JP4814944B2 - キャピラリー電気泳動法による試料の分析方法 - Google Patents

キャピラリー電気泳動法による試料の分析方法 Download PDF

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Description

本発明は、キャピラリー電気泳動法による試料の分析方法に関する。
キャピラリー電気泳動法では、キャピラリー管内壁に集合したイオンが、印加によって移動することで電気浸透流が生じ、これにより試料が移動して電気泳動が行われる。キャピラリー管としては、溶融シリカ製のキャピラリー管が使用されているが、これは、試料の吸着により良好な電気浸透流が得られない場合がある。このため、キャピラリー管内壁を被覆する技術が提案されている(特許文献1、2、3、4)。一方、血液中のヘモグロビン(Hb)は、血液中のグルコースと反応して糖化Hbとなる。血液中の糖化Hbは、生体内血糖値の過去の履歴を反映しているため、糖尿病の診断や治療等における指標とされており、中でも、β鎖N末端のバリンが糖化したものは、ヘモグロビンA1c(HbA1c)と呼ばれ、特に重要な指標として、臨床検査等で、その測定が実施されている。血液中のヘモグロビンの測定方法は、例えば、アガロース電気泳動法、キャピラリー電気泳動法、HPLC法、免疫法、酵素法等がある。これらの中で、ヘモグロビンの遺伝的変異等の微小な変異が検出できるのは、キャピラリー電気泳動法とHPLC法である。一方、ヘモグロビンの分析装置に対しては、小型化が求められている。この点に関し、HPLC法は、装置全体の小型化が困難である。これに対し、キャピラリー電気泳動法では、マイクロチップ化することで、装置全体を小型化することが可能である。
しかしながら、前述した従来のキャピラリー電気泳動法では、ヘモグロビンを高精度で分析できないという問題がある。この問題を解決するために、キャピラリー管内壁を、タンパク質で被覆し、さらにこの上を多糖類で被覆するという技術がある(特許文献5)。しかしながら、この技術では、分析の度に、キャピラリー管内壁をタンパク質で被覆する操作が必要であり、分析が煩雑になるという問題がある。一方、キャピラリー管内壁を被覆せずに、双性イオン性タイプのランニングバッファーに脂肪族ジアミン等の流れ阻害剤を含有させてキャピラリー電気泳動するという方法がある(特許文献6)。しかしながら、この方法では、変異ヘモグロビンは分離できても、ヘモグロビンA1cは分離できないという問題がある。これらの問題は、ヘモグロビンに限らず、その他の試料におけるキャピラリー電気泳動法全般の問題である。
特開2005−291926号公報 特開平4−320957号公報 特表平5−503989号公報 特表平8−504037号公報 特開平9−105739号公報 特開2006−145537号公報
そこで、本発明の目的は、装置の小型化が可能であり、分析精度が高く、容易に実施することが可能なキャピラリー電気泳動法による試料の分析方法を提供することである。
前記目的を達成するために、本発明の分析方法は、キャピラリー電気泳動法による試料の分析方法であって、
前記キャピラリー電気泳動法に用いるキャピラリー管を準備する工程と、
前記キャピラリー管中において、試料と陰極性基含有化合物とが結合した複合体を電気泳動する工程とを含み、
前記キャピラリー管が、前記キャピラリー管内壁に、下記A層が積層され、前記A層の上に、下記B層が積層されたキャピラリー管であることを特徴とする。
A層:ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(Polydiallyldimethylammoniumchloride)、無極性重合体および陽極性基含有化合物からなる群から選択される少なくとも一つから形成され、
前記ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドを含む場合は、前記ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドが物理的吸着により前記キャピラリー管内壁に固定され、
前記無極性重合体および前記陽極性基含有化合物の少なくとも一方を含む場合は、前記無極性重合体および前記陽極性基含有化合物の少なくとも一方が共有結合により前記キャピラリー管内壁に固定された介在層
B層:前記試料と複合体を形成する陰極性基含有化合物と同一又は異なる陰極性基含有化合物から形成された陰極性層
本発明の分析方法では、キャピラリー管内壁に固定したA層を介してB層が形成されているキャピラリー管を使用するため、例えば、ヘモグロビン等の血液試料中のタンパク質等のキャピラリー管内壁への吸着を防止でき、これにより、良好な電気浸透流を生じさせることが可能である。また、本発明の分析方法では、試料と陰極性基含有化合物とを結合させて複合体を生成し、これを電気泳動するため、試料単独で電気泳動するよりも分離効率が高くなる。これらのことから、本発明の分析方法によれば、短時間かつ高精度でヘモグロビン等の試料の分析が実施できる。また、前記A層は、キャピラリー管内壁に強固に固定されているため、一度形成してしまえば、洗浄しても容易に剥離することが無く、繰り返し使用可能である。このため、本発明の分析方法では、一度A層を形成すれば、分析の度にA層を形成する必要がないため、容易に分析を実施することができる。また、本発明では、キャピラリー電気泳動法を採用しているため、分析装置を小型化することが可能である。
図1は、本発明の一実施例におけるヘモグロビンの分析結果を示すチャートである。 図2は、本発明のその他の実施例におけるヘモグロビンの分析結果を示すチャートである。 図3は、本発明のさらにその他の実施例におけるヘモグロビンの分析結果を示すチャートである。 図4は、本発明のさらにその他の実施例におけるヘモグロビンの分析結果を示すチャートである。 図5は、本発明のさらにその他の実施例におけるヘモグロビンの分析結果を示すチャートである。 図6は、本発明の分析方法に使用するキャピラリー電気泳動装置の一例の構成を示す図である。図6(A)は、この例のキャピラリー電気泳動装置の平面図であり、図6(B)は、図6(A)のI−Iにおける断面図であり、図6(C)は、図6(A)のII−IIにおける断面図である。 図7は、本発明の分析方法に使用するキャピラリー電気泳動装置のその他の例の構成を示す図である。 図8は、本発明の分析方法に使用するキャピラリー電気泳動装置のさらにその他の例の構成を示す図である。 図9は、本発明の分析方法に使用するキャピラリー電気泳動装置のさらにその他の例の構成を示す図である。
本発明において、前記ランニングバッファーとは、実際の分離工程に使用する緩衝液(バッファー)をいう。本発明の分析方法において、前記A層に、前記試料と複合体を形成する陰極性基含有化合物と同一の陰極性基含有化合物を含む液を接触させることにより、前記B層を形成することが好ましい。この場合、前記試料と複合体を形成する陰極性基含有化合物と同一の陰極性基含有化合物を含む液が、前記試料と複合体を形成する陰極性基含有化合物と同一の陰極性基含有化合物を含むランニングバッファーであることが好ましい。
本発明の分析方法において、前記キャピラリー管内壁に、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドを含む液を接触させることにより、前記キャピラリー管内壁にポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド製のA層を形成することが好ましい。
本発明の分析方法において、陰極性基含有化合物を含むランニングバッファーに試料を添加し、ついで、キャピラリー管の両端を印加して、試料と陰極性基含有化合物との複合体を電気泳動することが好ましい。
本発明の分析方法において、前記B層を形成する前記陰極性基含有化合物と、前記試料と複合体を形成する前記陰極性基含有化合物とは、同一であってもよいし異なっていてもよい。前記試料と複合体を形成する陰極性基含有化合物及び前記B層の陰極性基含有化合物の少なくとも一方は、陰極性基含有多糖類が好ましい。前記陰極性基含有多糖類としては、例えば、硫酸化多糖類、カルボン酸化多糖類、スルホン酸化多糖類、リン酸化多糖類があり、この中で、硫酸化多糖類およびカルボン酸化多糖類が好ましい。前記硫酸化多糖類としては、コンドロイチン硫酸、ヘパリン等が好ましく、より好ましくは、コンドロイチン硫酸である。前記カルボン酸化多糖類としては、アルギン酸またはその塩(例えば、アルギン酸ナトリウム)が好ましい。コンドロイチン硫酸は、A、B、C、D、E、H、Kの七種類があり、いずれを用いてもよい。
本発明の分析方法において、前記無極性重合体は、シリコーン重合体であることが好ましく、前記陽極性基は、アミノ基、アンモニウム基が好ましい。
本発明において、前記試料は、ヘモグロビンを含む試料が好ましい。
本発明の分析方法に使用するキャピラリー電気泳動装置において、基板と、複数の液槽と、キャピラリー管とを含み、前記基板上に、前記複数の液槽が形成され、前記複数の液槽が、前記キャピラリー管で連通され、前記キャピラリー管が前記本発明の分析方法にかかるキャピラリー管であってもよい。この場合において、前記基板の最大長さは、例えば、10〜100mmの範囲であり、好ましくは、30〜70mmの範囲であり、前記基板の最大幅は、例えば、10〜60mmの範囲であり、前記基板の最大厚みは、例えば、0.3〜5mmの範囲である。なお、前記基板の最大長さとは、前記基板の長手方向の最長部の長さであり、前記基板の最大幅とは、前記基板の前記長手方向とは垂直な方向(幅方向)の最長部の長さであり、前記基板の最大厚みとは、前記基板の前記長手方向および前記幅方向の両方に垂直な方向(厚み方向)の最長部の長さである。このように、前記キャピラリー電気泳動装置は、小型化(マイクロチップ化)されたマイクロチップ電気泳動装置であってもよい。
つぎに、本発明を詳しく説明する。
前述のように、本発明にかかるキャピラリー管は、その内壁に、前記A層を介して前記B層が形成されている。
前記キャピラリー管の材質は、特に制限されず、例えば、ガラス、溶融シリカ、プラスチック等があげられる。ガラス製、溶融シリカ製のキャピラリー管の内壁は、通常、陰性の電荷を有する状態である。プラスチック製のキャピラリー管内壁は、プラスチック中の極性基の有無や種類により、陽性もしくは陰性の電荷を有する状態であり、または無電荷(無極性)の状態である。また、極性基を持たないプラスチックであっても、極性基を導入することにより、電荷を有する状態にすることができる。前記プラスチック製のキャピラリー管としては、市販品を使用してもよく、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等から形成されたキャピラリー管があげられる。前記キャピラリー管の内径は、例えば、10〜200μmの範囲、好ましくは、25〜100μmの範囲である。前記キャピラリー管の長さは、例えば、10〜1000mmの範囲である。
前記A層は、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、無極性重合体および陽極性基含有化合物のいずれかを用いて形成してもよいし、これらを二種類以上併用して形成してもよい。
前記キャピラリー管内壁に、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドを用いて、前記A層を形成する場合は、例えば、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド水溶液を、前記キャピラリー管内に通液すればよい。前記キャピラリー管が、ガラスないし溶融シリカで形成されている場合は、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドが前記キャピラリー管内壁に強固に吸着し、これによりA層が形成される。このA層は、洗浄により容易に剥離することがない。前記ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド水溶液の濃度は、例えば、1〜20重量%の範囲、好ましくは、5〜10重量%の範囲である。ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド水溶液を通液する前に、前記キャピラリー管に、アルカリ水溶液を通液し、ついで精製水を通液して洗浄することが好ましい。前記アルカリ水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム水溶液がある。また、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド水溶液の通液後に、前記A層の形成に関与しなかった残留ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドを除去するために、前記キャピラリー管に、精製水を通液することが好ましい。
前記キャピラリー管内壁に前記A層を形成する無極性重合体は、シリコーン重合体が好ましいことは、前述のとおりである。シリコーン重合体を用いて、前記A層を形成する場合は、例えば、シリコーン重合体を含む液を、前記キャピラリー管内に通液すればよい。前記キャピラリー管が、ガラスないし溶融シリカで形成されている場合は、シリコーン重合体が前記キャピラリー管内壁に共有結合で強固に固定され、これによりA層が形成される。このA層は、洗浄により容易に剥離することがない。
前記シリコーン重合体としては、例えば、ポリシロキサンおよびポリシラザンがあげられる。前記ポリシロキサンおよび前記ポリシラザンとしては、例えば、ポリジオルガノシロキサン、ポリジオルガノシラザン、ポリオルガノヒドロシロキサンが含まれる。前記ポリシロキサンおよび前記ポリシラザンの具体例としては、ポリジアルキルシロキサン、ポリジアルキルシラザン、ポリアリールシロキサン、ポリアリールシラザン、ポリアルキルアリールシロキサン、ポリジアリールシロキサン、環状シロキサンおよび環状シラザンがあげられる。
前記シリコーン重合体を含む液は、例えば、溶媒にシリコーン重合体を分散若しくは溶解させた分散液若しくは溶解液である。前記シリコーン重合体の分散液若しくは溶解液を通液した後、乾燥等により溶媒を蒸発除去すると、前記キャピラリー管内壁に前記シリコーン重合体の皮膜層が形成される。これを加熱すると、前記シリコーン重合体が、共有結合により、ガラス製若しくは溶融シリカ製のキャピラリー管内壁に結合する。前記加熱処理は、例えば、つぎのようにして実施することが好ましい。まず、前記シリコーン重合体の皮膜層が形成されたキャピラリー管内部に不活性ガスを通して酸素を除去する。この状態で、前記キャピラリー管の両端を加熱等によりシールして密閉状態にする。このキャピラリー管を、例えば、200〜450℃で、10分間〜12時間加熱処理すると、前記シリコーン重合体が前記キャピラリー管内壁に共有結合で結合する。ついで、前記キャピラリー管を冷却し、両端をカット等により開放し、溶媒で中を洗浄して未反応のシリコーン重合体を除去する。このようにして、キャピラリー管内壁にシリコーン重合体製の前記A層が形成できる。前記シリコーン重合体製のA層の厚みは、例えば、50〜400nmの範囲、好ましくは、100〜400nmの範囲である。シリコーン重合体によりA層が形成されたキャピラリー管は、市販品を使用してもよい。
前記陽極性基含有化合物により前記キャピラリー管内壁にA層を形成する場合は、例えば、前記陽極性基および反応基を含む化合物を用いればよい。前記キャピラリー管が、ガラス製若しくは溶融シリカ製である場合は、陽極性基およびケイ素を有する化合物(シリル化剤)を使用することができる。前記陽極性基としては、アミノ基、アンモニウム基が好ましい。前記陽極性基含有化合物として好ましいのは、アミノ基およびアンモニウム基の少なくとも一方の陽極性基を有するシリル化剤である。アミノ基は、一級、二級、三級のいずれであってもよい。
前記シリル化剤は、例えば、N−(2−ジアミノエチル)−3−プロピルトリメトキシシラン、アミノフェノキシジメチルビニルシラン、3−アミノプロピルジイソプロピルエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルビス(トリメチルシロキシ)シラン、3−アミノプロピルペンタメチルジシロキサン、3−アミノプロピルシラントリオール、ビス(P−アミノフェノキシ)ジメチルシラン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラン、ビス(ジメチルアミノ)ビニルメチルシラン、ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−シアノプロピル(ジイソプロピル)ジメチルアミノシラン、(アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリメトキシシラン、N−メチルアミノプロピルトリエトキシシラン、テトラキス(ジエチルアミノ)シラン、トリス(ジメチルアミノ)クロロシラン、トリス(ジメチルアミノ)シラン等があげられる。
前記シリル化剤において、ケイ素原子をチタン若しくはジルコニウムに置換したものを用いてもよい。前記シリル化剤は、一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上で併用してもよい。
前記シリル化剤を用いたA層の形成は、例えば、つぎのようにして実施する。まず、シリル化剤を有機溶媒に溶解若しくは分散させて処理液を調製する。前記処理液の調製に使用する前記有機溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、トルエン等が使用できる。前記処理液のシリル化剤の濃度は特に制限されない。この処理液を、ガラス製若しくは溶融シリカ製のキャピラリー管に通液し、加熱する。この加熱によって、前記シリル化剤が前記キャピラリー管内壁に共有結合で結合し、その結果、陽極性基が前記キャピラリー管内壁に配置されることになる。その後、有機溶媒(ジクロロメタン、メタノール、アセトン等)、酸性溶液(リン酸等)、アルカリ性溶液および界面活性剤溶液の少なくとも一つで洗浄(後処理)する。なお、この洗浄は任意であるが、実施することが好ましい。前記シリル化剤を用いたA層が形成されたキャピラリー管は、市販品を用いてもよい。
つぎに、前記A層の上に、陰極性基含有化合物によりB層を形成する。前記B層は、前記陰極性基含有化合物を含む液を前記A層に接触させることにより、形成することができる。この場合、B層を形成するための液を別途調製してもよいが、操作効率の面から、前記試料と複合体を形成する陰極性基含有化合物と同一の陰極性基含有化合物を含むランニングバッファーを調製し、これを、前記A層を有するキャピラリー管に通液することが好ましい。
前記ランニングバッファーは、特に制限されないが、酸を用いたバッファーが好ましい。前記酸は、例えば、マレイン酸、酒石酸、こはく酸、フマル酸、フタル酸、マロン酸、リンゴ酸がある。また、前記ランニングバッファーは、弱塩基を含むことが好ましい。前記弱塩基としては、例えば、アルギニン、リジン、ヒスチジン、トリス等がある。前記ランニングバッファーのpHは、例えば、pH4.5〜6の範囲である。前記ランニングバッファーのバッファーの種類は、MES、ADA、ACES、BES、MOPS、TES、HEPES等がある。前記ランニングバッファーにおいて、前記陰極性基含有化合物の濃度は、例えば、0.01〜5重量%の範囲である。
つぎに、本発明の分析方法は、例えば、ヘモグロビンを含む試料に対し、つぎのようにして実施できる。
まず、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドにより前記A層が形成されたキャピラリー管を使用した分析方法について説明する。まず、ガラス製若しくは溶融シリカ製のキャピラリー管を準備する。これに、水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ性溶液を、ポンプ等を用いて圧力をかけて通液し、ついで、精製水を通液して洗浄する。前記アルカリ性溶液および前記精製水の各通液時間は、例えば、1〜10分間であり、前記通液時の各圧力は、例えば、0.05〜0.1MPaである。つぎに、前記キャピラリー管に、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド水溶液を、ポンプ等により圧力をかけて通液する。この通液の時間は、例えば、5〜30分間であり、前記通液時の圧力は、例えば、0.05〜0.1MPaである。つぎに、前記キャピラリー管に精製水を、ポンプ等で圧力をかけて通液して、残留したポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドを除去する。この通液時の時間と圧力は、前記洗浄の場合と同様である。このようして、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドによりキャピラリー管内壁にA層を形成する。なお、通液時間および通液圧力は、キャピラリー管の内径および長さにより、適宜決定され、前述の各通液時間および各通液圧力は、例えば、内径50μmで長さ320mmのキャピラリー管において、好ましい例である。以下も同様である。
つぎに、コンドロイチン硫酸等の陰極性基含有化合物を含むランニングバッファーを前記キャピラリー管に、ポンプ等により圧力をかけて通液する。この通液の時間は、例えば、10〜60分間であり、通液の圧力は、例えば、0.05〜0.1MPaである。この通液により、前記A層の上にコンドロイチン硫酸等から形成されたB層が積層される。この状態で、ヘモグロビン含有試料を前記キャピラリー管に導入し、前記キャピラリー管の両端に印加して、電気泳動を行う。前記ヘモグロビン含有試料は、特に制限されず、例えば、全血を溶血処理した試料があげられ、また、この試料を精製水やランニングバッファーで希釈してもよい。前記ヘモグロビン含有試料の導入は、前記キャピラリー管の陽極側から行う。導入されたヘモグロビンは、前記ランニングバッファー中の陰極性基含有化合物と結合して複合体となる。印加により、前記キャピラリー管内のランニングバッファーにおいて電気浸透流が生じ、前記複合体がキャピラリー管の陰極側に向かって移動する。前記印加の程度は、例えば、5〜30kVである。この移動を、光学的手法により検出する。光学的手法による検出は、特に制限されないが、415nmの波長で行うことが好ましい。
つぎに、無極性重合体および陽極性基含有化合物の少なくとも一方によりA層が形成されたキャピラリー管を用いた分析方法は、前述のようにして、A層が形成されたキャピラリー管を準備して用いる他は、前述と同様にして実施できる。
本発明において、分析対象となるヘモグロビンは、特に制限されず、例えば、正常ヘモグロビン、糖化ヘモグロビン(例えば、HbA1c、不安定型HbA1c、GHbLys等)、遺伝的変異型ヘモグロビン等がある。本発明では、HbA1cと、これ以外のヘモグロビンとを分離して分析することが可能である。
つぎに、本発明の分析方法に使用するキャピラリー電気泳動装置について例を挙げて説明する。ただし、本発明の分析方法に使用するキャピラリー電気泳動装置は、下記の例に限定されない。
図6に、本発明の分析方法に使用するキャピラリー電気泳動装置の一例を示す。図6(A)は、この例のキャピラリー電気泳動装置の平面図であり、図6(B)は、図6(A)のI−Iにおける断面図であり、図6(C)は、図6(A)のII−IIにおける断面図である。また、同図において、分かりやすくするために、各構成要素の大きさや比率等は、実際と異なっている。この例のキャピラリー電気泳動装置は、小型化(マイクロチップ化)されたマイクロチップ電気泳動装置である。図示のように、このマイクロチップ電気泳動装置は、基板1と、複数(この例では4つ)の液槽2a〜dと、4本のキャピラリー管3x1、3x2、3y1および3y2とを含む。前記4本のキャピラリー管は、全て前記本発明の分析方法にかかるキャピラリー管である。前記4つの液槽2a〜dは、第1の導入槽2a、第1の回収槽2b、第2の導入槽2cおよび第2の回収槽2dを含む。前記4本のキャピラリー管は、そのそれぞれの一端が、中心部cで集合し、十字状に連結している。この結果、前記4本のキャピラリー管は、その内部が連通されている。前記基板1には、前記4本のキャピラリー管をはめ込むための空洞が設けられている(図示せず)。前記キャピラリー管3x1は、その他端が、前記第1の導入槽2aの底面に位置するように、前記基板1中にはめ込まれている。前記キャピラリー管3x2は、その他端が、前記第1の回収槽2bの底面に位置するように、前記基板1中にはめ込まれている。前記キャピラリー管3x1および3x2は、試料分析用のキャピラリー流路3xとなっている。前記キャピラリー管3y1は、その他端が、前記第2の導入槽2cの底面に位置するように、前記基板1中にはめ込まれている。前記キャピラリー管3y2は、その他端が、前記第2の回収槽2dの底面に位置するように、前記基板1中にはめ込まれている。前記キャピラリー管3y1および3y2は、試料導入用のキャピラリー流路3yとなっている。前記複数の液槽2a〜dは、それぞれ、前記基板1上に凹部として形成されている。前記基板1は、前記試料導入用のキャピラリー流路3yより第1の回収槽2b側に直方体状の開口部(窓)9を有する。なお、この例のマイクロチップ電気泳動装置は、直方体状である。ただし、本発明は、これに限定されない。本発明の分析方法に使用するマイクロチップ電気泳動装置は、電気泳動分析に支障をきたさなければ、いかなる形状であってもよい。また、この例のマイクロチップ電気泳動装置の平面形状は、長方形である。ただし、本発明は、これに限定されない。本発明の分析方法に使用するマイクロチップ電気泳動装置の平面形状は、例えば、正方形やその他の形状であってもよい。そして、この例のマイクロチップ電気泳動装置では、前記試料分析用のキャピラリー流路3xと前記試料導入用のキャピラリー流路3yの最大長さは、異なっている。ただし、本発明は、これに限定されない。本発明の分析方法に使用するマイクロチップ電気泳動装置において、前記試料分析用のキャピラリー流路3xと前記試料導入用のキャピラリー流路3yの最大長さは、同じであってもよい。これら以外においても、本発明の分析方法に使用するマイクロチップ電気泳動装置の構成は、この例に限定されない。
つぎに、この例のマイクロチップ電気泳動装置の製造方法について説明する。ただし、前記マイクロチップ電気泳動チップは、下記の製造方法以外の方法で製造されてもよい。
この例のマイクロチップ電気泳動装置においては、前記基板1として、例えば、ガラス、ポリマー材料等から形成されたものが使用できる。前記ガラス材料としては、例えば、合成石英ガラス、ホウケイ酸ガラス等が挙げられる。前記ポリマー材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリカーボネート(PC)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリスチレン(PS)、ポリ乳酸等が挙げられる。
この例のマイクロチップ電気泳動装置において、前記基板1の最大長さ、最大幅および最大厚みは、前述のとおりである。
前記4本のキャピラリー管の内径は、それぞれ、前記本発明の分析方法にかかるキャピラリー管の内径のとおりである。前記試料分析用のキャピラリー流路3xおよび前記試料導入用のキャピラリー流路3yの最大長さは、例えば、0.5〜15cmの範囲である。前記4本のキャピラリー管の長さは、それぞれ、前記試料分析用のキャピラリー流路3xおよび前記試料導入用のキャピラリー流路3yの最大長さに従って決定される。
前記複数の液槽2a〜dの容積は、特に制限されないが、例えば、それぞれ、1〜1000mmの範囲であり、好ましくは、50〜100mmの範囲である。図6においては、前記複数の液槽2a〜dの形状は、円柱状である。ただし、本発明は、これに限定されない。本発明の分析方法に使用するマイクロチップ電気泳動装置において、前記複数の液槽の形状は、後述の試料の導入および回収に支障のないものであれば特に制限されず、例えば、四角柱状、四角錘状、円錐状、これらを組み合わせた形状等、任意の形状とすることができる。また、前記複数の液槽の容積および形状は、全て同じであってもよいし、それぞれ異なってもよい。
この例のマイクロチップ電気泳動装置の製造工程の一例を、下記に示す。ただし、前記マイクロチップ電気泳動装置は、下記の製造工程以外の工程で製造されてもよい。
まず、前記基板1を作製する。前記基板1への前記4つの液槽2a〜dおよび前記開口部(窓)9の形成方法は、特に制限されない。例えば、前記基板1の材質が前記ガラスの場合、前記形成方法としては、例えば、超音波加工等が挙げられる。例えば、前記基板1の材質が前記ポリマー材料の場合、前記形成方法としては、例えば、金型を用いた射出成型、注入成型、プレス成型等の成型法や切削加工法等が挙げられる。前記4つの液槽2a〜dおよび前記開口部(窓)9は、それぞれ別個に形成してもよいし、全てを同時に形成してもよい。前記4つの液槽2a〜dおよび前記開口部(窓)9を別個に形成する場合には、どの順序で形成してもよい。前記金型を用いた方法等により、前記4つの液槽2a〜dおよび前記開口部(窓)9の全てを同時に形成することが、工程が少なくてすみ、好ましい。
つぎに、前記4本のキャピラリー管を、前記基板1にはめ込む。このようにして、この例のマイクロチップ電気泳動装置を得ることができる。
前記マイクロチップ電気泳動装置は、さらに、複数の電極を有してもよい。図7に、前記複数の電極を有するこの例のマイクロチップ電気泳動装置を示す。同図において、図6と同一部分には、同一符号を付している。図示のように、このマイクロチップ電気泳動装置は、4本の電極6a〜dを有する。前記4本の電極6a〜dは、それぞれ、その一端が前記複数の液槽2a〜d内に位置するように、前記基板1に埋め込まれている。前記4本の電極6a〜dは、例えば、前記基板1の製造時に、前記4本の電極6a〜dの導入孔を前記基板1側面に形成しておくことで、容易に配置することができる。なお、前記マイクロチップ電気泳動装置において、前記複数の電極は、任意の構成部材である。前記複数の電極は、例えば、前記マイクロチップ電気泳動装置の使用時に、前記複数の液槽内に挿入してもよい。
前記複数の電極6a〜dは、電気泳動法に使用可能なものであればいかなるものであってもよい。前記複数の電極6a〜dは、例えば、それぞれ、ステンレス鋼(SUS)製電極、白金(Pt)電極、金(Au)電極等である。
前記マイクロチップ電気泳動装置は、さらに、ヘモグロビン等を含む試料を溶血させ、且つ希釈するための前処理槽を含んでいてもよい。前記ヘモグロビン含有試料の溶血処理は、特に制限されないが、例えば、前記ヘモグロビン含有試料を溶血剤で溶血させる処理であってもよい。前記溶血剤は、例えば、前記ヘモグロビン含有試料中の血球成分の血球膜を破壊する。前記溶血剤としては、例えば、前記ランニングバッファー、サポニン、ナカライテスク(株)製の商品名「Triton X−100」等が挙げられ、特に好ましくは、前記ランニングバッファーである。前記前処理槽は、例えば、前記導入槽と連通されていることが好ましい。前記前処理槽は、それが連通される液槽、例えば、前記第2の導入槽2cの近くなど、適当な場所に形成すればよい。前記前処理槽がある場合には、前記ヘモグロビン含有試料は、前記前処理槽に導入される。これにより前処理された前記ヘモグロビン含有試料は、前記前処理槽とそれが連通される液槽、例えば、前記第2の導入槽2cとを結ぶ流路により、前記第2の導入槽2cへと導入される。前記前処理槽は、前記ヘモグロビン含有試料を溶血させるための槽と前記ヘモグロビン含有試料を希釈するための槽との2つの槽が連通された構成であってもよい。
前記マイクロチップ電気泳動装置は、さらに、分析部を有してもよい。図8に、前記分析部を有するこの例のマイクロチップ電気泳動装置を示す。同図において、図6および7と同一部分には、同一符号を付している。図示のように、このマイクロチップ電気泳動装置は、分析部7を有する。この例のマイクロチップ電気泳動装置においては、前記分析部7が、検出器(ライン検出器)である。前記ライン検出器は、前記試料分析用のキャピラリー流路3xと前記試料導入用のキャピラリー流路3yとの交差部分より前記第1の回収槽2b側に位置するように、前記キャピラリー管3x2上に直接配置されている。このマイクロチップ電気泳動装置では、基板1に、前記4本のキャピラリー管をはめ込むための空洞に加え、前記分析部(ライン検出器)7をはめ込むための空洞が設けられている(図示せず)。前記ライン検出器は、光源および検出部を内蔵する。前記ライン検出器は、前記光源から試料に向けて光を発し、試料からの反射光を前記検出部で検出することで、吸光度を測定する。前記分析部7は、前記ライン検出器に限定されず、例えば、ヘモグロビンを含む試料の分析を行えるものであれば、いかなるものであってもよい。例えば、前記分析部7は、前記マイクロチップ電気泳動装置の下方に配置された光源と、前記ライン検出器の配置箇所に対応する位置に配置された検出部とで構成されていてもよい。この場合には、前記光源から試料に向けて光を発し、試料からの透過光を前記検出部で検出することで、吸光度を測定する。
図9に、本発明の分析方法に使用するマイクロチップ電気泳動装置のさらにその他の例を示す。同図において、図8と同一部分には、同一符号を付している。図示のとおり、この例のマイクロチップ電気泳動装置は、分析部7が異なること以外、図8に示したマイクロチップ電気泳動装置と同様の構成である。この例のように、前記分析部7は、1点で吸光度を測定するものであってもよい。
図8および9に示したマイクロチップ電気泳動装置を用いた本発明の分析方法は、例えば、ヘモグロビンを含む試料に対し、つぎのようにして実施できる。
まず、前記4本のキャピラリー管に、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドにより前記A層が形成されたキャピラリー管を使用した場合の分析方法について説明する。まず、前記試料分析用のキャピラリー流路3xおよび前記試料導入用のキャピラリー流路3yに、水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ水溶液を、ポンプ等を用いて圧力をかけて通液し、ついで、精製水を通液して洗浄する。前記アルカリ性水溶液および前記精製水の各通液時間および前記通液時の圧力は、例えば、前述のとおりである。つぎに、前記試料分析用のキャピラリー流路3xおよび前記試料導入用のキャピラリー流路3yに、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド水溶液を、ポンプ等により圧力をかけて通液する。この通液の時間および通液の圧力は、例えば、前述のとおりである。つぎに、前記試料分析用のキャピラリー流路3xおよび前記試料導入用のキャピラリー流路3yに、精製水を、ポンプ等で圧力をかけて通液して、残留したポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドを除去する。この通液の時間および通液の圧力は、例えば、前述のとおりである。このようにして、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドにより前記試料分析用のキャピラリー流路3xおよび前記試料導入用のキャピラリー流路3yの内壁にA層を形成する。
つぎに、コンドロイチン硫酸等の陰極性基含有多糖類を含むランニングバッファーを、前記試料分析用のキャピラリー流路3xおよび前記試料導入用のキャピラリー流路3yに、ポンプ等で圧力をかけて通液する。この通液の時間および通液の圧力は、例えば、前述のとおりである。この通液により、前記A層の上にコンドロイチン硫酸等から形成されたB層が積層される。ついで、前記試料分析用のキャピラリー流路3xおよび前記試料導入用のキャピラリー流路3yに、前記ランニングバッファーを、圧力または毛細管作用によって充填する。
なお、マイクロチップ電気泳動装置非使用時(非分析時)において、あらかじめ前記ランニングバッファーの充填工程までが完了していれば、前述の各工程を省略し、ただちに以下の工程に移ることが可能であるため好ましい。
つぎに、前記第2の導入槽2cにヘモグロビン含有試料を導入する。前記ヘモグロビン含有試料としては、前述のとおりである。マイクロチップ電気泳動装置が、前記前処理槽(図示せず)を有する場合には、前記ヘモグロビン含有試料を、前記前処理槽に導入し、そこで前処理する。ついで、前記電極6cおよび前記電極6dに電圧を印加して、前記試料導入用のキャピラリー流路3yの両端に電位差を生じさせる。これにより、前記ヘモグロビン含有試料を、前記試料導入用のキャピラリー流路3yに導入する。導入されたヘモグロビンは、前記ランニングバッファー中の陰極性基含有多糖類と結合して複合体となる。印加により、前記試料導入用のキャピラリー流路3y内のランニングバッファーにおいて電気浸透流が生じ、前記複合体が前記試料分析用のキャピラリー流路3xと前記試料導入用のキャピラリー流路3yとの交差部分まで移動する。
前記電極6cと前記電極6dとの間の電位差は、例えば、0.5〜5kVの範囲である。
つぎに、前記電極6aおよび前記電極6bに電圧を印加して、前記試料分析用のキャピラリー流路3xの両端に電位差を生じさせる。このように、両端に電位差があるキャピラリー流路を、前記試料導入用のキャピラリー流路3yから前記試料分析用のキャピラリー流路3xに瞬間的に切り替えることにより、図8および9に矢印で示すように、前記試料8を、前記試料分析用のキャピラリー流路3xと前記試料導入用のキャピラリー流路3yとの交差部分から、前記第1の回収槽2b側に移動させる。
前記電極6aと前記電極6bとの間の電位差は、例えば、0.5〜5kVの範囲である。
つぎに、前記検出器7により、移動速度の差により分離された前記ヘモグロビン含有試料中の各成分を検出する。これにより、前記ヘモグロビン含有試料中の各成分を分離して分析することが可能である。
つぎに、前記4本のキャピラリー管に、無極性重合体および陽極性基含有化合物の少なくとも一方によりA層が形成されたキャピラリー管を用いた場合の分析方法は、前述のようにして、A層が形成されたキャピラリー管を用いる他は、前述と同様にして実施できる。
つぎに、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
溶融シリカ製のキャピラリー管(全長32cm、有効長8.5cm、内径50μm)を準備した。このキャピラリー管に、水酸化ナトリウム水溶液(1mol/L)を圧力0.1MPa(1000mbar)で10分間通液し、ついで、精製水を前記と同じ圧力で20分間通液して洗浄した。つぎに、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド水溶液(10重量%)を、前記と同じ圧力で30分間通液し、ついで、精製水を、前記と同じ圧力で20分間通液することで、前記キャピラリー管の内壁に、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド製のA層を形成した。つぎに、100mMリンゴ酸とアルギニン酸水溶液に、0.5重量%の割合でコンドロイチン硫酸を添加したランニングバッファー(pH5.5)を準備した。このランニングバッファーを、前記A層が形成されたキャピラリー管に、前記と同じ圧力で通液して、前記A層の上に、前記B層を形成した。前記キャピラリー管内にランニングバッファーが充填された状態で、ヘモグロビンを精製水に溶解した試料を前記キャピラリー管内に注入し、前記キャピラリー管の両端を10kVで印加し電気泳動を行った。前記ヘモグロビン含有試料の注入は、前記キャピラリー管の陽極側から行った。移動したヘモグロビンを、415nmの吸光度で検出した。この結果を、図1のチャートに示す。図示のように、本実施例において、正常ヘモグロビン(HbA0)と糖化ヘモグロビン(HbA1c)を分離して検出することができた。また、本実施例で用いたキャピラリー管は、洗浄した後、前述のようにしてランニングバッファーを通液しただけで前記B層が形成されて、直ぐに分析可能となった。
(実施例2)
内壁にアミノ基を有するシリル化剤が共有結合で固定されて形成されたA層を有する溶融シリカ製のキャピラリー管(全長32cm、有効長8.5cm、内径50μm)を準備した。このキャピラリー管に、精製水を圧力0.1MPa(1000mbar)で20分間通液して洗浄した。つぎに、100mMリンゴ酸とアルギニン酸水溶液に、0.5重量%の割合でコンドロイチン硫酸を添加したランニングバッファー(pH5.5)を準備した。このランニングバッファーを、前記キャピラリー管に、前記と同じ圧力で通液して、前記A層の上に、前記B層を形成した。前記キャピラリー管内にランニングバッファーが充填された状態で、ヘモグロビンを精製水に溶解した試料を前記キャピラリー管内に注入し、前記キャピラリー管の両端を10kVで印加し電気泳動を行った。前記ヘモグロビン含有試料の注入は、前記キャピラリー管の陽極側から行った。移動したヘモグロビンを、415nmの吸光度で検出した。この結果を、図2のチャートに示す。図示のように、本実施例において、正常ヘモグロビン(HbA0)と糖化ヘモグロビン(HbA1c)を分離して検出することができた。また、本実施例で用いたキャピラリー管は、洗浄した後、前述のようにしてランニングバッファーを通液しただけで前記B層が形成されて、直ぐに分析可能となった。そこで、前記と同じ試料で同じ分析を10回実施して、再現性を評価した。この結果を下記表1に示す。下記表1において、相対面積(%)は、全ピーク面積に対する正常ヘモグロビン(HbA0)および糖化ヘモグロビン(HbA1c)の各ピーク面積の比率(%)である。下記表1に示すように、正常ヘモグロビン(HbA0)および糖化ヘモグロビン(HbA1c)のそれぞれにおいて、変動係数(CV)の値が小さく、これにより、本発明の分析方法は、再現性に優れるといえる。
Figure 0004814944
(実施例3)
内壁にアミノ基を有するシリル化剤が共有結合で固定されて形成されたA層を有する溶融シリカ製のキャピラリー管(全長32cm、有効長8.5cm、内径50μm)を準備した。このキャピラリー管に、精製水を圧力0.1MPa(1000mbar)で20分間通液して洗浄した。つぎに、100mMリンゴ酸とアルギニン酸水溶液に、0.8重量%の割合でアルギン酸ナトリウムを添加したランニングバッファー(pH5.5)を準備した。このランニングバッファーを、前記キャピラリー管に、前記と同じ圧力で通液して、前記A層の上に、前記B層を形成した。前記キャピラリー管内にランニングバッファーが充填された状態で、ヘモグロビンを精製水に溶解した試料を前記キャピラリー管内に注入し、前記キャピラリー管の両端を10kVで印加し電気泳動を行った。前記ヘモグロビン含有試料の注入は、前記キャピラリー管の陽極側から行った。移動したヘモグロビンを、415nmの吸光度で検出した。この結果を、図3のチャートに示す。図示のように、本実施例において、正常ヘモグロビン(HbA0)と糖化ヘモグロビン(HbA1c)を分離して検出することができた。また、本実施例で用いたキャピラリー管は、洗浄した後、前述のようにしてランニングバッファーを通液しただけで前記B層が形成されて、直ぐに分析可能となった。
(実施例4)
内壁にアミノ基を有するシリル化剤が共有結合で固定されて形成されたA層を有する溶融シリカ製のキャピラリー管(全長32cm、有効長8.5cm、内径50μm)を準備した。このキャピラリー管に、精製水を圧力0.1MPa(1000mbar)で20分間通液して洗浄した。つぎに、100mMリンゴ酸とアルギニン酸水溶液に、0.5重量%の割合でヘパリンナトリウムを添加したランニングバッファー(pH5.5)を準備した。このランニングバッファーを、前記キャピラリー管に、前記と同じ圧力で通液して、前記A層の上に、前記B層を形成した。前記キャピラリー管内にランニングバッファーが充填された状態で、ヘモグロビンを精製水に溶解した試料を前記キャピラリー管内に注入し、前記キャピラリー管の両端を10kVで印加し電気泳動を行った。前記ヘモグロビン含有試料の注入は、前記キャピラリー管の陽極側から行った。移動したヘモグロビンを、415nmの吸光度で検出した。この結果を、図4のチャートに示す。図示のように、本実施例において、正常ヘモグロビン(HbA0)と糖化ヘモグロビン(HbA1c)を分離して検出することができた。また、本実施例で用いたキャピラリー管は、洗浄した後、前述のようにしてランニングバッファーを通液しただけで前記B層が形成されて、直ぐに分析可能となった。
(実施例5)
内壁にポリ(ジメチルシロキサン)が共有結合で固定されて形成されたA層を有する溶融シリカ製のキャピラリー管(全長32cm、有効長8.5cm、内径50μm)を準備した。このキャピラリー管に、精製水を圧力0.1MPa(1000mbar)で20分間通液して洗浄した。つぎに、100mMリンゴ酸とアルギニン酸水溶液に、1.0重量%の割合でコンドロイチン硫酸を添加したランニングバッファー(pH5.5)を準備した。このランニングバッファーを、前記キャピラリー管に、前記と同じ圧力で通液して、前記A層の上に、前記B層を形成した。前記キャピラリー管内にランニングバッファーが充填された状態で、ヘモグロビンを精製水に溶解した試料を前記キャピラリー管内に注入し、前記キャピラリー管の両端を10kVで印加し電気泳動を行った。前記ヘモグロビン含有試料の注入は、前記キャピラリー管の陽極側から行った。移動したヘモグロビンを、415nmの吸光度で検出した。この結果を、図5のチャートに示す。図示のように、本実施例において、正常ヘモグロビン(HbA0)と糖化ヘモグロビン(HbA1c)を分離して検出することができた。また、本実施例で用いたキャピラリー管は、洗浄した後、前述のようにしてランニングバッファーを通液しただけで前記B層が形成されて、直ぐに分析可能となった。そこで、前記と同じ試料で同じ分析を10回実施して、再現性を評価した。この結果を下記表2に示す。下記表2において、前記表1と同様に、相対面積(%)は、全ピーク面積に対する正常ヘモグロビン(HbA0)および糖化ヘモグロビン(HbA1c)の各ピーク面積の比率(%)である。下記表2に示すように、正常ヘモグロビン(HbA0)および糖化ヘモグロビン(HbA1c)のそれぞれにおいて、変動係数(CV)の値が小さく、これにより、本発明の分析方法は、再現性に優れるといえる。
Figure 0004814944
以上のように、本発明によれば、キャピラリー電気泳動法により、ヘモグロビン等の試料の分析を、容易かつ高精度で実施可能である。しかも、本発明は、キャピラリー電気泳動法を採用しているため、分析装置を小型化することも可能である。本発明は、臨床検査、生化学検査、医学研究等のヘモグロビン等の試料を分析する全ての分野に適用することができ、その用途は限定されず、広い分野に適用可能である。

Claims (10)

  1. キャピラリー電気泳動法による試料の分析方法であって、
    前記キャピラリー電気泳動法に用いるキャピラリー管を準備する工程と、
    前記キャピラリー管中において、試料と陰極性基含有化合物とが結合した複合体を電気泳動する工程とを含み、
    前記キャピラリー管が、前記キャピラリー管内壁に、下記A層が積層され、前記A層の上に、下記B層が積層されたキャピラリー管であることを特徴とする分析方法。
    A層:ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(Polydiallyldimethylammoniumchloride)、無極性重合体および陽極性基含有化合物からなる群から選択される少なくとも一つから形成され、
    前記ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドを含む場合は、前記ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドが物理的吸着により前記キャピラリー管内壁に固定され、
    前記無極性重合体および前記陽極性基含有化合物の少なくとも一方を含む場合は、前記無極性重合体および前記陽極性基含有化合物の少なくとも一方が共有結合により前記キャピラリー管内壁に固定された介在層
    B層:前記試料と複合体を形成する陰極性基含有化合物と同一又は異なる陰極性基含有化合物から形成された陰極性層
  2. 前記A層に、前記試料と複合体を形成する陰極性基含有化合物と同一の陰極性基含有化合物を含む液を接触させることにより、前記B層を形成する請求項1記載の分析方法。
  3. 前記試料と複合体を形成する陰極性基含有化合物と同一の陰極性基含有化合物を含む液が、前記試料と複合体を形成する陰極性基含有化合物と同一の陰極性基含有化合物を含むランニングバッファーである請求項2記載の分析方法。
  4. 前記キャピラリー管内壁に、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドを含む液を接触させることにより、前記キャピラリー管内壁にポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド製のA層を形成する請求項1から3のいずれか一項に記載の分析方法。
  5. 前記キャピラリー管において、陰極性基含有化合物を含むランニングバッファーに試料を添加し、ついで、前記キャピラリー管の両端を印加して、前記試料と陰極性基含有化合物との複合体を電気泳動する請求項1から4のいずれか一項に記載の分析方法。
  6. 前記試料と複合体を形成する陰極性基含有化合物及び前記B層の陰極性基含有化合物の少なくとも一方が、陰極性基含有多糖類である請求項1から5のいずれか一項に記載の分析方法。
  7. 前記陰極性基含有多糖類が、硫酸化多糖類、カルボン酸化多糖類、スルホン酸化多糖類およびリン酸化多糖類からなる群から選択される少なくとも一つの多糖類である請求項6記載の分析方法。
  8. 前記硫酸化多糖類が、コンドロイチン硫酸である請求項7記載の分析方法。
  9. 前記無極性重合体が、シリコーン重合体であり、前記陽極性基含有化合物が、アミノ基およびアンモニウム基の少なくとも一方の陽極性基を有するシリル化剤である請求項1から8のいずれか一項に記載の分析方法。
  10. 前記試料が、ヘモグロビンを含む試料である請求項1から9のいずれか一項に記載の分析方法。
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