JP4811790B2 - 静電チャック - Google Patents

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Description

本発明は、半導体基板やガラス基板などを吸着する静電チャックに関する。
エッチング、CVD、スパッタリング、イオン注入、アッシングなどを行うプラズマ処理チャンバー内で、半導体基板やガラス基板を吸着保持する手段として、特許文献1〜4に開示される静電チャックが用いられている。
上記特許文献1〜2に開示される従来の静電チャックの構造は、図4に示すように、金属プレート100上にシリコーン樹脂等の有機接着剤101を介して電極102を内部に保持した誘電体層103を接着一体化している。そして、誘電体層103内に電極102を埋設する方法としては、焼成することで誘電体層となるセラミックグリーンシートの表面に電極(タングステン)をプリントし、更にこの上に別のセラミックグリーンシートを重ねて焼成(ホットプレス)する方法が採用されている。
図4に示されるタイプの静電チャックは、電極102を埋設する製造方法が複雑なため工期が長期化するなど、製作するに簡便な方法ではなかった。より詳細には、誘電体内部に電極を入れ込むために、二枚の誘電体基板を焼成、成型した後に、電極材料を挟み込んでホットプレス等の加熱加圧処理により一体化するなど、技術的に高度で複雑な工程を必要としていた。
そこで、上記工程が複雑な誘電体内部に電極を保持した静電チャックに対して工程を簡略化したタイプの静電チャックも提案されている(特許文献3,4)。
特許文献3では、アルミニウムなどの金属材からなるベース板上に接着剤を介在させてベース板に対向するように誘電体基板表面に電極を固定した静電チャックが開示されている。
また、特許文献4には、誘電層基板の表面に電極を形成し、その上にポリイミドなどの絶縁性の樹脂を貼り付けたものを、金属ベースプレートに接合された静電チャックが開示されている。
一方、特許文献5、6に開示されるように、上記エッチング、CVD、スパッタリング、イオン注入、アッシングなどを行うプラズマ処理チャンバー内に使用される部材としては、石英ガラス(SiO2)やアルミナ焼結体(Al2O3)が用いられてきたが、ハロゲンガスプラズマ環境下での耐食性が十分ではなく、酸化イットリウム(Y2O3)やイットリウム−アルミニウム−ガーネット(YAG)等のイットリウム酸化物を含む複合酸化物を用いることが検討されてきている。
特開平10-223742号公報 特開2003-152065号公報 実開平4-133443号公報 特開2001-338970号公報 特開2001-31466号公報 特開2003-48792号公報
プラズマ処理を行った後のチャンバー内面には、半導体ウェーハや塗膜からの残渣および生成物が付着している。そしてプラズマ処理を繰り返してゆくと、残渣および生成物が次第に堆積し、やがてチャンバー内面から剥離して半導体基板やガラス基板表面に付着して歩留り低下を招く。
そこで、従来から定期的にチャンバー内をプラズマによってクリーニングし、チャンバー内面に付着した残渣および生成物を除去するようにしている。このとき、従来にあっては静電チャックの表面がプラズマに晒されるのを防止するために、ダミーウェーハで静電チャックの表面を覆った状態でクリーニングを行っているが、最近ではタクトタイムを短縮して生産効率を向上させるため、ダミーウェーハで静電チャックの表面を覆うことを行わずに、クリーニングの際には静電チャックの表面を直接ハロゲンガスなどのクリーニングプラズマに曝す、いわゆるウェーハレスプラズマクリーニングが業界の動向である。
ところで、静電チャックの誘電体基板としてはアルミナを主成分としたものが通常広く使用されているが、この静電チャックに前記ハロゲンガスのウェーハレスプラズマクリーニングを実施した場合、アルミナセラミックの表面の粒子の脱離および粒界の浸食により、平均粗さ(Ra)が大きくなり、静電吸着力の低下およびウェーハとの固体接触界面の熱伝達率の低下が起きるなどの不具合が発生し、早期に静電チャックを交換しなければならなくなる。
これらを解決する手段として、上記誘電体基板にハロゲンガスの耐プラズマ性に優れているイットリウム酸化物を主成分とする焼結体を用いた静電チャックが挙げられているが、従来構造の静電チャックのように誘電体内部に電極を入れ込むために、二枚の誘電体基板を焼成、成型した後に、電極材料を挟み込んでホットプレス等の加熱加圧処理により一体化するなど、技術的に高度で複雑な工程を必要としている。このため、信頼性の低下や工期の長期化、などの課題がある。
また、上記の誘電体基板であるイットリウム酸化物を主成分とする焼結体は、緻密な焼結体を得るためにはCIP(冷間静水圧)成形、ホットプレス、HIP処理(熱間等方圧加圧)等の特殊な成形、焼成方法が必要となり、通常の誘電体内部に電極を入れ込んだ状態でグリーンシートを積層し一体焼成して得られるものではない。つまり、プラズマ耐久性のある、従来構造の静電チャックを製作しようとする場合、焼成した誘電層基板の内部に電極を入れ込む技術が必要となる。
これを解決する手段として特許文献3、4に開示されるように、アルミニウムなどの金属材からなるベース板上に接着剤を介在させてベース板に対向するように誘電体基板表面に電極を固定する方法や、誘電層基板の表面に電極を形成し、その上にポリイミドなどの絶縁性の樹脂を貼り付けたものを、金属ベースプレートに接合する方法が開示されている。
しかしながら、特許文献3、4いずれの静電チャックも絶縁信頼性を高度に保持しつつ冷却性能を充分に満足できる構造ではなかった。
特許文献3の静電チャックでは電極2とベース板3との間に介在させる絶縁性接着剤を充分厚くすれば絶縁信頼性は向上させることはできるが、接着剤として一般に使用されるシリコーン等の樹脂は熱伝導率が悪く、特に誘電体基板表面に吸着させるウエハーの冷却性能が充分に確保できなかった。
また、特許文献4の静電チャックではポリイミドなどの絶縁性の樹脂を用いるため、その部分の熱伝導率が悪く、同様にウエハーの冷却性能が充分に確保できなかった。
特に誘電体基板にイットリウム酸化物を主成分とする焼結体を用いる場合には、熱伝導率が13W/mK程度でアルミナ(32W/mK)に比べて低いため、冷却性能を充分に確保することができなかった。
そこで、本発明では、簡便な製造プロセスで製作可能であり、ハロゲンガスのウェーハレスプラズマクリーニングの耐久性が高く、電極と金属プレート間、電極間などの電気絶縁の信頼性が高い静電チャックでありつつ、特にウェーハ冷却能力が高い静電チャックを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明においては、表面に絶縁体膜が形成された金属プレートと、表面に電極が形成された誘電体基板とが、前記電極が前記金属プレートと対向するように絶縁性接着剤を介在して接合され、前記誘電体基板がイットリウム酸化物を主成分とする焼結体であって、前記絶縁体膜はイットリウム酸化物を主成分であることを特徴とする静電チャックとした。
上記のように、誘電体基板の表面に電極が設けられた場合でも、溶射による絶縁体膜を金属プレート表面に形成することにより、簡単な構造で且つ実用的な電圧範囲における電気的・機械的信頼性の高いウェーハレスプラズマクリーニングに対応できる静電チャックを提供することができる。
前記誘電体基板にイットリウム酸化物を主成分とする焼結体を用いることにより、ハロゲンガスの耐プラズマ性を向上させることができ、ウェーハレスクリーニングを繰返し行っても、誘電体基板の吸着面粗さの変化が小さい静電チャックを提供することができる。
上記イットリウム酸化物を主成分とする焼結体としては、酸化イットリウム、イットリウム−アルミニウム−ガーネット(YAG)、ホウ酸イットリウム等が使用できる。さらに、その表面にフッ化イットリウム等を形成したものを使用しても良い。
本発明の他の実施形態においては、前記静電チャックにおいて、室温における体積抵抗率が1×1014Ωcm以上である静電チャックとした。
前記誘電体基板の体積抵抗率は室温において1×1014Ωcm以上であることが望ましい。上記のような体積抵抗率にすることで、前記誘電体基板の温度変化による体積抵抗率の変化が、基板の吸着離脱特性やリーク電流などにほとんど影響を与えない、いわゆるクーロン力静電チャックとすることができる。
本発明の他の実施形態においては、前記静電チャックにおいて、 使用温度における体積抵抗率が1×1014Ωcm以上であり、前記誘電体基板の厚みが、 0.2mm以上0.5mm以下である静電チャックとした。
クーロン力静電チャックを実用的な電圧範囲(±1000V〜±5000V好ましくは、±2000V〜±5000V)で使用するためには、前記誘電体基板の厚みは、0.5mm以下とすることが望ましく、構造体として製作可能な前記誘電体基板の厚みは0.2mm以上(好ましくは0.3mm以上)である。
本発明の好ましい形態においては、前記静電チャックにおいて、前記絶縁性接着剤の厚みが0.1mm以上、0.3mm以下、前記絶縁体膜の厚みが0.3mm以上0.6mm以下である静電チャックとした。
前記絶縁性接着剤の厚みは、冷却効率を上げるためには、できるだけ薄い方が望ましく、前記表面に溶射によって絶縁膜が形成された金属プレートと前記誘電体基板との線膨張係数差によるせん断応力に対し前記絶縁性接着剤層の剥離などを防止するためには、できるだけ厚い方が望ましい。これらを両立させる前記接着剤層の厚みは0.1mm以上、0.3mm以下となる。
溶射による前記絶縁体膜の厚みは、冷却効率を上げるためには、できるだけ薄い方が望ましく、基板吸着のために印加される電圧に対し絶縁性を確保するためにはできるだけ厚い方が望ましい。これらを両立される前記絶縁体膜の厚みは0.3mm以上、0.6mm以下となる。
本発明に係る静電チャックは、簡便な製造プロセスで製作可能であり、表面が吸着面となる誘電体基板がイットリウム酸化物を主成分とする焼結体であるため、ハロゲンガスの耐プラズマ性に優れ、ダミーウェーハを用いることなくウェーハレスプラズマクリーニングを行うことができる為、タクトタイムを大幅に減少させることができ、電極と金属プレート間、電極間などの電気絶縁の信頼性が高い静電チャックでありつつ、特にウェーハ冷却能力が高い静電チャックを提供することが可能となる。
以下に本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る静電チャックを組み込んだプラズマ処理装置の全体図、図2は同静電チャックの断面図、図3は同静電チャックの組立て手順を説明した図である。
プラズマ処理装置はチャンバー1内にプラズマ発生用の上部電極10と静電チャック20が配置される。またチャンバー1の天井にはCF4やO2等の反応ガス導入口2と、減圧装置に繋がる排気口3とで形成されている。
静電チャック20の基本的な構成は、金属プレート21の表面に溶射によって絶縁体膜22が形成される。溶射による前記絶縁体膜の厚みは、冷却効率を上げるためには、できるだけ薄い方が望ましく、基板吸着のために印加される電圧に対し絶縁性を確保するためにはできるだけ厚い方が望ましい。これらを両立される前記絶縁体膜の厚みは0.3mm以上、0.6mm以下となる。この絶縁体膜22の上に絶縁性接着剤層23を介して誘電体基板24が接合され、この誘電体基板24の表面は半導体ウェーハ等の被吸着物Wの載置面とされ、下面には電極25,25が形成されている。そして、これら電極25,25に給電するためのリード線26,26が金属プレート21を貫通して下方まで延びている。尚、リード線26と金属プレート21とは絶縁されている。
また、上記の静電チャック20を組み立てるには、図3に示すように、予め絶縁体膜22が形成された金属プレート21と、電極25が形成された誘電体基板24を用意し、金属プレート21の絶縁体膜22と誘電体基板24の電極25が対向するようにして絶縁性接着剤23を介して両者を接合する。
前記金属プレート21はアルミニウム合金や銅等の熱伝導性に優れた金属からなり、内部には冷媒通路21aが形成される。
前記絶縁体膜22には電極と金属プレート間の電気絶縁性および処理熱を金属プレートに伝える伝熱性が必要とされる。絶縁体膜22の材料としては、絶縁性接着剤の熱伝導率よりも熱伝導率が大きい材料が好ましく、無機材料、例えばアルミナ(Al2O3)やイットリウム酸化物等のセラミックが最も好ましい。特に、ハロゲンガスプラズマ環境下で使用される静電チャックではハロゲンガスの耐プラズマ性に優れているイットリウム酸化物が好ましい。
このような絶縁性接着剤の熱伝導率よりも熱伝導率が大きい材料からなる絶縁体膜を厚さ0.6mm以下で設けることにより、絶縁信頼性を確保しつつ、絶縁接着剤層単独の場合よりも熱伝導性が良好になり、ウエハの冷却効率が向上する。また、溶射法により形成することで、プレートの加熱劣化を生じることなく、かつ余計な接着剤を用いることなく上記絶縁体膜が形成できる。
絶縁体膜としては2W/mK以上にするのが好ましい。このようにすることで、絶縁接着剤層単独の場合よりも熱伝導性が充分に良好になり、ウエハの冷却効率が一層向上する。
また、絶縁体膜の厚みは、冷却効率を上げるためには、できるだけ薄い方が望ましく、基板吸着のために印加される電圧に対し絶縁性を確保するためにはできるだけ厚い方が望ましい。これらを両立される前記絶縁体膜の厚みは0.3mm以上、0.6mm以下となる。
絶縁性接着剤23には電極間および電極と外部との電気絶縁性、処理熱を冷却プレートに伝える伝熱性、誘電層基板と表面に溶射によって絶縁膜が形成された金属プレートの線膨張係数差によるせん断応力を緩和させるための可とう性が必要とされる。
絶縁性接着剤23としては、熱伝導率が1W/mk以上あるのが好ましく、より好ましくは1.6W/mK以上である。上記熱伝導率の絶縁性接着剤は、例えばシリコーン樹脂等にアルミナやチッ化アルミをフィラーとして添加することで得ることができる。
前記絶縁性接着剤の厚みは、冷却効率を上げるためには、できるだけ薄い方が望ましく、前記表面に溶射によって絶縁膜が形成された金属プレートと前記誘電体基板との線膨張係数差によるせん断応力に対し前記絶縁性接着剤層の剥離などを防止するためには、できるだけ厚い方が望ましい。これらを両立させる前記接着剤層の厚みは0.1mm以上0.3mm以下となる。
また、絶縁性接着剤の可とう性は、伸び率30%以上が好ましい。これ以上の可とう性があれば絶縁膜が形成された金属プレートと前記誘電体基板との線膨張係数差によるせん断応力に対し前記絶縁性接着剤層の剥離などを防止するために十分な接着性を得ることができる。
前記誘電体基板24に用いるイットリウム酸化物を主成分とする焼結体としては、酸化イットリウム、イットリウム−アルミニウム−ガーネット(YAG)、ホウ酸イットリウム等の耐プラズマ特性に優れる材料が好ましい。さらに、その表面にフッ化イットリウム等を形成したものを使用してもよい。誘電体基板にイットリウム酸化物を主成分とする焼結体を用いることにより、ウェーハレスクリーニングを繰返し行っても、誘電体基板の吸着面粗さの変化が小さい静電チャックを提供することができる。
また、誘電体基板の体積抵抗率は室温において1×1014Ωcm以上であることが望ましい。上記のような体積抵抗率にすることで、前記誘電体基板の温度変化による体積抵抗率の変化が、基板の吸着離脱特性やリーク電流などにほとんど影響を与えない、いわゆるクーロン力静電チャックとすることができる。
クーロン力型静電チャックの場合、実用的な電圧範囲(±1000V〜±5000V好ましくは、±2000V〜±5000V)で使用するためには、吸着力確保のため前記誘電体基板の厚みは、0.5mm以下とすることが望ましく、構造体として製作可能な前記誘電体基板の厚みは0.2mm以上(好ましくは0.3mm以上)が好ましい。
また、前記電極25は誘電体基板24の表面を研削加工した後にCVDやPVDによってTiCやTiなどの導電膜を形成し、この導電膜をサンドブラストやエッチングすることで、所定の電極パターンを得ることができる。
また、前記電極25の膜厚は電極に使用されるTiCやTiの熱伝導率が高いために、基板に温度分布が発生させず、ウエハーを均一に冷却するためには、5μm未満が好ましく、さらに1μm以下がより好ましい。
半導体製造装置に使用される静電チャックに求められる最も重要な役割は、ウェハ加工時に発生する処理熱を効率よく冷媒に逃がし、ウェハを所望の温度以下に冷却し且つウェハ面内の温度を均一にコントロールすることである。ドライエッチング装置、プラズマCVD装置、プラズマアッシング装置などプラズマを発生させてウェハ処理を行なう装置においてはプラズマによって発生する熱を逃がす必要があり、スパッタリング装置、イオン注入装置などのプラズマを発生させない装置においても、ウェハ処理時に発生する処理熱を逃がす必要がある。また半導体製造装置にはスループットと呼ばれるウェハ1枚あたりにかかる処理時間の短縮が常に要求されている。そのため半導体処理装置の世代が新しくなる毎に、スループットを短縮するためにプラズマパワーや処理熱量を増加させるので、静電チャックにおいては、冷却効率の向上が常に求められる。本発明は上記要求に比較的低い製造コストで答えられる静電チャックといえる。
前記金属プレート21はアルミニウム合金や銅等の熱伝導性に優れた金属からなり、内部には冷媒通路21aが形成され、また金属プレート21の上面に溶射によって形成される絶縁体膜22としては、アルミナ(Al2O3)や酸化イットリウム等の無機材料が使用できるが、特に、ハロゲンガスプラズマ環境下で使用される静電チャックではハロゲンガスの耐プラズマ性に優れているイットリウム酸化物が好ましい。
以下に、本発明の静電チャックの誘電体基板の製造方法を例示する。
誘電体基板24の製作方法としては例えば、原料として、酸化イットリウム(Y)粉末(信越化学工業製RU)と酸化ホウ素(B)粉末(純正化学製試薬級)を用意し、酸化イットリウム(Y)粉末に酸化ホウ素(B)を0.02wt以上10wt%以下の割合で添加し、この混合粉末を成形した後、1300℃以上1600℃以下、望ましくは1400℃以上1500℃以下で焼成した。さらにHIP処理(熱間等方圧加圧)をおこなった。HIP条件はArガス1000気圧以上とし、温度は1200℃以上1500℃以下とした。このような条件のもとで、相対密度が99%以上の極めて緻密な焼結体が得られ、20±3℃において体積抵抗率が1014Ωcm以上、熱伝導率13W/mKの誘電体基板24が得られる。
また、前記電極25は誘電体基板24の表面を研削加工した後にCVDやPVDによってTiCやTiなどの導電膜を形成し、この導電膜をサンドブラストやエッチングすることで、所定の電極パターンを得る。
上記したイットリウム酸化物を主成分とする焼結体から成る極めて緻密な誘電体基板を用いれば、ハロゲンガスの耐プラズマ性が向上し、ダミーウェーハを用いなくても静電チャック表面の粗さの変化が極めて小さく抑えられる。
また、上記の静電チャック20を組み立てるには、図3に示すように、予め絶縁体膜22が形成された金属プレート21と、電極25が形成された誘電体基板24を用意し、金属プレート21の絶縁体膜22と誘電体基板24の電極25が対向するようにして絶縁性接着剤23を介して両者を接合する。
絶縁性接着剤23としては例えばアルミナやチッ化アルミをフィラーとし、熱伝導率が1W/mk以上、好ましくは1.6W/mK以上のシリコーン樹脂等が挙げられる。
本発明に係る静電チャックを組み込んだプラズマ処理装置の全体図 同静電チャックの断面図 同静電チャックの組立て手順を説明した図 従来の静電チャックの断面図
符号の説明
1…チャンバー、2…反応ガス導入口、3…排気口、10…上部電極、20…静電チャック、21…金属プレート、21a…冷媒通路、22…絶縁体膜、23…絶縁性接着剤層、24…誘電体基板、25…電極、26…リード線、100…金属プレート、101…有機接着剤、102…電極、103…誘電体層、W…被吸着物。

Claims (5)

  1. 表面に絶縁体膜が形成された金属プレートと、
    表面に電極が形成された誘電体基板とが、前記電極が前記金属プレートと対向するように絶縁性接着剤を介在して接合され、
    前記誘電体基板がイットリウム酸化物を主成分とする焼結体であって、
    前記絶縁体膜はイットリウム酸化物を主成分とすることを特徴とする静電チャック。
  2. 前記静電チャックにおいて、前記絶縁体膜は溶射によって設けられたことを特徴とする請求項1に記載の静電チャック。
  3. 前記静電チャックにおいて、室温における体積抵抗率が1×1014Ωcm以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電チャック。
  4. 前記静電チャックにおいて、使用温度における体積抵抗率が1×1014Ωcm以上であり、前記誘電体基板の厚みが、0.2mm以上0.5mm以下であることを特徴とする請求項1乃至3に記載の静電チャック。
  5. 前記静電チャックにおいて、前記絶縁性接着剤の厚みが0.1mm以上、0.3mm以
    下、前記絶縁体膜の厚みが0.3mm以上0.6mm以下であることを特徴とする請求項
    1乃至のいずれかに記載の静電チャック。
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