JP4804435B2 - 殺菌野菜の製造方法および静菌材 - Google Patents

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Description

本発明は、野菜の食感を良好に保ち、かつ野菜に付着する菌数を低減することのできる殺菌野菜の製造方法および静菌材に関する。
近年、コンビニエンスストアーやスーパーの野菜売り場や惣菜売り場には、カップや袋に入った野菜やサラダが数多く並んでおり、これらの野菜は既に洗浄されていることから、開封後そのまま食べられるものとして需要が高まっている。
しかしながら、このような野菜やサラダは、細菌が繁殖し腐敗しやすいため、食卓に並ぶまで良好な状態を維持することは困難であった。
そこで、このような問題を解決するために、種々の工夫がなされている。たとえば、特開2001−120169号公報(特許文献1)は、生鮮野菜を所定の温度の温水および冷水に、それぞれ所定の時間接触させて加温および冷却することで、生鮮野菜の洗浄を行い、表面に付着する微生物数を減らし、そしてその鮮度を保持することができる方法を開示している。しかしこの方法では、加温処理や野菜をブラッシングする工程があるため、野菜にダメージを与えてしまうという問題があった。
特開2001−120169号公報
本発明の目的は、食感を良好に保ち、かつ野菜の菌数を低減した殺菌野菜の製造方法および静菌材を提供することにある。
本発明に係る殺菌野菜の製造方法は、
亜塩素酸塩及び次亜塩素酸塩の少なくとも一方と、平均粒径1μm以下の微粉砕化卵殻とを含有する0〜30℃の分散液を野菜に接触させる工程と、
前記分散液を前記野菜から除去する工程と、
を含む。
上記殺菌野菜の製造方法において、前記微粉砕化卵殻の含有量は、前記分散液に対して0.005〜5%であることができる。
本発明に係る静菌材は、平均粒径1μm以下の微粉砕化卵殻を含有する。
上記静菌材は、亜塩素酸塩及び次亜塩素酸塩の少なくとも一方をさらに含有することができる。
上記静菌材において、0〜30℃の温度で前記野菜に接触させるために用いられることができる。
本発明に係る殺菌野菜の製造方法によれば、野菜の菌数を低減し、鮮度の良い状態の食感を維持することのできる保存性の向上した殺菌野菜を製造することができる。これにより、卵殻の有効利用、ならびに、殺菌野菜の需要の拡大が期待される。
以下、本発明の一実施形態に係る殺菌野菜の製造方法および静菌材について説明する。なお、本実施形態において、「%」は「質量%」を意味する。
1.殺菌野菜の製造方法
本実施の形態に係る殺菌野菜の製造方法は、亜塩素酸塩及び次亜塩素酸塩の少なくとも一方と、平均粒径1μm以下の微粉砕化卵殻とを含有する分散液を野菜に接触させる工程と、分散液を野菜から除去する工程と、を含む。
以下、本実施の形態に係る殺菌野菜の製造方法を工程順に説明する。
(1)まず、亜塩素酸塩及び次亜塩素酸塩の少なくとも一方と、平均粒径1μm以下の微粉砕化卵殻とを含有する分散液を野菜に接触させる。
野菜としてはベビーリーフ、ほうれん草、紫蘇、レタス、キャベツ、大根、ごぼう、きゅうり、小松菜、枝豆、などが挙げられる。ベビーリーフには、ミズナ、デトロイト、ルッコラ、レッドオーク、コスレタス、グリーンリーフ、ターサイなどの幼葉だけを5〜15cm程度で収穫したものが含まれる。なかでもベビーリーフは、原体の菌数が多く顕著な効果が得られるため、好適である。
野菜は、上記種類の野菜を適当な大きさに切ったもの等であってもよい。また野菜は、生の状態であることが好ましい。
亜塩素酸塩及び次亜塩素酸塩としては、たとえば亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウムの1つまたは複数から選ぶことが安定性の観点から好ましい。また、分散液中の有効塩素濃度は、好ましくは25〜500ppm、より好ましくは50〜300ppmであるとよい。前記濃度より低い濃度であると、殺菌効果が十分ではない場合があり、前記濃度より高い濃度であると、野菜にダメージを与え保存中に食感を損なう場合があるからである。
「有効塩素」とは、溶液中の「亜塩素酸」、「亜塩素酸イオン」、「次亜塩素酸」、「次亜塩素酸イオン」に相当し、溶液中で酸化力のある塩素を有するイオンまたは分子をいう。「有効塩素濃度」とは、溶液中で酸化力のある塩素の濃度であり、溶液中の酸化力を測定し、測定した酸化力と当量の塩素の量を換算することにより求められる。
本発明における「微粉砕化卵殻」の「卵殻」とは、鳥類の卵の殻、特に鶏卵の殻をいう。卵殻はその主成分が炭酸カルシウムであり、2%程度のタンパク質を含む。このタンパク質の存在が、殺菌効果に大きく寄与するものと考えられる。
本実施形態に係る殺菌野菜の製造方法で使用される卵殻(「微粉砕化卵殻」ともいう。)は、原料卵殻そのものあるいは原料卵殻を粗く粉砕した卵殻粉末を、微粉砕化したものである。
微粉砕化卵殻の平均粒径は、1μm以下であり、好ましくは0.01μm〜0.6μmである。微粉砕化卵殻の平均粒径が1μm以下であることにより、微粉砕化卵殻を媒体として亜塩素酸塩または次亜塩素酸塩を野菜内深部まで浸透させて、殺菌効果を増大させることができると考えられる。特に、微粉砕化卵殻の平均粒径が0.6μm以下であることにより、さらに殺菌効果を高めることができる。また、微粉砕化卵殻の平均粒径が0.01μm未満であると、凝集しやすく、分散性に劣る場合があるため、野菜表面の全体に付着させることが困難となる。
微粉砕化卵殻は、例えば、振動ミル、ボールミル、シェカーやハンマーミル、ターボミル、ファインミル、ジェットミル、バンタムミル、グラインダーミル、カッターミル、ビーズミルなどの粉砕機を使用する機械的粉砕により得ることができ、これらの粉砕機を単独もしくは2つ以上組み合わせて使用することができる。
平均粒径が1μm以下であり、かつ、粒度分布が狭い微粉砕化卵殻を得ることができる点で、微粉砕化卵殻は特に、ビーズミルによる湿式粉砕にて粉砕されたものであることが好ましい。ビーズミルとしては、例えば、スターミルLMZ(アシザワ・ファインテック株式会社製)、OBミル(ターボ工業株式会社製)、スーパーアペックスミル(寿工業株式会社製)等が挙げられる。
ビーズミルを使用して卵殻を平均粒径1μm以下(好ましくは0.01μm〜0.6μm)に湿式粉砕することにより、クリーム状の微粉砕化卵殻含有スラリーが得られる。上記スラリーをそのまま食品等に添加することにより、微粉砕化卵殻の凝集を防止したまま使用することができる。
また、上記スラリーを乾燥させて得られた微粉砕化卵殻を使用してもよい。乾燥方法としては特に限定されるものではなく、噴霧乾燥や凍結乾燥など、一般的に行われる方法で実施することができる。また、デキストリン等の賦形剤や、ショ糖脂肪酸エステル等の乳化剤を、上記スラリーに適宜添加してから乾燥を行ってもよい。
微粉砕化卵殻の粒度分布は、粒径1μm以下の割合が50%以上であり、かつ、粒径10μm以上の割合が5%以下であることが好ましく、殺菌効果により優れている点で、平均粒径が0.6μm以下であって、さらに、粒径0.5μm以下の割合が50%以上であり、かつ、粒径2μm以上の割合が5%以下であることがより好ましい。
また、微粉砕化卵殻の粒度の分布状態を示す変動係数は0.1〜0.8であるのが好ましく、0.1〜0.7であるのがより好ましい。微粉砕化卵殻の変動係数が0.1〜0.8であることにより、凝集しにくいため分散性に優れ、かつ、殺菌効果に優れている。
微粉砕化卵殻の含有量は、殺菌効果を高めるためには、分散液に対して0.005%以上であるのが好ましく、野菜の食感を良好に維持し、かつ殺菌効果をより高めるには、0.05%以上であることが好ましい。なお、微粉砕化卵殻の含有量の上限は分散性が良好な範囲であれば特に限定されないが、生産性を考慮し、5%以下であることが好ましく、3%以下であることがより好ましい。
分散媒としては、通常、水が適用されるが、本発明の効果を損なわない範囲で食塩水等も使用することができる。
分散液を野菜に接触させる方法としては、野菜の表面に分散液を接触させることができれば特に限定されるものではないが、たとえば野菜をザル等に入れた状態で分散液中に浸漬する方法、野菜を分散液で洗浄する方法、野菜に分散液を噴霧またはシャワーする方法、分散液を含ませたスポンジ等の媒体で野菜に塗布する方法等を挙げることができる。この工程では、野菜の表面全体に分散液を付着させることが好ましい。
分散液を野菜に接触させる時間は、1分〜20分、より好ましくは3〜15分である。前記時間より短いと十分な殺菌効果が得られず、前記時間より長いと、溶液が野菜に染み込み過ぎ野菜にダメージを与え、保存中に食感を損なう場合があるからである。
なお、分散液の温度は、30℃以下であることが好ましく、25℃以下であることがより好ましい。野菜自体の温度を上げずに鮮度を保ち、生の食感を維持できるからである。また分散液の温度は、野菜が凍るのを防ぐために0℃以上であることが好ましい。
(2)次に、野菜に接触させた上記分散液を野菜の表面から除去する。具体的には、野菜の表面に付着している分散液を他の液体で置換することにより、分散液を野菜の表面から除去することができる。たとえば野菜を水洗いして、分散液を野菜の表面から除去する。水洗いとしては、たとえば野菜を流水中もしくは清水中に浸漬する方法、野菜にシャワー水をかける方法等を適用することができる。水洗いの後に水切りをしてもよい。水切りとしては、たとえば野菜を遠心分離機にかける方法、ザル上に野菜を5分〜30分程度放置する方法等を適用することができる。
以上の工程により、殺菌野菜を製造することができる。殺菌野菜の製造後、殺菌野菜を包装容器詰めしてもよい。包装容器としては、ポリプロピレン製袋や、PET製プラスチック容器等が挙げられるが、充填後密封し保存できれば特に限定するものではない。また、包装容器詰め後の保存温度は、特に限定されるものではないが、0〜15℃程度であれば野菜の生鮮状態が保たれやすく好ましい。
2.静菌材
本実施の形態に係る静菌材は、上記微粉砕化卵殻を含有する。本実施形態に係る静菌材における微粉砕化卵殻の含有量は通常0.005〜100%である。静菌材の形態としては、上記湿式粉砕により得られる、クリーム状の微粉砕化卵殻含有スラリーそのもの、あるいはさらに防腐剤等を添加したものであってもよい。また、上記スラリーを乾燥させて得られた微粉砕化卵殻を使用してもよく、亜塩素酸塩、次亜塩素酸塩、賦形剤、乳化剤等を適宜添加したものであってもよい。また、微粉砕化卵殻を液体に分散させた分散液であってもよい。また当該分散液は、亜塩素酸塩および次亜塩素酸塩の少なくとも一方を含有したものであってもよい。
本実施形態に係る静菌材によれば、微粉砕化卵殻を含有することにより、野菜の菌数を低減し、食感を良好に保つことができる。本実施形態に係る静菌材は、野菜を含む各種の食品に使用することができる。
3.作用効果
本実施の形態に係る殺菌野菜の製造方法では、亜塩素酸塩及び次亜塩素酸塩の少なくとも一方と、平均粒径1μm以下の微粉砕化卵殻とを含有する分散液を野菜に接触させている。これにより、保存中においても野菜の生の食感を維持し、野菜の菌数を低減することができる。また、本実施の形態に係る製造方法を適用することにより、卵殻の有効利用が可能となる。
4.実施例
次に、本発明を以下の実施例に基づき、さらに詳細に説明する。なお、本発明はこれらに限定されるものではない。
4.1.微粉砕化卵殻の調製
本実施例においては、以下の条件にて所定の平均粒径および粒度分布を有するように微粉砕された微粉砕化卵殻を調製した。より具体的には、精製水に卵殻(以下、微粉砕化卵殻と区別するために、「原料卵殻」と表記する。)を分散させた原料卵殻分散液(スラリー)について、以下の条件で湿式ビーズミルを使用して、原料卵殻を湿式粉砕した。
4.1.1.原料
(1)原料卵殻(平均粒径:11.0μm((株)全農・キユーピー・エツグステーシヨン製))
(2)精製水
4.1.2.粉砕(湿式粉砕)条件
湿式ビーズミル:スターミルLMZ2(アシザワ・ファインテック(株)製)
ビーズ:ジルコニア製,Φ0.3mm
ビーズ充填率:85%(粉砕室容量に対し);空間率49%
ローター周速:12m/s
4.1.3.微粉砕化卵殻の調製方法
精製水8kgをビーズミルに連結したミキシングタンクに仕込み、原料卵殻2kgを投入して、湿式ビーズミルの循環運転(ミルで粉砕されたスラリーをタンクにリターン)を行うことにより、微粉砕化卵殻含有スラリーを調製した。
湿式ビーズミルによる粉砕処理を所定時間(5,15,60分)行うことにより、粒径の異なる微粉砕化卵殻(微粉砕化卵殻1〜3)を得た。
4.1.4.平均粒径および粒度分布測定
試料(微粉砕化卵殻含有スラリー)0.3gを精製水10gに分散させて1分間超音波を照射した後、粒径分析計に供した。分散剤を添加する際は超音波照射前に2滴滴下した。
また、原料卵殻の粒度分布を測定する場合、まず、原料卵殻0.1gを精製水10gに分散させ、この分散液4gを精製水20gに分散させた後、超音波を照射して供試検体とした。
粒度分布測定は、装置内蔵の超音波照射機(3分間、40W)を使用して行った。なお、平均粒径はメジアン径とした。粒度分布測定における測定装置および測定条件は以下の通りである。
粒度分布計:マイクロトラックMT3300EXII(日機装(株));レーザ回折式
屈折率:1.68(重炭酸カルシウムの文献値);水(分散媒)1.33
分散剤:アロンA−6330(ポリカルボン酸系重合体、東亜合成(株)製)
微粉砕化卵殻1〜3の平均粒径はそれぞれ、0.12μm(粒径の実測範囲:0.03〜0.58μm)、0.59μm(粒径の実測範囲:0.19〜7.78μm)、0.94μm(粒径の実測範囲:0.45〜7.78μm)であり、これらの変動係数(CV)はそれぞれ0.70、0.67、0.57であった。
また、これら微粉砕化卵殻の粒度分布はいずれも、粒径1μm以下の割合が50%以上であり、かつ、粒径10μm以上の割合が5%以下であった。なかでも、微粉砕化卵殻の平均粒径が0.12μmである微粉砕化卵殻の粒度分布は、粒径0.5μm以下の割合が50%以上であり、かつ、粒径2μm以上の割合が5%以下であった。
以下、平均粒径が0.12μmの微粉砕化卵殻を微粉砕化卵殻1とし、平均粒径が0.59μmの微粉砕化卵殻を微粉砕化卵殻2とし、平均粒径が0.94μmの微粉砕化卵殻を微粉砕化卵殻3として、実験を行った。
4.2.殺菌野菜の製造
4.2.1.実施例1〜4
以下の工程により、実施例1乃至4に係る殺菌野菜を製造した。
次亜塩素酸ナトリウムまたは亜塩素酸ナトリウム及び微粉砕化卵殻を清水に分散させて15℃の分散液を調製した。ここで分散液の有効塩素濃度を200ppmとし、微粉砕化卵殻の含有量を0.5%とした。次いでミズナを分散液に10分間浸漬した後、流水中で5分間水洗いした。そして遠心分離機(大栄製作所、「DT−2S」、700rpmで1分間)にかけて遠心脱水処理を行い、殺菌野菜を製した。
実施例1乃至4において用いた次亜塩素酸ナトリウムまたは亜塩素酸ナトリウム及び微粉砕化卵殻は、表1に示すとおりである。
4.2.2.比較例1〜3
実施例1〜4において用いた微粉砕化卵殻にかえて、比較例1では、平均粒径11.0μm原料卵殻を用い、比較例2では、炭酸カルシウムを用いて、実施例1〜4と同様に殺菌野菜を製した。
また、比較例3では、実施例1〜4において用いた分散液にかえて、有効塩素濃度が200ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液を用いて、実施例1〜4と同様に殺菌野菜を製した。
4.2.3.比較例4
比較例4では、微粉砕化卵殻を含有する分散液と次亜塩素酸ナトリウム水溶液とを異なる工程でミズナに接触させて殺菌野菜を製した。具体的には、ミズナを、有効塩素濃度200ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液に10分間浸漬した後、流水中で5分間水洗いした。次いで、微粉砕化卵殻を清水に分散させて15℃に調製した含有量0.5%の分散液に5分間浸漬させた。そして遠心分離機(大栄製作所、「DT−2S」、700rpmで1分間)にかけて遠心脱水処理を行い、殺菌野菜を製した。
4.3.試験例1
実施例1乃至4及び比較例1乃至4に係る殺菌野菜の保存後の食感及び細菌数への影響について評価した。具体的には、得られた殺菌野菜としてのミズナを10℃で5日間保存し、保存後のミズナの食感及び細菌数のそれぞれについて、以下の4段階で評価した。
(食感)
◎:ミズナのシャキシャキとした食感が大変保持されている。
○:ミズナのシャキシャキとした食感が保持されている。
△:ミズナのシャキシャキとした食感がやや保持されていない。
×:ミズナのシャキシャキとした食感が保持されていない。
(細菌数の評価)
◎:5×10cfu/g未満
○:5×10cfu/g以上1×10cfu/g未満
△:1×10cfu/g以上1×10cfu/g未満
×:1×10cfu/g以上
試験例1の評価結果を表1に示す。
Figure 0004804435
以上の結果により、次亜塩素酸ナトリウムまたは亜塩素酸ナトリウムと、平均粒径が1μm以下の微粉砕化卵殻を含有する分散液を野菜に接触させることによって、野菜の細菌数を低減し、食感を良好に保つことができることが確認された。特に、平均粒径が0.6μm以下の微粉砕化卵殻を用いることによって、細菌数を著しく低減し、食感についても大変良好な結果が得られた。
また、次亜塩素酸ナトリウムまたは亜塩素酸ナトリウムと微粉砕化卵殻とを同時に接触させることにより、次亜塩素酸ナトリウムと微粉砕化卵殻とを異なる工程で接触させた場合と比べて、野菜の細菌数を低減し、かつ食感を良好に保つことができることが確認された。
4.4.試験例2
試験例2では、表2に示すように、微粉砕化卵殻1の含有量の異なる実施例1,5〜7および比較例3に係る殺菌野菜の食感および細菌数を評価した。
具体的には、実施例1において用いた分散液にかえて、実施例5〜7では、実施例1と含有量の異なる微粉砕化卵殻を含有させた分散液を用いて、実施例1と同様に殺菌野菜を製した。ここで分散液の有効塩素濃度を200ppmとし、微粉砕化卵殻の含有量をそれぞれ1.0%、0.05%、0.005%とした。
そして試験例1と同様に、実施例1,5〜7および比較例3に係る殺菌野菜の保存後の食感および細菌数への影響について評価した。評価結果を表2に示す。
Figure 0004804435
以上の結果により、微粉砕化卵殻の含有量を分散液に対して0.005%以上とすることによって、食感を良好に保ち、かつ細菌数を低減することができることが確認された。特に、微粉砕化卵殻の含有量を分散液に対して0.05%以上とすることによって、細菌数を著しく低減し、食感についても大変良好な結果が得られた。
4.5.試験例3
試験例3では、分散液の温度の異なる実施例1,8〜11および比較例5,6に係る殺菌野菜の食感および細菌数を評価した。
具体的には、実施例1において用いた15℃の分散液にかえて、実施例8〜11および比較例5,6では、それぞれ温度が1℃、5℃、25℃、30℃、40℃、55℃の分散液を用いて実施例1と同様に殺菌野菜を製した。
そして試験例1と同様に、実施例1,8〜11および比較例5,6に係る殺菌野菜の保存後の食感および細菌数への影響について評価した。評価結果を表3に示す。
Figure 0004804435
以上の結果により、30℃以下の分散液を野菜に接触させることによって、野菜の食感を良好に保ち、かつ細菌数を低減することができることが確認された。特に、25℃以下の分散液を用いることによって、細菌数を著しく低減し、食感についても大変良好な結果が得られた。

Claims (3)

  1. 有効塩素濃度が25〜500ppmの亜塩素酸塩及び次亜塩素酸塩の少なくとも一方と、平均粒径0.12〜0.6μmの微粉砕化卵殻0.05〜1.0%とを含有する1〜25℃の分散液を野菜に接触させる工程と、
    前記分散液を前記野菜から除去する工程と、
    を含む、殺菌野菜の製造方法。
  2. 有効塩素濃度が25〜500ppmの亜塩素酸塩及び次亜塩素酸塩の少なくとも一方と、平均粒径0.12〜0.6μmの微粉砕化卵殻0.05〜1.0%とを含有する、静菌材。
  3. 1〜25℃の温度で野菜に接触させるために用いられる、請求項に記載の静菌材。
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