JPH08288376A - 半導体製造装置用静電チャック - Google Patents

半導体製造装置用静電チャック

Info

Publication number
JPH08288376A
JPH08288376A JP8724495A JP8724495A JPH08288376A JP H08288376 A JPH08288376 A JP H08288376A JP 8724495 A JP8724495 A JP 8724495A JP 8724495 A JP8724495 A JP 8724495A JP H08288376 A JPH08288376 A JP H08288376A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oxide
electrostatic chuck
insulating layer
plasma
amorphous
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP8724495A
Other languages
English (en)
Inventor
Narimasa Sugiyama
成正 杉山
Atsushi Hisamoto
淳 久本
Tsugumoto Ikeda
貢基 池田
Moriyoshi Kanamaru
守賀 金丸
Toshihisa Nozawa
俊久 野沢
Tetsuya Nishizuka
哲也 西塚
Takashi Onishi
隆 大西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP8724495A priority Critical patent/JPH08288376A/ja
Publication of JPH08288376A publication Critical patent/JPH08288376A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Jigs For Machine Tools (AREA)
  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 半導体ウエハと接触しても構成金属元素によ
る汚染が発生することがなく、しかも優れた耐ガス腐食
性及び耐プラズマ性を発揮する静電チャックを提供す
る。 【構成】 基板上に絶縁層が形成された静電チャックで
あって、上記絶縁層は、その上層が非晶質なAl酸化物
から構成されている。前記上層は、高周波マグネトロン
スパッタリング法により0.10〜10μmの厚さで形
成されることが好ましく、前記絶縁層は、その下層がA
l酸化物からなることが望ましく、該Al酸化物として
はAlまたはAl合金の陽極酸化物を用いることが推奨
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体ウエハなどの被
吸着物を静電気力で吸着固定する半導体製造装置用静電
チャックに関し、詳細には被吸着物に対する吸着・脱離
特性に加えて、該静電チャックが使用される腐食環境下
における耐食性に優れた性能を発揮する静電チャックに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】静電チャックは、半導体を製造する過程
におけるプラズマエッチング,CVD,イオンプレーテ
ィング,イオン注入などの処理を減圧雰囲気下で行う際
に、半導体ウエハを吸着固定する治具であり、基板上に
絶縁層(誘電層)を形成すると共に、電極を配設するこ
とにより構成されていることが一般的である。
【0003】上記絶縁層としては、誘電特性の観点から
セラミックスが用いられており、BaTiO3 やCaT
iO3 等の強誘電材料が知られている。但し、上記強誘
電材料を単独で用いる場合には半導体ウエハとの機械的
摺動によりダストを発生させたり、絶縁層を構成するT
iやBa,Ca等の金属元素が上記半導体ウエハに拡散
して汚染したりするなどの問題を有していた。
【0004】そこで、特開平4−367247号公報に
は、上記強誘電材料からなる絶縁層を下層として、その
表面にAl,Siの酸化物,窒化物またはこれらの複合
化合物を被覆して上層とする静電チャックが提案されて
いる。該静電チャックを用いれば、下層に含有される金
属元素が半導体ウエハを汚染するという問題を解決する
ことは可能である。しかしながら、静電チャックが使用
される真空チャンバ内は、以下の様な厳しい腐食環境下
にあり、上記静電チャックでは耐食性が不十分であると
いう問題が指摘されていた。
【0005】即ち、半導体の製造工程において用いられ
る真空チャンバ内には、種々の腐食性ガスが導入され
る。例えば、CVDでは、反応ガスとしてSiCl4,SiH2Cl
2,PCl3,BCl3 などが用いられ、ドライエッチングの場合
には、エッチングガスとしてハロゲンを含むHCl,Cl2,CF
4,C2F6などが用いられており、更にPVDにおいても真
空チャンバ内のクリーニングガスとしてNF3 やO2含有ガ
スなど、腐食性を有するガスが真空チャンバ内に導入さ
れるのである。従って上記真空チャンバ内に搭載される
静電チャックには、上記の腐食性を有するガスに対する
耐食性(以下、耐ガス腐食性という)が必要である。更
に、製造プロセスの中では、上記腐食性ガスのみでなく
F系やCl系などのプラズマが形成されることから、プ
ラズマに対する耐食性(以下、耐プラズマ性という)も
必要であり、耐プラズマ性が十分でない場合には、使用
中に材料損傷に起因するパーティクルが発生し、半導体
の製造に不具合を生じる。
【0006】前記静電チャックをはじめ、これまでに開
発されてきた静電チャック(例えば、特公昭60−59
104号,特開平5−243367号)は、いずれも耐
ガス腐食性及び耐プラズマ性が不充分であり、長時間の
使用に堪えることができなかった。
【0007】そこで、静電チャックに機能上要求される
吸着・脱離特性を備えた上で、半導体ウエハを汚染する
ことがなく、しかも耐ガス腐食性及び耐プラズマ性に優
れた静電チャックの開発が要望されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に着
目してなされたものであって、半導体ウエハと接触して
も構成金属元素による汚染が発生することがなく、しか
も優れた耐ガス腐食性及び耐プラズマ性を発揮する静電
チャックを提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成した本発
明の半導体製造装置用静電チャックとは、基板上に絶縁
層が形成された静電チャックであって、上記絶縁層は、
その上層が非晶質なAl酸化物から構成されたものであ
ることを要旨とするものである。前記上層は、高周波マ
グネトロンスパッタリング法により0.10〜10μm
の厚さで形成されることが好ましく、前記絶縁層は、そ
の下層がAl酸化物からなることが望ましく、該Al酸
化物としてはAlまたはAl合金の陽極酸化物を用いる
ことが推奨される。
【0010】
【作用】本発明者らは、半導体製造装置用静電チャック
の絶縁層(誘電層)としてAl酸化物に着目し研究を重
ねた結果、Al酸化物の結晶状態が耐ガス腐食性及び耐
プラズマ性に及ぼす影響が非常に大きく、上記絶縁層の
少なくとも上層を非晶質のAl酸化物で構成することに
より、静電チャックとしての十分な吸着・脱離性能を保
持したままで、腐食性のガスやプラズマに対して非常に
優れた耐食性を発揮することを見出した。
【0011】本発明において非晶質とは、X線回折測定
による回折スペクトルのピークがブロードであり、結晶
質と同定される鋭いピークが検出されない状態を言い、
具体的には上記回折スペクトルおいて、半値幅で5°以
下のピークを有しない状態であり、半値幅で8°以下の
ピークを有しないことが好ましい。
【0012】絶縁層の上層を構成する非晶質なAl酸化
物の厚さは、十分な耐食性を発揮する上で、0.10μ
m以上とすることが好ましく、0.5μm以上であれば
より好ましい。但し、その厚さが10μmを超えると、
内部応力が大きくなり被覆層の割れや剥離を引き起こす
ことがあるので10μm以下とすることが好ましく、5
μm以下であればより好ましい。
【0013】本発明の静電チャックにおいて、絶縁層の
上層を構成するAl酸化物を非晶質にする方法として
は、高周波マグネトロンスパッタリング法が好適な皮膜
形成方法として挙げられる。尚、通常の高周波スパッタ
リング法やイオンビーム蒸着法を用いても非晶質なAl
酸化物を絶縁層として形成することは可能であるが、高
周波マグネトロンスパッタリング法を採用することによ
り、耐プラズマ性や内部応力の観点から特に優れた特性
を有する非晶質Al酸化物を形成することが可能であ
る。高周波マグネトロンスパッタリング法における製造
条件については、以下の範囲内に設定することが推奨さ
れる。
【0014】(1) Ar分圧 金属元素などのスパッタリングを行う際には、2mTo
rr程度のAr分圧を採用することもあるが、Al2
3 をターゲットとして非晶質なAl酸化物を静電チャッ
ク表面に形成する場合では、Ar分圧を3〜30mTo
rrとすることが好ましく、5〜15mTorrの範囲
がより好ましい。
【0015】また、Al23 をスパッタリングする場
合には、Arに加えて数%のO2 を含有させることが一
般的であるが、耐プラズマ性に優れた非晶質Al酸化物
を形成するにはむしろO2 を含有させないことが好まし
く、しかも皮膜表面にピンホールが形成することを防ぐ
観点からもO2 を含有させずにスパッタリングを行うこ
とが好ましい。
【0016】(2) 基材温度 基材温度は低い程、非晶質なAl酸化物を均一かつ緻密
に形成し易い。基材温度が150℃を超えると結晶質と
なり易いので、5〜150℃の温度範囲が好ましく、5
〜80℃であればより好ましく、さらに望ましい温度範
囲は5〜50℃である。
【0017】(3) 出力(RF Power) 出力は、スパッタリングにおける成膜速度を支配する要
因である。非晶質なAl酸化物を均一且つ緻密に形成す
るには、成膜速度が大きい方が好ましく、出力は3.5
W/cm2 以上が好ましく、6W/cm2 以上がより好
ましく、9W/cm2 以上であればより一層好ましい。 (4) 磁場 マグネトロンスパッタリングを行うにあたっては、フェ
ライト系の磁石を用いて磁場を形成する方法を採用すれ
ばよい。
【0018】本発明の静電チャックにおいては、少なく
とも絶縁層の上層を非晶質なAl酸化物で構成すればよ
く、絶縁層の下層を限定するものではない。例えば、B
aTiO3 やCaTiO3 などの公知の強誘電性セラミ
ックスを用いてもよいが、下層にAl酸化物を用いるこ
とによって、以下の〜に示す様な優れた効果を発揮
する。
【0019】 絶縁層の上層と下層にAl酸化物とい
う同系の材料を用いることで、熱膨張率や体積変化抵抗
などの差異によって生ずる割れや剥離を防止でき、特に
温度変化が繰り返される環境下における耐久性(以下、
耐熱サイクル性という)の向上を図ることができる。
【0020】 また、異種材料を積層して絶縁層とす
る従来の静電チャック(例えば、特開平4−14663
9号や特開平4−367247号など)では、材料物性
に起因する残留吸着力(印加する電圧を切っても絶縁層
表面に残る電荷により生ずる吸着力)の発生が問題とな
る場合があり、上記残留吸着力が大きいとウエハの脱離
に必要以上の時間を要し、プロセス制御に支障をきたす
ことがあった。本発明の静電チャックでは、下層をAl
酸化物とし、その上に非晶質なAl酸化物を被覆して同
系のAl酸化物を積層することにより、上記残留吸着力
を低減することも可能となった。
【0021】 さらに上層に非晶質のAl酸化物を採
用すると共に、下層の絶縁層に各種のAl酸化物を用い
ることにより、静電チャックに要求されている耐電圧
(絶縁破壊電圧)に応じて異なる耐電圧を有する絶縁層
(誘電層)を形成することができる。
【0022】下層の絶縁層となるAl酸化物は、Al酸
化物の焼結体、AlまたはAl合金の陽極酸化処理によ
って得られたAl陽極酸化物、各種のPVDやCVDに
よって形成されたAl酸化物皮膜など誘電体として作用
するものであれば、結晶性または非結晶性を問わず採用
することができる。
【0023】例えばAl酸化物の焼結体を下層に用いる
場合では、その厚さは60〜600μmが望ましく、1
00〜400μmであればより望ましい。耐電圧につい
ては1kV以上で使用することが可能であり、上記焼結
体の厚さが100μm以上であれば3kV以上の耐電圧
で使用することができる。尚、下層に用いる上記Al酸
化物焼結体は、Al酸化物の純度が低くなると、上層と
の熱膨張率などの違いにより割れや剥離等を生じること
があるので、Al酸化物の純度を99%以上とすること
が好ましく、99.5%以上であるとより好ましい。
【0024】Al陽極酸化物を下層に用いる場合では、
その厚さは1〜50μmが好ましく、3〜30μmであ
ればより好ましい。耐電圧は、2kV未満で使用するこ
とが望ましいが、陽極酸化処理を施すAl合金基材の組
成にも影響されるものであり、例えば#6000系Al
合金を基材に採用する場合には、耐電圧は1kV未満で
使用することが望ましい。
【0025】上記Al陽極酸化物は、公知の方法により
形成すればよいが、本発明者らは陽極酸化皮膜の内部構
造や材質または陽極酸化処理方法等を制御することによ
って、耐ガス腐食性及び耐プラズマ性が著しく向上する
ことを見出し、先に出願を済ませている(特願平6−2
82313号)。例えばポーラス層とバリア層を有する
陽極酸化皮膜を形成する場合には、ポーラス層のポア径
を表面側で小さく、基材側で大きく形成することが有効
である。表面側のポア径を小さくすることにより耐プラ
ズマ性の向上に有効であり、基材側のポア径を大きくす
ることによりバリア層を厚く形成でき耐ガス腐食性の向
上に効果的である。さらに上記ポア径を変化させるにあ
たっては、非連続的にポア径を変化させて多層構造とし
たり、或いは連続的にポア径を変化させて傾斜構造を有
する様に構成してもよい。この様に内部構造を制御する
ことにより、優れた耐ガス腐食性及び耐プラズマ性を発
揮させることができ、しかも陽極酸化皮膜内部で種々の
要因によって発生する応力や体積変化を緩和することが
でき、耐熱サイクル性の向上も図ることが可能である。
【0026】従って、上記の様に陽極酸化物の内部構造
などを制御することにより優れた耐ガス腐食性及び耐プ
ラズマ性を付与した絶縁層を下層として、これに非晶質
なAl酸化物を上層として積層すれば、一段と優れた優
れた耐食性を発揮する静電チャックを得ることができ
る。
【0027】以下本発明を実施例によって更に詳細に説
明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のもので
はなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することはい
ずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0028】
【実施例】実施例1 高周波マグネトロンスパッタリングにて、SiO2 の基
板上に2μmの厚さでAl酸化物皮膜を形成した。製造
条件において、Ar分圧は5mTorr,RF出力は1
4W/cm2 として、基板温度を10〜300℃の範囲
で変更することにより、結晶性が異なる種々の試験片を
用意し、X線回折スペクトルにおけるピークの半値幅の
最小値を測定すると共に、485℃、RF出力250W
でのNF 3 プラズマ照射試験を延べ450分行い、試験
後の損傷面積を調べて以下の様に評価した。結果は図1
に示す。
【0029】図1の結果から、X線回折スペクトルにお
けるピークの半値幅の最小値が5°以上であれば優れた
耐プラズマ性が得られ、特に半値幅の最小値が8°以上
であれば、非常に優れた耐プラズマ性が得られることが
分かる。尚、上記半値幅の最小値が5°以上である非晶
質なAl酸化物のX線回折スペクトルのチャートを図2
に代表例として示す。また図3には、上記半値幅の最小
値が5°未満である結晶質なAl酸化物のX線回折スペ
クトルを示す。
【0030】実施例2 非晶質なAl酸化物の膜厚と耐プラズマ性の関係を調べ
ることを目的として、高周波マグネトロンスパッタリン
グにより、X線回折による半値幅で8°以下のピークが
ない非晶質なAl酸化物をSiO2 基板上に形成し、実
施例1と同様にして、耐プラズマ性を調べた。結果は表
1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】非晶質なAl酸化物の膜厚が0.1〜10
μmの範囲にある試験片(No.2〜5)は良好な耐プ
ラズマ性を示し、特に膜厚が0.5〜5μmの範囲にあ
る試験片(No.3,4)は、非常に優れた耐プラズマ
性を示した。膜厚が薄過ぎる試験片No.1は耐プラズ
マ性が十分ではなく、膜厚が厚過ぎる試験片No.6で
はAl酸化物皮膜に割れが発生した。
【0033】実施例3 高周波マグネトロンスパッタリング法,高周波スパッタ
リング法,イオンビーム蒸着法の3種類の方法により、
5μmのAl酸化物皮膜を基板上に形成した試験片を用
意し、皮膜内部に残留する圧縮応力を測定すると共に、
耐プラズマ性を調べた。プラズマ照射試験は、プラズマ
照射前後に50〜400℃の熱サイクルを加えたこと以
外は実施例1と同様にして行い、実施例1と同じ基準に
従い耐プラズマ性を評価した。結果は表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】イオンビーム蒸着法によりAl酸化物皮膜
を形成した試験片No.1は、耐プラズマ性が十分でな
く、通常の高周波スパッタリング法によりAl酸化物を
形成した試験片No.2であっても、前記プラズマ照射
試験に対する耐プラズマ性は不充分であった。これに対
して高周波マグネトロンスパッタリング法によりAl酸
化物皮膜を形成した試験片No.3は、優れた耐プラズ
マ性を示した。皮膜内部の圧縮応力を比較しても試験片
No.3は、他の形成方法による試験片No.1,2よ
り一桁以上小さい値を示しており、割れや剥離の可能性
が低いことが分かる。
【0036】次に示す実施例4〜7で用いる静電チャッ
クについては、いずれの場合も任意の電圧を印加して吸
着力を測定し、100g/cm2 以上であることを予め
確認した上で、以下の性能を評価した。
【0037】実施例4 表2に示す構成の静電チャックを用いて、80g/cm
2 の吸着力で半導体ウエハを吸着させた後の半導体ウエ
ハの汚染状態をEPMA(X線マイクロアナライザー)
により測定した。 EPMA測定結果:○ Ti,Ca,Baの検出なし × Ti,Ca,Baの検出あり
【0038】
【表3】
【0039】No.1〜4は本発明の実施例であり、半
導体ウエハの汚染は見られなかった。一方、従来例であ
るNo.5〜8では、いずれも半導体ウエハに金属元素
の汚染が発生した。
【0040】実施例5 表4及び表5に示す種々の構成の静電チャックを用い
て、以下の方法によりプラズマ照射試験及びガス腐食試
験を行い、耐プラズマ性及び耐ガス腐食性を調べた。 ・プラズマ照射試験 静電チャックの絶縁層を直接塩素プラズマに暴露した。
プラズマへの暴露は低バイアス下にて行い、15分間の
プラズマ照射を5分間隔で4回行った後、材料(絶縁
層)表面の損傷・腐食面積を測定して以下の様に評価し
た。
【0041】・ガス腐食試験 5%Cl2 −Ar混合ガスにより、400℃で2時間の
ガス腐食試験を行い、試験後の外観を調べて以下の基準
で評価した。 結果は表4及び表5に示す。
【0042】
【表4】
【0043】
【表5】
【0044】表4及び表5の結果から明らかな様に、本
発明に係る条件を満足するNo.1〜3,No.14〜
22は、優れた耐プラズマ性及び耐ガス腐食性を示し
た。一方、No.4〜13,No.23,No.24
は、本発明に係る条件のいずれかを満足しない比較例で
あり、耐プラズマ性または耐ガス腐食性の少なくとも一
方が不充分である。
【0045】実施例6 表6に示す構成の静電チャックを用いて、下記の熱サイ
クル試験を行った。各試験片を50℃から550℃まで
昇温速度50℃/分で加熱し、550℃で10分間保持
した後、冷却速度15℃/分で冷却し、50℃で10分
間保持するという加熱/冷却サイクルを10サイクル繰
り返すことにより熱サイクル試験を実施し、試験後の外
観から耐熱サイクル性を評価した。結果は表6に併記す
る。 耐熱サイクル性:○ Al酸化物皮膜にクラックの発生なし × Al酸化物皮膜にクラックの発生なし
【0046】
【表6】
【0047】No.1,2は、上層及び下層が共にAl
酸化物により構成されている本発明の実施例であり、優
れた熱サイクル性を示した。No.3は、No.2と同
様に下層がAl酸化物焼結体により構成されているが、
Al酸化物の純度が低い焼結体であり、熱サイクル試験
によりクラックが発生した。No.4,5は下層がAl
酸化物以外の酸化物からなる試験片であり、熱サイクル
試験後にクラックの発生が見られた。従って、優れた耐
熱サイクル性が要求される場合には、上層は非晶質Al
酸化物、下層は純度の高いAl酸化物系材料で構成する
ことが望ましいことが分かる。
【0048】実施例7 表7に示す構成の静電チャックを用いて、吸着力100
g/cm2 を生ずる電圧を3分間印加した後、通電を停
止して30秒後の吸着力を測定し、以下の様に評価し
た。結果は表7に併記する。 ○ : 10g/cm2 未満 △ : 10g/cm2 以上 20g/cm2 未満 × : 20g/cm2 以上
【0049】
【表7】
【0050】No.1,2は、上層が非晶質Al酸化物
であると共に下層がAl酸化物により構成されている本
発明の実施例であり、残留吸着力が小さく脱着特性の点
でも優れていることが分かる。これに対して上層または
下層が上記の組合わせ以外の構成で試験片No.3〜6
では、No.1,2程には優れた脱着特性が得られない
ことが分かる。
【0051】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されているの
で、半導体ウエハと接触しても構成金属元素による汚染
が発生することがなく、優れた耐ガス腐食性及び耐プラ
ズマ性を発揮する静電チャックが提供できることとなっ
た。さらに、表面層を非晶質Al酸化物とすると共に、
下層をAl酸化物で構成すれば、耐ガス腐食性及び耐プ
ラズマ性に加えて、優れた耐熱サイクル性も得られ、し
かも残留吸着力を小さくして優れた脱着特性も得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Al酸化物の結晶性(X線回折スペクトルにお
けるピークの半値幅の最小値)と耐プラズマ性(損傷面
積)の関係を示すグラフである。
【図2】非晶質なAl酸化物のX線回折スペクトルであ
る。
【図3】結晶質なAl酸化物のX線回折スペクトルであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金丸 守賀 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 野沢 俊久 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 西塚 哲也 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 大西 隆 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に絶縁層が形成された半導体製造
    装置用静電チャックであって、上記絶縁層は、その上層
    が非晶質なAl酸化物から構成されたものであることを
    特徴とする半導体製造装置用静電チャック。
  2. 【請求項2】 前記上層が高周波マグネトロンスパッタ
    リング法により形成されてなる請求項1に記載の静電チ
    ャック。
  3. 【請求項3】 前記上層の厚さが0.10〜10μmで
    ある請求項1または2に記載の静電チャック。
  4. 【請求項4】 前記絶縁層は、その下層がAl酸化物か
    らなる請求項1〜3のいずれかに記載の静電チャック。
  5. 【請求項5】 前記Al酸化物は、AlまたはAl合金
    の陽極酸化物からなる請求項4に記載の静電チャック。
JP8724495A 1995-04-12 1995-04-12 半導体製造装置用静電チャック Withdrawn JPH08288376A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8724495A JPH08288376A (ja) 1995-04-12 1995-04-12 半導体製造装置用静電チャック

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8724495A JPH08288376A (ja) 1995-04-12 1995-04-12 半導体製造装置用静電チャック

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08288376A true JPH08288376A (ja) 1996-11-01

Family

ID=13909400

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8724495A Withdrawn JPH08288376A (ja) 1995-04-12 1995-04-12 半導体製造装置用静電チャック

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08288376A (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6444304B1 (en) * 1998-10-09 2002-09-03 Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho (Kobe Steel, Ltd.) Anodic oxide layer and ceramic coating for aluminum alloy excellent in resistance to gas and plasma corrosion
JP2004259805A (ja) * 2003-02-25 2004-09-16 Kyocera Corp 静電チャック
JP2005057234A (ja) * 2003-07-24 2005-03-03 Kyocera Corp 静電チャック
JP2005150370A (ja) * 2003-11-14 2005-06-09 Kyocera Corp 静電チャック
JP2005340442A (ja) * 2004-05-26 2005-12-08 Kyocera Corp 静電チャック及びその製造方法
JP2007016272A (ja) * 2005-07-06 2007-01-25 Ge Speciality Materials Japan Kk 基板上に被覆形成される保護膜及びその製造方法
CN100346463C (zh) * 2004-03-24 2007-10-31 京瓷株式会社 晶片支撑部件
US7312974B2 (en) * 2003-05-26 2007-12-25 Kyocera Corporation Electrostatic chuck
JP2008153701A (ja) * 2008-03-10 2008-07-03 Kyocera Corp 静電チャック
JP5382677B2 (ja) * 2005-06-17 2014-01-08 国立大学法人東北大学 金属部材の保護膜構造及び保護膜構造を用いた金属部品並びに保護膜構造を用いた半導体又は平板ディスプレイ製造装置
WO2015116930A1 (en) * 2014-01-30 2015-08-06 Varian Semiconductor Equipment Associates, Inc. Diffusion resistant electrostatic clamp
CN107706076A (zh) * 2017-08-16 2018-02-16 上海华力微电子有限公司 一种改善cmos图像传感器刻蚀腔体金属污染的方法

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6444304B1 (en) * 1998-10-09 2002-09-03 Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho (Kobe Steel, Ltd.) Anodic oxide layer and ceramic coating for aluminum alloy excellent in resistance to gas and plasma corrosion
JP2004259805A (ja) * 2003-02-25 2004-09-16 Kyocera Corp 静電チャック
US7312974B2 (en) * 2003-05-26 2007-12-25 Kyocera Corporation Electrostatic chuck
JP2005057234A (ja) * 2003-07-24 2005-03-03 Kyocera Corp 静電チャック
JP2005150370A (ja) * 2003-11-14 2005-06-09 Kyocera Corp 静電チャック
CN100346463C (zh) * 2004-03-24 2007-10-31 京瓷株式会社 晶片支撑部件
JP2005340442A (ja) * 2004-05-26 2005-12-08 Kyocera Corp 静電チャック及びその製造方法
JP5382677B2 (ja) * 2005-06-17 2014-01-08 国立大学法人東北大学 金属部材の保護膜構造及び保護膜構造を用いた金属部品並びに保護膜構造を用いた半導体又は平板ディスプレイ製造装置
JP2007016272A (ja) * 2005-07-06 2007-01-25 Ge Speciality Materials Japan Kk 基板上に被覆形成される保護膜及びその製造方法
JP2008153701A (ja) * 2008-03-10 2008-07-03 Kyocera Corp 静電チャック
WO2015116930A1 (en) * 2014-01-30 2015-08-06 Varian Semiconductor Equipment Associates, Inc. Diffusion resistant electrostatic clamp
CN106233451A (zh) * 2014-01-30 2016-12-14 瓦里安半导体设备公司 抗扩散静电夹
JP2017509147A (ja) * 2014-01-30 2017-03-30 ヴァリアン セミコンダクター イクイップメント アソシエイツ インコーポレイテッド 耐拡散性静電クランプ
US9644269B2 (en) 2014-01-30 2017-05-09 Varian Semiconductor Equipment Associates, Inc Diffusion resistant electrostatic clamp
US10385454B2 (en) 2014-01-30 2019-08-20 Varian Semiconductor Equipment Associates, Inc. Diffusion resistant electrostatic clamp
TWI697070B (zh) * 2014-01-30 2020-06-21 美商瓦里安半導體設備公司 製造靜電夾的方法、靜電夾及靜電夾系統
CN107706076A (zh) * 2017-08-16 2018-02-16 上海华力微电子有限公司 一种改善cmos图像传感器刻蚀腔体金属污染的方法
CN107706076B (zh) * 2017-08-16 2019-04-12 上海华力微电子有限公司 一种改善cmos图像传感器刻蚀腔体金属污染的方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10563297B2 (en) Ion assisted deposition top coat of rare-earth oxide
US10501843B2 (en) Plasma erosion resistant rare-earth oxide based thin film coatings
US9869012B2 (en) Ion assisted deposition for rare-earth oxide based coatings
JP4031732B2 (ja) 静電チャック
TWI373798B (ja)
US5811195A (en) Corrosion-resistant aluminum article for semiconductor processing equipment
KR101482504B1 (ko) 플라즈마 챔버 재료로서의 산화이트륨의 수명 연장
US20060165994A1 (en) Protective coating on a substrate and method of making thereof
JPH08288376A (ja) 半導体製造装置用静電チャック
CN108346611B (zh) 静电吸盘及其制作方法与等离子体处理装置
US20200248316A1 (en) Method of manufacturing plasma-resistant coating film and plasma-resistant member formed thereby
JP2007016272A (ja) 基板上に被覆形成される保護膜及びその製造方法
JP2008016709A (ja) 静電チャックおよびその製造方法
KR20230107643A (ko) 내균열성 플루오로-어닐링된 필름으로 코팅된 물품 및 제조 방법
JPH0320457A (ja) アルミナ被覆Al・Al合金部材の製造方法
JP2004200462A (ja) 静電チャックおよびその製造方法
JPH0679444B2 (ja) 電気皮膜
JP2023521164A (ja) 酸化イットリウム系コーティング組成物
RU2199606C1 (ru) Способ получения бериллиевой фольги
JP3230260B2 (ja) 真空装置用表面被覆金属材
JP3965469B2 (ja) 静電チャック
JP2003282693A (ja) 静電チャック
JPH06299347A (ja) 電気絶縁性板状材料の製造方法
WO2024038674A1 (ja) イットリウム質保護膜およびその製造方法ならびに部材
WO2024101102A1 (ja) 部材およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20020702