JP4804624B2 - 複合炭素材料およびリチウム二次電池用電極 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複合炭素材料、前記複合炭素材料を含む電極およびその電極を有し、低温における放電特性が良好なリチウム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報技術の進展に伴い、電子機器の高性能化、ポータブル化が進んでおり、機器の電源としての二次電池への高容量化、小型化への要望が高まっている。特にリチウム二次電池は、高電圧、高エネルギー密度が実現できるため、脚光を浴びている。
【0003】
リチウム二次電池は、正極、負極、非水電解質および正極と負極との間に介在するセパレータから構成されている。非水電解質としては、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネートなどからなる非水溶媒に、LiPF6等のハロゲン含有リチウム塩を溶解した非水溶液が多く用いられている。セパレータとしては、前記非水電解質に不溶な材料、例えばポリエチレンおよびポリプロピレンからなる多孔膜が用いられている。また、正極活物質には、例えば高電位を示すコバルト酸リチウム(LiCoO2)等のリチウム含有複合酸化物が使用され、負極には黒鉛などの炭素材料が用いられている。
【0004】
これらの電池を、充電すると、正極のリチウム含有複合酸化物からリチウムイオンが放出すると共に、負極の黒鉛にリチウムイオンが吸蔵されて、極板間の電圧が上昇し、放電可能な状態となる。
ところが、黒鉛などの炭素材料を負極に用いたリチウム二次電池は、初期充電時の負極の充電効率が低く、正極のリチウムを有効に利用できない。そのため、電池のエネルギー密度が低下するという問題がある。これは、負極の炭素材料の表面で溶媒が電気分解して皮膜を析出し、その皮膜がリチウムイオンの吸蔵を阻害することに起因する。この現象は、初期充電時に不可逆的におこる。
そこで、初期充電時の溶媒の電気分解を抑制する技術が以下のように開示されている。
【0005】
特開平8−213001号公報および特開平9−45328号公報には、負極材料として、ポリエチレンオキサイドの膜を表面に有する炭素材料を用いる技術が記載されている。これらの公報には、ポリエチレンオキサイドの膜はイオン導電性を有することから、電極表面がポリエチレンオキサイドで被覆されていても充放電反応には悪影響がないという記述がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術は、炭素材料の表面をポリエチレンオキサイドで被覆し、炭素材料と溶媒とを非接触状態にすることで、溶媒の電気分解を抑制することを目的としている。ポリエチレンオキサイドはリチウムイオン透過性を有するため、充放電反応に伴うリチウムイオンの吸蔵および放出は、ポリエチレンオキサイドの膜を介して行われる。
【0007】
しかしながら、ポリエチレンオキサイドは、室温では比較的高いイオン導電性を示すものの、分子構造上、高い結晶性を有するため、低温ではイオン導電性が低下するという問題がある。このため上記従来技術では、低温領域で良好な放電特性が得られない。
本発明は、この問題を解決し、初期充電時の充電効率が高く、かつ、低温領域でも良好な放電特性を有するリチウム二次電池を与える複合炭素材料を提供することを目的とする。また、本発明は、前記複合炭素材料を含む電極およびその電極を有するリチウム二次電池を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、エチレンオキサイド単位およびプロピレンオキサイド単位を有する共重合体ならびに前記共重合体を表面に有する炭素材料からなり、前記共重合体の平均分子量が10万以上であり、前記共重合体の量が、前記炭素材料100重量部あたり0.06〜0.29重量部である複合炭素材料に関する。
エチレンオキサイド単位およびプロピレンオキサイド単位を有する共重合体は、ポリエチレンオキサイドに比べて結晶性が低いため、低温領域でも良好なイオン透過性を有する。
【0009】
炭素材料の表面は、20%以上が前記共重合体で被覆されていることが好ましい。
前記共重合体の量は、炭素材料100重量部あたり0.24〜0.29重量部であることが好ましい。
前記共重合体におけるプロピレンオキサイド単位の含有量は、1〜25モル%、さらには5〜20モル%であることが好ましい。
炭素材料は、黒鉛系炭素を含むことが好ましい。
【0010】
本発明は、また、本発明の複合炭素材料を含むリチウム二次電池用電極に関する。炭素材料が黒鉛系炭素からなる電極は、リチウム二次電池の負極として特に好適である。
本発明の複合炭素材料を電極材料として用いることで、初期充電時に溶媒の電気分解が起こらず、かつ、低温領域でも良好なイオン導電性を有する電極が実現できる。
【0011】
本発明は、また、リチウムを活物質として含む正極、前記複合炭素材料を含む負極、非水電解質およびセパレータを備えたリチウム二次電池に関する。
この電池は、本発明のリチウム二次電池用電極を負極として用いているため、初期充電時における充電効率が高く、かつ、低温領域でも良好な放電特性を有する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の複合炭素材料に用いるエチレンオキサイド単位とプロピレンオキサイド単位を有する共重合体には、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体およびその誘導体が含まれる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、前記共重合体等は架橋剤などによって架橋されていても良い。
前記誘導体としては、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体が、通常その末端に有する水酸基(−OH)を、アクリル基(O−CO−CH=CH2)などに置換したものなどが挙げられる。
【0013】
エチレンオキサイド単位およびプロピレンオキサイド単位を有する共重合体において、プロピレンオキサイド単位の含有量は、1〜25モル%であることが好ましい。このような構造を有する共重合体は、その結晶性が低くなり、低温領域でも良好なイオン透過性を有する。また、プロピレンオキサイド単位の含有量が5〜20モル%の共重合体は、特に高いイオン透過性を有する。
エチレンオキサイド単位およびプロピレンオキサイド単位を有する共重合体の平均分子量は、10万以上であることが好ましい。分子量が小さすぎると、共重合体の吸水性が高くなり、電極材料としての性能が低下する。
【0014】
複合炭素材料においては、炭素材料の表面の20%以上が、エチレンオキサイド単位およびプロピレンオキサイド単位を有する共重合体で被覆されていることが好ましい。エチレンオキサイド単位およびプロピレンオキサイド単位を有する共重合体で被覆されている炭素材料表面の割合(被覆率)が20%未満では、初期充電時における充電効率が充分に改善されない。また、被覆率が68%以上になると、さらに高い初期充電効率が実現できる。
【0015】
また、複合炭素材料において、前記共重合体の量は、炭素材料100重量部あたり0.06〜0.29重量部であることが好ましい。炭素材料の被覆率は高い方が好ましいが、共重合体の量が多すぎると複合炭素材料の容量密度が低下する。一方、少なすぎると、共重合体で炭素材料の表面を充分に被覆できない。
【0016】
適量の共重合体を含み、かつ、被覆率の高い複合炭素材料を得るには、エチレンオキサイド単位およびプロピレンオキサイド単位を含む共重合体を0.05〜0.60重量%含む水溶液に、炭素材料を均一に分散させてスラリーを得、そのスラリーの液状成分をろ過により分離除去して乾燥させる方法が有効である。このとき、炭素材料100重量部あたり、前記水溶液75〜150重量部と混合することが好ましい。
【0017】
複合炭素材料に用いる炭素材料としては、コークス、熱分解炭素、天然黒鉛、人造黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ、黒鉛化メソフェーズ小球体、気相成長炭素、ガラス状炭素、炭素繊維(ポリアクリロニトリル系、ピッチ系、セルロース系、気相成長炭素系)、不定形炭素、有機化合物の焼成物からなる炭素などが挙げられる。これらは単独で用いても、組み合わせて用いてもよい。これらのうちでは黒鉛系炭素が好ましい。黒鉛系炭素は、リチウムイオンを高効率で吸蔵および放出できるので、リチウム二次電池の電極材料として好適だからである。
黒鉛系炭素としては、例えば、メソフェーズ小球体を黒鉛化したもの、鱗片状黒鉛などの天然黒鉛、気相成長黒鉛などの人造黒鉛が挙げられる。
【0018】
炭素材料は、平均粒径3〜40μmの粉末であることが好ましい。平均粒径が3μm未満では、複合炭素材料の電極材料としての安全性が低くなり、40μmをこえると、複合炭素材料を用いた電池の出力特性が低下したり、短絡の発生頻度が高くなったりする。また、炭素材料の比表面積は0.5〜5m2/gであることが好ましい。比表面積が0.5m2/g未満では、電池の出力特性が低くなり、5m2/gをこえると、電池の安全性が低くなる。
【0019】
【実施例】
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。
《実施例1》
リチウム二次電池を以下のようにして製造した。
(i)正極板
コバルト酸リチウム粉末100重量部、導電助剤となるアセチレンブラック5重量部および結着剤となるポリフッ化ビニリデン5重量部を混合し、これにN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を加えて混練して正極塗膜用ペーストを得た。
正極塗膜用ペーストを正極集電体としてのアルミニウム箔上にダイコータを用いて塗付した後、70〜100℃で乾燥した。次に、塗膜を有するアルミニウム箔をロールプレスして正極板を得た。
【0020】
(ii)負極板
平均分子量100万のエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体を0.05重量%含む水溶液を調製した。ここで、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体におけるプロピレンオキサイド単位の含有量は10モル%とした。この水溶液120重量部に、ディスパーミルを用いて平均粒径22μm、比表面積3.8m2/gの黒鉛粉末100重量部を均一に分散させ、スラリーを得た。このスラリーの液状成分をろ過により分離除去し、固形分を80℃で減圧乾燥した後、乳鉢で軽く粉砕した。その結果、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体を表面に有する黒鉛粉末からなる複合炭素材料が得られた。
【0021】
電子顕微鏡を用いて得られた複合炭素材料の表面観察を行ったところ、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体による黒鉛粉末表面の被覆率は20%であった。また、複合炭素材料において、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体の量は、原料炭素材料の0.06重量%であった。
【0022】
次に、前記複合炭素材料100重量部に対して、8重量部のポリフッ化ビニリデンを結着剤として混合した後、NMPを適量加えて混練し、負極塗膜用ペーストを得た。
負極塗膜用ペーストを負極集電体としての銅箔上にダイコータを用いて塗付した後、70〜100℃で乾燥した。次に、塗膜を有する銅箔をロールプレスして負極板を得た。
【0023】
(iii)電池の組立て
得られた正極板および負極板を用いて電池を組立てた。あらかじめリード線を溶接した正極板および負極板をセパレータを介して積層し、巻回した後、電池缶に挿入した。そして正極板および負極板を、リード線を介してそれぞれの外部端子と接続した。次いで、非水電解質を注液した後、電池缶を封口することによりリチウム二次電池を完成した。
ここで、セパレータとしては、ポリエチレン製の多孔質フィルムを用いた。
非水電解質としては、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとの体積比1:3の混合溶媒に、ヘキサフルオロ燐酸リチウムを1モル/リットルの濃度で溶解した非水溶液を用いた。
電池缶としては、厚さ6mm、幅34mmおよび高さ50mmの角形アルミニウム缶を用いた。
【0024】
《実施例2》
エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体の水溶液における濃度を0.1重量%としたこと以外、実施例1と同様にして複合炭素材料を得、これを用いて負極を得た。そして得られた負極を用いて実施例1と同様のリチウム二次電池を組立てた。
電子顕微鏡を用いて本実施例の複合炭素材料の表面観察を行ったところ、被覆率は40%であった。また、複合炭素材料において、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体の量は、原料炭素材料の0.12重量%であった。
【0025】
《実施例3》
エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体の水溶液における濃度を0.2重量%としたこと以外、実施例1と同様にして複合炭素材料を得、これを用いて負極を得た。そして、得られた負極を用いて実施例1と同様のリチウム二次電池を組立てた。
電子顕微鏡を用いて本実施例の複合炭素材料の表面観察を行ったところ、被覆率は75%であった。また、複合炭素材料において、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体の量は、原料炭素材料の0.24重量%であった。
【0026】
《実施例4》
エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体の水溶液における濃度を0.4重量%としたこと以外、実施例1と同様にして複合炭素材料を得、これを用いて負極を得た。そして、得られた負極を用いて実施例1と同様のリチウム二次電池を得た。
電子顕微鏡を用いて本実施例の複合炭素材料の表面観察を行ったところ、被覆率は75%であった。また、複合炭素材料において、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体の量は、原料炭素材料の0.29重量%であった。
【0027】
《実施例5》
エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体の水溶液における濃度を0.6重量%としたこと以外、実施例1と同様にして複合炭素材料を得、これを用いて負極を得た。そして、得られた負極を用いて実施例1と同様のリチウム二次電池を得た。
電子顕微鏡を用いて本実施例の複合炭素材料の表面観察を行ったところ、被覆率は68%であった。また、複合炭素材料において、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体の量は、原料炭素材料の0.27重量%であった。
【0028】
《実施例6》
プロピレンオキサイド単位の含有量が1モル%のエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体を用いたこと以外、実施例3と同様にして複合炭素材料を得、これを用いて負極を得た。そして、得られた負極を用いて実施例1と同様のリチウム二次電池を得た。
【0029】
《実施例7》
プロピレンオキサイド単位の含有量が5モル%のエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体を用いたこと以外、実施例3と同様にして複合炭素材料を得、これを用いて負極を得た。そして、得られた負極を用いて実施例1と同様のリチウム二次電池を得た。
【0030】
《実施例8》
プロピレンオキサイド単位の含有量が15モル%のエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体を用いたこと以外、実施例3と同様にして複合炭素材料を得、これを用いて負極を得た。そして、得られた負極を用いて実施例1と同様のリチウム二次電池を得た。
【0031】
《実施例9》
プロピレンオキサイド単位の含有量が20モル%のエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体を用いたこと以外、実施例3と同様にして複合炭素材料を得、これを用いて負極を得た。そして、得られた負極を用いて実施例1と同様のリチウム二次電池を得た。
【0032】
《実施例10》
プロピレンオキサイド単位の含有量が25モル%のエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体を用いたこと以外、実施例3と同様にして複合炭素材料を得、これを用いて負極を得た。そして、得られた負極を用いて実施例1と同様のリチウム二次電池を得た。
【0033】
《実施例11》
プロピレンオキサイド単位の含有量が30モル%のエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体を用いたこと以外、実施例3と同様にして複合炭素材料を得、これを用いて負極を得た。そして、得られた負極を用いて実施例1と同様のリチウム二次電池を得た。
【0034】
《実施例12》
エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体の代わりに、前記共重合体の末端にアクリル基を導入した共重合体(プロピレンオキサイド単位の含有量は10モル%)を用いたこと以外、実施例3と同様にして複合炭素材料を得、これを用いて負極を得た。そして、得られた負極を用いて実施例1と同様のリチウム二次電池を得た。
【0035】
《比較例1》
エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体の代わりに、ポリエチレンキサイドを用いたこと以外、実施例3と同様にして複合炭素材料を得、これを用いて負極を得た。そして、得られた負極を用いて実施例1と同様のリチウム二次電池を得た。
電子顕微鏡を用いて本実施例の複合炭素材料の表面観察を行ったところ、被覆率は73%であった。また、複合炭素材料において、ポリエチレンオキサイドの量は、原料炭素材料の0.22重量%であった。
【0036】
実施例1〜12および比較例1のリチウム二次電池の放電温度特性を測定した。
充電は、電池温度を25℃に設定し、0.7Cの定電流で4.2Vまで行った。放電は、電池温度を各測定温度に設定し、2Cで、電池電圧が3.0Vに低下するまで行った。各測定温度での放電容量をそれぞれ測定し、各温度の放電容量を25℃での放電容量に対する100分率(%)で示した。なお、測定温度は25℃、20℃、10℃、0℃、−10℃とした。表1に測定結果を示す。
【0037】
【表1】
【0038】
上記実施例において、水溶液の共重合体濃度を0.2重量%以上に高くしても炭素材料の被覆率が上昇せず、0.4重量%を超えると逆に減少している。これは、一定濃度を超える水溶液中では、炭素材料表面よりも水溶液中に存在する方が共重合体が安定化するためと考えられる。
【0039】
表1において、炭素材料の表面をエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体で被覆した複合炭素材料を用いたリチウム二次電池は、0℃以下の低温領域でも良好な放電特性を示している。また、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体による被覆率が68%以上の複合炭素材料を用いたリチウム二次電池は、特に良好な放電特性を示している。なかでも前記共重合体におけるプロピレンオキサイド単位の含有量が1〜25モル%の複合炭素材料を用いたリチウム二次電池は、特に良好な放電特性を示し、プロピレンオキサイド単位の含有量が5〜20モル%の複合炭素材料を用いたリチウム二次電池は、さらに良好な放電特性を示している。
【0040】
前記共重合体の末端にアクリル基を導入した誘導体を含む複合炭素材料を用いたリチウム二次電池でも、同様に優れた放電特性が得られている。
なお、いずれの電池も初期充電効率については、比較例1と同等であった。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の複合炭素材料を用いることにより、初期充電効率が高く、低温度領域においても良好な放電特性を示すリチウム二次電池を得ることができる。
Claims (8)
- エチレンオキサイド単位およびプロピレンオキサイド単位を有する共重合体を表面に有する炭素材料からなり、
前記共重合体の平均分子量が10万以上であり、
前記共重合体の量が、前記炭素材料100重量部あたり0.06〜0.29重量部である複合炭素材料。 - 前記炭素材料の表面の20%以上が前記共重合体で被覆されている請求項1記載の複合炭素材料。
- 前記共重合体の量が、前記炭素材料100重量部あたり0.24〜0.29重量部である請求項1または2記載の複合炭素材料。
- 前記共重合体における前記プロピレンオキサイド単位の含有量が、1〜25モル%である請求項1〜3のいずれかに記載の複合炭素材料。
- 前記共重合体における前記プロピレンオキサイド単位の含有量が、5〜20モル%である請求項1〜3のいずれかに記載の複合炭素材料。
- 前記炭素材料が黒鉛系炭素を含む請求項1〜5のいずれかに記載の複合炭素材料。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の複合炭素材料を含むリチウム二次電池用電極。
- リチウムを活物質として含む正極、請求項1〜6のいずれかに記載の複合炭素材料を含む負極、非水電解質およびセパレータを備えたリチウム二次電池。
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