JP2007243149A - 静電チャック - Google Patents
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Abstract
【課題】簡便な製造プロセスで製作可能であり、電極と金属プレート間、電極間などの電気絶縁の信頼性が高い静電チャックでありつつ、特にウェーハ冷却能力が高い静電チャックを提供する。
【解決手段】静電チャック20は表面に溶射によって絶縁体膜22が形成された金属プレート21と、表面に電極25が形成された誘電体基板24とが、電極25が対向するように絶縁性接着剤23を介在して接合される。絶縁体膜22は厚みが0.6mm以下であり、絶縁性接着剤23は熱伝導率が1W/mK以上、厚みが0.1mm以上、0.3mm以下である。
【選択図】図1
【解決手段】静電チャック20は表面に溶射によって絶縁体膜22が形成された金属プレート21と、表面に電極25が形成された誘電体基板24とが、電極25が対向するように絶縁性接着剤23を介在して接合される。絶縁体膜22は厚みが0.6mm以下であり、絶縁性接着剤23は熱伝導率が1W/mK以上、厚みが0.1mm以上、0.3mm以下である。
【選択図】図1
Description
本発明は、半導体基板やガラス基板などを吸着する静電チャックに関する。
エッチング、CVD、スパッタリング、イオン注入、アッシングなどを行うプラズマなどの加工熱が加わる真空処理チャンバー内で、半導体基板やガラス基板を吸着保持する手段として、特許文献1〜4に開示される静電チャックが用いられている。
特許文献1に開示される従来の静電チャックの構造は、図4に示すように、金属プレート100上にシリコーン樹脂等の有機接着剤101を介して電極102を内部に保持した誘電体層103を接着一体化している。そして、誘電体層103内に電極102を埋設する方法としては、焼成することで誘電体層となるセラミックグリーンシートの表面に電極(タングステン)をプリントし、更にこの上に別のセラミックグリーンシートを重ねて焼成(ホットプレス)している。また、上記と略同様の構成で、特許文献2に開示されるように、セラミックの平均粒子径を2μm以下に抑えた静電チャックもある。
図4に示されるタイプの静電チャックは、電極102を埋設する製造方法が複雑なため工期が長期化するなど、製作するに簡便な方法ではなかった。より詳細には、誘電体内部に電極を入れ込むために、二枚の誘電体基板を焼成、成型した後に、電極材料を挟み込んでホットプレス等の加熱加圧処理により一体化するなど、技術的に高度で複雑な工程を必要としていた。
そこで、上記工程が複雑な誘電体内部に電極を保持した静電チャックに対して工程を簡略化したタイプの静電チャックも提案されている(特許文献3,4)。
特許文献3では、アルミニウムなどの金属材からなるベース板上に接着剤を介在させてベース板に対向するように誘電体基板表面に電極を固定した静電チャックが開示されている。
また、特許文献4には、誘電層基板の表面に電極を形成し、その上にポリイミドなどの絶縁性の樹脂を貼り付けたものを、金属ベースプレートに接合された静電チャックが開示されている。
特開平10-223742号公報
特開2003-152065号公報
実開平4-133443号公報
特開2001-338970号公報
特許文献3では、アルミニウムなどの金属材からなるベース板上に接着剤を介在させてベース板に対向するように誘電体基板表面に電極を固定した静電チャックが開示されている。
また、特許文献4には、誘電層基板の表面に電極を形成し、その上にポリイミドなどの絶縁性の樹脂を貼り付けたものを、金属ベースプレートに接合された静電チャックが開示されている。
しかしながら、特許文献3、4いずれの静電チャックも絶縁信頼性を高度に保持しつつ冷却性能を充分に満足できる構造ではなかった。
特許文献3の静電チャックでは電極2とベース板3との間に介在させる絶縁性接着剤を充分厚くすれば絶縁信頼性は向上させることはできるが、接着剤として一般に使用されるシリコーン等の樹脂は熱伝導率が悪く、特に誘電体基板表面に吸着させるウエハーの冷却性能が充分に確保できなかった。
また、特許文献4の静電チャックではポリイミドなどの絶縁性の樹脂を用いるため、その部分の熱伝導率が悪く、同様にウエハーの冷却性能が充分に確保できなかった。
特許文献3の静電チャックでは電極2とベース板3との間に介在させる絶縁性接着剤を充分厚くすれば絶縁信頼性は向上させることはできるが、接着剤として一般に使用されるシリコーン等の樹脂は熱伝導率が悪く、特に誘電体基板表面に吸着させるウエハーの冷却性能が充分に確保できなかった。
また、特許文献4の静電チャックではポリイミドなどの絶縁性の樹脂を用いるため、その部分の熱伝導率が悪く、同様にウエハーの冷却性能が充分に確保できなかった。
そこで、本発明では、簡便な製造プロセスで製作可能であり、電極と金属プレート間、電極間などの電気絶縁の信頼性が高い静電チャックでありつつ、特にウェーハ冷却能力が高い静電チャックを提供することを目的とする。
本発明では、上記課題を達成するために、表面に溶射によって絶縁体膜が形成された金属プレートと、表面に電極が形成された誘電体基板とが、前記電極が対向するように絶縁性接着剤を介在して接合され、前記絶縁体膜の厚みが0.6mm以下であることを特徴とする静電チャックを提供する。
本発明の好ましい形態においては、前記絶縁体膜の厚みが0.3mm以上0.6mm以下であるようにする。
本発明の好ましい形態においては、前記絶縁性接着剤の熱伝導率が1W/mK以上であるようにする。
本発明の好ましい形態においては、前記絶縁性接着剤の厚みが0.1mm以上0.3mm以下であるようにする。
本発明の好ましい形態においては、前記絶縁体膜の熱伝導率が前記絶縁性接着剤の熱伝導率より大きいようにする。
本発明の好ましい形態においては、前記絶縁体膜の厚みが0.3mm以上0.6mm以下であるようにする。
本発明の好ましい形態においては、前記絶縁性接着剤の熱伝導率が1W/mK以上であるようにする。
本発明の好ましい形態においては、前記絶縁性接着剤の厚みが0.1mm以上0.3mm以下であるようにする。
本発明の好ましい形態においては、前記絶縁体膜の熱伝導率が前記絶縁性接着剤の熱伝導率より大きいようにする。
本発明によれば、簡便な製造プロセスで製作可能であり、電極と金属プレート間、電極間などの電気絶縁の信頼性が高い静電チャックでありつつ、特にウェーハ冷却能力が高い静電チャックを提供することが可能となる。
以下に本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る静電チャックを組み込んだプラズマ処理装置の全体図、図2は同静電チャックの断面図、図3は同静電チャックの組立て手順を説明した図である。
プラズマ処理装置はチャンバー1内にプラズマ発生用の上部電極10と静電チャック20が配置される。またチャンバー1の天井にはCF4やO2等の反応ガス導入口2と、減圧装置に繋がる排気口3とで形成されている。
静電チャック20の基本的な構成は、金属プレート21の表面に溶射によって絶縁体膜22が形成される。この絶縁体膜22の上に絶縁性接着剤層23を介して誘電体基板24が接合され、この誘電体基板24の表面は半導体ウェーハ等の被吸着物Wの載置面とされ、下面には電極25,25が形成されている。そして、これら電極25,25に給電するためのリード線26,26が金属プレート21を貫通して下方まで延びている。尚、リード線26と金属プレート21とは絶縁されている。
また、上記の静電チャック20を組み立てるには、図3に示すように、予め絶縁体膜22が形成された金属プレート21と、電極25が形成された誘電体基板24を用意し、金属プレート21の絶縁体膜22と誘電体基板24の電極25が対向するようにして絶縁性接着剤23を介して両者を接合する。
前記金属プレート21はアルミニウム合金や銅等の熱伝導性に優れた金属からなり、内部には冷媒通路21aが形成される。
前記絶縁体膜22には電極と金属プレート間の電気絶縁性および処理熱を金属プレートに伝える伝熱性が必要とされる。絶縁体膜22の材料としては、絶縁性接着剤の熱伝導率よりも熱伝導率が大きい材料が好ましく、無機材料、例えばアルミナ(Al2O3)等のセラミックが最も好ましい。
このような絶縁性接着剤の熱伝導率よりも熱伝導率が大きい材料からなる絶縁体膜を厚さ0.6mm以下で設けることにより、絶縁信頼性を確保しつつ、絶縁接着剤層単独の場合よりも熱伝導性が良好になり、ウエハの冷却効率が向上する。また、溶射法により形成することで、プレートの加熱劣化を生じることなく、かつ余計な接着剤を用いることなく上記絶縁体膜が形成できる。
絶縁体膜としては2W/mK以上にするのが好ましい。このようにすることで、絶縁接着剤層単独の場合よりも熱伝導性が充分に良好になり、ウエハの冷却効率が一層向上する。
また、絶縁体膜の厚みは、冷却効率を上げるためには、できるだけ薄い方が望ましく、基板吸着のために印加される電圧に対し絶縁性を確保するためにはできるだけ厚い方が望ましい。これらを両立される前記絶縁体膜の厚みは0.3mm以上、0.6mm以下となる。
絶縁性接着剤23には電極間および電極と外部との電気絶縁性、処理熱を冷却プレートに伝える伝熱性、誘電層基板と表面に溶射によって絶縁膜が形成された金属プレートの線膨張係数差によるせん断応力を緩和させるための可とう性が必要とされる。
絶縁性接着剤23としては、熱伝導率が1W/mk以上あるのが好ましく、より好ましくは1.6W/mK以上である。上記熱伝導率の絶縁性接着剤は、例えばシリコーン樹脂等にアルミナやチッ化アルミをフィラーとして添加することで得ることができる。
前記絶縁性接着剤の厚みは、冷却効率を上げるためには、できるだけ薄い方が望ましく、前記表面に溶射によって絶縁膜が形成された金属プレートと前記誘電体基板との線膨張係数差によるせん断応力に対し前記絶縁性接着剤層の剥離などを防止するためには、できるだけ厚い方が望ましい。これらを両立させる前記接着剤層の厚みは0.1mm以上0.3mm以下となる。
また、絶縁性接着剤の可とう性は、伸び率30%以上が好ましい。これ以上の可とう性があれば絶縁膜が形成された金属プレートと前記誘電体基板との線膨張係数差によるせん断応力に対し前記絶縁性接着剤層の剥離などを防止するために十分な接着性を得ることができる。
前記誘電体基板24に用いる材料は静電チャックに求められる様々な要求によって選択するが、熱伝導率、絶縁耐圧の信頼性などを考慮するとセラミック焼結体を用いるのが好ましい。
セラミック焼結体は、アルミナ、イットリア、炭化珪素、チッ化アルミニウム等のいずれでもよい。
セラミック焼結体は、アルミナ、イットリア、炭化珪素、チッ化アルミニウム等のいずれでもよい。
セラミック焼結体の体積固有抵抗値も、使用温度における体積抵抗率が1014cmΩ以上(クーロン型静電チャック)でも、使用温度における体積抵抗率が108〜1011cmΩ(ジョンセン−ラーベック型静電チャック)でもよい。
クーロン力型静電チャックの場合、実用的な電圧範囲(±1000V〜±5000V好ましくは、±2000V〜±5000V)で使用するためには、吸着力確保のため前記誘電体基板の厚みは、0.5mm以下とすることが望ましく、構造体として製作可能な前記誘電体基板の厚みは0.2mm以上(好ましくは0.3mm以上)が好ましい。
ジョンセン−ラーベック型静電チャックを実用的な電圧範囲(±500V〜±2000V)で使用するためには、前記誘電体基板の厚みは、1.5mm以下とすることが望ましく、構造体として製作可能な前記誘電体基板の厚みは0.2mm以上(好ましくは0.3mm以上)が好ましい。
前記誘電体基板を構成する粒子としては平均粒子径が2μm以下のものが耐プラズマ性
を向上させる上で好ましい。平均粒子径を2μm以下とする事で、ウェーハレスクリーニ
ングを繰返し行っても、誘電体基板の吸着面粗さの変化が小さい静電チャックを提供する
ことができる。
を向上させる上で好ましい。平均粒子径を2μm以下とする事で、ウェーハレスクリーニ
ングを繰返し行っても、誘電体基板の吸着面粗さの変化が小さい静電チャックを提供する
ことができる。
また、前記電極25は誘電体基板24の表面を研削加工した後にCVDやPVDによってTiCやTiなどの導電膜を形成し、この導電膜をサンドブラストやエッチングすることで、所定の電極パターンを得ることができる。
半導体製造装置に使用される静電チャックに求められる最も重要な役割は、ウェハ加工時に発生する処理熱を効率よく冷媒に逃がし、ウェハを所望の温度以下に冷却し且つウェハ面内の温度を均一にコントロールすることである。ドライエッチング装置、プラズマCVD装置、プラズマアッシング装置などプラズマを発生させてウェハ処理を行なう装置においてはプラズマによって発生する熱を逃がす必要があり、スパッタリング装置、イオン注入装置などのプラズマを発生させない装置においても、ウェハ処理時に発生する処理熱を逃がす必要がある。また半導体製造装置にはスループットと呼ばれるウェハ1枚あたりにかかる処理時間の短縮が常に要求されている。そのため半導体処理装置の世代が新しくなる毎に、スループットを短縮するためにプラズマパワーや処理熱量を増加させるので、静電チャックにおいては、冷却効率の向上が常に求められる。本発明は上記要求に比較的低い製造コストで答えられる静電チャックといえる。
以下に、本発明の静電チャックの誘電体基板の製造方法を、クーロン力型静電チャックとジョンセン−ラーベック型静電チャックとの場合に分けて例示する。
クーロン力型静電チャックの誘電体基板24の製作方法としては例えば、平均粒子径0.1μm、純度99.99%以上のアルミナ原料粉末に、アクリル系バインダーを添加、調整後スプレードライヤーで造粒し、顆粒粉を作製する。その後、CIP(ラバープレス)またはメカプレス成形後、所定の形状に加工し、1250〜1450℃の大気雰囲気下で焼成する。さらにHIP処理(熱間等方圧加圧)をおこなう。HIP条件はArガス1000気圧以上とし、温度は焼成温度と同じ1250〜1450℃とする。このような条件のもとで、極めて緻密で且つ構成粒子の平均粒子径が2μm以下、20±3℃において体積抵抗率が1014Ωcm以上、相対密度が99%以上、熱伝導率30W/mK以上の誘電体基板24が得られる。
また、ジョンセン−ラーベック型静電チャックの誘電体基板24の製作方法としては例えば、平均粒子径0.1μm、純度99.99%以上のアルミナ原料粉末を主成分とし、これに0.2wt%より大きく、0.6wt%以下の酸化チタン(TiO2)を混合粉砕し、アクリル系バインダーを添加、調整後スプレードライヤーで造粒し、顆粒粉を作製する。その後、CIP(ラバープレス)またはメカプレス成形後、所定の形状に加工し、1150〜1350℃の還元雰囲気下で焼成する。さらにHIP処理(熱間等方圧加圧)をおこなう。HIP条件はArガス1000気圧以上とし、温度は焼成温度と同じ1150〜1350℃とする。このような条件のもとで、極めて緻密で且つ構成粒子の平均粒子径が2μm以下、20±3℃において体積抵抗率が108〜1011Ωcm以上、相対密度が99%以上、熱伝導率30W/mK以上の誘電体基板24が得られる。
尚、ここで示す平均粒子径とは、以下のプラニメトリック法で求められた粒子径である。まず、S E Mで誘電体基板の写真を撮り、この写真上で面積( A )の既知の円を描き、円内の粒子数nc と円周にかかった粒子数ni から( 1 )式によって単位面積あたりの粒子数N G を求める。
N G = ( nc + 1 / 2 ni ) / ( A / m2 ) ・・・ ( 1 )
ここで示すmは写真の倍率である。1 / N G が1個の粒子の占める面積であるから、粒子径は円相当径は2 /√ (π N G )、 で得られる。
N G = ( nc + 1 / 2 ni ) / ( A / m2 ) ・・・ ( 1 )
ここで示すmは写真の倍率である。1 / N G が1個の粒子の占める面積であるから、粒子径は円相当径は2 /√ (π N G )、 で得られる。
1…チャンバー、2…反応ガス導入口、3…排気口、10…上部電極、20…静電チャック、21…金属プレート、21a…冷媒通路、22…絶縁体膜、23…絶縁性接着剤層、24…誘電体基板、25…電極、26…リード線、100…金属プレート、101…有機接着剤、102…電極、103…誘電体層、W…被吸着物。
Claims (5)
- 表面に溶射によって絶縁体膜が形成された金属プレートと、表面に電極が形成された誘電体基板とが、前記電極が対向するように絶縁性接着剤を介在して接合され、前記絶縁体膜の厚みが0.6mm以下であることを特徴とする静電チャック。
- 請求項1に記載の静電チャックにおいて、前記絶縁体膜の厚みが0.3mm以上0.6mm以下であることを特徴とする静電チャック。
- 請求項1から2に記載の静電チャックにおいて、前記絶縁性接着剤の熱伝導率が1W/mK以上であることを特徴とする静電チャック。
- 請求項1から3に記載の静電チャックにおいて、前記絶縁性接着剤の厚みが0.1mm以上、0.3mm以下であることを特徴とする静電チャック。
- 請求項1から4に記載の静電チャックにおいて、前記絶縁体膜の熱伝導率が前記絶縁性接着剤の熱伝導率より大きいことを特徴とする静電チャック。
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- 2006-12-14 JP JP2006336641A patent/JP2007243149A/ja active Pending
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