JP4031732B2 - 静電チャック - Google Patents

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    • H02N13/00Clutches or holding devices using electrostatic attraction, e.g. using Johnson-Rahbek effect

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造工程や液晶製造工程において、半導体ウェハ(以下、ウェハと称す)や液晶ガラスに微細加工を施すエッチング工程や薄膜を形成するための成膜工程、フォトレジスト膜を露光する露光処理工程等において、ウェハや液晶ガラスを保持する静電チャックに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体製造工程において、ウェハに微細加工を施すためのエッチング工程や、薄膜を形成するための成膜工程、又はフォトレジスト膜を露光するための露光処理工程等において、ウェハを保持するために静電気的に吸着する静電チャックが使用されている。
【0003】
この静電チャックは、図5に示すようにセラミック基体54の上面に一対の吸着用電極53と、該吸着用電極53に通電する給電端子58を備え、該吸着用電極53を覆うように絶縁膜52が形成され、該絶縁膜52の上面はウェハを載せる載置面52aとなっている。
【0004】
静電チャック51は、静電気のクーロン力を利用する物体保持装置で、誘電率εの絶縁膜52を厚みrで形成し、載置面52aにウェハを載せ前記吸着用電極53にVボルトの電圧を印加すると、ウェハWと吸着用電極53の間にその電圧の半分のV/2ボルトが印加される。その電圧によりウェハWを引きつける吸着力Fが生じる。
【0005】
F=(ε/2)×(V/4r
物体を保持する保持力である静電気力である吸着力Fは、絶縁膜52の厚みrが小さい程大きく、また、電圧Vが大きければ大きい程大きくなる。電圧Vを大きくすればするほど吸着力Fが増すが、あまり大きくすると絶縁膜52の絶縁が破壊されてしまう。また、絶縁膜52にピンホールなどの空所があると絶縁が破壊される。それで、物体を保持する絶縁膜52の表面は、滑らかであること、ピンホールがないことが求められる。
【0006】
ところで、通常の静電チャックは、特許文献1に見られるように、電極としてアルミ等の金属を用い、これを覆う絶縁膜としてガラスあるいはベークライト、アクリル、エポキシ等の有機膜を備えたものが使用されている。しかし、これらの絶縁膜は全て耐熱性、耐摩耗性、耐薬品性等の点で問題があるだけでなく、硬度が小さいことから使用時に摩耗粉が発生して半導体ウェハに付着しやすく、半導体ウェハに悪影響を及ぼしやすいなどクリーン度の点でも問題がある。
【0007】
また、図3のように溶射成形したセラミック膜を絶縁膜2とした静電チャックが特許文献2に記載されているが、この絶縁膜2はピンホールが多く耐電圧に問題があった。
【0008】
また、特許文献3にはセラミック基体の主面に吸着用電極を形成し、セラミック基体の主面の全面に数μmの厚みの絶縁膜をスパッタ、イオンプレーティング、真空蒸着で形成する方法が記載されている。
【0009】
また、エッチングプロセスで使用される静電チャックの要求特性として、プロセスガスやクリーニングガスのハロゲン腐食ガス中での耐プラズマ性、エッチングする膜種によりプロセス温度が異なるため、―20〜200℃という温度範囲でも使用できるものが求められている。
【0010】
更に、超LSIのメモリ容量の拡大に伴って、微細加工が益々進み、耐プラズマ性を必要とするプロセスが拡大している。特に、エッチング用ガスやクリーニング用ガスとして、塩素系ガス、及びフッ素系ガスなどのハロゲン系腐食性ガスが多用されている。クリーニングではウェハの載置面にダミーウェハを載せないでクリーニングを行うウェハレスクリーニングが検討され、ウェハの載置面の耐プラズマ性が強く求められることもある。
【0011】
また、エッチング加工するウェハ上の膜種により、静電チャックの使用温度範囲が広く、広い温度範囲で耐久性のあるものが必要である。静電チャックには導電性基体としてアルミニウム合金を用いてその表面をアルミナ溶射膜で作製されたものや導電性基体としてアルミニウム合金を用いてその表面にアルミニウムの陽極酸化膜を形成して絶縁膜とすることで、耐プラズマ性を兼ねた静電チャックが開示されているが、これらは温度が上がるとアルミニウムベースと上記の絶縁膜の熱膨張の差により、クラックが入る問題があった。その対策として、特許文献4のようにセラミックと金属からなる導電性基体23の熱膨張係数を考慮してアルミナ溶射膜25を絶縁膜として、広い温度範囲で使用してもクラックが発生しないものがあった。
【0012】
また、特許文献5には導電性基体としてアルミニウム合金基体の表面にアルミニウムの陽極酸化膜を形成し、その上に耐プラズマ性に優れた非晶質なAl酸化物を0.1〜10μm形成したものがあった。
【0013】
また、特許文献6には、静電チャックにはセラミックス内部に吸着用電極を内蔵したものがあるが、冷却機能を備えた導電性基体とシリコーン接着剤等で接合されて一体化されていた。
【0014】
【特許文献1】
特開昭59−92782号公報
【0015】
【特許文献2】
特開昭58−123381号公報
【0016】
【特許文献3】
特開平4−49879号公報
【0017】
【特許文献4】
特開平11−265930号公報
【0018】
【特許文献5】
特開平8−288376号公報
【0019】
【特許文献6】
特開平4−287344号公報
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献3や特許文献5に記載の静電チャックの絶縁膜はスパッタやCVD等で作製され、絶縁膜の厚みは数μm以下に限定されていることから吸着電極に電圧を印加すると絶縁膜が絶縁破壊する虞があった。
【0021】
また、特許文献5には図4に示すようにとしてアルミニウム合金基体24の表面にアルミニウムの陽極酸化膜26を形成し、その上に耐プラズマ性に優れた非晶質なアルミニウム酸化物層22を0.1〜10μm形成したものがあったが、10μm程度の保護膜では成膜中に発生するピンホールは埋まらず下地を侵してしまうという問題があった。また、0.1〜10μm程度ではハードなプラズマ条件ではすぐ浸食されてしまい、実用性に乏しかった。この膜は10μm以上の膜を成膜すると成膜時の内部応力により剥がれると言う問題があった。
【0022】
更に、導電性基体としてアルミニウム合金基体24が使用されているため、その上に形成されたアルミニウムの陽極酸化膜26及び非晶質なアルミニウム酸化物層22の熱膨張係数が異なるため、100℃以上の温度で膜にクラックが入ってしまうという問題があった。
【0023】
また、上層の非晶質酸化アルミニウム膜22の体積固有抵抗が下層のアルミニウムの陽極酸化膜に対して大きい場合、静電チャック21の導電性基体24とウェハ間の電圧が非晶質酸化アルミニウム膜22側に大きく加わり、非晶質酸化アルミニウム膜22が絶縁破壊することもあった。
【0024】
また、非晶質酸化アルミニウム膜とアルミニウムの陽極酸化膜の体積固有抵抗が異なるためと電圧を印加しても吸着力がすぐに立ち上がらず一定になるのに時間を要したり、印加する電圧を切ってもすぐに吸着力が0にならずに残留吸着力が発生するなどの吸着/離脱特性の応答性が悪くなってしまうことがあり、ウェハの脱着に必要以上の時間を要し、プロセス制御に支障をきたすことがあった。
【0025】
また、特許文献7に記載の静電チャックのシリコーン接着剤等は、エッチング装置等で使用するとプロセスガスでシリコーン接着剤層が侵されてしまうという問題があった。
【0026】
特許文献2や特許文献4のようにアルミナ溶射層を絶縁膜25としたものは溶射膜にボイドが多く、そのボイドを有機珪素や無機珪素を使って封孔処理をするがその封孔処理に用いた珪素部分がプラズマでエッチングされ、耐電圧が低下して短期間で静電チャックとして使用不可となる虞があった。
【0027】
【課題を解決するための手段】
本発明の静電チャックは、金属または金属とセラミックからなる導電性基体と、該導電性基体を吸着用電極として、前記導電性基体がアルミニウムまたはアルミニウム合金の何れか一つの金属成分と、炭化珪素または窒化アルミニウムの何れか一つのセラミック成分とからなり、該セラミック成分の含有量が50〜90質量%であり、前記導電性基体の一方の主面に絶縁膜を備え、その上面をウェハを載せる載置面として、前記絶縁膜は酸化物からなる非晶質セラミックから成り、その厚みが10〜100μmであることを特徴とする。
【0028】
また、記絶縁膜は、希ガス類元素を1〜10原子%含み、ビッカース硬度が500〜1000HV0.1であることを特徴とする。
【0029】
また、記絶縁膜が酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化イットリウムアルミニウムまたは希土類の酸化物で形成されていることを特徴とする。
【0031】
また、前記絶縁膜の形成面以外の前記導電性基体の表面にアルミニウムの陽極酸化膜またはアルミナ溶射膜からなる保護膜が形成されていることを特徴とする。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0033】
図1は本発明の静電チャック1の一例である概略の構造を示す。金属または金属とセラミックからなる導電性基体3の上面に非晶質セラミックからなる絶縁膜2が形成されている。その非晶質セラミック絶縁膜2の上面をウェハを吸着させる載置面2aとする。
【0034】
導電性基体3が金属のみからなる場合は非晶質セラミックからなる絶縁膜2の熱膨張に合わせて導電性基体3の金属を選定するのが好ましい。金属は非晶質セラミックに比べて熱膨張率が大きいものが多いことから、導電性基体3の材質としてW、Mo、Tiなどの低熱膨張金属が好ましい。
【0035】
また、導電性基体3として金属とセラミックの複合部材を用いる場合は三次元編目構造の多孔質セラミック体を骨格とし、その気孔部に隙間なくアルミニウムやアルミニウム合金を充填した複合材料を使うことが好ましい。このような構造とすることで、絶縁膜2と導電性基体3の熱膨張係数を近づけることができる。
【0036】
更に、導電性基体3の電気抵抗値が約10−7Ω・mと小さく、導電性基体3を吸着電極として使うことが可能となり好ましい。しかも、導電性基体3の熱伝導率が約160W/(m・K)と大きな材料が得られ、プラズマ等の雰囲気からウェハWに伝わった熱を導電性基体3を通して取り除くことが容易となり好ましい。
【0037】
そして、載置面2aの上にウェハWを載せ、導電性基体3とウェハWの間に数百Vの吸着電圧を給電口5から印加して、導電性基体3とウェハWの間に静電吸着力を発現させ、ウェハWを載置面2aに吸着することができる。上記のウェハへの給電の方法として、導体をウェハWに直接接触させる方法もあるが、プラズマ中で使用するとプラズマを伝ってウェハWに給電されるため、ウェハWに直接導体を接続し給電する必要はない。
【0038】
上記のように本発明の静電チャック1の絶縁膜2は均一な非晶質セラミックから成る絶縁膜2の1層のみから形成され、導電性基体3から載置面2aの間の絶縁膜2の体積固有抵抗が一様であることから、絶縁膜2の中を電界が一様に形成され吸着電圧を印加した時に吸着力が素早く発現し一定の吸着力になる。そして、印加する吸着電圧を切ると、すぐに吸着力が0になりウェハWを離脱できる。このように吸着/離脱特性の優れた静電チャック1とすることができる。
【0039】
また、絶縁膜2を均一な非晶質セラミックからなる絶縁膜2とする理由は、以下のように考えられる。
【0040】
結晶質セラミックからなる絶縁膜は結晶格子が強固に結合されていることから、格子間距離が応力で変化し難く、結晶質セラミックからなる絶縁膜を静電チャックの絶縁膜とすると、導電性基体3から上記の絶縁膜に発生する内部応力や熱膨張差などの熱応力を緩和する機能に乏しいが、非晶質セラミックからなる絶縁膜2は結晶質セラミックからなる絶縁膜と異なり格子間距離が一定でなく応力に対して格子間距離が変化する機能があり、内部応力を結晶質セラミックからなる絶縁膜より小さくすることができる。また、非晶質セラミックからなる絶縁膜2は非晶質であるため原子配列が周期的でなく、原子レベルの空間ができやすく不純物を取り込みやすい構造になっている。そのため、非晶質セラミックからなる絶縁膜2と導電性基体3との熱膨張差や成膜時の応力などによる内部応力が発生しても、原子配列が不規則であるのと原子レベルの欠陥が多くあるため、若干変位することができ、絶縁膜2にかかる応力を低減することができる。そして、その非晶質セラミックからなる絶縁膜2は同等組成の対応する結晶の化学量論組成よりも酸素量や窒素量が少ない状態になっているため、原子レベルの欠陥ができやすく絶縁膜2と導電性基体3との間の応力を緩和することが容易となる。
【0041】
そして、上記非晶質セラミックからなる絶縁膜2の厚みは10〜100μmが好ましい。非晶質セラミック絶縁膜2の厚みが10μm未満では、導電性基体3の表面のボイドやパーティクルの影響を受けて、非晶質セラミックからなる絶縁膜2にピンホールや膜厚が極端に薄いところが発生し、プラズマ中で使用するとその部分が欠陥となり、絶縁膜2を貫通して導電性基体3を浸食することがあり、絶縁膜2の絶縁破壊による異常放電やパーティクルを発生することがある。そのため、絶縁膜は少なくとも10μm以上の厚みが必要である。
【0042】
また、絶縁膜2の厚みが100μmを越えると非晶質セラミックからなる絶縁膜2を成膜する時間が数十時間以上となり量産性に乏しく、また内部応力も大きくなりすぎるため絶縁膜2が導電性基体3から剥離するという問題が発生する虞がある。更に好ましい絶縁膜2の厚みは30〜70μmである。
【0043】
尚、本発明において厚み10μm以上とは、導電性基体3の上の絶縁膜2の最小厚みが10μm以上のことであり、厚み100μm以下とは導電性基体3の上の絶縁膜2の最大厚みが100μm以下のことである。
【0044】
上記静電チャック1の非晶質セラミックからなる絶縁膜2中には他の元素と反応していない希ガス類元素としてアルゴンが存在しており、希ガス類元素を膜中に多く入れることにより、非晶質セラミックからなる絶縁膜2の変形が容易となり内部応力を緩和する効果が大きくなる。そのため、本発明のような10μm以上の厚みの非晶質セラミックからなる絶縁膜2を導電性基体3に成膜しても絶縁膜2を剥離するような大きな応力の発生を防ぐことができる。
【0045】
絶縁膜2の中の前記アルゴン量のコントロールは成膜時のアルゴンのガス圧力を大きくして、成膜する導電性基体3に印加するマイナスバイアス電圧を大きくすることにより、プラズマ中で電離したアルゴンイオンを絶縁膜2中に多く取り込むことができる。
【0046】
絶縁膜2中のアルゴン量は1〜10原子%が好ましい。更に好ましくは3〜8原子%である。希ガス類元素の含有量が1原子%以下であると、非晶質セラミックからなる絶縁膜2が充分変位できなくなるため応力を緩和する効果が小さくなり、10μm程度の厚みでもクラックが発生しやすくなる。また、逆に希ガス類元素を10原子%以上とするのは製作上困難である。
【0047】
また、前記希ガス類元素としてアルゴンの代わりに他の希ガス類元素を使ってスパッタを行っても同じ効果が得られるが、スパッタ効率とガスのコストを考えると、アルゴンガスはスパッタ効率が高く安価で好ましい。
【0048】
上記絶縁膜2中のアルゴンの定量分析方法としては酸化アルミニウム焼結体に非晶質セラミック膜2を20μmの厚みで成膜したものを比較試料として作製し、該試料をラザフォード後方散乱法により分析し、検出した全原子量とアルゴンの原子量を計測して、アルゴンの原子量を全原子量で割った値を原子%として算出した。
【0049】
また、非晶質セラミックからなる絶縁膜2は上記のように希ガス類元素を含むことから、類似組成のセラミック焼結体に比べて硬度が小さくなっている。希ガス類元素を多く入れることにより、硬度を小さくすることができ、膜中の内部応力を低下することができる。
【0050】
また、非晶質セラミックからなる絶縁膜2はスパッタ等の成膜工程で形成され絶縁膜2の表面には凹部が存在するが、絶縁膜2の内部にはボイドがほとんど存在しない。そこで、表面の凹部は表面を研磨加工して除去することにより、プラズマに曝される表面積をいつでも最小にすることができ、更に多結晶体のような粒界が存在しないことからエッチングが一様で脱粒も発生し難い。その結果、従来から使われているセラミック多焼結体からなる絶縁膜より各段に耐プラズマ性に優れたものとなる。また、結晶粒界を含むセラミックス多結晶焼結体では面粗さがRa0.02程度までであるが、非晶質セラミック絶縁膜はRa0.0003程度まで小さくすることが可能であり耐プラズマ性の観点から好ましい。
【0051】
更に、上記の希ガス類元素を含む非晶質セラミックからなる絶縁膜2のビッカース硬度は500〜1000HV0.1が好ましく、1000HV0.1を超えると内部応力が大きくなり絶縁膜2が剥がれる虞がある。絶縁膜2のビッカース硬度が500HV0.1未満では絶縁膜2の内部応力は小さくなり絶縁膜2の剥離の問題は生じ難いが、硬度が小さ過ぎることから絶縁膜2に大きな傷が入りやすく、この結果として耐電圧低下を発生する。これはウェハWと静電チャック1の載置面2aの間に入り込んだ硬質のゴミにより絶縁膜2に傷が入り、この傷の部分の耐電圧が低下したりすることがある。従って、絶縁膜2のビッカース硬度は500〜1000HV0.1が好ましく、更に好ましくは600〜900HV0.1である。
【0052】
また、上記非晶質セラミックからなる絶縁膜2は耐プラズマ性の優れた酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化イットリウムアルミニウムまたは希土類酸化物で構成されることが好ましい。特に、酸化イットリウムが優れている。
【0053】
また、本発明の金属とセラミックからなる導電性基体3は、導電性基体3の熱膨張係数が骨格をなす多孔質セラミック体の熱膨張係数に依存するところが大きく、上記セラミックとして炭化珪素や窒化アルミニウムが好ましい。また、導電性基体3の熱伝導率は気孔部に充填した金属の熱伝導率に依存するところが大きいため、両者の配合比をそれぞれ変えることにより、導電性基体3の熱膨張係数と熱伝導率を適宜に調整することができる。特に、上記金属としてはウェハWに影響の少ないアルミニウムやアルミニウム合金が好ましい。
【0054】
導電性基体3のセラミック成分の含有量が50質量%より少なくなると導電性基体3の強度が大きく低下するとともに、導電性基体3の熱膨張係数が多孔質セラミック体よりもアルミニウム合金の熱膨張係数による依存度が大きく導電性基体3の熱膨張係数が大きくなり、非晶質セラミック絶縁膜2との熱膨張差が大きくなり過ぎることから絶縁膜2が剥離する虞がある。
【0055】
逆に、導電性基体3のセラミック成分の含有量が90質量%より多くなると、セラミックの開気孔率が小さくなりアルミニウム合金を充分に充填できなくなり、熱伝導や電気伝導が極端に低下してしまい、導電性基体として機能を果たさなくなる。上記セラミックとして窒化珪素や炭化珪素や窒化アルミニウム、アルミナなど低熱膨張で高剛性の多孔質セラミックを用いる。気孔部に隙間なくアルミニウム合金を充填するためには、気孔径が10〜100μmの多孔質セラミック体を用いることが望ましい。
【0056】
なお、多孔質セラミック体の気孔部に金属を充填する方法としては、予め多孔質セラミック体を入れて加熱しておいたプレス機に溶融金属を注入し、加圧プレスすれば良い。
【0057】
SiCの質量比率を50〜90%にすることにより、導電性基体3の熱膨張率を11×10−6〜5×10−6/℃程度に変えることができるため、絶縁膜2の熱膨張率や成膜応力に合わせることが可能となる。
【0058】
また、本発明の静電チャック1が用いられるエッチング工程の腐食性のガスは不記載のカバーリング等で保護された静電チャック1の側面や裏面の雰囲気露出面にも若干侵入するため、プラズマに対する耐食性を高める上で保護膜4があることが好ましい。
【0059】
ウェハ載置面2aに比べて浸食が少ない導電性基体3の側面及び裏面にアルミナ溶射膜やアルミニウムの陽極酸化膜を形成し保護膜4とすることが好ましい。上記のアルミナ溶射膜の厚みは50〜500μm形成することが好ましい。また、上記のアルミニウムの陽極酸化膜の厚みは20〜200μm形成することが好ましい。
【0060】
保護膜4としてアルミナの溶射膜を形成する場合は導電性基体3の表面の材質は問わないが、保護膜4としてアルミニウムの陽極酸化膜を形成する場合は導電性基体3の表面がアルミニウム合金である必要がある。前述の多孔質セラミック体にアルミニウム合金を含浸させた導電性基体3に陽極酸化膜を施しても表面のアルミニウム部分のみに陽極酸化膜が成長するだけで部分的にセラミック部分が露出した構造になり、耐プラズマ性が低下し、プラズマ雰囲気と導電性基体3との間の絶縁性が悪くなるため、アルミニウム合金を含浸させる際に、アルミニウム合金を導電性基体3の表面に形成した導電性基体3を作製することが好ましい。そして、アルミニウムの陽極酸化膜を形成することにより、耐プラズマ性を高め、更に表面のアルミニウムを酸化することで表面の絶縁性を備えることができる。
【0061】
尚、裏面のプラズマ保護膜4の一部には導電性基体3と導通が取れるように給電口5が設けてあることが好ましい。
【0062】
次に本発明の静電チャック1の製法について述べる。ここでは導電性基体3として炭化珪素の多孔質体にアルミニウム合金を含浸させると同時に表面層をアルミニウム合金とした導電性基体3に陽極酸化膜を形成して耐プラズマの保護膜4とし、酸化アルミニウムからなる非晶質セラミック絶縁膜2をスパッタ法により形成した静電チャック1について説明する。
【0063】
平均粒径60μm程度の炭化珪素粉末に対し、酸化珪素(SiO)粉末とバインダー及び溶媒を添加混練したあとスプレードライヤーにて顆粒を製作した。そして、この顆粒をラバープレス成形法にて円盤状の成形体を形成したあと、真空雰囲気下にて通常の焼成温度より低い1000℃程度の温度で焼成することにより、気孔率20%を有する、窒化珪素製の多孔質セラミック体を作製し、所望する形状に加工する。
【0064】
そして、この多孔質セラミック体をプレス機のダイに装填し、このダイを680℃まで加熱したあと、溶融させた純度99%以上のアルミニウム合金をダイに充填し、パンチを降下させて98MPaにて加圧した。そして、この加圧状態のまま冷却することにより、気孔部に金属としてアルミニウム合金が充填された多孔質セラミック体を形成し、ダイのサイズは多孔質セラミック体のサイズより大きめのものを使用すると導電性基体3の表面の全面にアルミニウム合金層が形成され、所定の形状にすることにより導電性基体3を得ることができる。
【0065】
そして上記導電性基体3の表面のアルミニウム合金層の表面を陽極酸化被膜処理を行いアルミニウムの陽極酸化膜を得ることができる。陽極酸化被膜処理は蓚酸または硫酸等の酸に導電性基体3を陽極として、炭素等を陰極として浸し電気分解すると、アルミニウム合金の表面にγ−Alが被膜して生成する。この被膜は多孔質状であるため、該被膜を沸騰水に浸す、あるいは加熱蒸気と反応させることにより緻密なベーマイト(AlOOH)被膜からなる保護膜4が得られる。
【0066】
上記の保護膜4を形成した導電性基体3に絶縁膜2を形成するには、絶縁膜2を形成する面の上記保護膜4を切削加工で除去した後、導電性基体3表面の鏡面加工を行い、成膜面として仕上げる。
【0067】
また、上記導電性基体3に保護膜としてアルミナ溶射膜を形成する場合は、導電性基体3の表面をブラスト処理等で粗面化したのちにアルミナの溶射を施す方が密着性を大きくできる。更にアルミナの溶射をする前の下地処理としてNi系の金属膜を溶射すると保護膜との密着性が大きく好ましい。アルミナの溶射膜は、40〜50μm程度のアルミナ粉末を大気プラズマや減圧プラズマで溶融・照射することで形成する。気密性を高めるために減圧プラズマで行うことが好ましい。
【0068】
溶射膜のみでは開気孔が存在するため、有機珪素化合物や無機珪素化合物を含浸させて加熱することで封孔処理を行い保護膜とする。
【0069】
上記導電性基体3の上記仕上げ面に形成する非晶質セラミックからなる絶縁膜2はスパッタによって作製する。平行平板型のスパッタ装置に絶縁膜2として成膜したい組成のターゲットをセットする。ここでは酸化アルミニウム焼結体をターゲットとし、該ターゲットと対向するように導電性基体3を銅製のホルダーの中にセットする。導電性基体3の裏面とホルダー表面はInとGaからなる液状合金を塗り貼り合わせることにより導電性基体3とホルダーとの間の熱伝達が大きくなり、導電性基体3の冷却効率を上げることができることから良質な非晶質セラミックからなる絶縁膜2を形成することができる。
【0070】
このように導電性基体をスパッタのチャンバー内にセットし、真空度を0.001Paとした後、アルゴンガスを25〜75sccm流す。
【0071】
そして、ターゲットとホルダーの間にRF電圧をかけることによりプラズマが発生する。そして、ターゲットのプレスパッタ及び導電性基体側のエッチングを数分間行いターゲットと導電性基体のクリーニングを行う。
【0072】
酸化アルミニウム製の非晶質セラミックからなる絶縁膜2の成膜は上記のRF電力を3〜9W/cmにしてスパッタを行う。また、導電性基体3側には−100〜−200V程度のバイアスをかけてターゲットから電離した分子及び電離したアルゴンイオンを引きつける。しかし、導電性基体3が絶縁されていると電離したアルゴンイオンにより導電性基体3の表面が帯電してしまい、次のアルゴンイオンが入りにくい状態になる。膜中に入ったアルゴンイオンは電荷を放出してアルゴンの状態に戻り、膜中に残留する。アルゴンを膜中に多く取り込むには成膜時に導電性基体3の給電口からInGa層、ホルダーの経路で電荷を逃がし、常にアルゴンを非晶質セラミックからなる絶縁膜2に取り込みやすい状態にしておくことが必要である。
【0073】
また、導電性基体3の冷却が悪いと部分的に非晶質セラミック絶縁膜2が非晶質から結晶化してしまい、部分的に耐電圧が悪くなったり、耐プラズマ性が悪くなってしまう。導電性基体3の冷却は装置の冷却板に冷却水を流すことで基板ホルダー内を充分冷却して導電性基体3の温度を数十度に保つことが良い。
【0074】
絶縁膜2の成膜レートは3μm/時間にて17時間成膜し、約50μmの膜厚の非晶質セラミックからなる絶縁膜2を作製した。
【0075】
その後、非晶質セラミック絶縁膜2の表面をポリッシング等で整えることによりウェハ載置面を形成し静電チャック1を完成する。
【0076】
【実施例】
(実施例1)直径198mmで、厚み5mmのSiC多孔質体にアルミニウム合金を含浸させ、側面と上下面に厚み1mmのアルミニウム合金層を設けたSiCが80質量%とアルミ合金が20質量%とからなる直径200mm、厚み7mmの導電性基体3を得た。そして、その上面に非晶質セラミックからなる絶縁膜を形成し試料No.1〜10として、絶縁膜の絶縁破壊、クラック、剥離や耐プラズマ性の評価を行った。
【0077】
絶縁膜の絶縁破壊の評価は、ウェハと導電性基体との間に3kV電圧を印加して絶縁破壊の有無を評価した。
【0078】
また、耐プラズマ性の評価は、静電チャックの側面にカバーリングを設けて側面をカバーして、ウェハ載置面にウェハWを載せない状態で、ハロゲンガスとしてClを60sccm流しながら4Paの真空度として、載置面の上方に配置した対抗電極と導電性基体3の間に2kWの高周波電力を供給しながらプラズマを対抗電極と載置面の間に発生させ100時間載置面にプラズマを曝した。その後、絶縁膜の状態を観察し、絶縁膜が腐食し導電性基体が露出していないものや、載置面の表面に凹凸が発生していない優れた特性を示すものを○で示し、それ以外を×とした。
【0079】
また、比較例として同じ形状の導電性基体3の全面にアルミナ溶射膜を設けた試料No.10と、アルミニウム合金に陽極酸化膜を生成し、その上に10μmの非晶質酸化アルミニウム膜を形成した試料No.11を用いた。
【0080】
その結果を表1に示す。
【0081】
【表1】
Figure 0004031732
【0082】
本発明の非晶質セラミック絶縁膜2の厚みが10〜100μmの試料No.3〜5、7〜9は絶縁膜の絶縁破壊、クラックや剥離は見られず、耐プラズマ性も良好であり優れた特性を示すことが分かった。
【0083】
また、非晶質セラミックからなる絶縁膜2であるが厚みが薄い試料No.1、2はクラックや剥離は見られなかったが、プラズマにより腐食し導電性基体が露出し短時間で使用できなかった。非晶質セラミックからなる絶縁膜2の厚みが150μmと厚い試料No.6は絶縁膜にクラックや剥離が短時間で発生した。比較例の試料No.10のアルミナ溶射膜やNo.11のアルミニウムの陽極酸化膜はクラックや剥離は見られなかったが、プラズマにより膜の一部が破れて導電性基体が露出してウェハと導電性基体との絶縁がとれなくなり、静電チャックの機能を果たさなくなった。
【0084】
本発明の絶縁膜2の厚みが10〜100μmの範囲のものは絶縁膜2の剥がれやクラックがなく、プラズマに曝されても表面の凹凸が発生することなく優れた特性を示した。
【0085】
更に、上記の実験で絶縁破壊や膜の剥離がなく、耐プラズマ性の優れた試料No.3、4、5、7、8、9を用いて吸着力と離脱性の評価を行った。また、その比較例としてアルミニウム合金に陽極酸化膜を生成し、その上に非晶質酸化アルミニウム膜を形成した試料No.11を用いた。
【0086】
静電吸着力の測定は常温、真空中で行い、1インチ角のSiウェハを載置面に配置して、ウェハWと導電性基体3に500Vを印加し1分間経過後にSiウェハを引き上げ、その引き上げに要した力をロードセルで測定して、その値を載置面の面積で除して単位面積当たりの静電吸着力とした。また、残留吸着力の測定は真空中で行い、1インチ角のSiウェハを載置面に配置して、500Vを2分間印加した後、電圧を切り3秒後にSiウェハを引き上げ、その引き上げに要した力をロードセルで測定して、その値を載置面の1インチ角の面積で除して単位面積当たりの残留吸着力とした。
【0087】
本発明の非晶質セラミックからなる絶縁膜2の厚みが10〜100μmの試料No.3〜5、7〜9は静電吸着力が1000N/m以上と大きく、残留吸着力は0N/mであり、吸着特性に優れていた。
【0088】
また、アルミニウムの陽極酸化膜の上に非晶質アルミナからなる絶縁膜を備えた試料No.11は、吸着力が3500N/mと大きく好ましいが、残留吸着力が600N/mと大きく使用できなかった。この残留吸着力が大きいのは陽極酸化膜と非晶質アルミニウム酸化膜の体積固有抵抗が異なることが原因と考えられる。
【0089】
(実施例2)
次に導電性基体3は実験1で用いた直径200mmで厚みが7mmのものを用いて、絶縁膜2として非晶質酸化アルミニウムを用い、様々な成膜条件を変え、非晶質セラミック絶縁膜2に含まれるアルゴン量を変えた膜を作製し、剥離やクラックの発生の有無を評価した。
【0090】
【表2】
Figure 0004031732
【0091】
アルゴン量が0.5原子%と小さい試料No.21は、絶縁膜にクラックが生じた。
【0092】
しかし、本発明の希ガス類元素としてアルゴンを1〜10原子%含む試料No.22〜25は絶縁膜にクラックが発生することが無く、絶縁破壊していないことから希ガス類元素は1〜10原子%が好ましいことが分った。
【0093】
次に導電性基体3は実験1で用いた直径200mmで厚みが7mmを使い、絶縁膜2として非晶質の酸化アルミニウムを用い、成膜条件を変えて絶縁膜2のビッカース硬度を変えた膜を作製し、剥離やクラックの発生の有無を確認した。
【0094】
導電性基体3の上に様々な成膜条件で作った30μmの酸化アルミニウムの非晶質セラミックからなる絶縁膜2を備えたものを評価した。
【0095】
尚、ビッカース硬度は、JIS R1610の硬さ記号HV0.1に対応し荷重0.98Nを15秒間加えその圧痕の大きさから測定した。
【0096】
【表3】
Figure 0004031732
【0097】
ビッカース硬度が400HV0.1と小さい試料No.31はクラックが発生しなかったが、絶縁破壊が生じた。これは硬度が小さすぎるため膜に傷が入り、そのため絶縁破壊が発生したと考えられる。また、ビッカース硬度が1200HV0.1と大きな試料No.35は絶縁膜にクラックが発生した。これは膜が内部応力を緩和できずにクラックが発生したと考えられる。
【0098】
従って、試料No.32〜34のようにビッカース硬度は500〜1000HV0.1が好ましいことが分かった。
【0099】
(実施例3)
非晶質セラミックからなる絶縁膜の材質を酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化イットリウムアルミニウム、酸化セリウムと変えた試料No.41〜44と比較例として絶縁膜が多結晶アルミナからなる試料No.45をプラズマに曝して絶縁膜のエッチングレートを比較した。
【0100】
その評価方法は、静電チャックの外周表面及び側面にカバーリングを設けて絶縁膜がついていない箇所をカバーして、絶縁膜表面にプラズマを照射した。プラズマの条件としてはハロゲンガスとしてClを60sccm流しながら4Paの真空度として、載置面の上方に配置した対抗電極と導電性基体の間に2kWの高周波電力を供給しながらプラズマを対抗電極と載置面の間に発生させ2時間プラズマに曝した。そして、絶縁膜のエッチングによる磨耗厚みからエッチングレートを算出した。各膜の磨耗厚みを焼結アルミナの磨耗厚みで除した値をエッチングレートとした。その結果を表5に示す。
【0101】
【表4】
Figure 0004031732
【0102】
多結晶アルミナからなる試料No.45のエッチングレートに対して非晶質セラミックからなる酸化アルミニウム膜No.51は0.7と小さく、酸化イットリウムや酸化イットリウムアルミニウム、酸化セリウムなどの非晶質セラミックからなる絶縁膜2のエッチングレートはそれぞれ0.2、0.3、0.3と更に小さく、非常に耐プラズマ性が優れることが分かった。
【0103】
(実施例4)
直径198mm、厚み5mmののSiCの含有率を50〜90質量%(残りはアルミニウム合金)に変えた物を用いて、側面と上下面に厚み1mmのアルミニウム合金層を設けた直径200mm、厚み7mmの導電性基体3の上面に非晶質セラミックからなる酸化アルミニウム膜を成膜し、―20℃〜200℃の温度サイクルテストを行ったが、非晶質酸化アルミニウム膜にクラックの発生は見られなかった。
【0104】
(実施例5)
直径198mm、厚み5mmのSiCが80質量%とアルミ合金が20質量%となるSiC多孔質体にアルミニウム合金を含浸させ、側面と上下面に厚み1mmのアルミニウム合金層を設けた直径200mm、厚み7mmの導電性基体3の上面に非晶質酸化アルミニウム、それ以外の面に耐プラズマ保護膜としてアルミニウムの陽極酸化膜を生成したものとアルミナの溶射膜を成膜し作製した静電チャック1を20℃〜200℃の温度サイクルでテストしたが、保護膜にクラックの発生は見られなかった。
【0105】
【発明の効果】
本発明の静電チャックは金属または金属とセラミックからなる導電性基体を吸着用電極として、前記導電性基体の一方の主面に絶縁膜を備え、その上面をウェハを載せる載置面として、前記導電性基体がアルミニウムまたはアルミニウム合金の何れか一つの金属成分と、炭化珪素または窒化アルミニウムの何れか一つのセラミック成分とからなり、該セラミック成分の含有量が50〜90質量%であり、前記絶縁膜は酸化物からなる均一な非晶質セラミックから成り、その厚みを10〜100μmとすると、絶縁膜にクラックが発生することがなく、絶縁破壊を防止できる。また、ウェハWの離脱特性に優れた静電チャックが得られる。
【0106】
更に、保護膜を形成するとプラズマに対する耐久性に優れた静電チャックを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の静電チャックの断面構造図である。
【図2】本発明の他の静電チャックの断面構造図である。
【図3】従来の静電チャックの断面構造図である。
【図4】従来の他の静電チャックの断面構造図である。
【図5】従来の他の静電チャックの断面構造図である。
【符号の説明】
1、21、51:静電チャック
2、52:絶縁膜
2a、22a、52a:ウェハ載置面
3:導電性基体
4:保護膜
5:給電口
23:金属とセラミックからなる複合材料
24:アルミニウム合金基体
25:アルミナ溶射膜
26:陽極酸化膜

Claims (4)

  1. 金属または金属とセラミックスからなる導電性基体を吸着用電極とし、前記導電性基体の一方の主面に絶縁膜を備えてその上面をウェハの載置面とし、前記導電性基体がアルミニウムまたはアルミニウム合金の何れか一つの金属成分と、炭化珪素または窒化アルミニウムの何れか一つのセラミック成分とからなり、該セラミック成分の含有量が50〜90質量%であり、前記絶縁膜は酸化物からなる非晶質セラミックから成るとともにその厚みが10〜100μmであることを特徴とする静電チャック。
  2. 記絶縁膜は、希ガス類元素を1〜10原子%含み、ビッカース硬度が500〜1000HV0.1であることを特徴とする請求項1に記載の静電チャック。
  3. 記絶縁膜が酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化イットリウムアルミニウムまたは希土類の酸化物の何れか一つを主成分とすることを特徴とする請求項1または2に記載の静電チャック。
  4. 前記絶縁膜を形成した面以外の前記導電性基体の表面に、アルミニウムの陽極酸化膜またはアルミナ溶射膜からなる保護膜が形成されていることを特徴とする請求項1〜の何れかに記載の静電チャック。
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