない場合には送受信処理を終了してプロセスP9に遷移する。
【0127】
ステップT5−7:(メール送信先の正式会計ファイルとのマージ処理)
制御部12’(12)は、一次会計ファイルをファイル識別コードが一致する正式会計ファイルにレコード単位でマージを行なう。なお、マージの際、当該正式会計ファイルのレコードで訂正フラグがオンのレコードに対しては受信した一次会計ファイルのレコードで上書き、一次会計ファイルのその他のレコードはその正式会計ファイルに追加する。
【0128】
ステップT5−8:(メール送信先の正式ファイルレコード終了判定)
制御部12’(12)は上記ステップT5−7のマージを一次会計ファイルのレコードが終了するまで続行し、レコードが終了するとT5−5に遷移する。
【0129】
ステップT5−9:(優先度判定(2))
制御部12’(12)はメール送信元、メール送信先のうちのどちらのファイルが優先度が高いかを調べ、メール送信元の方が優先度が高い場合にはT5−10に遷移し、そうでない場合にはT5−11に遷移する。
【0130】
ステップT5−10:(一次会計ファイルの記憶)
制御部12’(12)は上記ステップT5−2で取得した送信元のファイル識別コードを基に一次会計ファイルから該当する一次会計ファイルを読み出し、正式会計ファイル領域181’(181)の該当する正式会計ファイルに記憶してT5−6に遷移する。
【0131】
ステップT5−11:(一次会計ファイルへの記憶)
制御部12’(12)は上記ステップT5−2で取得した電子メール送信先のファイル識別コードを基に正式会計ファイル中の該当する正式会計ファイルを抽出し、一次会計ファイルに記憶してT5−6に遷移する。
【0132】
なお、図13の上記ステップT7、T8でデータ数又は最終変更時間によりユーザがファイル送受信の優先度を変更できるように構成したことにより、上記図18のステップT5−2、T5−9はステップT7による優先度決定の結果により、送信元、送信先におけるデータの送信、受信の方向が切り替わることとなる(例えば、通常は送信元優先のファイルについて、件数が少ない場合に図7のステップT7、T8で送信先優先に設定変更されていると(図17優先設定変更画面参照)、通常はステップT5−2からT5−3に遷移して送信先のファイルのレコードを送信元のファイルにマージする処理が、ステップT5−2からT5−4に遷移して送信元のファイルのレコードを送信先のファイルにマージする処理に切り替わることになる(マージプログラムの構成にもよるが、データ件数が少なくなった場合、通常どおりT5−3のマージ処理を行うより、T5−4の処理を行ったほうが処理速度(マージの速度)が早くなる場合が多い)。
【0133】
すなわち、優先度によってマージされるかマージする(つまり、送信元のファイルと送信先のファイルの間で送信元のファイルのレコードを送信先のファイルにマージするか送信先のファイルのレコードを送信元のファイルにマージするかはファイルの送受信優先度によって決定される)。優先度は上述したように図13のステップT7、T8で変更可能なので、優先度の変更により、データ量や回線速度に応じて優先度を切り替えるようにすればよい。
なお、優先度の切り替えは実施例では手動で行うように構成されているが(図17)、データ量や回線速度を基に自動的に切り替わるようにしてもよい。また、優先度とは無関係にマージの場合だけデータ量や回線速度によってマージするかマージされるかを自動的に切り替えるようにしてもよい。
【0134】
以上、本発明の一実施例について説明したが本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能であることはいうまでもない。
【0137】
【発明の効果】
上記説明したように、請求項1、2の発明によれば、監査用会計処理装置は、顧問先会計処理装置から電子メールを受信すると自動的に添付ファイルを開封し、対応する顧問先会計処理装置に電子メールを送信する際に自動的に添付ファイルを生成してその電子メールに添付し、開封された添付ファイルから自動的に取り出された更新情報および所与の優先度に基づいて該自動的に取り出された一次会計ファイルで保存メモリに記憶されている会計ファイルを更新するか保存メモリに記憶されている会計ファイルのうちの既に更新済みの会計ファイルで該自動的に取り出された一次会計ファイルを更新するかを決定し、次に、決定した更新方法により、保存メモリに記憶されている会計ファイル又は前記自動的に取り出された一次会計ファイルの更新を行ない、次に、この更新により更新された会計ファイル及びその会計ファイルに関連する各会計ファイルの残高更新を行うと共に更新処理後の各会計ファイルの最終更新記録を集めた新たな更新情報を作成するので、人間が変更の有無を追跡する必要もなく、且つロックなしに任意のタイミングで、互いに独自に更新したデータを電子メールで授受して同期することができる(つまり、監査用会計処理装置と顧問先会計処理装置のデータを主従の関係なしで(双方を主と考えて)、互いに更新して同一内容のデータにできる)。また、会計データの入力や管理の手順が大幅に緩和できる(例えば、会計事務所(又は本社等)で訂正を行っているときでも、顧問先(又は支店等)でデータ入力を行なうことができる)。
【図面の簡単な説明】
【図1】インターネット会計システムへの本発明の会計データの同期処理方式の適用例の概要説明図である。
【図2】監査用会計処理装置(第1のコンピュータ装置)の正式会計ファイル領域の構成例の説明図である。
【図3】本発明の会計処理システムを構成するコンピュータ装置(会計処理装置)の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図4】作業メモリの領域レイアウトの一実施例の説明図である。
【図5】会計データ及び送信ファイルの一実施例を示す図である。
【図6】表示画面に表示される会計データ入力フォーマットの一実施例を示す図である。
【図7】表示画面に表示される会計データ入力フォーマットの他の実施例を示す図である。
【図8】インターネットの電子メール送信元を顧問先会計処理装置、電子メール送信先を監査用会計処理装置とした場合における同期処理時のデータの流れを示す説明図である。
【図9】電子メール送信元の会計処理装置と電子メール送信先の会計処理装置とのインターネットによる同期処理時のプロセスチャートである。
【図10】電子メール送信先正式会計ファイル決定動作の一実施例を示すフローチャートである。
【図11】電子メール送信先正式会計ファイル決定用画面の一実施例を示す図である。
【図12】更新情報ファイル生成方法の説明図である。
【図13】送受信ファイルの決定及び送受信処理による正式会計ファイルの更新(同期)動作の一実施例を示すフローチャートである。
【図14】送信候補ファイル選定方法の説明図である。
【図15】受信候補ファイル選定方法の説明図である。
【図16】送受信ファイル確認画面の一実施例を示す図である。
【図17】送受信ファイルの優先設定切り替え画面の一実施例を示す図である。
【図18】同期処理するファイルの送受信処理動作の一実施例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 第1のコンピュータ装置(第1の会計処理装置、監査用会計処理装置)
2 第2のコンピュータ装置(第2の会計処理装置、顧問先会計処理装置)
3 インターネット
13A,13B 一次会計ファイル(第3のデータ、更新データ)
18A 正式会計ファイル(第1のデータ、会計ファイル)
18B 正式会計ファイル(第2のデータ、会計ファイル)
60、70 入力画面
M1、M2 電子メール
Claims (2)
- インターネット等の通信ネットワークを介してデータの授受を行うための通信制御プログラムと、
複数の会計ファイルを記憶する保存メモリと、
前記通信制御プログラムによる通信制御下で、顧問先会計処理装置から送信された電子メールを受信し、受信した電子メールの添付ファイルを操作者による指示なしに開いて更新用会計データを含む一次会計ファイルおよび顧問先会計処理装置における更新処理後の各会計ファイルの最終更新記録を集めた更新情報を取り出す電子メール受信処理手段と、
前記通信制御プログラムによる通信制御下で、電子メールを送信する際にバッファメモリに記憶されているデータから該送信する電子メールに添付する添付ファイルを操作者による指示なしに生成して該電子メールに添付し、顧問先会計処理装置に送信する電子メール送信処理手段と、
前記保存メモリに記憶されている会計ファイルと顧問先会計処理装置のメモリに記憶されている会計ファイルを同期させるためのデータ同期制御手段と、を備え、
前記データ同期制御手段は、
同期指示の有無を検出し、同期指示を検出した場合に、会計データの同期処理を行うための同期処理プログラムに基づいて、前記電子メール受信処理手段によって操作者による指示なしに取り出された更新情報および所与の優先度に基づいて該電子メール受信処理手段によって操作者による指示なしに取り出された一次会計ファイルで前記保存メモリに記憶されている会計ファイルを更新するか前記保存メモリに記憶されている会計ファイルのうちの既に更新済みの会計ファイルで該電子メール受信処理手段によって操作者による指示なしに取り出された一次会計ファイルを更新するかを決定し、該決定した更新方法により、前記保存メモリに記憶されている会計ファイル又は前記電子メール受信処理手段によって操作者による指示なしに取り出された一次会計ファイルの更新を行ない、この更新により更新された会計ファイル及びその会計ファイルに関連する各会計ファイルの残高更新を行うと共に更新処理後の各会計ファイルの最終更新記録を集めた新たな更新情報を作成し、前記電子メール送信処理手段を介して前記保存メモリに格納している会計ファイルと顧問先会計処理装置のメモリに格納されている会計ファイルとの同期処理を行なう、
ことを特徴とする監査用会計処理装置。 - 前記データ同期制御手段は、前記電子メール受信処理手段によって受信された電子メールに同期指示が含まれているか否かにより同期指示の有無を検出することを特徴とする請求項1に記載の監査用会計処理装置。
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