JP2003135041A - 食品処理剤及び処理方法 - Google Patents

食品処理剤及び処理方法

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JP2003135041A
JP2003135041A JP2001338461A JP2001338461A JP2003135041A JP 2003135041 A JP2003135041 A JP 2003135041A JP 2001338461 A JP2001338461 A JP 2001338461A JP 2001338461 A JP2001338461 A JP 2001338461A JP 2003135041 A JP2003135041 A JP 2003135041A
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food processing
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Eiji Fukuda
英二 福田
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Clean Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 緑色及び白色野菜や魚介類等の生鮮色品に対
し、確実に且つ安全に殺菌消毒を行え、変色等の劣化を
抑制して長期間にわたる品質保持を可能にし、食感等の
食品の性質を改善して更なる価値を付加し得る食品処理
剤を提供する。 【解決手段】 塩素系殺菌剤と、イオン強度2.5×1
-5〜2.5を付与する無機電解質からなるイオン強度
付与剤とを含有し、残留塩素量30〜1500mg/
L、pH2.0〜8.0の水溶液からなる食品処理剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、野菜や魚介類等の
生鮮食品の殺菌消毒及び品質保持に好適な食品処理剤及
び処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、食品摂取における微生物由来の中
毒が多発する傾向にあり、なかでも病原性大腸菌O−1
57による中毒では死亡者がしばしば発生して社会問題
化している。このような事情から、食品を安全に食卓へ
のせる上で、食品の殺菌消毒処理が重要になっている。
【0003】従来、食品の殺菌消毒方法として、加熱処
理、薬剤水溶液による処理、ガスや放射線による滅菌処
理が知られるが、ガス滅菌や放射線滅菌は設備面等から
特殊な場合に限られ、加熱と薬剤水溶液による処理が一
般的である。しかして、調理食の場合は、予め加熱処理
を施した上で保存・流通させたり、食事前に煮たり焼い
たりすることによって殺菌消毒がなされる。これに対
し、サラダ等に利用する緑色又は白色野菜、イクラや刺
身とする魚介類等の生の状態で食するもの、あるいは干
物や塩蔵にするものを殺菌消毒する場合、薬剤水溶液に
よる浸漬処理を採用することが多い。
【0004】食品の殺菌消毒処理に使用できる薬剤は、
安全衛生上から非常に限られており、代表的なものとし
て次亜塩素酸ナトリウムや次亜塩素酸カルシウムの如き
次亜塩素酸塩、亜塩素酸ナトリウム、安定化二酸化塩素
等の塩素系殺菌剤が挙げられるが、これらの中でも次亜
塩素酸ナトリウムが多く使用されている。しかして、次
亜塩素酸塩はアルカリ性水溶液として、また亜塩素酸ナ
トリウムや安定化二酸化塩素はpH4以下の酸性水溶液
として使用されている。
【0005】しかしながら、塩素系殺菌剤の水溶液にて
食品を浸漬処理した場合、殺菌消毒はできても、殺菌剤
自体の酸化力やアルカリによる化学作用によって、食品
素材に変色等の損傷を与えることが多く、処理直後及び
短期間の保存中に食品としての価値を失うことがある。
【0006】そこで、本出願人は、先に特開平11−2
28316号として、次亜酸ナトリウムや次亜塩素酸カ
ルシウムの如き次亜塩素酸塩、安定化酸化塩素、亜塩素
酸塩等の塩素系殺菌剤を酸性剤によりpH5.5〜7.
5に調整することにより、殺菌力を向上あるいは保持さ
せ、同時にpHによる化学反応力を抑える殺菌消毒液の
製造方法を提案した。この殺菌消毒液による食品の処理
では、従来の塩素系殺菌剤水溶液による殺菌消毒方法に
比べ、食品素材への悪影響を抑えて食品としての価値を
より長く維持させ得る効果がある。また、一般的な塩素
系殺菌剤では殺菌効果を高める上で水溶液のpHを低く
することが望ましい反面、pHを低くするほど有毒ガス
の発生が増加するという問題を生じるが、本提案の殺菌
消毒液によれば、有毒ガスの発生を抑制し得るため、作
業環境を悪化させないという利点もある。
【0007】一方、殺菌消毒液として、塩素系殺菌剤自
体の水溶液ではなく、電解水生成器を用いて食塩水を電
気分解して得られる電解生成水が広く使用されるように
なっている。この電解生成水は、pH約5.5以下で酸
化還元電位800mV以上の弱酸性電解水と、pH3以
下で酸化還元電位1100mV以上の酸性電解水が主で
あるが、最近ではpH7.5付近のものも登場してお
り、いずれも殺菌力の高い次亜塩素酸を多量に含有して
いるために殺菌消毒用として有効である。しかして、こ
れらの電解生成水は現在のところは食品添加物に指定さ
れていないが、本出願人は特開平11−228316号
及び特開平10−8160号として、次亜塩素酸ナトリ
ウムと酸性剤とから電解生成水と同じ性質を持つ殺菌消
毒液を作製できることをに示した。従って、電解生成水
にて食品の殺菌消毒処理した場合、次亜塩素酸塩の水溶
液をpH調整して得られる殺菌消毒液と同じ残留塩素量
であれば、従来の次亜塩素酸ナトリウム単独の水溶液に
よる処理に比べ、食品素材の変色等の悪影響を緩和でき
ると考えられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、塩素系
殺菌剤の水溶液をpH調整した前記提案の殺菌消毒液や
電解生成水等による食品の殺菌消毒処理では、食品素材
の変色等の悪影響をある程度は抑制できるが、まだ充分
とは言えず、特に緑色及び白色野菜や魚介類等の生鮮色
品においては比較的早期に変色等の劣化を生じて商品価
値を喪失するため、殺菌消毒と共に、より長期間にわた
って鮮度を含む品質を維持させ得る手段の実現が望まれ
ている。
【0009】本発明は、上述の事情に鑑みて、特に緑色
及び白色野菜や魚介類等の生鮮色品に対し、確実に且つ
安全に殺菌消毒を行えると共に、食品素材の変色等の劣
化を抑制して長期間にわたる品質保持を可能にし、また
食感等の食品の性質を改善して更なる価値を付加し得る
食品処理剤及び処理方法を提供することを目的としてい
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1に係る食品処理剤は、塩素系殺菌
剤と、この塩素系殺菌剤とは異なる無機電解質よりなる
イオン強度付与剤とを含有し、残留塩素量30〜150
0mg/L、pH2.0〜8.0の水溶液からなるもの
としている。そして、請求項2の発明では、この請求項
1の食品処理剤におけるイオン強度付与剤が、イオン強
度1×10-5〜2.5を付与する含有量であるものとし
ている。
【0011】また、請求項3の発明は、上記請求項1又
は2の食品処理剤において、イオン強度付与剤が、塩化
ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カ
ルシウム、塩化第二鉄、硝酸カリウム、硝酸ナトリウ
ム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、ミョウバンよ
り選ばれる少なくとも一種の無機電解質である構成を採
用している。
【0012】更に、前記食品処理剤において、塩素系殺
菌剤の種類毎の好適態様を請求項4〜7として規定して
いる。すなわち、請求項4の発明は、前記請求項1〜3
のいずれかの食品処理剤において、塩素系殺菌剤が次亜
塩素酸アルカリ金属塩であり、残留塩素量30〜250
mg/L、pH4.0〜8.0の水溶液からなるものと
している。請求項5の発明は、前記請求項1又は3の食
品処理剤において、塩素系殺菌剤が次亜塩素酸カルシウ
ムであり、イオン強度1×10-5〜2.5×10-3を付
与するイオン強度付与剤を含有し、残留塩素量30〜2
50mg/L、pH4.0〜7.5の水溶液からなるも
のとしている。請求項6の発明は、前記請求項1〜3の
いずれかの食品処理剤において、塩素系殺菌剤が安定化
二酸化塩素及び亜塩素酸塩から選ばれる少なくとも一種
であり、残留塩素量50〜1500mg/L、pH4.
0〜6.0の水溶液からなるものとしている。請求項7
の発明は、前記請求項1〜3のいずれかの食品処理剤に
おいて、塩素系殺菌剤の水溶液が食塩水の電気分解によ
る電解生成水からなり、残留塩素量が30〜200mg
/Lの水溶液からなるものとしている。
【0013】一方、本発明の請求項8に係る食品処理方
法は、生鮮食品を前記請求項1〜7のいずれかに記載の
食品処理剤に所要時間浸漬することを特徴とするもので
ある。そして、この請求項8の食品処理方法において、
生鮮食品が緑色又は白色野菜であり、食品処理剤がイオ
ン強度1×10-5〜0.5を付与するイオン強度付与剤
を含有する請求項9の構成、生鮮食品が緑色又は白色野
菜であり、請求項5記載の食品処理剤に浸漬する請求項
10の構成、生鮮食品が魚卵であり、食品用処理剤がイ
オン強度0.2〜1.3を付与するイオン強度付与剤を
含有する請求項11の構成、生鮮食品が魚肉であり、食
品用処理剤がイオン強度0.5〜2.5を付与するイオ
ン強度付与剤を含有する請求項12の構成、をそれぞれ
好適態様としている。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に係る食品処理剤は、既述
のように、塩素系殺菌剤と、この塩素系殺菌剤とは異な
る無機電解質よりなるイオン強度付与剤とを含有し、残
留塩素量40〜1500mg/L、pH2.0〜8.0
の水溶液からなるものであり、食品の処理において、充
分な殺菌消毒効果が得られる上に、処理後の食品素材に
変色等の悪影響が現れず、劣化を抑えて鮮度等の品質を
長期間にわたって保持させることができ、また魚介類の
処理では食感向上や栄養分強化等の改質効果も発現する
ことが判明している。
【0015】本発明の食品処理剤に用いるイオン強度付
与剤は、処理液にイオン強度を付与することにより、塩
素系殺菌剤の殺菌消毒力を損なわせずに、該殺菌剤によ
る食品素材への悪影響を抑えることを可能にする成分で
あり、水溶性でイオン解離の大きい無機電解質であれば
よく、例えば、アルカリ金属の塩化物、硝酸塩、硫酸
塩、アルカリ土類金属の塩化物、硝酸塩、硫酸塩、アル
ミニウム及び鉄塩等が挙げられる。しかして、このよう
な無機電解質としては、食品の処理を行う上で食品添加
物に該当するものが好ましく、特に塩化ナトリウム、塩
化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、、塩
化第二鉄、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硫酸第一
鉄、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、ミョウバン等
が推奨され、これらは一種に限らず、二種以上を併用し
てもよい。
【0016】このような無機電解質からなるイオン強度
付与剤の作用効果は、その配合によって付与されるイオ
ン強度の大きさに依存し、無機電解質の種類によって単
位量当たりの付与するイオン強度が異なる。例えば前記
例示した無機電解質成分では、単位量当たりのイオン強
度の付与量は、硝酸カリウム→硝酸ナトリウム→塩化カ
リウム→塩化ナトリウム→硫酸ナトリウム→硫酸マグネ
シウム→塩化カルシウム→塩化マグネシウム→カリミョ
ウバン→塩化第二鉄の順に大きくなる。従って、本発明
においては、イオン強度付与剤の食品処理剤に対する配
合量を付与するイオン強度で規定する。なお、イオン強
度は次式より求めることができる。 イオン強度 = ΣCi ( Zi ) n /2 〔上式中、Ci はイオンiのモル濃度、Zi はイオンi
の価数である〕
【0017】因みに、前記例示した無機電解質の1g/
L、1mg/L、3%(30g/L)の各濃度の水溶液
における付与イオン強度を次の表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】しかして、本発明の食品処理剤におけるイ
オン強度付与剤の配合量は、イオン強度1×10-5
2.5を付与する範囲であり、このイオン強度の付与量
が少な過ぎては実質的な作用効果が得られず、逆に多過
ぎても作用効果が減退する。
【0020】同一イオン強度を付与できる無機電解質の
量は、塩化ナトリウムを基準の1とすれば、硝酸カリウ
ム1.7、硝酸ナトリウム1.46、塩化カリウム1.
34、硫酸ナトリウム0.81、塩化カルシウム0.6
3、塩化マグネシウム0.55、硫酸マグネシウム0.
52、カリミョウバン0.49、塩化第二鉄0.46で
ある。逆に同一量で付与できるイオン強度は、塩化ナト
リウムを基準の1とすれば、硝酸カリウム0.57、硝
酸ナトリウム0.68、塩化カリウム0.77、硫酸ナ
トリウム1.23、塩化カルシウム1.58、塩化マグ
ネシウム1.81、硫酸マグネシウム1.94、カリミ
ョウバン2.03、塩化第二鉄2.16となる。
【0021】なお、無機電解質の鉄塩は、水酸化鉄とし
て析出することがあり、これによって処理液のイオン強
度が低下したり、大きな析出物の付着による予想外の着
色を生じる場合があるため、単独使用及び多量の使用は
避けた方がよい。また第一鉄イオンは、酸化されやすい
欠点を持っている。ただし、鉄分は貧血等を改善する効
果があるため、食品素材の種類によって品質への悪影響
がないならば、鉄塩を使用して食品の鉄分強化を図るこ
とができる。
【0022】なお、有機酸のアルカリ金属塩やアルカリ
土類金属塩等の有機電解質は、イオン解離が不充分で前
記作用効果に乏しい上、量が増すと塩素系殺菌剤の安定
性を損ね易いため、本発明に用いるイオン強度付与剤と
しては不適当である。また、金属の炭酸塩も、充分なイ
オン解離が得られず、加えて低pH領域で炭酸ガスを発
生し、気泡の付着によって殺菌消毒効果を阻害する懸念
があることから、推奨できない。一方、塩素系殺菌剤も
電解質として水溶液のイオン強度を付与することになる
が、該殺菌剤は食品に変色等の損傷を与える原因物質で
あるから、該殺菌剤によって付与されるイオン強度の大
小はイオン強度付与剤として別途配合する前記無機電解
質とは逆作用となる。
【0023】本発明の食品処理剤に用いる塩素系殺菌剤
としては、次亜塩素酸塩、亜塩素酸塩、安定化二酸化塩
素が代表的であるが、これら以外に食塩水の電気分解に
よる電解生成水も使用可能である。次亜塩素酸塩の内、
次亜塩素酸ナトリウムは残留塩素量5〜12%の水溶液
が市販され、また次亜塩素酸カルシウムは残留塩素量6
0〜70%の粉状あるいは顆粒状とした高度サラシ粉や
サラシ粉として市販されており、共に広く入手可能であ
る。亜塩素酸ナトリウムは、残留塩素として10〜40
%の液体が市販されている。安定化二酸化塩素は、爆発
性のある二酸化塩素を安全な形態にしたものであり、残
留塩素として2〜5%の水溶液が市販されている。電解
生成水は食塩水を電気分解した際の陽極側から得られる
ものであり、その電解装置が電解水生成器として市販さ
れている。
【0024】本発明の食品処理剤においては、これらの
塩素系殺菌剤による残留塩素量を30〜1500mg/
Lの範囲、また水溶液のpHを2.0〜8.0の範囲
に、それぞれ設定する。すなわち、残留塩素量が30m
g/L未満になると、充分な殺菌消毒力が得られず、逆
に1500mg/Lを越えると、イオン強度付与剤によ
るイオン強度の付与によっても食品素材への悪影響が避
けられなくなる。また、水溶液のpHが2.0より低く
なると、食品素材の変質を来たし易い上に塩素ガス等の
有毒ガスの発生も多くなり、逆に同pHが8.0を越え
ると、殺菌消毒性が不充分になる。しかして、使用する
塩素系殺菌剤の種類により、上記の残留塩素量とpHに
は、更に好ましい範囲がある。
【0025】次亜塩素酸塩水溶液中の酸化力を持った塩
素は、pHによって存在形態とそれらの存在比率が異な
る。pHが高いとき、次亜塩素酸イオン(OCL−)だ
けが存在し、pHが下がるにつれ次亜塩素酸イオンの割
合が減少し、次亜塩素酸(HOCl)の割合が増してく
る。pH7.5近くで次亜塩素酸イオンと次亜塩素酸が
略同量になるが、pH4〜5付近で次亜塩素酸イオンは
殆どなくなって次亜塩素酸が全体を占めるようになる。
更にpHが下がると、次亜塩素酸の割合も低下するよう
になり、代わって塩素(Cl2 )が生成するようにな
る。これら塩素の3形態の中では次亜塩素酸の殺菌力が
圧倒的に強く、また塩素の生成は有毒な塩素ガスの発生
につながる。よって、殺菌消毒の有効性を確保する上
で、次亜塩素酸の割合がより多い状態の水溶液を調製す
る必要があり、これらの点から、塩素系殺菌剤として次
亜塩素酸アルカリ金属塩を使用した食品処理剤では、p
Hを4.0〜8.0の範囲とすることが好ましい。ま
た、次亜塩素酸カルシウムを使用した食品処理剤では、
次亜塩素酸アルカリ金属塩を使用する場合と同様である
が、高度サラシ粉を完全に溶解させる上でpHを7.5
以下にする必要があるため、好ましいpH範囲は4.0
〜7.5となる。
【0026】一方、次亜塩素酸塩は殺菌剤として速効性
であるため、食品処理剤中の残留塩素量は比較的に低濃
度でよく、充分な殺菌性を得る上で残留塩素量を30〜
250mg/Lの範囲に設定することが推奨される。し
かして、残留塩素量が250mg/L以下では、pH4
以上にすれば、塩素ガスの発生量を最大30ppm程度
に抑えることができる。
【0027】安定化二酸化塩素水溶液中の二酸化塩素
は、細菌、ウィルス、胞子、そして藻類等に対して酸化
反応による殺菌作用を示す。すなわち、微生物は栄養分
を吸収し排泄するが、排泄物は酸性であるため安定化し
た二酸化塩素と反応し、次亜塩素酸と発生期の酸素を生
成し、次亜塩素酸からさらに発生期の酸素が放出され、
この発生期の酸素が排泄物の分泌経路を辿って微生物の
体内に侵入して細胞を破壊する。しかるに、安定化二酸
化塩素水溶液はアルカリ性〜中性の領域では殺菌力が非
常に弱く、且つ安定化二酸化塩素を水に溶かしたときそ
のPHが約7. 5であることから、殺菌性を高めるため
にpHを酸性に調整する必要がある。また、亜塩素酸ナ
トリウムなどの亜塩素酸塩も、アルカリ性〜中性におい
て殺菌力は弱いが、水溶液のpHを酸性に調整すること
によって強い殺菌作用を発揮させることができる。この
ように亜塩素酸塩や安定化二酸化塩素の水溶液を酸性に
調整するには、酸性剤を用いればよい。
【0028】しかるに、安定化二酸化塩素と亜塩素酸塩
は、水溶液のpHが4以下になると有毒な二酸化塩素ガ
スの発生が大幅に増加することから、pH4.0〜6.
0の範囲に設定することが推奨される。また、これらの
酸化力は次亜塩素酸ナトリウムに対して安定化二酸化塩
素で約2. 6倍、亜塩素酸塩で約2倍と大きいが、その
殺菌作用は遅効性であるため、短時間の浸漬処理によっ
て食品の殺菌を確実に行う上で残留塩素量を多目にする
必要があり、特に残留塩素量を50〜1500mg/L
の範囲に設定することが推奨される。なお、特に安定化
二酸化塩素は、アンモニアや窒素化合物との反応性が弱
いため、有機物共存下でも殺菌力の持続性がよいという
利点がある。
【0029】食塩を電気分解して得られる電解生成水に
ついては、現状で市販される電解水生成器にて得られる
生成水の残存塩素量が高くても40mg/L程度であ
り、pH3付近でも塩素ガスの発生は微々たるものであ
るから、該pH範囲は3〜8と広く設定できる。しかし
て、このような電解生成水にイオン強度を付与する無機
電解質を配合することにより、もとの電解生成水よりも
食品に対する品質保持効果や改質効果に優れた食品処理
剤が得られるが、将来的な装置改良も含め、その残留塩
素量は30〜200mg/L程度とするのがよい。
【0030】なお、安全な作業環境を確保する上で、各
塩素系殺菌剤に応じた前記pH範囲の設定にて塩素ガス
の発生を抑えることに加えて、簡単な換気装置を設置す
ることが推奨される。
【0031】殺菌性については、塩素系殺菌剤の含有量
が同じであれば、イオン強度付与剤として用いる無機電
解質にて付与するイオン強度が高い(無機電解質の配合
量が多い)ほど強められることが判明している。これ
は、無機電解質の多量の存在によって食品への浸透圧が
上昇し、細菌への攻撃性が増すと共に、塩素系殺菌剤の
殺菌機能が効率よく引き出されるという相乗効果による
ものと推測される。ただし、殺菌性を求めてイオン強度
付与剤の配合量を多くし過ぎると、食品素材に悪影響を
生じることもあるので、適度に調整する必要がある。な
お、イオン強度付与剤である無機電解質を塩素系殺菌剤
水溶液に溶解すると、概してpHが低くなる傾向がある
が、それに応じてpH調整を行えばよい。また、イオン
強度付与剤が吸湿性を有するものでは、その吸湿量に応
じて配合量を補正すればよい。
【0032】pH調整剤としては、例えば、酢酸、コハ
ク酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、酪酸、フマ
ル酸、アジピン酸、シュウ酸、グルコン酸、リン酸、フ
ィチン酸、塩酸、硫酸等の酸性剤を使用できる。しかる
に、食品を処理する上で、食品添加物に指定されない酸
性剤、例えば、マレイン酸、グリコール酸、硝酸、硫酸
水素ナトリウム、スルファミン酸等は好ましくない。ま
た、安全性や急激なPH変化を防ぐ点からは、酢酸、コ
ハク酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、リン酸、
塩酸が好ましい。加えて、取り扱い上の安全性、所定p
Hへの設定のし易さ、酸化的雰囲気での安定性等から
は、酢酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、リン酸が特
に推奨される。フマル酸、酒石酸、グルコン酸は、酸化
的雰囲気において安定性が損なわれるので、調整前の塩
素系殺菌剤水溶液のpHが高めであって少量添加で所定
pHに調整できる場合の使用が適している。アジピン酸
は、水溶性に乏しいので単独では使用しにくい。
【0033】酸性剤は、pH調整に加えて、アルカリ性
剤との併用によるpH緩衝性を付与する目的でも使用可
能であるから、特に配合量には制約はなく、食品処理剤
の残留塩素の安定性、有毒ガスの発生度合、食品素材へ
の影響度合、経済性及び操作性等を含めて、使用する酸
性剤の種類と量を選択すればよい。しかして、アルカリ
性剤としては、使用する酸性剤の酸に対応したアルカリ
金属塩が好ましく、例えばコハク酸に対してはコハク酸
ナトリウムやコハク酸カリウムを用いるのがよい。この
ように酸性剤とアルカリ性剤を併用してpH調整された
食品処理剤の水溶液は、pHの安定性が増すため、食品
を処理したときのpHの移動が少なくなり、より長期間
にわたって所定のpH域を維持でき、処理後の液につい
ても、残留塩素量が極端に減少していなければ、同じ条
件に近い状態で再処理に供することが可能になる。ただ
し、pH緩衝性を増すために酸性剤及びアルカリ性剤を
多量に用い過ぎると、残留塩素の安定性を損ねたり、食
品素材を変質させる可能性があることを留意すべきであ
る。
【0034】本発明の食品処理剤は、上述のように、塩
素系殺菌剤とイオン強度付与剤としての無機電解質を含
有し、適当な塩素残留量及びpHに調整されたものであ
り、液中に食品を一定時間浸漬することにより、充分な
殺菌消毒を行うと共に、食品素材の変色等の劣化を抑制
し、鮮度等の品質を長期間にわたって維持させ、また処
理対象とする食品の種類によっては食感等の食品の性質
を改善したり、更には新たな栄養価等を付加し得るもの
である。しかして、処理対象とする食品には特に制約は
ないが、とりわけ野菜類や魚介類等の生鮮食品において
顕著な処理効果が得られる。
【0035】本発明の食品処理剤においてイオン強度付
与剤により付与するイオン強度は、処理対象となる食品
の種類によって好適範囲が異なり、野菜の場合は比較的
に低いイオン強度が好ましく、魚卵等では中程度のイオ
ン強度が適当であり、干物などに用いる魚肉の場合には
高いイオン強度を付与するのがよい。
【0036】緑色野菜や白色野菜の処理では、殺菌消毒
は当然のこととして、処理後の緑色部及び白色部の黄変
等の変色が抑えられ、みずみずしさが長期間にわたって
保持されるため、優れた鮮度維持効果が得られる。しか
して、緑色野菜や白色野菜の処理に用いる食品処理剤で
は、イオン強度1×10-5〜0.5程度を付与するイオ
ン強度付与剤を含有するものが好適であり、この付与さ
れるイオン強度が低過ぎては充分な鮮度維持効果は得ら
れず、逆に高過ぎても効果は減退傾向を示す。また、こ
の場合に、イオン強度を付与する無機電解質として塩化
第二鉄等の鉄塩を含有する食品処理剤を使用すれば、処
理によって鉄分が野菜に移行するため、鉄分強化野菜を
提供できることになる。
【0037】なお、塩素系殺菌剤として次亜塩素酸カル
シウムである高度サラシ粉を用いた食品処理剤では、緑
色野菜や白色野菜の処理において、イオン強度付与剤に
て付与されるイオン強度1×10-5〜2.5×10-3
範囲で充分な殺菌消毒効果及び鮮度維持効果が得られ、
該イオン強度をより高く(イオン強度付与剤の配合量を
多く)しても更なる効果の向上は認められないことが判
明している。このように高度サラシ粉を用いた食品処理
剤が、他の塩素系殺菌剤を用いた食品処理剤に比べてイ
オン強度付与剤にて付与されるイオン強度が低い範囲で
効果のピークを示す理由は明確ではないが、緑色野菜や
白色野菜に対して高度サラシ粉に由来するカルシウム成
分が何らかの作用を及ぼすものと考えられる。
【0038】イクラ等の魚卵の処理では、その確実な殺
菌消毒と共に変色防止を行え、やはり優れた鮮度維持効
果が得られる上、魚卵自体に弾力性が付与され、食感が
向上することが判明している。このような魚卵の処理に
用いる食品処理剤としては、イオン強度0.2〜1.3
程度を付与するイオン強度付与剤を含有するものが好適
である。この付与されるイオン強度が低過ぎては魚卵が
脆くなる傾向があり、逆に高過ぎては魚卵が堅くなり、
共に食感の低下を招く。
【0039】魚肉の処理では、前記魚卵の場合と同様
に、その確実な殺菌消毒と共に変色防止を行え、やはり
優れた鮮度維持効果が得られる上、魚肉に所謂『しま
り』( 弾力性) を与えることができる。この魚肉の処理
に用いる食品処理剤としては、イオン強度付与剤にて付
与するイオン強度を高くするのがよく、特にイオン強度
0.5〜2.5を付与するイオン強度付与剤を含有する
ものが好適であり、イオン強度が低過ぎても高過ぎても
効果が減退する傾向を示す。
【0040】なお、本発明の食品処理剤にて処理した場
合、処理直後に塩素臭が残っていても殆どの場合は短時
間で消失する。しかして、このような塩素臭は、水洗に
よっても簡単に除去できると共に、仮に処理後の数時間
経過時点で臭いがあっても1日程度で確実に消えること
が判明している。
【0041】
【実施例】以下、本発明の実施例について具体的に説明
する。なお、実施例で使用した塩素系殺菌剤は次の通り
である。 次亜塩素酸ナトリウム・・・小厚化成社製ヒシクリンS
( 残留塩素量12%) 次亜塩素酸カルシウム・・・南海化学工業社製70%高
度サラシ粉(残留塩素量70%) 安定化二酸化塩素・・・・・バイオサイド・インターナ
ショナル社製(残留塩素量5%) 亜塩素酸ナトリウム・・・・ダイソー社製25%亜塩素
酸ソーダ( 残留塩素量39%) 電解生成水・・・酸性電解生成水 (pH2.8、残留
塩素量35mg/L) 弱酸性電解生成水(pH5.1、残留塩素量70mg/
L) 中性電解生成水(pH7.5、残留塩素量100mg/
L)
【0042】実施例1 塩素系殺菌剤として次亜塩素酸ナトリウムを含む水溶液
に、所要のイオン強度を付与する量の無機電解質を溶解
すると共に、酸性剤によってpH調整を行い、後記表2
A〜2Cに記載のNo.1〜70の食品処理剤水溶液
(pH未調整、イオン強度付与剤不使用を含む)を調製
した。そして、レタスの芯を除いて2cm角に切ったも
のを30秒間流下水洗し、このレタスを各食品処理剤水
溶液1Lに対して50gの割合で5分間浸漬したのち、
取り出したレタスを充分に液を除いた上で300mlの
ガラスビーカーに収容し、このビーカーの開口部を透明
ラップで覆って密封した状態で5℃の暗所に保存し、変
色(レタスの緑色部や白色部の褪色及び黄変)を生じる
までの日数を調べると共に、前記浸漬後のレタスの一部
を磨砕して生菌数を測定した。その結果を表2A〜2C
に示す。なお、前記水洗後の浸漬処理前の生菌数は略2
×106 個/gであった。
【0043】
【表2A】
【0044】
【表2B】
【0045】
【表2C】
【0046】表2A〜2Cに示すように、塩素系殺菌剤
として次亜塩素酸ナトリウムを用いた食品処理剤による
レタスの処理においては、次亜塩素酸ナトリウム単独の
処理剤(No.1,16,57)の場合は処理後の1日
から2日で変色を生じるが、酸性剤にてpH調整した処
理剤(No.2,7,17,19,21,25,50,
53,58,61,68)では変色に至るまでの日数が
延び、更にイオン強度付与剤によるイオン強度を付与し
た本発明の処理剤(No.3〜6,8〜15,18,2
0,26〜49,51,52,54〜56,59,6
0,62〜67、69,70)では、該日数が更に延び
て優れた鮮度維持効果を発揮できることが判る。しかし
て、この鮮度維持効果は、無機電解質にて付与されるイ
オン強度が1×10-5以上の場合に特に良好であるが、
このイオン強度が0.6以上になると逆に低下する傾向
が現れており、またイオン強度付与剤に用いる無機電解
質の種類による差異は殆ど認めない。一方、殺菌効果に
ついては、pHが高く残留塩素量の少ない処理剤(N
o.16,57)では不充分であり、pHが低くなるほ
ど、また残留塩素量が多いほど高くなる傾向を示すが、
pH2.0〜8.0の範囲では比較的に少ない残留塩素
量でも良好であり、特に無機電解質にて付与されるイオ
ン強度が高くなるほど殺菌効果も強くなっている。pH
調整剤の種類は、鮮度維持効果及び殺菌効果に影響して
いない。
【0047】実施例2 塩素系殺菌剤として高度サラシ粉を用い、これを溶解し
た次亜塩素酸カルシウム水溶液に、所要のイオン強度を
付与する量の無機電解質を溶解すると共に、酸性剤によ
ってpH調整を行い、後記表3A〜3Cに記載のNo.
71〜123の食品処理剤水溶液(イオン強度付与剤不
使用を含む)を調製した。そして、実施例1と同様にし
て、レタスを各食品処理剤水溶液に浸漬処理したのち、
暗所に保存して変色を生じるまでの日数を調べると共
に、前記浸漬後の生菌数を測定した。その結果を表3A
〜3Cに示す。なお、No.88、96、100、11
2の各食品処理剤水溶液において併用した2種の無機電
解質は、両者の付与するイオン強度が1:1になる割合
とした。
【0048】
【表3A】
【0049】
【表3B】
【0050】
【表3C】
【0051】表3A〜3Cに示すように、塩素系殺菌剤
として次亜塩素酸カルシウム(高度サラシ粉)を用いた
食品処理剤によるレタスの処理においては、酸性剤によ
るpH調整のみの処理剤(No.71、75,78,8
2,92,95,103,106,109,117,1
21)に比べ、イオン強度を付与した本発明の処理剤
(No.72〜74,76,77,79〜81,83〜
91,93,94,96〜102,104,105,1
07,108,110〜116,118〜120,12
1,122)では、変色するまでの日数が延びており、
優れた鮮度維持効果が得られることが判る。しかして、
この鮮度維持効果は、無機電解質の種類による差異は殆
ど認めないが、付与されるイオン強度が1×10-3付近
でピークに達している。この効果は、次亜塩素酸ナトリ
ウムを用いた同一残留塩素量の処理剤よりも優れ、しか
も前記イオン強度の小さい領域でも非常に良好であるか
ら、高度サラシ粉自体に含まれるカルシウム成分による
好影響が考えられる。一方、殺菌効果については、次亜
塩素酸ナトリウムを用いた処理剤と同様の傾向である。
なお、無機電解質として塩化第二鉄を用いた処理剤(N
o.88,100)によって処理したレタスの鉄含量を
測定したところ、水洗処理だけのレタスに比較して10
0g当たり0.5mgの鉄が増加しており、処理による
鉄分強化が確認された。
【0052】実施例3 塩素系殺菌剤として安定化二酸化塩素を含む水溶液に、
イオン強度付与剤として所要量の無機電解質を溶解する
と共に、酸性剤によってpH調整を行い、後記表4に記
載のNo.124〜134の食品処理剤水溶液(イオン
強度付与剤不使用を含む)を調製した。そして、実施例
1と同様にして、レタスを各食品処理剤水溶液に浸漬処
理したのち、暗所に保存して変色を生じるまでの日数を
調べると共に、前記浸漬後の生菌数を測定した。その結
果を表4に示す。
【0053】
【表4】
【0054】表4に示すように、塩素系殺菌剤として安
定化二酸化塩素を用いた食品処理剤によるレタスの処理
においては、pH調整のみの処理剤(No.124,1
26,132)に比べ、イオン強度付与剤として無機電
解質を含有する本発明の処理液(No.125,127
〜131,133,134)では、変色するまでの日数
が延び、優れた鮮度維持効果が得られている。一方、殺
菌効果は、無機電解質の存在による低下はなく、むしろ
イオン強度が大きいほど強まる傾向を示す。また、pH
が低いほど殺菌効果は強くなっているが、pH3.8
(No.132〜134)では二酸化塩素ガスの多量発
生(50mg/L以上)が確認された。従って、安定化
二酸化塩素を用いた食品処理剤ではpHを4.0以上に
調整することが推奨される。
【0055】実施例4 塩素系殺菌剤として亜塩素酸ナトリウムを含む水溶液
に、所要のイオン強度を付与する量の無機電解質を溶解
すると共に、酸性剤によってpH調整を行い、後記表5
に記載のNo.135〜148の食品処理剤水溶液(イ
オン強度付与剤不使用を含む)を調製した。そして、実
施例1と同様にして、レタスを各食品処理剤水溶液に浸
漬処理したのち、暗所に保存して変色を生じるまでの日
数を調べると共に、前記浸漬後の生菌数を測定した。そ
の結果を表5に示す。
【0056】
【表5】
【0057】表5に示すように、塩素系殺菌剤として亜
塩素酸ナトリウムを用いた食品処理剤によるレタスの処
理においても、pH調整のみの処理剤(No.135,
137,141,146)に比べ、イオン強度付与剤と
しての無機電解質を含有する本発明の処理液(No.1
36,138〜140,142〜145,147,14
8)では、優れた鮮度維持効果を発揮している。また無
機電解質による殺菌効果の低下はないが、安定化二酸化
塩素を用いたものと同様に、pHが低すぎると二酸化塩
素ガスの発生が多くなるため、pHを4.0以上に調整
することが推奨される。
【0058】実施例5 塩素系殺菌剤として次亜塩素酸ナトリウムを含む水溶液
に、所要のイオン強度を付与する量の無機電解質を溶解
すると共に、酸性剤とアルカリ性剤によってpH調整と
pH緩衝性の付与を行い、後記表6に記載のNo.14
9〜171の食品処理剤水溶液(イオン強度付与剤不使
用を含む)を調製した。そして、実施例1と同様にし
て、レタスを各食品処理剤水溶液に浸漬処理したのち、
暗所に保存して変色を生じるまでの日数を調べると共
に、前記浸漬後の生菌数を測定した。その結果を表6に
示す。なお、各食品処理剤水溶液は、酸性剤を0.7g
/Lの割合で使用し、これと併用するアルカリ性剤の量
によって所要のpHに調整している。また、用いたアル
カリ性剤は、酸性剤に用いた酸のナトリウム塩であり、
リン酸ではリン酸三ナトリウム、コハク酸ではコハク酸
ナトリウム、酢酸では酢酸ナトリウムである。
【0059】実施例6 塩素系殺菌剤として高度サラシ粉を用い、これを溶解し
た次亜塩素酸カルシウム水溶液に、所要のイオン強度を
付与する量の無機電解質を溶解すると共に、0.7g/
Lのコハク酸と所要量のコハク酸ナトリウムとによって
pH調整とpH緩衝性の付与を行い、後記表7に記載の
No.172〜181の食品処理剤水溶液(イオン強度
付与剤不使用を含む)を調製した。そして、実施例1と
同様にして、レタスを各食品処理剤水溶液に浸漬処理し
たのち、暗所に保存して変色を生じるまでの日数を調べ
ると共に、前記浸漬後の生菌数を測定した。その結果を
表7に示す。
【0060】実施例7 塩素系殺菌剤として安定化二酸化塩素を含む水溶液に、
所要のイオン強度を付与する量の無機電解質を溶解する
と共に、0.7g/Lの酢酸と所要量の酢酸ナトリウム
とによってpH調整とpH緩衝性の付与を行い、後記表
8に記載のNo.182〜189の食品処理剤水溶液
(イオン強度付与剤不使用を含む)を調製した。そし
て、実施例1と同様にして、レタスを各食品処理剤水溶
液に浸漬処理したのち、暗所に保存して変色を生じるま
での日数を調べると共に、前記浸漬後の生菌数を測定し
た。その結果を表8に示す。
【0061】実施例8 塩素系殺菌剤として亜塩素酸ナトリウムを含む水溶液
に、所要のイオン強度を付与する量の無機電解質を溶解
すると共に、0.7g/Lのリン酸と所要量のリン酸三
ナトリウムとによってpH調整とpH緩衝性の付与を行
い、後記表9に記載のNo.190〜198の食品処理
剤水溶液(イオン強度付与剤不使用を含む)を調製し
た。そして、実施例1と同様にして、レタスを各食品処
理剤水溶液に浸漬処理したのち、暗所に保存して変色を
生じるまでの日数を調べると共に、前記浸漬後の生菌数
を測定した。その結果を表9に示す。
【0062】
【表6】
【0063】
【表7】
【0064】
【表8】
【0065】
【表9】
【0066】表6〜表9に示すように、pH調整剤とし
て酸性剤とアルカリ性剤を用い、pH調整と同時にpH
緩衝性を付与した食品処理剤では、塩素系殺菌剤として
次亜塩素酸ナトリウム、高度サラシ粉、安定化二酸化塩
素、亜塩素酸ナトリウムのいずれを使用したものでも、
無機電解質によるイオン強度の付与により、レタスに対
して優れた鮮度維持効果が発揮されている。しかして、
この鮮度維持効果は、酸性剤のみでpH調整を行った食
品処理剤(表2〜表5参照)に比較し、同等もしくは向
上しているが、やはりイオン強度が0.6以上になると
低下傾向を示す。なお、レタス処理後のpHは、酸性剤
だけでpH調整した食品処理剤では0.1〜0.3程度
の上昇があるが、pH緩衝性を増した場合には殆ど変化
はなかった。また、殺菌効果については、pH緩衝性の
付与による変化は認められなかった。
【0067】実施例9 塩素系殺菌剤水溶液としてpH7.5、pH5.1、p
H2.8の各電解生成水と、pH7.5の電解生成水を
コハク酸にてpH6.5に調整したものとを用い、所要
のイオン強度を付与する量の無機電解質を溶解して後記
表10に記載のNo.199〜215の食品処理剤水溶
液(イオン強度付与剤不使用を含む)を調製した。そし
て、実施例1と同様にして、レタスを各食品処理剤水溶
液に浸漬処理したのち、暗所に保存して変色を生じるま
での日数を調べると共に、前記浸漬後の生菌数を測定し
た。その結果を表10に示す。なお、浸漬処理時間は、
No.199〜213の食品処理剤水溶液では5分間、
No.214、215の食品処理剤水溶液では8分間と
した。
【0068】
【表10】
【0069】表10に示すように、塩素系殺菌剤剤とし
て電解生成水を用いた食品処理剤によるレタスの処理で
は、無機電解質によるイオン強度の付与により、レタス
が変色するまでの日数が延び、優れた鮮度維持効果を発
揮できることが判る。しかるに、この鮮度維持効果は、
塩素系殺菌剤の水溶液を用いた前記実施例1〜8の食品
処理剤と同様に、付与したイオン強度が高過ぎる場合
(No.212,213)は、低下する傾向を示してい
る。なお、電解生成水をpH調整した食品処理剤(N
o.203〜206)でも、無機電解質によるイオン強
度の付与により、やはり殺菌効果を損なうことなく優れ
た鮮度維持効果が得られている。
【0070】実施例10 塩素系殺菌剤として次亜塩素酸ナトリウムを含む水溶液
に、所要のイオン強度を付与する量の無機電解質を溶解
すると共に、コハク酸によってpH調整を行い、後記表
11Aに記載のNo.216〜221の食品処理剤水溶
液(pH未調整、イオン強度付与剤不使用を含む)を調
製した。そして、15秒間流下水洗したイクラを各食品
処理剤水溶液1Lに対して100gの割合で5分間浸漬
したのち、取り出したイクラを充分に液を除いた上で3
00mlのガラスビーカーに収容し、このビーカーの開
口部を透明ラップで覆って密封した状態で5℃の暗所に
保存し、変色(イクラのオレンジ色が茶色に変わる)を
生じるまでの日数を調べると共に、前記浸漬後のイクラ
の一部について生菌数を測定し、また処理後のイクラの
食感を調べた。その結果を表11Aに示す。なお、前記
水洗後の浸漬処理前の生菌数は略100個/gであっ
た。食感の評価は、処理前に比較し、好ましい弾力を感
じる場合を(+)、特に変化が感じられない場合を
(±)、もろく感じる場合を(S)、堅く感じる場合を
(H)とした。
【0071】実施例11 塩素系殺菌剤として高度サラシ粉を用い、これを溶解し
た次亜塩素酸カルシウム水溶液に、所要のイオン強度を
付与する量の無機電解質を溶解すると共に、コハク酸に
よってpH調整を行い、後記表11Bに記載のNo.2
22〜228の食品処理剤水溶液(イオン強度付与剤不
使用を含む)を調製した。そして、実施例10と同様に
して、イクラを各食品処理剤水溶液に浸漬処理したの
ち、暗所に保存して変色を生じるまでの日数を調べると
共に、前記浸漬後の生菌数を測定し、また食感を調べ
た。その結果を表11Bに示す。
【0072】実施例12 塩素系殺菌剤として安定化二酸化塩素を含む水溶液に、
所要のイオン強度を付与する量の無機電解質を溶解する
と共に、リン酸によってpH調整を行い、後記表11C
に記載のNo.229〜233の食品処理剤水溶液(イ
オン強度付与剤不使用を含む)を調製した。そして、実
施例10と同様にして、イクラを各食品処理剤水溶液に
浸漬処理したのち、暗所に保存して変色を生じるまでの
日数を調べると共に、前記浸漬後の生菌数を測定した。
その結果を表11Cに示す。
【0073】実施例13 塩素系殺菌剤として亜塩素酸ナトリウムを含む水溶液
に、所要のイオン強度を付与する量の無機電解質を溶解
すると共に、リン酸によってpH調整を行い、後記表1
1Dに記載のNo.234〜241の食品処理剤水溶液
(イオン強度付与剤不使用を含む)を調製した。そし
て、実施例10と同様にして、イクラを各食品処理剤水
溶液に浸漬処理したのち、暗所に保存して変色を生じる
までの日数を調べると共に、前記浸漬後の生菌数を測定
し、また食感を調べた。その結果を表11Dに示す。
【0074】
【表11A】
【0075】
【表11B】
【0076】
【表11C】
【0077】
【表11D】
【0078】表11A〜11Dに示すように、イクラの
処理では、無機電解質にてイオン強度を付与した食品処
理剤(No.219,220,224〜227,230
〜233,236〜239)を用いることにより、変色
を生じるまでの日数が延び、優れた鮮度維持効果が得ら
れると共に、生菌数も非常に少なくなっており、加えて
食感も向上している。しかるに、これらの鮮度維持効
果、殺菌効果、食間向上効果はいずれも、無機電解質及
びpH調整剤の種類による差異は認められないが、付与
されるイオン強度が小さ過ぎる場合は不充分であり(N
o.218,219,223,235)、また該イオン
強度が大き過ぎても減退しており(No.231,22
8,240,241)、該イオン強度0.2〜1.3の
範囲が好適であることが判る。
【0079】実施例14 塩素系殺菌剤として次亜塩素酸ナトリウムを含む水溶液
に、所要のイオン強度を付与する量の無機電解質を溶解
すると共に、コハク酸によってpH調整を行い、後記表
12Aに記載のNo.242〜249の食品処理剤水溶
液(pH未調整、イオン強度付与剤不使用を含む)を調
製した。そして、腹を開いて内臓を除去した平均体長約
25cmのホッケを15秒間流下水洗し、各食品処理剤
水溶液2Lに対してホッケ一匹を5分間浸漬したのち、
取り出したホッケを充分に液を除いた上でトレーに収容
し、その上から透明ラップで覆って密封した状態で5℃
の暗所に保存し、変色(ホッケの肉面が黄味を帯びる)
を生じるまでの日数を調べると共に、処理後のホッケの
食感を調べた。その結果を表12Aに示す。食感の評価
は、処理前に比較し、身に好ましい『しまり』を感じる
場合を(+)、特に変化が感じられない場合を(±)、
軟らかく感じる場合を(S)、堅く感じる場合を(H)
とした。なお、前記浸漬前後のホッケの生菌の有無をフ
ードスタンプ『ニッスイ』にて調べたところ、浸漬前に
は生菌が存在していたが、浸漬後には生菌は存在しなか
った。
【0080】実施例15 塩素系殺菌剤として高度サラシ粉を用い、これを溶解し
た次亜塩素酸カルシウム水溶液に、所要のイオン強度を
付与する量の無機電解質を溶解すると共に、コハク酸に
よってpH調整を行い、後記表12Bに記載のNo.2
50〜254の食品処理剤水溶液(イオン強度付与剤不
使用を含む)を調製した。そして、実施例14と同様に
して、ホッケを各食品処理剤水溶液に浸漬処理したの
ち、暗所に保存して変色を生じるまでの日数を調べると
共に、処理後の食感を調べた。その結果を表12Bに示
す。なお、実施例14と同様にして浸漬後の生菌の有無
を調べたところ、生菌の存在は認められなかった。
【0081】実施例16 塩素系殺菌剤として安定化二酸化塩素を含む水溶液に、
所要のイオン強度を付与する量の無機電解質を溶解する
と共に、リン酸によってpH調整を行い、後記表12C
に記載のNo.255〜259の食品処理剤水溶液(イ
オン強度付与剤不使用を含む)を調製した。そして、実
施例14と同様にして、ホッケを各食品処理剤水溶液に
浸漬処理したのち、暗所に保存して変色を生じるまでの
日数を調べると共に、処理後の食感を調べた。その結果
を表12Cに示す。なお、実施例14と同様にして浸漬
後の生菌の有無を調べたところ、生菌の存在は認められ
なかった。
【0082】実施例17 塩素系殺菌剤として亜塩素酸ナトリウムを含む水溶液
に、所要のイオン強度を付与する量の無機電解質を溶解
すると共に、リン酸によってpH調整を行い、後記表1
2Dに記載のNo.260〜268の食品処理剤水溶液
(イオン強度付与剤不使用を含む)を調製した。そし
て、実施例14と同様にして、ホッケを各食品処理剤水
溶液に浸漬処理したのち、暗所に保存して変色を生じる
までの日数を調べると共に、処理後の食感を調べた。そ
の結果を表12Dに示す。なお、実施例14と同様にし
て浸漬後の生菌の有無を調べたところ、生菌の存在は認
められなかった。
【0083】
【表12A】
【0084】
【表12B】
【0085】
【表12C】
【0086】
【表12D】
【0087】表12A〜12Dに示すように、ホッケの
処理でも、無機電解質にてイオン強度を付与した食品処
理剤(No.245〜248,252〜254,256
〜259,262〜267)を用いることにより、変色
を生じるまでの日数が延び、優れた鮮度維持効果が得ら
れると共に、食感も向上している。しかるに、これらの
鮮度維持効果及び食間向上効果はいずれも、無機電解質
及びpH調整剤の種類による差異は認められないが、付
与されるイオン強度が小さ過ぎる場合は不充分であり
(No.244,251,261)、また該イオン強度
が大き過ぎても減退しており(No.249,26
8)、該イオン強度0.5〜2.5の範囲が好適である
ことが判る。
【0088】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、食品処理剤と
して、塩素系雑菌剤とイオン強度付与剤とを含有し、特
定の残留塩素量及びpHを有する水溶液からなり、食品
に対して殺菌消毒を行えると共に、食品素材の変色等の
劣化を抑制して長期間にわたる品質保持を可能にし、ま
た食感等の食品の性質を改善して更なる価値を付加し得
るものが提供される。
【0089】請求項2の発明によれば、前記の食品処理
剤において、イオン強度付与剤にて付与されるイオン強
度が特定範囲にあることから、殺菌効果及び品質維持効
果を確実に発揮できるという利点がある。
【0090】請求項3の発明によれば、前記の食品処理
剤において、イオン強度付与剤として特定の無機電解質
を用いることから、殺菌効果及び品質維持効果がより確
実に発揮できるという利点がある。
【0091】請求項4の発明によれば、塩素系殺菌剤と
して次亜塩素酸アルカリ金属塩を用いた前記の食品処理
剤において、食品に対して確実な殺菌消毒を安全に行え
ると共に、優れた品質維持効果及び品質向上効果を発揮
できるという利点がある。
【0092】請求項5の発明によれば、塩素系殺菌剤と
して次亜塩素酸カルシウムを用いた前記の食品処理剤に
おいて、少ない残留塩素量で食品に対して確実な殺菌消
毒を安全に行えると共に、優れた品質維持効果及び品質
向上効果を発揮できるという利点がある。
【0093】請求項6の発明によれば、塩素系殺菌剤と
して安定化二酸化塩素又は亜塩素酸亜塩素酸塩を用いた
前記の食品処理剤において、食品に対して確実な殺菌消
毒を安全に行えると共に、優れた品質維持効果及び品質
向上効果を発揮できるという利点がある。
【0094】請求項7の発明によれば、塩素系殺菌剤の
水溶液として電解生成水を用いた前記の食品処理剤にお
いて、食品に対して確実な殺菌消毒を安全に行えると共
に、優れた品質維持効果及び品質向上効果を発揮できる
という利点がある。
【0095】請求項8の発明によれば、生鮮食品に対し
て確実な殺菌消毒を行えると共に、食品素材の変色等の
劣化を抑制して長期間にわたる品質保持を可能にし、ま
た食感等の食品の性質を改善して更なる価値を付加し得
る食品処理方法が提供される。
【0096】請求項9の発明によれば、前記の食品処理
方法として、特に緑色又は白色野菜の殺菌及び品質保持
に好適な方法が提供される。
【0097】請求項10の発明によれば、前記の食品処
理方法として、特に緑色又は白色野菜の殺菌及び品質保
持に好適であって、且つ残留塩素量の少ない食品処理剤
を使用できる方法が提供される。
【0098】請求項11の発明によれば、前記の食品処
理方法として、特に魚卵の殺菌及び品質保持に好適であ
って、且つ魚卵の食感を向上できる方法が提供される。
【0099】請求項12の発明によれば、前記の食品処
理方法として、特に魚肉の殺菌及び品質保持に好適であ
って、且つ魚肉の食感を向上できる方法が提供される。
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Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩素系殺菌剤と、この塩素系殺菌剤とは
    異なる無機電解質よりなるイオン強度付与剤とを含有
    し、残留塩素量30〜1500mg/L、pH2.0〜
    8.0の水溶液からなる食品処理剤。
  2. 【請求項2】 前記イオン強度付与剤がイオン強度1×
    10-5〜2.5を付与する含有量である請求項1記載の
    食品処理剤。
  3. 【請求項3】 イオン強度付与剤が、塩化ナトリウム、
    塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩
    化第二鉄、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硫酸ナトリ
    ウム、硫酸マグネシウム、ミョウバンより選ばれる少な
    くとも一種の無機電解質である請求項1又は2に記載の
    食品処理剤。
  4. 【請求項4】 塩素系殺菌剤が次亜塩素酸アルカリ金属
    塩であり、残留塩素量30〜250mg/L、pH4.
    0〜8.0の水溶液からなる請求項1〜3のいずれかに
    記載の食品処理剤。
  5. 【請求項5】 塩素系殺菌剤が次亜塩素酸カルシウムで
    あり、イオン強度1×10-5〜2.5×10-3を付与す
    るイオン強度付与剤を含有し、残留塩素量30〜250
    mg/L、pH4.0〜7.5の水溶液からなる請求項
    1又は3に記載の食品処理剤。
  6. 【請求項6】 塩素系殺菌剤が安定化二酸化塩素及び亜
    塩素酸塩から選ばれる少なくとも一種であり、残留塩素
    量50〜1500mg/L、pH4.0〜6.0の水溶
    液からなる請求項1〜3のいずれかに記載の食品処理
    剤。
  7. 【請求項7】 塩素系殺菌剤の水溶液が食塩水の電気分
    解による電解生成水であり、残留塩素量が30〜200
    mg/Lである請求項1〜3のいずれかに記載の食品処
    理剤。
  8. 【請求項8】 生鮮食品を請求項1〜7のいずれかに記
    載の食品処理剤に所要時間浸漬することを特徴とする食
    品処理方法。
  9. 【請求項9】 生鮮食品が緑色又は白色野菜であり、食
    品処理剤がイオン強度1×10-5〜0.5を付与するイ
    オン強度付与剤を含有する請求項8記載の食品処理方
    法。
  10. 【請求項10】 生鮮食品が緑色又は白色野菜であり、
    請求項5記載の食品処理剤に浸漬する請求項8記載の食
    品処理方法。
  11. 【請求項11】 生鮮食品が魚卵であり、食品用処理剤
    がイオン強度0.2〜1.3を付与するイオン強度付与
    剤を含有する請求項8記載の食品処理方法。
  12. 【請求項12】 生鮮食品が魚肉であり、食品用処理剤
    がイオン強度0.5〜2.5を付与するイオン強度付与
    剤を含有する請求項8記載の食品処理方法。
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