JP4803031B2 - 自動調心ころ軸受用保持器の製造方法 - Google Patents

自動調心ころ軸受用保持器の製造方法 Download PDF

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この発明に係る自動調心ころ軸受用保持器を組み込んで構成される保持器付自動調心ころ軸受は、例えば、ハウジングの内側に回転軸を支承する為に、製紙機械、金属の圧延機等、各種産業機械装置のロール等の回転支持部に組み込んだ状態で使用する。
例えば、重量の嵩む軸をハウジングの内側に回転自在に支承する為に、従来から、例えば、特開平9−317760号公報(特許文献1)及び実用新案登録第2524932号公報(特許文献2)に記載された様な保持器付自動調心ころ軸受が使用されている。図16〜19は、このうちの特許文献1に記載された、従来構造の第1例を示している。この保持器付自動調心ころ軸受は、互いに同心に組み合わされた外輪1と内輪2との間に、複数の球面ころ3を転動自在に配列して成る。そして、保持器4により、これら複数の球面ころ3の姿勢並びに位置を規制している。
上記外輪1の内周面には、単一の中心を有する球状凹面である外輪軌道5を形成している。又、内輪2の外周面の幅方向(図17の左右方向)両側には、それぞれが上記外輪軌道5と対向する、1対の内輪軌道6を形成している。又、上記複数の球面ころ3は、その最大径部が各球面ころ3の軸方向長さの中央部にある対称形(ビヤ樽形)で、上記外輪軌道5と上記1対の内輪軌道6との間に、2列に分けて、両列毎に複数個ずつ、転動自在に設けている。又、上記各球面ころ3の転動面の母線形状の曲率半径は、上記外輪軌道5及び上記内輪軌道6の母線形状の曲率半径よりも僅かに小さい。
上記保持器4は、1個のリム部7と複数の柱部8とを備える。このうちのリム部7は、円環状で、上記両列の球面ころ3同士の間に配置されている。又、上記各柱部8は、それぞれの基端部を上記リム部7の軸方向両側面の円周方向等間隔の複数個所に結合した状態で、上記外輪1及び内輪2の軸方向に配置されている。上記各柱部8の先端部はそれぞれ、他の部分と結合されない自由端としている。そして、円周方向に隣り合う柱部8同士の間部分を、上記各球面ころ3を転動自在に保持する為のポケット9としている。又、上記リム部7の外周面を、上記外輪1の中間部内周面に近接対向させて、上記保持器4の径方向の位置決めを(外輪案内により)図っている。更に、上記内輪2の両端部外周面に、それぞれ外向フランジ状の鍔部10を形成して、上記各球面ころ3が、上記外輪1の内周面と上記内輪2の外周面との間の空間から軸方向外方に抜け出ない様にしている。
上述の様に構成される保持器付自動調心ころ軸受により、例えば、ハウジングの内側に回転軸を支承する場合、外輪1をハウジングに内嵌固定し、内輪2を回転軸に外嵌固定する。回転軸と共に内輪2が回転する場合には、複数の球面ころ3が転動して、この回転を許容する。ハウジングの軸心と回転軸の軸心とが不一致の場合、外輪1の内側で内輪2が調心する(外輪1の中心軸に対し内輪2の中心軸を傾斜させる)事で、この不一致を補償する。この場合に於いて、外輪軌道5は単一球面状に形成されている為、上記複数の球面ころ3の転動は、不一致補償後に於いても、円滑に行なわれる。
上述の様な従来構造の第1例の場合、両列の球面ころ3を保持する為の保持器4を一体としている。これに対して、特許文献2には、図20に示す様に、両列の球面ころ3を保持する為の保持器4aを互いに独立させた構造が記載されている。この従来構造の第2例の場合も、外輪1の内周面と内輪2の外周面との間の空間から各球面ころ3が軸方向外方に抜け出ない様にする為に、この内輪2の両端部外周面に鍔部10を形成している。
又、前記特許文献1には、図21に示す様に、保持器4bを構成する各柱部8aの先端部同士を連結部11により連結する代わりに、内輪2aの両端部外周面に鍔部を設けていない構造が記載されている。この様な従来構造の第3例の場合、上記各連結部11と球面ころ3の軸方向端面との係合に基づき、これら各球面ころ3が外輪1の内周面と内輪2aの外周面との間の空間から軸方向外方に抜け出る事を防止する。
又、図22は、従来から知られている保持器付自動調心ころ軸受の第4例に就いて示している。この第4例の構造の場合には、リム部7の内周面と内輪2の中間部外周面との間に案内輪16を設け、この案内輪16の外周面を上記リム部7の内周面に、この案内輪16の内周面を上記内輪2の中間部外周面に、それぞれ近接対向させて、保持器4cの径方向の位置決めを(内輪案内により)図っている。更に、上記内輪2の両端部外周面に、それぞれ外向フランジ状の鍔部10を形成して、各球面ころ3が、外輪1の内周面と上記内輪2の外周面との間の空間から軸方向外方に抜け出ない様にしている。
上述の様な従来構造の第1〜4例の場合、回転軸の高速化を図る上で、次の様な点を改良する事が望まれる。
先ず、図17、20、22に示した第1、2、4例の場合、内輪2の両端部外周面に存在する鍔部10によって、外輪1の内周面と内輪2の外周面との間の空間の端部の開口面積が狭くなる。この為、各球面ころ3の転動面と外輪軌道5及び内輪軌道6との転がり接触部の潤滑を、オイルミストやオイルエアにより図る、飛沫潤滑を行なう場合に、上記空間内に入り込む潤滑剤(潤滑油)の流量が少なくなり、高速運転を行なう面から不利になる。又、上記空間内に上記各球面ころ3を組み込む際に上記両鍔部10が邪魔になる。この為、これら両鍔部10の一部に、上記各球面ころ3を通過させる為の切り欠きを形成する必要があり、上記内輪2の加工が面倒になる他、抜け止め効果が不完全になる。
図21に示した従来構造の第3例の場合、内輪2aの両端部外周面に鍔部が存在しない為、鍔部によりこの内輪2aの外周面と外輪1の内周面との間の空間の端部の開口面積が狭くなる事はないが、代わりに、保持器4bに設けた連結部11により、上記空間の端部の開口面積が狭くなる。この為、上述の第1、2、4例の場合と同様に、この空間内に入り込む潤滑剤(潤滑油)の流量が少なくなり、高速運転を行なう面から不利になる。
又、図17、21に示した従来構造の第1、3例の場合、両列の球面ころ3を保持する為の保持器4、4bの径方向の位置決めを、リム部7の外周面と外輪1の内周面との係合により、図22に示した第4例の場合には保持器4cのリム部7の内周面と案内輪16の外周面との係合により、それぞれ図っている為、次の様な点で、回転軸の高速化を図る上で不利が生じる。即ち、この様な構造の場合、上記リム部7の外周面又は内周面と上記外輪1の内周面又は上記案内輪16の外周面との相対速度(滑り速度)が大きくなり、これら両周面同士の係合部での摩擦が大きくなる。この結果、保持器付自動調心ころ軸受の動トルク(回転抵抗)並びに運転に伴う発熱が多くなり、高速運転を行なう面から不利になる。
又、両列の球面ころ3の公転速度の相違に起因して、動トルク並びに運転に伴う発熱が多くなる可能性がある。即ち、保持器付自動調心ころ軸受の運転時に、両列の球面ころ3が同じ荷重を支承した状態で(同じ条件で)運転される事もあるが、多くの場合、何れか一方の列が他方の列に比べて大きな荷重を支承した状態で運転される。この結果、これら両列の球面ころ3の公転速度に差が生じる。この様な場合に、公転速度が速い列の球面ころ3が、同じく遅い列の球面ころ3を引き摺りつつ公転する可能性がある。逆に言えば、公転速度が遅い列の球面ころ3が、同じく速い列の球面ころ3の公転運動に対して制動を加える状態になる。特に、アキシアル荷重を支承しつつ運転される場合には、この傾向が顕著になる。この結果、上述の様に、動トルク並びに運転に伴う発熱が多くなる可能性がある。
更に、従来構造の第1〜4例の何れの構造の場合も、保持器4、4a〜4cのポケット9内での上記各球面ころ3の姿勢が必ずしも安定しない。この理由は、これら各球面ころ3の転動面が凸曲面であるのに対して、上記各ポケット9の円周方向両側面を構成する前記各柱部8aの円周方向両側面の、上記保持器4、4a〜4cの軸方向に関する断面形状が、この軸方向と平行な直線状である為である。この為、上記各ポケット9内に保持された上記各球面ころ3は、最も径の大きくなった軸方向中間部外周面で上記各柱部8aの円周方向両側面に当接し、これら円周方向両側面と上記各球面ころ3の外周面の軸方向両端寄り部分に隙間が存在する状態となる。従って、これら各球面ころ3は、軸方向中間部の当接部を中心として、上記隙間分だけ、多少なりとも揺動変位可能になる。
そして、上記各球面ころ3が揺動変位した場合には、これら各球面ころ3の自転軸の方向が、これら各球面ころ3の公転方向に直角方向に対し傾斜角度を持つ、所謂スキューが発生した状態となる。この様なスキューが発生した状態では、上記各球面ころ3の転動面と前記外輪軌道5及び前記内輪軌道6との各転がり接触部で大きな滑り摩擦が生じる。この結果、前記外輪1と前記内輪2との相対回転に要する抵抗(自動調心ころ軸受の動トルク)が大きくなるだけでなく、上記各転がり接触部で発生する振動が大きくなる。この様な動トルクの増大と振動の発生とは、上記自動調心ころ軸受の運転速度が低い場合にはあまり問題とはならない。但し、この運転速度を速くする為には、上記動トルク及び振動を抑える為、上記各球面ころ3の姿勢を安定させ、上記スキューの発生を抑える必要がある。
又、図17、21、22に示した従来構造の第1、3、4例の場合、両列の球面ころ3を保持する為の保持器4、4b、4cを内輪案内、或は外輪案内としている為、次の様な点からも、回転軸の高速化を図る上で不利が生じる。即ち、図22に示した従来構造の第4例の場合には、リム部7の内周面と内輪2の外周面との相対速度(滑り速度)が、図17、21に示した従来構造の第1、3例の場合には、リム部7の外周面と外輪1の内周面との相対速度が、それぞれ大きくなる場合がある。この場合には、図22の構造では、リム部7の内周面と案内輪16の外周面との係合部、及び、この案内輪16の内周面と内輪2の外周面との係合部での摩擦が、図17、21の構造では、リム部7の外周面と外輪1の内周面との係合部での摩擦が、それぞれ大きくなる。この結果、保持器付自動調心ころ軸受の動トルク(回転抵抗)並びに運転に伴う発熱が多くなり、高速運転を行なう面から不利になる。又、図22に示した構造の場合には、保持器4を内輪案内とする為に案内輪16が必要になり、部品点数が多くなる。
上述の様な問題を解消する為には、保持器の径方向位置を、図20に示す様に、各ポケットの内面と各球面ころとの係合に基づいて規制する、所謂ころ案内により規制する事が考えられる。但し、保持器付自動調心ころ軸受の場合には、次の様な理由により、単純に保持器をころ案内とする事はできない。例えば、一般的な(円筒ころが保持器の径方向に対して傾斜していない)円筒ころ軸受の場合、保持器の径方向の変位によりこの保持器の各ポケットの内面と係合するのは、各円筒ころの転動面のみである。従って、この保持器の径方向位置を規制する為には、上記各ポケットの内面と上記各円筒ころの転動面との隙間を管理すれば足りる。
これに対して、保持器付自動調心ころ軸受は、前述の図17、21、22に示す様に、保持器4、4b、4cにより保持する両列の球面ころ3が、これら保持器4、4b、4cの径方向に対して傾斜した状態で配置される。この為、これら保持器4、4b、4cが径方向に変位した場合に、これら保持器4、4b、4cの各ポケット9の内面が、上記各球面ころ3の転動面と、これら各球面ころ3の端面との何れかに接触する。
又、保持器をころ案内とした場合には、この保持器により、各球面ころの自転軸の方向が、これら各球面ころの公転方向に直角な方向に対し傾斜角度を持つ、所謂スキューを抑制する必要がある。例えば、前述の図22に示した従来構造の第4例の場合、球面ころ3にスキューが生じる事を、案内輪16及び鍔部10により抑制している。従って、この構造で、保持器をころ案内としてこの案内輪16を省略した場合、鍔部10と保持器により、上記各球面ころ3のスキューを抑制する必要がある。更に、前述の図21に示した従来構造の第3例の場合の様に、鍔部10を形成しない構造の場合には、保持器のみにより、上記各球面ころ3のスキューを抑制する必要がある。又、保持器付自動調心ころ軸受に荷重が作用する側と反対側に位置する、非負荷圏に存在する球面ころは、主として保持器によりその運動が規制される。この為、この非負荷圏に存在する球面ころは、保持器のポケット内面との係合状態によってはスキューが発生し易くなる。
上記各球面ころ3にスキューが発生した場合には、これら各球面ころ3の転動面と前記外輪軌道5及び前記内輪軌道6との各転がり接触部で大きな滑り摩擦が生じる。この結果、保持器付自動調心ころ軸受の動トルクが増大すると共に、発熱量が増え、更には、上記各転がり接触部で発生する振動が大きくなる。この様な動トルク及び発熱量の増大、振動の発生は、保持器付自動調心ころ軸受の運転速度を速くする面から不利になる。
この様に、保持器付自動調心ころ軸受の保持器をころ案内とする場合には、保持器の径方向の位置決めをどの様に図るか(各ポケットの内面と各球面ころの転動面或は端面との何れを接触させるか)、更には、非負荷圏に存在する球面ころのスキューの抑制をどの様に図るか等を考慮する必要がある。従って、保持器付自動調心ころ軸受に組み込む保持器を、単純にころ案内とする事はできない。
特開平9−317760号公報 実用新案登録第2524932号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、各球面ころの姿勢を安定させてこれら各球面ころがスキューする事を防止し、高速運転が可能な保持器付自動調心ころ軸受に組み込む保持器を能率良く造る為の製造方法を実現すべく発明したものである。又、保持器を構成するリム部と柱部との連続部に応力が集中する事を防止して、この保持器の耐久性向上を図れる製造方法を実現するものである。
本発明の自動調心ころ軸受用保持器の製造方法は、球状凹面である外輪軌道をその内周面に形成した外輪と、この外輪軌道と対向する1対の内輪軌道をその外周面に形成した内輪と、これら外輪軌道と内輪軌道との間に2列に分けて両列毎に複数個ずつ転動自在に設けられた球面ころと、これら各球面ころを転動自在に保持する複数のポケットを備えた保持器とから成る保持器付自動調心ころ軸受に組み込む保持器の製造方法である。
即ち、製造法方法の対象となる自動調心ころ軸受用保持器は、銅系合金又は鉄系合金製の素材に切削加工乃至研削加工を施す事により一体に造られるものであり、上記両列の球面ころ同士の間に配置される円環状のリム部と、それぞれの基端部をこのリム部の軸方向側面の円周方向複数個所に結合した状態で上記各球面ころの軸方向に配置され、それぞれの先端部を他の部分に結合しない自由端とした複数の柱部とを備える。そして、円周方向に隣り合う柱部同士の間部分を上記各ポケットとしたものである。又、上記各柱部の円周方向両側面は、潤滑油を送り込み可能な(径方向に関する厚さが、例えば0.1〜0.5mm程度、或いは各球面ころの最大径の0.4〜2%程度の)ポケット隙間を介して上記各球面ころの転動面と対向する凹曲面であり、この凹曲面の断面形状を上記保持器(リム部)の軸方向及び径方向で表わした場合に、軸方向に関する断面形状の曲率半径は、上記各球面ころの転動面の軸方向に関する曲率半径以上であり、径方向に関する断面形状の曲率半径は、上記転動面の円周方向に関する曲率半径よりも、上記ポケット隙間に見合う分(例えば0.1〜0.5mm程度、或いは各球面ころの最大径の0.4〜2%程度)だけ大きい。
特に、本発明の自動調心ころ軸受用保持器の製造方法にあっては、円環状のリム部と、それぞれの基端部をこのリム部の軸方向側面の円周方向複数個所に結合すると共にそれぞれの先端部を他の部分に結合しない自由端とし、円周方向両側面同士の間隔を各球面ころの外径よりも小さくした複数の素柱部の円周方向両側面を、前述の様な凹曲面に加工する。この為に、円周方向に隣り合う素柱部同士の間部分に、外周面が凸曲面である削り工具を挿入する。この凸曲面の断面形状のうち、軸方向に関する断面形状の曲率半径は、上記各球面ころの転動面の軸方向に関する曲率半径以上とする。又、円周方向に関する断面形状の曲率半径は、上記転動面の円周方向に関する曲率半径よりも小さい。この様な削り工具を、上記円周方向に隣り合う素柱部同士の間部分に、中心軸と加工すべきポケットとなるベき部分の中心軸とを平行にして挿入した状態で、自転させつつ、このポケットとなるべき部分の中心軸回りで公転させる。そして、上記各素柱部の円周方向両側面を削る。
又、本発明の自動調心ころ軸受用保持器の製造方法を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した発明の様に、削り工具の先端部に設けた、曲率半径が1mm以上である断面円弧状の凸曲面部分により、各素柱部の円周方向両側面とリム部の軸方向片側面との連続部分を削る事により、当該部分に曲率半径が1mm以上である断面円弧状の凹曲面を形成する。そして、各ポケットの隅部で各柱部の円周方向両側面とリム部の軸方向片側面とを、曲率半径が1mm以上である断面円弧状の凹曲面からなる逃げ凹部を介して連続させる。
本発明の自動調心ころ軸受用保持器の製造方法によれば、各柱部の円周方向両側面に、各球面ころの転動面よりも僅かに(ポケット隙間に見合う分だけ)大きな曲率半径を有する凹曲面を、比較的低コストで実施できる工業的手法により、高精度で形成できる。
又、本発明の製造方法により造られる自動調心ころ軸受用保持器を組み込んだ保持器付自動調心ころ軸受の場合には、各ポケットの円周方向両側を仕切る、各柱部の円周方向両側面が、各球面ころの転動面よりも僅かに(ポケット隙間に見合う分だけ)大きな曲率半径を有する凹曲面である為、上記各ポケット内に保持された上記各球面ころの姿勢が安定する。この為、これら各球面ころに著しいスキューが発生する事がなく、これら各球面ころの転動面と、外輪軌道及び内輪軌道との転がり接触部で著しい滑り摩擦が発生する事を防止できる。この結果、外輪と内輪との相対回転に要する抵抗、並びに、運転時に発生する振動を抑える事ができて、高速運転が可能になる。
又、各ポケットの隅部に断面円弧状の凹曲面を形成できる為、保持器を構成するリム部と各柱部との連続部に応力が集中する事を防止して、この保持器の耐久性向上を図れる。
図1は本発明に関連する参考例の第1例を示す半部断面図である。 図2は図1の拡大A−A断面図である。 図3は参考例の第1例の効果を確認する為に行なった実験の結果を示す線図である。 図4は本発明の実施の形態の1例を示す半部断面図である。 図5は図4の拡大B−B断面図である。 図6は同拡大C−C断面図である。 図7は実施の形態の1例に組み込んでいる保持器を取り出して、柱部の円周方向両側面を加工する為の削り工具と共に示す斜視図である。 図8は本発明の実施の形態の1例の効果を確認する為に行なった実験の結果を示す線図である。 図9は本発明に関連する参考例の第2例を示す半部断面図である。 図10は同第3例を示す半部断面図である。 図11は第3例の構造を、球面ころとポケットの内面との隙間の大きさを誇張して示す、断面略図である。 図12は同じく、図11のD−D断面図である。 図13は柱部の円周方向側面と球面ころの転動面との、保持器の径方向の距離を求める為に、これら各面上に配置した各点の位置関係を模式的に示す図である。 図14は参考例の第3例の効果を確認する為に行なった実験の結果を示す線図である。 図15は本発明に関連する参考例の第4例を示す半部断面図である。 図16は従来構造の第1例を示す正面図である。 図17は図16の拡大E−E断面図である。 図18は従来構造の第1例に組み込んでいる保持器を取り出して示す部分斜視図である。 図19は図17のF−F断面図である。 図20は従来構造の第2例を示す部分断面図である。 図21は同第3例を示す部分断面図である。 図22は同第4例を示す部分断面図である。
1 外輪
2、2a 内輪
3 球面ころ
4、4a、4b、4c、4d、4e、4f、4g、4h 保持器
5 外輪軌道
6 内輪軌道
7、7a リム部
8a、8b、8c、8d 柱部
9 ポケット
10 鍔部
11 連結部
12 凹曲面部
13 逃げ凹部
14 削り工具
15 凸曲面部分
16 案内輪
参考例の第1例]
図1〜2は、本発明に関連する参考例の第1例を示している。本参考例の保持器付自動調心ころ軸受は、前述の図20に示した従来構造の第2例と同様に、外輪1と、内輪2aと、複数個の球面ころ3と、互いに独立した(相対回転可能に組み合わされた)1対の保持器4dとから成る。
このうちの外輪1は、単一の中心を有する球状凹面である外輪軌道5を、その内周面に形成している。
又、上記内輪2aは、上記外輪軌道5と対向する1対の内輪軌道6を、その外周面に形成している。この内輪2aに就いては、上記従来構造の第2例の場合とは異なり、両端部外周面に鍔部10(図20参照)を設けてはいない。本参考例に組み込む上記内輪2aは、前述の図21に示した、従来構造の第3例と同様の形状を有する。
又、上記各球面ころ3は、上記外輪軌道5と上記両内輪軌道6との間に、2列に分けて、両列毎に複数個ずつ、転動自在に設けられている。
又、上記両保持器4dはそれぞれ、上記各球面ころ3を転動自在に保持する為の複数のポケット9を備えている。この為に上記両保持器4dはそれぞれ、上記両列の球面ころ3同士の間に配置された円環状のリム部7aと、複数の柱部8bとを備える。これら各柱部8bは、それぞれの基端部をこのリム部7aの軸方向側面の円周方向等間隔複数個所に結合した状態で、上記外輪1及び内輪2aの軸方向に配置されている。又、上記各柱部8bは、それぞれの先端部を他の部分に結合しない自由端としている。即ち、これら各柱部8bの先端部には、上記従来構造の第3例の様な連結部11(図21参照)は設けていない。そして、円周方向に隣り合う柱部8bの円周方向側面と上記リム部7aの軸方向片側面とで三方を囲まれる部分を、上記各ポケット9としている。
特に、本参考例を構成する上記両保持器4dの場合には、上記各柱部8bの長さL8 は、上記各球面ころ3の軸方向長さL3 の1/2よりも大きい(L8 >L3 /2)。
又、上記各柱部8bの円周方向側面は、その先端部分が中間部分よりも円周方向(図1の表裏方向、図2の上下方向)に突出している。そして、円周方向に隣り合う柱部8bの先端部円周方向側面同士の間隔dが、上記各球面ころ3の最大直径Dよりも小さく(d<D)なっている。
尚、上記円周方向に隣り合う柱部8bの先端部円周方向側面同士の間隔dが上記各球面ころ3の最大直径Dよりも小さい程度であるばれ止め量(D−d)は、保持器付自動調心ころ軸受の大きさ、上記両保持器4dの材質等に応じて設計的に定める。例えば、保持器付自動調心ころ軸受の大きさが、内径が40〜60mm程度、外径が100〜120mm程度、保持器の材質が銅若しくは銅系合金である場合に、上記ばれ止め量を100〜300μm程度とする。
上述の様に構成する本参考例の保持器付自動調心ころ軸受の場合には、上記各ポケット9を構成する、円周方向に隣り合う各柱部8bの先端部が上記各球面ころ3を抱き込んで、上記各ポケット9からこれら各球面ころ3が、前記外輪1及び前記内輪2aの軸方向に抜け出る事を防止する。従って、前述の図17、20に示した従来構造の第1〜2例の様に、内輪2の軸方向両端部外周面に鍔部10を形成したり、前述の図21に示した従来構造の第3例の様に、各柱部8aの先端部同士の間に連結部11を設ける必要がなくなる。この為、上記外輪1の内周面と上記内輪2aの外周面との間の空間の端部の開口面積を広くできる。そして、上記各球面ころ3の転動面と前記外輪軌道5及び前記両内輪軌道6との転がり接触部の潤滑を飛沫潤滑により行なう場合に、上記空間内に入り込む潤滑剤(潤滑油)の流量を多くして、高速運転を行なう面から有利になる。
又、上記内輪2aの軸方向両端部外周面に鍔部を形成する必要がなく、この内輪2aの外径を、この内輪2aの軸方向両端部で最も小さくできるので、この内輪2aの外周面と上記外輪1の内周面との間の空間に、上記両保持器4d並びに複数の球面ころ3を組み付ける作業を容易に行なえる。更に、上記内輪2aの加工作業が容易になって、この内輪2aを含む、保持器付自動調心ころ軸受のコストを抑えられる。
更に、本参考例の場合には、上記両保持器4dの径方向位置の規制を、上記各柱部8bの円周方向両側面と上記各球面ころ3の転動面との係合に基づいて規制する、所謂転動体案内により規制している。即ち、上記各柱部8bの円周方向両側面の少なくとも径方向の一部を上記各球面ころ3の転動面に摺接若しくは近接対向させて、上記両保持器4dの径方向位置が大きくずれ動かない様にしている。これに伴って、前記リム部7aの外周面が上記外輪1の内周面と、同じく内周面が上記内輪2aの外周面と、それぞれ十分に離隔している。本参考例の場合には、この様な構成により、上記両保持器4dの径方向位置を規制する為の係合部の摩擦速度を低く抑えて、保持器付自動調心ころ軸受の動トルク並びに運転に伴う発熱を低く抑えられる様にしている。
又、本参考例の場合には、前述の様に、一方の列の球面ころ3を保持する為の保持器4dと、他方の列の球面ころ3を保持する為の保持器4dとを、相対回転を可能に互いに独立させている為、両列の球面ころ3の公転速度に差が生じた場合でも、これら両列の球面ころ3を保持している上記両保持器4d同士が互いに独立して回転する。この為、公転速度が速い列の球面ころ3が、同じく遅い列の球面ころ3を引き摺ったり、公転速度が遅い列の球面ころ3が、同じく速い列の球面ころ3の公転運動に対して制動を加える事がなくなる。この結果、やはり、保持器付自動調心ころ軸受の動トルク並びに運転に伴う発熱を低く抑えられる。尚、本参考例の構造に、本発明の実施の形態の1例に係る構造及び参考例の第2例に係る構造を組み合わせて実施する事も可能である。
又、本参考例の場合には、分割型の保持器4dを使用しているが、一体型の保持器を使用する事も可能である。一体型の保持器を使用した場合には、上記両列の球面ころ3の公転速度に差が生じた場合に、公転速度が速い列の球面ころ3と公転速度が遅い列の球面ころ3が保持器の回転に影響を与える事が懸念される。但し、この様な公転速度差による影響は、ポケット隙間を上記各球面ころ3の最大径の0.4〜2%程度の範囲で、上記公転速度差を吸収可能に設計する事により低減できる。即ち、上記ポケット隙間を適正値に規制する事により、上記各球面ころ3の公転速度差が、上記一体型の保持器の回転に及ぼす影響を小さく(実用上問題ない程度に僅少に)できる。
図3は、前述の図16〜19に示した従来構造の第1例に準じて構成した保持器付自動調心ころ軸受と、上述した様な構成を有する本参考例の保持器付自動調心ころ軸受とで、運転時に生じる発熱量の差を知る為に行なった実験の結果を示している。実験には、呼び番号が22310である保持器付自動調心ころ軸受(外径=110mm、内径=50mm、幅=40mm)を使用した。この様な保持器付自動調心ころ軸受に9.8kN(1000kgf )の純ラジアル荷重を負荷し、潤滑油(VG68)による強制潤滑下で運転した(内輪を回転させた)。運転速度は、4800min-1 、5800min-1 、7200min-1 の3通りに変化させた。尚、上記寸法の保持器付自動調心ころ軸受の許容回転速度(継続して運転可能な回転速度)は4800min-1 である。
この様な条件で行なった実験の結果を図3に示す。この図3から明らかな通り、本参考例の保持器付自動調心ころ軸受の運転時の温度上昇は、従来の保持器付自動調心ころ軸受の温度上昇よりも運転速度全域で低く抑えられる。又、運転速度が速くなる(運転条件が厳しくなる)程、温度上昇が抑えられる程度が著しくなる。この事から、本参考例に係る保持器付自動調心ころ軸受を組み込んだ各種機械装置の高速化を図る上で有利である事が明らかである。
[実施の形態の1例
図4〜7は、本発明の実施の形態の1例を示している。本例の保持器付自動調心ころ軸受は、前述の図20に示した従来構造の第2例と同様に、外輪1と、内輪2aと、複数個の球面ころ3と、互いに独立した(相対回転可能に組み合わされた)1対の保持器4eとから成る。
このうちの外輪1は、単一の中心を有する球状凹面である外輪軌道5を、その内周面に形成している。
又、上記内輪2aは、上記外輪軌道5と対向する1対の内輪軌道6を、その外周面に形成している。この内輪2aに就いては、上記従来構造の第2例の場合とは異なり、両端部外周面に鍔部10(図20参照)を設けてはいない。
又、上記各球面ころ3は、上記外輪軌道5と上記両内輪軌道6との間に、2列に分けて、両列毎に複数個ずつ転動自在に設けられている。
又、上記両保持器4eはそれぞれ、銅或いは真鍮等の銅系合金、又は、ステンレス鋼等の鉄系合金製の素材に切削加工乃至研削加工を施す事により一体に造られたもので、上記各球面ころ3を転動自在に保持する為の複数のポケット9を備えている。この為に上記両保持器4eはそれぞれ、上記両列の球面ころ3同士の間に配置された円環状のリム部7aと、複数の柱部8cとを備える。これら各柱部8cは、それぞれの基端部をこのリム部7aの軸方向側面の円周方向等間隔複数個所に結合した(一体に連続させた)状態で、上記外輪1及び内輪2aの軸方向に配置されている。又、上記各柱部8cは、それぞれの先端部を、他の部分に結合しない自由端としている。即ち、これら各柱部8cの先端部には、これら各柱部8cの先端部同士を連結する連結部は設けていない。そして、円周方向に隣り合う柱部8cの円周方向側面と上記リム部7aの軸方向片側面とで三方を囲まれる部分を、上記各ポケット9としている。
特に、本例を構成する上記両保持器4eの場合には、上記各ポケット9の円周方向両側を仕切る、上記各柱部8cの円周方向両側面を、上記各球面ころ3の転動面と相似形で凹凸が逆である、凹曲面部12としている。これら各凹曲面部12は、上記保持器4eの軸方向及び径方向に関して、互いに異なる曲率半径RP 、rP を有する。何れの方向の曲率半径RP 、rP も、上記各ポケット9内に保持された上記各球面ころ3の転動面と上記各凹曲面部12との間に、潤滑油を送り込み可能なポケット隙間を介在させる程度に、上記各球面ころ3の転動面の曲率半径RR 、rR よりも大きくしている。
上記ポケット隙間の(これら各球面ころ3の)径方向に関する(上記各球面ころ3の中心軸と上記各ポケット9の中心軸とを一致させた状態での)厚さtは、自動調心ころ軸受の諸元(サイズ)により多少異なるが、例えば各種産業機械装置のロール等の回転支持部に組み込む自動調心ころ軸受の場合で、0.1〜0.5mm程度、或いは各球面ころ3の最大径の0.4〜2%程度である。上記各凹曲面部12の各方向の曲率半径RP 、rP は、これら各球面ころ3の転動面の、対応する方向の曲率半径RR 、rR よりも、上記ポケット隙間分だけ大きく(RP =RR +t、rP =rR +tと)している。尚、軸方向の曲率半径RP は、径方向の曲率半径rP に比べて遥かに大きい(RP ≫rP )ので、RP =RR としても、ほぼ同様の機能を得られる。従って、上記軸方向の曲率半径RP は、RP 〜RP +tの間で設定すれば良い。
又、上記各柱部8cの円周方向両側面に形成した上記各凹曲面部12と、上記リム部7aの軸方向片側面とは、上記各球面ころ3の端面外周縁部との干渉を防止する為の逃げ凹部13を介して連続させている(図7参照)。本例の場合には、これら各逃げ凹部13を、曲率半径R13が1mm以上の凹曲面としている。これら各逃げ凹部13の両側端縁のうち、上記各凹曲面部12側の端縁はこれら各凹曲面部12の端部と、上記リム部7aの円周方向に凹む方向に連続している。これに対して、上記リム部7aの軸方向片側面側の端縁は、このリム部7aの軸方向片側面と滑らかに連続している。
更に、本例の場合には、上記各柱部8cの長さL8 を、上記各球面ころ3の軸方向長さL3 の1/2よりも大きく(L8 >L3 /2)している。そして、円周方向に隣り合う柱部8cの先端部円周方向側面同士の間隔dを、上記各球面ころ3の最大直径Dよりも小さく(d<D)している。この様に、上記円周方向に隣り合う柱部8cの先端部円周方向側面同士の間隔dが上記各球面ころ3の最大直径Dよりも小さい程度(D−d:ばれ止め量)は、上記各柱部8cを円周方向に弾性変形させつつ、前記各ポケット9内に上記各球面ころ3を押し込める程度に規制する。この程度は、保持器付自動調心ころ軸受の大きさ、上記両保持器4eの材質等に応じて設計的に定める。例えば、保持器付自動調心ころ軸受の大きさが、内径が40〜60mm程度、外径が100〜120mm程度、保持器の材質が銅若しくは銅系合金である場合に、上記ばれ止め量を100〜300μm程度とする。これらの点は、前述した参考例の第1例の場合と同様である。
上述の様な上記各柱部8cの円周方向両側面の形状は、図7に示す様な、回転式の削り工具14により、これら各柱部8cよりも幅広に形成した素柱部の円周方向両側面を切削乃至は研削する事により形成する。即ち、上記各柱部8cを有する保持器4eを造るには、先ず、円環状の素材から、この保持器4eよりも容積が大きい中間素材を、削り加工等により造る。
この中間素材は、円環状のリム部7aと、それぞれの基端部をこのリム部7aの軸方向側面の円周方向複数個所に結合する(一体に連続させる)と共にそれぞれの先端部を他の部分に結合しない自由端とした、上記複数の素柱部とから成る。これら各素柱部の円周方向両側面同士の間隔は、上記各球面ころ3の外径よりも小さくしている。尚、上記各素柱部の円周方向両側面の形状は、これら円周方向両側面の同士の間隔が上記条件(各球面ころ3の外径よりも小さい)を満たす限り、特に限定しない。但し、上記中間素材の加工容易性、並びに、上記削り工具14による前記各凹曲面部12の加工容易性を考慮した場合には、互いに平行な平坦面又は母線形状が直線である円筒状凹面とする事が好ましい。この様に、互いに対向する上記各素柱部の円周方向両側面を、互いに平行な平坦面又は円筒状凹面とする場合には、この平坦面同士の間隔又は円筒状凹面の内径は、上記各球面ころ3の転動面の軸方向端部の外径以下で、上記削り工具14のうちの、円周方向に隣り合う素柱部同士の間に挿入される部分の最大外径以上とする。
上述の様な各素柱部の円周方向両側面を上記各凹曲面部12に加工するには、円周方向に隣り合う素柱部同士の間部分に、外周面が凸曲面である、上記削り工具14を挿入する。この削り工具14の外周面である凸曲面の断面形状のうち、軸方向に関する断面形状の曲率半径DP は、上記各凹曲面部12の軸方向の曲率半径RP と等しく、上記各球面ころ3の転動面の軸方向の曲率半径RR よりも、前記ポケット隙間の厚さt分だけ大きい(DP =RP =RR +t)。これに対して、削り工具14の外周面である凸曲面の断面形状のうち、円周方向に関する断面形状の曲率半径dP は、上記各凹曲面部12の円周方向の曲率半径rP よりも、次述する回転工具14の公転半径rO 分だけ小さい(dP =rP −rO =rR +t−rO )。又、図示の例の場合には、上記削り工具14の先端部外周面に、曲率半径が1mm以上である断面円弧状の、凸曲面部分15を形成している。
上記各凹曲面部12を形成するには、上述の様な削り工具14を、上記円周方向に隣り合う素柱部同士の間部分に、この削り工具14の中心軸x14と、加工すべきポケット9となるベき部分の中心軸x9 とを平行にして、この削り工具14の先端面が前記リム部7aの片側面に当接する迄挿入する。そして、この状態でこの削り工具14を、自身の中心軸x14を中心として自転させつつ、上記ポケットとなるべき部分の中心軸x9 回りを、上記公転半径rO で公転させる。但し、この公転半径rO は、初めからこの値にするのではなく、徐々に大きくする。そして、上記削り工具14の外周面を、外径が大きくなった部分から上記各素柱部の円周方向両側面に接触させて、これら各素柱部の円周方向両側面に、上記削り工具14の外周面の軸方向に関する断面形状を転写する。
この結果、これら各素柱部の円周方向両側面の軸方向に関する断面形状の曲率半径が、前述した様なRP (RR +t)なる値になる。一方、各素柱部の円周方向両側面の、上記リム部7aの径方向に関する断面形状は、上記削り工具14の公転半径が、上記rO なる値になった状態で、前述した様なrP (=dP +rO =rR +t)になる。この状態で、前述した様な、前記各球面ころ3の転動面と、厚さがtであるポケット隙間を介して対向する、上記各凹曲面部12が形成される。又、この状態で、それぞれの円周方向両側面にこれら各凹曲面部12を形成した上記各柱部8cの基端部円周方向両側面と、前記リム部7aの軸方向片側面との連続部に、上記凸曲面部分15により、曲率半径が1mm以上である、前記逃げ凹部13が形成される。
それぞれが上述の様にして造られる、前述の様な構成を有する保持器4eを組み込んだ本例の保持器付自動調心ころ軸受の場合には、上記各球面ころ3の姿勢を安定させてこれら各球面ころ3がスキューする事を防止できる。この為、スキューに起因する振動の発生や発熱を抑えて、高速運転が可能になる。即ち、前記各ポケット9の円周方向両側を仕切る、上記各柱部8cの円周方向両側面を構成する、上記各凹曲面部12が、上記各球面ころ3の転動面よりも僅かに大きな曲率半径RP 、rP を有する凹曲面である為、上記各ポケット9内に保持された上記各球面ころ3の姿勢が安定する。この為、これら各球面ころ3に著しいスキューが発生する事がなく、これら各球面ころ3の転動面と、前記外輪軌道5及び前記両内輪軌道6との転がり接触部で著しい滑り摩擦が発生する事を防止できる。この結果、前記外輪1と前記内輪2aとの相対回転に要する抵抗、並びに、運転時に発生する振動を抑える事ができて、高速運転が可能になる。
更に、本例の場合には、前述した参考例の第1例と同様に、上記各柱部8cの長さL8 を上記各球面ころ3の軸方向長さL3 の1/2よりも大きくして、円周方向に隣り合う柱部8cの先端部円周方向側面同士の間隔dを上記各球面ころ3の最大直径Dよりも小さくしているので、上記各ポケット9を構成する、円周方向に隣り合う各柱部8cの先端部が上記各球面ころ3を抱き込んで、上記各ポケット9からこれら各球面ころ3が、上記外輪1及び上記内輪2aの軸方向に抜け出る事を防止する。従って、前述の図17、20に示した従来構造の様に、内輪2の軸方向両端部外周面に鍔部10を形成する必要がなくなる。この為、上記外輪1の内周面と上記内輪2aの外周面との間の空間の開口端部の面積を広くできる。そして、上記各球面ころ3の転動面と前記外輪軌道5及び前記両内輪軌道6との転がり接触部の潤滑を飛沫潤滑により行なう場合に、上記空間内に入り込む潤滑剤(潤滑油)の流量を多くして、高速運転を行なう面から有利になる。
又、上記内輪2aの軸方向両端部外周面に鍔部を形成する必要がなく、この内輪2aの外径を、この内輪2aの軸方向両端部で最も小さくできるので、この内輪2aの外周面と上記外輪1の内周面との間の空間に、上記両保持器4e並びに複数の球面ころ3を組み付ける作業を容易に行なえる。更に、上記内輪2aの加工作業が容易になって、この内輪2aを含む、保持器付自動調心ころ軸受のコストを抑えられる。
又、本例の場合には、上記両保持器4eの径方向位置を、上記各柱部8cの円周方向両側面と上記各球面ころ3の転動面との係合に基づいて規制する、所謂転動体案内により規制している。即ち、上記各柱部8cの円周方向両側面を構成する前記各凹曲面部12の曲率中心を、これら各柱部8cの内接円と外接円との間(好ましくは、上記各球面ころ3のピッチ円上、若しくは、径方向に関してこのピッチ円の近傍位置)に設定している。そして、上記各凹曲面部12を上記各球面ころ3の転動面に摺接若しくは近接対向させて、上記両保持器4eの径方向位置が大きくずれ動かない様にしている。これに伴って、前記リム部7aの外周面が上記外輪1の内周面と、同じく内周面は上記内輪2aの外周面と、十分に離隔している。本例の場合には、この様な構成により、上記両保持器4eの径方向位置を規制する為の係合部の摩擦速度を低く抑えて、保持器付自動調心ころ軸受の動トルク並びに運転に伴う発熱を低く抑えられる様にしている。
更に、本例の場合には、前述の様に、一方の列の球面ころ3を保持する為の保持器4eと、他方の列の球面ころ3を保持する為の保持器4eとを、相対回転を可能に互いに独立させている為、両列の球面ころ3の公転速度に差が生じた場合でも、これら両列の球面ころ3を保持している上記両保持器4e同士が互いに独立して回転する。この為、公転速度が速い列の球面ころ3が、同じく遅い列の球面ころ3を引き摺ったり、公転速度が遅い列の球面ころ3が、同じく速い列の球面ころ3の公転運動に対して制動を加える事がなくなる。この結果、やはり、保持器付自動調心ころ軸受の動トルク並びに運転に伴う発熱を低く抑えられる。尚、本例の構造に、参考例の第2例に係る構造を組み合わせて実施する事も可能である。
図8は、前述の図16〜19に示した従来構造の第1例に準じて構成した保持器付自動調心ころ軸受と、上述した様な構成を有する本発明の実施の形態の1例の保持器付自動調心ころ軸受とで、運転時に生じる振動値の差を知る為に行なった実験の結果を示している。実験には、呼び番号が22310である保持器付自動調心ころ軸受(外径=110mm、内径=50mm、幅=40mm)を使用した。この様な保持器付自動調心ころ軸受に7.04kN(718kgf )のラジアル荷重と、5.35kN(546kgf )のアキシアル荷重との合成荷重を負荷し、潤滑油(VG68)による強制潤滑下で運転した(内輪を回転させた)。運転速度は、0〜12000min-1 との間で変化させ、2000min-1 、4800min-1 、5600min-1 、7200min-1 、8200min-1 、9400min-1 、10500min-1 、12000min-1 の8点で、振動値を測定した。尚、上記寸法の保持器付自動調心ころ軸受の許容回転速度(継続して運転可能な回転速度)は4800min-1 である。
この様な条件で行なった実験の結果を示す図8から明らかな通り、本例の保持器付自動調心ころ軸受の運転時に発生する振動は、従来の保持器付自動調心ころ軸受の場合よりも運転速度全域で低く抑えられる。この事から、本発明の製造方法により造られた自動調心ころ軸受用保持器を組み込む事で、保持器付自動調心ころ軸受を組み込んだ各種機械装置の高速化を図る上で有利である事が明らかである。又、試験後に保持器付自動調心ころ軸受を分解して、保持器の摩耗状態を調べたところ、本例の保持器の摩耗量は、従来の保持器の摩耗量に比べて1/4程度に止まり、本発明により、保持器の摩耗防止を図れる事が確認できた。
又、前記各逃げ凹部13の曲率半径を大きく(1mm以上に)する事により、保持器4bの強度を向上させられる効果を確認する為に、保持器を組み込んだ自動調心ころ軸受を強制的に落下させて評価を行なう、落下衝撃試験を施した。上記各逃げ凹部13の曲率半径R13は、本発明に関しては1.25mm、本発明から外れる比較例に関しては0.6mmとした。又、上記自動調心ころ軸受を落下させる高さに相当する、上記自動調心ころ軸受に衝突させる鋼板の衝撃加速度は、200Gとした。そして、この鋼板を50万回衝突させる毎に、上記保持器を構成する各柱部の根元部分に、破損や亀裂等の損傷の有無を確認した。試料は、本発明に属するものと比較例に属するものとでそれぞれ2個ずつ、合計4個用意した。この様にして行なった落下衝撃試験の結果、比較例に関しては、何れも50万回で、何れかの柱部の根元部分に損傷を生じた。これに対して、本発明に属するものは、何れも、200万回乃至は250万回に達するまで、何れの柱部の根元部分にも損傷を生じなかった。この実験の結果、上記各逃げ凹部13の曲率半径を大きくする事で、上記各柱部の損傷防止を図れる事が確認された。
参考例の第2例
図9は、本発明に関連する参考例の第2例を示している。本参考例の場合には、両列の球面ころ3を保持する為の保持器4fとして、前述の図17〜18に示した従来構造の第1例の保持器4の場合と同様に、一体型のものを使用している。本参考例の場合には、この様な一体型保持器4fを使用している為、上記両列の球面ころ3の公転速度に差が生じた場合に、速い列の球面ころ3の公転速度と遅い列の球面ころ3の公転速度との差が、上記保持器4fの回転に影響を与える事が懸念される。但し、一体型の保持器4fを使用し、両列の球面ころ3の公転速度に差が生じた場合でも、ポケット隙間を上記各球面ころ3の最大径の0.4〜2%程度の範囲で、これら各球面ころ3の公転速度の差を吸収する様に設計すれば、この公転速度の差が、上記保持器4fの回転に及ぼす影響を小さく(実用上問題ない程度に僅少に)できる。前述した参考例の第1例及び上述した実施形態の1例の場合には、両列の球面ころ3の公転速度に差が生じた場合に、1対の保持器4d(4e)同士の間の回転速度差に基づいて、これら両保持器4d(4e)のリム部7a同士が擦れ合い、これら両リム部7aの同士の当接面で摩擦・磨耗が生じる事が懸念される。従って、保持器を一体型とするか、或いは両列毎に独立した別体型とするかは、保持器付自動調心ころ軸受の使用条件に応じて適宜選択する。その他の作用・効果に就いては、上述した実施の形態の1例の場合と同様である。
参考例の第3例
図10〜12は、本発明に関連する参考例の第3例を示している。本参考例の保持器付自動調心ころ軸受も、外輪1と、内輪2aと、複数の球面ころ3と、互いに独立した(相対回転可能に組み合わされた)1対の保持器4gとから成る。このうちの外輪1は、単一の中心を有する球状凹面である外輪軌道5を、その内周面に形成している。又、上記内輪2aは、上記外輪軌道5と対向する1対の内輪軌道6を、その外周面に形成している。この内輪2aに就いては、前述の図17、20、22に示した、従来構造の第1、2、4例とは異なり、両端部外周面に鍔部11を設けてはいない。本参考例に組み込む上記内輪2aは、前述の図21に示した、従来構造の第3例と同様の形状を有する。又、上記各球面ころ3は、上記外輪軌道5と上記両内輪軌道6との間に、2列に分けて、両列毎に複数個ずつ、転動自在に設けられている。又、本参考例の保持器付自動調心ころ軸受は、正の内部隙間を有し、使用時には、内輪2aに内嵌固定された回転軸の自重等により、この内輪2aに対して図10〜12の下方に荷重が作用する。従って、図10〜12の下側が負荷圏となり、上側が非負荷圏となる。
上記両保持器4gはそれぞれ、上記各球面ころ3を転動自在に保持する為の複数のポケット9を備えている。この為に上記両保持器4gはそれぞれ、上記両列の球面ころ3同士の間に配置された円環状のリム部7aと、複数の柱部8dとを備える。これら各柱部8dは、それぞれの基端部をこのリム部7aの軸方向側面の円周方向等間隔複数個所に結合した状態で、上記各球面ころ3の軸方向に配置されている。又、上記各柱部8dは、それぞれの先端部を他の部分に結合しない自由端としている。即ち、これら各柱部8dの先端部には、上記従来構造の第3例の様な連結部11(図21参照)は設けていない。そして、円周方向に隣り合う柱部8dの円周方向側面と上記リム部7aの軸方向片側面とで三方を囲まれる部分を、上記各ポケット9としている。又、上記各柱部8dの円周方向側面の母線形状の曲率半径は、上記各球面ころ3の転動面の母線形状の曲率半径よりも僅かに大きい。又、上記リム部7aの軸方向側面は、これら各球面ころ3の端面と平行に形成されており、これら各面同士を僅かな隙間を介して対向させている。
特に、本参考例の場合、前記両保持器4gの中心軸が保持器付自動調心ころ軸受の中心軸と一致した状態での、上記各ポケット9の内面と上記各球面ころ3の転動面或は端面との関係を次の様に規制している。先ず、これら各球面ころ3が、円周方向に隣り合う柱部8d同士の中央(中立位置)に位置した場合の、これら各球面ころ3の転動面とこれら各柱部8dの円周方向側面との、上記両保持器4gの径方向(図10、11の上下方向)の最短距離をH1 とする。又、上記各球面ころ3が、上記リム部7aの軸方向片側面から最も離れた(各球面ころ3の軸方向に関して最も外側に位置した)場合の、上記リム部7aの軸方向片側面と上記各球面ころ3の端面との、上記両保持器4gの径方向の最短距離H2 とする。
尚、図11、12では、上記距離H1 として、上記各柱部8dの円周方向側面のうちの径方向外側部分と上記各球面ころ3の転動面との距離を示しているが、この円周方向側面のうちの径方向内側部分とこれら各球面ころ3の転動面との距離の方が短ければ、この距離を上記H1 とする。要は、上記各柱部8dの円周方向側面と上記各球面ころ3の転動面との、上記両保持器4gの径方向に関する距離が最も短くなる部分の距離を、上記H1 とする。これに対して、上記距離H2 は、上記各球面ころ3の端面と上記リム部7aの軸方向片側面とが平行である為、径方向位置によって径方向の距離は変化しない。
上述の様に各距離H1 、H2 を規定した場合、上記両保持器4gが、これら両保持器4gの中心軸に関して互いに対称位置に存在する球面ころ3のうちの、一方の球面ころ3の端面又は転動面と接触した状態から他方の球面ころ3の端面又は転動面と接触するまで、それぞれ移動可能であるとした場合の、それぞれの最大移動距離は、次の様に表わせる。即ち、上記各球面ころ3が円周方向に関して中立位置に存在する場合に、上記対称位置に存在する各球面ころ3の転動面と各柱部8dの円周方向側面とがそれぞれ接触するまで上記両保持器4gが径方向に移動できる距離が、最大となる。そして、この場合のこれら両保持器4gの径方向の移動距離が、2H1 である。又、上記各球面ころ3が上記リム部7aの軸方向片側面から最も離れた位置に存在する場合に、上記対称位置に存在する各球面ころ3の端面とリム部7aの軸方向片側面とがそれぞれ接触するまで上記両保持器4gが径方向に移動できる距離が、最大となる。そして、この場合のこれら両保持器4gの径方向の移動可能な距離が、2H2 である。本参考例の場合、この様に表わされる上記H1 、H2 を、H1 ≧H2 を満たす様に規制している。
上記H1 、H2 のうちのH2 は、上記各球面ころ3が上記リム部7aの軸方向片側面から最も離れた状態で、これら各球面ころ3の端面とこのリム部7aの軸方向片側面との、これら各球面ころ3の軸方向に関する隙間の大きさをd、保持器付自動調心ころ軸受の接触角をαとした場合、H2 =d/sinαで求められる。但し、上記各球面ころ3の端面と、上記接触角αの方向(接触角αの作用線Lと平行な方向、図11の左下方、図12の下方にそれぞれ向かう方向)とが、互いに平行であるとする。従って、上記リム部7aの軸方向片側面と、上記接触角αの方向とが、互いに平行になる。尚、上記H2 は、上記各球面ころ3の端面と上記接触角αの方向とが平行でない場合等、上述の条件から外れる場合には、上述の式を適用しても正確な値を求める事はできない。従って、この場合には、保持器付自動調心ころ軸受の仕様毎に、上記H2 を求める。
又、上記H1 に関しても、上記各球面ころ3及び上記各柱部8dの円周方向側面の曲率半径や上記接触角α等を考慮して求める。例えば、上記H1 を次の様な近似式で求める事ができる。先ず、上記各球面ころ3が中立位置に存在する場合の、上記各柱部8dの円周方向側面と上記各球面ころ3の転動面との、上記保持器4gの中心軸Oを含みこれら保持器4gが径方向に動く方向(図12の上下方向)に存在する平面と平行な仮想平面χ内に於ける接触角α方向の距離をhとする。この場合、これら各面同士の上記保持器4gの径方向距離H1 は、h/cosαで近似される(H1 ≒h/cosα)。この点に就いて、図11の右側の列に存在し図12の右側に位置する球面ころ3と、この球面ころ3の転動面と対向する柱部8dの円周方向側面との関係により、図13を参照しつつ説明する。尚、図11、12に示すH1 、hは、説明の為にそれぞれ長さを誇張して示している。これに伴い、図11では、次述する各点P、Q、qの位置関係を、実際の位置関係よりも離した状態で記載している。又、図12は、図11のD−D断面図である為、H1 よりもhの方が長く見えるが、実際は、H1 の方がhよりも長い。
図13は、上記図11と同方向から見た図で、上記各距離H1 とhとの関係を模式的に表わしている。図11、13に示す各点P、Q、qは、上記仮想平面χ内に存在する。又、このうちの点Pは、上記柱部8dの円周方向側面上に存在し、上記保持器4gを径方向及び接触角α方向に移動した場合に、それぞれ上記球面ころ3の転動面と接触する任意の点を示している。又、上記点Qは、上記点Pを通り接触角αの方向と平行な仮想線Mと球面ころ3の転動面とが交わる点である。即ち、上記保持器4gを接触角αの方向に移動させた場合に、上記点Pが接触する上記球面ころ3の転動面上の点である。又、上記点qは、上記点Pを通り保持器4gの径方向と平行な仮想線Nと球面ころ3の転動面とが交わる点である。即ち、上記保持器4gを径方向に移動させた場合に、上記点Pが接触する上記球面ころ3の転動面上の点である。
これら各点P、Q、qのうちの点qから上記仮想線Mに垂線を引いて交点をrとし、この交点rと上記点Pとの、接触角αの方向に関する距離をiとした場合に、この点Pから上記点qまでの距離jは、i/cosαで表わされる。この距離jは、前記図11、12に示した上記径方向距離H1 に相当する(j=H1 )。従って、この距離H1 は、i/cosαで表わされる。図11〜13では誇張して示しているが、実際には上記球面ころ3の転動面と柱部8dの円周方向側面の、この球面ころ3の軸方向に関する曲率半径は大きい。この為、上記距離iは、上記点Pから点Qまでの距離、即ち、上記接触角αの方向の距離hと近似できる(i≒h)。以上より、上記径方向距離H1 は、h/cosαで近似される(H1 ≒h/cosα)。
尚、上述の様に、H1 をhで表わすのは、このhは、上記柱部8dの側面と上記球面ころ3の転動面との隙間の大きさ(両面の曲率半径の差)等から、H1 を直接求める場合よりも比較的容易に求める事ができる為である。又、上述した近似式は、上記H1 を求める式の1例であり、前述した様な条件を満たす場合(或はこの条件に近い条件を有する場合)に適用可能である。従って、条件によっては、上記近似式が適用できない場合もある。この為、上記H1 は、保持器付自動調心ころ軸受の仕様毎に設計的に定める。
上述の様に構成する本参考例の保持器付自動調心ころ軸受の場合には、保持器4gが径方向に変位した場合に、これら両保持器4gの各ポケット9の内面のうち、上記リム部7aの軸方向片側面と上記各球面ころ3の端面とが必ず接触する。即ち、前述した様に、上記両保持器4gの、互いに対称位置に存在する各球面ころ3の転動面と各柱部8dの円周方向側面とがそれぞれ接触するまでの径方向の移動可能距離は2H1 である。又、互いに対称位置に存在する各球面ころ3の端面とリム部7aの軸方向片側面とがそれぞれ接触するまでの径方向の移動可能距離は2H2 である。本参考例の場合、H1 ≧H2 としている為、上記両保持器4gが径方向に移動して、上記各ポケット9の内面と上記各球面ころ3とが接触する場合、少なくとも、上記リム部7aの軸方向片側面と上記各球面ころ3の端面とが接触する。従って、上記両保持器4gの径方向の位置は、上記リム部7aの軸方向片側面と上記各球面ころ3の端面との係合により規制される。この様な本参考例の場合、先ず、保持器4gをころ案内としているので、前述の図21、22に示した従来構造の様に、外輪案内や内輪案内とした場合に比べて、保持器付自動調心ころ軸受の動トルク並びに運転に伴う発熱量を軽減できる。更に、上記図22の従来構造の様に案内輪も必要ない為、部品点数も少なくなる。
又、上述の様に、保持器4gの径方向の位置を、各球面ころ3の端面とリム部7aの軸方向片側面との係合により規制する構造としているので、上記両保持器4gが自重により径方向に変位した場合にも、上記各球面ころ3のうち、非負荷圏に存在する球面ころ3の端面と前記リム部7aの軸方向片側面との距離を短くして、これら非負荷圏に存在する球面ころ3にスキューが発生する事を効果的に抑制できる。即ち、上記非負荷圏に存在する球面ころ3は、主として保持器4gによりその運動が規制される(本参考例の様に、正の内部隙間を有する保持器付自動調心ころ軸受の場合には、非負荷圏に存在する球面ころ3は、ほぼ保持器4gのみにより運動が規制される)。具体的には、これら非負荷圏に存在する球面ころ3は、上記両保持器4gの柱部8dに押される事により公転する。これに対して、負荷圏に存在する球面ころ3は、外輪1と内輪2aとに拘束される為、これら各球面ころ3の転動面と外輪軌道5及び内輪軌道6との転がり接触により公転する。従って、上記負荷圏に存在する球面ころ3に対して上記非負荷圏に存在する球面ころ3の方が、上記両保持器4gにより及ぼされる影響が大きく、スキューが発生し易くなる。
又、本参考例の場合、前述した様に、内輪2aに内嵌する回転軸の自重等により、保持器付自動調心ころ軸受の下側が負荷圏となり、上側が非負荷圏となる。従って、上記両保持器4gが自重により下方に変位して、上記非負荷圏に存在する球面ころ3の端面と、上記リム部7aの軸方向片側面とが、これら各球面ころ3にスキューが発生する傾向となる以前に接触乃至近接した状態となる。この為、上記非負荷圏に存在する各球面ころ3にスキューが発生する傾向となった場合には、スキューが大きくなる前にこれら各球面ころ3の端面が上記リム部7aの軸方向片側面に接触して、上記スキューの発生を効果的に抑制できる。
一方、上記両保持器4gの下方への変位により、保持器付自動調心ころ軸受の下側の上記負荷圏に存在する球面ころ3の端面と、上記リム部7aの軸方向片側面とが離れる。この為、これら負荷圏に存在する球面ころ3の端面と上記リム部7aの軸方向片側面とが接触しにくくなる。これら負荷圏に存在する球面ころ3は、運転時に、これら各球面ころ3を保持するポケット9の内面と転がり接触する。従って、これら各球面ころ3の端面と上記リム部7aの軸方向片側面とが接触しにくくなる事は、これら各球面ころ3と上記両保持器4gとの接触部分を減らして、これら各球面ころ3との転がり接触によるこれら両保持器4gの摩耗の増大を防止する点から好ましい。尚、前述した様に、上記負荷圏に存在する球面ころ3は、スキューしにくい為、このスキューを防止する為に、これら負荷圏に存在する球面ころ3の端面と上記リム部7aの軸方向片側面とを積極的に接触させる必要はない。
尚、前記外輪1に下側に向く荷重が負荷される等して、保持器付自動調心ころ軸受の非負荷圏が下側となる場合、リム部7aの軸方向片側面と非負荷圏に存在する球面ころ3の端面とが離れる傾向となる。従って、この場合には、例えば、前述の図21に示した様に、保持器の先端部に連結部を設け、この連結部と球面ころの端面との関係を、本参考例の様に規制する。この様に構成すれば、保持器が下側に移動した場合に、非負荷圏に存在する球面ころの端面と上記連結部とが接触して、この非負荷圏に存在する球面ころのスキューの発生を効果的に抑制できる。又、本参考例の場合、ころ案内としている為、各球面ころ3の転動面と柱部8dとが接触する事により、これら各球面ころ3の動きがポケット9内で或る程度規制される。この為、仮に、上記各球面ころ3の端面とリム部7a或は連結部とが離れていても、スキューは発生しにくい。何れにしても、各球面ころ3にスキューが発生しにくくなれば、スキューが発生する事による発熱や振動を抑える事ができる。この結果、高速性に優れた自動調心ころ軸受を得られる。
又、本参考例の場合、前記両保持器4gの柱部8dの先端部を他の部分に結合しない自由端としている。この為、上記各球面ころ3が存在する空間の開口端部の面積を広くでき、この空間内に入り込む潤滑剤(潤滑油)の流量を多くできる。即ち、前述の図21に示した従来構造の第3例の場合、各柱部8aの先端部を連結部11により結合している為、上記空間の開口端部の面積が狭くなり、この空間内に入り込む潤滑剤の流量が少なくなる。これに対して、本参考例の場合には、この様な事はない。潤滑剤の流量を多くできれば、高速運転を行なう際に有利である。
又、本参考例の場合、一方の列の球面ころ3を保持する為の保持器4gと、他方の列の球面ころ3を保持する為の保持器4gとを、相対回転を可能に互いに独立させている。この為、両列の球面ころ3の公転速度に差が生じた場合でも、これら両列の球面ころ3を保持している保持器4gが独立して回転する。即ち、保持器付自動調心ころ軸受は、両列の球面ころ3のうち、一方の列が他方の列に比べて大きな荷重を支承して運転される場合が多い。この場合には、これら両列の球面ころ3の公転速度に差が生じる。本参考例の場合、この様な場合に、これら両列の球面ころ3を保持する保持器4gは、それぞれ独立して回転する為、公転速度が速い列の球面ころ3が、同じく遅い列の球面ころ3を引き摺ったり、公転速度が遅い列の球面ころ3が、同じく速い列の球面ころ3の公転運動に対して制動を加える事がなくなる。この結果、動トルク並びに運転に伴う発熱を低く抑えられる。尚、この様な本参考例の構造に、参考例の第1例に係る構造及び本発明の実施の形態の1例に係る構造を組み合わせて実施する事も可能である。
図14は、本参考例の効果を確認する為に、発明者が行なった実験の結果を示している。実験には、呼び番号22310である保持器付自動調心ころ軸受(外径=110mm、内径=50mm、幅=40mm)を使用した。そして、この様な仕様を有する保持器付自動調心ころ軸受の保持器と球面ころの隙間を規制して、次の(1)〜(3)に示す3種類の試料を用意した。尚、H1 、H2 が示す距離は、前述の図11〜13で説明した通りである。
(1)H1 =0.24mm、H2 =0.4mm(H1 <H2
(2)H1 =0.4mm、H2 =0.4mm(H1 =H2
(3)H1 =0.4mm、H2 =0.2mm(H1 =2H2 、H1 >H2
実験では、上述の様な各試料に、9.8kN(1000kgf )のラジアル荷重を負荷し、0.5L/minの流量の潤滑油(VG68)による強制潤滑下で運転した(内輪を回転させた)。運転速度は、図14の横軸に示す様に変化させた。そして、所定時間経過後の外輪温度を各回転速度毎に計測した。尚、上記仕様の保持器付自動調心ころ軸受の許容回転速度(継続して運転可能な回転速度)は、4800min-1 である。
この様な条件で行なった実験の結果を示す図14から明らかな通り、本参考例の要件を満たす(2)及び(3)の保持器付自動調心ころ軸受は、本参考例から外れる(1)の保持器付自動調心ころ軸受に対して、外輪の発熱を抑えられる。例えば、回転速度が、4800min-1 の場合、2〜3℃程度低く抑えられ、回転速度が、9600min-1 (許容回転速度の2倍)の場合、約13℃低く抑えられる。この様に、本参考例に係る構造によれば、回転速度が高くなる程、効果がより顕著に得られる事が分かった。
参考例の第4例
図15は、本発明に関連する参考例の第4例を示している。本参考例の場合には、両列の球面ころ3を保持する為の保持器4hとして、前述の図17、21、22に示した従来構造の第1、2、4例の保持器4、4b、4cの場合と同様に、一体型のものを使用している。本参考例の場合には、この様な一体型の保持器4hを使用している為、上記両列の球面ころ3の公転速度に差が生じた場合に、速い列の球面ころ3の公転速度と遅い列の球面ころ3の公転速度との差が、上記保持器4hの回転に影響を与える事が懸念される。但し、一体型の保持器4hを使用し、両列の球面ころ3の公転速度に差が生じた場合でも、前述した様に、ポケット隙間を上記各球面ころ3の最大径の0.4〜2%程度の範囲で、これら各球面ころ3の公転速度の差を吸収する様に設計すれば、この公転速度の差が、上記保持器4fの回転に及ぼす影響を小さく(実用上問題ない程度に僅少に)できる。その他の作用・効果に就いては、上述した参考例の第3例の場合と同様に得られる。
本発明は、製紙機械、金属の圧延機等、各種産業機械装置のロール等の回転支持部に組み込んだ状態で使用され、ハウジングの内側に回転軸を支承する保持器付自動調心ころ軸受に組み込む自動調心ころ軸受用保持器の製造方法において、各球面ころの姿勢を安定させて、これら各球面ころがスキューする事を防止し、高速回転を可能とし、さらに、ポケット内への潤滑剤の送り込みを効率良く行える自動調心ころ軸受用保持器を能率良く造ることを可能とする。

Claims (2)

  1. 球状凹面である外輪軌道をその内周面に形成した外輪と、この外輪軌道と対向する1対の内輪軌道をその外周面に形成した内輪と、これら外輪軌道と内輪軌道との間に2列に分けて両列毎に複数個ずつ転動自在に設けられた球面ころと、これら各球面ころを転動自在に保持する複数のポケットを備えた保持器とから成る保持器付自動調心ころ軸受に組み込まれ、
    銅系合金又は鉄系合金製の素材に切削加工乃至研削加工を施す事により一体に造られており、上記両列の球面ころ同士の間に配置される円環状のリム部と、それぞれの基端部をこのリム部の軸方向側面の円周方向複数個所に結合した状態で上記各球面ころの軸方向に配置され、それぞれの先端部を他の部分に結合しない自由端とした複数の柱部とを備え、円周方向に隣り合う柱部同士の間部分を上記各ポケットとしたものであり、上記各柱部の円周方向両側面は、潤滑油を送り込み可能なポケット隙間を介して上記各球面ころの転動面と対向する凹曲面であり、この凹曲面の断面形状を上記保持器の軸方向及び径方向で表わした場合に、軸方向に関する断面形状の曲率半径は、上記各球面ころの転動面の軸方向に関する曲率半径以上であり、径方向に関する断面形状の曲率半径は、上記転動面の円周方向に関する曲率半径よりも、上記ポケット隙間に見合う分だけ大きい、
    自動調心ころ軸受用保持器の製造方法であって、
    円環状のリム部と、それぞれの基端部をこのリム部の軸方向側面の円周方向複数個所に結合すると共にそれぞれの先端部を他の部分に結合しない自由端とし、円周方向両側面同士の間隔を各球面ころの外径よりも小さくした複数の素柱部のうち、円周方向に隣り合う素柱部同士の間部分に、外周面が凸曲面であり、この凸曲面の断面形状のうち、軸方向に関する断面形状の曲率半径が上記各球面ころの転動面の軸方向に関する曲率半径以上であり、円周方向に関する断面形状の曲率半径が上記転動面の円周方向に関する曲率半径よりも小さい削り工具を挿入し、この削り工具を、自転させつつポケットとなるべき部分の中心軸回りで公転させて、上記各素柱部の円周方向両側面を削る、自動調心ころ軸受用保持器の製造方法。
  2. 削り工具の先端部に設けた、曲率半径が1mm以上である断面円弧状の凸曲面部分により、各素柱部の円周方向両側面とリム部の軸方向片側面との連続部分を削る事により、当該部分に曲率半径が1mm以上である断面円弧状の凹曲面を形成し、各ポケットの隅部で各柱部の円周方向両側面とリム部の軸方向片側面とを、曲率半径が1mm以上である断面円弧状の凹曲面からなる逃げ凹部を介して連続させる、請求項1に記載した自動調心ころ軸受用保持器の製造方法。
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