JP4814479B2 - リアルタイムで内部標準を用いて遺伝子を定量する方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【背景となる技術】
ポリメラーゼ鎖反応(PCR)は、あらかじめ選択した部分のDNAを大量に合成する技術である。この技術は分子生物学では基礎的なものであり、臨床の研究室にとっては最初の実験的分子技術である。PCRはDNA を2つの相補的な鎖に分離し、合成が開始される所定の部分のDNA端で、各一本鎖のDNAにプライマーが結合し、DNAポリメラーゼが加えられてプライマーが結合した場所からそれぞれの鎖に対する相補的な鎖が合成されることにより達成される。この過程は、十分な量の選択されたDNA断片のコピーが合成されるまで繰り返される。
【0002】
典型的なPCRの間、2本鎖DNAはDNAを含むサンプルを2つのDNA鎖が分離する変性温度(即ちDNAの「融解温度」)にまで上げられることにより1本鎖DNAに分けられ、さらにサンプルは特定のプライマーが結合(アニール)する低い温度に冷却され、複製される(伸長)。具体的には、Taqポリメラーゼや、TaqポリメラーゼのStoffel断片やKlenTaq1ポリメラーゼ(Taqポリメラーゼの5'核酸分解酵素活性が欠失した変異体−米国特許第5,436,149号を参照)などのTaqポリメラーゼの派生物のような、熱耐性のポリメラーゼが、ポリメラーゼ鎖反応には利用されている。
【0003】
1991年から1998年の間に、定量的PCR法を用いた論文の数は10倍にまで増加した。定量的PCRの使用量が増加した主な理由の1つは、最も良いブロッティング法と比較してもPCRは5桁の違いで感度が良いという事実に基づく。この感度のため、PCRは、定量性を測るツールとして非常に望ましい。しかし、指数的に増幅するシステムの使用は本来定量には適していない。サンプル間の大きさの小さな違いは、40回の倍増を通して増幅されると結果的に巨大な違いになりえる。
【0004】
速度論的 PCR
典型的なPCR反応の特性図は、初期遅延相、指数増加相、平坦相の3つの時期に分けることができると考えられる。遅延相は主に、機器の感度やPCR産物を検出するために用いられるプローブ系のバックグラウンドシグナルの反映である。指数増加相は機器によって検出されるために十分な量の産物が蓄積されると始まる。この「対数」相の間、増幅の経過はTn=T0(E)n (Tn はn サイクル目における標的配列の量、T0 は最初の標的の量、E は増幅効率)の等式によって記述される。最終的に、平坦相において増幅効率は急激に落ちる。産物はアニーリングするプライマーに対し、ますます競合し、酵素の量が限られてくる。指数等式は、平坦相にはもはや維持されない。
【0005】
ほとんどの定量的情報は指数サイクル時に認められるが、指数サイクルは典型的には40 サイクルのうち4 か5 サイクルしかない。伝統的PCR 法を用いてこれらの情報を与えてくれるサイクル数を探すためには、反応液を数本の反応チューブに分けていろいろなサイクル数の後のPCR 産物を試験しなければならない。これにはたくさんのチューブを試験するか、または実験を行う前にその答えに対する素晴らしい名案が必要である。一度指数相の位置が決定されたら、実験中の相は既知の標準と比較されそのコピー数が計算される。
【0006】
競合的定量的PCR
競合的定量的PCR 法は、反応の指数相を見つけるのに伴う困難を克服するためと、よりよい正確性を得るために開発された。標的配列を増幅するために用いられるのと同じプライマーで増幅される競合配列が作製される。競合物は標的物と、通常長さまたは内部の配列により区別され、増幅された後競合物と標的の量比が求められる。もし標的と競合物が同じ効率で増幅されるなら、反応後の量比は最初の量比と同じである。増幅効率の減少が同じ速度で起こるなら、平坦相までこれはあてはまる。それゆえ、もはや指数領域を見つけることは問題にはならない。同じチューブ内に未知量の標的と共に標準試料を加えることは、速度論的方法では不可能であったさらなる制御を可能にする。例えば、競合物をmRNA の精製前に加えておけば、サンプル調整と逆転写の際の量の揺れに対するコントロールとなるであろう。
【0007】
現在使用できる競合的PCR 法の使用には、いくつかの欠点が存在し続けている。まず、競合物の配列は同じような増幅効率を得るためにできる限り標的配列と類似した配列で作製される必要があるが、それらの2 つの配列はお互いに区別されなければならない。もし競合物が標的と似すぎていたら、PCR の間に鋳型に対する産物の割合をゆがめる異種2 本鎖が形成される。
【0008】
さらに、競合物は標的に近い濃度で未知のサンプルに添加されなければならない。もし片方の産物がバックグラウンドより上がる前に、もう一方の産物が平坦相に入ってしまうと、サンプルから定量的な情報が得られなくなる。通常未知のサンプルは数本に分けられ、様々な濃度の競合物と混合される。
【0009】
競合的定量法については他の指摘も上がってきている。よくある批判は、あらゆる努力をしたところで、標的と競合物は別々に増幅されたときは同じ効率で増幅されたとしても(明白なコントロール)、一つの試料中の標的と競合物は異なる効率で増幅されてしまうかもしれないということである。標的と競合物が同じ容器に入れられ、試薬が限られるようになると、2 つの増幅反応の効率は異なる速度で変化してしまうかもしれない。標的と競合物の間の長さの違いは、長い産物はより効果的にプライマーと競合し、より試薬の制限によって影響されるかもしれないというようなことは最もよくある指摘である。もしPCR 反応中にヘテロ2 本鎖を形成する問題がなかったとしたら、これらの指摘に対しては、標的と競合物を十分似たものにすることにより答えられる。
【0010】
リアルタイム定量的PCR
機器の発達によって今やPCR反応のリアルタイムでの観察が可能となり、それゆえ反応の対数相を探す問題が些細なこととなった。
高速サイクルPCRの使用も含めて、温度サイクルは当業者には知られた技術を用いて行われるであろう。高速サイクル技術は、キャピラリーチューブのように体積に対して大きな表面積を持つサンプル容器を用いることによって可能になる。体積に対して大きな表面積があるサンプル入れを使用することにより、生物学的サンプル全体にわたって速い温度反応と温度均一性が与えられる。改善された温度均一性は、増幅の間PCRを観察するために用いられるあらゆる解析技術の正確性もまた増加させる。
【0011】
本発明の具体的な例では、核酸配列の増幅は米国特許第5,455,175号に記載されている機器と技術を用い、温度安定性DNAポリメラーゼの存在下において核酸配列を温度サイクルすることにより行われている。本発明によると、反応を蛍光で観察しながらDNAサンプルの中の1つあるいはの標的領域をPCRにより増幅が行われる。
【0012】
定量的PCRのそれぞれのサイクルにおいて観察するための蛍光の最初の使用は、Higuchiらの「特異的DNA配列の増幅と観察を同時に行う方法」Bio. Technology, 10:413-417, 1992により開発され、蛍光物質としては臭化エチジウムが使用された。産物濃度の相対的な測定のために、蛍光物質は1サイクルに1回獲得された。最初に観察可能な蛍光がバックグラウンドの上(閾値)に観察されるサイクル数は、最初に含まれるサンプルのコピー数に比例するので、標準曲線を作製することできるようになる。その直後、ポリメラーゼの5’エキソヌクレアーゼ活性を利用した、プローブを基にした蛍光検出法が開発された。これは、リアルタイム速度論的法を、配列特異的な検出を可能にするように改良した。
【0013】
別な方法として、DNAの増幅される標的領域中の特異的な遺伝子座にハイブリダイズするように合成された蛍光ラベルのハイブリダイゼーション・プローブの存在下で、DNAサンプルの1つあるいは複数の標的領域のPCR増幅を行うことができる。具体的な例では、このハイブリダイゼーション・プローブ・システムは、DNA配列の近隣領域にハイブリダイズする2つのオリゴヌクレオチドプローブからなり、それぞれのオリゴヌクレオチドプローブは蛍光エネルギーが転移ペアのそれぞれでラベルされている。この例では生物学的サンプルの中の標的核酸配列の存在は、2つのラベルされたオリゴヌクレオチドの間の蛍光エネルギーの転移を計測することにより検出される。
【0014】
これらの機器や蛍光観測技術は速度論的PCRを、伝統的な競合的PCRより顕著に容易なものにした。特にリアルタイムPCRは、PCR産物濃度をそれぞれのサイクルで観察できるようになったことで、定量的PCRの容易さ、精度、正確さが非常に改善されてきた。本発明の具体的な例では、PCR反応は高速温度サイクラーと蛍光検出器を兼ね備えたリアルタイムPCR機器であるLightCycler (Roche Diagnostics社の商標)を用いて行われている。この機器を用いることによりPCR産物は蛍光で検出されるので、サンプルの加工、膜アレイ、ゲル、キャピラリー、分析機器などは必要でない。この分野では既に知られている他のPCR機器については、本発明を実施する際用いられるかもしれない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、核酸定量キットおよびサンプル中に最初に含まれる標的核酸の濃度またはマスフラクションを決定する方法を目的とする。特に本発明は、サンプル中の標的核酸配列のコピー数を決定するためにリアルタイムでPCR反応をモニターするための、リアルタイム競合的ポリメラーゼ鎖反応(PCR)および蛍光ラベルオリゴヌクレオチドプローブの使用に関する。生物学的サンプル中に存在する標的核酸のコピー数を決定する方法は、少なくとも一部の生物学的サンプル、熱耐性ポリメラーゼ、既知濃度の競合核酸配列、1組のオリゴヌクレオチドPCRプライマー、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプローブを1つの反応容器に入れ、PCR反応を開始し、反応のリアルタイム観測および/または融解曲線解析を行うという複数のステップからなる。
【0016】
【課題を解決するための手段】
具体的な例では、競合核酸配列の内部に位置する固有の部位を例外として、競合核酸配列を標的遺伝子と同じ配列をもつように準備する。その固有の部位は、標的核酸配列に相当する部分と同じ核酸組成を持つが本質的に異なる配列を持つ。本質的に異なるという言葉はここでは、競合物のその特異な部分に相補的なプローブが、PCRを行うために用いられる反応条件においてバックグラウンドレベルより高く標的塩基配列の対応する領域にクロスハイブリダイズしないということ意味するために使用される。ある具体例では、その特異な領域は標的核酸配列の相当する領域に比べランダムに並べられた配列を持つ。
【0017】
別の具体例では、競合物の核酸配列中のその固有の部位が点突然変異のように標的核酸配列と1塩基対だけ異なる。さらに別の例では、競合物の核酸配列のその固有の部位は、標的の相当する配列に比べ長さや組成が全く異なるが、競合物と標的核酸配列はほとんど同じ効率で増幅されるようになっている。そのような増幅効率は、CG含量と実験の繰り返しによって決定される。
【0018】
アンカープローブが競合物の核酸配列のその特異な領域の隣りと、競合物の核酸配列のその特異な領域に対応する標的核酸配列の隣りにハイブリダイズするように構成される。競合物プローブは競合物の核酸配列のその特異な領域にハイブリダイズするように構成され、標的プローブは競合物の核酸配列のその特異な領域に対応する標的核酸配列にハイブリダイズするように構成される。従って、アンカープローブと標的プローブと競合物プローブがそれぞれの相補的な標的核酸配列と競合物核酸配列にハイブリダイズすると、供与蛍光体と第1受容蛍光体、同様に供与蛍光体と第2受容蛍光体が共鳴エネルギー転移関係に置かれる。それゆえ、受容蛍光体からの蛍光の測定は、標的核酸配列と競合物核酸配列の相対濃度を決定するために使用されることができる。具体的には、第1蛍光体と第2蛍光体の両方が供与蛍光体からのエネルギー転移を受け取るが、2つの受容蛍光体は異なる波長の蛍光エネルギーを発する。それゆえ、標的核酸配列と競合物核酸配列の濃度は同時に計測できるのである。
【0019】
さらに別の例では、シングルラベルのオリゴヌクレオチドが用いられ望ましい情報は溶解曲線解析を通して得られる。
【0020】
この発明の別の局面は、競合物と標的の間のサイクルシフトを基に最初の標的核酸配列の濃度を定量する方法である。増幅効率は標的と競合物に対してほとんど等しいとすると、logC0=LogE(Δn)+LogT0(C0 は初の競合物の量、E は平均効率、Δn は標的と競合物の間のサイクルシフト、T0 は最初の標的の量)である。この等式はy=ms+b の形をとっているため、最初の競合物の濃度と競合物及び標的の間のサイクルシフトとの関係をプロットすると、傾きが効率の対数で、y 軸との交差点が最初の標的の濃度の対数である直線になる。競合物の最初の濃度は様々に設定できるので、最初の標的の濃度は比較的容易に決定されるかもしれない。
【0021】
DNA 定量の特に有用な応用の1 つは、あらゆる与えられた臨床サンプル中の特定のウイルスのゲノム当量を決定することかもしれない。いくつかのウイルスは複製サイクルの様々な段階で病理学的効果を示すと共に、宿主細胞中のウイルスの量は感染の進行度や病気の見通しを示すものとして働く。
【0022】
この発明のさらに別の局面は、試験サンプルに含まれる1 つ目と2 つ目の標的核酸のマスフラクションを決定する方法である。この方法は、標的核酸にハイブリダイズした指示薬の量に関連したシグナルを与えるように構成され、さらに融解温度を基に標的核酸を識別するように構成された蛍光核酸指示薬を、標的核酸に接触させるステップと、試験サンプルを蛍光照射するステップと、融解曲線を作るために蛍光変化をモニターするステップと、標的核酸のマスフラクションを決定するために熱力学に基づくシグナル加工アルゴリズムを使用するステップと、を含む。内部標準は、1 つまたは複数の塩基が標的核酸配列と異なる、人工競合物または内在性対立遺伝子を用いる。既知量の内部標準をサンプルに加えた場合は、標的核酸配列の最初のコピー数はマスフラクションまたは既知量の内部標準との比から計算され得る。特にこの種の定量方法の有用な応用は、一定の地域に住む人々の対立遺伝子頻度の決定、様々な種類の細胞や組織における差次的な対立遺伝子の発現の検出、偽遺伝子のコピー数に対するコピー数の変化を用いた遺伝子の重複あるいは欠失の検出、ガン患者の縁の切り取られた組織サンプルのような混合された組織サンプル中の異なる細胞種の間の比の評価、などである。
【0023】
本研究のさらなる特徴は、以下に示す現在考えられる最良の方法での研究の遂行例を実証した詳細な記述を考慮に入れれば、当業者には明らかであろう。
【0024】
【発明の実施の形態】
本研究によると、解析物の定量を行うことができ、その解析物には標準技術を用いて定量するには少なすぎる濃度のものも含まれる。この方法は、増幅または融解曲線解析を行う間リアルタイムでモニターすることと、標的配列の最初の濃度を計算するための内部標準の存在とを伴う競合的PCR反応を用いている。現在まで、全てのリアルタイムPCR増幅は外部標準曲線に対する相対的な定量に限定されていた。この技術は非常に有用であるが、チューブ間のPCR効率の違いに対するコントロールがない。外部標準を用いた定量の限界は、競合的定量的PCR法の項で説明された。これらの技術において、標的と同じプライマー結合領域を持つが内部の配列が異なる競合物は、未知のサンプル中に既知濃度で加えられる。しかしこの方法のリアルタイム版は実用化されていない。
【0025】
本願の開示は、標的と競合物を区別し、それにより内部標準と比較することによって遺伝子の定量を可能にするリアルタイム法の使用を目的とする。この方法は研究者に、内部標準が提供するもう一つのコントロールを与える一方、均一なリアルタイムPCR系の利益も与える。
【0026】
ある実施形態によると、唯一のハイブリダイゼーションプローブ結合サイトを持つ競合物を用いたリアルタイム競合的定量的PCRを行うための方法が述べられている。競合物は、標的と競合物に対して異なった色で発色するハイブリダイゼーションプローブを用いることにより標的と区別されるだろう。
【0027】
他の例では、標的と1塩基だけしか異ならない競合物を用いたリアルタイム競合的定量的PCRを行うための方法が述べられている。標的と競合物は蛍光ラベルされたハイブリダイゼーションプローブが差次的に融解することにより区別される。
【0028】
図1は、記述された方法に従って使用される一実施形態400の温度サイクラー(LightCycler)の例図である。図1に示されるように、空気が空気窓470から取り込まれ、大体、線472によって示された通気路に沿って流れる。それゆえ、空気の温度ひいてはサンプル・コンテナ450の温度は、中心ダクト476内にある加熱カートリッジ474および空気を経路472で動かすために設置されたファン498により調節される。ファンはシャフト496とモーター494により稼動される。ファン498は、空気を空気窓470から取り込み排出ポート478から出す。図示された実施形態では、24サンプル用コンテナ450(2つのうちの1つが図に示されている)は、加熱カートリッジ474と中央ダクト476の周りに対称的に設置されている。サンプルコンテナ450は、回転式コンベアー480の内部にあるスリーブ452によって受け取られる。回転式コンベアー480は、シャフト486によってモーター488につながっている駆動ギア484を備えたモーター488により位置を決められる。それぞれのサンプルコンテナからの蛍光は、励起光源468および光学検出器464と466を含む光学アレイ460によって得られる。LightCyclerのさらなる詳細は、米国特許出願第08/869,275号に記載されているであろう。ここに記載された実施形態は単なる例示にすぎず、発明の技術的範囲には他の温度サイクラーの使用も含まれることは理解される。
【0029】
図面の方法によると、PCRによる解析物の増幅は、まず標的核酸配列を含む生物学的サンプルをキャピラリーチューブに入れるステップと、その生物学的サンプルを最初の温度(「アニーリング温度」)から、最初の温度より高く、例えば、最初の温度より少なくとも15度以上高い2番目の温度(「変性温度」)に上げるステップと、その生物学的サンプルを所定時間2番目の温度に保つステップと、その生物学的サンプルを2番目の温度から少なくとも最初の温度と同じくらいの温度に下げるステップと、所定の時間少なくとも最初の温度と同じくらい低い温度に保温されるステップと、を含む。その生物学的サンプルの温度はそれから2番目の温度に上げられ、所定回数、温度サイクルされる。
【0030】
ある実施形態では、DNA配列の増幅法はサンプルを変性温度とアニーリング温度を所定の回数繰り返す2温度法からなる。他のPCR法も、この発見の視野に入っている。例えば、PCR反応がサンプルを変性温度、アニーリング温度、伸長温度を所定の回数繰り返す3温度法を用いて行うこともできる。
【0031】
具体例では、PCRは反応はリアルタイムで観察するために蛍光物質の存在下で行われる。増幅産物の産生を連続的に観察することを可能にした、標的依存的蛍光シグナルに基づいたいくつかの検出形式が開示された。例えば、Wittewerら「高速サイクルDNA増幅の連続的蛍光観察」BioTechniques, Vol. 22, No1, 130-138, 1997参照。これらの検出形式は以下のことを含むが、それらに限られているわけではない。
【0032】
1.蛍光2重鎖DNA認識物質の使用(図2a-b参照)
通常2重鎖増幅産物の量は、解析するサンプルに元々存在する核酸量を超えるので、2重鎖DNA特異的色素が使用される。それは、2重鎖DNAに結合しさえすれば、適当な波長で励起すると、増強した蛍光を示す(図2b)。PCR反応の効率に影響を与えないSYBRTMGreen Iのような色素が使用されるのが好ましい。
【0033】
2. Taq Man原理(図2c-d参照)
増幅産物を検出するためには、1本鎖ハイブリダイゼーションプローブが用いられる。ハイブリダイゼーションプローブは蛍光物質によってラベルされ、その蛍光放出は、同じプローブ上に存在する消光物質として働く2つ目のラベルによって消光される。PCR反応のアニーリング段階の間、プローブは標的配列にハイブリダイズし(図2c)、続いてプライマーの伸長の間、5'-3'エキソヌクレアーゼ活性を持つDNAポリメラーゼがハイブリダイゼーションプローブを小さな小片に消化する(図2d)。適当な励起の後、蛍光放出が増幅産物の蓄積を示すものとして観察される。
【0034】
3. 分子信号
Taq Manプローブと同様、分子信号オリゴヌクレオチドが蛍光物質と消光物質でラベルされ、二次構造により、お互いに近隣に位置する。標的DNAに結合すると分子内水素結合がはずれ、プローブの一端に位置する蛍光物質がプローブの逆の端に位置する消光物質から離れる。米国特許第 5,118,801号参照。
【0035】
4. ハイブリダイゼーションの際増加するFRET(図2e-f参照)
この検出形式のため、2つのそれぞれ蛍光物質でラベルされたオリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションプローブが使用され、それらは、増幅産物の1つの鎖上に、近隣ではあるが重ならない領域にハイブリダイズすることができる。1つ目のオリゴヌクレオチドは5'末端でラベルされ、2つ目のオリゴヌクレオチドは3'末端にラベルされていることが好ましい。標的DNAにハイブリダイズすると、2つの蛍光ラベルは非常に近くに接するようになり、2つの蛍光物質間での蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)が起こる(図2f)。その結果、ハイブリダイゼーションは供与体の励起と続いて起こる2つ目の受容体の発光を計測することによってモニターされる。
【0036】
同様の実施形態において、1つの蛍光ラベルプローブしか使用されず、それは適当な位置にラベルされたプライマーと共に特異的FRETペアとして働く。Bernardら「内部増幅および蛍光共鳴エネルギー転移とプローブ融解曲線を用いた四葉酸メチレン還元酵素遺伝子のC677T点突然変異の検出」Anal. Biochem. 255, p. 101-107 (1998)参照。
【0037】
通常、開示されたハイブリダイゼーションプローブは解析物の配列と、完全に同一か完全な相補的な配列を持つ。しかし、本発明におけるプローブは、適当なハイブリダイゼーション条件で解析物とハイブリダイズできるプローブであれば、1つあるいはいくつか対合しないものが含まれていても、本願発明の技術的範囲の中にある。いかなる場合でも、少なくとも10の連続した残基の範囲を超えて100%同一または相補的な配列であれば特に有利であることが証明されている。プローブの長さが100塩基を越えない方が、有利であることも証明されており、40塩基より少ないことが好ましい。
【0038】
蛍光共鳴エネルギー転移は、2つの蛍光物質が物理的にお互い近隣に位置したときと1つの蛍光物質の発光スペクトルがもう1つの蛍光物質の励起スペクトルと重なったときに、2つの蛍光物質の間で起こる。共鳴エネルギー転移の速度は、(8.785E-5)(t-1)(k2)(n-4)(qD)(R-6)(JDA) で表され、
t は受容体がないときの供与体の励起状態の継続時間
k2 は供与体と受容体の間の方向要因
n は間にある媒体の可視光の屈折率
qD は受容体がないときの供与体の量子効率
R は受容体と供与体の間の距離(単位はオングストローム)
JDA はすべての重なる波長を想定した状態での(FD)(eA)(W4) の積分であり、
FD は供与体のピークを標準化された蛍光スペクトル
eA は受容体1 モルあたりの吸収効率(単位はM-1cm-1
W4 は波長(単位はnm )
である。
【0039】
どのような供与体と受容体に対しても、50% の共鳴エネルギー転移が起こる距離が計算されることが可能であり、R0 と略される。共鳴エネルギー転移の速度は供与体と受容体の間の距離の6 番目の力に依存するので、共鳴エネルギー転移はRがR0 から変わるように素早く変化する。2 R0 では共鳴エネルギー転移はほとんど起こらないが、0.5 R0 では転移効率は他の形式による脱励起が優勢にならない限りほぼ100%である。
【0040】
蛍光ラベルされたオリゴ核酸はDNA配列の同じ鎖にハイブリダイズされるように作られており、供与蛍光物質と受容蛍光物質は0から25ヌクレオチドの範囲で離れている。0から5ヌクレオチド離れていることが好ましく、0から2ヌクレオチド離れていることが最も良い。特に好ましい供与蛍光物質と受容蛍光物質の間の空間は、約1ヌクレオチドである。
【0041】
ラベルされたオリゴヌクレオチドの1つがPCRプライマーとして働くとき(プローブプライマー)、2つの蛍光物質はDNA配列の逆の鎖に存在する。この実施形態のときは、供与蛍光物質と受容蛍光物質は0-15ヌクレオチド以内にあることが好ましく、4-6ヌクレオチド以内にあることがより好ましい。
【0042】
蛍光ラベルされたオリゴヌクレオチドが両方とも標的DNAの相補的配列にハイブリダイズしなければ、供与蛍光体と受容蛍光体の間の距離は一般的に共鳴エネルギー転移が起こるためには大きすぎる。それゆえ、ハイブリダイズしていない状態では、受容蛍光体と供与蛍光体に共鳴エネルギー転移関係は存在せず、供与蛍光体の励起は受容蛍光体の検出可能な蛍光の増加を与えない。
【0043】
蛍光共鳴エネルギー転移ペアとして用いることができる蛍光ペアは当業者にはよく知られ、以下のような組み合わせを含むが、それだけには限られない。FITCとローダミン、フィコエリフスリンとCy7、FITCとCy5、FITCとCy5.5、FITCとLCRed640、FITCとLCRed705。LCRed640とLCRed705については、ヨーロッパ特許第 0 567 622号に既に記載されている。
【0044】
DNAの2重鎖の熱安定性は、2重鎖の長さ、CG含量、Watson-Crickの塩基ペアに依存している。Watson-Crickの塩基ペアの変化は、ミスマッチの2重鎖の長さ、ある特定のミスマッチ、ミスマッチの位置、及び近隣の塩基対に依存して温度が変化することにより2重鎖の不安定化につながる。それゆえ、標的の相補配列に対するハイブリダイゼーションプローブの同一性の割合は、ハイブリダイゼーションプローブが相補鎖から離れる(融解する)温度に直接影響する。プローブと標的の相補配列の間の違いが大きければ大きいほど、ハイブリダイズした鎖が別れるために必要な温度は低くなる。
【0045】
5.シングルラベルのオリゴヌクレオチド
シングルラベルのオリゴヌクレオチドとは、蛍光ラベルを1つしか持たないオリゴ核酸である。シングルラベルのオリゴヌクレオチドは、他のいかなる蛍光物質とも共には用いられず、相補鎖に位置する塩基配列のために蛍光が変化する。2001年8月10日に出願された米国特許出願第09/927842号参照。用いられる蛍光物質や相補鎖の配列などの様々な要因に依存して、ハイブリダイゼーションにより蛍光が減少したり増加したりする。
【0046】
LightCyclerのためのプローブシステム
FRETペアの2つの蛍光物質がPCRの間に近隣にハイブリダイズすることにより共鳴エネルギー転移が起こる(図2e-f参照)ような、LightCyclerのための配列特異的プローブシステムが、本願発明で用いられるために開発された。2つのPCRプライマーの間に、1つは供与蛍光物質で3'にラベルされ、もう1つは受容蛍光物質で5'にラベルされた、2つの隣接するハイブリダイゼーションプローブが設計された。PCRの間に産物が蓄積されるので、プローブは各サイクルのアニーリング期に隣り合ってハイブリダイズする。受容色素への蛍光エネルギー転移はハイブリダイゼーションとともに増加し、供与蛍光と受容蛍光の割合としてプロットされる。定量のために、蛍光は2温度アニーリング伸長期の終了時に各サイクル1回ずつ計測されるのが望ましい。LightCyclerのある型は、1つの供与色素としてFITC、2つの異なる受容色素としてLightCycler Red 640 (LCRed 640)およびLightCycler Red 705 (LCRed 705)を使用することによって最適条件になる。FRETオリゴヌクレオチドペアはLightCyclerとともによく使用され、ここに記した様々な例で使用されているが、他の配列特異的プローブが使用されることもこの発明の技術的範囲内で用いられていることは理解される。
【0047】
LightCyclerによるリアルタイム速度論的PCR
LightCyclerは、SYBRTM Green Iのような2本鎖DNA 結合色素とPCR反応をモニターするためのハイブリダイゼーションプローブのどちらかと共に使用できる。図3aと図3bはハイブリダイゼーションプローブを用いた時の典型的な外部標準曲線を示している。供与プローブはFITCでラベルされており、受容プローブはLCRed 640でラベルされている。データは、受容蛍光と供与蛍光の比でプロットされている。最初の標準の濃度は、10μlの反応につき標的の105から101コピーの範囲である。
【0048】
LightCyclerを用いた突然変異検出
各サイクルに1度モニターすることで、定量のための有用な情報が得られる。温度変化の間、継続的に蛍光を観測することでさらなる情報が得られる。温度が変化している間蛍光の変化を測定することにより、プローブのハイブリダイゼーション状態を決定することができる。ハイブリダイゼーションプローブの融解は、産物の同定および突然変異の検出に対して利用される特徴的な温度で起こる 。
【0049】
速度論的PCRによる定量
プローブのハイブリダイゼーションによる蛍光の温度依存性は蛍光と温度のプロットによって証明できる(図4a)。図示したプロットは1つのサンプルを45℃から75℃まで緩やかな温度上昇(0.2℃/秒)させる間、0.1℃ごとにモニターすることによって作製された。産物は変性され、45℃まで急激に冷却される(10℃/秒)。低温度において、プローブは1本鎖の産物にハイブリダイズし蛍光比(例えばLCRed 640/FITC)は上昇する。加熱している間、プローブは55℃から65℃の範囲で分離し、蛍光比はバックグラウンドレベルに戻る。この曲線の導関数が温度温度に関して計算され、温度に対してプロットされる(図4b)。これは、プローブのTmの付近を中心にした融解ピークを作成する。ハイブリダイゼーション温度を基にした識別は、突然変異を検出するための強力な道具である。
【0050】
突然変異検出を定量と結びつけた方法
競合的定量的PCRアッセイにおける内部標準の使用は、内部標準として使用する競合物の注意深い選択が必要である。競合的定量的PCRアッセイでの競合物と標的は、矛盾した規準を満たさなければならない。2つの核酸配列は、同じ効率で増幅されなければならないうえ、一般的にできるだけ類似していなくてはならない。しかしそれらはまた、区別できなければならないし、ヘテロ2本鎖を形成してはならないので類似していてはならないのである。
【0051】
標的と鋳型の間の究極的な類似は、1塩基置換である。1塩基置換が、増幅効率に顕著な効果を持つことはほとんどない。この発見のある実施形態では、1塩基突然変異のように標的と競合物が1塩基しか異ならなくても、LightCyclerを用いて区別できる。適当な条件下ではハイブリダイゼーションプローブはDNA鎖の片方しか検出しないので、増幅中のヘテロ2本鎖形成は結果に影響を与えない。
【0052】
LightCyclerの開発中、リアルタイムの蛍光データを解析するためのソフトウエアが開発された。図5aは、融解曲線を図で示したものである。そのソフトウエアは、非曲線回帰を用いて融解ピークのデータをGaussian曲線に適合させるために、それぞれの曲線の下の面積を計算する。このモジュールは、Tm法を用いた定量のためのソフトウエアの基礎として働く。標的と競合物の相対的なピーク面積の比は、2つの産物の相対量を計算するために使用される。
図5bは、様々な増幅曲線を蛍光の対数とサイクル数のプロットで示したものである。それぞれの曲線について、増幅曲線の2回微分が最大値になる点、即ち増加速度において最大増加を示す点が同定される。このわずかなサイクル数は、増幅曲線の位置を記述するために使用される。バックグラウンドノイズに対して相対的に曲線位置を確定する伝統的な「閾値」法と異なり、このアプローチは曲線の形を基に増幅曲線の位置を自動的に決定できるようにする。米国特許第6,387,621号参照。このモジュールは、マルチカラー法のためのソフトウエアの基礎として働く。図5cに示すように、標的と競合物を相対量は、2つの増幅曲線の位置におけるわずかなサイクルの違いを見ることにより決定される。
【0053】
速度論的PCRを内部標準と結びつけた方法
別の実施形態では、PCR反応の間、競合物/内部標準は差次的なプローブ・ハイブリダイゼーションによって標的核酸と区別される。このように、反応はモニターされ、ハイブリダイゼーションは「リアルタイムのプローブ捕獲」が起こっているかのように検出される。これにより、単に最終段階を計測することからではなく、速度論的に標的と競合物の量を決定できる。
【0054】
例としての実施形態では、速度論的内部標準定量法は、標的と競合物はプローブの結合サイトしか異ならない条件で行われる。競合物プローブと標的プローブは、別の色の蛍光(LCRed 640とLCRed 705)でラベルされる。これらのプローブは両方とも、より長波長蛍光のアンカープローブとペアになっている。標的と競合物は両方とも同時に、1サイクルに1度観測される。例えば、この実施形態で用いられるシステムの光学設計は3色であり、キャピラリーの先の中心付近の蛍光外発光を基礎にしている。キャピラリー軸に沿った内部反射全体は、シグナルの強さを10倍に増強する。励起源は、「超発光」青色光を放つダイオードである。蛍光シグナルは、520 nmと640 nmと705 nmのバンドパスフィルターを通過した後フォトダイオードから獲得される。
【0055】
DNA鎖の片方がハイブリダイゼーションプローブに検出されるので、Tm法のようにヘテロ2本鎖は気にする必要はない。外部標準を使った実験は、増幅曲線の位置の方が最後の蛍光レベルより再現性が高い。このように、この速度論的法ではサイクルごとにデータを収集するので、最初の方のサイクルからのより信頼できるデータが使用される。有利であることに、この方法は産物比を決定するために1回の観測に依存しない。そのかわり、全体の増幅曲線に対する相対的な位置が2つの産物の比を決定するために用いられる。
【0056】
同じ濃度の標的と競合物を含む反応が同じ位置にある増幅曲線を与えた場合、標的と競合物の比を計算するために、標的と競合物の間の曲線の位置のシフトが用いられる。この方法を用いることで、標的と競合物の量が正確に推測できる。
【0057】
デルタC.T.等式決定
上記のアプローチは、いままで内部標準と共に定量するために用いられたことはなかった。それゆえ、標的と競合物の曲線の位置とそれらの相対濃度との間の、便利な、好ましくは直線の数学関係が必要である。標的と競合物が同じ効率を持つ場合、標的に対する2回微分の最大値は
Tnt=T0(E)nt
で表され、Tnt は2回微分の最大値を与える標的の量、T0 は標的の最初の量、E は反応の平均効率、nt は2回微分の最大値のわずかなサイクル数である。同様に、競合物に対する2回微分の最大値は
Cnc=C0(E)nc
で表され、Cnc は2回微分の最大値を与える標的の量、C0 は標的の最初の量、E は反応の平均効率、nc は2回微分の最大値のわずかなサイクル数である。
【0058】
2回微分法は、絶対的な蛍光レベルでなく、増幅曲線の形に影響を受けやすい。増幅曲線の位置は、LCRed 640とLCRed 740の間でシグナル効率の違いによって有意には影響されないだろう。 2回微分が最大値になる位置は、ある特定のシグナルレベルの反映ではなく、産物がある特定の量に蓄積されたことの反映である。それらの各 2回微分の最大値において、標的と競合物の濃度は等しくあるべきである。それゆえ、
Cnt=Tnt
よってそれは以下の式を導く。
C0(E)nc=T0(E)nt
それを変形すると、
C0/T0=(E)nt/(E)nc
両辺に対数をとると、
log(C0/T0)=log[(E)nt/(E)nc]
logC0-logT0=ntlogE-nclogE
logC0-logT0=logE(nt-nc)
nt-ncは標的と競合物のサイクルシフトであるので、我々はそれを Δnと呼べるので、
logC0-logT0=logE( Δn)
さらに変形すると
logC0=logE( Δn)+logT0
このデルタC.T.等式は、y=mx+bの形式を持つので、最初の競合物の濃度と、競合物と標的の間のサイクルシフトとをプロットすると、効率と等しい傾きを持ち最初の標的の濃度の対数と等しいy軸との交差点を持つ直線が与えられる。
【0059】
例1
以下の実験は、同じ濃度の最初の標的と競合物は2回微分の最大値も同じであることを確認するために行われる。
【0060】
等しい濃度の精製された標的と競合物が、1反応あたり濃度を10から106コピーの範囲で10倍ごとに分けられたもの同士が混ぜられ、PCRで35サイクル増幅された。標的と競合物のペアの全ての2回微分が最大値になる位置が比較され、同じ濃度であったら2回微分の最大値は同じであることが期待される。この実験は5回繰り返され、交差位置のゼロ相違がμnの95%の信頼区域内であるかどうか決定するために統計学的検定が行われた。相違がゼロではないが常に一定である場合、「 ΔΔn」を使用できる、すなわち2つのチャンネルの間において曲線位置の相違もいかなる系統的な相違よりも少ない。
【0061】
例2
以下の実験は、アッセイの有効範囲は標的濃度の両側に少なくとも1桁の大きさずつあるということを確認するために行われた。
標的か競合物のどちらかが非常に多すぎる量で存在していたら、薄い濃度の方の産物が機器の検出限界の上になる前に、濃い濃度の産物が平坦相に達してしまうであろう。LightCyclerの検出範囲は約2桁の大きさである。この検出範囲は有効範囲の上限を規定する。少なくとも1桁の大きさの違いの有効範囲が最小限望まれる。
両方の産物が検出される標的と競合物の比の最大限の違いが試験される。1反応あたり104コピーの標的が、1反応あたり102から106コピーの範囲の競合物と1/3対数段階で混合される。1または2桁の大きさの間の有効範囲が期待される。標的コピー数は速度論的法を用いて計算され、実際の標的濃度と比較された。この実験は5回繰り返され、計算された標的の数の正確さが決定された。
【0062】
一旦標的が104コピーであるときの競合物と標的の最大限の違いが設定されたら、次に、ある範囲の標的濃度における標的と競合物の比の最大限の違いが決定される。1反応につき101から106コピーの標的が、競合物と2倍、5倍、10倍、20倍と上記の実験によって決定された標的と競合物の比の最大限の違いまで混ぜられる。標的のコピー数は速度論的法を用いて計算され、実際の標的の濃度と比較される。この実験は5回繰り返され、計算された標的の数の正確性が決定される。
【0063】
例3
以下の実験は、標的のコピー数がアッセイの正確さと精度に与える効果を決定するために行われる。
PCR実験の結果が、精度と正確さについて解析される。101から106の標的のそれぞれの開始コピー数について、95%の信頼区域が計算された。101から106の標的の開始コピー数それぞれについて、同じ時に行った実験内および別の時に行った実験間で変化係数(%CV)を計測することによって、間アッセイと内アッセイの精度も計算される。101または102コピーのときは、%CVは100%前後であると期待される。もっと高いコピー数においては、%CVは25%前後であると期待される。25%CVは、2倍の相違を容易に識別させるであろう。
【0064】
ソフトウエア
曲線の位置は2回微分の最大値法を用いて計算される。曲線の形に依存しシグナルの強さに関係しないこの方法は、チャンネル間でのシグナル効率の違いに対してより抵抗性があると信じられている。サイクルシフトが最初の競合物の濃度に対してプロットされ、線はデータに適合される。その1ポイント法が合理的な答えを出した場合(%CV<50)ソフトウエアもまたこの計算を支持する。
例4
標的とたった1塩基しかことならない競合物を用いた、LightCyclerによるリアルタイム競合的定量的PCRの方法が以下の実験で記載されている。標的と競合物は、蛍光ラベルされたハイブリダイゼーションプローブの融解温度の違いにより区別される。
【0065】
実験計画
この例で定量化される標的は、ヒトHER-2/neu遺伝子である。このHER-2/neu遺伝子は乳ガンの25%で増幅されており、増幅の度合い(通常2-50倍)は生存時間と相関している。図7はHER-2/neuに対するプローブの設計である。この計画では、競合物はハイブリダイゼーションプローブにCAミスマッチが存在する。プローブの中央に存在するCAミスマッチはTmを5-10℃シフトさせるので、マッチした融解ピークとミスマッチの融解ピークを区別させるために十分である。これらのプローブのとなりに結合するプライマー(図示せず)は、Primer designerTMソフトウエア(Scientific and Educational Software社)を使用して作成された。
【0066】
競合物の作成
ヒトゲノムDNAから作製された野生型HER-2/neu遺伝子のPCR産物が、標的として用いられる。競合物は、ゲノムDNAからとったHER-2/neu遺伝子から、図7に示したようなGからAへの変化を含む突然変異PCRプライマーを使って作製される。PCR産物はゲルで精製され、希釈された後、再び増幅プライマーを用いて増幅される。その産物はゲルで精製され、標的と競合物として使用される。突然変異の導入は、DNAの塩基配列を決めることによって確認される。
【0067】
標的と競合物の濃度は、Molecular Probe社のPicoGreen 2本鎖DNA定量アッセイ、または既に考察した限界希釈法によって決定された。
【0068】
プローブの合成と精製
プローブは図7に示される。アンカープローブは3’端に蛍光ラベルされている。受容体プローブは5’端にLightCycler Red 640でラベルされ、3’端はリン酸によりブロックされている。プローブは既に考察した方法を用いて合成され精製された。
【0069】
内部標準の定量
まず、標的と競合物からのシグナル(すなわち融解ピーク面積)が、存在する標的の量と比例することを確かめた。これは最初、精製されたPCR産物で行われる。チューブあたり1010から1012コピーの野生型と競合物のHER-2/neuが、同じ濃度で混合される。プローブのアニーリング温度まで急速に温度を下げた後、プローブの融解温度より15℃高い温度までゆっくりと加熱(0.2℃/秒)することにより融解ピークが得られる。蛍光は温度勾配の間0.1℃ごとに得られる。最も適合したGaussianの下の面積の比は、既知の最初の標的と競合物の比1.0である。比1.0が95%信頼区域に落ちているかどうかを決定するため統計的試験が行われ、その結果標的と競合物分子の増幅効率は区別できないことが示された。
【0070】
増幅され、融解曲線解析に対し使用できるPCR産物の最終量は様々な変化要因に依存しているが、使用されたプライマーの量を超えることはない。ハイブリダイゼーションプローブ反応には、典型的には0.1 μMから0.5μMのプライマーが使用されるので、理論的にPCRによって産生される最も高い濃度の産物は0.1から0.5μMの間である。予備実験の段階ではあるが、融解ピーク面積による産物の量を正確に計測するためには、増幅された後産生されたPCR産物のすべての量を超える濃度のプローブが必要であることが示されている。このことは標準的なLightCyclerの光学系に問題を生じさせる。なぜなら、0.2μM 以上の濃度の蛍光プローブはF1チャンネルの検出レベルを超えるからである。この問題を克服するために、LightCyclerのF1光学系は、F1検出器への蛍光シグナルの移動が90%以上阻害されるように改良された。この方法により、高い濃度のプローブが使用できるようになったので、プローブ濃度はいつでも産物を超過した濃度にできる。既知の濃度の人工鋳型を用いた再構成融解実験が、過剰のプローブを用いて、この改良された器械でピーク面積を測定するように設計された。図14は、融解ピーク面積とそれぞれ1μMずつプローブを使用した時の0.1から0.4μMの濃度の産物の間の直線関係を示している。これらの結果は、(プライマーを0.5μMかそれ以下の濃度で使用したときの)最終的なPCR産物はこの直線範囲内の融解ピーク面積を作り出し、定量的情報を生み出すことを示す。
【0071】
融解ピーク解析による定量の有効範囲
融解ピークの面積とPCR産物の量との間の直線関係は、伝統的なLightCycler融解解析ソフトウエアを用いた再構成された融解実験で、2つの分子の相対量が10倍違っても、確立され得る。この技術の有効範囲を広げるため、融解曲線解析の新しい方法が融解曲線データの熱力学モデルに基づくシグナル加工(TMBSP、例6参照)を基に開発された。つまり、異なる鎖からなる二重鎖の融解曲線を持つ鎖は、それぞれの鎖に対する同じ鎖からなる二重鎖の融解曲線に関して、それらの量分画という点で定量的に述べられる。
【0072】
図15は野生型(WT)と突然変異(M)の鋳型分子を20:1から1:100の範囲の入力比で混合した後、45サイクルPCR増幅し、増幅された野生型と突然変異の産物の相対量(出力比)を同定するために融解曲線解析した結果を示す。これらの結果は、融解曲線のTMBSP解析が45サイクルのPCR増幅を行うことにより100分子の中の1分子を区別できることを示す。
アッセイの精度
表1は、融解ピーク解析による定量の正確さをまとめたものである。1:50の比であれば合理的な正確さで識別ができ、1:100では小さな違いはまだ定常的に検出できるが、正確さは劣る。
【0073】
【表1】
Figure 0004814479
【0074】
PCRの指数的な性質のため、反応効率の小さな違いはサイクル増加すると共に大きな効果となる。しかし、45サイクルの増幅の後でも定量的な情報が得られるという事実は、実際に突然変異と野生型の分子の反応効率は産物の定量性に影響するほど有意には異ならないことを示している。
【0075】
ソフトウエア
データを検定するために使用された現在の解析ソフトウエアは、融解曲線データを取り、融解ピークを得るために温度に関して微分し、1から3のGaussian曲線のうち融解ピークデータに最も適合するものを計算する。使用者は適合するGaussian曲線の数を入力するだけである。現用のソフトウエアは、定量のために融解データを解析することを可能にするため、さらに改良することができる。
【0076】
Gaussian曲線の等式で用いられているパラメーターは、ピークの面積、ピークの中心(平均)の位置、ピークの幅(標準偏差)である。よりよい現在利用可能なソフトウエアは、これらの3つの数値が流動的であっても良い。内部標準を用いた定量のために、曲線の数は実例として2つであり、平均は機器の再現性の範囲内であることが知られている。曲線の面積と標準誤差だけは全く自由に流動的である必要がある。非直線回帰ソフトウエアは、使用者がそれぞれのサンプルについて標的と競合物の期待される融解温度と競合物の濃度を入力できるように改良されることが可能である。
【0077】
相対的な融解ピークの面積は、HER-2/neu標的コピー数を計算するために用いられる。使用者はそれぞれのサンプルについて競合物のコピー数を入力する。ソフトウエアはたくさんのサンプルからデータをとり、最終的な標的対競合物の比の対数と競合物の濃度の対数とをプロットする。このプロットは、傾きが-1でy切片が最初の標的の濃度の対数と等しい直線を与えるはずである。
【0078】
例5
以下の実験は、LightCyclerのリアルタイム蛍光PCRを使って内部標準を用いHPV 16の量を決定するために行われる。
DNA/オリゴヌクレオチド
ヒトパピローマウイルスDNAがPBR322にサブクローニングされる。以下のプローブおよびプライマーは、クローニング、増幅、及び検出に用いられる。
【0079】
16HI13: 5’-GGGGATCCACTTCAGTATTGC-3’ (SEQ ID NO. 1)
16R19: 5’-GGGAATTCCATGGCTGATCCTGCAGGTAC-3' (SEQ ID NO. 2)
16HICS: 5'-GATCCTGCAGGTACCGATCGGATAGTGAGCGAGAGATAGGTAGGGATGGTTTTATGTAG -3' (SEQ ID NO. 3)
ISCp913/640: 5'-LC640-CTACCTATCTCTCGCTCACTATCCATC-P-3' (SEQ ID NO. 4)
16p913: 5'-LC705-ATTACATCCCGTACCCTCTTCCCCATT-3' (SEQ ID NO. 5)
900f16: 5'-CCATGGCTGATCCTGCAGGTA-3' (SEQ ID NO. 6)
1300r16: 5'-CCACTTCAGTATTGCCATACCC-3' (SEQ ID NO. 7)
16an913: 5'-CTCGTCATCTGATATAGCATCCCCTGTTTTTTTTTCCACTACAGCCTCTACATAAAACC-FITC-3' (SEQ ID NO. 8)
【0080】
蛍光色素
5’端がLCRed 640でラベルされたオリゴヌクレオチド(Roche Molecular Systems社)は、オリゴヌクレオチド合成後連結される。5’端がLCRed 705でラベルされたオリゴヌクレオチド(Roche Molecular Systems社)は、ホスホアミデートのように合成反応の間にオリゴヌクレオチドに連結される。3’端にFITCラベルされたオリゴヌクレオチド(Operon, Inc.社)は、HPLCで精製される。
【0081】
反応
最初の鋳型DNAのコピー数を検出するための人工システムが、バクテリアのプラスミドに既にクローニングされていたHPV 16ゲノムDNAを使って作成された。HPV 16人工鋳型は、順向きプライマーにEcoRI制限酵素サイトを導入し、逆向きプライマーにBamHI制限酵素サイトを導入することによって作製された。PCR産物は、pUC19プラスミドに容易にクローニングされることのできるようにHPV 16プラスミドから増幅された。
【0082】
同様に、内部定量標準はHPV 16を含むプラスミドDNAから変異の入ったPCRプライマーを用いて作成された。この人工配列を作成するための実験方法は図8に示した。まとめると、HPV 16のゲノム DNAを含むプラスミドDNAが、PCRプライマー900F16と1300R16を用いて増幅された。16ICSは、ランダム化したHPV 16の内部配列を含む長いプライマーである。そのDNAは、内部定量標準(IQS)配列を作成するためにこのプライマーを用いて増幅された。このランダム化された領域は、内部定量標準プローブ結合サイトとして働く。プライマー16R19と16HI13は、最後にpUC19プラスミドに人工配列を方向性を持ってサブクローニングできるようにEcoRIおよびBamHI制限酵素サイトを導入したものである。バックグラウンドから類似した鋳型をでないことを確認するために、HPV 16はもう一度16R19と16HI13プライマーを用いて増幅され、これによりpUC19プラスミドへの方向付けされたサブクローンが容易にされた。
人工IQSとHPV 16プラスミドの作成
1 μlあたり107コピーのHPV 16プラスミドDNAが、96穴マイクロタイタープレートに分注された。以下の最終濃度を持つ溶液が準備された。0.1μM 16HI13プライマーと0.1μM 16R19プライマーまたは16IQSプライマー、50 mMトリスpH8.3 (25℃)、4.0μM塩化マグネシウム、0.25 mg/ml牛血清アルブミン、各200 μMのdNTP、KlenTaq DNAポリメラーゼ 0.2 Units/μl、1:3000に希釈したSYBR GreenI (Molecular Probe社)。人工HPV 16およびIQSの増幅のための温度サイクル条件は、サンプルを変性させるための97℃30秒1サイクルを含んだ。増幅プロトコールは、90℃1秒の変性と55℃2秒のアニーリングと78℃18秒の伸長とその後の蛍光獲得を含んだ。それぞれの温度変化のための温度変化速度は最大で20℃/秒にセットされているが、アニーリングと伸長の間は10℃/秒にセットされた。反応物は0.8%SeaKemアガロースゲル(1xトリス、ホウ酸、EDTA、臭化エチジウム)で80mAで1.5時間泳動された。反応産物はUVライトで可視化され、産物のバンドはゲルから切り出された。産物はゲルからAmicon Gel Nebulizers (Part No. 42600, Beverly, MA)によって、説明書の手順に従って精製された。精製の後、IQSの鋳型の一部は人工IQS配列を完成させるために2回目の増幅を受けた。この反応は、鋳型DNAがIQSの一部であり、プライマーが16R19と16HI13であること以外は、上記と同じ条件で行われた。最終的に得られた完成型IQS配列は、バンドとして0.8%アガロースゲルから切り出され、上記と同じ方法で精製された。
【0083】
精製された人工HPV 16鋳型、IQS鋳型、pUC19 DNAは、説明書の手順にしたがってEcoRIとBamHI (Boehringer Manneheim Biochmicals社)によって制限酵素消化された。消化の後、DNAは0.8%アガロースゲルからバンドとして切り出され、上記の方法で精製された。精製された鋳型DNAは、T4 DNAリガーゼ(Boehringer Manneheim Biochmicals社)を使って、消化されたpUC19 DNAと14℃で一晩結合させた。結合したDNAは、大腸菌DH5αのコンピテントセルに導入され、125 μg/mlの濃度でアンピシリンを含むLuria Broth寒天培地上にまかれた。細胞は一晩37℃に保温された。大腸菌のコロニーはピックアップされ、125 μg/mlの濃度でアンピシリンを含むLuria Broth培地で16時間培養された。プラスミドはPromega社のWizard Miniprepsによって精製された。最終生成物は5分煮沸され、DNA濃度は分光光度計でA260とA280を計測することで決定された。挿入物は900f16と1300r16プライマーを用いた増幅、あるいはpBECIQSまたはpBEC16を用いたFRETプローブの特異性によって確認された。
【0084】
人工IQSとHPV 16の鋳型は、以下の全ての反応の鋳型として使用された。IQS産物とHPV 16産物を検出するための実験計画は、標的と競合物のDNAの間の違いを最小限にするという目標に基づく。IQSとHPV 16は両方とも、900f16と1300r16の1種類のプライマーセットで増幅された。1種類の蛍光ラベルされた「アンカー」プローブが、図6に示されたように、FRETが誘導した蛍光物質として検出プローブのとなりに位置するように使用された。検出プローブは、IQS産物のIQSp913またはHPV 16産物の16p913のどちらかに特異的にハイブリダイズするように設計された。IQSp913は、LightCyclerのチャンネル2で検出されることが可能であるLCRed 640でラベルされたプローブである。16p913は、LightCyclerのチャンネル3で検出されることが可能であるLCRed 705でラベルされたプローブである。この内部標準の実験計画により、2つの産物を色で区別する方法と同様に、1つの反応キュベット中で標的と競合物の両方を同時に増幅することができるようになる。
図9は、内部定量標準(IQS)とHPV 16人工鋳型の検出を示している。1種類のプライマーペア(900f16/1300r16)は、BPV 16人工鋳型を増幅するように設計されている。この同じプライマーペアは、内部定量標準配列も増幅する。人工HPV 16とIQS配列の両方に正確にマッチする58merの蛍光ラベルされたオリゴヌクレオチド(16an913)は、FRETアンカーとして働く。さらに、HPV 16配列を特異的に検出するプローブ(16p913)とIQS配列を特異的に検出するプローブ(ICSp913)の2種類のプローブが設計された。
【0085】
定量分析のための増幅
pBECIQSプラスミドとpBEC16プラスミドの連続的な希釈物が作られた。DNA鋳型は、96穴マイクロタイタープレートに分注され、混合された。定量のための試薬混合物は最終濃度が以下のように作製された。0.4 μM 900f16プライマー、0.1 μM 1300r16プライマー、0.3 μM 16an913蛍光プローブ、それぞれ0.1 μM 16an913 LCRed705およびIQSp913 LCRed 640プローブ、50 mMトリスpH8.3 (25℃)、3.25 μM塩化マグネシウム、0.25 mg/ml 牛血清アルブミン、各200 μMのdNTP、Taq DNAポリメラーゼ 0.2ユニット/μl。内部定量標準およびHPV 16 DNA鋳型を増幅するための温度サイクルの条件は、サンプルを変性させるための97℃30秒1サイクルを含む。増幅プロトコールは、92℃1秒の変性と47℃のアニーリングと5℃6秒の蛍光獲得と78℃12秒の伸長を50サイクルすることを含んだ。温度の変化速度は、最大20℃/秒にセットされたが、アニーリングと蛍光獲得の間の温度変化は0.4℃/秒にセットされた。
【0086】
結果
既にデルタC.T.等式の変形の中で示したように、標的と内部定量標準DNAは両方とも検出効率が等しいであろう。事実、これがこのシステムにあっているかどうかを決定するために、両方のプローブが存在し、1つのDNA鋳型だけ検出のために利用可能である反応中で、HPV 16かIQSかどちらかの交差閾値が決定された。図10に示したように、標的と競合物DNAの交差閾値は類似していた。図10は、色の補正、ベースラインの引き算、ノイズバンドの設定、最後に増幅曲線が検出できるサイクル閾値の検出後の増幅曲線の交差閾値を示す。これらの反応の増幅または検出効率は試験された濃度の全範囲では直線にならなかったが、交差閾値は内部定量標準と標的DNAの両方で矛盾しなかった。
【0087】
図10は内部定量標準と人工HPV 16鋳型の検出効率を示す。データは少なくとも3回の個別のデータポイントの平均値としてそれぞれ標準偏差と共に示されている。 典型的な内部コントロール反応が図11aと11bに示されている。IQS鋳型の連続的な希釈物が準備された(1x109、5x108、1x108、5x107、・・・1x103)。それぞれのサンプルがHPV16の1x106の開始コピー数の標的DNAを含み、競合物IQSDNAの連続的な希釈物の1つが加えられている。最初の標準はチャンネル2で検出され(図11a)、IQSの減少する濃度は、最初の鋳型コピー数が減少するにつれ、典型的な交差閾値サイクルがシフトすることを示す。図11bには、HPV 16のDNAがチャンネル3で検出されるように示されている。最初の鋳型DNAの1種類の濃度1x106から期待されるように、検出のサイクル閾値は28サイクルで一致している。図11aと11bのデータは、色彩補正ファイルを用いて、チャンネル2からチャンネル3にかぶってくる色を補正してある。
【0088】
異なる開始コピー数の標的DNAと競合物DNAが存在するとき増幅時におこるサイクルシフトは、片方の鋳型DNAが単一の開始コピー数でありもう片方の鋳型の開始コピー数が変化する反応においては、普通に観測される。図12a-cに、典型的なサイクルシフトの例が示される。3つの反応が示される。それぞれの反応は、IQSとHPV 16の増幅と検出のための鋳型とプローブを含む。内部定量標準(三角)とHPV 16(四角)が、濃度を変え混ぜられている。それぞれの場合で、HPV 16は最初の鋳型濃度が1x104である。内部定量標準は、最初の濃度が1x105(図12a)、次が1x104(図12b)、最後が1x103(図12c)である。それによると、IQSのDNAコピー数はHPV 16の10倍(図12a)から1/10(図12c)の範囲である。図12bに見られるように、標的と競合物DNAの最初のコピー数が等しければ交差閾値は同一である。しかし、競合物が10倍多かったり(図12a)または1x10倍少なかったり(図12c)すると、内部定量標準のサイクル閾値はHPV 16のサイクル閾値に比べて、それぞれ早まったり遅れたりする。
【0089】
競合物DNA(IQS)と標的DNA(HPV 16)の間のコピー数の違いによるサイクルシフトは、チャンネル2で検出されるIQSとチャンネル3で検出されるHPV 16の間のサイクル閾値の変化と、反応の最初のコピー数のIQSの対数とでプロットされる。図13は、標的であるHPV 16に対して1回の実験でそれぞれのDNA濃度につき3回ずつ測定を行う実験を2回個別に行ったデータを示す。HPV 16の最初の鋳型濃度は、1x102、1x103、1x104、1x105、1x106である。エラーバーは、4つの独立したデータポイントから計算した標準偏差から決定された。それゆえ、標準偏差は同じ時行った実験および別の時に行った実験の両方から算出されている。サイクル閾値エラーのほとんどは、別の時に行った実験のデータから派生している。プロットされた直線は、それぞれのIQSとHPV 16の濃度における平均のデルタC.T.のデータポイントの平均値の傾向を示している。それぞれの濃度のIQSと1x104の濃度のHPV 16における平均デルタC.T.データポイントの平均値の傾向を示す直線が、図13に示されている。傾向を示す直線は、ポイントに適合する最も良い直線を少なくとも4回解析することによって計算されている。表2は、傾向を示す直線に合う直線に対する数式を示している。
【0090】
内部定量標準曲線からのデルタC.T.データの解析が、表2に示されている。標的の濃度を計算するために使用された傾向を示す直線の数式は、太字で示したlog[T0]を用いて示されている。増幅効率、HPV 16標的DNAの実際の濃度および計算された濃度も示されている。
【0091】
【表2】
Figure 0004814479
【0092】
これらの直線のそれぞれの傾きの対数は、平均反応効率を出すために計算され、y切片の対数は観察された標的DNAの濃度を計算するために使用された。それぞれのサンプルにおいてDNA濃度を限定希釈決定し、それにより算出したそれぞれの反応における最初の鋳型コピー数に基づき推測される濃度と比べて、観察された標的濃度は、24%以上の違いはなかった。
【0093】
類似した鋳型を増幅するために用いられた共通のプライマーセットの使用と、それらの鋳型の産物を検出するための2つのハイブリダイゼーションプローブ系は、明らかに類似した交差閾値を持つサンプルを見いだした。内部定量標準へのこの2色検出システムの適用は、標的DNA濃度の両側の10倍の最小限の有効範囲で内部定量を導き出すための交差閾値データに簡単な操作するだけの数式を変化させることにより、簡便化された。
【0094】
上記の例はFRETオリゴヌクレオチドプローブ系を組み込んだが、この発明の技術的範囲には他のプローブシステムも使用されてよいことは理解される。例えば、シングルラベルのオリゴヌクレオチドプローブが使用されてもよいが、その場合アンカープローブの必要性が消失する。以下の例では、FRETオリゴヌクレオチドプローブ系(センサーと受容体)とシングルラベルプローブシステム(センサープローブのみ)の両方を使用している。
【0095】
例6
この例は、混合物の中で異なる核酸標的の割合が熱力学モデルに基づくシグナル加工アルゴリズムを用いて定量化できることを説明する。典型的な2対立遺伝子システムでは、このアルゴリズムを使って対立遺伝子分画を100の中の1まで正確に決定できる。この方法は、例えば遺伝子発現の対立遺伝子パターン、プールされた人口における対立遺伝子頻度、混合された組織サンプルの異なる細胞タイプの割合などを求めるときに使用されることができる。
【0096】
2対立遺伝子システムのモデル
ヒトp53遺伝子のシングルヌクレオチド多型性(SNP)遺伝子座(GenBank Accession #U94788)が、標的として用いられる。SNP遺伝子座の検出と解析は、3'蛍光ラベルセンサープローブ(5'GTTCCTGCATGGGCGGCATGAAC-F (SEQ ID NO.9))を使用することにより可能である。野生型標的配列に完全にマッチしたときは、このプローブのTmは70℃である。突然変異対立遺伝子にハイブリダイズしたときは、プローブの5'端から12番目の位置でGAミスマッチが生じることによりプローブのTmは62℃にシフトする。
【0097】
このセンサープローブは、標的鎖のG残基の効果によりハイブリダイズするとプローブのシグナルが減少する蛍光消光機構(Crockett and Wittwer, Anal Biochem. 2001, 290(1):89-97参照)により単独でSNP遺伝子座を検出するために使用されることができる。シグナルの変化が、LightCyclerのF1チャンネルに観測される。実例では、このプローブは蛍光共鳴エネルギー受容体色素として5'端にLCRed 640でラベルされた受容プローブ(5' 640-GGAGGCCCATCCTCACCATCATCACACTGGAAC (SEQ ID NO.10), Tm=75℃)とペアにされることもできる。このFRETペアプローブシステムによるシグナル変化は、F2チャンネルで観測される。
【0098】
標的の調整
野生型と突然変異遺伝子座の標的は、順向きプライマー5' GCGCACTGGCCTCATCTT (SEQ ID NO. 11) (Tm=62.9℃)と逆向きプライマー5' GGTCAGCGGCAAGCAGA (SEQ ID NO. 12) (Tm=62.6℃)を用いたPCRによって作製された。増幅されたサンプルは精製され、分光高度計で定量され、様々な既知のモル比で混合された。
【0099】
融解曲線解析
反応混合物は、DNA (2000コピー/10 μl)、KlenTaq酵素(0.8 U/10 μl)、TaqStart抗体(0.088 μg/10 μl)、0.2 mM dNTP、3 mMマグネシウムイオンを含む1x PCRバッファー(Idaho Tchnology Inc., UT)、0.2 μMアンカープローブおよび/またはセンサープローブからなる。例4と異なり、この系のヘテロ接合体サンプルは約1の融解ピーク面積比を与えるので、大量のプローブを使用する必要はない。温度サイクルの条件は、94℃(移行速度は20℃/秒、0秒間保持)、56℃(移行速度は20℃/秒、5秒間保持)、74℃(移行速度は2℃/秒、7秒間保持)。40サイクルした後、94℃でサンプルを変性し40℃でアニーリングし温度移行速度0.2℃/秒で2本鎖DNAを融解することにより融解曲線解析が行われる。融解の間、蛍光は継続的に観測される。その結果できた融解曲線データ(図16aと16cに対立遺伝子比50:50の例、図17aと17cに対立遺伝子比95:5の例を示す)は、熱力学モデルに基づくシグナル加工(TMBSP )ソフトウエアで直接解析され、対立遺伝子比が推測される。2つの外部標準(100%野生型対立遺伝子と100%突然変異対立遺伝子)がTMBSP解析法のために与えられる。ピーク面積比法を用いて対立遺伝子分画を推測するために、最初に融解曲線データは負の1回微分をとることにより融解ピークデータ(図16bと16dに対立遺伝子比50:50の例、図17bと17dに対立遺伝子比95:5の例を示す)に変換される。その後、そのデータは例4に記載したようにLCDAソフトウエア(Roche Molcular Biochemicals社)のようなソフトウエアを用いて解析される。
【0100】
熱力学モデルに基づくシグナル加工(TMBSP)アルゴリズム
アルゴリズムは、デジタルシグナル加工と混合物の中の物質のマスフラクションを計算するための熱力学観測を結びつける。デジタルシグナル加工は、高速フーリエ変換を使用するとともに小振幅フーリエモードとシグナル中のノイズを連結することにより行われる。熱力学モデルはGibbsの混合物自由エネルギーに基づいており、融解した物質の中では化学的相互作用はないと仮定する。さらに、アルゴリズムは標準値がなくても混合サンプルの融解シグナルを解析する能力を持っている。この方法により、融解温度と未知の物質の分画がわかる。
【0101】
以前の技術は例示した方法と4つの違いがある。まず、ほとんどの技術はたくさんの異なる種類の物質から出るシグナルから個別の物質を同定するために、フーリエに基づいた脱回旋を用いてシグナル加工を行う。これらの方法は、入力シグナルは予め決定された回旋中心を用いた個々のシグナルの回旋であると仮定する。この種の方法の例は、米国特許第 5,273,632,5,748,492号と第5,346,306号にある。本願開示の例示方法は、物質のマスフラクションを決定するための物質として脱回旋中心を決定する。
【0102】
2つ目に、以前の技術は一度に1つしか目的の物質の量を決定できない。一度シグナルの物質が決定されたら、これらの方法はシグナルから結論を引き出し、その後次の物質を決定する。この種の方法の例は、米国特許第 5,985,120号にある。本願開示の方法は「一度に全て」のアプローチでマスフラクションを決定する。
【0103】
3つ目に、デジタルシグナル処理を用いた以前の技術は、米国特許第 5,906,919号、第5,912,165号、 第6,066,459号、第6,054,268号にあるように電気泳動かそれに類似した方法で、PCRで増幅したサンプルを映像にしたものを解析するか、または米国特許第 6,054,268号または第6,268,131号のようにマススペクトロメーターを使用していた。本発明の方法では、PCRサンプルを増幅した後操作する必要はない。
【0104】
4つ目に、米国特許第 6,221,600号のようなPCRをもとにした応用にデジタルシグナル加工を使用した以前の技術は、熱力学モデルを使用しない。
【0105】
本発明は、目的物質のパラメーターのセットの決定を、同時に行われる光学シグナル加工計画の決定の加工と結びつける。
【0106】
個別フーリエ変換(DFT)を用いたデジタルシグナル加工は、高速フーリエ変換(FFT)が発見されて以来広く用いられてきた。基本的な考えは、シグナルを正弦曲線シグナル(または基底関数)との一次結合として示すことであり、またシグナルについて信頼できる情報を含むそれらの正弦曲線基底関数を保持することである。
【0107】
DFTは、周期的な関数に近似させるためにフーリエ級数から有限数の文字を用いる。フーリエ級数は、合理的な量のなめらかさで周期的な関数を表す。蛍光融解シグナルをf(T)と考えると、f(T)のフーリエ級数は
【0108】
【式1】
Figure 0004814479
ここで、温度が変数の変化により再び測定され
【0109】
【式2】
Figure 0004814479
変数g(k)はf(T)の個別フーリエ係数である。それぞれの計数g(k)は積分をコンピューターで計算することにより算出され
【0110】
【式3】
Figure 0004814479
そして、FFTは、これらの積分のセットをコンピューターで計算するのに効果的な方法である。
【0111】
実際には、これらの文字の有限数だけがコンピューターで計算され、いくつかの文字はシグナル中のノイズを表しているので意味がない。DFTは、ノイズをゼロにするこれらの個別フーリエ係数をセットすることによりシグナルからノイズを消去する簡単な方法を与える。どちらがノイズに相当する係数で、どちらがシグナルに相当するかは、決定されないままである。
【0112】
数学的公理はこれを遂行するために役に立つ。個別フーリエ係数の対数係数の和は、関数f(T)の平均または
【0113】
【式4】
Figure 0004814479
に等しい。
【0114】
シグナル中のノイズは小さいと仮定すると、ノイズを消去する共通で安全な方法は、この特性を使いDFTの数字を十分に保持することである。すると、実際のシグナルの平均と加工されたシグナルがお互いに近接する。特に、σが小さな同調パラメーターで、もし│g(K)│<σであったらg(k)=0にセットする。もしK(σ)がゼロにセットされていない個別フーリエ係数のセットであったら、加工シグナルは
【0115】
【式5】
Figure 0004814479
であり、それは加工されたシグナルが実際のシグナルと近接しているという特性をもつ。なぜなら
【0116】
【式6】
Figure 0004814479
は構造により、小さいからである。さらに、実際のシグナルに小さな量しか与えない周期基底関数は無視される。通常これらの基底関数は高速で振動しており、ノイズとして同定される。この方法はさらに、実際のシグナルとデータの小さなセットを近似する利点がある。保存しておかなければならないデータは、セットされたK(σ)の波の数と、一致する個別フーリエ係数だけである。
【0117】
熱力学モデル
PCR産物の蛍光シグナルは、産物が変性すると減少したり増加したりする。この過程は、熱力学を用いて理解される相変移である。混合物質の相変移の熱力学は、基本物質の相変移の熱力学に基づいている。
【0118】
1, 2, ..., Nでラベルされた、多くの物質の混合物を考える。もしGi(T)が温度の関数として物質iのGibbsの自由エネルギーであるとしたら、これらの物質の混合物のGibbsの自由エネルギーは
【0119】
【式7】
Figure 0004814479
で与えられ、miは物質iのマスフラクションである。撹拌によるエネルギーはΔGmixであり、それは物質iとjを混合したことにより導入されたエントロピーの変化を説明する。水溶液中では、この数字は通常小さい。
【0120】
蛍光融解シグナルは、物質のGibbsの自由エネルギーを測定しない。しかし、温度の関数としてシグナルは単調に変化するので、温度自体が、蛍光の関数、即ちT(f)でfは蛍光融解シグナルとして考えることができる。
【0121】
Gi(T)は典型的に、特に相変移に近い温度では、温度の単調な関数であるので、これは役に立つ観察である。温度はfの関数であるので、T(f)でGi(T)を構成することはGiが蛍光の関数であることを示唆する。最後に、Giは単調な関数であるので、蛍光はGiの関数であると考えることができる。
【0122】
これらの観察からPCR混合物の蛍光は
【0123】
【式8】
Figure 0004814479
という式をモデルにすることができることが示唆される。ここで、fiは種iの蛍光融解シグナル、fmixは種iとjの混合物の蛍光融解シグナルである。
【0124】
蛍光融解シグナルfiとfmixが与えられ、蛍光混合数を無視することで、miに対して0と1の間のどの値をとったとしても以下の目的関数を最小限にすることにより物質のマスフラクションの良い近似値が得られる。
【0125】
【式9】
Figure 0004814479
【0126】
基底関数近似
解析される蛍光融解シグナルは、上記のfiのような標準融解シグナルを持つかもしれないし持たないかもしれない。標準シグナルがないときは、標準シグナルの近似値が求められなければならない。例示する近似スキームは、産物の蛍光融解シグナルが融解変移より高い温度(すなわち「融解相」)では本質的に直線であり、融解変移より低い温度(すなわち「アニーリング相」、図20参照)では本質的に非直線であるという観察に基づいている。
【0127】
標準シグナルに近似するためには、全てのPCR混合物の蛍光融解シグナルはある合理的なシグナルに相対的に測定され、残りのデータの近似値が計算される。使用される数学モデルは
【0128】
【式10】
Figure 0004814479
モデル中で使用される数は以下のように規定される。
・ T-温度
・ fr(T) -融解曲線の近似された蛍光
・ P1(T) -アニーリング相での蛍光を示す非直線関数
・ P2(T) -融解相での蛍光を示す直線多項式
・ Mj(T) -融解した種jの画分;Mj(T)=0は種jがアニーリングしたことを示し、Tjは融解温度
・ mj-サンプルの入った入れ物の中の種jの持続的なマスフラクション
【0129】
最終的に、それぞれの融解が1つずつの文字で表され、モデル中の全ての数はNで示される文字を含むことになる。
【0130】
観察された反応と初歩熱力学の組み合わせを用いて、モデルがたてられた。Pj(T)というバックグラウンドの文字は単にデータと共に経験に基づいているが、分数の融解等式の直線結合は、物質の混合物の自由エネルギーに基づいている。自由エネルギーは、最初の希望通り混合物の物質の自由エネルギーの総和である。物質の自由エネルギーの変化はプローブ融解実験の相変移の推進力となるので、サンプルの蛍光は個々の物質の蛍光の直線結合に近いことが期待される。この前後関係でいえば、Mj(T)という数字はおそらくjに対するプローブが標的に結合しているであろうことを示している。融解数Mj(T)は、融解変移の時最も急な曲線を示す融解温度Tjと融解変位の幅wjの2つのパラメーターに依存している。
【0131】
アルゴリズム連結
完全なアルゴリズムの前段階における最初の段階で測定が行われ、融解シグナルのないサンプル(「ネガティブ」)が見つかる。そして、残りの関数を特定するパラメーターが見つかる。最後に、反復処理が一度に残りを加え、なめらかにするパラメーターσ、既知標準のマスフラクションmi、残りの関数Tjとmjの融解温度とマスフラクションのパラメーターを同時に見つけるために目的関数を最小化する。
【0132】
【式11】
Figure 0004814479
反復過程は、εを許容誤差としたときマスフラクションの和が1-εより大きくなったときと、混合物質の近似融解シグナルがfmixに十分近づいたときに停止する。以前の連結結果は、目的関数を最小化する最適化ソフトウエアに入力するための入力として用いられる。アルゴリズムで用いられる許容誤差制限εは、シグナル中のノイズの相対的な大きさに比例する。別の許容誤差を選別する方法も使用可能である。
【0133】
アルゴリズム処理の全行程のフローチャートが、図18に示されている一番上の欄はアルゴリズムへの入り口であり、使用者は標準と未知の物質を指定する。2つ目の欄では、全てのシグナルの計測因子が決定され、どのシグナルがネガティブであるかが決定される。3つ目の欄では、残りの因子のパラメーターが決定される。もし標準の連結が未知の融解曲線に対して適するモデルであったら、残りのパラメーターはゼロになる。既知標準fiがない場合、近似曲線fがもっぱら使用される。
【0134】
下の3つの欄は、全ての未知の物質を見つけるための反復アルゴリズムを形成している。1つ目の欄では、この項で定義された最小限化の問題が一般に用いられている標準と残りのものを組み合わせることによって解決されている。そしてそのモデルは未知のものと比較され、その組み合わせが許容誤差制限内であったらアルゴリズムは停止し、その結果を報告する。その組み合わせが許容誤差制限を越えていたらアルゴリズムは新しい標準を決定し、問題を最小限にする解決案を報告する。
【0135】
結果
野生型対立遺伝子分画は、(1)熱力学に基づいたシグナル加工(TMBSP)法と(2)LCDAソフトウエアを用いた融解ピーク面積比解析法を用いて(「出力」として)推測される。表3と4において、それらの出力はサンプルの中の実際の対立遺伝子分画(「入力」)と比較されている。TMBSP解析の出力は、用いられたプローブシステムとは関係なく、全ての対立遺伝子分画に対して得られる。その値は、入力値とよく合致した。融解ピーク面積比解析の出力は、遺伝子分画が10%以上90%以下の条件でFRETペアプローブを用いたときのみ得られる(表3)。センサープローブのみを用いると融解曲線データに逆方向のシグナル変化が起こる(図16b、17b)ので、この解析に使用されるLCDAソフトウエアは融解ピーク面積比を出せなかった。LCDAソフトウエアは、遺伝子座分画が10%以下90%上でも検出できなかった。
【0136】
【表3】
Figure 0004814479
【表4】
Figure 0004814479
【0137】
出力値と入力値の間の違いが、入力値に対してプロットされる(図19)。違いにおいてゼロは、出力値と入力値が完全に一致することを示す。TMBSP法を用いた出力値と入力値の間の違いは、平均-0.15(標準偏差=2.4)であり95%の信頼区域はゼロを含む。これはTMBSPアルゴリズムによって得られた推測は高い正確性を持つことを示す。融解ピーク面積比解析を用いた出力値と入力値の間の違いは平均-4.2(標準偏差=2.9)である。95%の信頼範囲はゼロを含まない。これは、融解ピーク面積比法は統計的偏りがあることを示す。
【0138】
例7
この例は、混合物中の遺伝子量は熱力学モデルに基づいたシグナル加工(TMBSP)アルゴリズムを用いて定量できることを説明する。
典型的な系では、目的の遺伝子座はPCRの前に既知量の増幅されない競合物を加えることにより、欠失や重複がおこっていないかを調べる。PCRの後、野生型サンプルで遺伝子座と競合物の間の遺伝子量比が、アルゴリズムを用いて未知のサンプルにおける比に対して比較される。例えば、ガン抑制遺伝子でエキソンにおこった欠失と重複が存在することが知られており、それらは乳ガン、胆嚢ガン、遺伝性ポリープ症直腸ガンを含む様々な腫瘍に重要であると考えられているが、これらの長い欠失や重複は典型的な解析法の限界により困難であった。
【0139】
PCRプライマーは、目的の遺伝子座の断片を選択的に増幅する。典型的には、断片は100 bpから200 bpであるが、それより長くても短くてもよい。例えばハイブリダイゼーションプローブのセットまたはシングルラベルのプローブのような配列特異的プローブ系は、増幅された断片の一部に対する相補的配列が与えられている。実例では、この断片はシングルヌクレオチド多型性が知られている部位は避けられる。さらに、1本鎖競合物ポリヌクレオチドが与えられる。一般的にプローブに相補的であるが1つまたは多数のミスマッチが存在するものもある。この競合物鎖は実例として増幅された断片より短く、典型的には50から60塩基対であり、プライマーがハイブリダイゼーションする領域は欠けているので競合物はPCR中増幅されることはない。また、競合物の3'端はリン酸化されているので、自身がプライマーとして働くことが抑制される。典型的なレポータープローブは17から19塩基対の長さであり、競合物鎖の1塩基のミスマッチおよび/または1塩基の欠失は融解温度(Tm)を10から12℃シフトさせる。そのような競合物配列の変化により、競合物と興味の標的は異なるTmを持つようになる。または、競合物に完全にマッチした(標的にはミスマッチを持つ)プローブを作成する方法もある。
【0140】
実例では、0.1から0.2 μMのプライマーと増幅に必要な他の試薬を含む10 μLのPCR混合物中に存在する10 ngのヒトゲノムDNAに対して、1 μMの競合物が加えられる。
【0141】
PCRの後、同じ既知量の競合物を含むサンプルについて融解曲線解析が行われた。典型的には、指数相において融解曲線解析を開始する必要はない。PCRが40から45サイクルした後産生されたPCR増幅物質は、平坦相において正確なデータを与える。2段階の標準が用いられる。1段階目は、1)競合物なしの野生型サンプルと2)競合物自身からなる。2段階目は、競合物と混合された野生型サンプルからなる。1段階目の標準融解曲線から、TMBSPアルゴリズムは混合された野生型標準の中の遺伝子座と競合物の比をコンピューターで計算する。その後、未知のサンプルは類似した方法で解析され、野生型においての比で標準化される。野生型であるサンプルは標準化された比1を持つ。片方の染色体で目的の対立遺伝子が欠失している(しかしもう片方は欠失していない)サンプルは、標準化された比0.5を持つ。片方の遺伝子座が1回の重複を持つサンプルは、標準化された比1.5を持つ。
【0142】
例8
例7の典型的な系は、PCRの前にサンプルDNAの量が調節できないような状況に適応できるように、さらに改良される。サンプルのDNA量を標準化するために、ハウスキーピング遺伝子を用いる方法がよく知られている。1つ目のプローブセットと異なる蛍光色素でラベルされていることが好ましいハウスキーピング遺伝子に対する2つ目のプローブセットと1つ目の競合物と全く同じ量のハウスキーピング遺伝子に対する2つ目の競合物が、サンプルに加えられる。または、1つ目と2つ目の競合物の配列を持つキメラ競合物が、2つの競合物配列の遺伝子量が等しいことを確認するために用いられる。ハウスキーピング遺伝子と競合物の比は全てのサンプルでアルゴリズムを使用して計算され、遺伝子座の量を標準化するために用いられる。
【0143】
例9
例7で記述した系は、さらに基底関数近似アルゴリズム(詳細は例6)を用いることによってより単純化される。この場合、標準融解曲線は1つしか必要ではない。近似アルゴリズムは競合物と混合された野生型サンプルの融解曲線をとり、曲線を2つの標準曲線(片方が遺伝子のみでもう片方が競合物のみ)に分ける。野生型サンプルの遺伝子座と競合物の比は1が割り当てられる。アルゴリズムによって得られた標準曲線は、その後TMBSPアルゴリズムを用いた未知のサンプルの比を計算するために用いられる。最終的な答えは、例7で出された答えと同じである。
【0144】
例10
この例は、生物学的サンプル中の2つまたはより多くの核酸のマスフラクション(またはモル比)が、増幅するための同じPCRプライマーセットや、異なる核酸に対して同じプローブセットを用いる制限がなくても、熱力学モデルに基づくシグナル加工(TMBSP)アルゴリズムを使用することで定量できることを説明する。
【0145】
ヒトHER-2/neu遺伝子とハウスキーピング遺伝子のベータアクチンの断片が、それぞれの遺伝子に対する個別のPCRを用いて増幅され、個別のプローブを用いて融解解析が行われる。プローブはLightCyclerの検出チャンネルの1つで両方の遺伝子の検出ができるように蛍光ラベルされる。プローブは2つの遺伝子が区別できるように異なる融解温度(Tm)を持つ。例4には、LCRed 640でラベルされたHER-2/neuプローブがTmが64℃のレポータープローブとして使用されると記述されている。米国特許第 6,174,670号には、ベータアクチンプローブはCy5でラベルされたレポータープローブであり、Tmは約74℃であると記述されている(米国特許第6,174,670号 SEQ ID NO.3とSEQ ID NO.4)。野生型標準からの融解曲線データは、まずデータを2つの分離した融解曲線に変えるために基底関数近似アルゴリズムによって解析される。その後、他のサンプルのHER-2/neuとベータアクチンの比が、野生型標準において1.0とした比を用いてTMBSPアルゴリズムによって計算される。類似したアプローチを用いた方法も考慮され、生物学的サンプルの中の2つ以上の核酸物質が定量されることが可能である。
【0146】
よりよい具体例を引用することで詳細に発明を説明してきたが、この発明を変形したものや修飾したものも、以下の請求項に記述し定義したように発明の視野と意図の中に存在する。
【0147】
Figure 0004814479
Figure 0004814479
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Figure 0004814479
Figure 0004814479
Figure 0004814479
Figure 0004814479

【図面の簡単な説明】
【図1】 LightCycler の機械および光学設計の一例図である。
【図2】増幅産物を検出するための様々な蛍光検出法の一例図である。図2a-b は、2 重鎖特異的な色素による増幅産物の検出を示す。図2c-d は、増幅産物の合成により供与光が生じるTaq Man 法を示す。図2e-f は、2 つの個別にラベルされたプローブが核酸配列の近接した領域にハイブリダイズすることによって蛍光共鳴エネルギー転移がおこるハイブリダイゼーション・プローブ法を示す。
【図3】ハイブリダイゼーションのデータを用いた典型的な外部標準曲線を示す。図3a は蛍光比の対数とサイクル数のプロットである。図3b はコピー数の対数と2回微分の最大値のプロットである。
【図4】蛍光と温度の関係をプロットすることにより得られる典型的な標準曲線(図4a )と、突然変異のホモ接合体(・・・)、野生型 のホモ接合体(−・−)、突然変異のヘテロ接合体(− −)、DNA なし(− −)のときの温度に対してプロットした典型的な標準曲線の微分商(図4b )である。
【図5】いくつかの核酸の融解解析を示す。図5a は、融解曲線から作られた融解ピークを示す。それぞれの曲線の下の部分の面積は、Gaussian 曲線に融解曲線のデータを適合させるために非直線回帰を使用して計算された。図5b は蛍光の対数とサイクル数のプロットについての様々な増幅曲線を示す。図5c は図5b のデータを【式】の形式に変換したものである(実線は図5b のデータから計算した交差点を示し、破線は直線回帰を示す。)
【図6】 HPV 16 に対する競合物DNA 断片および標的プローブ、競合物プローブ、アンカープローブのヌクレオチド配列である。
【図7】 HER-2/neu (標的)とその競合物、およびレポータープローブ、アンカープローブの塩基配列と、レポータープローブが標的と競合物にハイブリダイズするときの予想される溶解温度Tm を示す。
【図8】 HPV 16 に対する競合物DNA 断片を作製するための戦略を図に示したものである。
【図9】内部定量標準とHPV 16 の人工鋳型を検出するために用いられたハイブリダイゼーションプローブを図に示したものである。
【図10】内部定量標準(▲)と人工HPV 16 鋳型(□)の検出効率を図に示したものである。データは少なくとも3 回の別々に行ったデータの平均値で示されており、標準誤差をそれぞれについて記してある。
【図11】内部でコントロールされたハイブリダイゼーションプローブ反応からの蛍光データを証明する典型的な内部コントロール反応を示す。1x109 (1); 5x108 (2); 1x108 (3); 5x107 (4); 1x107 (5); 5x106 (6); 1x106 (7); 5x105 (8); 1x105 (9) の内部定量標準が図11a にプロットされている。それぞれのサンプルの中の1x106 の濃度のHPV 16 は図11b に示されている。
【図12】内部定量標準(白三角)とHPV 16 (白四角)に対する検出された蛍光とサイクル数を図に示したものである。それぞれの場合でHPV 16 の最初の鋳型濃度は1x104 である。内部定量標準の最初の鋳型濃度はそれぞれ1x105 (12a )、1x104(図12b )、1x103 (図12c )である。
【図13】最初の競合物のコピー数の対数と交差閾値(デルタC.T. )を図に示したものである。内部定量標準反応と、異なる濃度のHPV 16 の人工鋳型のグラフである。HPV 16 の最初の鋳型濃度は1x102 (白丸)、1x103 (白三角)、1x104 (白四角)、1x105 (黒四角)、1x106 (黒三角)である。エラーバーは、4 回の独立の反応のデータポイントからの標準偏差から決定された。標的と競合物のそれぞれの比における95% の信頼区域をx 軸に示した。
【図14】ハイブリダイゼーションプローブによって検出し, 融解曲線解析ソフトウエアを用いて導いた、突然変異と野生型のHER-2/neu標的の融解ピーク面積と産物濃度の関係を示す。様々な濃度で人工オリゴヌクレオチド鋳型がプローブと混合され、融解ピーク面積はLightCyclerの融解曲線解析ソフトウエアを用いて決定された。
【図15】 PCR増幅の後の、融解曲線解析による突然変異(M)と野生型(WT)HER-2/neu標的の定量を示す。突然変異と野生型の鋳型は、個々におよび様々な比で混合されたもの(入力比)が40サイクルのPCRによって増幅され、融解曲線がPCR産物より作成された。融解曲線は、突然変異と野生型PCR産物の比(出力比)を決定するためにTMBSPアルゴリズムによって解析された。
【図16】センサープローブのみによって検出された(図16aおよびb)、あるいはFRETプローブにより検出された(図16cおよびd)、野生型(WT)サンプル (− −)、突然変異(Mut)サンプル (・・・)、野生型と突然変異対立遺伝子の50:50の比の混合物(Mix) (− −)の融解解析のプロットである。図16aとcは融解データ(蛍光と温度)を示し、図16bとdは融解ピークデータ(負の1回微分-dF/dT)を示す。
【図17】センサープローブのみによって検出された(図17aおよびb)、あるいはFRETプローブにより検出された(図17cとd)、野生型(WT)サンプル (− −)、突然変異(Mut)サンプル (・・・)、野生型と突然変異対立遺伝子が95:5の比の混合物(Mix) (− −)の融解解析のプロットである。図17aとcは融解データ(蛍光と温度)を示し、図17bとdは融解ピークデータ(負の1回微分-dF/dT)を示す。
【図18】熱力学モデルに基づくシグナル加工アルゴリズムのフローチャートである。
【図19】入力(サンプルに含まれる野生型対立遺伝子の正確な分画)と入力と出力(解析ソフトウエアによって予想された分画)の間の違いのプロットである。熱力学モデルを基にしたシグナル加工アルゴリズムからの結果(白丸)および融解ピーク面積ソフトウエア(黒丸)からの結果が示されている。
【図20】非直線の「アニーリング相」と、(融解相ではなく)融解移行相と、直線の「融解相」の3相からなる融解曲線を図で示したものである。融解曲線を近似するための基底関数近似アルゴリズムは、このモデルに基づく。

Claims (15)

  1. テストサンプル中に存在する第一と第二の標的核酸のマスフラクションを決定する方法であって、
    温度(T)を超える前記第一の標的核酸の蛍光の変化に対応する、第一の標的核酸の近似標準融解シグナル(fi)、および、温度(T)を超える前記第二の標的核酸の蛍光の変化に対応する、第二の標的核酸の近似標準融解シグナル(fi)をそれぞれ得るステップと、
    前記第一と第二の標的核酸にハイブリダイズする量に依存してシグナルを出すように構成され、さらに、融解温度に依存して前記第一と第二の標的核酸を識別するように構成された蛍光核酸指示剤に、前記テストサンプル中の標的核酸を接触させるステップであって、前記蛍光核酸指示剤が、蛍光でラベルされた配列特異的なオリゴヌクレオチド・プローブを含むことを特徴とするステップと、
    前記指示剤の励起波長で前記オリゴヌクレオチド・プローブを含む前記テストサンプルを、照射するステップと、
    前記照射されたテストサンプルについて、アニーリング温度と該アニーリング温度よりも高い変性温度との間を温度サイクルするステップと、
    前記照射されたテストサンプルの温度を変化させている間、温度(T)を超える該テストサンプルの蛍光の変化に対応する該テストサンプルの蛍光融解シグナル(fmix)を得るために前記照射されたテストサンプルの蛍光の変化をモニターするステップと、
    前記第一と第二の標的核酸の前記近似標準融解シグナル(fi)の組み合わせとして、温度(T)を超える前記テストサンプルに対して蛍光融解シグナル(fmix)を近似するステップと、
    Figure 0004814479
    に従って、前記テストサンプル中の前記第一と第二の標的核酸の前記マスフラクションmiを決定するために、fiとfmixを用いることを特徴とするステップと、
    を含む方法。
  2. 前記照射されたテストサンプルについて、アニーリング温度と該アニーリング温度よりも高い変性温度との間を温度サイクルするステップが、
    前記アニーリング温度から前記変性温度へ照射されたテストサンプルの温度を上昇させるステップと、
    前記照射されたテストサンプルの温度を一定時間前記変性温度に維持するステップと、
    前記照射されたテストサンプルの温度を、前記変性温度と同じかそれより低い温度まで下げるステップと、
    前記照射されたテストサンプルの温度を、前記変性温度と同じかそれより低い温度で、少なくとも所定の時間維持するステップと、
    を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記照射されたテストサンプルについて、アニーリング温度と該アニーリング温度よりも高い変性温度との間を温度サイクルするステップが、
    所定の回数、温度を上昇、下降、および維持するステップを実行することによって、前記照射されたテストサンプルを温度サイクルすることを含むことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  4. 前記照射されたテストサンプルについて、アニーリング温度と該アニーリング温度よりも高い変性温度との間を温度サイクルするステップが、
    前記照射されたテストサンプルについて、前記アニーリングと前記変性温度の間の温度サイクルを所定の回数繰り返すことを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  5. 前記照射されたテストサンプルについて、アニーリング温度と該アニーリング温度よりも高い変性温度との間を温度サイクルするステップが、
    前記照射されたサンプルについて、前記アニーリング温度、前記変性温度、および、伸長温度の間の温度サイクルを所定の回数繰り返すことを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  6. 前記照射されたテストサンプルの蛍光の変化をモニターするステップが、
    前記照射されたサンプルについてのアニーリング温度と変性温度の間の各温度サイクルにつき1回ずつ、前記照射されたテストサンプルの蛍光の変化をモニターすることを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  7. 前記照射されたテストサンプルの蛍光の変化をモニターするステップが、
    前記照射されたサンプルについてのアニーリング温度と変性温度の間の温度サイクルの間、前記照射されたサンプルの蛍光の変化を連続的にモニターすることを含むこと特徴とする、請求項1に記載の方法。
  8. 請求項1に記載の方法であって、
    近似標準融解シグナルを持たない追加の種の各々に対するPCR反応の蛍光融解シグナルを近似するステップと、
    近似標準融解シグナルを決定するために、前記近似蛍光融解シグナルの各々を反復処理するステップと、をさらに含み、
    前記近似標準融解シグナルは、熱力学とシグナル処理を組み合わせたモデルに従って、近似標準融解シグナルを持たない前記追加の種のマスフラクションを決定するためのシグナルである、
    ことを特徴とする方法。
  9. 請求項8に記載の方法であって、
    前記反復処理のステップが、
    結果を得るために、前記近似蛍光融解シグナルと、前記近似標準融解シグナルの各々を用いて、熱力学とシグナル処理を組み合わせたモデルを解明すること、
    前記熱力学とシグナル処理を組み合わせたモデルに対する前記解明の結果が最小化されているか否かを検出すること、
    前記熱力学とシグナル処理を組み合わせたモデルに対する前記結果が最小化されていない場合に、前記結果に基づいた、他の近似標準融解シグナルを規定し、前記解明のステップを再び実行すること、
    を含むことを特徴とする方法。
  10. 請求項9に記載の方法であって、
    前記熱力学とシグナル処理を組み合わせたモデルに対する前記結果が最小化されているか否かを検出する工程が、
    前記第一と第二の標的核酸のマスフラクションの合計を計算し、
    前記マスフラクションの結果と差1−ε(εは許容誤差値)とを比較し、
    前記マスフラクションの合計が1−εより大きい場合に、前記熱力学とシグナル処理を組み合わせたモデル対する前記結果が最少化されているか否かを検出する、
    ことを特徴とする、方法。
  11. 請求項9に記載の方法であって、
    前記熱力学とシグナル処理を組み合わせたモデルが次の式で定義され、
    Figure 0004814479
    σは滑らかにするパラメーターであり、
    σ mix は、近似標準融解シグナルを持たず、σより大きい蛍光融解シグナル数の各々を示し、
    iは前記第一と第二の標的核酸の各々のマスフラクションを示し、
    σ は近似標準融解シグナルを示し、
    (T)は近似された標準融解シグナルを示す
    ことを特徴とする、方法。
  12. 前記第一の標的核酸のマスフラクションが前記第二の標的核酸のマスフラクションよりも大きければ、前記第一と第二の標的核酸のマスフラクションは、遺伝子中の重複を示し、
    前記第一の標的核酸のマスフラクションが前記第二の標的核酸のマスフラクションより少なければ、前記第一と第二の標的核酸のマスフラクションは、遺伝子中の欠失を示すことを特徴とする方法であって、
    PCRの前に既知量の増幅されない競合物を加えることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  13. 前記配列特異的なオリゴヌクレオチドが、FRETペアプローブシステムとシングルラベルのオリゴヌクレオチドからなるグループから選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  14. 前記蛍光核酸指示剤に対し、前記第2の標的核酸が前記第1の標的核酸の競合物であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  15. 前記テストサンプルが、熱耐性ポリメラーゼと、前記第1の標的核酸を増幅するために構成されたオリゴヌクレオチド・ペアとをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
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