JP2004200462A - 静電チャックおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】誘電体層と加熱・冷却フランジとの一体化を省略して製造コストを低減し、特に半導体の高温プロセスに対しても十分な耐食性を有する静電チャックおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】ステージの上面に溶射法により形成された誘電体層を備える静電チャックにおいて、上記誘電体層を酸化マグネシウムとする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶製造装置、CVD製造装置またはPVD製造装置に用いられる静電チャックに係り、特に、静電チャックの高温使用時における優れた耐食性を実現したものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造プロセスにおいて、ウエハまたは基板を所定位置に保持して正確な温度制御を行う場合には、一般に静電チャックが使用される。近年、半導体パターンの高精度化、高密度化に伴い、半導体製造プロセスの高温化が進んでいる。またそのプロセスに使用されるプラズマガスも、従来のCガスからより腐食性の高いNFガスへと移行する傾向にある。このように、近年における半導体製造プロセスは、過酷な使用環境下でなされるため、静電チャックに用いられる材料には優れた耐食性が要求される。
【0003】
静電チャックは、ウエハ等に対する吸着面を有する誘電体層の主成分がセラミックスから構成されたタイプと、樹脂から構成されたタイプとの2種類に分類される。さらに、上記セラミックスタイプは、セラミックス材料を焼結して誘電体層を形成した焼結静電チャックと、セラミックス材料を溶射して誘電体層を形成した溶射静電チャックとに分類することができる。これらの静電チャックは、使用プロセスによって使い分けられ、種々のものが提案されている。
【0004】
例えば、セラミックス焼結タイプとしては、主成分を酸化アルミニウムまたは窒化アルミニウムとしたものを焼結したものが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。一方、セラミックス溶射タイプとしては、酸化アルミニウム−酸化チタン系のセラミックス材料を溶射して誘電体層を形成したものが開示されている(例えば、特許文献2参照。)。これらの開示技術は、主として静電チャックの吸着特性の改善を目的とするものである。具体的には、特許文献1に記載された技術は、高温での吸着力の安定化についての改良を目的とし、特許文献2に記載された技術は、吸着力の応答性についての改良を目的としている。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−260534号公報(3〜7頁、図1)
【特許文献2】
特許第2971369号公報(5〜7頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、高度な腐食性が要求される高温の半導体製造プロセスにおいては、上記したセラミックス焼結タイプの静電チャックが用いられている。しかしながら、そのような静電チャックには、その製造工程が複雑であるためにコストが割高となるという問題がある。また、そのような静電チャックに加熱・冷却機構を設ける場合には、静電チャックと加熱・冷却フランジとを一体化する工程が必要となる。この場合に、機械的な締結によって一体化を行うと、半導体製造プロセスでの温度制御が困難となる。一方、接着剤による一体化では、接着剤層の耐熱性および腐食性が十分でない。さらに、ろう付や拡散接合による一体化を採用した場合には、静電チャックの性能は比較的高いものとなるが、その製造においては別途特別な技術を必要とする。
【0007】
これに対し、セラミックス溶射タイプの静電チャックは、上記一体化工程を省略して、加熱・冷却フランジに直接誘電体層を形成できることから、セラミックス焼結タイプの静電チャックと比較して製造コストを低減することができる。しかしながら、溶射膜に空孔が存在して溶射膜が緻密なものとならない場合には、絶縁抵抗が低下するおそれがあるため、樹脂を主成分とした含浸剤を用いて封孔処理を要するという問題がある。また、そのような封孔処理を施すことで絶縁抵抗は向上するが、含浸剤が耐食性に劣ることから、含浸剤の劣化による吸着力の不安定化や劣化成分によるウエハの汚染が問題となる。さらに、このような不十分な耐食性を理由として、半導体製造の高温プロセスには適用できないという問題もある。
【0008】
本発明は、上記の諸問題を解決すべく、誘電体層と加熱・冷却フランジとの一体化を省略して製造コストを低減することができるのはもちろんのこと、特に半導体製造の高温プロセスに対しても十分な耐食性を有する静電チャックおよびその製造方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、セラミックス溶射タイプを採用することで、誘電体層と加熱・冷却フランジとの一体化を省略して製造コストを低減することを前提に鋭意検討を重ねた結果、静電チャックを構成する誘電体層の材料を適宜選択すること、すなわち、静電チャックを構成する誘電体層の材料として、従来から使用されている酸化アルミニウム等の代わりに酸化マグネシウムを使用することで、特に半導体の高温プロセスに対して十分な耐食性を有する静電チャックが得られるとの知見を得た。本発明は、そのような知見に基づいてなされたものである。
【0010】
すなわち、本発明の静電チャックは、ステージの上面に溶射法により形成された誘電体層を備え、上記誘電体層が酸化マグネシウムであることを特徴としている。
【0011】
一般に、半導体製造プロセスにおけるセラミックス材料の耐食性は、セラミックス材料とプラズマまたはプラズマガスとの反応性、および反応層(一般にはフッ化物層)の安定性によって判断することができる。以下に、上記反応性と安定性とを別個に詳細に述べる。
【0012】
まず、セラミックス材料とプラズマまたはプラズマガスとの反応性について述べる。このような反応性は、半導体製造プロセスに多く使用されるフッ素プラズマと上記酸化アルミニウムおよび酸化マグネシウムとの反応による生成自由エネルギーによって判断することができる。この生成自由エネルギーは、以下のように表される。
【0013】
【数1】
酸化アルミニウム:
Al(S)+6F=2AlF(S)十3/2O+△G
△G=−1298190−16.66T・lnT−156.33T
酸化マグネシウム:
MgO(S)+2F=MgF(S)+1/2O+△G
△G=−514350−12.35T・lnT−18.16T
T:温度(K)
△G:フッ化アルミニウムの生成自由エネルギー(J/mol)
△G:フッ化アルミニウムの生成自由エネルギー(J/moI)
【0014】
図1は、上記数1に対応した酸化アルミニウムおよび酸化マグネシウムから生成された各フッ化物の生成自由エネルギーと温度との関係を示すグラフである。図1より明らかなように、いずれのフッ化物生成反応においても、生成自由エネルギーの値はマイナス値を示し、酸化アルミニウムは酸化マグネシウムに比してフッ化物を生成し易いことが判る。このため、このような反応性を考慮して両酸化物について耐食性を比較すると、酸化マグネシウムはより優れた耐食性を有する材料であると判断される。したがって、酸化マグネシウムは酸化アルミニウムに比して静電チャック材料としてより適した材料であるといえる。
【0015】
次に、セラミックス材料とプラズマまたはプラズマガスとが反応した際の反応層(数1に示す生成反応の場合にはAlF,MgF)の安定性について述べる。フッ化アルミニウムは融点を持たずに昇華点が1291℃から1537℃と高いので、半導体製造プロセスにおいて腐食は進行しない。また、フッ化マグネシウムについても融点が1260℃と高いため、半導体製造プロセスにおいて腐食は進行しない。このため、これらのフッ化物とのについては半導体製造プロセスにおける熱的安定性を十分に備えているといえる。したがって、上記安定性に影響を及ぼす要因となるものは、半導体製造プロセスにおける腐食以外のものであると考えられる。
【0016】
このような安定性に影響を及ぼす要因となるものには、例えば、生成したフッ化物と未フッ化物との付着力およびフッ化物自体の結合力が挙げられる。そこで、プラズマ耐食試験(後述する実施例6および比較例6)を行って確認した結果、フッ化マグネシウムがフッ化アルミニウムよりも離脱し難いことが明らかとなった。このため、反応層の安定性についてもフッ化マグネシウムはより優れた特性を有するといえる。したがって、そのような安定性を考慮して耐食性を比較した場合にも、酸化マグネシウムはより優れた耐食性を有する材料であると判断されることから、酸化マグネシウムは酸化アルミニウムに比して静電チャック材料としてより適した材料であるといえる。
【0017】
以上の見解に基づき、本発明の静電チャックでは、上述したとおり、誘電体層を酸化マグネシウムから構成している。このため、本発明の静電チャックは、誘電体層として酸化アルミニウム等を用いていた従来の静電チャックに比して、上記したセラミックス材料とプラズマまたはプラズマガスとの反応性、および反応層(フッ化物層)の安定性の双方を考慮した場合に優れた耐食性を有するものである。したがって、特に半導体の高温プロセスに対して好適である。なお、上述したとおり、本発明の静電チャックはセラミックス溶射タイプのものであるため、誘電体層と加熱・冷却フランジとの一体化を省略して製造コストを低減することができる。
【0018】
このような静電チャックにおいて、その吸着面におけるウエハ等の吸着機構をクーロン力によるものとした場合には、誘電体層の厚みが小さいほど吸着力は高くなり、ウエハ等の温度制御を正確かつ高い応答性で行うことが可能となる。しかしながら、十分な絶縁性を確保する観点からは、当該静電チャックの誘電体層の下側または内部に位置する電極から誘電体層の上面までの厚みは、50μm以上であることが望ましい。ここでの厚みとは、静電チャックが誘電体層のみで構成されている場合には、通常誘電体層の下側に位置するステージが電極の役割を果たすため、誘電体層全体の厚みを意味する。これに対し、静電チャックが誘電体層と誘電体層に埋設された電極とから構成されている場合には、その電極よりも上方に位置する誘電体層の厚みを意味する。
【0019】
また、このような静電チャックにおいて、誘電体層の膜厚が大きい場合には、溶射時に誘電体層である溶射膜に亀裂や剥離が発生するおそれがあるだけでなく、誘電体層の形成に長時間を要し製造コストが割高となる。さらに、誘電体層の膜厚が大きい場合には、静電チャックの熱衝撃性が低下する。そのような観点から、誘電体層の下側または内部に位置する電極から誘電体層の上面までの厚みは、3000μm以下であることが望ましい。
【0020】
さらに、このような静電チャックにおいては、溶射された誘電体層の充填性が高いほど、耐食性や電気絶縁性が高いものとなる。また、充填率が高い場合には、特許文献2に記載された技術のように封孔処理を行う必要がなく、このため、吸着力の経時変化や樹脂成分の劣化による汚染の問題も生じない。そのような観点から、本発明の静電チャックでは、誘電体層の断面視での充填率が80%以上であることが望ましい。ここでの充填率とは、誘電体層の任意の断面において、誘電体層が存在する面積と全面積との比を意味する。
【0021】
溶射時または半導体製造プロセス時には、ステージとステージ上面に形成された誘電体層との界面に両者の熱膨張率の差に起因する熱応力が生じる。この熱応力は両者の熱膨張率の差の絶対値が大きいほど、また温度変化が大きいほど増大し、熱応力が一定値を超えた場合には、ステージと誘電体層との間に亀裂や剥離が発生する。一般に金属に対してセラミックスは熱膨張率が小さい。また、半導体製造プロセスにおいて誘電体層が形成されるステージには、優れた耐食性を有する材料を使用しなければならず、例えばアルミニウムやアルミニウム合金が好適である。したがって、上記誘電体層には、アルミニウムやアルミニウム合金等と熱膨張率の差の絶対値が比較的小さく、還元すれば熱膨張係数が14×10−6(1/℃)とセラミックスの中では比較的大きい酸化マグネシウムを使用することが望ましい。すなわち、誘電体層に酸化マグネシウムを使用した場合には、溶射時または半導体製造プロセス時に発生する熱応力が酸化アルミニウムを使用した場合と比較して小さいという利点がある。実際に、誘電体層を酸化マグネシウムとし、誘電体層が溶射される基材であるステージをアルミニウムまたはアルミニウム合金とした場合には、誘電体層に亀裂や剥離が発生することはほとんどない。特に、誘電体層を構成する材料とステージを構成する材料との熱膨張係数の差の絶対値が、10×10−6(1/℃)以下であれば、誘電体層における剥離や亀裂を確実に防止することができるので望ましい。
【0022】
以上のような静電チャックにおいて、誘電体層の主成分である酸化マグネシウムの純度が低い場合には、吸着面の腐食状態が不均一となることから、吸着特性に経時変化が現れるおそれがある。したがって、酸化マグネシウムの純度は95%以上であることが望ましい。
【0023】
また、一般にプラズマ溶射により得られた酸化物系セラミックス膜は、酸素欠損状態である非化学量論組成を示す。これは、溶射時のプラズマ作動ガスに還元ガスや不活性ガスを用いると、特に顕著となる。そこで、耐食性や電気絶縁性を向上させるには、より化学量論組成に近い組成を有することが望ましい。すなわち、本発明の静電チャックの誘電体層において主成分となる酸化マグネシウムの場合には、マグネシウムに対する酸素の組成比が原子比で0.8以上であることが望ましい。
【0024】
さらに、静電チャックは、半導体製造プロセス中にウェハ等の吸着(接触)と脱離着(非接触)とを繰り返すものであり、吸着面における誘電体層の平均表面粗さRaが小さいほど吸着時および脱離時のダメージが少なくなり、誘電体層からの脱粒が発生しにいものとなる。しかしながら、平均表面粗さRaが0.01μm未満の場合には、加工に長時間を要して製造コストが割高となるとともに、吸着したウエハが脱離できなくなる場合がある。−方、平均表面粗さRaが50μmを超える場合には、ウエハ等に対する吸着特性が不安定になり、静電チャックによる温度制御を正確に行えなくなるおそれがある。したがって、吸着面における誘電体層の平均表面粗さRaは0.01〜50μmであることが望ましい。
【0025】
また、本発明の静電チャックの製造方法は、上記静電チャックを好適に製造する方法であって、ステージの上面に溶射により誘電体層を形成するにあたり、溶射法がプラズマ溶射法であり、かつプラズマ作動ガスとして酸素ガスまたは酸素を含んだガスを用いてプラズマ溶射を行うことを特徴するものである。
【0026】
本発明の静電チャックの製造方法では、上述したとおり、セラミックス溶射タイプを採用することで、製造コストを低減することを前提に、静電チャックを構成する誘電体層の材料を酸化マグネシウムとすることで、特に半導体の高温プロセスに対して十分な耐食性を有する静電チャックを提供することができる。また、プラズマ作動ガスとして酸素ガスまたは酸素を含んだガスを用いることで、静電チャックの酸化物系セラミックス膜をより化学量論組成に近い組成とすることができることから、静電チャックの優れた耐食性や電気絶縁性を実現することができる。なお、誘電体層がプラズマ溶射されるステージは、アルミニウムまたはアルミニウム合金を用いることができる。
【0027】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を説明する。
酸化マグネシウムの溶射膜(静電チャック)を作製し、熱衝撃性および電気絶縁性についての調査を行った。また、酸化マグネシウムと酸化アルミニウムについてフッ素ガスによるプラズマ耐食試験を実施し、耐食性の比較を行った。以下、上記各項目に分けて詳細に説明する。
【0028】
・熱衝撃性に関する試験
30mm×30mm×5mmのアルミニウムからなるステージの上面に酸素ガスをプラズマ作動ガスとして酸化マグネシウムを溶射し、30mm×30mmの酸化マグネシウムの溶射膜を4種類(実施例1〜3および比較例1)作製した。ここで膜厚は、実施例1〜3の溶射膜については3000μm以下とし、比較例1の溶射膜については、3000μmを超えるものとした。これらの溶射膜を200℃まで加熱した後、20℃の水中へ投入して熱衝撃試験を実施し、ステージと溶射膜との間の剥離の有無について調査した。各実施例および比較例の溶射膜の膜厚、および上記剥離の有無に関する結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
Figure 2004200462
【0030】
表1から明らかなように、膜厚を3000μm以下とした溶射膜(実施例1〜3)については、亀裂や剥離の問題は発生しないことが確認された。これに対し膜厚を3000μmを超えるものとした溶射膜(比較例1)については、ステージと溶射膜との間に剥離が生じることが確認された。
【0031】
・電気絶縁性に関する試験
30mm×30mm×5mmのアルミニウムからなるステージの上面に酸素ガスをプラズマ作動ガスとして酸化マグネシウムを溶射し、30mm×30mm×5mmの酸化マグネシウム溶射膜(実施例4,5および比較例2〜5)を作製した。この作製に際しては、各実施例および各比較例についての酸化マグネシウム溶射膜(誘電体層)の断面視での充填率、および膜厚が表2に示すものとなるようにした。
【0032】
【表2】
Figure 2004200462
【0033】
上記のようにして作製した各溶射膜上へφ20mmのカーボン電極を形成し、この電極とステージ間にDC電圧を印加した。ここでのDC電圧は、静電チャックの印加電圧に近いDClkVとした。このような条件の下で、溶射膜のスパークによる絶縁破壊の有無を調査した。その結果を表2に併記する。
【0034】
表2から明らかなように、酸化マグネシウム溶射膜(誘電体層)の断面視での充填率が80%以上で、かつ膜厚が50μm以上の溶射膜(実施例4,5)については、絶縁破壊が生じないことが確認された。これに対し、上記充填率が80%未満または上記膜厚が50μm未満の溶射膜(比較例2〜5)については、絶縁破壊が生じることが確認された。
【0035】
・プラズマ耐食試験
30mm×30mm×5mmのアルミニウムからなるステージの上面に酸素ガスをプラズマ作動ガスとして酸化マグネシウムを溶射し、30mm×30mm×5mmの溶射膜(実施例6)をCプラズマに暴露し、重量変化および表面の外観変化を調査した。また実施例6と同様に作製した酸化アルミニウムからなる溶射膜(比較例6)についても同様の試験を行った。表3に重量変化についての結果を、また図2および図3に各酸化物の経時的外観変化についての写真を示す。ここで図2および図3中、(a)はCプラズマに暴露する前の状態を示し、(b)はCプラズマに85時間暴露した後の状態を示し、(c)はCプラズマに92.5時間暴露した後の状態を示すものである。
【0036】
【表3】
Figure 2004200462
【0037】
表3から明らかなように、暴露時間が85時間の場合には、酸化マグネシウムからなる溶射膜(実施例6)については0.25mgの重量増が認められた。一方、酸化アルミニウムからなる溶射膜(比較例6)については0.22mgの重量増が認められた。また図2(b)から明らかなように、実施例6の溶射膜表面にはほぼ全面にわたってフッ化物が生成していた。これに対し、図3(b)から明らかなように、比較例6の溶射膜表面にはフッ化物が生成しているのみならず、多くの空孔が形成されていた。この空孔部分からはフッ化物は検出されていない。以上から、実施例6の溶射膜と比較例6の溶射膜との重量変化は同等であるが、表面観察の結果、比較例6の溶射膜には、フッ化、脱離が多く発生しているといえる。
【0038】
次に、表3に併記したように、暴露時間を92.5時間とした場合には、酸化マグネシウムからなる溶射膜(実施例6)については0.8mgの重量減が認められ、酸化アルミニウムからなる溶射膜(比較例6)についても1.69mgの重量減が認められた。また図2(c)から明らかなように、実施例6の溶射膜表面は、暴露85時間の場合(図2(b)参照。)と比較して滑らかな形態となっており、酸化マグネシウムの領域が増えていることが判る。これはフッ化物が酸化マグネシウムから脱離したためである。これに対し、図3(c)から明らかなように、比較例6の溶射膜表面からはフッ化物が検出されなかった。酸化アルミニウムの重量減が大きかったのは、生成したフッ化物が酸化アルミニウムから大量に脱離したためである。以上により、プラズマ耐食試験の結果、酸化マグネシウムからなる溶射膜は酸化アルミニウムからなる溶射膜に比して優れた耐食性を有することが確認された。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、誘電体層と加熱・冷却フランジとの一体化を省略して製造コストを割高とせずに、特に半導体の高温プロセスに対しても十分な耐食性を有する静電チャックを提供することができる。したがって、本発明の静電チャックは液晶製造装置等に好適であるため有望である。
【図面の簡単な説明】
【図1】酸化アルミニウムまたは酸化マグネシウムから生成された各フッ化物の生成自由エネルギーと温度との関係を示すグラフである。
【図2】酸化マグネシウムからなる溶射膜の表面外観写真を示し、(a)はCプラズマに暴露する前の状態であり、(b)はCプラズマに85時間暴露した後の状態であり、(c)はCプラズマに92.5時間暴露した後の状態である。
【図3】酸化アルミニウムからなる溶射膜の表面外観写真を示し、(a)はCプラズマに暴露する前の状態であり、(b)はCプラズマに85時間暴露した後の状態であり、(c)はCプラズマに92.5時間暴露した後の状態である。

Claims (6)

  1. ステージの上面に溶射法により形成された誘電体層を備える静電チャックにおいて、前記誘電体層が酸化マグネシウムであることを特徴とする静電チャック。
  2. 前記誘電体層の下側または内部に位置する電極から前記誘電体層の上面までの厚みが、50μm以上であることを特徴とする請求項1に記載の静電チャック。
  3. 前記誘電体層の下側または内部に位置する電極から前記誘電体層の上面までの厚みが、3000μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の静電チャック。
  4. 前記誘電体層の断面視での充填率が80%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の静電チャック。
  5. 前記誘電体層を構成する材料と前記ステージを構成する材料との熱膨張係数の差の絶対値が、10×10−6 (1/℃)以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の静電チャック。
  6. ステージの上面に溶射により誘電体層を形成する静電チャックの製造方法において、溶射法がプラズマ溶射法であり、かつプラズマ作動ガスとして酸素ガスまたは酸素を含んだガスを用いてプラズマ溶射を行うことを特徴する静電チャックの製造方法。
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