JP5903459B2 - 野菜の処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、野菜の処理方法に係り、特に、オクラ、ブロッコリー、アスパラガス及びパプリカに対して有利に適用することが可能な処理方法に関するものである。
一般に、収穫された野菜は、水洗によって野菜に付着した土や収穫時の夾雑物等が除去された後、次亜塩素酸ナトリウム水溶液等を用いた殺菌処理が施される。その後、野菜の種類や大きさ等に応じて、例えば袋詰めにされた状態等にて、市場に流通することとなる。本発明者は、先に、特許文献1(特開2009−225710号公報)において、生鮮食品の残存塩素臭がほとんどなく、付着している残存生菌数(初発菌数)が顕著に低く、長期保存しても、雑菌の繁殖を抑えて生鮮食品の鮮度が維持できる生鮮食品の殺菌方法を提案している。
しかしながら、本発明者が先に提案した処理方法を含む、従来の処理方法(殺菌方法)にあっては、殺菌(雑菌の繁殖防止)に関してはある程度の効果が認められるものの、処理から時間が経過すると(例えば、処理から数日経過すると)、野菜の色調が変化し、また、硬度が低下するという問題を内在している。例えば、オクラやブロッコリー、アスパラガス等(以下、本段落においてオクラ等という。)にあっては、収穫後に従来の処理方法(殺菌方法)に従って処理した場合、かかる処理から3日〜10日程度の時間が経過したオクラ等は、収穫の際に生じた切り口が茶色に変色し、全体的に黒みを帯び、また、軟らかくなってしまうことを、経験上、本発明者は認識している。このように変色し、硬度が低下した野菜は、その商品価値が著しく低く、最終消費者に好まれるものとは言い難いものである。
近年では、日本国内での生産量が少ない時期であっても、最終消費者の需要に応えるべく、外国産の野菜を輸入するようになってきている。従来の方法に従って処理された野菜にあっては、その変色等を防止するために、航空便で輸送することにより、その処理から最終消費者の手元に届くまでの時間を短縮する必要があるところ、かかる輸送の際のコストは最終消費者が負うこととなるため、現状は、新鮮で安価な野菜を求めている最終消費者のニーズを必ずしも満足させているものではないのである。
また、輸入野菜については、検疫において害虫卵等が発見されると、害虫卵等を除去するための薫蒸処理が施され、かかる薫蒸処理のコストは、最終的には輸入野菜の価格に上乗せされることとなる。従って、安価な輸入野菜を安定的に供給するためには、例えば、輸出国において収穫後の野菜に対して適切な処理を施すことにより、害虫卵等を除去しておくことが好ましいのである。
特開2009−225710号公報
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決すべき課題とするところは、収穫時の色調及び硬度を維持した状態での長期保存が可能な野菜の処理方法を提供することである。
そして、本発明者は、野菜の処理方法について鋭意、研究を進めたところ、i)カルシウム塩、ii)次亜塩素酸ナトリウム以外のナトリウム塩、iii )次亜塩素酸ナトリウム及び/又は二酸化塩素を、各々、所定の濃度にて含有する二種又は三種の水溶液に、処理対象である野菜を浸漬せしめることによって、上記した課題を有利に解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。すなわち、本発明は、処理対象である野菜を、濃度が0.1〜0.9重量%であるカルシウム塩水溶液に浸漬せしめる工程Aと、次亜塩素酸ナトリウム以外のナトリウム塩の濃度が0.1〜0.9重量%である水溶液に浸漬せしめる工程Bと、下記水溶液c1乃至c3のうちの何れか一種に浸漬せしめる工程Cとを有し、前記工程Aの実施後に前記工程Bが実施され、更に前記工程Cが実施されることを特徴とする野菜の処理方法を、その要旨とするものである。
水溶液c1:濃度が10〜300ppmである次亜塩素酸ナトリウム水溶液。
水溶液c2:濃度が0.1〜0.6ppmである二酸化塩素水溶液。
水溶液c3:次亜塩素酸ナトリウムの濃度が10〜300ppmであり、且つ二酸化 塩素の濃度が0.1〜0.6ppmである水溶液。
また、本発明は、処理対象である野菜を、濃度が0.1〜0.9重量%であるカルシウム塩水溶液に浸漬せしめる工程Aと、次亜塩素酸ナトリウム以外のナトリウム塩の濃度が0.1〜0.9重量%である水溶液に浸漬せしめる工程Bと、下記水溶液c1乃至c3のうちの何れか一種に浸漬せしめる工程Cとを有し、前記工程Bの実施後に前記工程Aが実施され、更に前記工程Cが実施されることを特徴とする野菜の処理方法についても、その要旨とするものである。
水溶液c1:濃度が10〜300ppmである次亜塩素酸ナトリウム水溶液。
水溶液c2:濃度が0.1〜0.6ppmである二酸化塩素水溶液。
水溶液c3:次亜塩素酸ナトリウムの濃度が10〜300ppmであり、且つ二酸化 塩素の濃度が0.1〜0.6ppmである水溶液。
さらに、本発明は、処理対象である野菜を、カルシウム塩の濃度が0.1〜0.9重量%であり、且つ次亜塩素酸ナトリウム以外のナトリウム塩の濃度が0.1〜0.9重量%である水溶液に浸漬せしめる工程Dと、下記水溶液c1乃至c3のうちの何れか一種に浸漬せしめる工程Cとを有し、前記工程Dが実施された後に、前記工程Cが実施されることを特徴とする野菜の処理方法をも、その要旨とするものである。
水溶液c1:濃度が10〜300ppmである次亜塩素酸ナトリウム水溶液。
水溶液c2:濃度が0.1〜0.6ppmである二酸化塩素水溶液。
水溶液c3:次亜塩素酸ナトリウムの濃度が10〜300ppmであり、且つ二酸化 塩素の濃度が0.1〜0.6ppmである水溶液。
そして、上記した、本発明に従う野菜の処理方法の各態様においては、有利には、処理対象である野菜が、ダイコン、カブ、ニンジン、ゴボウ、かんしょ、馬鈴しょ、サトイモ、アスパラガス、カリフラワー、ブロッコリー、ピーマン、さやいんげん、ソラマメ又はオクラである。
このように、本発明に従う野菜の処理方法にあっては、処理対象である野菜を、所定の水溶液に、所定の順序に従って浸漬せしめることを特徴とするものであるところから、本発明に従って処理された野菜にあっては、処理から長時間が経過しても、収穫時と同程度の色調や硬度が維持されると共に、害虫卵も効果的に除去され、更に、雑菌の繁殖も有利に抑制されることとなるのである。
ところで、本発明の処理方法は、野菜であれば如何なるものであっても適用可能である。野菜は、総務省が公表している「日本標準商品分類」によれば、根菜類、葉茎菜類、果菜類、香辛野菜及びつまもの類、果実的野菜等に分類されるところ、本発明を適用することが出来る野菜としては、根菜類のうちダイコン、カブ、ニンジン、ゴボウ、かんしょ(サツマイモ)、馬鈴しょ(ジャガイモ)、サトイモ、葉茎菜類のうちアスパラガス、カリフラワー、ブロッコリー、果菜類のうちピーマン、さやいんげん、ソラマメ、オクラ等を、例示することが出来る。これらの野菜の中でも、特に、オクラ、ブロッコリー、アスパラガス及びパプリカに対して、本発明は有利に適用される。
本発明に従って、上記の如き野菜を処理する際には、先ず、i)カルシウム塩、ii)次亜塩素酸ナトリウム以外のナトリウム塩(以下、適宜、単にナトリウム塩ともいう。)、iii )次亜塩素酸ナトリウム及び/又は二酸化塩素を、それぞれ所定の濃度にて含む二種又は三種の水溶液が準備される。
ここで、本発明において使用される、処理対象である野菜が浸漬せしめられる水溶液において、カルシウム塩の濃度は、好ましくは0.1〜0.9重量%であり、より好ましくは0.3〜0.9重量%である。水溶液中のカルシウム塩の濃度が0.1重量%未満では、処理対象である野菜の硬度を効果的に維持することが出来ない、換言すると、野菜の食感を維持することが出来ない、恐れがある。また、野菜に付着した害虫卵等を効果的に除去することが出来ない恐れもある。その一方、濃度が0.9重量%を超える量のカルシウム塩を添加しても、その添加(配合)効果の増大は小さく、費用対効果の観点より得策ではない。
なお、本発明において使用されるカルシウム塩としては、乳酸カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸三カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、塩化カルシウム等を例示することが出来る。それらの中でも、特に、乳酸カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウムが好適に使用される。
また、本発明において使用される、処理対象である野菜が浸漬せしめられる水溶液において、次亜塩素酸ナトリウム以外のナトリウム塩の濃度は、好ましくは0.1〜0.9重量%であり、より好ましくは0.3〜0.9重量%である。そのような濃度の水溶液を用いて野菜を処理することにより、野菜の色調を長期に亘って保持させることが可能ならしめられるところ、濃度が0.1重量%未満では、上記効果を有利に享受することが出来ない恐れがある。その一方で、濃度が0.9重量%を超える水溶液を使用すると、野菜の食味への影響が大きくなる傾向にあるため、そのような水溶液の使用は好ましくない。
なお、本発明において使用される次亜塩素酸ナトリウム以外のナトリウム塩としては、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸三ナトリウム等を例示することが出来る。それらの中でも、特に、塩化ナトリウムが好適に使用される。
さらに、本発明において使用される、処理対象である野菜が浸漬せしめられる水溶液において、次亜塩素酸ナトリウムの濃度は、好ましくは10〜300ppmであり、より好ましくは100〜200ppmである。水溶液中の次亜塩素酸ナトリウムの濃度が低すぎると、野菜に対する殺菌効果(長期保存による雑菌の繁殖抑制効果を含む)が十分に発揮され得ない恐れがあり、一方、濃度が高すぎると、浸漬によって野菜に与えるダメージが大きくなる恐れがある。
さらにまた、本発明において使用される、処理対象である野菜が浸漬せしめられる水溶液において、二酸化塩素の濃度は、好ましくは0.1〜0.6ppmである。水溶液中の二酸化塩素の濃度が低すぎると、野菜に対する殺菌効果(長期保存による雑菌の繁殖抑制効果を含む)が十分に発揮され得ない恐れがあり、一方、濃度が高すぎると、浸漬によって野菜に与えるダメージが大きくなる恐れがある。
なお、本発明に係る野菜の処理方法において、次亜塩素酸ナトリウム及び二酸化塩素は、それらのうちの何れか一方のみが、或いは両者が、使用されることとなる。
上記の如きカルシウム塩等を含む二種又は三種の水溶液を調製する際に使用される、溶媒たる水としては、純水、イオン交換水、蒸留水、水道水、電解水等を例示することが出来る。それらの中でも、特に、コストの観点より、水道水が有利に使用される。
本発明は、i)カルシウム塩、ii)次亜塩素酸ナトリウム以外のナトリウム塩、iii )次亜塩素酸ナトリウム及び/又は二酸化塩素を含む二種又は三種の水溶液に対して、処理対象である野菜を浸漬せしめることを特徴とするものである。具体的に、本発明は、以下に示す各種の水溶液を準備し、それら水溶液に対して、処理対象である野菜を所定の順に浸漬せしめることによって、実施されるものである
(1)i)カルシウム塩、ii)次亜塩素酸ナトリウム以外のナトリウム塩、iii )次亜 塩素酸ナトリウム及び/又は二酸化塩素を、各々、単独で含む水溶液を使用する。
(2)i)カルシウム塩及びii)次亜塩素酸ナトリウム以外のナトリウム塩を含む水溶 液と、iii )次亜塩素酸ナトリウム及び/又は二酸化塩素を含む水溶液とを使用す る
上記した(1)の実施態様においては、先ず、濃度が0.1〜0.9重量%であるカルシウム塩水溶液(以下、水溶液aという。)と、次亜塩素酸ナトリウム以外のナトリウム塩の濃度が0.1〜0.9重量%である水溶液(以下、水溶液bという。)と、下記水溶液c1乃至c3のうちの何れか一種とが、準備される。そして、それら準備された各水溶液に対して、処理対象である野菜が浸漬せしめられることとなる。
水溶液c1:濃度が10〜300ppmである次亜塩素酸ナトリウム水溶液。
水溶液c2:濃度が0.1〜0.6ppmである二酸化塩素水溶液。
水溶液c3:次亜塩素酸ナトリウムの濃度が10〜300ppmであり、且つ二酸化 塩素の濃度が0.1〜0.6ppmである水溶液。
上記(1)の実施態様においては、処理対象である野菜を、先ず水溶液a(又は水溶液b)に浸漬せしめ、次いで、水溶液b(又は水溶液a)に浸漬せしめ、更にその後に、水溶液c1乃至c3の何れか一種に浸漬せしめられることとなる。このような順に従って野菜を処理することにより、処理から長時間が経過しても、収穫時と同程度の色調や硬度が維持されると共に、次亜塩素酸ナトリウム及び/又は二酸化塩素による殺菌効果(野菜表面における雑菌の繁殖抑制効果を含む)をより有利に享受することが可能となる。本発明においては、処理対象である野菜を、先ず水溶液a(濃度が0.1〜0.9重量%であるカルシウム塩水溶液)に浸漬せしめ(工程A)、次いで、水溶液b(次亜塩素酸ナトリウム以外のナトリウム塩の濃度が0.1〜0.9重量%である水溶液)に浸漬せしめ(工程B)、更にその後に水溶液c1乃至c3の何れか一種に浸漬せしめる(工程C)ことが、特に好ましい。
また、上記した各水溶液への浸漬において、各水溶液の温度や浸漬時間は、処理対象である野菜の種類や、処理する野菜の量等に応じて、適宜に設定されることとなる。例えば、水溶液aへの浸漬においては、水溶液aの温度は5〜30℃程度であることが好ましく、浸漬時間は10分〜6時間程度が好ましい。また、水溶液bへの浸漬においては、水溶液bの温度は5〜30℃程度であることが好ましく、浸漬時間は1分〜3時間程度であることが好ましい。更に、水溶液c1、c2又はc3への浸漬においては、水溶液c1乃至c3の温度は5〜50℃程度が好ましく、浸漬時間は1分〜20分程度が好ましい。
上記した(2)の実施態様においては、カルシウム塩の濃度が0.1〜0.9重量%であり、且つ次亜塩素酸ナトリウム以外のナトリウム塩の濃度が0.1〜0.9重量%である水溶液(以下、水溶液dという。)と、上記した水溶液c1乃至c3のうちの何れか一種とが、準備される。そして、それら準備された各水溶液に対して、処理対象である野菜が浸漬せしめられることとなる。
本実施態様においては、処理対象である野菜を、先ず水溶液dに浸漬せしめ(工程D)、次いで、水溶液c1乃至c3のうちの何れかに浸漬せしめる(工程C)。このような順に従って野菜を処理することにより、処理から長時間が経過しても、収穫時と同程度の色調や硬度が維持されると共に、次亜塩素酸ナトリウム及び/又は二酸化塩素による殺菌効果(野菜表面における雑菌の繁殖抑制効果を含む)をより有利に享受することが可能となる。
また、水溶液d、水溶液c1乃至c3の何れかへの浸漬において、各水溶液の温度や浸漬時間は、処理対象である野菜の種類や、処理する野菜の量等に応じて、適宜に設定されることとなる。例えば、水溶液dへの浸漬においては、水溶液dの温度は5〜30℃程度であることが好ましく、浸漬時間は10分〜10時間程度が好ましい。また、水溶液c1乃至c3の何れかへの浸漬の条件は、上記した実施態様(1)と同様の条件が好ましい。
なお、上記した各実施態様において使用される各水溶液には、上記したカルシウム塩等の他にも、本発明の目的を阻害しない限りにおいて、従来より公知の各種の成分(化合物)を添加することも可能である。
そして、本発明に従って、上述の如き態様にて所定の水溶液に浸漬せしめられた野菜にあっては、処理から長時間が経過しても、収穫時と同程度の色調や硬度が維持されると共に、害虫卵も効果的に除去され、更に、雑菌の繁殖も有利に抑制されることとなるのである。従って、本発明に係る処理方法に従って野菜を処理することにより、生産業者においては、計画的且つ安定的な野菜の出荷が可能となるのであり、収穫時と同程度の色調や硬度が維持された鮮度の良い野菜を、最終消費者に対して有利に提供することが可能ならしめられるのである。
以下に、本発明の実施例を幾つか示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記した具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべきである。
−実施例1−
先ず、濃度が0.5重量%である乳酸カルシウム水溶液(水溶液a’)と、濃度が0.5重量%である塩化ナトリウム水溶液(水溶液b’)と、濃度が200ppmである次亜塩素酸ナトリウム水溶液(水溶液c1’)とを調製した。
処理対象であるオクラを、水溶液a’に6時間、浸漬せしめた。その後、水溶液a’中よりオクラを取り出し、次いで、水溶液b’に7分間、浸漬せしめた。その後、水溶液b’中よりオクラを取り出し、更に水溶液c1’に7分間、浸漬せしめた。
−実施例2−
先ず、乳酸カルシウムの濃度が0.5重量%であり、且つ塩化ナトリウムの濃度が0.5重量%である水溶液(水溶液d’)と、濃度が200ppmである次亜塩素酸ナトリウム水溶液(水溶液c1’)とを調製した。
処理対象であるオクラを、水溶液d’に6時間、浸漬せしめた。かかる浸漬の後、水溶液d’中よりオクラを取り出し、次いで、水溶液c1’に7分間、浸漬せしめた。
比較例a
先ず、濃度が0.5重量%である乳酸カルシウム水溶液(水溶液a’)と、塩化ナトリウムの濃度が0.5重量%であり、且つ次亜塩素酸ナトリウムの濃度が200ppmである水溶液(水溶液e1’)とを調製した。
処理対象であるオクラを、水溶液a’に6時間、浸漬せしめた。かかる浸漬の後、水溶液a’中よりオクラを取り出し、次いで、水溶液e1’に7分間、浸漬せしめた。
比較例b
先ず、乳酸カルシウムの濃度が0.5重量%であり、且つ次亜塩素酸ナトリウムの濃度が200ppmである水溶液(水溶液f1’)と、塩化ナトリウムの濃度が0.5重量%である水溶液(水溶液b’)とを調製した。
処理対象であるオクラを、水溶液b’に7分間、浸漬せしめた。かかる浸漬の後、水溶液b’中よりオクラを取り出し、次いで、水溶液f1’に6時間、浸漬せしめた。
比較例c
乳酸カルシウムの濃度が0.5重量%であり、塩化ナトリウムの濃度が0.5重量%であり、且つ次亜塩素酸ナトリウムの濃度が200ppmである水溶液を調製した。そして、かかる水溶液に、処理対象であるオクラを6時間、浸漬せしめた。
−実施例
濃度が200ppmである次亜塩素酸ナトリウム水溶液に代えて、濃度が0.6ppmである二酸化塩素水溶液を用いた以外は実施例1と同様の条件に従って、オクラを各水溶液に浸漬せしめた。
−比較例1−
オクラを、濃度が200ppmである次亜塩素酸ナトリウム水溶液に7分間、浸漬せしめた。
−比較例2−
オクラを、濃度が50ppmである次亜塩素酸ナトリウム水溶液に5分間、浸漬せしめた。
−比較例3−
先ず、濃度が0.5重量%である乳酸カルシウム水溶液と、濃度が0.5重量%である塩化ナトリウム水溶液とを調製した。処理対象であるオクラを、先ず、乳酸カルシウム水溶液に6時間、浸漬せしめ、その後、水溶液中よりオクラを取り出し、次いで、塩化ナトリウム水溶液に7分間、浸漬せしめた。
−比較例4−
先ず、濃度が0.5重量%である塩化ナトリウム水溶液と、濃度が200ppmである次亜塩素酸ナトリウム水溶液とを調製した。処理対象であるオクラを、先ず、塩化ナトリウム水溶液に7分間、浸漬せしめ、その後、水溶液中よりオクラを取り出し、次いで、次亜塩素酸ナトリウム水溶液に7分間、浸漬せしめた。
上記処理を施した実施例1〜実施例3、比較例a〜比較例c、比較例1〜比較例4に係る各試料(オクラ)を、21日間、冷蔵保管(5℃)した。冷蔵状態にて1日間保管した試料、及び21日間保管した試料について、10人のパネラーによるパネル試験(硬さ及び色調の評価、切り口の観察)を実施した。また、実施例2、比較例1及び比較例2に係る各試料(オクラ)については、赤外線水分計(株式会社ケット科学研究所製、商品名:FD−600)を用いて、各試料の水分量を測定した。それら試験結果を、下記表1及び表2に示す。また、パネル試験の結果より、各処理について、色調及び硬度を維持した状態での野菜の長期保存が可能であるか否かを、以下の基準に従って評価した。その評価結果についても、下記表1及び表2に併せて示す。
◎:処理後の野菜の商品価値が極めて高く、非常に優れた野菜の処理方法である。
○:処理後の野菜の商品価値が高く、優れた野菜の処理方法である。
×:処理後の野菜の商品価値が低く、優れた野菜の処理方法とは言い難い。
Figure 0005903459
Figure 0005903459
かかる表1及び表2の結果からも明らかなように、本発明に係る処理方法に従って処理された試料(オクラ)にあっては、処理から21日間が経過した後であっても、十分な硬さを有すると共に、色調に変化がないことが認められ、商品価値が高いものであることが認められた。これに対して、比較例1〜比較例4に係る各試料(オクラ)にあっては、処理から21日間が経過すると、全体的に軟らかくなり、また、全体が黒ずみ、商品価値が低下することが認められた。
また、実施例2においては、乳酸カルシウムの濃度が0.5重量%であり、且つ塩化ナトリウムの濃度が0.5重量%である水溶液(水溶液d’)に浸漬せしめる前のオクラ、及び、濃度が200ppmである次亜塩素酸ナトリウム水溶液(水溶液c1’)に浸漬後のオクラについて、分光測色計(コニカミノルタ株式会社製、商品名:CM−5)にて測定することにより、処理後のオクラにおける色調の変化を確認した。更に、比較例1及び比較例2においても、各次亜塩素酸ナトリウム水溶液に浸漬する前のオクラ、及び浸漬後のオクラについて、実施例1と同様に分光測色計にて測定することにより、色調の変化を確認した。それらの結果を、下記表3に示す。なお、下記表3において、「a*」の数値が高い(大きい)ことは、試料であるオクラが赤色を呈していることを、一方、数値が低い(小さい)ことはオクラが緑色を呈していることを、示している。また、下記表3における「da*」は、処理後の試料の測定値より処理前の試料の測定値を減じて得られる数値であり、この数値がプラスであると、処理後の試料の方が赤色が強いことを、マイナスであると、処理後の試料の方が緑色が強いことを、それぞれ意味するものである。
Figure 0005903459
かかる表3に結果から明らかなように、本発明に従う処理方法が施されたオクラにあっては、処理後においても鮮やかな緑色が保持されることが認められた。
−実施例
実施例2と同様に、乳酸カルシウムの濃度が0.5重量%であり、且つ塩化ナトリウムの濃度が0.5重量%である水溶液(水溶液d’)と、濃度が200ppmである次亜塩素酸ナトリウム水溶液(水溶液c1’)とを調製した。そして、処理対象であるブロッコリーを、先ず、水溶液d’に3時間、浸漬せしめた。かかる浸漬の後、水溶液d’中よりブロッコリーを取り出し、次いで、水溶液c1’に7分間、浸漬せしめた。
そのような処理が施されたブロッコリー(処理品)と、比較対象としての未処理のブロッコリー(未処理品)を、冷蔵保管(5℃)した。本実施例に係る処理品にあっては、処理から14日が経過したものであっても、硬さが維持され、色調も鮮やかな緑色を維持しており、切り口もほぼ白色で変化していないことが認められた。一方、未処理品にあっては、冷蔵保管開始より2日経過すると、全体の硬度が低下し始める(軟らかくなり始める)と共に、切り口の変色が認められるようになり、冷蔵保管開始から7日間が経過すると、ほとんど硬さが認められなくなり、切り口が茶色になることが確認された。
−実施例
実施例2と同様に、乳酸カルシウムの濃度が0.5重量%であり、且つ塩化ナトリウムの濃度が0.5重量%である水溶液(水溶液d’)と、濃度が200ppmである次亜塩素酸ナトリウム水溶液(水溶液c1’)とを調製した。そして、処理対象であるアスパラガスを、先ず、水溶液d’に2時間、浸漬せしめた。かかる浸漬の後、水溶液d’中よりアスパラガスを取り出し、次いで、水溶液c1’に7分間、浸漬せしめた。
そのような処理が施されたアスパラガス(処理品)と、比較対象としての未処理のアスパラガス(未処理品)を、冷蔵保管(5℃)した。本実施例に係る処理品にあっては、処理から14日が経過したものであっても、硬さが維持され、色調も鮮やかな緑色を維持しており、切り口もほぼ白色で変化していないことが認められた。一方、未処理品にあっては、冷蔵保管開始より1日経過すると、乾燥が認められると共に軟らかくなり始め、また、切り口に「しおれ」が認められるようになった。更に、未処理品においては、冷蔵保管開始から5日間が経過すると、全体が軟らかくなると共に著しい乾燥が認められ、「しおれ」によって切り口の径が約1/3程度にまで減少し、更に、重量も約40%減少していることが、認められたのである。

Claims (4)

  1. 処理対象である野菜を、
    濃度が0.1〜0.9重量%であるカルシウム塩水溶液に浸漬せしめる工程Aと、
    次亜塩素酸ナトリウム以外のナトリウム塩の濃度が0.1〜0.9重量%である水溶液に浸漬せしめる工程Bと、
    下記水溶液c1乃至c3のうちの何れか一種に浸漬せしめる工程Cとを有し
    前記工程Aの実施後に前記工程Bが実施され、更に前記工程Cが実施されることを特徴とする野菜の処理方法。
    水溶液c1:濃度が10〜300ppmである次亜塩素酸ナトリウム水溶液。
    水溶液c2:濃度が0.1〜0.6ppmである二酸化塩素水溶液。
    水溶液c3:次亜塩素酸ナトリウムの濃度が10〜300ppmであり、且つ二酸化 塩素の濃度が0.1〜0.6ppmである水溶液。
  2. 処理対象である野菜を、
    濃度が0.1〜0.9重量%であるカルシウム塩水溶液に浸漬せしめる工程Aと、
    次亜塩素酸ナトリウム以外のナトリウム塩の濃度が0.1〜0.9重量%である水溶液に浸漬せしめる工程Bと、
    下記水溶液c1乃至c3のうちの何れか一種に浸漬せしめる工程Cとを有し
    前記工程Bの実施後に前記工程Aが実施され、更に前記工程Cが実施されることを特徴とする野菜の処理方法。
    水溶液c1:濃度が10〜300ppmである次亜塩素酸ナトリウム水溶液。
    水溶液c2:濃度が0.1〜0.6ppmである二酸化塩素水溶液。
    水溶液c3:次亜塩素酸ナトリウムの濃度が10〜300ppmであり、且つ二酸化 塩素の濃度が0.1〜0.6ppmである水溶液。
  3. 処理対象である野菜を、
    カルシウム塩の濃度が0.1〜0.9重量%であり、且つ次亜塩素酸ナトリウム以外のナトリウム塩の濃度が0.1〜0.9重量%である水溶液に浸漬せしめる工程Dと、
    下記水溶液c1乃至c3のうちの何れか一種に浸漬せしめる工程Cとを有し
    前記工程Dが実施された後に、前記工程Cが実施されることを特徴とする野菜の処理方法。
    水溶液c1:濃度が10〜300ppmである次亜塩素酸ナトリウム水溶液。
    水溶液c2:濃度が0.1〜0.6ppmである二酸化塩素水溶液。
    水溶液c3:次亜塩素酸ナトリウムの濃度が10〜300ppmであり、且つ二酸化 塩素の濃度が0.1〜0.6ppmである水溶液。
  4. 前記野菜が、ダイコン、カブ、ニンジン、ゴボウ、かんしょ、馬鈴しょ、サトイモ、アスパラガス、カリフラワー、ブロッコリー、ピーマン、さやいんげん、ソラマメ又はオクラである請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の野菜の処理方法。
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