JP4363966B2 - 生野菜の除菌方法 - Google Patents

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Description

本発明は、生野菜の除菌方法および該生野菜をカットして除菌された生のカット野菜を調製する方法に関する。より詳細には、本発明は、生野菜が本来有している外観、食感、味、風味などを損なうことなくそのまま良好に保持しながら、生野菜に付着している菌類などの微生物を十分に除去して、安全性、衛生性、鮮度保持性、保存性などに優れる除菌された生野菜を得る方法、および除菌されたカットされた生野菜を調製する方法に関する。
通常、野菜類の清浄化、皮剥き、細片状へのカットなどは、調理工程の一環として各々の調理現場で行われているが、近年、生活様式の変化や流通形態の変化などに伴って、野菜類の清浄化、皮剥き、細片状へのカットなどの工程を各々の調理現場で行わずに、工場などで予めまとめて行い、清浄化、皮剥き、カット処理などを施した生野菜を、スーパーマーケットなどで販売したり、レストランなどの飲食店や給食センターなどの調理現場などに納入することが広く行われるようになっている。
清浄化、皮剥き、カット処理などの処理を施した状態で販売されている生野菜は、それを購入した家庭や飲食店などの調理現場では、清浄化、皮剥き、カットなどのような手間および時間のかかる処理工程を省略することができ、野菜類の種類やその処理形態などに応じて、そのまま直接サラダなどとして食したり、客に供することができ、或いはそのままで又は必要に応じて更に適当な大きさにカットするだけでそのまま直接煮炊きなどの調理に使用することができ、極めて便利であることから、その需要が伸びている。
しかしながら、清浄化、皮剥き、カット処理などを施した状態で流通、販売されている従来の生野菜は、十分に除菌がなされているとは言えず、衛生性や安全性の点で問題になっている。特に、皮剥きやカットした状態で販売されている生野菜は、皮剥きやカットなどの処理段階で細菌などの有害微生物が野菜の表面に再度付着し易く、しかも皮剥きやカットなどによって、野菜の組織が損傷しているために、カットや皮剥きなどを施してない元の生野菜に比べて、菌などの微生物の繁殖が速く、短期間のうち鮮度が低下したり、腐敗が生じやすい。
一方、果実や野菜の消毒、殺菌を食品用の殺菌剤である次亜塩素酸ナトリウム水溶液を用いて行うことが従来から行われているが、次亜塩素酸ナトリウム水溶液による殺菌効果はそれほど高くはなく、十分な除菌(殺菌)効果を得るためには高濃度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を使用する必要があり、通常、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を用いて果実や野菜類を消毒する場合は、有効塩素濃度が2000ppm(500倍希釈液)前後の極めて高い濃度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液が用いられている(非特許文献1を参照)。しかしながら、高濃度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液の使用は、果実や野菜本来の食感、味、風味などの品質の低下を招き易く、しかも殺菌処理後に多量の次亜塩素酸ナトリウムやその分解物が残留する恐れがあるため、処理後に水洗処理を十分に行う必要があり、水道水の過剰使用などの問題がある。
かかる点から、次亜塩素酸ナトリウム水溶液などのような殺菌剤を用いずに根菜類などの除菌を行う方法が従来から提案されており、そのような従来技術として、ニンジンなどの生の根菜類を洗浄し、皮を剥き、それをスティック状にカットしたものを温水で短時間処理した後、冷水に接触させて除菌することによって、カットされた生根菜の保存寿命を延長する方法が知られている(特許文献1を参照)。しかしながら、この方法による場合は、皮を剥いて細片状にカットされた後の表面積の大きなカット野菜に対して温水と冷水による処理を順次行っているために、根菜類中の成分が温水に溶け出したり、細片化されたカット野菜の鮮度が温水処理によって低減し易く、生の根菜が有する本来の味、食感、風味などの保持が困難であり、しかもその除菌効果が十分であるとはいえない。
また、レタス、白菜、キャベツなどの葉菜類を45〜65℃の温水で処理して変色を防止する方法(特許文献2を参照)および生鮮野菜を35〜90℃の温水で処理した後冷却して生鮮野菜の除菌洗浄および鮮度保持を行う方法(特許文献3を参照)が提案されている。しかしながら、これらの方法による場合も、生野菜における除菌効果は十分ではない。特に、特許文献3の方法でキュウリなどの果菜類やニンジンなどの根菜類を除菌処理した後にそれを細片状にカットしてカット野菜を調製したところ、それにより得られるカット野菜に未だかなりの数の菌が残留したり付着していることが判明した。
日本食品工業学会編纂,「食品工業総合事典」,株式会社光琳,昭和63年3月5日発行(第2版),p402("じあえんそさんなとりうむ"の欄) 特開昭62−118843号公報 特開昭47−43257号公報 特開2001−120169号公報
本発明の目的は、生野菜が本来有している食感、味、風味などを良好に保持しながら、生野菜に付着している菌類などの微生物を十分に除去して、安全性、衛生性、鮮度保持性、保存性を向上させる方法を提供することである。
さらに、本発明の目的は、生野菜が本来有している食感、味、風味などを良好に保持しながら、除菌が十分になされていて、安全性、衛生性、鮮度保持性、保存性などに優れる、カットされた生野菜の調製方法を提供することである。
本発明者らは上記の目的を達成すべく検討を重ねてきた。その結果、キュウリやニンジンなどの生野菜を、細かくカットせずにホール状のままで50〜70℃の温水で処理した後に、更にホール状のままで、果物や野菜の殺菌・消毒に従来用いられているよりも大幅に濃度の低い次亜塩素酸ナトリウム水溶液を用いるかまたは次亜塩素酸水を用いて、25℃以下の温度で処理すると、生野菜に付着していた細菌などの微生物を十分に除去できること、しかも前記除菌処理によって生の野菜本来の食感、味、風味などが損なわれないこと、さらに次亜塩素酸ナトリウムや次亜塩素酸水の残留による弊害が生じないことを見出した。
生野菜をホール状で50〜70℃の温水で処理し、それをそのまま直接カットした場合(例えば特許文献3の方法の場合)には、得られるカット野菜にかなりの数の菌が未だ付着していて、十分に除菌された生のカット野菜が得られないことは上述のとおりであるが、生野菜をホール状で50〜70℃の温水で処理した後に更に有効塩素濃度の低い次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水を用いて25℃以下の温度で処理するという本発明者らの見いだした上記特定の2段処理を行ったものを、更に細片状にカットした場合は、付着菌数が極めて少なくて、十分に除菌された生のカット野菜が得られることを本発明者らは更に見出した。
また、温水と、次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水による上記2段の処理を施した生野菜を細片状にカットして得られる上記したカット野菜を、従来用いられていたよりも有効塩素濃度の低い次亜塩素酸ナトリウム水溶液を用いるか、または次亜塩素酸水で再度処理すると、付着菌数の一層低減した衛生性、安全性、保存性に一層優れるカット野菜が得られることを本発明者らは見出した。
さらに、温水と、次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水による上記2段の処理を施した生野菜を細片状にカットして得られる上記したカット野菜を、従来用いられていたよりも低濃度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水で再度処理した後に、更に有機酸水溶液で処理することが、安全性、衛生性、カット野菜の食感、味、風味などの保持などの点から一層好ましいことを本発明者ら見出し、それらの種々の知見に基づいて本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
(1) 生野菜を、ホール状で50〜70℃の温水によって1〜15分間処理した後、ホール状のままで有効塩素濃度が30〜300ppmで且つ温度が25℃以下の次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水を用いて処理することを特徴とする生野菜の除菌方法である。
そして、本発明は、
(2) 次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水による処理の後に、生野菜をホール状でさらに有機酸含有水溶液で処理する前記(1)の除菌方法;および、
(3) 前記した次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水による処理時間が3〜20分間の範囲内である前記(1)または(2)の除菌方法;
である。
さらに、本発明は、
(4) 前記(1)〜(3)のいずれかの除菌方法によって除菌処理したホール状の生野菜を細片状にカットしてカット野菜とし、該カット野菜を更に有効塩素濃度が30〜300ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水で再度処理して、除菌された生のカット野菜を調製する方法である。
そして、本発明は、
(5) 前記(1)〜(3)のいずれかの除菌方法によって除菌処理したホール状の生野菜を細片状にカットしてカット野菜とし、該カット野菜を、更に有効塩素濃度が30〜300ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水で再度処理した後、有機酸含有水溶液で処理して、除菌された生のカット野菜を調製する方法である。
生野菜を細かくカットせずにホール状のままで50〜70℃の温水で処理した後に、更にホール状のままで有効塩素濃度が30〜300ppmである次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水を使用して25℃以下の温度で処理する本発明の方法による場合は、細菌などの微生物が十分に除去されていて衛生性、安全性、保存性に優れ、しかも生の野菜本来の外観、食感、味、風味などを良好に維持した清浄化したホール状の生野菜が得られる。特に、生野菜が果菜類および根菜類である場合には、かかる2段処理によって、優れた除菌効果のみならず、外観、食感、味、風味などに一層優れる生野菜を得ることができる。
そして、本発明において、上記したホール状での次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水による処理後に、ホール状のままで更に有機酸水溶液で処理した場合には、次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸水或いはそれらの分解物などに起因する臭気や異味が全くせず、除菌効果の点のみならず、外観、食味、風味などの点でも一層優れるホール状の生の清浄化した生野菜を得ることができる。
さらに、生野菜を細かくカットせずにホール状のままで50〜70℃の温水で処理した後に、更にホール状のままで有効塩素濃度が30〜300ppmである次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水を使用して25℃以下の温度で処理し、次いでそれを細片状にカットして生のカット野菜とし、その生のカット野菜を更に有効塩素濃度が30〜300ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水で更に処理するか、或いは前記生のカット野菜を有効塩素濃度が30〜300ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水で更に処理した後に有機酸水溶液で処理する本発明の方法による場合は、安全性、衛生性、カット野菜の外観、食感、味、風味などの保持の点で一層優れる生のカットされた野菜を得ることができる。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明で用い得る生野菜としては、生の果菜類、根菜類、葉菜類などを挙げることができる。
前記した野菜のうち、果菜類は、果実を食用とする野菜であって、生の状態で一般に流通、販売される果菜類であればいずれでもよく、具体例としては、キュウリ、ゴーヤ(ニガウリ)、トウガン、マクワウリなどのウリ類、トマト、ナス、カボチャ、シシトウ、オクラなどを挙げることができる。そのうちでも、本発明は、生のままで食されることの多い果菜類や、カットされて生の状態で流通、販売される果菜類に対して適している。特に、生のままで食されることの多いキュウリは、その凹凸のある表面構造上、他の果菜類に比べて表面に雑菌が多く付着し易く、しかも近年カットした状態で流通、販売されることも多くなっているので、本発明はキュウリの除菌方法およびカットキュウリの調製方法として適している。
また、根菜類は、根を食用とする野菜であって、生の状態で一般に流通、販売される野菜をいい、具体例としては、ニンジン、ダイコン、カブ、ゴボウ、ナガイモ、タマネギなどを挙げることができる。そのうちでも、本発明の方法は、生のままで食されることの多い根菜類や、皮を剥いたり、カットされて、生の状態で流通、販売されることが行われている根菜類、例えばニンジン、ダイコン、ナガイモ、タマネギなどの除菌に適している。
さらに、本発明で用い得る菜類としては、例えば、レタス、白菜、キャベツなどを挙げることができる。
本発明の除菌方法およびカット野菜の調製方法は、1種類の生野菜を単独で用いて行ってもよいし、または2種類以上の生野菜の併用下に行ってもよい。
本発明の除菌方法を行うに当たっては、50〜70℃の温水で処理する前に、生野菜を、ホール状のままで、一般に行われているように常温の水を用いて水洗して、ホール状の生野菜に付着している泥、ゴミなどを除去するのがよい。水洗の前、水洗の途中および/または水洗の後に、必要に応じて、中性洗剤などの界面活性剤を含む水を用いて洗浄してもよい。
ここで、本明細書でいう「ホール状」とは、生野菜から食用に適さない部分、例えば、食用に適さないヘタ、ガク、皮、外葉、根、ヒゲ根、茎などを除いてあって且つ細片状にカットされていない状態をいう。生野菜が果菜類である場合は、「ホール状の果菜類」とは、果菜類の種類に応じて、ヘタ、ガク、ツルなどの食用に適さない部分を除いた、皮付き又は皮を剥いた、細片状にカットしていない塊状をなす果菜類をいう。また、生野菜が根菜類の場合は、「ホール状の根菜類」とは、例えば、茎、葉、ヒゲ根、先端部分などを除いた、皮付きまたは皮を剥いた、細片状にカットしていない塊状をなす根菜類をいう。生野菜がキャベツ、レタス、白菜、などの葉菜類の場合は、「ホール状の葉菜類」とは、例えば、食用に適さない根、外葉などを除いた、細片状にカットしていない塊状をなす葉菜類をいう。
また、本明細書において、「細片状にカットしていない塊状をなす生野菜(果菜類、根菜類、葉菜類など)」とは、細かくカットされておらず、全体として塊状をなしている状態の生野菜をいう。したがって、ホール状の生野菜(細片状にカットしていない塊状をなす生野菜)は、生野菜の1個丸ごとであってもよいし或いは2個または複数個に塊状を保ちながらカットしたものであってもよい。何ら限定されるものではないが、ダイコンを例にとると、「ホール状のダイコン」は、ダイコンの1本丸ごとであってもよいし、またはダイコンを複数個(通常2〜4個程度)の塊片に切断したものであってもよい。
本発明では、常温の水で水洗したホール状の生野菜を、50〜70℃の温水を用いて処理する。この温水処理は、ホール状の生野菜を50〜70℃の温水中に浸漬して行ってもよいし、ホール状の生野菜に50〜70℃の温水をシャワー状で噴射して行ってもよいし、またはホール状の生野菜を50〜70℃の温水中に浸漬する処理と50〜70℃の温水をシャワー状で噴射する処理を併用してもよい。50〜70℃の温水中への浸漬と該温水のシャワー状噴射の両方を併用する場合は、浸漬とシャワー状噴射の順序は特に制限されず、どちらを先に行ってもよい。
上記したいずれの方法による場合も、温度が50〜70℃の温水を用いることが必要であり、50〜65℃の温水を用いることが好ましい。温水の温度が50℃よりも低いと、生野菜に付着している菌などの微生物を十分に除去することが困難になり、一方温水の温度が70℃よりも高いと生の野菜が本来有している食感、味、風味が損なわれる。
50〜70℃の温水による処理時間は、生野菜の種類、大きさ、使用する温水の量などによって調整し得るが、温水中に浸漬する場合、温水をシャワー状に噴射する場合、両者を併用する場合のいずれの場合も、一般的に浸漬時間、噴射時間、または浸漬時間と噴射時間の合計(浸漬と噴射を併用する場合)が、1〜15分間、特に5〜10分間の範囲になるようにすることが、除菌効果、生の野菜本来の食感、味、風味の保持、節水、コスト、作業性などの点から好ましい。温水による処理時間が1分未満であると除菌が不十分になり易く、一方15分を超えると、生の野菜本来の食感、味、風味が損なわれ易くなる。
特に、生野菜を50〜70℃の温水中に浸漬して処理する場合は、生野菜をその約3質量倍以上、特に約5〜20質量倍の温水中に約1〜15分間、特に約5〜10分間浸漬することが、除菌効果および生の野菜本来の食感、味、風味の保持などの点から好ましい。生野菜を温水中に浸漬して処理する場合は、温水が例えば前のバッチに用いられていて汚れていると、温水処理を行う意味がなくなるので、温水の汚染度合いに応じて温水の一部または全部を新しい温水に取り替えて処理を行ったり、または滅菌設備を備えた循環式の温水処理装置を用いて行うことが極めて望ましい。
また、生野菜に50〜70℃の温水をシャワー状に噴射して処理する場合は、水圧が0.1〜1MPaの温水シャワーを1〜15分間噴射し、生野菜100質量部に対して温水の噴射量が1,000〜100,000質量部になるようにして処理を行うことが、除菌効果および生の野菜本来の食感、味、風味の保持などの点から好ましい。
温水をシャワー状に噴射して処理を行う場合は、生野菜の全表面が温水シャワーに均一またはほぼ均一に接触するようにするために、処理中に生野菜に傷がつかないようにしながら転動させて処理を行ったり、生野菜の周囲から温水シャワーを噴射する設備を備えた装置を用いて処理を行うことが好ましい。
温水をシャワー状に噴射する方法によってキュウリを処理する場合に、例えば、キュウリを網などの多孔質の支持体上に載せ、支持体上で転がしながら、上方から温度が50〜70℃、圧力が0.1〜1MPaの温水シャワーを1〜15分間噴射すると、除菌を効果的に行うことができる。
噴射処理に用いた温水は、回収し、滅菌設備で滅菌処理した後に再度この温水シャワー処理に用いてもよい。
また、温水中への浸漬処理と温水をシャワー状で噴射する処理を併用する場合は、上記を参考にしてそれぞれの適当な処理時間を決めるとよい。
次いで、本発明では、上記した50〜70℃の温水による温水処理に続いて、生野菜をホール状のままで、有効塩素濃度が30〜300ppmで且つ温度が25℃以下の次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水を用いて処理する。
本発明で用いる次亜塩素酸ナトリウム水溶液は、周知のように従来から殺菌剤、漂白剤、酸化剤などとして汎用されている次亜塩素酸ナトリウムを水に溶解した溶液である。
また、次亜塩素酸水としては、希薄な塩化ナトリウム水溶液(一般に0.2%以下の塩化ナトリウム水溶液)を有隔膜電解槽内で電解して、陽極側から得られる強酸性次亜塩素酸水[一般に有効塩素濃度:20〜60ppm(20〜60mg/kg))]と、希薄な塩酸水溶液(一般に2〜6%の塩酸)を無隔膜電解槽内で電解して得られる微酸性次亜塩素酸水[一般に有効塩素濃度:10〜30ppm(10〜30mg/kg))]が食品への使用が認められている。本発明では、これらの次亜塩素酸水のうち、有効塩素濃度が30ppm以上のものが用いられ、一般には、有効塩素濃度が30ppm以上の強次亜塩素酸水が好ましく用いられる。
この次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水による処理は、25℃以下の次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水を用いて行うことが重要であり、次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水の温度が25℃よりも高いと、生の野菜が本来有する食感、味、風味が損なわれる。次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水の温度は0〜20℃であることが好ましく、0〜10℃であることがより好ましい。
また、次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水における有効塩素濃度が30ppm未満であると、生野菜の除菌が十分に行われず、ホール状のまま流通、販売したとき、またはホール状の生野菜を細片状にカットしてカット野菜にして流通、販売したとき、特にカット野菜にして流通、販売したときに、菌類などの微生物の繁殖が生じ易くなり、衛生性、安全性、保存性などに劣ったものになる。一方、次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水における有効塩素濃度が300ppmを超えると、処理後の生野菜において、次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸、或いはそれらの分解物の残存量が多くなって、生体に対する安全性の低下、次亜塩素臭による臭気や味の低下などを生ずる。
上記したように、果物や野菜類の殺菌、消毒には通常有効塩素濃度が2000ppm前後の高濃度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液が用いられているが、本発明で用いる次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水における有効塩素濃度は、そのような従来技術に比べて1オーダー以上低い濃度であり、その点にも大きな特徴を有する。本発明では、50〜70℃の温水による処理と次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水処理を組み合わせることによって、有効塩素濃度30〜300ppmという低濃度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水を用いているにも拘らず、十分な除菌を行うことができる。
このホール状での次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水による処理に用いるこれらの水溶液の有効塩素濃度は、50〜200ppmであることが好ましい。
なお、本明細書における次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水の有効塩素濃度は、除菌(殺菌)などに有効に働く塩素の濃度を意味し、高濃度有効塩素計(発色試薬による吸光光度法)により測定される。
次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水による処理は、ホール状の生野菜を次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水中に浸漬して行ってもよいし、ホール状の生野菜に次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水をシャワー状で噴射して行ってもよいし、またはホール状の生野菜を次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水中に浸漬する処理と次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水をシャワー状で噴射する処理を併用してもよい。次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水中に浸漬する処理と次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水をシャワー状に噴射する処理を併用する場合は、浸漬処理と噴射処理の順序は特に制限されず、どちらを先に行ってもよい。
また、本発明では、上記処理を、次亜塩素酸ナトリウム水溶液および次亜塩素酸水のいずれか一方のみを用いて行ってもよいし、或いは次亜塩素酸ナトリウム水溶液および次亜塩素酸水のいずれか一方を用いて処理した後、更にもう一方を用いて処理してもよい。
次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水による処理時間は、生野菜の種類や大きさ、この処理の前に行った温水処理時の温度や時間、有効塩素濃度や温度などによって調整し得るが、次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水中に浸漬する場合、次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水をシャワー状に噴射する場合、両者を併用する場合のいずれの場合も、一般的に浸漬時間、噴射時間、または浸漬時間と噴射時間の合計(浸漬と噴射を併用する場合)が、3〜20分間、特に5〜15分間の範囲になるようにすることが、除菌効果、生の野菜本来の食感、味、風味の保持、コスト、作業性などの点から好ましい。次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水による処理時間が3分未満であると除菌が不十分になり易く、特にホール状を細片状にカットしてカット野菜にしたときに、付着菌数が多くなり、一方20分を超えると、生の野菜本来の食感、味、風味が損なわれ易くなる。
特に、生野菜を次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水中に浸漬して処理する場合は、生野菜を、その約3質量倍以上、特に約5〜20質量倍の前記した濃度および温度を有する次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水中に約3〜20分間、特に約5〜15分間浸漬することが、除菌効果および生の野菜本来の食感、味、風味の保持などの点から好ましい。
また、生野菜に次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水をシャワー状に噴射して処理する場合は、生野菜100質量部に対して前記した濃度および温度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水の噴射量が1,000〜100,000質量部になるようにして処理を行うことが、除菌効果および生の野菜本来の食感、味、風味の保持などの点から好ましい。
次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水をシャワー状に噴射して処理を行う場合は、生野菜の全表面が次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水に均一またはほぼ均一に接触するようにするために、処理中に生野菜に傷がつかないようにしながら転動させて処理を行ったり、生野菜の周囲から次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水のシャワーを噴射する設備を備えた装置を用いて処理を行うことが好ましい。
次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水をシャワー状に噴射する方法によってキュウリを処理する場合に、例えば、ホール状のキュウリを網などかならなる多孔質の支持体上に載せ、支持体上で転がしながら、上方から次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水のシャワーを3〜20分間噴射して処理を行うと、除菌を効果的に行うことができる。
また、次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水中への浸漬処理と次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水の噴射処理を併用する場合は、上記を参考にしてそれぞれの適当な処理時間を決めるとよい。
上記した温水処理および次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水による処理を施したホール状の生野菜は、そのままホール状で、必要に応じて包装して、保存、流通、販売してもよいし、上記次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水で処理した後に更に水で洗浄するかまたは有機酸含有水溶液で処理してから、ホール状で、必要に応じて包装して保存、流通、販売してもよい。
上記において、次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水で処理した後にホール状の生野菜を水洗浄、有機酸水溶液処理などを行わずにホール状でそのまま保存、流通、販売する場合は、それを購入した消費者がその使用時に該除菌済みのホール状の生野菜を必要に応じて簡単に水洗いするだけでそのまま生食用として又は調理用の素材として使用することができる。
また、上記においてホール状の生野菜を有機酸含有水溶液で処理してから保存、流通、販売する場合は、例えば、酢酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸などの有機酸を含有する水溶液が好ましく用いられる。その際の有機酸含有水溶液としては、有機酸の濃度が0.01〜5質量%、特に0.1〜1質量%の水溶液が、処理後の生野菜の品質および鮮度保持などの点から好ましく用いられる。有機酸含有水溶液による処理は、次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水で処理した後のホール状の生野菜を有機酸含有水溶液中に浸漬する方法、該生野菜に有機酸含有水溶液をシャワー状で噴射する方法、浸漬と噴射を併用する方法などにより行うことができる。生野菜を有機酸含有水溶液で処理する場合は、その処理時間は、一般的に30秒〜5分程度が好ましい。
本発明では、生野菜をホール状で除菌処理するに当って、上記した温水処理を先に行い、その後に上記した次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水による処理を行うことが必要であり、両処理の順序を逆にして上記した次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水による処理を最初に行い、次に上記した温水処理を行っても、十分な除菌効果は得られない。
上記した温水処理、および次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水による処理を順次施して得られるホール状の生野菜は、除菌が十分になされていて保存、流通、販売時などに細菌などの微生物の増殖が抑制されるため、衛生性、安全性、保存性に優れ、しかも生の野菜が本来有する良好な食感、味、風味などを保持している。
また、温水処理、および次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水による処理を順次施したホール状の生野菜を、野菜の種類や用途などに応じて、前記次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水による処理の後に水洗などを行わずにそのまま細片状に直接カットすることによって、十分に除菌された生のカット野菜を調製することができる。カット野菜を調製する際のカットの仕方、カット後のサイズや形状、カット装置などは特に制限されず、生野菜の種類、カット野菜の用途などに応じて適宜選択することができる。何ら限定されるものではないが、カット形状としては、例えば、スライス状、短冊状、乱切り状、スティック状、半月状、短尺の円柱状、みじん切り状、薄帯状、細切などを挙ることができる。
上記により得られる生のカット野菜は、(i)該カット後に更なる処理を施さずに必要に応じて包装してそのまま保存、流通、販売してもよいし、(ii)該カット後に水洗し、必要に応じて包装して保存、流通、販売してもよいし、(iii)該カット後に次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水で再度処理してから必要に応じて包装して保存、流通、販売してもよいし、または(iv)該カット後に次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水で再度処理してから有機酸含有水溶液で処理し、必要に応じて包装して保存、流通、販売してもよい。
そのうちでも、カット後に次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水で再度処理する工程を含む上記(iii)および(iv)の方法が除菌効果の高い生のカット野菜を確実に得ることができる点から好ましい。特に、カット後に次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水で再度処理してから有機酸含有水溶液で処理する上記(iv)の方法が、除菌効果が高く、しかも次亜塩素酸やその分解物などに起因する臭気や異味のない、食味や風味により優れる生のカット野菜が確実に得られる点からより好ましく採用される。
細片状にカットしてそのまま直接保存、流通、販売する上記(i)により得られる生のカット野菜は、それを購入した消費者がその使用時に必要に応じて簡単に水洗いするだけでそのまま生食用として又は調理用の素材として使用することができる。
また、細片状にカットした生のカット野菜を次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水で再度処理する上記(iii)および(iv)を採用する場合は、有効塩素濃度が30〜300ppm、特に50〜200ppmで、且つ温度が25℃以下、特に0〜20℃、更には0〜10℃の次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水が好ましく用いられる。
生のカット野菜の次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水による処理は、カット野菜を次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水中に浸漬する方法、カット野菜に次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水をシャワー状で噴射する方法、浸漬と噴射を併用する方法などにより行うことができる。カット野菜の次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水による処理時間は、野菜の種類、カットサイズやカット形状などに応じて調整することができるが、一般的には3〜20分程度、特に5〜15分程度であることが、除菌効果、カット野菜の鮮度保持、食感、味、風味などの低下防止などの点から好ましい。
また、上記(iv)の方法において、生のカット野菜を次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水で処理した後に有機酸含有水溶液で更に処理するに当たっては、例えば、酢酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸などの有機酸を含有する水溶液が好ましく用いられる。その際の有機酸含有水溶液としては、有機酸の濃度が0.01〜5質量%、特に0.1〜1質量%の水溶液が、処理後のカット野菜の品質および鮮度保持の点から好ましく用いられる。有機酸水溶液による処理は、次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水で処理した後の生のカット野菜を有機酸水溶液中に浸漬する方法、該カット野菜に有機酸水溶液をシャワー状で噴射する方法、浸漬と噴射を併用する方法などにより行うことができる。カット野菜の有機酸水溶液による処理時間は、野菜の種類、カット形状やカットサイズなどに応じて調整し得るが、一般には30秒〜2分程度が好ましい。
上記した(i)〜(iv)の方法、そのうちでも(iii)および(iv)の方法、特に(iv)の方法で得られるカットされた生野菜は、除菌が十分になされていて、しかも次亜塩素酸やその分解物などの薬品が残存していないため、衛生性、安全性、保存性に優れており、しかも生の野菜が本来有する良好な食感、味、風味などを保持している。
以下に本発明を実施例などにより具体的に説明するが、本発明は以下の例により何ら限定されるものではない。
以下の例において、生野菜に付着している一般生菌数および大腸菌群数の測定、並びに生野菜の食感、味および風味の評価は、次のようにして行った。
(1)一般生菌数の測定:
検体(生野菜)25gを秤量し、滅菌したリン酸緩衝生理食塩水(pH7.2)225gを加え、60秒間ストマッカー処理(細菌検査用ホモジナイザで60秒間均質化処理)をしたものを試料原液として用いて、さらに10倍段階希釈液を調製した。この希釈液を滅菌シャーレに1ml分注し、さらに滅菌した標準寒天培地(栄研化学株式会社製「デソキシコーレイト寒天培地」)を適量分注して混和した。それを35℃で48時間培養して、48時間培養後の集落(コロニー)の数を数えて、一般生菌数数(CFU/g)とした。
(2)大腸菌群数の測定:
検体(生野菜)25gを秤量し、滅菌したリン酸緩衝生理食塩水(pH7.2)225gを加え、60秒間ストマッカー処理をしたものを試料原液として用いて、さらに10倍段階希釈液を調製した。この希釈液を滅菌シャーレに1ml分注し、更に前記(1)で使用したのと同じ滅菌したデソキシコーレイト寒天を適量分注して混和した。培地が凝固した後、重層し、35℃で24時間培養して、24時間培養後に暗赤色の集落(コロニー)の数を数えて、大腸菌群数(CFU/g)とした。
(3)生野菜(キュウリ)の食感、味および風味の評価:
以下の表1に示す評価基準にしたがって10名のパネラーに点数評価してもらい、その平均値を採った。
Figure 0004363966
《実施例1》
(1) キュウリ32本(約3kg)を常温(25℃)の水道水で1分間流し洗いし、濃度0.1質量%の中性洗剤(サラヤ株式会社製「ヤシノミ洗剤」)水溶液(温度25℃)30リットル中に5分間浸漬し、浸漬途中にキュウリを水溶液中で2回撹拌して洗浄した。この後、常温の水道水で1分間流し洗いし、十分すすいだ。このすすぎ後に、キュウリに付着している一般生菌数および大腸菌群数を上記した方法で測定したところ、それぞれ5.4×105CFU/gおよび3.6×103CFU/gであった。
(2) 次いで、キュウリ31本のヘタをとり、温度60℃の温水20リットル中にホール状のままで10分間浸漬した。この浸漬途中(浸漬後3分と6分の時点)にキュウリを温水中で2回撹拌した。キュウリを温水から取り出して、キュウリに付着している一般生菌数および大腸菌群数を上記した方法で測定したところ、それぞれ3.0×102CFU/gおよび検出限界未満(10CFU/g未満)であった。
(3) 温水から取り出したキュウリ30本をホール状のままで有効塩素濃度200ppm、温度18℃の次亜塩素酸ナトリウム水溶液20リットル中に10分間浸漬した。この浸漬途中(浸漬後3分と6分の時点)にキュウリを温水中で2回撹拌した。キュウリを次亜塩素酸ナトリウム水溶液から取り出して、キュウリに付着している一般生菌数および大腸菌群数を上記した方法で測定したところ、それぞれ30CFU/gおよび検出限界未満(10CFU/g未満)であった。
(4) 上記(3)において次亜塩素酸ナトリウム水溶液から取り出した30本のキュウリのうち、5本のキュウリをそのまま直接無菌のポリエチレン袋に入れて、5℃の冷蔵庫に3日間保存し、3日後に冷蔵庫から取り出し、キュウリに付着している一般生菌数および大腸菌群数を上記した方法で測定したところ、それぞれ1.4×102CFU/gおよび検出限界未満(10CFU/g未満)であった。また、冷蔵庫から取り出したキュウリを水道水で軽く洗った後(水道水を流しながら1分間洗浄)、適当な大きさにカットして10名のパネラーに食してもらい、その外観、食感、味および風味を上記の表1に記載した評価基準にしたがって評価してもらいその平均値を採ったところ、下記の表2に示すとおりであった。
(5) 上記(3)において次亜塩素酸ナトリウム水溶液から取り出した30本のキュウリのうち、別の5本のキュウリを温度25℃、濃度0.1質量%の酢酸水溶液5リットル中に5分間浸漬した。キュウリを酢酸水溶液から取り出して、無菌のポリエチレン袋に入れて、5℃の冷蔵庫に3日間保存し、3日後に冷蔵庫から取り出して、キュウリに付着している一般生菌数および大腸菌群数を上記した方法で測定したところ、それぞれ80CFU/gおよび検出限界未満(10CFU/g未満)であった。また、冷蔵庫から取り出したキュウリを適当な大きさにカットしてそのまま10名のパネラーに食してもらい、その外観、食感、味および風味を上記の表1に記載した評価基準にしたがって評価してもらいその平均値を採ったところ、下記の表2に示すとおりであった。
(6) まな板および包丁を中性洗剤で洗浄後、熱湯をかけ、さらにアルコールを使用して拭き取りを行って十分に除菌・消毒し、まな板および包丁に付着している一般生菌数および大腸菌群数を10CFU/100cm2未満となるようにした。
なお、除菌・消毒後にまな板および包丁に付着していた一般生菌数および大腸菌群数は、次のようにして測定した。
[まな板および包丁に付着していた一般生菌数および大腸菌群数の測定]
滅菌水1mlに綿棒を浸し、測定対象面100cm2(まな板は10m角、包丁は2cm×25cm×両面)を拭き取り、綿棒を滅菌水にもう一度浸し、試料原液とした。この試料原液中の一般生菌数および大腸菌群数を上記した方法で測定した。
(7) 上記(6)により除菌・消毒したまな板および包丁を使用し、更に無菌手袋をはめて、上記(3)において次亜塩素酸ナトリウム水溶液から取り出した30本のキュウリのうちの残りの20本のキュウリを厚さ約1mmにスライスした。スライスキュウリに付着している一般生菌数および大腸菌群数を上記した方法で測定したところ、それぞれ80CFU/gおよび検出限界未満(10CFU/g未満)であった。
(8) 上記(7)で得られたスライスキュウリの1/3を無菌のポリエチレン袋に入れて、5℃の冷蔵庫に3日間保存し、3日後に冷蔵庫から取り出し、冷蔵庫から取り出したスライスキュウリに付着している一般生菌数および大腸菌群数を上記した方法で測定したところ、それぞれ4.8×102CFU/gおよび検出限界未満(10CFU/g未満)であった。また、スライスキュウリを水道水で軽く洗った後(水道水を流しながら1分間洗浄)、10名のパネラーに食してもらい、その外観、食感、味および風味を上記の表1に記載した評価基準にしたがって評価してもらいその平均値を採ったところ、下記の表2に示すとおりであった。
(9) 上記(7)で得られたスライスキュウリの1/3を有効塩素濃度200ppm、温度18℃の次亜塩素酸ナトリウム水溶液20リットル中に10分間浸漬した。スライスキュウリを次亜塩素酸ナトリウム水溶液から取り出して、スライスキュウリに付着している一般生菌数および大腸菌群数を上記した方法で測定したところ、それぞれ50CFU/gおよび検出限界未満(10CFU/g未満)であった。
(10) 上記(9)で得られた次亜塩素酸ナトリウム水溶液で処理した後のスライスキュウリ(約700g)を、温度25℃、濃度0.1質量%の酢酸水溶液5リットル中に5分間浸漬した。スライスキュウリを酢酸水溶液から取り出して、スライスキュウリに付着している一般生菌数および大腸菌群数を上記した方法で測定したところ、それぞれ30CFU/gおよび検出限界未満(10CFU/g未満)であった。このスライスキュウリを無菌のポリエチレン袋に入れて、5℃の冷蔵庫に3日間保存し、3日後に冷蔵庫から取り出して、キュウリに付着している一般生菌数および大腸菌群数を上記した方法で測定したところ、それぞれ2.9×102CFU/gおよび検出限界未満(10CFU/g未満)であった。また、冷蔵庫から取り出したスライスキュウリを10名のパネラーに食してもらい、その外観、食感、味および風味を上記の表1に記載した評価基準にしたがって評価してもらいその平均値を採ったところ、下記の表2に示すとおりであった。
《比較例1》
(1) キュウリ32本(約3kg)を常温(25℃)の水道水で1分間流し洗いし、濃度0.1質量%の中性洗剤(サラヤ株式会社製「ヤシノミ洗剤」)水溶液(温度25℃)30リットル中に5分間浸漬し、浸漬途中にキュウリを水溶液中で2回撹拌して洗浄した。この後、常温の水道水で1分間流し洗いし、十分すすいだ。このすすぎ後に、キュウリに付着している一般生菌数および大腸菌群数を上記した方法で測定したところ、それぞれ1.5×105CFU/gおよび6.0×102CFU/gであった。
(2) 次いで、キュウリ31本のヘタをとり、温度60℃の温水20リットル中にホール状のままで10分間浸漬した。この浸漬途中(浸漬後3分と6分の時点)にキュウリを温水中で2回撹拌した。キュウリを温水から取り出して、キュウリに付着している一般生菌数および大腸菌群数を上記した方法で測定したところ、それぞれ4.0×102CFU/gおよび検出限界未満(10CFU/g未満)であった。
(3) まな板および包丁を中性洗剤で洗浄後、熱湯をかけ、さらにアルコールを使用して拭き取りを行って十分に除菌・消毒し、まな板および包丁に付着している一般生菌数および大腸菌群数を10CFU/100cm2未満となるようにした。
なお、除菌・消毒後にまな板および包丁に付着していた一般生菌数および大腸菌群数は、実施例1と同様にして測定した。このようにして除菌・消毒したまな板および包丁を使用し、更に無菌手袋をはめて、上記(2)において温水から取り出した30本のキュウリを厚さ約1mmにスライスした。スライスキュウリに付着している一般生菌数および大腸菌群数を上記した方法で測定したところ、それぞれ6.1×102CFU/gおよび検出限界未満(10CFU/g未満)であった。また、このスライスキュウリを無菌のポリエチレン袋に入れて、5℃の冷蔵庫に3日間保存し、3日後に冷蔵庫から取り出し、冷蔵庫から取り出したスライスキュウリに付着している一般生菌数および大腸菌群数を上記した方法で測定したところ、それぞれ6.6×103CFU/gおよび10CFU/gであった。また、スライスキュウリを10名のパネラーに食してもらい、その外観、食感、味および風味を上記の表1に記載した評価基準にしたがって評価してもらいその平均値を採ったところ、下記の表2に示すとおりであった。
上記実施例1および比較例1の結果をまとめると、以下の表2に示すとおりである。
Figure 0004363966
上記の表2の結果にみるように、キュウリには元々かなり多くの菌類が付着しており、常温の水道水や中性洗剤液による洗浄だけでは、菌類が十分には除去できない。そして、表2に示した比較例1の結果に見るように、キュウリを60℃の温水で処理するとキュウリに付着している菌類はかなり除菌されるものの、その除菌効果は未だ十分ではなく、特に温水で処理したキュウリをカット(スライス)すると菌類が再度付着して汚染されることがわかる。
それに対して、実施例1では、キュウリをホール状で温水で処理した後に、更にホール状で有効塩素濃度が30〜300ppmの範囲にある低濃度の殺菌料(次亜塩素酸ナトリウム水溶液)で処理していることにより、除菌が十分になされ、それをスライス(カット)した後でも菌類の付着や増殖が防止される。しかも、実施例1による場合は、キュウリの品質の低下が殆どなく、キュウリ本来の外観、食感、味、風味を保持している。特に、スライスしたキュウリを、再度低濃度の殺菌料(次亜塩素酸ナトリウム水溶液)で処理し、それを酢酸水溶液で処理した場合には、菌類の数が大幅に低減していて、しかも外観、食感、味、風味の点でも極めて優れるカット(スライス)キュウリが得られる。
本発明による場合は、生の野菜が本来有している外観、食感、味、風味などを損なうことなくそのまま良好に保持しながら、生の野菜に付着している菌類などの微生物を十分に除去して、安全性および衛生性に優れ、しかも鮮度、外観、食感、味、風味に優れる除菌された生の野菜を提供することができる。

Claims (5)

  1. 生野菜を、ホール状で50〜70℃の温水によって1〜15分間処理した後、ホール状のままで有効塩素濃度が30〜300ppmで且つ温度が25℃以下の次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水を用いて処理することを特徴とする生野菜の除菌方法。
  2. 次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水による処理の後に、生野菜をホール状でさらに有機酸含有水溶液で処理する請求項1に記載の除菌方法。
  3. 前記した次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水による処理時間が3〜20分間の範囲内である請求項1または2に記載の除菌方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の除菌方法によって除菌処理したホール状の生野菜を細片状にカットしてカット野菜とし、該カット野菜を更に有効塩素濃度が30〜300ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水で再度処理して、除菌された生のカット野菜を調製する方法。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の除菌方法によって除菌処理したホール状の生野菜を細片状にカットしてカット野菜とし、該カット野菜を、更に有効塩素濃度が30〜300ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液または次亜塩素酸水で再度処理した後、有機酸含有水溶液で処理して、除菌された生のカット野菜を調製する方法。
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