JP5434636B2 - 静電チャックを備えた基板保持体 - Google Patents

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本発明は、半導体製造装置などに用いられる静電チャックを備えた基板保持体に関するものである。
半導体製造におけるスパッタリングやエッチングなどの処理工程においては、処理を施すシリコンウェハなどの基板を保持する基板保持体が用いられている。この基板保持体は、被処理対象である基板を載置して固定する静電チャックと、該静電チャックを支持する静電チャック支持体とを備えている。静電チャック支持体は、静電チャックを支持する役割を有しているだけでなく、基板の処理に際して基板および静電チャックが過度に昇温するのを防止するための冷却機構を備えている。
このような静電チャックと静電チャック支持体と備えた基板保持体の構造には、これまで様々なものが提案されている。例えば特許文献1には、静電チャック支持体として冷媒通路を備えた金属プレートを使用し、この金属プレート上に、絶縁体膜および絶縁性接着剤層を介在させて静電チャックとしての誘電体基板を接合する構造が記載されている。さらに、絶縁性接着剤に、アルミナや窒化アルミのフィラーを添加したシリコーン樹脂を使用することが記載されている。
また、特許文献2には、基板保持体の冷却効率を高めるために、熱伝導率の低い樹脂に代えてアルミニウムを含む金属の接合膜を用い、この接合膜を介して静電チャックと静電チャック支持体とを接合する構造が提案されている。
特開2007−251124号公報 特開2009−141204号公報
近年、半導体製造ではスループット向上への要求は極めて厳しくなっており、それに伴い静電チャックの冷却速度を向上させる必要性が益々高くなっている。冷却速度の向上自体は、前述の特許文献2に記載されているように、静電チャック支持体にアルミニウムなどの熱伝導率の高い金属プレートを接合膜として使用し、これを静電チャックに接合すれば可能である。
しかし、冷却速度の向上を企図してかかる構成を採用した場合、静電チャックの基板載置面とその反対側の面との間に大きな温度差が生じ、その結果静電チャックの反りが大きくなって基板を正常にチャッキングできないという問題が顕在化してきている。この場合、基板載置面の方がその反対側の面より高温になり膨張するため、基板載置面側に凸状に膨らむように、すなわち上に凸に変形する。
さらに上記従来技術に示す方法で静電チャックと金属プレートとを接合した場合、静電チャックと金属プレートとの間の温度差や、これら部材の熱膨張係数の差により、接合面に無理な応力が掛かり、静電チャックおよび静電チャック支持体が破損する問題も発生している。
以上の問題点は、近年の冷却速度の向上に伴って顕著になったものであり、これまで特に考慮されていなかったものである。本発明者らは、これらの問題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、冷却速度を向上させた場合であっても、静電チャックの反りを抑制でき破損の恐れもない構造を見出し本発明に至った。
すなわち、本発明が提供する基板保持体は、被処理対象である基板を載置する基板載置面を有する静電チャックと、該静電チャックを基板載置面の反対側の面から支持し、変形防止板および冷却機構を少なくとも含む静電チャック支持体とを備えており、これら変形防止板および冷却機構はこの順序で前記静電チャックに近い側から配置されており、前記変形防止板はその両面において摺動可能となるように挟持されており、基板処理の際の前記静電チャックの表裏面の温度差をΔT、前記変形防止板の表裏面の温度差をΔT、前記冷却機構の表裏面の温度差をΔT、前記静電チャックの基板載置面の温度と前記冷却機構において変形防止板に対向する面とは反対側の面の温度との温度差をΔTとした時、これらがΔT/ΔT<0.1かつΔT/ΔT<0.1かつΔT/ΔT<0.1の関係を有していることを特徴としている。
本発明によれば、冷却速度を向上しても静電チャックの反りを抑制できる上、基板保持体が破損することもない。よって、高品質の製品を高いスループットで作製することが可能になる。
本発明の一実施形態に係る基板保持体の概略の横断面図、および基板の処理の際にこの基板保持体に生じる温度勾配を示すグラフである。 図1の右側に示す基板保持体が、図1の左側に示す温度勾配を有した時に呈する形状を示す模式図である。 従来の基板保持体の概略の横断面図、および基板の処理の際にこの従来の基板保持体に生じる温度勾配を示すグラフである。 図3の右側に示す従来の基板保持体が、図3の左側に示す温度勾配を有した時に呈する形状を示す模式図である。 変形防止板が過度に変形した時の基板保持体の形状を示す模式図である。 実施例の静電チャック、変形防止板および冷却機構に設けた熱電対埋め込み用溝の形状を示す平面図および断面図である。
以下、添付図面に基づいて本発明に係る基板保持体を具体的に説明する。図1の右側には、本発明の一実施形態における、静電チャック10と静電チャック支持体20とを備えた基板保持体の縦断面図が概略的に示されている。この静電チャック10は略円板形状を有しており、その上面側に被処理対象である基板Wを載置して固定する基板載置面10aが設けられている。さらに静電チャック10の内部には、図示しない静電吸着用電極や抵抗発熱体が設けられており、これらにより基板載置面10aに載置した基板Wのチャッキングおよび加熱がそれぞれ行われる。
静電チャック10の下側には当該静電チャック10を支持する静電チャック支持体20が設けられている。すなわち、静電チャック支持体20は、静電チャック10をその基板載置面10aの反対側の面から支持している。この静電チャック支持体20は、後述するように、静電チャック10の過度の変形を防止する役割を担う変形防止板21と、静電チャック10およびその基板載置面10aに載置された基板Wを冷却する役割を担う冷却機構22とを少なくとも有している。これら変形防止板21および冷却機構22は、この記載の順序で静電チャック10に近い側から配置されている。すなわち、変形防止板21を挟んでその上下にそれぞれ静電チャック10および冷却機構22が配置された構成になっている。
冷却機構22の内部には冷媒通路22aが設けられている。この冷媒通路22aに水やフロリナートなどの冷媒を流通させることにより、変形防止板21を経て静電チャック10から冷却機構22に伝わってきた熱を系外に排出することができる。よって、静電チャック10およびその基板載置面10aに載置された基板Wを素早く冷却できる。
これら静電チャック10と静電チャック支持体20とを備えた基板保持体は、例えば半導体製造装置(図示せず)のチャンバ内部に設置され、半導体製造に供される。具体的には、被処理対象となる基板Wが静電チャック10の基板載置面10a上に載置され、静電吸着によって固定されると共に抵抗発熱体によって加熱される。この状態で、スパッタリングやエッチングなどの処理が基板Wに施される。処理が完了した基板Wは、冷却された後、基板載置面10a上から取り上げられて次の処理工程に搬送される。静電チャック10の基板載置面10a上には引き続き別の基板Wが載置され、以降は同様の処理が繰り返される。
静電チャック10と冷却機構22とは、例えば図1の右側の縦断面図に示すように、変形防止板21をその両面から挟持した状態で、ネジ止め等の結合手段30によって結合される。この結合方法では、静電チャック10と変形防止板21との間、および変形防止板21と冷却機構22との間は、隙間なく接触しているものの、接着剤などの固着手段を用いて固定しているわけではないので、摺動可能となっている。
かかる構造の基板保持体を用いて基板Wの処理を行った場合、スパッタリングやエッチングなどの処理に伴って、基板Wには図1の上方からの入熱がある。また、前述したように静電チャック10の内部に抵抗発熱体が設けられている場合は、そこからの入熱もある。一方、これら入熱を伴う処理に引き続いて、あるいはその処理に並行して冷却を行う場合は、冷却機構22によって静電チャック10の下方からの冷却が行われる。
その結果、静電チャック10および静電チャック支持体20の内部には、図1の左側に示すような温度勾配が生じる。すなわち、静電チャック10には表裏面の温度差ΔTの温度勾配が生じ、変形防止板21には表裏面の温度差ΔTの温度勾配が生じ、冷却機構22には表裏面の温度差ΔTの温度勾配が生じる。さらに、静電チャック10の基板載置面10aの温度と冷却機構22において変形防止板21に対向する面とは反対側の面の温度との温度差はΔTとなる。
各部材の温度差は表面側(すなわち、基板載置面10a側)が裏面側より高温になっており、その結果、各部材は基板載置面10a側に凸状に変形する。しかしながら、基板保持体の各部材の表裏面の温度差であるΔT、ΔTおよびΔTが、基板保持体全体としての表裏面の温度差ΔTに比べて十分に小さければ、各部材の変形を小さく抑えることができる。具体的には、上記温度差が、ΔT/ΔT<0.1かつΔT/ΔT<0.1かつΔT/ΔT<0.1の関係を有している場合は、各部材の変形を小さく抑えることができ、その結果、静電チャック10の基板載置面10aでの平面度の変化を抑えることができる。
ところで、本発明の一実施形態における基板保持体では、静電チャック10と変形防止板21との接触面での温度差であるΔT、および変形防止板21と冷却機構22との接触面での温度差であるΔTは、共に上記した各部材の表裏面の温度差であるΔT、ΔTおよびΔTに比べて大きく、これら隣接する部材間では大きな温度差が生じていることが認められる。
しかしながら、前述したように、変形防止板21はその両面において摺動可能に挟持されているので、静電チャック10、変形防止板21、および冷却機構22がそれぞれ熱の影響を受けて変形する際、図2に示すように、隣接する部材同士の接触面において摺動しながら変形することができる。よって、上記したように比較的大きな温度差が隣接する部材間に生じても、これに起因する無理な応力がこれら部材にかかることはない。
これに対して、従来の基板保持体は、図3の右側の縦断面図に示すように、静電チャック1と冷媒通路3aを備えた冷却機構3とは、接合層2によって接合されている。この接合層2による接合は、溶融した金属によるロウ付け、シリコーン樹脂による接着などにより行われるため、静電チャック1と冷却機構3は隙間なく接触しているだけでなく、互いに摺動することができない。
このような構成の従来の基板保持体に、上記と同様の処理条件で基板Wの処理を行った場合、図3の左側に示すような温度勾配が生じる。すなわち、静電チャック1には表裏面の温度差ΔTの温度勾配が生じ、接合層2には表裏面の温度差ΔTの温度勾配が生じ、冷却機構3には表裏面の温度差ΔTの温度勾配が生じる。また、静電チャック1の基板載置面1aの温度と冷却機構3に対して接合層2に対向する面とは反対側の面の温度との温度差はΔTとなる。
さらに図3の左側に示す温度勾配には、図1の左側の温度勾配に示されるような、ΔTおよびΔTに相当する部材間の温度差が存在していない。そのため、図3の右側に示す従来の基板保持体は、図1の右側の構造に比べて原理上冷却速度は若干向上する。
しかし図3の右側の構造は、各部材が熱により変形する際、隣接する部材間で摺動を行わせる図1の右側の構造とは異なり、隣接する他の部材の変形によってもたらされる応力が解消されることがない。さらに各部材における温度差ΔT、ΔT、ΔTは、それぞれ図1の左側の対応する温度差に比べて大きくなる。その結果、図4に示すように、図2に比べて大きな変形が生じる上、各部材には無理な応力がかかった状態となる。
上述のように、図1の右側に示す構造は、図3の右側に示す構造に比べて冷却速度が若干低下する。しかし図1の右側に示す構造は、基板処理の際、前述したように各部材の変形量が小さいため、隣接する部材間に生じる隙間を小さく抑えることができる。そのため、冷却速度の低下は小さい。つまり、従来の構造は、部材間の温度差をなくして冷却速度を優先することとの引き換えに、変形の抑制を犠牲にしてきたのに対し、本発明の構造は、あえて部材間に温度差を設けて各部材の表裏面の温度差を小さくすると共に、隣接する部材間を摺動可能とすることにより、冷却速度をほとんど犠牲にすることなく部材が大きくいびつに変形することを抑制するものであり、従来の構造とは大きく異なっている。
静電チャック10、変形防止板21、および冷却機構22の材質は、上記ΔT/ΔT<0.1、ΔT/ΔT<0.1、およびΔT/ΔT<0.1をそれぞれ満たすように、適宜選択することができる。ここで、各部材の材質は、熱伝導率が高ければ高いほど表裏面の温度差が生じにくくなるため、上記各式を容易に満たすことができ、設計の自由度が向上するので好ましい。しかしながら、熱伝導率が低くても部材の厚みを薄くすれば表裏面の温度差を小さくすることができるため、高い熱伝導率を有する材質に限定されるわけではない。
具体的には、静電チャック10の材質は、前述したように、その機能の点から誘電体である必要があるため、樹脂やセラミックス等が考えられる。しかしながら、静電チャック10の材質には、基板の処理中は300℃程度までの耐熱性が要求されることが多いことから、窒化アルミニウム、アルミナなどのセラミックスが好ましい。この中でも、表裏面の温度差を小さくすることを考慮すると、160W/mK程度の高い熱伝導率を持つ窒化アルミニウムがより好ましい。
変形防止板21は、静電チャック10と冷却機構22との間に介在して静電チャック10の変形を抑制する役割を担う部材であり、その材質は誘電体である必要はないが、表裏面の温度差を小さくするという本発明の主旨から、静電チャック10と同様に熱伝導率が高いものであることが好ましい。但し、この条件だけで金属材料を選ぶと、多くの金属材料は窒化アルミニウムより大幅に熱膨張係数が高いため、下記に示す不都合が生じることがある。
すなわち、変形防止板21の熱膨張係数が静電チャック10のものに比べて大きすぎると、図5に示すように、基板Wの処理中に変形防止板21が静電チャック10を持ち上げるような形になり、静電チャック10の変形を若干助長する傾向になる。その結果、静電チャック10に高熱伝導率の窒化アルミニウムを使用しても、その効果を十分に発揮できなくなる。
なお、図5は極端化したものであり、ΔT/ΔT<0.1を満たしていれば変形防止板21は、図5に示す程度まで大きく変形することはない。静電チャック10の材質に窒化アルミニウムを使用する場合は、窒化アルミニウムの熱膨張係数が3.5〜5.5×10−6/K程度であることを考慮すると、変形防止板21には熱膨張係数が7.0×10−6/K以下となる材質を使用することが好ましい。これにより、変形防止板21の変形を極めて小さな程度に抑制することができる。
冷却機構22は、それ自身が温度調整機能を持っているため、内部に大きな温度差が生じることはなく、熱膨張係数に注意する必要は特にない。冷却機構22ではできるだけ効率よく熱を移動して取り除くことが望まれていることを考慮すると、その材質には、比較的高い熱伝導率である、例えば、銅、アルミニウム、あるいはこれらの合金等の高熱伝導材料を用いるのが好ましい。
なお、隣接する部材の変形によってもたらされる応力を吸収する方法としては、隣接する部材同士の接触面を摺動可能とする以外に、例えば静電チャックと冷却機構をシリコーン樹脂などの硬化後に可撓性を有する材料を用いて接着し、このシリコーン樹脂の厚みを、上記変形に伴う応力を吸収できる程度に厚くすることも考えられる。しかしこの方法では、分厚いシリコーン樹脂が熱抵抗となり、冷却速度が大幅に低下してしまう。
また、変形防止板を介在させずに、静電チャックと冷却機構とを直接摺動可能に結合する構造も考えられる。しかし、この構造では、温度差が生じる部材間の界面が1つしかないため、各部材において表裏面の温度差が本発明のものに比べて大きくなり、各部材が大きく変形することを避けることができない。さらに、摺動面も1つしかないため、上記変形に伴う応力を十分に吸収することができない。逆に2つ以上の変形防止板を挟む構造も考えられるが、この場合は、部材間の温度差が生じる界面が3つ以上になるため、これらが大きな熱抵抗となって冷却速度が大幅に低下してしまう。
以上説明したように、本発明の基板保持体は、各部材の表裏面の温度差が小さくなるのに反して、隣接する部材間の温度差は大きくなる。この場合、従来技術のように、部材同士が樹脂の接着剤や金属のロウ付け等で接合されていると、隣接する部材間の温度差に起因して大きな応力が発生し、静電チャックおよび静電チャック支持体の破損を招く恐れがあった。これに対して、本発明の基板保持体は、隣接する部材同士を接合せずに変形防止板を摺動可能に挟持する構造を有しているので、このような大きな温度差が隣接する部材間に生じても破損することがない。
以上、本発明の基板保持体について実施形態を挙げて説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨から逸脱しない範囲の種々の態様で実施可能である。すなわち、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲およびその均等物に及ぶものである。
図1または図2の右側に示すような、静電チャックおよび静電チャック支持体からなる試料1〜8の基板保持体を作製し、それぞれ加熱時の静電チャックの反り、および冷却に要する時間について評価した。なお、これらの評価は、静電チャックの基板載置面に基板を載置せずに行った。
具体的に説明すると、先ず、直径350mm、厚さ2mmのアルミナ焼結体の板を用意し、これにスクリーン印刷によりタングステンペーストを印刷することにより、一方の面にチャック電極を設け、その反対側の面に抵抗発熱体を設けた。チャック電極を設けた面側に、直径350mm、厚さ1mmのアルミナ焼結体の板をガラス接合にて接合した。さらに、抵抗発熱体を設けた面側に、直径350mm、厚さ2mmのアルミナ焼結体の板を同様にガラス接合にて接合した。これにより、全体の厚み5mmの板状体が得られる。
この板状体に、ネジ止め用の内径7mmの貫通孔と、内径12mm、深さ3mmのザグリ孔とを設けた。さらに、温度調節用の測温素子を設置するための内径1.7mm、深さ3mmの孔を、抵抗発熱体を設けた面側の中央に設けた。このようにして、静電チャックを完成させた。
上記静電チャックとは別に、直径350mm、厚さ15mmの銅板を用意し、ネジ止め用の内径7mmの貫通孔、および測温素子を通すための内径1.7mmの貫通孔を上記静電チャックの貫通孔にそれぞれ対応する位置に設けた。このようにして、変形防止板を完成させた。
また、直径350mm、厚さ10mmの銅板を用意し、これに冷媒通路となるパイプを設置するための溝を設け、この溝に銅製のパイプを設置した後、直径350mm、厚さ5mmの銅板をネジ止めした。さらに、ネジ止め用の内径7mmの貫通孔、および測温素子を通すための内径1.7mmの貫通孔を上記静電チャックの貫通孔にそれぞれ対応する位置に設けた。このようにして、冷却機構を完成させた。なお、冷却機構全体の厚みは15mmとなる。
これら静電チャック、変形防止板および冷却機構のそれぞれにおいて、表面および裏面の温度を測定するために、図6に示すように、各部材Pの表裏面に、各々、幅2mm、長さ20mm、深さ0.5mmの溝Paを設け、この溝に接着剤により熱電対を埋め込んだ。
さらに、これら静電チャック、変形防止板および冷却機構をネジ止めによる挟み込みで固定することによって一体化し、さらに温度調節用の測温素子を設置して、静電チャックと静電チャック支持体とからなる試料1の基板保持体を完成させた。なお、この固定はネジ止めによる挟み込みのみであり、接着剤等による固定はしていない。よって、隣接する部材同士は互いに摺動可能となっている。
スクリーン印刷によるチャック電極および抵抗発熱体の形成を行ったアルミナ焼結体の厚みを2mmの代わりに7mmとし、よって、静電チャック全体の厚みを10mmとしたこと以外は上記試料1の基板保持体と同様にして、試料2の基板保持体を作製した。
変形防止板の材質を銅に代えてアルミニウム合金(JIS呼称6061、以下6061と称する)としたこと以外は上記試料1の基板保持体と同様にして、試料3の基板保持体を作製した。
冷却機構の材質を銅に代えて6061(ただし冷媒通路のパイプには銅製のものを採用した)としたこと以外は上記試料1の基板保持体と同様にして、試料4の基板保持体を作製した。
図3の右側に示す構造の静電チャックと静電チャック支持体とからなる試料5の基板保持体を作製した。具体的には、ネジ止め用の貫通孔やザグリ孔を設けなかった以外は上記試料1と同様にして、静電チャックと冷却機構とを作製した。これら静電チャックと冷却機構とを、シリコーン樹脂からなる接着剤により固定し、温度調節用の測温素子を設置し、試料5の基板保持体を作製した。
静電チャックを構成するセラミックスをアルミナ焼結体に代えて窒化アルミニウム焼結体(以下、AlNと称する)にしたこと以外は試料2の基板保持体と同様にして、試料6の基板保持体を作製した。
変形防止板を、厚さ15mmの銅板に代えて、厚み10mmの、セラミックス(SiC)と金属(Al)との複合材料(以下Al−SiCと称する)としたこと以外は試料6の基板保持体と同様にして、試料7の基板保持体を作製した。
変形防止板の厚みを10mmに代えて15mmとしたこと以外は試料7の基板保持体と同様にして、試料8の基板保持体を作製した。
変形防止板を、Al−SiCに代えて、AlNとしたこと以外は試料7の基板保持体と同様にして、試料9の基板保持体を作製した。
これら試料1〜9の基板保持体に対して、それぞれ冷却機構に一定流量の冷媒を流した状態にして、抵抗発熱体に通電することによって静電チャックを加熱し、温度調節用の測温素子の測定値にて100℃の温度に保持した。この状態で、各部材に埋め込んだ熱電対により、各部材の表裏面の温度差および基板保持体全体としての表裏面の温度差を測定し、さらに光学式変位計で静電チャックの基板載置面の反りを測定した。次に、冷却機構に一定流量の冷媒を流したままの状態で、抵抗発熱体を切電し、100℃から50℃に冷却されるまでの時間を測定した。
上記測定で得られた表裏面の温度差からΔT/ΔT、ΔT/ΔTおよびΔT/ΔTの各値を求めた。これらの値を、各基板保持体の構造の概要と共に下記表1に示す。また、各基板保持体の静電チャックの基板載置面での反り、および100℃から50℃に冷却されるまでの時間の測定結果を下記表2に示す。
Figure 0005434636
Figure 0005434636
これらの表から、試料1では、ΔT/ΔT、ΔT/ΔTおよびΔT/ΔTの値が全て0.1より小さいため、各部材の表裏面の温度差が小さく抑えられており、また変形防止板が摺動可能に挟持されていることもあって、静電チャックの基板載置面での反りが小さく、かつ100℃から50℃に冷却されるまでの時間も短かった。
これに対し、試料2〜4では、ΔT/ΔT、ΔT/ΔTおよびΔT/ΔTのうちのいずれかが0.1より大きかった。つまり、静電チャック、変形防止板、冷却機構のいずれかで表裏面の温度差が所定の限度を超え、その部材は大きく反った。また、この反りの影響を受けて静電チャックの基板載置面での反りが大幅に増加した。さらに、反りが大きな部材では、これと隣接する部材との隙間が大きくなり、冷却効率が低下して冷却時間が増加した。
試料5では、部材間の隙間が存在しないため、冷却効率が向上し冷却時間は短縮しているものの、静電チャックと冷却機構とは接着されているため、互いに摺動することができない。また、ΔT/ΔTおよびΔT/ΔTが0.1から大幅に増加し、つまり各部材の表裏面の温度差が大幅に増加しているため、静電チャックの基板載置面での反りが極めて大きくなっている。
試料6では、試料1よりもΔT/ΔTが小さく、よって、試料1よりさらに静電チャックの基板載置面での反りが小さくなるはずであったが、静電チャックの熱膨張係数に対する変形防止板の熱膨張係数の乖離の度合いが試料1よりも大きいため、静電チャックを持ち上げるような形になり、結果的に静電チャックの基板載置面での反りは試料1に比べてほとんど変わっていない。
これに対し試料7および試料9では、静電チャックの熱膨張係数に対する変形防止板の熱膨張係数の乖離の度合いが試料1や試料6に比べて小さく、静電チャックを持ち上げることがないため、ΔT/ΔTが小さい効果が表れて、静電チャックの基板載置面での反りは極めて小さくなっている。
一方、試料8では、静電チャックの熱膨張係数に対する変形防止板の熱膨張係数の乖離の度合いは試料7と同様に小さいものの、ΔT/ΔTが0.1より大きいため、変形防止板自身の変形が大きく、静電チャックの基板載置面での反りが大きい。このように、試料7に見られる効果は、ΔT/ΔTが小さいことと、静電チャックの熱膨張係数に対する変形防止板の熱膨張係数の乖離の度合いが小さいことが両立してはじめて発現することが分かる。
10、1 静電チャック
10a、1a 基板載置面
20 静電チャック支持体
21 変形防止板
22、3 冷却機構
22a、3a 冷媒通路
2 接合層
W 基板

Claims (2)

  1. 被処理対象である基板を載置する基板載置面を有する静電チャックと、該静電チャックを基板載置面の反対側の面から支持し、変形防止板および冷却機構を少なくとも含む静電チャック支持体とを備えた基板保持体であって、
    これら変形防止板および冷却機構はこの順序で前記静電チャックに近い側から配置されており、前記変形防止板はその両面において摺動可能となるように挟持されており、基板処理の際の前記静電チャックの表裏面の温度差をΔT、前記変形防止板の表裏面の温度差をΔT、前記冷却機構の表裏面の温度差をΔT、前記静電チャックの基板載置面の温度と前記冷却機構において変形防止板に対向する面とは反対側の面の温度との温度差をΔTとした時、これらがΔT/ΔT<0.1かつΔT/ΔT<0.1かつΔT/ΔT<0.1の関係を有していることを特徴とする基板保持体。
  2. 前記静電チャックは窒化アルミニウムから成り、前記変形防止板は熱膨張係数が7.0×10−6/K以下であることを特徴とする、請求項1に記載の基板保持体。
JP2010018079A 2010-01-29 2010-01-29 静電チャックを備えた基板保持体 Expired - Fee Related JP5434636B2 (ja)

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