JP4630253B2 - 野菜類および果実類の除菌方法 - Google Patents

野菜類および果実類の除菌方法 Download PDF

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Description

本発明は、野菜類および果実類の除菌方法に関する。より詳細には、本発明は、生の野菜類や果実類が本来有している外観、食感、味、風味などを損なうことなくそのまま良好に保持しながら、生の野菜類および果実類に付着している菌類などの微生物を十分に且つ安全に除去して、安全性、衛生性、鮮度保持性、保存性などに優れる除菌された野菜類および果実類を得る方法に関する。
通常、野菜類や果実類の清浄化、皮剥き、細片状へのカットなどは、調理工程の一環として各々の調理現場で行われているが、近年、生活様式の変化や流通形態の変化などに伴って、野菜類や果実類の清浄化、皮剥き、細片状へのカットなどの工程を各々の調理現場で行わずに、工場などで予めまとめて行い、清浄化、皮剥き、カット処理などのいずれかまたは2つ以上を施した生野菜や果実類を、スーパーマーケットなどで販売したり、レストランなどの飲食店や給食センターなどの調理現場などに納入することが広く行われるようになっている。
清浄化、皮剥き、カット処理などの処理を施した状態で販売されている生の野菜類や果実類は、それを購入した家庭や飲食店などの調理現場では、清浄化、皮剥き、カットなどのような手間および時間のかかる処理工程を省略することができ、野菜類や果実類の種類やその処理形態などに応じて、そのまま直接サラダなどとして食したり、客に供することができ、或いはそのままで又は必要に応じて更に適当な大きさにカットするだけでそのまま直接煮炊きなどの調理に使用することができ、極めて便利であることから、その需要が伸びている。
特に、近年、弁当、総菜、おにぎり、カット野菜などの調理済みの食品や半調理食品が、常温またはそれに近い温度でコンビニエンスストアーや弁当販売店などで多く販売されるようになっている。これら調理済みの食品や半調理食品では、保存時や流通時などに微生物が増殖して変質や腐敗を生じないようにするために、次亜塩素酸ナトリウムやさらし粉などの塩素系の殺菌剤を用いて殺菌処理した原料を用いて食品を製造することが広く行われている。
次亜塩素酸ナトリウムやさらし粉などの塩素系殺菌剤は、低濃度では殺菌効果がそれほど高くなく、高濃度の水溶液にして用いる必要があることから、通常、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を用いて果実や野菜類を消毒する場合は、有効塩素濃度が2000ppm(500倍希釈液)前後の極めて高い濃度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液が使用されている(非特許文献1を参照)。
しかし、高濃度の塩素系殺菌剤水溶液の使用は、果実や野菜本来の食感、味、風味などの品質の低下を招き易く、しかも塩素系殺菌剤に特有の不快臭による作業環境の悪化などを生じ易い。その上、人体に対する安全性の点で考慮しなければならない塩素系殺菌剤やその分解物が殺菌処理後に食品に多量に残留する恐れがあるため、処理後に水洗処理を十分に行う必要があり、水道水の過剰使用などが生じ易い。
更に、塩素系殺菌剤やその分解物はステンレス製の調理台などの厨房設備や調理道具の腐食を招き易い。
かかる点から、次亜塩素酸ナトリウムなどの塩素系殺菌剤を用いることなく食品の除菌を行う方法が従来から提案されており、そのような従来技術として、(1)焼成カルシウム、多価アルコール、多価アルコール脂肪酸エステルおよびエチルアルコールを含有する除菌剤を用いて食品の除菌を行う方法(特許文献1を参照)、(2)ホタテ貝殻を高温で焼成して粉砕した貝殻焼成物よりなる殺菌剤を含む水に食品を浸漬させる方法(特許文献2を参照)、(3)ホタテ貝などの貝殻や卵殻を焼成して得られた酸化カルシウムを主成分とする焼成粉末と燐酸塩粉末とからなる殺菌・抗菌剤を懸濁させた水を用いて野菜類を処理する方法(特許文献3を参照)などが知られている。
しかしながら、これらの従来法によって生の野菜類や果実類の除菌を行った場合には、その除菌効果は未だ十分でなく、しかも経時変化による劣化も著しい。
日本食品工業学会編纂,「食品工業総合事典」,株式会社光琳,昭和63年3月5日発行(第2版),p402("じあえんそさんなとりうむ"の欄) 特開2002−272434号公報 特開2000−72610号公報 特開2002−265311号公報
本発明の目的は、従来汎用されてきた次亜塩素酸ナトリウムなどの塩素系殺菌剤を使用せずに、安全性により優れる処理剤を使用して、生の野菜類よび果実類が本来有している食感、味、風味などを良好に保持しながら、野菜類および果実類に付着している菌類などの微生物を十分に除去して、安全性、衛生性、鮮度保持性、保存性を向上させる方法を提供することである。
本発明者は上記の目的を達成すべく検討を重ねてきた。その結果、野菜類または果実類を、粘土鉱物と、酸化カルシウム、水酸化カルシウムおよびクエン酸カルシウムから選ばれる少なくとも1種のカルシウム成分を添加した水で処理した後に水洗するか、或いは野菜類または果実類を、粘土鉱物を添加した水で処理し、次いで前記カルシウム成分を添加した水で処理した後に水洗すると、次亜塩素酸ナトリウムなどの塩素系殺菌剤を使用した際に生ずる上記した種々の問題を回避しながら、生の野菜類および果実類に付着していた細菌などの微生物を十分に且つ安全に除去できること、しかも当該除菌処理によって生の野菜類および果実類が本来有する食感、味、風味などが損なわれないことを見出した。
さらに、本発明者らは、かかる処理を行うに当たって、除菌処理に用いる粘土鉱物とカルシウム成分を添加した水、或いは粘土鉱物を添加した水および/またはカルシウム成分を添加した水に更に乳化剤を添加すると、生の野菜類および果実類からの除菌が一層効果的に行えることを見出し、それらの知見に基づいて本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
(1) 野菜類または果実類を、粘土鉱物と、酸化カルシウム、水酸化カルシウムおよびクエン酸カルシウムから選ばれる少なくとも1種のカルシウム成分と、乳化剤を添加した水で処理した後、水洗することを特徴とする野菜類または果実類の除菌方法(以下、この除菌方法を「除菌方法A」という)である。
そして、本発明は、
(2) 粘土鉱物とカルシウム成分と乳化剤を添加した水による処理時間が1〜120分である前記(1)の除菌方法である
さらに、本発明は、
) 野菜類または果実類を、粘土鉱物と乳化剤を添加した水で処理し、次いで酸化カルシウム、水酸化カルシウムおよびクエン酸カルシウムから選ばれる少なくとも1種のカルシウム成分を添加した水で処理した後、水洗することを特徴とする野菜類または果実類の除菌方法(以下、この除菌方法を「除菌方法B」という)である。
そして、本発明は、
) 粘土鉱物と乳化剤を添加した水による処理時間が1〜120分、およびカルシウム成分を添加した水による処理時間が1〜120分である前記()の記載の除菌方法である
また、本発明は、
) 処理に使用する水の質量に基づいて、粘土鉱物を0.001〜2質量%、カルシウム成分を0.01〜10質量%および乳化剤を0.001〜0.5質量%の割合で添加する前記(1)〜()のいずれかの除菌方法である。
本発明による場合は、細菌などの微生物が十分に除去されていて、衛生性、安全性、保存性に優れる、除菌された、野菜類および果実類を円滑に得ることができる。
本発明の除菌方法では、次亜塩素酸ナトリウムなどの塩素系殺菌剤を使用せずに、それ自体で安全性に優れる粘土鉱物と、酸化カルシウム、水酸化カルシウムおよびクエン酸カルシウムから選ばれる少なくとも1種のカルシウム成分と、乳化剤を用いて除菌を行うため、塩素系殺菌剤を使用して野菜類や果実類を滅菌処理していた従来技術におけるような野菜類や果実類果実の食感、味、風味の低下がなく、野菜類および果実類が本来有する外観、食感、味、風味などを良好に維持した除菌野菜類および除菌果実類を得ることができる。
更に、本発明による場合は、塩素系殺菌剤を用いないので、ステンレス製の調理台などの厨房設備や調理道具の腐食などが生じない。
本発明の除菌方法は、ホール状の野菜類および果実類並びにカットした野菜類および果実類のいずれにも、有効に使用することができ、優れた除菌効果を奏する。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明の除菌方法の対象である野菜類および果実類の種類は特に制限されず、生の野菜類および果実類であればいずれでもよい。
限定されるものではないが、本発明の除菌方法を適用できる野菜類としては、葉菜類、果菜類、花菜類、根菜類、キノコ類、その他を挙げることができる。具体的には、葉菜類としては、例えば、カイワレ、カラシナ、キャベツ、キョウナ、グリーンカール、クレソン、ケール、コマツナ、コルニッション、サイシン、サニーレタス、サラダ菜、サンチュ、三葉、シュンギク、スイスチャード、セリ、セロリ、タアサイ、大葉、チシャ、チンゲンサイ、ツルムラサキ、菜花、ニラ、ニンニク、ネギ、根三葉、ハクサイ、パセリ、フキ、フダンソウ、ホウレンソウ、ミズナ、ミツバ、山東菜、ヨウサイ、ヨモギ、ルッコラ、レタス、ワケギなどを挙げることができる。また、果菜類としては、イチゴ、インゲンマメ、エダマメ、エンドウ、オクラ、カボチャ、カンピョウ、キュウリ、キワノ、キンウリ、コーヤ、ゴマ、ササゲ、シカクマメ、シシトウガラシ、シロウリ、スイカ、ソラマメ、ダイズ、タマリ、ツケウリ、ツルレイシ、トウガラシ、トウガン、トウモロコシ、トマト、ナス、ナタマメ、ニガウリ、パプリカ、ピーマン、ペピーノ、マクワウリ、メロン、かんぴょう、ラッカセイ、レンズマメなどを挙げることができる。また、花菜類としては、例えば、アーティチョーク、アスパラガス、カリフラワー、菊、フキノトウ、ブロッコリー、ミョウガ、アブラナなどを挙げることができる。根菜類としては、例えば、アサツキ、エビイモ、カブ、クワイ、ゴボウ、サツマイモ、里芋、ジャガイモ、ダイコン、タマネギ、ニンジン、ハス、ヤツガシラ、山芋、長芋、ユリネ、ラッキョウ、ラディッシュ、ワサビなどを挙げることができる。キノコ類としては、例えば、キクラゲ、ヒラタケ、シイタケ、マツタケ、エノキダケ、シメシ、マイタケ、ナメコ、ハツタケ、マッシュルーム、トリフなどを挙げることができる。また、その他として、例えば、モヤシ、タケノコ、ゼンマイ、ワラビ、タラノ芽などを挙げることができる。
また、本発明の除菌方法を適用できる果実類としては、例えば、あけび、アセロラ、アテモヤ、アボカド、アンズ、イチゴ、イチジク、伊予柑、梅、温州みかん、オリーブ、オレンジ、オロブランコ、柿、カボス、カリン、キウイフルーツ、キワノ、キンカン、グァバ、グズベリー、グミ、グレープフルーツ、ココナッツ、これんし、サクランボ、ザクロ、三宝柑、シイクワシャー、スイカ、スダチ、ダイダイ、タンゴール、タンゼロ、チェリモヤ、ドリアン、梨、夏ミカン、ナツメ、ナツメヤシ、パイナップル、ハスカップ、ハッサク、パッションフルーツ、バナナ、パパイヤ、ピタヤ、ひゅうがなつ、ビワ、ブドウ、ブルーベリー、ブンタン、ホワイトサポテ、ポンカン、マクワウリ、マルメロ、マンゴー、マンゴスチン、みかん、メロン、桃、山桃、ユズ、ライチー、ライム、ラズベリー、りゅうがん、リンゴ、レモン、梅干しなどを挙げることができる。
皮付きの野菜類および果実類においては、特にその皮表面部に微生物が集中しており、一般的にその中身には微生物が少ない。かかる点から、皮を剥けば除菌できるかというと、そうではなく、皮を剥く際に、包丁等の刃物が皮表面部から中身に向かって進むことになるため、皮表面部に付着している微生物が中身に持ち込まれて汚染が生ずる。そのため、野菜類および果実類では、皮付きであっても又は皮無しであっても、同様に除菌が必要とされる。
本発明の方法で除菌を行うに当たっては、野菜類および果実類をカットしたり小分けしたりせずにホール状(丸ごと)のままで除菌処理を行ってもよいし、または適当な大きさにカットして除菌処理を行ってもよい。カットして行う場合は、例えば比較的大きな塊状、小片状や線状などの細片状などいずれの大きさであってもよい。また、野菜類および果実類は、皮などを剥いてあってもよいし、剥いてなくてもよい。
要するに、除菌処理後の野菜類および果実類の流通形態、使用形態、需要形態などに応じて、適当なサイズや形態にして本発明の除菌方法を施せばよい。
本発明の除菌方法を行うに当たっては、本発明の除菌処理を行う前に、一般に行われているように常温の水を用いて水洗して、野菜類および果実類に付着しているゴミ、泥、そその他の汚れを除去して清浄にしておくのがよい。水洗の前、水洗の途中および/または水洗の後に、必要に応じて、中性洗剤などを含む水を用いて洗浄してもよい。
清浄にした野菜類または果実類を、本発明の除菌方法Aまたは除菌方法Bによって除菌する。
除菌方法Aおよび除菌方法B(以下これらを総称して「本発明の除菌方法」ということがある)で用い得る粘土鉱物の代表例は、シリカ系(SiO2系)粘土鉱物、シリカ・生石灰系(SiO2・CaO系)粘土鉱物、シリカ・マグネシア系(SiO2・MgO系)粘土鉱物、シリカ・アルミナ・マグネシア系(SiO2・Al23・MgO系)粘土鉱物、シリカ・アルミナ系(SiO2・Al23系)粘土鉱物、炭酸マグネシウム系[Mg(CO32系]粘土鉱物である。
シリカ系粘土鉱物の具体例としては、純珪石[例えば林化成(株)製「Min−u−sil#5」、キンセイマテック(株)製「SQ−PL2」など]、珪石粉[例えば林化成(株)製「WG200」など]、風化珪石、ケイソウ土[例えば昭和化学工業(株)製「ラヂオライトF」など]、セライト[例えば林化成(株)製「#505」など]、酸性白土[例えば水澤化学工業(株)製「ミズカエース#20」など]を挙げることができる。
シリカ・生石灰系粘土鉱物の具体例としては、ワラスナイト[例えば、林化成(株)製「VM−8N」など]を挙げることができる。
シリカ・マグネシア系粘土鉱物の具体例としては、タルク(滑石)[例えば林化成(株)製「MW HS−T」、ソブエクレー(株)製「ミクロンホワイト#5000S」など]を挙げることができる。
また、シリカ・アルミナ・マグネシア系粘土鉱物の具体例としては、アタパルジャイト[例えば林化成(株)製「マイクロソープ400−LVM」など]を挙げることができる。
更に、シリカ・アルミナ系粘土鉱物の具体例としては、含水カオリン[例えば林化成(株)製「SPA−200」など]、焼成カオリン[例えば林化成(株)製「サテントン5」など]、ワラストナイト[例えば林化成(株)製「月印中和」など]、精製ベントナイト[例えば林化成(株)製「ベンゲル」、クニミネ工業(株)製「クニピアF」など]、パーライト[例えば林化成(株)製「パーライト479」、林化成(株)製「ロカヘルプ#419」、東興パーライト工業(株)製「トプコパーライトNo.3」など]、ミズライト[例えば水澤化学工業(株)製「ミズライト」]などを挙げることができる。
本発明では、粘土鉱物として前記した粘土鉱物の1種または2種以上を用いることができる。
粘土鉱物は、水に均一に分散するように、微粒子状になっていることが好ましく、一般的には粒径が50μm以下、更には20μm以下、特に10μm以下の粘土鉱物微粒子(粘土鉱物粉末)が好ましく用いられる。
また、本発明の除菌方法では、酸化カルシウム、水酸化カルシウムおよびクエン酸カルシウムのうちの少なくとも1種を用いる。
酸化カルシウムは、酸化カルシウム100%からなるものであっても、または酸化カルシウムを主体とし他の成分を少量成分として含むものであってもいずれでもよい。本発明で用い得る酸化カルシウムとしては、例えば、石灰石を焼いて製造した酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硝酸カルシウム、クエン酸カルシウムなどのカルシウム塩や水酸化カルシウムを焼成して製造した酸化カルシウム、貝殻、骨、サンゴ、乳清、卵殻などのカルシウム含有材料を焼成して製造した酸化カルシウムなどを挙げることができる。
酸化カルシウムは、除菌処理に使用する水中に添加すると、水酸化カルシウムに変化する。
また、本発明の除菌方法でカルシウム成分として用い得る水酸化カルシウム(消石灰)は、水酸化カルシウム100%からなるものであっても、または水酸化カルシウムを主体とし他の成分を少量成分として含むものであってもいずれでもよい。
さらに、本発明でカルシウム成分として用い得るクエン酸カルシウムには、カルシウムにクエン酸が2個結合した正塩とクエン酸水素カルシウムがあるが、本発明ではいずれも使用でき、特に正塩が好ましい。
本発明の除菌方法では、カルシウム成分として、上記した酸化カルシウム、水酸化カルシウムおよびクエン酸カルシウムのうちの1種類のみを用いてもよいし、または2種以上を用いてもよい。
以下に除菌方法Aおよび除菌方法Bのそれぞれについて更に詳細に説明する。
《除菌方法A》
本発明の除菌方法Aでは、上記した粘土鉱物の少なくとも1種とカルシウム成分の少なくとも1種と乳化剤を水に添加して水中に均一に分散および/または溶解させて除菌処理用の水を調製する。
除菌処理用の水を調製する際の粘土鉱物の添加量は、除菌効果、沈降防止効果、膨潤効果、増粘効果、吸着効果などの点から、水の質量に基づいて、0.001〜2質量%であることが好ましく、0.01〜0.5質量%であることがより好ましく、0.05〜0.2質量%であることが更に好ましい。
除菌処理用の水への粘土鉱物の添加量が少なすぎると、野菜類または果実類の除菌が円滑に行われなくなり、一方効果がサチレートした後に添加量を多くしても、粘土鉱物が無駄になり、また除菌対象物への付着が多くなりすぎる。
また、除菌処理用の水を調製する際のカルシウム成分の添加量は、除菌効果、吸着効果、洗浄効果などの点から、水の質量に基づいて、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.05〜1質量%であることがより好ましく、0.1〜0.5質量%であることが更に好ましい。
水へのカルシウム成分の添加量が少なすぎると、野菜類または果実類の除菌が円滑に行われなくなり、一方添加量が多すぎると、飽和による沈殿が生じ、異物と誤認され易い。
除菌方法Aでは、粘土鉱物とカルシウム成分を添加した除菌処理用の水に、さらに乳化剤(界面活性剤)を添加することによって、野菜類または果実類の除菌効果が一層向上する。
その理由は明確ではないが、乳化剤を除菌処理用の水に添加することによって、除菌処理用の水中に粘土鉱物およびカルシウム成分が均一に分散し易くなり、しかも野菜類または果実類の表面が濡れ易くなって、除菌処理用の水の野菜類または果実類の表面への接触および/または表面からの浸透が促進されるためであると考えられる。
乳化剤としては、食品に対して使用可能な乳化剤であればいずれでもよく、例えば、グリセリン高級脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、酢酸モノグリセリド、乳酸モノグリセリド、クエン酸モノグリセリド、ジアセチル酒石酸モノグリセリド、コハク酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル、キラヤ抽出物、ダイズサポニン、チャ種子サポニン、レシチン(植物レシチン、卵黄レシチン)などを挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
除菌処理用の水への乳化剤添加量は、水の質量に基づいて、0.001〜0.5質量%であることが好ましく、0.01〜0.05質量%であることがより好ましい。
除菌処理用の水は、上記した成分の他に、必要に応じて、酢酸、クエン酸、フマル酸、アジピン酸、乳酸などの有機酸やそれらの塩、アルコール類、蛋白分解酵素、澱粉分解酵素、難消化性多糖類分解酵素、脂質分解酵素などを含有することができる。
除菌方法Aで用いる、粘土鉱物、カルシウム成分、乳化剤および必要に応じて他の成分を添加して調製した除菌処理用の水のpHは、9.5〜13.5、特に11.5〜12.5であることが、除菌効果が高く、連続処理に対しても安定した効果が得られる点から好ましい。除菌処理用の水のpHが、前記範囲よりも低いと、除菌効果が弱くなり易く、一方前記範囲よりも高いと、野菜類および果実類の品質の低下、変色などが生じ易くなる。
除菌方法Aでは、除菌処理用の水による処理は、野菜類または果実類を除菌処理用の水の中に浸漬する方法、除菌処理用の水を野菜類または果実類にシャワー状に噴射する方法、除菌処理用の水を蛇口などから流水させながら野菜類または果実類を洗う方法、それらの2つ以上の組み合わせなどのいずれの方法で行ってもよい。そのうちでも、野菜類または果実類を除菌処理用の水の中に浸漬して処理する方法が、除菌効果が高く且つ操作が簡単であることから好ましい。
野菜類または果実類を除菌処理用の水の中に浸漬して処理する場合は、野菜類または果実類を除菌処理用の水の中に静置した状態で所定時間放置して浸漬処理してもよいし、野菜類または果実類を除菌処理用の水の中で動かしながら所定時間浸漬処理してもよいし、除菌処理用の水の方を撹拌、流動などによって動かしながら所定時間浸漬処理してもよい。野菜類または果実類の種類、性質(破損しにくいか破損し易いかなど)、サイズなどに応じて、各々に適した水中浸漬形態を採用すればよい。
野菜類または果実類を除菌処理用の水の中に浸漬して処理する際の水の温度は、一般に0〜50℃、特に20〜40℃であることが好ましい。除菌処理用の水の温度が高すぎると、野菜類または果実類の鮮度が低下し易くなる。
また、浸漬処理に用いる除菌処理用の水の量(浴比)は、1:2〜500(質量比)、特に1:10〜100(質量比)であることが好ましい。
除菌処理用の水の中への野菜類または果実類の浸漬時間は、野菜類または果実類の種類、サイズ、性状などに応じて調節する必要があるが、一般的には、1〜120分、特に10〜60分であることが好ましく、前記した範囲から各々の状況に適した浸漬時間を採用するのがよい。
野菜類または果実類を除菌処理用の水の中に浸漬して処理する際に、水が例えば前のバッチに用いられていて汚れていると、浸漬処理を行う意味がなくなるので、水の汚染度合いに応じて除菌処理用の水の一部または全部を新しいものに取り替えて処理を行ったり、または滅菌設備を備えた循環式の処理装置を用いて除菌処理用の水を滅菌しながら処理を行うことが極めて望ましい。
また、野菜類または果実類に除菌処理用の水をシャワー状に噴射して処理する場合は、水圧が0.1〜1MPaの水シャワーを1〜60分間噴射し、野菜類または果実類100質量部に対して除菌処理用の水の噴射量が10〜500質量部程度になるようにして処理を行うことが、除菌効果および生の野菜類および果実類の本来の食感、味、風味の保持などの点から好ましい。
野菜類または果実類に除菌処理用の水をシャワー状に噴射して処理を行う場合は、野菜類または果実類の全表面が除菌処理用の水のシャワーに均一またはほぼ均一に接触するようにするために、処理中に野菜類または果実類に傷がつかないようにしながら転動させて処理を行ったり、野菜類または果実類の周囲から除菌処理用の水のシャワーを噴射する設備を備えた装置を用いて処理を行うことが好ましい。
噴射処理に用いた除菌処理用の水は、回収し、滅菌設備で滅菌処理した後に再度このシャワー処理に用いてもよい。
上記によって除菌処理用の水で処理した野菜類または果実類を、次に水洗する。
水洗は、野菜類または果実類の表面全体が水で洗われるようにして行う。
水洗は、野菜類または果実類を洗浄水の中に浸漬する方法、洗浄水を野菜類または果実類にシャワー状に噴射する方法、洗浄水を蛇口などから流水させながら野菜類または果実類を洗う方法、それらの2つ以上の組み合わせなどのいずれの方法で行ってもよい。そのうちでも、野菜類または果実類を除菌処理用の洗浄水の中に浸漬する方法、洗浄水を蛇口などから流水させながら野菜類または果実類を洗う方法、またはそれらの組み合わせが、洗浄効果が高いことから好ましい。
洗浄水としては、水道水などの上水、洗浄用に特別に調製した精製水などを用いる。
野菜類または果実類を洗浄水の中に浸漬して洗う場合は、野菜類または果実類を洗浄水の中に静置した状態で所定時間放置して洗ってもよいが、水洗を速やかに確実に行うためには、野菜類または果実類を洗浄水の中で動かしながら洗うことが好ましい。
野菜類または果実類を洗浄水に浸漬して洗う際の水の量(浴比)は、1:2〜500(質量比)、特に1:10〜100(質量比)であることが好ましい。
また、蛇口などから洗浄水を流しながら野菜類または果実類を洗う場合は、野菜類または果実類などの食品や食器などを水洗する際に通常行われているのと同じように行えばよい。
洗浄水の温度は、一般に0〜40℃、特に20〜40℃であることが、野菜類または果実類の鮮度維持などの点から好ましい。
また、水洗時間は、野菜類または果実類の量、種類、サイズ、形などに応じて調整すればよい。
水洗の終了した野菜類または果実類は、十分に水切りすることが好ましい。水切りが足りないと、除菌が不十分になることがある。
水切りの方法は、野菜類または果実類の種類、形、大きさなどに応じて適当な方法を採用すればよく、例えば、水洗した野菜類または果実類を手で持って振り、水を振り落とす方法、遠心式の脱水機を用いる方法、水洗した野菜類または果実類を網などの上に載せてしばらく置いておく方法、野菜類または果実類に付着している水分を吸水紙などで吸い取る方法、水洗した野菜類または果実類に風を当てて乾燥させる方法、前記した方法の2つ以上の組み合わせなどを挙げることができる。
この除菌方法Aによって、十分に除菌されていて安全性および衛生性に優れ、しかも生の野菜類や果実類が本来有している外観、食感、味、風味などを良好に保持した除菌野菜類および除菌果実類が得られる。
《除菌方法B》
本発明の除菌方法Bでは、まず、上記した粘土鉱物の少なくとも1種と乳化剤を添加した第1の処理水を用いて野菜類または果実類を処理する。
当該第1の処理水を調製する際の粘土鉱物の添加量は、除菌効果、吸着効果、増粘効果などの点から、水の質量に基づいて、0.001〜2質量%であることが好ましく、0.01〜0.5質量%であることがより好ましく、0.05〜0.2質量%であることが更に好ましい。
水への粘土鉱物の添加量が少なすぎると、野菜類または果実類の除菌が円滑に行われなくなり、一方効果がサチレートした後、それ以上に添加量を多くしても、粘土鉱物が無駄になり、また除菌対象物への付着が多くなり過ぎる。
第1の処理水のpHは、8.5〜12.5、更には9〜11、特に9.5〜10.5であることが、除菌効果、水中での粘土鉱物の均一分散、表面活性などの点から好ましい。
粘土鉱物と乳化剤を添加した第1の処理水による処理は、野菜類または果実類を第1の処理水中に浸漬する方法、第1の処理水を野菜類または果実類にシャワー状に噴射する方法、第1の処理水を蛇口などから流水させながら野菜類または果実類を洗う方法、それらの2つ以上の組み合わせなどのいずれの方法で行ってもよい。そのうちでも、野菜類または果実類を第1の処理水中に浸漬して処理する方法が、除菌効果が高く且つ操作が簡単であることから好ましい。
野菜類または果実類を第1の処理水中に浸漬して処理する場合は、野菜類または果実類を第1の処理水中に静置した状態で所定時間放置して浸漬処理してもよいし、野菜類または果実類を第1の処理水中で動かしながら所定時間浸漬処理してもよいし、第1の処理水の方を撹拌、流動などによって動かしながら所定時間浸漬処理してもよい。野菜類または果実類の種類、性質(破損しにくいか破損し易いかなど)、サイズなどに応じて、各々に適した水中浸漬形態を採用すればよい。
野菜類または果実類を第1の処理水中に浸漬して処理する際の水の温度は、一般に0〜50℃、特に20〜40℃であることが好ましい。第1の処理水の温度が高すぎると、野菜類または果実類の鮮度および食感が低下し易くなる。
また、浸漬処理に用いる第1の処理水の量(浴比)は、1:2〜500(質量比)、特に1:10〜100(質量比)であることが好ましい。
第1の処理水中への野菜類または果実類の浸漬時間は、野菜類または果実類の種類、サイズ、性状などに応じて調節する必要があるが、一般的には1〜120分、特に10〜60分であることが好ましく、前記した範囲から各々の状況に適した浸漬時間を採用するのがよい。
野菜類または果実類を第1の処理水中に浸漬して処理する際に、水が例えば前のバッチに用いられていて汚れていると、浸漬処理を行う意味がなくなるので、水の汚染度合いに応じて第1の処理水の一部または全部を新しいものに取り替えて処理を行ったり、または滅菌設備を備えた循環式の処理装置を用いて第1の処理水を滅菌しながら処理を行うことが極めて望ましい。
また、野菜類または果実類に第1の処理水をシャワー状に噴射して処理する場合は、水圧が0.1〜1MPaの水シャワーを1〜60分間噴射し、野菜類または果実類100質量部に対して第1の処理水の噴射量が10〜500質量部程度になるようにして処理を行うことが、除菌効果および生の野菜類および果実類の本来の食感、味、風味の保持などの点から好ましい。
野菜類または果実類に第1の処理水をシャワー状に噴射して処理を行う場合は、野菜類または果実類の全表面が第1の処理水のシャワーに均一またはほぼ均一に接触するようにするために、処理中に野菜類または果実類に傷がつかないようにしながら転動させて処理を行ったり、野菜類または果実類の周囲から第1の処理水のシャワーを噴射する設備を備えた装置を用いて処理を行うことが好ましい。
噴射処理に用いた第1の処理水は、回収し、滅菌設備で滅菌処理した後に再度このシャワー処理に用いてもよい。
粘土鉱物と乳化剤を添加した第1の処理水で処理した野菜類または果実類を、水洗せずに、または水洗した後に、次に酸化カルシウム、水酸化カルシウムおよびクエン酸カルシウムから選ばれる少なくとも1種のカルシウム成分を添加した第2の処理水で処理する。
第1の処理水で処理した後に水洗し、次いで第2の処理水で処理すると、粘土鉱物による野菜類または果実類の着色をより低減することができる。
第1の処理水で処理した後に水洗し、次いで第2の処理水で処理する際には、当該水洗は野菜類または果実類の表面全体が水で洗われるようにして水洗を行う。
水洗は、野菜類または果実類を洗浄水の中に浸漬する方法、洗浄水を野菜類または果実類にシャワー状に噴射する方法、洗浄水を蛇口などから流水させながら野菜類または果実類を洗う方法、それらの2つ以上の組み合わせなどのいずれの方法で行ってもよい。
そのうちでも、野菜類または果実類を洗浄水中に浸漬する方法、洗浄水を蛇口などから流水させながら野菜類または果実類を洗う方法、またはそれらの組み合わせが、洗浄効果が高いことから好ましい。
洗浄水としては、水道水などの上水、洗浄用に特別に調製した精製水などを用いる。
第2の処理水を調製する際のカルシウム成分の添加量は、除菌効果、吸着効果、洗浄効果などの点から、水の質量に基づいて、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.05〜1質量%であることがより好ましく、0.1〜0.5質量%であることが更に好ましい。
水へのカルシウム成分の添加量が少なすぎると、野菜類または果実類の除菌が円滑に行われなくなり、一方添加量が多すぎると、飽和による沈殿を生じ、異物と認識され易くなる。
第2の処理水のpHは、9.5〜13.5、更には10.5〜13、特11.5〜12.5であることが、除菌効果、水中での粘土鉱物の均一分散、除菌効果の安定性などの点から好ましい。
前記カルシウム成分を添加した第2の処理水による処理は、野菜類または果実類を第2の処理水中に浸漬する方法、第2の処理水を野菜類または果実類にシャワー状に噴射する方法、第2の処理水を蛇口などから流水させながら野菜類または果実類を洗う方法、それらの2つ以上の組み合わせなどのいずれの方法で行ってもよい。そのうちでも、野菜類または果実類を第2の処理水中に浸漬して処理する方法が、除菌効果が高く且つ操作が簡単であることから好ましい。
野菜類または果実類を第2の処理水中に浸漬して処理する場合は、野菜類または果実類を第2の処理水中に静置した状態で所定時間放置して浸漬処理してもよいし、野菜類または果実類を第2の処理水中で動かしながら所定時間浸漬処理してもよいし、第2の処理水の方を撹拌、流動などによって動かしながら所定時間浸漬処理してもよい。野菜類または果実類の種類、性質(破損しにくいか破損し易いかなど)、サイズなどに応じて、各々に適した水中浸漬形態を採用すればよい。
野菜類または果実類を第2の処理水中に浸漬して処理する際の水の温度は、一般に0〜50℃、特に20〜40℃であることが好ましい。第2の処理水の温度が高すぎると、野菜類または果実類の鮮度および食感が低下し易くなる。
また、浸漬処理に用いる第2の処理水の量(浴比)は、1:2〜500(質量比)、特に1:10〜100(質量比)であることが好ましい。
第2の処理水中への野菜類または果実類の浸漬時間は、野菜類または果実類の種類、サイズ、性状などに応じて調節する必要があるが、一般的には1〜120分、特に10〜60分であることが好ましく、前記した範囲から各々の状況に適した浸漬時間を採用するのがよい。
野菜類または果実類を第2の処理水中に浸漬して処理する際に、水が例えば前のバッチに用いられていて汚れていると、浸漬処理を行う意味がなくなるので、水の汚染度合いに応じて第2の処理水の一部または全部を新しいものに取り替えて処理を行ったり、または滅菌設備を備えた循環式の処理装置を用いて第2の処理水を滅菌しながら処理を行うことが極めて望ましい。
また、野菜類または果実類に第2の処理水をシャワー状に噴射して処理する場合は、水圧が0.1〜1MPaの水シャワーを1〜60分間噴射し、野菜類または果実類100質量部に対して第2の処理水の噴射量が10〜500質量部程度になるようにして処理を行うことが、除菌効果および生の野菜類および果実類の本来の食感、味、風味の保持などの点から好ましい。
野菜類または果実類に第2の処理水をシャワー状に噴射して処理を行う場合は、野菜類または果実類の全表面が第2の処理水のシャワーに均一またはほぼ均一に接触するようにするために、処理中に野菜類または果実類に傷がつかないようにしながら転動させて処理を行ったり、野菜類または果実類の周囲から第2の処理水のシャワーを噴射する設備を備えた装置を用いて処理を行うことが好ましい。
噴射処理に用いた第2の処理水は、回収し、滅菌設備で滅菌処理した後に再度このシャワー処理に用いてもよい。
除菌方法Bでは、粘土鉱物を添加した第1の処理水に、更に乳化剤(界面活性剤)を添加することによって、野菜類または果実類の除菌効果が一層向上する。
その際の乳化剤の種類としては、除菌方法Aに係る上記説明箇所に記載したのと同様の乳化剤の1種または2種以上を用いることができる。
第1の処理水への乳化剤の添加量は、第1の処理水の調製に用いる水の質量に基づいて、0.001〜0.5質量%であることが好ましく、0.01〜0.05質量%であることがより好ましい。
また、除菌方法Bでは、第1の処理水および第2の処理水の一方または両方に、必要に応じて、酢酸、クエン酸、フマル酸、アジピン酸、乳酸などの有機酸やそれらの塩、アルコール類、蛋白分解酵素、澱粉分解酵素、難消化性多糖類分解酵素、脂質分解酵素などを添加してもよい。
カルシウム成分を添加した第2の処理水で処理した野菜類または果実類を、次に水洗する。
水洗は、野菜類または果実類の表面全体が水で洗われるようにして行う。
水洗は、野菜類または果実類を洗浄水の中に浸漬する方法、洗浄水を野菜類または果実類にシャワー状に噴射する方法、洗浄水を蛇口などから流水させながら野菜類または果実類を洗う方法、それらの2つ以上の組み合わせなどのいずれの方法で行ってもよい。そのうちでも、野菜類または果実類を除菌処理用の洗浄水の中に浸漬する方法、洗浄水を蛇口などから流水させながら野菜類または果実類を洗う方法、またはそれらの組み合わせが、洗浄効果が高いことから好ましい。
洗浄水としては、水道水などの上水、洗浄用に特別に調製した精製水などを用いる。
野菜類または果実類を洗浄水の中に浸漬して洗う場合は、野菜類または果実類を洗浄水の中に静置した状態で所定時間放置して洗ってもよいが、水洗を速やかに確実に行うためには、野菜類または果実類を洗浄水の中で動かしながら洗うことが好ましい。
野菜類または果実類を洗浄水に浸漬して洗う際の水の量(浴比)は、1:2〜500(質量比)、特に1:10〜100(質量比)であることが好ましい。
また、蛇口などから洗浄水を流しながら野菜類または果実類を洗う場合は、野菜類または果実類などの食品や食器などを水洗する際に通常行われているのと同じように行えばよい。
洗浄水の温度は、一般に0〜40℃、特に20〜40℃であることが、野菜類または果実類の鮮度維持などの点から好ましい。
また、水洗時間は、野菜類または果実類の量、種類、サイズ、形などに応じて調整すればよい。
水洗の終了した野菜類または果実類は、十分に水切りすることが好ましい。水切りが足りないと、除菌が不十分になることがある。
水切りの方法は、野菜類または果実類の種類、形、大きさなどに応じて適当な方法を採用すればよく、例えば、水洗した野菜類または果実類を手で持って振り、水を振り落とす方法、遠心式の脱水機を用いる方法、水洗した野菜類または果実類を網などの上に載せてしばらく置いておく方法、野菜類または果実類に付着している水分を吸水紙などで吸い取る方法、水洗した野菜類または果実類に風を当てて乾燥させる方法、前記した方法の2つ以上の組み合わせなどを挙げることができる。
この除菌方法Bによっても、十分に除菌されていて安全性および衛生性に優れ、しかも生の野菜類や果実類が本来有している外観、食感、味、風味などを良好に保持した除菌野菜類および除菌果実類が得られる。
以下に本発明を実施例などにより具体的に説明するが、本発明は以下の例により何ら限定されるものではない。
以下の例において、生の野菜類に付着している一般生菌数の測定は、次のようにして行った。
[一般生菌数の測定]
検体(生の野菜)25gを秤量し、滅菌したリン酸緩衝生理食塩水(pH7.2)225gを加え、60秒間ストマッカー処理(細菌検査用ホモジナイザで60秒間均質化処理)をしたものを試料原液として用いて、さらに10倍段階希釈液を調製した。この希釈液を滅菌シャーレに1ml分注し、さらに滅菌した標準寒天培地(栄研化学株式会社製「デソキシコーレイト寒天培地」)を適量分注して混和した。それを35℃で48時間培養して、48時間培養後の集落(コロニー)の数を数えて、一般生菌数(CFU/g)とした。
《実施例1》
キャベツ(約1800g)の芯を除いた後、洗浄せずに、そのまま放射状に12等分して、試験区1〜12用の試料とした。
(1)試験区1(対照区):
(i) 試験区1用のキャベツ(約150g)については、除菌処理を施さずに、温度25℃の水道水5リットルにそのまま直接30秒間浸漬し(浸漬して10秒後と20秒後に滅菌処理した箸を用いて水中でキャベツを2回撹拌)、次いで水道水から取り出して滅菌処理した網の上に10分間放置して水切りした。
(ii) 上記(i)で水切りしたキャベツの一部(25g)を採取して上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
また、残りのキャベツをポリエチレン製の袋に入れて温度5℃の冷蔵庫で48時間(2日間)冷蔵保存した後、冷蔵庫より取り出して、上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
(2)試験区2(比較用区):
(i) 水道水に次亜塩素酸ナトリウムを添加して次亜塩素酸ナトリウム濃度が200ppmの水溶液(25℃)を調製し、この水溶液5リットル中に試験区2用のキャベツ(約150g)を30分間浸漬した(浸漬して10分後と20分後に滅菌処理した箸を用いて水中でキャベツを2回撹拌)。
(ii) 次いで、キャベツを次亜塩素酸ナトリウム水溶液から取り出して、温度25℃の水道水5リットルにそのまま直接30秒間浸漬して水洗し(浸漬して10秒後と20秒後に滅菌処理した箸を用いて水中でキャベツを2回撹拌)、次いで水道水から取り出して滅菌処理した網の上に10分間放置して水切りした。
(iii) 上記(ii)で水切りしたキャベツの一部(25g)を採取して上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
また、残りのキャベツをポリエチレン製の袋に入れて温度5℃の冷蔵庫で48時間(2日間)冷蔵保存した後、冷蔵庫より取り出して、上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
(3)試験区3(比較用区):
(i) 水道水に酸化カルシウム[北海道共同石灰(株)製「シェルライムHTO」、貝殻焼成品]を0.1質量%の量で添加して処理用水(25℃)を調製し、この処理用水5リットル中に試験区3用のキャベツ(約150g)を30分間浸漬した(浸漬して10分後と20分後に滅菌処理した箸を用いて水中でキャベツを2回撹拌)。
(ii) 次いで、キャベツを処理用水から取り出し、上記(2)(試験区2)の(ii)と同様にして水洗し、水切りした。
(iii) 上記(ii)で水切りしたキャベツの一部(25g)を採取して上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
また、残りのキャベツをポリエチレン製の袋に入れて温度5℃の冷蔵庫で48時間(2日間)冷蔵保存した後、冷蔵庫より取り出して、上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
(4)試験区4(比較用区):
(i) 水道水に水酸化カルシウム[富田製薬(株)製]を0.1質量%の量で添加して処理用水(25℃)を調製し、この処理用水5リットル中に試験区4用のキャベツ(約150g)を30分間浸漬した(浸漬して10分後と20分後に滅菌処理した箸を用いて水中でキャベツを2回撹拌)。
(ii) 次いで、キャベツを処理用水から取り出し、上記(2)(試験区2)の(ii)と同様にして水洗し、水切りした。
(iii) 上記(ii)で水切りしたキャベツの一部(25g)を採取して上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
また、残りのキャベツをポリエチレン製の袋に入れて温度5℃の冷蔵庫で48時間(2日間)冷蔵保存した後、冷蔵庫より取り出して、上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
(5)試験区5
(i) 水道水に粘土鉱物[ケイソウ土(昭和化学工業(株)製「ラヂオライト#100」)と精製ベントナイト((株)ホージュン製「ベンゲル」)とパーライト(三井金属鉱業(株)製「ロカヘルプ#419」)を1:1:1の質量比で混合したもの(以下「粘土鉱物A(3種混合)」ということがある]を0.1質量%および酸化カルシウム[北海道共同石灰(株)製「シェルライムHTO」、貝殻焼成品]を0.1質量%の量で添加して処理用水(25℃)を調製し、この処理用水5リットル中に試験区5用のキャベツ(約150g)を30分間浸漬した(浸漬して10分後と20分後に滅菌処理した箸を用いて水中でキャベツを2回撹拌)。
(ii) 次いで、キャベツを処理用水から取り出し、上記(2)(試験区2)の(ii)と同様にして水洗し、水切りした。
(iii) 上記(ii)で水切りしたキャベツの一部(25g)を採取して上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
また、残りのキャベツをポリエチレン製の袋に入れて温度5℃の冷蔵庫で48時間(2日間)冷蔵保存した後、冷蔵庫より取り出して、上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
(6)試験区6
(i) 水道水に試験区5で使用したのと同じ粘土鉱物(3種混合)を0.1質量%および水酸化カルシウム[富田製薬(株)製]を0.1質量%の量で添加して処理用水(25℃)を調製し、この処理用水10リットル中に試験区6用のキャベツ(約150g)を30分間浸漬した(浸漬して10分後と20分後に滅菌処理した箸を用いて水中でキャベツを2回撹拌)。
(ii) 次いで、キャベツを処理用水から取り出し、上記(2)(試験区2)の(ii)と同様にして水洗し、水切りした。
(iii) 上記(ii)で水切りしたキャベツの一部(25g)を採取して上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
また、残りのキャベツをポリエチレン製の袋に入れて温度5℃の冷蔵庫で48時間(2日間)冷蔵保存した後、冷蔵庫より取り出して、上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
(7)試験区7
(i) 水道水に試験区5で使用したのと同じ粘土鉱物(3種混合)を0.1質量%およびクエン酸カルシウム[三栄源エフ・エフ・アイ(株)製]を0.1質量%の量で添加して処理用水(25℃)を調製し、この処理用水5リットル中に試験区7用のキャベツ(約150g)を30分間浸漬した(浸漬して10分後と20分後に滅菌処理した箸を用いて水中でキャベツを2回撹拌)。
(ii) 次いで、キャベツを処理用水から取り出し、上記(2)(試験区2)の(ii)と同様にして水洗し、水切りした。
(iii) 上記(ii)で水切りしたキャベツの一部(25g)を採取して上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
また、残りのキャベツをポリエチレン製の袋に入れて温度5℃の冷蔵庫で48時間(2日間)冷蔵保存した後、冷蔵庫より取り出して、上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
(8)試験区8
(i) 水道水に粘土鉱物[ケイソウ土(昭和化学工業(株)製「ラヂオライト#100」)]を0.1質量%および酸化カルシウム[(株)エヌシーコーポレーション製「貝殻カルシウム」、貝殻焼成品]を0.1質量%の量で添加して処理用水(25℃)を調製し、この処理用水5リットル中に試験区8用のキャベツ(約150g)を30分間浸漬した(浸漬して10分後と20分後に滅菌処理した箸を用いて水中でキャベツを2回撹拌)。
(ii) 次いで、キャベツを処理用水から取り出し、上記(2)(試験区2)の(ii)と同様にして水洗し、水切りした。
(iii) 上記(ii)で水切りしたキャベツの一部(25g)を採取して上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
また、残りのキャベツをポリエチレン製の袋に入れて温度5℃の冷蔵庫で48時間(2日間)冷蔵保存した後、冷蔵庫より取り出して、上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
(9)試験区9
(i) 水道水に粘土鉱物[ケイソウ土(昭和化学工業(株)製「ラヂオライトF」)]を0.1質量%および水酸化カルシウム[三栄源エフ・エフ・アイ(株)製]を0.1質量%の量で添加した処理用水(25℃)を調製し、この処理用水5リットル中に試験区9用のキャベツ(約150g)を30分間浸漬した(浸漬して10分後と20分後に滅菌処理した箸を用いて水中でキャベツを2回撹拌)。
(ii) 次いで、キャベツを処理用水から取り出し、上記(2)(試験区2)の(ii)と同様にして水洗し、水切りした。
(iii) 上記(ii)で水切りしたキャベツの一部(25g)を採取して上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
また、残りのキャベツをポリエチレン製の袋に入れて温度5℃の冷蔵庫で48時間(2日間)冷蔵保存した後、冷蔵庫より取り出して、上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
(10)試験区10
(i) 水道水に粘土鉱物[ドロマイト((株)エヌシーコーポレーション製)]を0.1質量%および酸化カルシウム[(株)エヌシーコーポレーション製「フィッシュカル」、魚骨焼成品]を0.1質量%の量で添加した処理用水(25℃)を調製し、この処理用水5リットル中に試験区10用のキャベツ(約150g)を30分間浸漬した(浸漬して10分後と20分後に滅菌処理した箸を用いて水中でキャベツを2回撹拌)。
(ii) 次いで、キャベツを処理用水から取り出し、上記(2)(試験区2)の(ii)と同様にして水洗し、水切りした。
(iii) 上記(ii)で水切りしたキャベツの一部(25g)を採取して上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
また、残りのキャベツをポリエチレン製の袋に入れて温度5℃の冷蔵庫で48時間(2日間)冷蔵保存した後、冷蔵庫より取り出して、上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
(11)試験区11(発明区):
(i) 水道水に試験区5で使用したのと同じ粘土鉱物A(3種混合)を0.1質量%および水酸化カルシウム[三栄源エフ・エフ・アイ(株)製]を0.1質量%の割合で添加すると共に乳化剤[三菱化学フーズ(株)製「L−7D」、ポリグリセリン脂肪酸エステル]を濃度が500ppmになる量で添加して処理用水(25℃)を調製し、この処理用水5リットル中に試験区11用のキャベツ(約150g)を30分間浸漬した(浸漬して10分後と20分後に滅菌処理した箸を用いて水中でキャベツを2回撹拌)。
(ii) 次いで、キャベツを処理用水から取り出し、上記(2)(試験区2)の(ii)と同様にして水洗し、水切りした。
(iii) 上記(ii)で水切りしたキャベツの一部(25g)を採取して上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
また、残りのキャベツをポリエチレン製の袋に入れて温度5℃の冷蔵庫で48時間(2日間)冷蔵保存した後、冷蔵庫より取り出して、上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
(12)試験区12(発明区):
(i) 水道水に試験区5で使用したのと同じ粘土鉱物A(3種混合)を0.1質量%および酸化カルシウム[(株)エヌシーコーポレーション製「貝殻カルシウム」、貝殻焼成品]を0.1質量%の割合で添加すると共に、乳化剤[三菱化学フーズ(株)製「S−1570」、蔗糖脂肪酸エステル系)を濃度が500ppmになる量で添加して処理用水(25℃)を調製し、この処理用水5リットル中に試験区12用のキャベツ(約150g)を30分間浸漬した(浸漬して10分後と20分後に滅菌処理した箸を用いて水中でキャベツを2回撹拌)。
(ii) 次いで、キャベツを処理用水から取り出し、上記(2)(試験区2)の(ii)と同様にして水洗し、水切りした。
(iii) 上記(ii)で水切りしたキャベツの一部(25g)を採取して上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
また、残りのキャベツをポリエチレン製の袋に入れて温度5℃の冷蔵庫で48時間(2日間)冷蔵保存した後、冷蔵庫より取り出して、上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
Figure 0004630253
上記の表1の結果にみるように、粘土鉱物とカルシウム成分(水酸化カルシウム、酸化カルシウムまたはクエン酸カルシウム)を添加した水を用いてキャベツを処理した後、水洗した試験区5〜12では、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を用いて処理した後に水洗した試験区2(比較用区)、カルシウム成分(酸化カルシウムまたは水酸化カルシウム)のみを添加して処理した後に水洗した試験区3と4(比較用区)に比べて、一般生菌数が少なく、除菌効果に優れている。
試験区5〜12うちでも、粘土鉱物およびカルシウム成分と共に乳化剤を添加した試験区11(発明区)および12(発明区)では、除菌効果に一層優れている。
《実施例2》
キャベツの代わりに大葉600gを用い、当該大葉600gを50gずつ12等分して1〜12区用の試料とし、それぞれの区の大葉試料に対して実施例1の試験区1〜12と同じ除菌処理操作を行って、除菌処理直後および5℃で48時間冷蔵保存した後の一般生菌数を実施例1と同様にして測定した。その結果を、下記の表2に示す。
なお、この実施例2では、大葉600gを50gずつ12等分するに当たっては、600gの大葉を痛まないようにしながらよく混ぜ合わせてから、12等分して試験に用いた。
Figure 0004630253
《実施例3》
輪切りにしたキュウリ(厚さ約10mm)600gを用い、当該キュウリ600gを50gずつ12等分して1〜12区用の試料とし、それぞれの区のキュウリ試料に対して実施例1の試験区1〜12と同じ除菌処理操作を行って、除菌処理直後および5℃で48時間冷蔵保存した後の一般生菌数を上記した方法で測定した。その結果を、下記の表3に示す。
なお、この実施例3では、輪切りにしたキュウリ600gを50gずつ12等分するに当たっては、600gのキュウリを痛まないようにしながらよく混ぜ合わせてから、12等分して試験に用いた。
Figure 0004630253
《実施例4》
泥の付着していないニンジンを10mm角のスティック状にしたもの(スティックの長さ=約5cm)を600g準備し、それを50gずつ12等分して1〜12区用の試料とし、それぞれの区のニンジン試料に対して実施例1の試験区1〜12と同じ除菌処理操作を行って、除菌処理直後および5℃で48時間冷蔵保存した後の一般生菌数を上記した方法で測定した。その結果を、下記の表4に示す。
なお、この実施例4では、スティック状にしたニンジン600gを50gずつ12等分するに当たっては、600gのスティック状ニンジンを痛まないようにしながらよく混ぜ合わせてから、12等分して試験に用いた。
Figure 0004630253
《実施例5》
縦半分に切って種とヘタを除いた後、横方向に幅約25mmに細切りにしたピーマンを600g準備し、それを50gずつ12等分して1〜12区用の試料とし、それぞれの区のピーマン試料に対して実施例1の試験区1〜12と同じ除菌処理操作を行って、除菌処理直後および5℃で48時間冷蔵保存した後の一般生菌数を上記した方法で測定した。その結果を、下記の表5に示す。
なお、この実施例5では、細切りにしたピーマン600gを50gずつ12等分するに当たっては、600gの細切りピーマンを痛まないようにしながらよく混ぜ合わせてから、12等分して試験に用いた。
Figure 0004630253
《実施例6》
ハクサイ1株(約2400g)の芯を除いた後、洗浄せずに、幅約40mmのざく切りにし、よく混ぜ合わせてから12等分して、試験区1〜12用の試料とした。
(1)試験区1(対照区):
(i) 試験区1用のハクサイ(約200g)については、除菌処理を施さずに、温度25℃の水道水5リットルにそのまま直接30秒間浸漬し(浸漬して10秒後と20秒後に滅菌処理した箸を用いて水中でハクサイを2回撹拌)、次いで水道水から取り出して滅菌処理した網の上に10分間放置して水切りした。
(ii) 上記(i)で水切りしたハクサイの一部(25g)を採取して上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表6に示すとおりであった。
また、残りのハクサイをポリエチレン製の袋に入れて温度5℃の冷蔵庫で48時間(2日間)冷蔵保存した後、冷蔵庫より取り出して、上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表6に示すとおりであった。
(2)試験区2(比較用区):
(i) 水道水に次亜塩素酸ナトリウムを添加して次亜塩素酸ナトリウム濃度が200ppmの水溶液(25℃)を調製し、この水溶液5リットル中に試験区2用のハクサイ(約200g)を20分間浸漬した(浸漬して10分後と20分後に滅菌処理した箸を用いて水中でハクサイを2回撹拌)。
(ii) 次いで、ハクサイを次亜塩素酸ナトリウム水溶液から取り出して、温度25℃の水道水5リットルにそのまま直接30秒間浸漬して水洗し(浸漬して10秒後に滅菌処理した箸を用いて水中でハクサイを撹拌)、次いで水道水から取り出して滅菌処理した網の上に10分間放置して水切りした。
(iii) 上記(ii)で水切りしたハクサイの一部(25g)を採取して上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表6示すとおりであった。
また、残りのハクサイをポリエチレン製の袋に入れて温度5℃の冷蔵庫で48時間(2日間)冷蔵保存した後、冷蔵庫より取り出して、上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表6に示すとおりであった。
(3)試験区3(比較用区):
(i) 水道水に酸化カルシウム[北海道共同石灰(株)製「シェルライムHTO」、貝殻焼成品]を0.1質量%の量で添加して処理用水(25℃)を調製し、この処理用水5リットル中に試験区3用のハクサイ(約200g)を20分間浸漬した(浸漬して10分後に滅菌処理した箸を用いて水中でハクサイを撹拌)。
(ii) 次いで、ハクサイを処理用水から取り出し、上記(2)(試験区2)の(ii)と同様にして水洗し、水切りした。
(iii) 上記(ii)で水切りしたハクサイの一部(25g)を採取して上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表6に示すとおりであった。
また、残りのハクサイをポリエチレン製の袋に入れて温度5℃の冷蔵庫で48時間(2日間)冷蔵保存した後、冷蔵庫より取り出して、上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表6に示すとおりであった。
(4)試験区4(比較用区):
(i) 水道水に水酸化カルシウム[三栄源エフ・エフ・アイ(株)製]を0.1質量%の量で添加して処理用水(25℃)を調製し、この処理用水5リットル中に試験区4用のハクサイ(約200g)を20分間浸漬した(浸漬して10分後に滅菌処理した箸を用いて水中でハクサイを撹拌)。
(ii) 次いで、ハクサイを処理用水から取り出し、上記(2)(試験区2)の(ii)と同様にして水洗し、水切りした。
(iii) 上記(ii)で水切りしたハクサイの一部(25g)を採取して上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表6に示すとおりであった。
また、残りのハクサイをポリエチレン製の袋に入れて温度5℃の冷蔵庫で48時間(2日間)冷蔵保存した後、冷蔵庫より取り出して、上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表6に示すとおりであった。
(5)試験区5
(i) 水道水に実施例1の試験区5で用いたのと同じ粘土鉱物A(3種混合)を0.1質量%の量で添加して第1の処理水(25℃)を調製し、この第1の処理水5リットル中に試験区5用のハクサイ(約200g)を20分間浸漬した(浸漬して10分後に滅菌処理した箸を用いて水中でハクサイを撹拌)。
(ii) 次いで、ハクサイを第1の処理水から取り出して、温度25℃の水道水5リットルにそのまま直接30秒間浸漬して水洗した後、水から取り出して、水道水に酸化カルシウム[北海道共同石灰(株)製「シェルライムHTO」、貝殻焼成品]を0.1質量%の量で添加して調製した第2の処理水5リットル中に20分間浸漬した(浸漬して10分後に滅菌処理した箸を用いて水中でハクサイを撹拌)。
(iii) 次いで、ハクサイを第2の処理水から取り出して、温度25℃の水道水5リットルにそのまま直接30秒間浸漬して水洗し(浸漬して10秒後に滅菌処理した箸を用いて水中でハクサイを撹拌)、次いで水道水から取り出して滅菌処理した網の上に10分間放置して水切りした。
(iv) 上記(iii)で水切りしたハクサイの一部(25g)を採取して上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表6に示すとおりであった。
また、残りのハクサイをポリエチレン製の袋に入れて温度5℃の冷蔵庫で48時間(2日間)冷蔵保存した後、冷蔵庫より取り出して、上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表6に示すとおりであった。
(6)試験区6
(i) 試験区5の(ii)において、第2の処理水として、酸化カルシウムの代わりに水酸化カルシウム[三栄源エフ・エフ・アイ(株)製]を0.1質量%の割合で水道水に添加して調製したものを用いた以外は、試験区5と同様にして試験区6用のハクサイの除菌処理、水洗、水きりを行った。
(ii) 上記(i)で得られた水切り後のハクサイの一部(25g)を採取して上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表6に示すとおりであった。
また、残りのハクサイをポリエチレン製の袋に入れて温度5℃の冷蔵庫で48時間(2日間)冷蔵保存した後、冷蔵庫より取り出して、上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表6に示すとおりであった。
(7)試験区7
(i) 試験区5の(ii)において、第2の処理水として、酸化カルシウムの代わりにクエン酸カルシウム[三栄源エフ・エフ・アイ(株)製]を0.1質量%の割合で水道水に添加して調製したものを用いた以外は、試験区5と同様にして試験区7用のハクサイの除菌処理、水洗、水きりを行った。
(ii) 上記(i)で得られた水切り後のハクサイの一部(25g)を採取して上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表6に示すとおりであった。
また、残りのハクサイをポリエチレン製の袋に入れて温度5℃の冷蔵庫で48時間(2日間)冷蔵保存した後、冷蔵庫より取り出して、上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表6に示すとおりであった。
(8)試験区8
(i) 試験区5の(i)において、第1の処理水として、粘土鉱物A(3種混合)の代わりにケイソウ土[昭和化学工業(株)製「ラヂオライトF」]を0.1質量%の割合で水道水に添加して調製したものを用いた以外は、試験区5と同様にして試験区8用のハクサイの除菌処理、水洗、水きりを行った。
(ii) 上記(i)で得られた水切り後のハクサイの一部(25g)を採取して上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表6に示すとおりであった。
また、残りのハクサイをポリエチレン製の袋に入れて温度5℃の冷蔵庫で48時間(2日間)冷蔵保存した後、冷蔵庫より取り出して、上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表6に示すとおりであった。
(9)試験区9
(i) 試験区6の(i)において、第1の処理水として、粘土鉱物A(3種混合)の代わりにケイソウ土[昭和化学工業(株)製「ラヂオライトF」]を0.1質量%の割合で水道水に添加して調製したものを用いた以外は、試験区6と同様にして試験区9用のハクサイの除菌処理、水洗、水きりを行った。
(ii) 上記(i)で得られた水切り後のハクサイの一部(25g)を採取して上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表6に示すとおりであった。
また、残りのハクサイをポリエチレン製の袋に入れて温度5℃の冷蔵庫で48時間(2日間)冷蔵保存した後、冷蔵庫より取り出して、上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表6に示すとおりであった。
(10)試験区10
(i) 試験区5の(i)において、第1の処理水として、粘土鉱物A(3種混合)の代わりにパーライト[林化成(株)製「ロカヘルプ#419」]を0.1質量%の割合で水道水に添加して調製したものを用いた以外は、試験区5と同様にして試験区10用のハクサイの除菌処理、水洗、水きりを行った。
(ii) 上記(i)で得られた水切り後のハクサイの一部(25g)を採取して上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表6に示すとおりであった。
また、残りのハクサイをポリエチレン製の袋に入れて温度5℃の冷蔵庫で48時間(2日間)冷蔵保存した後、冷蔵庫より取り出して、上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表6に示すとおりであった。
(11)試験区11(発明区):
(i) 試験区6の(i)において、第1の処理水として、水道水に粘土鉱物A(3種混合)0.1質量%と共に乳化剤[三菱化学フーズ(株)製「L−10D」、ポリグリセリン脂肪酸エステル]を濃度が500ppmになる量で添加したものを用いた以外は、試験区6と同様にして試験区11用のハクサイの除菌処理、水洗、水きりを行った。
(ii) 上記(i)で得られた水切り後のハクサイの一部(25g)を採取して上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表6に示すとおりであった。
また、残りのハクサイをポリエチレン製の袋に入れて温度5℃の冷蔵庫で48時間(2日間)冷蔵保存した後、冷蔵庫より取り出して、上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表6に示すとおりであった。
(12)試験区12(発明区):
(i) 試験区5の(i)において、第1の処理水として、水道水に粘土鉱物A(3種混合)0.1質量%と共に乳化剤[三菱化学フーズ(株)製「P−1670」、蔗糖脂肪酸エステル)を濃度が500ppmになる量で添加したものを用いた以外は、試験区5と同様にして試験区12用のハクサイの除菌処理、水洗、水きりを行った。
(ii) 上記(i)で得られた水切り後のハクサイの一部(25g)を採取して上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表6に示すとおりであった。
また、残りのハクサイをポリエチレン製の袋に入れて温度5℃の冷蔵庫で48時間(2日間)冷蔵保存した後、冷蔵庫より取り出して、上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表6に示すとおりであった。
Figure 0004630253
上記の表6の結果にみるように、粘土鉱物を添加した水を用いてハクサイを処理し、次いでカルシウム成分(水酸化カルシウム、酸化カルシウムまたはクエン酸カルシウム)を添加した水を用いてハクサイを処理した後に水洗した試験区5〜12では、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を用いて処理した後に水洗した試験区2(比較用区)、カルシウム成分(酸化カルシウムまたは水酸化カルシウム)を添加した第1の処理水で処理しただけで水洗した試験区3と4(比較用区)に比べて、一般生菌数が少なく、除菌効果に優れている。
また、粘土鉱物を添加した第1の処理水中に乳化剤を更に添加した試験区11(発明区)および12(発明区)では、除菌効果に一層優れている。
《実施例7》
輪切りにしたキュウリ(厚さ約10mm)600gを用い、当該キュウリ600gを50gずつ12等分して1〜12区用の試料とし、それぞれの区のキュウリ試料に対して実施例6の試験区1〜12と同じ除菌処理操作を行って、除菌処理直後および5℃で48時間冷蔵保存した後の一般生菌数を上記した方法で測定した。その結果を、下記の表7に示す。
なお、この実施例7では、輪切りにしたキュウリ600gを50gずつ12等分するに当たっては、600gのキュウリを痛まないようにしながらよく混ぜ合わせてから、12等分して試験に用いた。
Figure 0004630253
《実施例8》
パセリ600gを用い、当該パセリ600gを50gずつ12等分して1〜12区用の試料とし、それぞれの区のパセリ試料に対して実施例6の試験区1〜12と同じ除菌処理操作を行って、除菌処理直後および5℃で48時間冷蔵保存した後の一般生菌数を上記した方法で測定した。その結果を、下記の表8に示す。
なお、この実施例8では、パセリ600gを50gずつ12等分するに当たっては、600gのパセリを痛まないようにしながらよく混ぜ合わせてから、12等分して試験に用いた。
Figure 0004630253
参考例1
(i) キャベツ(約1800g)の芯を除いた後、洗浄せずに、そのまま放射状に12等分して、試験区1〜12用の試料とした。
(ii) 水道水に実施例1の試験区5で用いたのと同じ粘土鉱物A(3種混合)を下記の表9に示す量で添加すると共に、酸化カルシウム[(株)エヌシーコーポレーション製「貝殻焼成カルシウム」、貝殻焼成品]を下記の表9に示す量で添加して処理用水(25℃)を調製し、この処理用水10リットル中にそれぞれの試験区用のキャベツ(約150g)を30分間浸漬した(浸漬して10分後と20分後に滅菌処理した箸を用いて水中でキャベツを2回撹拌)。
(iii) 次いで、キャベツを処理用水から取り出して、温度25℃の水道水10リットルにそのまま直接30秒間浸漬して水洗し(浸漬して10秒後と20秒後に滅菌処理した箸を用いて水中でキャベツを2回撹拌)、次いで水道水から取り出して滅菌処理した網の上に10分間放置して水切りした。
(iv) 上記(iii)で水切りしたキャベツの一部(25g)を採取して上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表9に示すとおりであった。
また、残りのキャベツをポリエチレン製の袋に入れて温度5℃の冷蔵庫で48時間(2日間)冷蔵保存した後、冷蔵庫より取り出して、上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表9に示すとおりであった。
Figure 0004630253
参考例2
(i) ハクサイ1株(約2400g)の芯を除いた後、洗浄せずに、幅約40mmのざく切りにし、よく混ぜ合わせてから12等分して、試験区1〜12用の試料とした。
(ii) 水道水に実施例1の試験区5で用いたのと同じ粘土鉱物A(3種混合)を下記の表10に示す量で添加して第1の処理水(25℃)を調製し、この第1の処理水10リットル中にそれぞれの試験区用のハクサイ(約200g)を20分間浸漬した(浸漬して10分後に滅菌処理した箸を用いて水中でハクサイを撹拌)。
(iii) 次いで、ハクサイを第1の処理水から取り出して、温度25℃の水道水10リットルにそのまま直接30秒間浸漬して水洗した後、水から取り出して、水道水に水酸化カルシウム[三栄源エフ・エフ・アイ(株)製]を下記の表10に示す量で添加して調製した第2の処理水10リットル中に20分間浸漬した(浸漬して10分後に滅菌処理した箸を用いて水中でハクサイを撹拌)。
(iv) 次いで、ハクサイを第2の処理水から取り出して、温度25℃の水道水10リットルにそのまま直接30秒間浸漬して水洗し(浸漬して10秒後に滅菌処理した箸を用いて水中でハクサイを撹拌)、次いで水道水から取り出して滅菌処理した網の上に10分間放置して水切りした。
(v) 上記(iv)で水切りしたハクサイの一部(25g)を採取して上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表10に示すとおりであった。
また、残りのハクサイをポリエチレン製の袋に入れて温度5℃の冷蔵庫で48時間(2日間)冷蔵保存した後、冷蔵庫より取り出して、上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表10に示すとおりであった。
Figure 0004630253
《実施例
チンゲン菜25株(約2400g)の根を除いた後、洗浄せずに、幅約40mmのざく切りにし、よく混ぜ合わせてから12等分して、試験区1〜12用の試料とした。
(1)試験区1(対照区):
(i) 試験区1用のチンゲン菜(約200g)については、除菌処理を施さずに、温度25℃の水道水10リットルにそのまま直接30秒間浸漬し(浸漬して10秒後と20秒後に滅菌処理した箸を用いて水中でチンゲン菜を2回撹拌)、次いで水道水から取り出して滅菌処理した網の上に10分間放置して水切りした。
(ii) 上記(i)で水切りしたチンゲン菜の一部(25g)を採取して上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表11に示すとおりであった。
また、残りのチンゲン菜をポリエチレン製の袋に入れて温度5℃の冷蔵庫で48時間(2日間)冷蔵保存した後、冷蔵庫より取り出して、上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表11に示すとおりであった。
(2)試験区2(比較用区):
(i) 水道水に次亜塩素酸ナトリウムを添加して次亜塩素酸ナトリウム濃度が200ppmの水溶液(25℃)を調製し、この水溶液10リットル中に試験区2用のチンゲン菜(約200g)を20分間浸漬した(浸漬して10分後と20分後に滅菌処理した箸を用いて水中でチンゲン菜を2回撹拌)。
(ii) 次いで、チンゲン菜を次亜塩素酸ナトリウム水溶液から取り出して、温度25℃の水道水10リットルにそのまま直接30秒間浸漬して水洗し(浸漬して10秒後に滅菌処理した箸を用いて水中でチンゲン菜を撹拌)、次いで水道水から取り出して滅菌処理した網の上に10分間放置して水切りした。
(iii) 上記(ii)で水切りしたチンゲン菜の一部(25g)を採取して上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表11示すとおりであった。
また、残りのチンゲン菜をポリエチレン製の袋に入れて温度5℃の冷蔵庫で48時間(2日間)冷蔵保存した後、冷蔵庫より取り出して、上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表11に示すとおりであった。
(3)試験区3(比較用区):
(i) 水道水に酸化カルシウム[北海道共同石灰(株)製「シェルライムHTO」、貝殻焼成品]を0.1質量%の量で添加して処理用水(25℃)を調製し、この処理用水10リットル中に試験区3用のチンゲン菜(約200g)を20分間浸漬した(浸漬して10分後に滅菌処理した箸を用いて水中でチンゲン菜を撹拌)。
(ii) 次いで、チンゲン菜を処理用水から取り出し、上記(2)(試験区2)の(ii)と同様にして水洗し、水切りした。
(iii) 上記(ii)で水切りしたチンゲン菜の一部(25g)を採取して上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表11に示すとおりであった。
また、残りのチンゲン菜をポリエチレン製の袋に入れて温度5℃の冷蔵庫で48時間(2日間)冷蔵保存した後、冷蔵庫より取り出して、上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表11に示すとおりであった。
(4)試験区4(比較用区):
(i) 水道水に水酸化カルシウム[三栄源エフ・エフ・アイ(株)製]を0.1質量%の量で添加して処理用水(25℃)を調製し、この処理用水10リットル中に試験区4用のチンゲン菜(約200g)を20分間浸漬した(浸漬して10分後に滅菌処理した箸を用いて水中でチンゲン菜を撹拌)。
(ii) 次いで、チンゲン菜を処理用水から取り出し、上記(2)(試験区2)の(ii)と同様にして水洗し、水切りした。
(iii) 上記(ii)で水切りしたチンゲン菜の一部(25g)を採取して上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表11に示すとおりであった。
また、残りのチンゲン菜をポリエチレン製の袋に入れて温度5℃の冷蔵庫で48時間(2日間)冷蔵保存した後、冷蔵庫より取り出して、上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表11に示すとおりであった。
(5)試験区5
(i) 水道水に、酸性白土[水澤化学工業(株)製「ミズカエース#20」]とワラストナイト[林化成(株)製「VM−8N」]とタルク[ソブエクレー(株)製]を1:1:1の質量比で混合したもの[以下「粘土鉱物B(3種混合)」ということがある]を0.1質量%の量で添加して第1の処理水(25℃)を調製し、この第1の処理水10リットル中に試験区5用のチンゲン菜(約200g)を20分間浸漬した(浸漬して10分後に滅菌処理した箸を用いて水中でチンゲン菜を撹拌)。
(ii) 次いで、チンゲン菜を第1の処理水から取り出して、温度25℃の水道水10リットルにそのまま直接30秒間浸漬して水洗した後、水から取り出して、水道水に酸化カルシウム[北海道共同石灰(株)製「シェルライムHTO」、貝殻焼成品]を0.1質量%の量で添加して調製した第2の処理水10リットル中に20分間浸漬した(浸漬して10分後に滅菌処理した箸を用いて水中でチンゲン菜を撹拌)。
(iii) 次いで、チンゲン菜を第2の処理水から取り出して、温度25℃の水道水10リットルにそのまま直接30秒間浸漬して水洗し(浸漬して10秒後に滅菌処理した箸を用いて水中でチンゲン菜を撹拌)、次いで水道水から取り出して滅菌処理した網の上に10分間放置して水切りした。
(iv) 上記(iii)で水切りしたチンゲン菜の一部(25g)を採取して上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表11に示すとおりであった。
また、残りのチンゲン菜をポリエチレン製の袋に入れて温度5℃の冷蔵庫で48時間(2日間)冷蔵保存した後、冷蔵庫より取り出して、上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表11に示すとおりであった。
(6)試験区6
(i) 試験区5の(ii)において、第2の処理水として、酸化カルシウムの代わりに水酸化カルシウム[三栄源エフ・エフ・アイ(株)製]を0.1質量%の割合で水道水に添加して調製したものを用いた以外は、試験区5と同様にして試験区6用のチンゲン菜の除菌処理、水洗、水きりを行った。
(ii) 上記(i)で得られた水切り後のチンゲン菜の一部(25g)を採取して上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表11に示すとおりであった。
また、残りのチンゲン菜をポリエチレン製の袋に入れて温度5℃の冷蔵庫で48時間(2日間)冷蔵保存した後、冷蔵庫より取り出して、上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表11に示すとおりであった。
(7)試験区7
(i) 試験区5の(ii)において、第2の処理水として、酸化カルシウムの代わりにクエン酸カルシウム[三栄源エフ・エフ・アイ(株)製]を0.1質量%の割合で水道水に添加して調製したものを用いた以外は、試験区5と同様にして試験区7用のチンゲン菜の除菌処理、水洗、水きりを行った。
(ii) 上記(i)で得られた水切り後のチンゲン菜の一部(25g)を採取して上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表11に示すとおりであった。
また、残りのチンゲン菜をポリエチレン製の袋に入れて温度5℃の冷蔵庫で48時間(2日間)冷蔵保存した後、冷蔵庫より取り出して、上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表11に示すとおりであった。
(8)試験区8
(i) 試験区5の(i)において、第1の処理水として、粘土鉱物B(3種混合)の代わりに酸性白土[水澤化学工業(株)製「ミズカエース#20」]を0.1質量%の割合で水道水に添加して調製したものを用いた以外は、試験区5と同様にして試験区8用のチンゲン菜の除菌処理、水洗、水きりを行った。
(ii) 上記(i)で得られた水切り後のチンゲン菜の一部(25g)を採取して上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表11に示すとおりであった。
また、残りのチンゲン菜をポリエチレン製の袋に入れて温度5℃の冷蔵庫で48時間(2日間)冷蔵保存した後、冷蔵庫より取り出して、上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表11に示すとおりであった。
(9)試験区9
(i) 試験区6の(i)において、第1の処理水として、粘土鉱物B(3種混合)の代わりに酸性白土[水澤化学工業(株)製「ミズカエース#20」]を0.1質量%の割合で水道水に添加して調製したものを用いた以外は、試験区6と同様にして試験区9用のチンゲン菜の除菌処理、水洗、水きりを行った。
(ii) 上記(i)で得られた水切り後のチンゲン菜の一部(25g)を採取して上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表11に示すとおりであった。
また、残りのチンゲン菜をポリエチレン製の袋に入れて温度5℃の冷蔵庫で48時間(2日間)冷蔵保存した後、冷蔵庫より取り出して、上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表11に示すとおりであった。
(10)試験区10
(i) 試験区5の(i)において、第1の処理水として、粘土鉱物B(3種混合)の代わりにワラストナイト[林化成(株)製「VM−8N」]を0.1質量%の割合で水道水に添加して調製したものを用いた以外は、試験区5と同様にして試験区10用のチンゲン菜の除菌処理、水洗、水きりを行った。
(ii) 上記(i)で得られた水切り後のチンゲン菜の一部(25g)を採取して上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表11に示すとおりであった。
また、残りのチンゲン菜をポリエチレン製の袋に入れて温度5℃の冷蔵庫で48時間(2日間)冷蔵保存した後、冷蔵庫より取り出して、上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表11に示すとおりであった。
(11)試験区11(発明区):
(i) 試験区6の(i)において、第1の処理水として、水道水に粘土鉱物B(3種混合)0.1質量%と共に乳化剤[三菱化学フーズ(株)製「L−10D」、ポリグリセリン脂肪酸エステル]を濃度が500ppmになる量で添加したものを用いた以外は、試験区6と同様にして試験区11用のチンゲン菜の除菌処理、水洗、水きりを行った。
(ii) 上記(i)で得られた水切り後のチンゲン菜の一部(25g)を採取して上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表11に示すとおりであった。
また、残りのチンゲン菜をポリエチレン製の袋に入れて温度5℃の冷蔵庫で48時間(2日間)冷蔵保存した後、冷蔵庫より取り出して、上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表11に示すとおりであった。
(12)試験区12(発明区):
(i) 試験区5の(i)において、第1の処理水として、水道水に粘土鉱物B(3種混合)0.1質量%と共に乳化剤[三菱化学フーズ(株)製「P−1670」、蔗糖脂肪酸エステル系)を濃度が500ppmになる量で添加したものを用いた以外は、試験区5と同様にして試験区12用のチンゲン菜の除菌処理、水洗、水きりを行った。
(ii) 上記(i)で得られた水切り後のチンゲン菜の一部(25g)を採取して上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表11に示すとおりであった。
また、残りのチンゲン菜をポリエチレン製の袋に入れて温度5℃の冷蔵庫で48時間(2日間)冷蔵保存した後、冷蔵庫より取り出して、上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表11に示すとおりであった。
Figure 0004630253
上記の表11の結果にみるように、粘土鉱物Bを添加した水を用いてチンゲン菜を処理し、次いでカルシウム成分(水酸化カルシウム、酸化カルシウムまたはクエン酸カルシウム)を添加した水を用いてチンゲン菜を処理した後に水洗した試験区5〜12では、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を用いて処理した後に水洗した試験区2(比較用区)、カルシウム成分(酸化カルシウムまたは水酸化カルシウム)を添加した第1の処理水で処理しただけで水洗した試験区3と4(比較用区)に比べて、一般生菌数が少なく、除菌効果に優れている。
また、粘土鉱物を添加した第1の処理水中に乳化剤を更に添加した試験区11(発明区)および12(発明区)では、除菌効果に一層優れている。
《実施例10
レタス6株(約2400g)を1枚ずつ剥いで中心部の芯を除いた後、洗浄せずによく混ぜ合わせてから12等分して、試験区1〜12用の試料とした。
(1)試験区1(対照区):
(i) 試験区1用のレタス(約200g)については、除菌処理を施さずに、温度25℃の水道水10リットルにそのまま直接30秒間浸漬し(浸漬して10秒後と20秒後に滅菌処理した箸を用いて水中でレタスを2回撹拌)、次いで水道水から取り出して滅菌処理した網の上に10分間放置して水切りした。
(ii) 上記(i)で水切りしたレタスの一部(25g)を採取して上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表12に示すとおりであった。
また、残りのレタスをポリエチレン製の袋に入れて温度5℃の冷蔵庫で48時間(2日間)冷蔵保存した後、冷蔵庫より取り出して、上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表12に示すとおりであった。
(2)試験区2(比較用区):
(i) 水道水に次亜塩素酸ナトリウムを添加して次亜塩素酸ナトリウム濃度が200ppmの水溶液(25℃)を調製し、この水溶液10リットル中に試験区2用のレタス(約200g)を20分間浸漬した(浸漬して10分後と20分後に滅菌処理した箸を用いて水中でレタスを2回撹拌)。
(ii) 次いで、レタスを次亜塩素酸ナトリウム水溶液から取り出して、温度25℃の水道水10リットルにそのまま直接30秒間浸漬して水洗し(浸漬して10秒後に滅菌処理した箸を用いて水中でレタスを撹拌)、次いで水道水から取り出して滅菌処理した網の上に10分間放置して水切りした。
(iii) 上記(ii)で水切りしたレタスの一部(25g)を採取して上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表12示すとおりであった。
また、残りのレタスをポリエチレン製の袋に入れて温度5℃の冷蔵庫で48時間(2日間)冷蔵保存した後、冷蔵庫より取り出して、上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表12に示すとおりであった。
(3)試験区3(比較用区):
(i) 水道水に酸化カルシウム[北海道共同石灰(株)製「シェルライムHTO」、貝殻焼成品]を0.1質量%の量で添加して処理用水(25℃)を調製し、この処理用水10リットル中に試験区3用のレタス(約200g)を20分間浸漬した(浸漬して10分後に滅菌処理した箸を用いて水中でレタスを撹拌)。
(ii) 次いで、レタスを処理用水から取り出し、上記(2)(試験区2)の(ii)と同様にして水洗し、水切りした。
(iii) 上記(ii)で水切りしたレタスの一部(25g)を採取して上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表12に示すとおりであった。
また、残りのレタスをポリエチレン製の袋に入れて温度5℃の冷蔵庫で48時間(2日間)冷蔵保存した後、冷蔵庫より取り出して、上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表12に示すとおりであった。
(4)試験区4(比較用区):
(i) 水道水に水酸化カルシウム[三栄源エフ・エフ・アイ(株)製]を0.1質量%の量で添加して処理用水(25℃)を調製し、この処理用水10リットル中に試験区4用のレタス(約200g)を20分間浸漬した(浸漬して10分後に滅菌処理した箸を用いて水中でレタスを撹拌)。
(ii) 次いで、レタスを処理用水から取り出し、上記(2)(試験区2)の(ii)と同様にして水洗し、水切りした。
(iii) 上記(ii)で水切りしたレタスの一部(25g)を採取して上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表12に示すとおりであった。
また、残りのレタスをポリエチレン製の袋に入れて温度5℃の冷蔵庫で48時間(2日間)冷蔵保存した後、冷蔵庫より取り出して、上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表12に示すとおりであった。
(5)試験区5
(i) 水道水に、アタパルジャイト[林化成(株)製「マイクロソープ400LVM」]とカオリン[林化成(株)製「ASP−200]を1:1の質量比で混合したもの[以下「粘土鉱物C(2種混合)」ということがある]を0.1質量%の量で添加して第1の処理水(25℃)を調製し、この第1の処理水10リットル中に試験区5用のレタス(約200g)を20分間浸漬した(浸漬して10分後に滅菌処理した箸を用いて水中でレタスを撹拌)。
(ii) 次いで、レタスを第1の処理水から取り出して、温度25℃の水道水10リットルにそのまま直接30秒間浸漬して水洗した後、水から取り出して、水道水に酸化カルシウム[北海道共同石灰(株)製「シェルライムHTO」、貝殻焼成品]を0.1質量%の量で添加して調製した第2の処理水10リットル中に20分間浸漬した(浸漬して10分後に滅菌処理した箸を用いて水中でレタスを撹拌)。
(iii) 次いで、レタスを第2の処理水から取り出して、温度25℃の水道水10リットルにそのまま直接30秒間浸漬して水洗し(浸漬して10秒後に滅菌処理した箸を用いて水中でレタスを撹拌)、次いで水道水から取り出して滅菌処理した網の上に10分間放置して水切りした。
(iv) 上記(iii)で水切りしたレタスの一部(25g)を採取して上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表12に示すとおりであった。
また、残りのレタスをポリエチレン製の袋に入れて温度5℃の冷蔵庫で48時間(2日間)冷蔵保存した後、冷蔵庫より取り出して、上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表12に示すとおりであった。
(6)試験区6
(i) 試験区5の(ii)において、第2の処理水として、酸化カルシウムの代わりに水酸化カルシウム[三栄源エフ・エフ・アイ(株)製]を0.1質量%の割合で水道水に添加して調製したものを用いた以外は、試験区5と同様にして試験区6用のレタスの除菌処理、水洗、水きりを行った。
(ii) 上記(i)で得られた水切り後のレタスの一部(25g)を採取して上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表12に示すとおりであった。
また、残りのレタスをポリエチレン製の袋に入れて温度5℃の冷蔵庫で48時間(2日間)冷蔵保存した後、冷蔵庫より取り出して、上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表12に示すとおりであった。
(7)試験区7
(i) 試験区5の(ii)において、第2の処理水として、酸化カルシウムの代わりにクエン酸カルシウム[三栄源エフ・エフ・アイ(株)製]を0.1質量%の割合で水道水に添加して調製したものを用いた以外は、試験区5と同様にして試験区7用のレタスの除菌処理、水洗、水きりを行った。
(ii) 上記(i)で得られた水切り後のレタスの一部(25g)を採取して上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表12に示すとおりであった。
また、残りのレタスをポリエチレン製の袋に入れて温度5℃の冷蔵庫で48時間(2日間)冷蔵保存した後、冷蔵庫より取り出して、上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表12に示すとおりであった。
(8)試験区8
(i) 試験区5の(i)において、第1の処理水として、粘土鉱物C(2種混合)の代わりにアタパルジャイト[林化成(株)製「マイクロソーブ400LVM」]を0.1質量%の割合で水道水に添加して調製したものを用いた以外は、試験区5と同様にして試験区8用のレタスの除菌処理、水洗、水きりを行った。
(ii) 上記(i)で得られた水切り後のレタスの一部(25g)を採取して上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表12に示すとおりであった。
また、残りのレタスをポリエチレン製の袋に入れて温度5℃の冷蔵庫で48時間(2日間)冷蔵保存した後、冷蔵庫より取り出して、上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表12に示すとおりであった。
(9)試験区9
(i) 試験区6の(i)において、第1の処理水として、粘土鉱物C(2種混合)の代わりにアタパルジャイト[林化成(株)製「マイクロソーブ400LVM」]を0.1質量%の割合で水道水に添加して調製したものを用いた以外は、試験区6と同様にして試験区9用のレタスの除菌処理、水洗、水きりを行った。
(ii) 上記(i)で得られた水切り後のレタスの一部(25g)を採取して上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表12に示すとおりであった。
また、残りのレタスをポリエチレン製の袋に入れて温度5℃の冷蔵庫で48時間(2日間)冷蔵保存した後、冷蔵庫より取り出して、上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表12に示すとおりであった。
(10)試験区10
(i) 試験区5の(i)において、第1の処理水として、粘土鉱物C(2種混合)の代わりにカオリン[林化成(株)製「ASP−200」]を0.1質量%の割合で水道水に添加して調製したものを用いた以外は、試験区5と同様にして試験区10用のレタスの除菌処理、水洗、水きりを行った。
(ii) 上記(i)で得られた水切り後のレタスの一部(25g)を採取して上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表12に示すとおりであった。
また、残りのレタスをポリエチレン製の袋に入れて温度5℃の冷蔵庫で48時間(2日間)冷蔵保存した後、冷蔵庫より取り出して、上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表12に示すとおりであった。
(11)試験区11(発明区):
(i) 試験区6の(i)において、第1の処理水として、水道水に粘土鉱物C(2種混合)0.1質量%と共に乳化剤[三菱化学フーズ(株)製「M−10D」、ポリグリセリン脂肪酸エステル]を濃度が500ppmになる量で添加したものを用いた以外は、試験区6と同様にして試験区11用のレタスの除菌処理、水洗、水きりを行った。
(ii) 上記(i)で得られた水切り後のレタスの一部(25g)を採取して上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表12に示すとおりであった。
また、残りのレタスをポリエチレン製の袋に入れて温度5℃の冷蔵庫で48時間(2日間)冷蔵保存した後、冷蔵庫より取り出して、上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表12に示すとおりであった。
(12)試験区12(発明区):
(i) 試験区5の(i)において、第1の処理水として、水道水に粘土鉱物C(2種混合)0.1質量%と共に乳化剤[三菱化学フーズ(株)製「P−1570」、蔗糖脂肪酸エステル)を濃度が500ppmになる量で添加したものを用いた以外は、試験区5と同様にして試験区12用のレタスの除菌処理、水洗、水きりを行った。
(ii) 上記(i)で得られた水切り後のレタスの一部(25g)を採取して上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表12に示すとおりであった。
また、残りのレタスをポリエチレン製の袋に入れて温度5℃の冷蔵庫で48時間(2日間)冷蔵保存した後、冷蔵庫より取り出して、上記した方法で一般生菌数を測定したところ、下記の表12に示すとおりであった。
Figure 0004630253
上記の表12の結果にみるように、粘土鉱物Cを添加した水を用いてレタスを処理し、次いでカルシウム成分(水酸化カルシウム、酸化カルシウムまたはクエン酸カルシウム)を添加した水を用いてレタスを処理した後に水洗した試験区5〜12では、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を用いて処理した後に水洗した試験区2(比較用区)、カルシウム成分(酸化カルシウムまたは水酸化カルシウム)を添加した第1の処理水で処理しただけで水洗した試験区3と4(比較用区)に比べて、一般生菌数が少なく、除菌効果に優れている。
また、粘土鉱物を添加した第1の処理水中に乳化剤を更に添加した試験区11(発明区)および12(発明区)では、除菌効果に一層優れている。
本発明による場合は、次亜塩素酸ナトリウムなどの塩素系殺菌剤を使用せずに、生の野菜類および果実類が本来有している外観、食感、味、風味などを損なうことなくそのまま良好に保持しながら、野菜類および果実類に付着している菌類などの微生物を十分に除去して、安全性および衛生性に優れ、しかも鮮度、外観、食感、味、風味に優れる除菌された野菜類および果実類を提供することができる。

Claims (5)

  1. 野菜類または果実類を、粘土鉱物と、酸化カルシウム、水酸化カルシウムおよびクエン酸カルシウムから選ばれる少なくとも1種のカルシウム成分と、乳化剤を添加した水で処理した後、水洗することを特徴とする野菜類または果実類の除菌方法。
  2. 粘土鉱物とカルシウム成分と乳化剤を添加した水による処理時間が1〜120分である請求項1に記載の除菌方法。
  3. 野菜類または果実類を、粘土鉱物と乳化剤を添加した水で処理し、次いで酸化カルシウム、水酸化カルシウムおよびクエン酸カルシウムから選ばれる少なくとも1種のカルシウム成分を添加した水で処理した後、水洗することを特徴とする野菜類または果実類の除菌方法。
  4. 粘土鉱物と乳化剤を添加した水による処理時間が1〜120分、およびカルシウム成分を添加した水による処理時間が1〜120分である請求項に記載の除菌方法。
  5. 処理に使用する水の質量に基づいて、粘土鉱物を0.001〜2質量%、カルシウム成分を0.01〜10質量%および乳化剤を0.001〜0.5質量%の割合で添加する請求項1〜のいずれか1項に記載の除菌方法。
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