JP2004283160A - 生鮮野菜用除菌剤及びその除菌方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】生鮮野菜の表面に存在する細菌類を簡易、安全かつ充分に除菌することのできる生鮮野菜の除菌剤及びその製造方法を提供する。
【解決手段】温度40〜59℃で接触処理するために用いられる、カルシウム化合物及び水を含有し、又は生鮮野菜をカルシウム化合物を含有する水溶液と40〜59℃で10秒〜30分間、接触処理する。
【選択図】 なし
【解決手段】温度40〜59℃で接触処理するために用いられる、カルシウム化合物及び水を含有し、又は生鮮野菜をカルシウム化合物を含有する水溶液と40〜59℃で10秒〜30分間、接触処理する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生鮮野菜の表面に存在する酵母、カビ、細菌などの微生物(以下「細菌類」という)を除去することができる、生鮮野菜用除菌剤及びその除菌方法に関する。
より具体的には、本発明は、生鮮野菜の表面に存在する細菌類を、生鮮野菜本来の味、食感、外観(色、形状等)の劣化させることなく、安全かつ充分に除菌することができる生鮮野菜用除菌剤及びその除菌方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近の社会生活及び食生活の変化により、単一種又は複数種の野菜を刻んで袋詰めにしたカット野菜及びそれらをサラダとしてプラスチック容器に詰めた商品が、スーパーマーケット、コンビニエンスストアー等で販売されるようになった。また、レストラン等では、調理の手間を省くためにカット野菜を購入し、それらをサラダとして提供するなど、カット野菜の需要が増加してきた。特にレストラン等では、野菜の傷んでいるところを除去したり、皮をむいたり、きざんだりする等の、調理の手間が省けると同時に、必要な時に必要な量だけ簡易に入手することができ、野菜屑等の生ゴミの量を減少させ、すばやく客に提供することができるという長所を有する、カット野菜の需要が著しい。
【0003】
しかしながら、収穫後、未洗浄の野菜の表面には、一般に106個/g程度の生菌数が存在し、家庭で行われる普通の洗浄ではこれを105個/g程度にまでしか除去することはできない。このため、生鮮野菜をカット野菜へ加工する場合、残存する細菌類により野菜のカット面及びそれらの内部が汚染されてしまう。このような細菌類による汚染を防止するため、加工前の生鮮野菜の表面に生存する細菌類を充分に除去することは重要な課題であった。
【0004】
さらに、カット野菜を作製する場合、野菜が洗浄、選別、切断、整形などの工程において機械的損傷を受けるため、野菜のしおれ、褐変等の野菜の鮮度が著しく低下してしまうという問題があった。そのため、カット野菜の生産において、生鮮野菜の鮮度の保持、品質劣化防止が重要な課題であった。
【0005】
上記の課題を解決するため、これまでに次亜塩素酸ナトリウム溶液のような食用殺菌剤を用いて野菜を殺菌・洗浄処理する方法が提案されている。しかし、次亜塩素酸ナトリウム溶液による殺菌・洗浄方法では、細菌類を効果的に減少させることができないという問題があった。また、次亜塩素酸ナトリウムには強い生体毒性があり、かつ独特の次亜塩素臭を有するため、前記方法では、必ず水洗処理を行って次亜塩素酸ナトリウムを完全に除去しなければならないが、水洗処理を行っても、野菜にはなお次亜塩素臭が残り、味、臭い等に悪影響を与えるという問題があった。さらに、次亜塩素酸ナトリウムの濃度を上昇させると、生鮮野菜が損傷し、経時的に細菌類の増殖が早まるという現象も起こる。
【0006】
その他、オゾン水による殺菌方法や次亜塩素酸ナトリウム水溶液とオゾン水との併用による殺菌方法も試みられているが、いずれの方法も細菌数を103〜104個/gまで減らす程度に止まり、有効な殺菌効果が得られるまでに至っていない。
【0007】
一方、多量の薬品又は洗剤などを使用しないで、生鮮野菜の表面に生存する細菌類を除菌し、鮮度を保持する方法も知られている(例えば、特開2001−120169号公報)。しかし、この方法では、生鮮野菜を加温処理する工程のほかに、冷却する工程やブラッシングする工程を必要とするため、冷却処理又はブラッシング処理を行う分だけ手間がかかり、場合によってはブラッシングにより生鮮野菜を傷つけてしまうという問題があった。
【0008】
他方、焼成カルシウム製剤を含有する高温の溶液で野菜を処理する方法も知られている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この方法では、通常の熱水による加熱殺菌と同様、60℃以上の熱水を使用する必要があるため、熱水により生鮮野菜が損傷し、経時的に細菌類の増殖が早まるという問題があった。また、この方法では、加熱殺菌を補助するため、少なくとも0.1%の焼成カルシウム製剤を添加する必要があり、0.1%未満ではカルシウム製剤による効果が得られないという問題もあった。
【0009】
このように従来の方法では、生鮮野菜の細菌類の除去が不十分であり、残留する細菌類がカット処理を行う際にカット野菜に混入してしまうという問題、必ずしも簡易な方法ではなく、除菌力が低いため、生鮮野菜の長期保存方法としては不十分であるという問題、さらには高温で処理すると生鮮野菜が損傷して経時的に殺菌類の増殖が早まるという問題があった。
したがって、予てからこのような細菌類の生鮮野菜への混入を防止し、需要者に清浄な製品を提供するために、加工前に生鮮野菜の表面から細菌類を簡易かつ十分に除去し、かつ生鮮野菜の長期保存が可能な除菌方法及び除菌剤の開発が望まれていた。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−29007号公報(請求項1、課題を解決するための手段)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、生鮮野菜の表面に存在する細菌類を簡易、安全かつ充分に除菌でき、かつ生鮮野菜の長期保存が可能な生鮮野菜の除菌方法及び除菌剤を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、野菜の品質低下がなく、かつ細菌類による生鮮野菜の汚染を充分防止でき、さらに生鮮野菜の長期保存が可能な、簡易な除菌剤及びその除菌方法を開発すべく鋭意検討した。その結果、所定の条件下で、カルシウム化合物を含有する溶液で処理すると優れた除菌効果と長期保存効果が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
すなわち、本発明の目的は、生鮮野菜をカルシウム化合物を含有する水溶液と40〜59℃の温度で10秒〜30分間、接触処理することを特徴とする生鮮野菜の除菌方法により達成される。
【0014】
本発明の方法は、生鮮野菜をカルシウム化合物を含有する水溶液と所定の温度(40〜59℃)で所定の時間(10秒〜30分間)、接触処理する。これにより本発明の方法であれば、人体に対する影響が少なく、かつ次亜塩素酸ナトリウム水溶液やオゾン水を用いた場合と同等以上の除菌効果を簡単な方法で得ることができる。さらに本発明の方法であれば、生鮮野菜及びカット野菜の鮮度を保持し、長期間細菌類の増殖を防止することができると共に、野菜の本来の味、食感、外観(色、形状)の劣化を長期間防ぐこともできる。
【0015】
さらに本発明の目的は、以下の好ましい態様によっても達成される。
(1)前記カルシウム化合物として、貝殻、卵殻、骨粉等の焼成カルシウム、未焼成カルシウム、生石灰、及び消石灰から選ばれる少なくとも一種を用いる前記除菌方法。
(2)前記水溶液におけるカルシウム化合物の濃度が0.001〜0.1質量%である前記除菌方法。
(3)前記接触処理を生鮮野菜を前記水溶液中に浸漬することにより行う前記除菌方法。
(4)前記接触処理の前及び/又は後に前記生鮮野菜を洗浄する洗浄工程を含む前記除菌方法。
【0016】
本発明の方法では、カルシウム化合物は、例えば、貝殻、卵殻、骨粉などの焼成・未焼成カルシウム等を使用できる。このため、本発明の方法であれば、天然物に由来するカルシウム化合物を用いた、人体に影響の少ない除菌方法を提供できる。さらに、本発明の方法は、除菌後の生鮮野菜の鮮度を維持し、長期保存が可能であるため、生鮮野菜を長期保存する方法としても最適である。さらに本発明の方法では、除菌処理工程の前、後及び前後の両方で洗浄工程を併用でき、この工程を組み合わせれば、除菌効果をさらに増すことができる。さらに、本発明の方法で処理した生鮮野菜は、従来の方法で処理した場合と比べて甘味及び食感が増すという効果も得られる。
【0017】
本発明のもう一つの目的は、40〜59℃の温度で生鮮野菜を接触処理するために用いられる、カルシウム化合物及び水を含有する生鮮野菜用除菌剤を提供することにある。
【0018】
本発明の除菌剤で用いられるカルシウム化合物は、貝殻、卵殻、骨粉等の焼成カルシウム、未焼成カルシウム、生石灰、及び消石灰から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。さらに、本発明の除菌剤は、水溶液における前記カルシウム化合物の濃度が0.001〜0.1質量%であることが好ましい。
【0019】
本発明の除菌剤は、生鮮野菜の除菌に用いた場合、優れた除菌効果を有し、接触処理後の生鮮野菜の鮮度を維持し、長期保存することができる。
【0020】
【発明の実施の態様】
以下に本発明の除菌方法及び除菌剤についてさらに詳細に説明する。
なお、本明細書において、「〜」はその前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を意味する。
【0021】
[本発明の除菌方法]
本発明の方法は、生食可能な生鮮野菜のすべてに適用できる。生鮮野菜としては、例えば、キャベツ、レタス、トマト、ピーマン、大根、ニンジン、ゴボウ、キュウリ、タマネギ、セロリ、ホウレンソウ、小松菜、モロヘイヤ、パセリ、クレソンなどを挙げることができる。
本発明の方法は、生食可能な生鮮野菜をカットして製造されるカット野菜のための前処理として有効である。
【0022】
本発明で用いられるカルシウム化合物は、カルシウムを含有し、生鮮野菜に損傷を全く与えないか、あるいは与える損傷が極めて少ないものであれば特に限定されない。そのようなカルシウム化合物としては、例えば、貝殻、卵殻、骨粉などの焼成カルシウム・未焼成カルシウム、食品に使用される水酸化カルシウム、酸化カルシウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウムなどが挙げられる。その他、フッ化カルシウム、臭化カルシウムなどを用いることができる。中でも原料が天然物に由来し、人体に影響の少ない貝殻、卵殻、骨粉などの焼成カルシウム・未焼成カルシウム、通常食品加工に使用される酸化カルシウム(生石灰)、水酸化カルシウム(消石灰)、リン酸カルシウムから選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
【0023】
本発明で用いられるカルシウム化合物を含有する水溶液は、主として水中に上記カルシウム化合物を溶解又は分散させて調製することができる。また、該溶液は、使用時の濃度よりも高濃度で上記カルシウム化合物を水中に溶解又は分散させた後、沸騰させ、使用時に水で希釈して所定の濃度のカルシウム化合物を含有する水溶液とすることもできる。
【0024】
上記カルシウム化合物を含有する水溶液の濃度は、生鮮野菜の味等に変化を生じさせない程度の濃度であることが適当である。好ましくは水の質量に対し0.001〜0.1質量%であり、より好ましくは0.01〜0.09質量%であり、さらに好ましくは0.02〜0.08質量%である。
【0025】
カルシウム化合物を含有する水溶液のpH値は、使用するカルシウム化合物の濃度を調整することによりpH6〜13の範囲とすることができる。例えば、前記水溶液のpH値をカルシウム化合物の濃度を適宜調整することにより、pH9〜12.5の範囲やpH10〜12.5の範囲に調整することも可能である。
【0026】
カルシウム化合物を含有する水溶液は、上記カルシウム化合物のほか、必要に応じて通常の生鮮野菜の洗浄又は殺菌に使用される化合物や褐度防止又は鮮度を保持するために用いられる化合物を併用できる。そのような化合物としては、例えば、次亜塩素酸ナトリウム、二酸化塩素、アルコールなどの洗浄・殺菌剤、塩化ナトリウム、酸類、糖類などの鮮度保持剤などが挙げられる。前記洗浄・殺菌剤や鮮度保持剤等を併用する場合、その添加量は、併用した場合に弊害がなく、かつ洗浄・殺菌剤、鮮度保持剤等の許容量を超えない範囲の量である。
【0027】
カルシウム化合物を含有する水溶液と、生鮮野菜との接触処理は、カルシウム化合物が生鮮野菜に対して作用し得る方法であれば特に制限はない。例えば、前記接触処理は、浸漬、シャワー又はこれらを併用して行うことができ、好ましくはカルシウムを含有する水溶液に生鮮野菜を充分接触することのできる浸漬方法である。
【0028】
接触する温度と時間は、生鮮野菜のいずれの部位においても熱的損傷を生じさせない程度の温度及び時間であり、かつ生鮮野菜の表面に存在する細菌類を充分除菌できる程度の温度及び時間であることが好ましい。その温度と時間の具体的条件は、生鮮野菜の種類に応じて適宜決定することができる。例えば、温度条件として、40〜59℃、好ましくは40〜55℃、さらに好ましくは40〜50℃で、10秒〜30分間、好ましくは10秒〜15分間、さらに好ましくは15秒〜7分間である。
【0029】
本発明の方法は、さらに前記接触処理の前工程又は後工程、あるいは前記処理の前後工程の両方において、生鮮野菜を洗浄する工程を含むことができる。生鮮野菜を除菌処理前に予め洗浄しておけば、生鮮野菜の表面に付着した汚れや細菌類をある程度洗い流すことができ、除菌効果を向上させることができるため好ましい。
洗浄工程で用いられる洗浄液としては、通常の水道水、電解酸性水、電解アルカリ水などを挙げることができる。電解酸性水は、例えば、水を電気分解することにより得られるpH値2〜6の溶液である。一方、電解アルカリ水は、例えば、水を電気分解することにより得られるpH値8〜13の溶液である。
【0030】
前記接触処理を浸漬で行う場合、浸漬液中には生鮮野菜の表面に付着していた細菌類、汚れなどが浸漬液中に混入される。また、前記接触を洗浄工程と併用して行う場合には、カルシウム化合物を含有する水溶液中のカルシウム化合物の濃度が次第に変化する場合がある。このような状態で接触処理を継続すると生鮮野菜の除菌効果が低下したり、作業効率が低下したりする。
したがって、本発明の方法では、新鮮なカルシウム化合物を含有する水溶液を適宜補充するか、予め高い濃度のカルシウム化合物を含有する溶液を入れておくか、あるいはフィルターを通して該水溶液を循環させて使用することにより、清浄な条件を保つことができる。
【0031】
以上説明したように、カルシウム化合物を含有する水溶液への接触方法、接触液、処理温度、処理時間の条件は、洗浄する生鮮野菜の種類、鮮度、表面硬度、汚れの程度、汚れの種類、処理の目的などの条件を考慮して、実施に即して個別に決定することができる。
【0032】
本発明の方法で処理された生鮮野菜は、従来の除菌方法と同等以上で生鮮野菜の表面に存在する細菌類を除菌できるため、カット処理の際にカット野菜に細菌類が混入するのを防止できる。さらに、本発明の方法で処理した生鮮野菜は、長期間に亘り鮮度が保持される。その上、本発明の方法で処理すると、生鮮野菜の旨み等を増すことができる。したがって、本発明の方法で除菌処理を施した生鮮野菜から得られるカット野菜を市場に流通させる場合にも、細菌類が極端に少なく、長期間鮮度が保持され、旨み等を増すことができるため、好都合である。
【0033】
[本発明の除菌剤]
本発明の除菌剤は、40〜59℃の温度で生鮮野菜を接触処理するのに用いるため、カルシウム化合物及び水を含有する。
本発明の除菌剤で用いられるカルシウム化合物としては、本発明の除菌方法で使用可能なカルシウム化合物を挙げることができる。中でも貝殻、卵殻、骨粉の焼成カルシウム及び未焼成カルシウム、生石灰、並びに消石灰から選ばれる少なくとも一種を用いることが好ましい。
【0034】
本発明の除菌剤で用いられる水は、特に限定されるものではなく、通常の水道水、精製水、イオン交換水等の各種の水を用いることができる。
【0035】
本発明の除菌剤のカルシウム化合物の濃度は、本発明の除菌方法と同様、使用時に生鮮野菜の味等に変化を生じさせない程度の濃度であることが好ましく、水の質量に対して0.001〜0.1質量%であることが好ましく、0.01〜0.09質量%であることがより好ましく、0.02〜0.08質量%であることがさらに好ましい。また、本発明の除菌剤のpH値は、使用するカルシウム化合物の濃度に応じてpH6〜13の範囲(例えば、pH9〜12.5、pH10〜12.5など)に調整することができる。
【0036】
さらに、本発明の除菌剤は、使用前のカルシウム化合物の濃度を、上記使用時の濃度よりも高くすることもでき、例えば、高い濃度の除菌剤を使用時に水で希釈して上記の所定の濃度にして用いることもできる。
【0037】
本発明の除菌剤は、上記カルシウム化合物のほか、必要に応じて他の洗浄剤又は殺菌剤、褐度防止剤又は鮮度保持剤を含有することができる。例えば、次亜塩素酸ナトリウム、二酸化塩素、アルコールなどの洗浄・殺菌剤、塩化ナトリウム、酸類、糖類などの鮮度保持剤などを、弊害がなく、かつ洗浄・殺菌剤、鮮度保持剤等の許容量を超えない範囲で含有することができる。その他、分散性を向上させる目的で、各種の分散剤を含有させることもできる。
【0038】
本発明の除菌剤の使用温度は、接触処理される生鮮野菜の種類に応じて40〜59℃の範囲の温度で適宜決定することができる。例えば、使用温度は、40〜59℃の温度が適当であり、40〜55℃の温度が好ましく、40〜50℃の温度がさらに好ましい。
なお、本発明の除菌剤は、使用前の温度は特に限定されるものではなく、例えば常温(10〜35℃)であってもよい。
【0039】
本発明の除菌剤は、生鮮野菜を本発明の除菌剤の中に浸漬させ、又はシャワーにより、あるいはこれらを併用させて使用することができる。浸漬する場合、例えば、40〜59℃、好ましくは40〜55℃、さらに好ましくは40〜50℃の温度で、10秒〜30分間、好ましくは10秒〜15分間、さらに好ましくは15秒〜7分間浸漬することができる。
【0040】
本発明の除菌剤は、生鮮野菜の接触処理のために用いられる。本発明の除菌剤で接触処理される生鮮野菜の具体例は、本発明の除菌方法で例示したものを挙げることができる。
【0041】
本発明は、レストラン、学校調理室、社員食堂などで用いられ、若しくはスーパーやコンビニエンスストアー又はデパート等の生鮮食料品売場で販売される、生鮮野菜用の除菌剤又は除菌方法として利用することができる。本発明は、特にカット野菜の製造に使用する生鮮野菜用の除菌剤又は除菌方法として好適に利用することができる。
【0042】
【実施例】
以下に本発明の実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、以下の実施例に示される材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
【0043】
(実施例1〜4) キャベツの細菌検査による評価及び除菌作用
本実施例は、本発明により、キャベツの表面の細菌類を充分に除菌でき、かつ除菌後のキャベツの鮮度を保持する作用を有することを明らかにするために行われた。
【0044】
洗浄していないキャベツを50〜58℃の各温度で0.02質量%の貝カルシウム水溶液中に3分間浸漬して除菌した。得られたキャベツは、その葉を8mm角にカットした後、トレーに入れて5℃に設定された冷蔵庫中で保存した。除菌処理後0日目、4日目、7日目及び10日目にそれぞれサンプリングをして、サンプル単位質量当たりの一般生菌数及び大腸菌について検査を行った。本実施例では同時に、キャベツの鮮度を色、食感、全体の外観について官能試験を行って評価した。結果を表1に示す。
【0045】
(比較例1)
実施例1の貝カルシウム水溶液の替わりに常温水(20℃の水道水)を用いたことを除き、実施例1と同様の方法により試験した。結果を表1に示す。
【0046】
(比較例2)
実施例1の貝カルシウム水溶液の替わりに200ppmの次亜塩素酸水溶液(20℃)を用いたことを除き、実施例1と同様の方法により試験した。結果を表1に示す。
【0047】
(比較例3及び4)
実施例1の温度を20℃及び35℃に変更した以外は実施例1と同様の方法により試験した。結果を表1に示す。
【0048】
(比較例5)
実施例1の温度を60℃に変更した以外は、実施例1と同様の方法により試験した。結果を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
表1より生存している一般生細菌の生菌数に関しては、本発明の方法で処理したものは、除菌直後(0日間)から10日後のすべての温度において、いずれも常温水(比較例1)、次亜塩素酸水溶液(比較例2)及び40℃未満の場合(比較例3及び4)よりも生存する生菌数が大幅に減少したことが分かる。大腸菌についても、同様であった。また、処理温度が60℃の場合(比較例5)、処理後(0日)は良好な結果が得られたが、4日目以降になると、一般生細菌及び大腸菌群数が増加する傾向にあった。
以上のことから、本発明の方法は、一般生細菌及び大腸菌群のいずれの菌に対しても常温水、次亜塩素酸水溶液及び高温水(60℃)で処理した場合よりも優れた除菌効果及び保存安定性を示すことが分かる。
【0051】
また、除菌処理10日後における褐変の有無について比較すると、比較例1〜5のキャベツでは表面に褐変が生じたのに対して、本発明の実施例1〜4では色の変化は生じていなかった。これより本発明の実施例は、比較例よりも良好な長期保存安定性を示すことが分かる。
【0052】
(実施例5) 貝カルシウム溶液と水洗いを組み合わせた場合の野菜の除菌試験本実施例は、本発明の除菌方法に洗浄処理を組み合わせた場合も優れた野菜の除菌効果及び保存安定性を奏することを明らかにしたものである。
【0053】
キャベツを50℃で0.02質量%の貝カルシウム水溶液中に5分間浸漬し、その後、30秒間水洗いを行った。除菌処理後サンプリングをして、サンプル単位質量当たりの一般生菌数及び大腸菌群について検査を行った。結果を表2に示す。
【0054】
(比較例6)
実施例5の貝カルシウム水溶液の替わりに50℃の200ppm次亜塩素酸ナトリウム水溶液を用いたことを除き、実施例5と同様の方法により試験を行った。得られた結果を表2に示す。
【0055】
【表2】
【0056】
表2より本発明の除菌方法に洗浄処理を併用した場合、次亜塩素酸ナトリウム水溶液で処理した場合(比較例6)よりも優れた除菌効果と長期保存安定性が得られることが分かる。
【0057】
(実施例6)貝カルシウム溶液とシャワー洗浄とを組み合わせた場合の野菜の除菌試験
本実施例は、従来の除菌・鮮度保持方法(特開2001−120169号公報)と比較した場合に、本発明が優れた除菌効果を奏することを明らかにするために行われたものである。
【0058】
キャベツを常温水で20秒間シャワー洗浄を行い、次いで45℃の温水で20秒間シャワー洗浄を行った後、50℃の0.02質量%の貝カルシウム水溶液中に2分間浸漬した。除菌処理後、冷却せずに、そのままサンプリングをして、サンプル単位質量当たりの一般生菌数及び大腸菌について検査を行った。結果を表4に示す。
【0059】
(比較例7)
実施例6の貝カルシウム水溶液の替わりに、50℃の200ppm次亜塩素酸ナトリウム水溶液を用いたことを除き、実施例6と同様の方法により試験した。結果を表3に示す。
【0060】
【表3】
【0061】
表3より本発明は、カルシウム化合物を含有する水溶液を用いて処理すれば、処理後に冷却しなくても従来の方法(特開2001−120169号公報)よりも優れた除菌効果及び長期保存安定性を示すことが分かる。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明の除菌剤及びその除菌方法は、生鮮野菜をカルシウム化合物を含有する溶液と40〜59℃で10秒〜30分間、接触処理するだけで、生鮮野菜の表面に存在する細菌類を簡易に、安全かつ充分に除菌することができる。また、本発明の除菌剤及び除菌方法を使用することにより、生鮮野菜及びカット野菜の鮮度を保持し、野菜の本来の味、食感、外観(色、形状)の劣化を長期間防ぐこともできる。さらに、本発明の除菌剤及び除菌方法を使用することにより、除菌処理した生鮮野菜が他の処理方法で得られたものよりも良好な食感を持続できる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、生鮮野菜の表面に存在する酵母、カビ、細菌などの微生物(以下「細菌類」という)を除去することができる、生鮮野菜用除菌剤及びその除菌方法に関する。
より具体的には、本発明は、生鮮野菜の表面に存在する細菌類を、生鮮野菜本来の味、食感、外観(色、形状等)の劣化させることなく、安全かつ充分に除菌することができる生鮮野菜用除菌剤及びその除菌方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近の社会生活及び食生活の変化により、単一種又は複数種の野菜を刻んで袋詰めにしたカット野菜及びそれらをサラダとしてプラスチック容器に詰めた商品が、スーパーマーケット、コンビニエンスストアー等で販売されるようになった。また、レストラン等では、調理の手間を省くためにカット野菜を購入し、それらをサラダとして提供するなど、カット野菜の需要が増加してきた。特にレストラン等では、野菜の傷んでいるところを除去したり、皮をむいたり、きざんだりする等の、調理の手間が省けると同時に、必要な時に必要な量だけ簡易に入手することができ、野菜屑等の生ゴミの量を減少させ、すばやく客に提供することができるという長所を有する、カット野菜の需要が著しい。
【0003】
しかしながら、収穫後、未洗浄の野菜の表面には、一般に106個/g程度の生菌数が存在し、家庭で行われる普通の洗浄ではこれを105個/g程度にまでしか除去することはできない。このため、生鮮野菜をカット野菜へ加工する場合、残存する細菌類により野菜のカット面及びそれらの内部が汚染されてしまう。このような細菌類による汚染を防止するため、加工前の生鮮野菜の表面に生存する細菌類を充分に除去することは重要な課題であった。
【0004】
さらに、カット野菜を作製する場合、野菜が洗浄、選別、切断、整形などの工程において機械的損傷を受けるため、野菜のしおれ、褐変等の野菜の鮮度が著しく低下してしまうという問題があった。そのため、カット野菜の生産において、生鮮野菜の鮮度の保持、品質劣化防止が重要な課題であった。
【0005】
上記の課題を解決するため、これまでに次亜塩素酸ナトリウム溶液のような食用殺菌剤を用いて野菜を殺菌・洗浄処理する方法が提案されている。しかし、次亜塩素酸ナトリウム溶液による殺菌・洗浄方法では、細菌類を効果的に減少させることができないという問題があった。また、次亜塩素酸ナトリウムには強い生体毒性があり、かつ独特の次亜塩素臭を有するため、前記方法では、必ず水洗処理を行って次亜塩素酸ナトリウムを完全に除去しなければならないが、水洗処理を行っても、野菜にはなお次亜塩素臭が残り、味、臭い等に悪影響を与えるという問題があった。さらに、次亜塩素酸ナトリウムの濃度を上昇させると、生鮮野菜が損傷し、経時的に細菌類の増殖が早まるという現象も起こる。
【0006】
その他、オゾン水による殺菌方法や次亜塩素酸ナトリウム水溶液とオゾン水との併用による殺菌方法も試みられているが、いずれの方法も細菌数を103〜104個/gまで減らす程度に止まり、有効な殺菌効果が得られるまでに至っていない。
【0007】
一方、多量の薬品又は洗剤などを使用しないで、生鮮野菜の表面に生存する細菌類を除菌し、鮮度を保持する方法も知られている(例えば、特開2001−120169号公報)。しかし、この方法では、生鮮野菜を加温処理する工程のほかに、冷却する工程やブラッシングする工程を必要とするため、冷却処理又はブラッシング処理を行う分だけ手間がかかり、場合によってはブラッシングにより生鮮野菜を傷つけてしまうという問題があった。
【0008】
他方、焼成カルシウム製剤を含有する高温の溶液で野菜を処理する方法も知られている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この方法では、通常の熱水による加熱殺菌と同様、60℃以上の熱水を使用する必要があるため、熱水により生鮮野菜が損傷し、経時的に細菌類の増殖が早まるという問題があった。また、この方法では、加熱殺菌を補助するため、少なくとも0.1%の焼成カルシウム製剤を添加する必要があり、0.1%未満ではカルシウム製剤による効果が得られないという問題もあった。
【0009】
このように従来の方法では、生鮮野菜の細菌類の除去が不十分であり、残留する細菌類がカット処理を行う際にカット野菜に混入してしまうという問題、必ずしも簡易な方法ではなく、除菌力が低いため、生鮮野菜の長期保存方法としては不十分であるという問題、さらには高温で処理すると生鮮野菜が損傷して経時的に殺菌類の増殖が早まるという問題があった。
したがって、予てからこのような細菌類の生鮮野菜への混入を防止し、需要者に清浄な製品を提供するために、加工前に生鮮野菜の表面から細菌類を簡易かつ十分に除去し、かつ生鮮野菜の長期保存が可能な除菌方法及び除菌剤の開発が望まれていた。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−29007号公報(請求項1、課題を解決するための手段)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、生鮮野菜の表面に存在する細菌類を簡易、安全かつ充分に除菌でき、かつ生鮮野菜の長期保存が可能な生鮮野菜の除菌方法及び除菌剤を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、野菜の品質低下がなく、かつ細菌類による生鮮野菜の汚染を充分防止でき、さらに生鮮野菜の長期保存が可能な、簡易な除菌剤及びその除菌方法を開発すべく鋭意検討した。その結果、所定の条件下で、カルシウム化合物を含有する溶液で処理すると優れた除菌効果と長期保存効果が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
すなわち、本発明の目的は、生鮮野菜をカルシウム化合物を含有する水溶液と40〜59℃の温度で10秒〜30分間、接触処理することを特徴とする生鮮野菜の除菌方法により達成される。
【0014】
本発明の方法は、生鮮野菜をカルシウム化合物を含有する水溶液と所定の温度(40〜59℃)で所定の時間(10秒〜30分間)、接触処理する。これにより本発明の方法であれば、人体に対する影響が少なく、かつ次亜塩素酸ナトリウム水溶液やオゾン水を用いた場合と同等以上の除菌効果を簡単な方法で得ることができる。さらに本発明の方法であれば、生鮮野菜及びカット野菜の鮮度を保持し、長期間細菌類の増殖を防止することができると共に、野菜の本来の味、食感、外観(色、形状)の劣化を長期間防ぐこともできる。
【0015】
さらに本発明の目的は、以下の好ましい態様によっても達成される。
(1)前記カルシウム化合物として、貝殻、卵殻、骨粉等の焼成カルシウム、未焼成カルシウム、生石灰、及び消石灰から選ばれる少なくとも一種を用いる前記除菌方法。
(2)前記水溶液におけるカルシウム化合物の濃度が0.001〜0.1質量%である前記除菌方法。
(3)前記接触処理を生鮮野菜を前記水溶液中に浸漬することにより行う前記除菌方法。
(4)前記接触処理の前及び/又は後に前記生鮮野菜を洗浄する洗浄工程を含む前記除菌方法。
【0016】
本発明の方法では、カルシウム化合物は、例えば、貝殻、卵殻、骨粉などの焼成・未焼成カルシウム等を使用できる。このため、本発明の方法であれば、天然物に由来するカルシウム化合物を用いた、人体に影響の少ない除菌方法を提供できる。さらに、本発明の方法は、除菌後の生鮮野菜の鮮度を維持し、長期保存が可能であるため、生鮮野菜を長期保存する方法としても最適である。さらに本発明の方法では、除菌処理工程の前、後及び前後の両方で洗浄工程を併用でき、この工程を組み合わせれば、除菌効果をさらに増すことができる。さらに、本発明の方法で処理した生鮮野菜は、従来の方法で処理した場合と比べて甘味及び食感が増すという効果も得られる。
【0017】
本発明のもう一つの目的は、40〜59℃の温度で生鮮野菜を接触処理するために用いられる、カルシウム化合物及び水を含有する生鮮野菜用除菌剤を提供することにある。
【0018】
本発明の除菌剤で用いられるカルシウム化合物は、貝殻、卵殻、骨粉等の焼成カルシウム、未焼成カルシウム、生石灰、及び消石灰から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。さらに、本発明の除菌剤は、水溶液における前記カルシウム化合物の濃度が0.001〜0.1質量%であることが好ましい。
【0019】
本発明の除菌剤は、生鮮野菜の除菌に用いた場合、優れた除菌効果を有し、接触処理後の生鮮野菜の鮮度を維持し、長期保存することができる。
【0020】
【発明の実施の態様】
以下に本発明の除菌方法及び除菌剤についてさらに詳細に説明する。
なお、本明細書において、「〜」はその前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を意味する。
【0021】
[本発明の除菌方法]
本発明の方法は、生食可能な生鮮野菜のすべてに適用できる。生鮮野菜としては、例えば、キャベツ、レタス、トマト、ピーマン、大根、ニンジン、ゴボウ、キュウリ、タマネギ、セロリ、ホウレンソウ、小松菜、モロヘイヤ、パセリ、クレソンなどを挙げることができる。
本発明の方法は、生食可能な生鮮野菜をカットして製造されるカット野菜のための前処理として有効である。
【0022】
本発明で用いられるカルシウム化合物は、カルシウムを含有し、生鮮野菜に損傷を全く与えないか、あるいは与える損傷が極めて少ないものであれば特に限定されない。そのようなカルシウム化合物としては、例えば、貝殻、卵殻、骨粉などの焼成カルシウム・未焼成カルシウム、食品に使用される水酸化カルシウム、酸化カルシウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウムなどが挙げられる。その他、フッ化カルシウム、臭化カルシウムなどを用いることができる。中でも原料が天然物に由来し、人体に影響の少ない貝殻、卵殻、骨粉などの焼成カルシウム・未焼成カルシウム、通常食品加工に使用される酸化カルシウム(生石灰)、水酸化カルシウム(消石灰)、リン酸カルシウムから選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
【0023】
本発明で用いられるカルシウム化合物を含有する水溶液は、主として水中に上記カルシウム化合物を溶解又は分散させて調製することができる。また、該溶液は、使用時の濃度よりも高濃度で上記カルシウム化合物を水中に溶解又は分散させた後、沸騰させ、使用時に水で希釈して所定の濃度のカルシウム化合物を含有する水溶液とすることもできる。
【0024】
上記カルシウム化合物を含有する水溶液の濃度は、生鮮野菜の味等に変化を生じさせない程度の濃度であることが適当である。好ましくは水の質量に対し0.001〜0.1質量%であり、より好ましくは0.01〜0.09質量%であり、さらに好ましくは0.02〜0.08質量%である。
【0025】
カルシウム化合物を含有する水溶液のpH値は、使用するカルシウム化合物の濃度を調整することによりpH6〜13の範囲とすることができる。例えば、前記水溶液のpH値をカルシウム化合物の濃度を適宜調整することにより、pH9〜12.5の範囲やpH10〜12.5の範囲に調整することも可能である。
【0026】
カルシウム化合物を含有する水溶液は、上記カルシウム化合物のほか、必要に応じて通常の生鮮野菜の洗浄又は殺菌に使用される化合物や褐度防止又は鮮度を保持するために用いられる化合物を併用できる。そのような化合物としては、例えば、次亜塩素酸ナトリウム、二酸化塩素、アルコールなどの洗浄・殺菌剤、塩化ナトリウム、酸類、糖類などの鮮度保持剤などが挙げられる。前記洗浄・殺菌剤や鮮度保持剤等を併用する場合、その添加量は、併用した場合に弊害がなく、かつ洗浄・殺菌剤、鮮度保持剤等の許容量を超えない範囲の量である。
【0027】
カルシウム化合物を含有する水溶液と、生鮮野菜との接触処理は、カルシウム化合物が生鮮野菜に対して作用し得る方法であれば特に制限はない。例えば、前記接触処理は、浸漬、シャワー又はこれらを併用して行うことができ、好ましくはカルシウムを含有する水溶液に生鮮野菜を充分接触することのできる浸漬方法である。
【0028】
接触する温度と時間は、生鮮野菜のいずれの部位においても熱的損傷を生じさせない程度の温度及び時間であり、かつ生鮮野菜の表面に存在する細菌類を充分除菌できる程度の温度及び時間であることが好ましい。その温度と時間の具体的条件は、生鮮野菜の種類に応じて適宜決定することができる。例えば、温度条件として、40〜59℃、好ましくは40〜55℃、さらに好ましくは40〜50℃で、10秒〜30分間、好ましくは10秒〜15分間、さらに好ましくは15秒〜7分間である。
【0029】
本発明の方法は、さらに前記接触処理の前工程又は後工程、あるいは前記処理の前後工程の両方において、生鮮野菜を洗浄する工程を含むことができる。生鮮野菜を除菌処理前に予め洗浄しておけば、生鮮野菜の表面に付着した汚れや細菌類をある程度洗い流すことができ、除菌効果を向上させることができるため好ましい。
洗浄工程で用いられる洗浄液としては、通常の水道水、電解酸性水、電解アルカリ水などを挙げることができる。電解酸性水は、例えば、水を電気分解することにより得られるpH値2〜6の溶液である。一方、電解アルカリ水は、例えば、水を電気分解することにより得られるpH値8〜13の溶液である。
【0030】
前記接触処理を浸漬で行う場合、浸漬液中には生鮮野菜の表面に付着していた細菌類、汚れなどが浸漬液中に混入される。また、前記接触を洗浄工程と併用して行う場合には、カルシウム化合物を含有する水溶液中のカルシウム化合物の濃度が次第に変化する場合がある。このような状態で接触処理を継続すると生鮮野菜の除菌効果が低下したり、作業効率が低下したりする。
したがって、本発明の方法では、新鮮なカルシウム化合物を含有する水溶液を適宜補充するか、予め高い濃度のカルシウム化合物を含有する溶液を入れておくか、あるいはフィルターを通して該水溶液を循環させて使用することにより、清浄な条件を保つことができる。
【0031】
以上説明したように、カルシウム化合物を含有する水溶液への接触方法、接触液、処理温度、処理時間の条件は、洗浄する生鮮野菜の種類、鮮度、表面硬度、汚れの程度、汚れの種類、処理の目的などの条件を考慮して、実施に即して個別に決定することができる。
【0032】
本発明の方法で処理された生鮮野菜は、従来の除菌方法と同等以上で生鮮野菜の表面に存在する細菌類を除菌できるため、カット処理の際にカット野菜に細菌類が混入するのを防止できる。さらに、本発明の方法で処理した生鮮野菜は、長期間に亘り鮮度が保持される。その上、本発明の方法で処理すると、生鮮野菜の旨み等を増すことができる。したがって、本発明の方法で除菌処理を施した生鮮野菜から得られるカット野菜を市場に流通させる場合にも、細菌類が極端に少なく、長期間鮮度が保持され、旨み等を増すことができるため、好都合である。
【0033】
[本発明の除菌剤]
本発明の除菌剤は、40〜59℃の温度で生鮮野菜を接触処理するのに用いるため、カルシウム化合物及び水を含有する。
本発明の除菌剤で用いられるカルシウム化合物としては、本発明の除菌方法で使用可能なカルシウム化合物を挙げることができる。中でも貝殻、卵殻、骨粉の焼成カルシウム及び未焼成カルシウム、生石灰、並びに消石灰から選ばれる少なくとも一種を用いることが好ましい。
【0034】
本発明の除菌剤で用いられる水は、特に限定されるものではなく、通常の水道水、精製水、イオン交換水等の各種の水を用いることができる。
【0035】
本発明の除菌剤のカルシウム化合物の濃度は、本発明の除菌方法と同様、使用時に生鮮野菜の味等に変化を生じさせない程度の濃度であることが好ましく、水の質量に対して0.001〜0.1質量%であることが好ましく、0.01〜0.09質量%であることがより好ましく、0.02〜0.08質量%であることがさらに好ましい。また、本発明の除菌剤のpH値は、使用するカルシウム化合物の濃度に応じてpH6〜13の範囲(例えば、pH9〜12.5、pH10〜12.5など)に調整することができる。
【0036】
さらに、本発明の除菌剤は、使用前のカルシウム化合物の濃度を、上記使用時の濃度よりも高くすることもでき、例えば、高い濃度の除菌剤を使用時に水で希釈して上記の所定の濃度にして用いることもできる。
【0037】
本発明の除菌剤は、上記カルシウム化合物のほか、必要に応じて他の洗浄剤又は殺菌剤、褐度防止剤又は鮮度保持剤を含有することができる。例えば、次亜塩素酸ナトリウム、二酸化塩素、アルコールなどの洗浄・殺菌剤、塩化ナトリウム、酸類、糖類などの鮮度保持剤などを、弊害がなく、かつ洗浄・殺菌剤、鮮度保持剤等の許容量を超えない範囲で含有することができる。その他、分散性を向上させる目的で、各種の分散剤を含有させることもできる。
【0038】
本発明の除菌剤の使用温度は、接触処理される生鮮野菜の種類に応じて40〜59℃の範囲の温度で適宜決定することができる。例えば、使用温度は、40〜59℃の温度が適当であり、40〜55℃の温度が好ましく、40〜50℃の温度がさらに好ましい。
なお、本発明の除菌剤は、使用前の温度は特に限定されるものではなく、例えば常温(10〜35℃)であってもよい。
【0039】
本発明の除菌剤は、生鮮野菜を本発明の除菌剤の中に浸漬させ、又はシャワーにより、あるいはこれらを併用させて使用することができる。浸漬する場合、例えば、40〜59℃、好ましくは40〜55℃、さらに好ましくは40〜50℃の温度で、10秒〜30分間、好ましくは10秒〜15分間、さらに好ましくは15秒〜7分間浸漬することができる。
【0040】
本発明の除菌剤は、生鮮野菜の接触処理のために用いられる。本発明の除菌剤で接触処理される生鮮野菜の具体例は、本発明の除菌方法で例示したものを挙げることができる。
【0041】
本発明は、レストラン、学校調理室、社員食堂などで用いられ、若しくはスーパーやコンビニエンスストアー又はデパート等の生鮮食料品売場で販売される、生鮮野菜用の除菌剤又は除菌方法として利用することができる。本発明は、特にカット野菜の製造に使用する生鮮野菜用の除菌剤又は除菌方法として好適に利用することができる。
【0042】
【実施例】
以下に本発明の実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、以下の実施例に示される材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
【0043】
(実施例1〜4) キャベツの細菌検査による評価及び除菌作用
本実施例は、本発明により、キャベツの表面の細菌類を充分に除菌でき、かつ除菌後のキャベツの鮮度を保持する作用を有することを明らかにするために行われた。
【0044】
洗浄していないキャベツを50〜58℃の各温度で0.02質量%の貝カルシウム水溶液中に3分間浸漬して除菌した。得られたキャベツは、その葉を8mm角にカットした後、トレーに入れて5℃に設定された冷蔵庫中で保存した。除菌処理後0日目、4日目、7日目及び10日目にそれぞれサンプリングをして、サンプル単位質量当たりの一般生菌数及び大腸菌について検査を行った。本実施例では同時に、キャベツの鮮度を色、食感、全体の外観について官能試験を行って評価した。結果を表1に示す。
【0045】
(比較例1)
実施例1の貝カルシウム水溶液の替わりに常温水(20℃の水道水)を用いたことを除き、実施例1と同様の方法により試験した。結果を表1に示す。
【0046】
(比較例2)
実施例1の貝カルシウム水溶液の替わりに200ppmの次亜塩素酸水溶液(20℃)を用いたことを除き、実施例1と同様の方法により試験した。結果を表1に示す。
【0047】
(比較例3及び4)
実施例1の温度を20℃及び35℃に変更した以外は実施例1と同様の方法により試験した。結果を表1に示す。
【0048】
(比較例5)
実施例1の温度を60℃に変更した以外は、実施例1と同様の方法により試験した。結果を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
表1より生存している一般生細菌の生菌数に関しては、本発明の方法で処理したものは、除菌直後(0日間)から10日後のすべての温度において、いずれも常温水(比較例1)、次亜塩素酸水溶液(比較例2)及び40℃未満の場合(比較例3及び4)よりも生存する生菌数が大幅に減少したことが分かる。大腸菌についても、同様であった。また、処理温度が60℃の場合(比較例5)、処理後(0日)は良好な結果が得られたが、4日目以降になると、一般生細菌及び大腸菌群数が増加する傾向にあった。
以上のことから、本発明の方法は、一般生細菌及び大腸菌群のいずれの菌に対しても常温水、次亜塩素酸水溶液及び高温水(60℃)で処理した場合よりも優れた除菌効果及び保存安定性を示すことが分かる。
【0051】
また、除菌処理10日後における褐変の有無について比較すると、比較例1〜5のキャベツでは表面に褐変が生じたのに対して、本発明の実施例1〜4では色の変化は生じていなかった。これより本発明の実施例は、比較例よりも良好な長期保存安定性を示すことが分かる。
【0052】
(実施例5) 貝カルシウム溶液と水洗いを組み合わせた場合の野菜の除菌試験本実施例は、本発明の除菌方法に洗浄処理を組み合わせた場合も優れた野菜の除菌効果及び保存安定性を奏することを明らかにしたものである。
【0053】
キャベツを50℃で0.02質量%の貝カルシウム水溶液中に5分間浸漬し、その後、30秒間水洗いを行った。除菌処理後サンプリングをして、サンプル単位質量当たりの一般生菌数及び大腸菌群について検査を行った。結果を表2に示す。
【0054】
(比較例6)
実施例5の貝カルシウム水溶液の替わりに50℃の200ppm次亜塩素酸ナトリウム水溶液を用いたことを除き、実施例5と同様の方法により試験を行った。得られた結果を表2に示す。
【0055】
【表2】
【0056】
表2より本発明の除菌方法に洗浄処理を併用した場合、次亜塩素酸ナトリウム水溶液で処理した場合(比較例6)よりも優れた除菌効果と長期保存安定性が得られることが分かる。
【0057】
(実施例6)貝カルシウム溶液とシャワー洗浄とを組み合わせた場合の野菜の除菌試験
本実施例は、従来の除菌・鮮度保持方法(特開2001−120169号公報)と比較した場合に、本発明が優れた除菌効果を奏することを明らかにするために行われたものである。
【0058】
キャベツを常温水で20秒間シャワー洗浄を行い、次いで45℃の温水で20秒間シャワー洗浄を行った後、50℃の0.02質量%の貝カルシウム水溶液中に2分間浸漬した。除菌処理後、冷却せずに、そのままサンプリングをして、サンプル単位質量当たりの一般生菌数及び大腸菌について検査を行った。結果を表4に示す。
【0059】
(比較例7)
実施例6の貝カルシウム水溶液の替わりに、50℃の200ppm次亜塩素酸ナトリウム水溶液を用いたことを除き、実施例6と同様の方法により試験した。結果を表3に示す。
【0060】
【表3】
【0061】
表3より本発明は、カルシウム化合物を含有する水溶液を用いて処理すれば、処理後に冷却しなくても従来の方法(特開2001−120169号公報)よりも優れた除菌効果及び長期保存安定性を示すことが分かる。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明の除菌剤及びその除菌方法は、生鮮野菜をカルシウム化合物を含有する溶液と40〜59℃で10秒〜30分間、接触処理するだけで、生鮮野菜の表面に存在する細菌類を簡易に、安全かつ充分に除菌することができる。また、本発明の除菌剤及び除菌方法を使用することにより、生鮮野菜及びカット野菜の鮮度を保持し、野菜の本来の味、食感、外観(色、形状)の劣化を長期間防ぐこともできる。さらに、本発明の除菌剤及び除菌方法を使用することにより、除菌処理した生鮮野菜が他の処理方法で得られたものよりも良好な食感を持続できる。
Claims (8)
- 生鮮野菜をカルシウム化合物を含有する水溶液と40〜59℃の温度で10秒〜30分間、接触処理することを特徴とする生鮮野菜の除菌方法。
- 前記カルシウム化合物として、貝殻、卵殻、骨粉等の焼成カルシウム、未焼成カルシウム、生石灰、及び消石灰から選ばれる少なくとも一種を用いる請求項1に記載の除菌方法。
- 前記水溶液におけるカルシウム化合物の濃度が0.001〜0.1質量%である請求項1又は2に記載の除菌方法。
- 前記接触処理を、生鮮野菜を前記水溶液中に浸漬することにより行う請求項1〜3のいずれか一項に記載の除菌方法。
- 前記接触処理の前及び/又は後に、前記生鮮野菜を洗浄する工程を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の除菌方法。
- 40〜59℃の温度で生鮮野菜を接触処理するために用いられる、カルシウム化合物及び水を含有する生鮮野菜用除菌剤。
- 前記カルシウム化合物が貝殻、卵殻、骨粉等の焼成カルシウム、未焼成カルシウム、生石灰、及び消石灰から選ばれる少なくとも一種である請求項6に記載の除菌剤。
- 水溶液における前記カルシウム化合物の濃度が0.001〜0.1質量%である請求項6又は7に記載の除菌剤。
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