JP2010091012A - 保持器付ころ軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】ポケット14a内での円筒ころ7の姿勢を安定させて、これら各円筒ころ7がスキューする事を抑制すると共に、これら各円筒ころ7の転動面9と各柱部13a、13aの円周方向側面との摺接部での摩擦及び発熱を低減できる構造を実現する。
【解決手段】上記各柱部13a、13aの円周方向側面のうちで、上記各円筒ころ7のクラウニング部11、11に対向する部分に、これら各クラウニング部11、11に対し、上記各円筒ころ7の軸方向に亙り一定の隙間16a、16aを介した状態で対向する、凹円弧部18、18を形成する。又、上記各柱部13a、13aの円周方向側面のうちで、これら各柱部13a、13aの長さ方向中央部に、凹溝19、19を形成する。これにより、上記課題を解決できる。
【選択図】図2
【解決手段】上記各柱部13a、13aの円周方向側面のうちで、上記各円筒ころ7のクラウニング部11、11に対向する部分に、これら各クラウニング部11、11に対し、上記各円筒ころ7の軸方向に亙り一定の隙間16a、16aを介した状態で対向する、凹円弧部18、18を形成する。又、上記各柱部13a、13aの円周方向側面のうちで、これら各柱部13a、13aの長さ方向中央部に、凹溝19、19を形成する。これにより、上記課題を解決できる。
【選択図】図2
Description
この発明は、例えば工作機械の主軸(スピンドル)、鉄道車両の車軸、圧延機の回転軸等、各種回転機械装置の回転部材を回転自在に支持する為の保持器付ころ軸受の改良に関し、各ころの姿勢を安定させてこれら各ころがスキューする事を抑制できる構造を実現する。
各種回転機械装置の回転支持部に転がり軸受が組み込まれているが、大きな荷重が加わる回転支持部を構成する為の転がり軸受としては、転動体としてころ(例えば円筒ころ、円すいころ、球面ころ)を使用した保持器付ころ軸受が使用されている。図11は、この様な保持器付ころ軸受の1例として、例えば工作機械の回転支持部に組み込む、保持器付円筒ころ軸受1を示している。この保持器付円筒ころ軸受1は、内周面の軸方向中間部に円筒面状の外輪軌道2を有する外輪3と、外周面の軸方向中間部に円筒面状の内輪軌道4を有する内輪5と、これら外輪軌道2と内輪軌道4との間に保持器6により保持した状態で転動自在に設けられた、複数の円筒ころ7とから成る。又、上記外輪3の軸方向両端部内周面には、それぞれ全周に亙り鍔部8、8を設けて、上記各円筒ころ7が上記両軌道2、4同士の間から脱落するのを防止している。
上記各円筒ころ7の外周面である転動面9の軸方向両端部には、図12に誇張して示す様に、それぞれクラウニングを施している。即ち、上記転動面9のうち、軸方向中間部に設けた円筒面部10の両側部分に、それぞれクラウニング部11、11を設けている。これら各クラウニング部11、11は、母線の形状(断面形状)が曲率半径R11の大きい円弧である、凸曲面である。
又、上記保持器6は、図13に示す様に、所謂籠型保持器と呼ばれるもので、軸方向に間隔をあけて互いに同心に配置された、それぞれが円環状である1対のリム部12、12と、これら両リム部12、12同士の間に掛け渡された複数本の柱部13、13とから成る。そして、これら両リム部12、12の内側面と円周方向に隣り合う柱部13、13の円周方向側面とにより四周を囲まれた部分を、それぞれポケット14、14としている。
上述の様な構成を有する従来構造の保持器付円筒ころ軸受1の場合、上記各円筒ころ7の転動面9の軸方向両端部に、上述の様なクラウニング部11、11を設ける事により、上記外輪軌道2及び内輪軌道4のうち、上記転動面9の両端縁と転がり接触する部分に、エッジロードに基づく過大面圧が加わらない様にしている。又、上記各円筒ころ7に所謂チルト(前記外輪3及び前記内輪5の径方向に関する変位)が発生した場合と同様、これら各円筒ころ7に、これら各円筒ころ7の自転軸の方向が、これら各円筒ころ7の公転方向に直角方向に対し傾斜角度を持つ、所謂スキューが発生した場合に、上記保持器6を構成する各柱部13、13の円周方向側面のうちで、上記転動面9の両端縁と摺接する部分に、エッジロードが発生する事を防止している。
ところが、上述の様なクラウニング部11、11を有する円筒ころ7を使用した場合、これら各円筒ころ7の姿勢が安定せず、しかも、これら各円筒ころ7にスキューが発生した際のスキュー角(円筒ころ7の自転軸が公転軸に対し傾斜する角度)が大きくなり易い。この理由に就いて、図14、15を加えて説明する。
尚、これら図14、15を含め、後述する各図に示す、円筒ころの転動面と柱部の円周方向側面との間部分の隙間は、実際の場合よりも大きく描いている。又、円筒ころがスキューした状態を示す各図に於いては、この円筒ころのスキュー角が最大となった状態を示しており、これら各図に付した縦縞模様で表す面圧分布に関しては、スキュー角が最大である場合に限らず、スキュー時に転動面に作用し得る面圧を全て示している。
尚、これら図14、15を含め、後述する各図に示す、円筒ころの転動面と柱部の円周方向側面との間部分の隙間は、実際の場合よりも大きく描いている。又、円筒ころがスキューした状態を示す各図に於いては、この円筒ころのスキュー角が最大となった状態を示しており、これら各図に付した縦縞模様で表す面圧分布に関しては、スキュー角が最大である場合に限らず、スキュー時に転動面に作用し得る面圧を全て示している。
従来構造の保持器6の場合、図14に示す様に、上記各柱部13、13の円周方向側面の、この保持器6の軸方向に関する断面形状が、この軸方向と平行な直線状である。この為、上記各ポケット14、14内に上記各円筒ころ7を、互いの中心軸(O14、O7 )同士を一致させて保持した状態で、上記各円筒ころ7の転動面9と上記各柱部13、13の円周方向側面との間には、次の様な隙間が存在する。即ち、この転動面9のうちの円筒面部10と、上記各柱部13、13の円周方向側面との間には、厚さtが上記各円筒ころ7の軸方向に亙り一定である、隙間15が存在する。これに対し、上記転動面9のうちのクラウニング部11、11と上記各柱部13、13の円周方向側面との間に存在する隙間16、16は、上記各円筒ころ7の軸方向端部に向かう程、上記各クラウニング部11、11の径方向の落ち量に応じて、その大きさが上記隙間15の大きさtよりも大きくなる。即ち、上記各隙間16、16は、上記各円筒ころ7の軸方向端縁部で最大の厚さT(T>t)となる。
この為、上記各円筒ころ7の軸方向端部が、上記各隙間16、16の大きさに応じて揺動変位し易く、これら各円筒ころ7の姿勢が安定しにくくなる。又、図15に示す様に、上記各円筒ころ7にスキューが発生した状態で、上記円筒面部10のうちのクラウニング部11、11寄り部分が上記各柱部13、13の円周方向側面に摺接(当接)し、これら各クラウニング部11、11の大部分(特に軸方向端部寄り部分)は、上記各柱部13、13の円周方向側面に摺接しない状態となる。この様に、従来構造の場合には、上記各円筒ころ7のスキュー時に、上記各クラウニング部11、11が上記各柱部13、13の円周方向側面により支持されない為、上記各円筒ころ7のスキュー角αが大きくなり易い。この結果、これら各円筒ころ7の転動面9と前記外輪軌道2及び前記内輪軌道4との各転がり接触部に大きな滑り摩擦が生じる。
更に、従来構造の保持器付円筒ころ軸受1の場合には、図16に示す様に、上記各円筒ころ7の並進時(円筒ころ7の公転速度が保持器6の回転速度に対して進みや遅れが生じた時)に、上記転動面9のうちの円筒面部10のみが、上記各柱部13、13の円周方向側面に摺接する。即ち、上記各円筒ころ7のうちの円筒面部10のみが、これら各柱部13、13の円周方向側面により支承され、上記各クラウニング部11、11とこれら各柱部13、13の円周方向側面との間部分には隙間が存在する状態となる。この為、やはり上記各円筒ころ7の姿勢が安定しにくく、これら各円筒ころ7にスキューが生じ易くなる。又、当該摺接部での面圧が高くなり、摩擦及び発熱量が増大し易くなる。
尚、本発明に関連する先行技術文献として、特許文献1、2に記載された発明がある。これら特許文献1、2に記載された発明は何れも、自動調心ころ軸受を対象として、球面ころのスキュー防止を図るものである。具体的には、上記特許文献1に記載された発明の場合には、保持器を構成する複数の柱部の円周方向側面を、各球面ころの転動面よりも僅かに(ポケット隙間に見合う分だけ)大きな曲率半径を有する凹曲面として、各ポケット内に保持された上記各球面ころの姿勢を安定させる。この様に、上記特許文献1に記載された発明の場合には、球面ころ特有の母線形状に着目して、保持器を構成する各柱部の円周方向側面の形状を規制するもので、転動面の軸方向端部にクラウニングが施された円筒ころや円すいころに関して、スキュー防止を図る事までは意図していない。又、上記特許文献2に記載された発明の場合には、柱部の円周方向側面に複数の凹溝を形成して、ポケット内に潤滑油を取り込み易くする事が記載されている。但し、上記特許文献2に記載された発明の場合には、凹溝を設ける位置を規制する事によって、球面ころの姿勢を安定させる事に就いては全く意図していない。
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、各ポケット内での各ころの姿勢を安定させて、これら各ころがスキューする事を抑制すると共に、これら各ころの転動面と各柱部の円周方向側面との摺接部での摩擦及び発熱を低減できる保持器付ころ軸受を実現すべく発明したものである。
本発明の保持器付ころ軸受は、外輪と、内輪と、複数個のころと、保持器とから成る。
このうちの外輪は、内周面に外輪軌道を有する。
又、上記内輪は、外周面に内輪軌道を有する。
又、上記各ころは、上記外輪軌道と上記内輪軌道との間に転動自在に設けられている。
又、上記保持器は、円周方向複数個所に柱部を有し、円周方向に隣り合う柱部同士の間に、これら各ころを転動自在に保持する複数のポケットを備えている。
又、本発明の保持器付ころ軸受は、上記各ころの外周面である転動面の軸方向端部に、母線形状が円弧状(複合円弧を含む)の凸曲面であるクラウニング部を設けている。
尚、本発明のころには、例えば円筒ころ、円すいころ、球面ころが相当する。
このうちの外輪は、内周面に外輪軌道を有する。
又、上記内輪は、外周面に内輪軌道を有する。
又、上記各ころは、上記外輪軌道と上記内輪軌道との間に転動自在に設けられている。
又、上記保持器は、円周方向複数個所に柱部を有し、円周方向に隣り合う柱部同士の間に、これら各ころを転動自在に保持する複数のポケットを備えている。
又、本発明の保持器付ころ軸受は、上記各ころの外周面である転動面の軸方向端部に、母線形状が円弧状(複合円弧を含む)の凸曲面であるクラウニング部を設けている。
尚、本発明のころには、例えば円筒ころ、円すいころ、球面ころが相当する。
特に請求項1に記載した保持器付ころ軸受に於いては、上記各ポケット内に上記各ころを、これら各ポケットの中心軸とこれら各ころの中心軸とを、互いに一致若しくは平行にして保持した状態で、上記各柱部の円周方向側面のうちで上記各ころのクラウニング部に対向する部分とこのクラウニング部との間に存在する隙間の、上記保持器の円周方向に関する厚さを、上記各ころの軸方向に亙り一定としている。且つ、上記各柱部の円周方向側面のうちでこれら各柱部の長さ方向中央部に、上記各ポケット内に保持した上記各ころの回転方向に、凹溝(隙間の大きい領域であり、逃げ溝)を形成している。
又、請求項2に記載した保持器付ころ軸受に於いては、上記各ポケット内に上記各ころを、これら各ポケットの中心軸とこれら各ころの中心軸とを、互いに一致若しくは平行にして保持した状態で、上記各柱部の円周方向側面のうちで上記各ころのクラウニング部に対向する部分とこのクラウニング部との間に存在する隙間の、上記保持器の円周方向に関する厚さを、上記各ころの軸方向端部に向かう程小さくしている。且つ、上記各柱部の円周方向側面のうちでこれら各柱部の長さ方向中央部に、上記各ポケット内に保持した上記各ころの回転方向に、凹溝(隙間の大きい領域であり、逃げ溝)を形成している。
又、上述した請求項1及び請求項2に記載した発明を実施する場合には、例えば請求項3に記載した発明の様に、上記保持器を、軸方向に間隔をあけて互いに同心に配置された、それぞれが円環状である1対のリム部と、これら両リム部同士の間に掛け渡された複数本の柱部とを備え、これら両リム部と円周方向に隣り合う柱部とにより四周を囲まれた部分を、それぞれ各ころを転動自在に保持する為のポケットとした、籠型保持器とする。
或は、請求項4に記載した発明の様に、上記保持器を、円環状のリム部と、それぞれの基端部をこのリム部の軸方向側面の円周方向複数個所に結合した状態で各ころの軸方向に配置され、それぞれの先端部を他の部分に結合しない自由端とした複数の柱部とを備え、上記リム部と円周方向に隣り合う柱部とにより三方を囲まれた部分を、それぞれ上記各ころを転動自在に保持する為のポケットとした、櫛型保持器とする。
或は、請求項4に記載した発明の様に、上記保持器を、円環状のリム部と、それぞれの基端部をこのリム部の軸方向側面の円周方向複数個所に結合した状態で各ころの軸方向に配置され、それぞれの先端部を他の部分に結合しない自由端とした複数の柱部とを備え、上記リム部と円周方向に隣り合う柱部とにより三方を囲まれた部分を、それぞれ上記各ころを転動自在に保持する為のポケットとした、櫛型保持器とする。
上述の様な構成を有する本発明の保持器付ころ軸受の場合、各ポケット内での各ころの姿勢を安定させて、これら各ころがスキューする事を抑制できると共に、これら各ころの転動面と各柱部の円周方向側面との摺接部での摩擦及び発熱を低減できる。
即ち、本発明の場合には、上記各柱部の円周方向側面のうちで上記各ころのクラウニング部に対向する部分を、これら各ころのクラウニング部に対し、円周方向の厚さがこれら各ころの軸方向に亙り一定である隙間を介して対向させる(請求項1に係る発明の場合)、或は、円周方向の厚さがこれら各ころの軸方向端部に向かう程小さくなる隙間を介して対向させる(請求項2に係る発明の場合)。この為、何れの場合にも、前述した従来構造の場合に比べて、上記各ころのクラウニング部(特に各ころの軸方向端縁部)と、上記各柱部の円周方向側面との間部分の隙間を小さくできる。
従って、本発明の場合には、上記各ころがスキューする傾向になった場合に、これら各ころの転動面のうちのクラウニング部を、上記各柱部の円周方向側面により支承できる。この為、上記従来構造の場合に比べて、上記各ころのスキュー角を小さく抑えられる。
又、本発明の場合には、これら各ころのクラウニング部と上記各柱部の円周方向側面との間部分の隙間を小さくした事で、保持器付ころ軸受の運転時に上記各ポケット内に取り込まれる潤滑剤により、動圧効果及びスクイーズ効果により発生する流体圧力を得られる。この様な流体圧力は、上記各ころの姿勢を安定させてスキューの発生を抑制すると共に、スキュー発生時には、スキューモーメントに対抗する反力として作用し、このスキューを抑制できる。
特に、本発明の場合には、上記各柱部の円周方向側面のうちの長さ方向中央部に凹溝を形成している為、上記流体圧力を、上記各ころの転動面のうちの軸方向両側部分に作用させる事ができる。この為、これら各ころの姿勢を安定させて、スキュー抑制の面からより有利になる。
即ち、本発明の場合には、上記各柱部の円周方向側面のうちで上記各ころのクラウニング部に対向する部分を、これら各ころのクラウニング部に対し、円周方向の厚さがこれら各ころの軸方向に亙り一定である隙間を介して対向させる(請求項1に係る発明の場合)、或は、円周方向の厚さがこれら各ころの軸方向端部に向かう程小さくなる隙間を介して対向させる(請求項2に係る発明の場合)。この為、何れの場合にも、前述した従来構造の場合に比べて、上記各ころのクラウニング部(特に各ころの軸方向端縁部)と、上記各柱部の円周方向側面との間部分の隙間を小さくできる。
従って、本発明の場合には、上記各ころがスキューする傾向になった場合に、これら各ころの転動面のうちのクラウニング部を、上記各柱部の円周方向側面により支承できる。この為、上記従来構造の場合に比べて、上記各ころのスキュー角を小さく抑えられる。
又、本発明の場合には、これら各ころのクラウニング部と上記各柱部の円周方向側面との間部分の隙間を小さくした事で、保持器付ころ軸受の運転時に上記各ポケット内に取り込まれる潤滑剤により、動圧効果及びスクイーズ効果により発生する流体圧力を得られる。この様な流体圧力は、上記各ころの姿勢を安定させてスキューの発生を抑制すると共に、スキュー発生時には、スキューモーメントに対抗する反力として作用し、このスキューを抑制できる。
特に、本発明の場合には、上記各柱部の円周方向側面のうちの長さ方向中央部に凹溝を形成している為、上記流体圧力を、上記各ころの転動面のうちの軸方向両側部分に作用させる事ができる。この為、これら各ころの姿勢を安定させて、スキュー抑制の面からより有利になる。
又、本発明の場合には、上記各ころの並進時にこれら各ころの転動面を、上記各柱部の円周方向側面のうち、上記凹溝の両側部分で支承できる。この為、上記各ころの姿勢を安定させる事ができて、スキューの抑制を図れる。又、スキューが生じた後の振動を抑制する事もできる。
更に、上記凹溝を通じて、各ポケット内に十分量の潤滑剤を供給できる為、上記各ころの転動面と上記各柱部の円周方向側面との摺接部での摩擦及び発熱を、効果的に低減できる。
更に、上記凹溝を通じて、各ポケット内に十分量の潤滑剤を供給できる為、上記各ころの転動面と上記各柱部の円周方向側面との摺接部での摩擦及び発熱を、効果的に低減できる。
この様な本発明によれば、上記各ころのスキューの発生を十分に抑制できる為、これら各ころの転動面と軌道輪との各転がり接触部での滑り摩擦を小さく抑えられる。従って、軸受の温度上昇や上記各ころの転動面及び保持器の摩耗量を十分に抑える事ができて、長期間に亙り安定した運転を実現できる。
[本発明の実施の形態の第1例]
図1〜5は、請求項1、3に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例の特徴は、保持器6aを構成する柱部13a、13aの円周方向側面の形状を工夫した点にある。その他の構成及び作用に就いては、保持器付円筒ころ軸受1aの全体構造、円筒ころ7の転動面9の形状等を含め、前述した従来構造の場合と同様である。この為、重複する図示並びに説明は省略若しくは簡略化し、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
図1〜5は、請求項1、3に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例の特徴は、保持器6aを構成する柱部13a、13aの円周方向側面の形状を工夫した点にある。その他の構成及び作用に就いては、保持器付円筒ころ軸受1aの全体構造、円筒ころ7の転動面9の形状等を含め、前述した従来構造の場合と同様である。この為、重複する図示並びに説明は省略若しくは簡略化し、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
本例の保持器付円筒ころ軸受1aに組み込む保持器6aは、図1に示す様に、前述した従来構造の保持器6(図13参照)と同様、所謂籠型保持器と呼ばれるもので、1対のリム部12、12と、複数本の柱部13a、13aとから成る。これら両リム部12、12は、それぞれが円環状で、軸方向に間隔をあけて互いに同心に配置されている。又、上記各柱部13a、13aは、上記両リム部12、12同士の間に掛け渡されている。そして、これら両リム部12、12の内側面と円周方向に隣り合う柱部13a、13aの円周方向側面とにより四周を囲まれた部分を、それぞれポケット14a、14aとしている。
又、本例の保持器6aの場合、上記各柱部13a、13aの円周方向側面の、この保持器6aの軸方向に関する断面形状を、従来構造の場合の様な直線状ではなく、凹円弧と直線とを組み合わせたものとしている。即ち、上記各柱部13a、13aの長さ方向中間部で、上記各円筒ころ7の円筒面部10に対向する部分を、直線部17とし、この直線部17の両側で、これら各円筒ころ7のクラウニング部11、11に対向する部分を、それぞれ凹円弧部18、18としている。
そして、上記各ポケット14a、14a内に上記各円筒ころ7を、これら各ポケット14a、14aの中心軸O14a とこれら各円筒ころ7の中心軸O7 とを互いに一致若しくは平行にして保持した状態で、上記直線部17(後述する凹溝19部分を除く)と上記円筒面部10との間部分、並びに、上記各凹円弧部18、18と上記各クラウニング部11、11との間部分に、それぞれ次の様な隙間を存在させている。先ず、上記直線部17と上記円筒面部10との間部分には、前述した従来構造の場合に於ける、柱部13、13の円周方向側面と円筒面部10との間の隙間15(図14参照)と同じ厚さt(例えば0.1mm〜0.5mm程度)を有する、隙間15aを存在させている。又、上記各凹円弧部18、18と上記各クラウニング部11、11との間部分にも、上記保持器6aの円周方向に関する厚さtが上記各円筒ころ7の軸方向に亙り一定である、隙間16a、16aを存在させている。従って、本例の場合には、上記各円筒ころ7の転動面9と、上記各柱部13a、13aの円周方向側面との間部分の隙間の上記保持器6aの円周方向に関する厚さtが、後述する凹溝19部分を除いて、上記各円筒ころ7の軸方向に亙り一定となる。
尚、本例の場合には、上述の様な隙間16a、16aを得る為に、上記各凹円弧部18、18の、上記保持器6aの軸方向に関する断面形状の曲率半径R18を、上記各クラウニング部11、11の曲率半径R11よりも、上記各隙間16a、16aの厚さt分だけ大きくしている(R18=R11+t)。一方、上記各柱部13a、13aの円周方向側面の、上記保持器6aの径方向に関する断面形状は、図3に示す様に、凹円弧としており、その曲率半径rP を上記各円筒ころ7の転動面9の円周方向に関する曲率半径rR よりも、上記各隙間15a、16aに見合う分だけ大きくしている(rP =rR +t)。
更に、本例の場合には、上記各柱部13a、13aの円周方向側面のうちでこれら各柱部13a、13aの長さ方向中央部(直線部17の幅方向中央部)に、前記各ポケット14a、14a内に保持した上記各円筒ころ7の回転方向に凹溝(隙間の大きい領域であり、逃げ溝)19、19を形成している。これら各凹溝19、19の長さ方向(各円筒ころ7の回転方向)両端は、上記各柱部13a、13aの外周側面と内周側面とに、それぞれ開口している。又、上記各凹溝19、19の幅寸法(各円筒ころ7の軸方向寸法)は、上記各円筒面部10の長さ寸法(直線部17の幅寸法)の約2/3倍程度としており、その深さ寸法は、上記各柱部13a、13aの剛性を十分に確保できる範囲で規制している。尚、図示の例では、上記深さ寸法をtとし、上記各凹溝19、19の溝底と上記円筒面部10との間の隙間の厚さを2tとしている。又、図示は省略するが、上記円筒面部10にエッジロードが発生する事を防止すべく、上記各凹溝19、19の幅方向両端縁部に面取りを形成する。
上述の様な構成を有する本例の保持器付円筒ころ軸受1aの場合、上記各ポケット14a、14a内での上記各円筒ころ7の姿勢を安定させて、これら各円筒ころ7がスキューする事を抑制できると共に、これら各円筒ころ7と上記各柱部13a、13aの円周方向側面との摺接部での摩擦及び発熱を低減できる。
即ち、本例の場合、上記各柱部13a、13aの円周方向側面のうちで上記各円筒ころ7のクラウニング部11、11に対向する部分に、前記各凹円弧部18、18を形成し、これら各凹円弧部18、18を、上記各クラウニング部11、11に対して、上記各円筒ころ7の軸方向に亙り厚さtが一定の隙間を介して対向させている。この為、本例の構造を示す図2と、従来構造を示す図14とを比較すれば明らかな通り、本例の場合には、従来構造の場合に比べて、上記各クラウニング部11、11(特に円筒ころ7の軸方向端縁部)と上記各柱部13a、13aの円周方向側面との間部分の隙間16a、16aを、十分に小さくできる。
即ち、本例の場合、上記各柱部13a、13aの円周方向側面のうちで上記各円筒ころ7のクラウニング部11、11に対向する部分に、前記各凹円弧部18、18を形成し、これら各凹円弧部18、18を、上記各クラウニング部11、11に対して、上記各円筒ころ7の軸方向に亙り厚さtが一定の隙間を介して対向させている。この為、本例の構造を示す図2と、従来構造を示す図14とを比較すれば明らかな通り、本例の場合には、従来構造の場合に比べて、上記各クラウニング部11、11(特に円筒ころ7の軸方向端縁部)と上記各柱部13a、13aの円周方向側面との間部分の隙間16a、16aを、十分に小さくできる。
この様に、これら各隙間16a、16aを小さくした事に伴い、上記各円筒ころ7にスキューが発生した際に、これら各円筒ころ7の転動面9に作用する面圧分布は、図4、5に示す様になる。このうちの図4は、円筒ころ7の転動面9(のうちの軸方向半部)に、上記各柱部13a、13aの円周方向側面との摺接時に作用する面圧を、コンピュータシミュレーションにより求めた結果を示しており、実線イが本例の保持器6aを用いた場合の結果を、破線ロが従来構造の保持器6(図13参照)を用いた場合の結果を、それぞれ示している。この様な結果を示す図4からも明らかな通り、従来構造の保持器6を用いた場合に、上記各円筒ころ7の転動面9に作用する面圧が、この転動面9のうちの円筒面部10部分に集中していたのに対し、本例の保持器6aを用いた場合には、クラウニング部11部分に集中する。つまり、本例の場合には、上記各円筒ころ7にスキューが発生した場合に、上記転動面9のうちのクラウニング部11、11を、上記各柱部13a、13aの円周方向側面に設けた凹円弧部18、18により支承できる。従って、本例の場合には、上記従来構造の場合に比べて、上記各円筒ころ7のスキュー角β(図5参照)を小さく抑える事ができる(β<α)。
又、本例の場合には、上記各隙間16a、16aを、従来構造の場合に比べて小さくした事で、保持器付円筒ころ軸受1aの運転時に、前記各ポケット14a、14内に取り込まれる潤滑油により、動圧効果(ウェッジ効果)及びスクイーズ効果により発生する流体圧力を得られる。この様な流体圧力は、上記各柱部13a、13aの円周方向側面から上記各円筒ころ7の転動面9を遠ざける方向に作用する。そして、本例の場合には、上記各柱部13a、13aの円周方向側面のうちの長さ方向中央部に、前記各凹溝19、19を形成している為、上記流体圧力を、上記各円筒ころ7の転動面9のうち、これら各凹溝19、19部分に対向する部分を除いた、軸方向両端寄り部分に作用させる事ができる。この為、上記各円筒ころ7の姿勢を効果的に安定させる事ができて、これら各円筒ころ7にスキューが発生する事を抑制できる。更に、これら各円筒ころ7が、例えば図5の矢印ハで示す方向にスキューする傾向となった場合に、同図の右上及び左下部分に存在する上記各隙間16a、16aがより小さくなる為、矢印ニ方向に作用する流体圧力が大きくなる。この様な矢印二方向の流体圧力は、上記各円筒ころ7のスキューモーメントに対抗する反力として作用する為、これら各円筒ころ7のスキューを抑制できる。
更に、本例の場合には、上記各円筒ころ7の並進時に於けるこれら各円筒ころ7の転動面9を、上記各柱部13a、13aの円周方向側面のうち、上記各凹溝19、19の両側部分で支承できる。この為、前記図16に示した従来構造の場合の様に、柱部13、13の円周方向側面のうちの長さ方向中央部でのみ支承する場合に比べ、上記各円筒ころ7の姿勢を安定させて、スキューの発生を抑制できる。又、これら各円筒ころ7の転動面9に作用する面圧を低く抑えて、摺接部での摩擦及び発熱を低減する事もできる。更に、本例の場合には、上記各凹溝19、19を通じて、上記各ポケット14a、14a内に十分量の潤滑油を供給できる為、この面からも、上記摺接部での摩擦及び発熱を低減できる。従って、上記各円筒ころ7及び前記保持器6aを共に金属材料製とした場合にも、当該摺接部での油膜切れを防止できる為、金属接触摩擦が生じる事を有効に防止できる。更に、本例の場合には、上記各円筒ころ7にスキューが生じた後の振動を抑制する事もできる。尚、上述した様に、これら各円筒ころ7のスキュー時には、転動面9のうちのクラウニング部11、11が、前記各凹円弧部18a、18aにより支承される為、上記各凹溝19、19を設ける事が、上記各円筒ころ7のスキュー角に影響する事はない。
又、前記図4に示した結果からも明らかな通り、本例の場合には、従来構造の場合に比べて、上記各円筒ころ7のスキュー時に転動面9に作用する面圧の最大値を低減できる。従って、本例の場合には、スキュー発生の前後で、前記各隙間16a、16aの大きさの変化だけでなく、上記転動面9に作用する面圧の変化も小さく抑えられる。更に、上記図4中の実線イが曲率半径の大きい略円弧形である事からも分かる様に、本例の場合には、エッジ当たりを防止する面からも有利になる。
又、本例の場合には、上記各円筒ころ7の転動面9(円筒面部10及びクラウニング部11)と、上記各柱部13a、13aの円周方向側面(直線部17及び凹円弧部18)との間部分の隙間の厚さtが、中立状態(前記各中心軸O14a 、O7同士が一致した状態)で、上記各円筒ころ7の軸方向に亙り均一となる。この為、上記各柱部13a、13aの円周方向側面を削り取る工具の形状と上記各円筒ころ7の転動面9の形状とを相似にできる等、上述の様な構成を有する保持器6aの設計及び製造時に於ける基準が明確になる。又、製造工程の簡素化や、不具合の発生防止を図る上で有利になる。
以上の様に、本例の場合には、上記各円筒ころ7のスキューの発生を十分に抑制できる為、上記各円筒ころ7の転動面9と前記外輪軌道2及び前記内輪軌道4との各転がり接触部での滑り摩擦を小さく抑えられる。従って、軸受の温度上昇や摩耗量を十分に抑える事ができて、長期間に亙り安定した運転を実現できる。
[本発明の実施の形態の第2例]
図6は、請求項2、3に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の特徴は、保持器6bを構成する各柱部13b、13bの円周方向側面のうちで、各円筒ころ7のクラウニング部11、11に対向する部分の形状を、上述した実施の形態の第1例の場合から更に工夫した点にある。即ち、本例の場合には、各ポケット14b内に上記各円筒ころ7を、これら各ポケット14bの中心軸O14bとこれら各円筒ころ7の中心軸O7とを互いに一致させて保持した状態で、上記各クラウニング部11、11と、上記各柱部13b、13bの円周方向側面のうちでこれら各クラウニング部11、11に対向する部分との間に形成される隙間16b、16bの、上記保持器6bの円周方向に関する厚さtが、上記各円筒ころ7の軸方向端部に向かう程小さくなる様にしている。この為に本例の場合には、上記各柱部13b、13bの円周方向両側面の両端寄り部分に形成した凹円弧部18a、18aを、上記各クラウニング部11、11と非平行に形成している。
図6は、請求項2、3に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の特徴は、保持器6bを構成する各柱部13b、13bの円周方向側面のうちで、各円筒ころ7のクラウニング部11、11に対向する部分の形状を、上述した実施の形態の第1例の場合から更に工夫した点にある。即ち、本例の場合には、各ポケット14b内に上記各円筒ころ7を、これら各ポケット14bの中心軸O14bとこれら各円筒ころ7の中心軸O7とを互いに一致させて保持した状態で、上記各クラウニング部11、11と、上記各柱部13b、13bの円周方向側面のうちでこれら各クラウニング部11、11に対向する部分との間に形成される隙間16b、16bの、上記保持器6bの円周方向に関する厚さtが、上記各円筒ころ7の軸方向端部に向かう程小さくなる様にしている。この為に本例の場合には、上記各柱部13b、13bの円周方向両側面の両端寄り部分に形成した凹円弧部18a、18aを、上記各クラウニング部11、11と非平行に形成している。
この様な構成を採用する本例の場合には、上記各円筒ころ7のスキュー時の面圧分布を示す、図6の(b)からも明らかな通り、上述した実施の形態の第1例の場合に比べて、上記各円筒ころ7の転動面9に作用する面圧を、これら各円筒ころ7の軸方向両端寄り部分に、より集中させる事ができる。従って、本例の場合には、上記第1例の場合に比べて、上記各円筒ころ7のスキュー角γを、より小さくできる(γ<β<α)。又、上記各隙間16b、16bをより小さくする事により、前述した様な、動圧効果(ウェッジ効果)やスクイーズ効果により発生する流体圧力をより大きくできる。尚、上記各円筒ころ7の軸方向両端面外周縁部には、断面形状が円弧形である、所謂R面取りを施して、上記各凹円弧部18a、18aにエッジロードが加わる事を防止する。
その他の構成及び作用に就いては、上述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
その他の構成及び作用に就いては、上述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
[本発明の実施の形態の第3例]
図7、8は、請求項1、4に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の特徴は、保持器6cを、所謂櫛型保持器とした点にある。具体的には、図7に示す様に、この保持器6cを、円環状のリム部12aと、複数本の柱部13c、13cとから構成している。これら各柱部13c、13cは、それぞれの基端部を、上記リム部12aの軸方向片側面の円周方向複数個所に結合した状態で、各円筒ころ7の軸方向に配置されている。又、上記各柱部13c、13cの先端部は、他の部分に結合しない自由端としている。そして、上記リム部12aの軸方向片側面と、円周方向に隣り合う上記各柱部13c、13cの円周方向側面とにより、三方を囲まれた部分を、それぞれ上記各円筒ころ7を転動自在に保持する為のポケット14c、14cとしている。そして、本例の場合にも、上記各柱部13c、13cの円周方向側面に、前述した実施の形態の第1例の場合と同様に、直線部17と1対の凹円弧部18、18とをそれぞれ形成している。又、上記各柱部13c、13cの円周方向側面のうちで、これら各柱部13a、13aの長さ方向中央部(直線部17の幅方向中央部)に、凹溝19、19を形成している。
この様な構成を有する本例の場合には、上記保持器6bの基本的な構成が異なる以外、その他の構成及び得られる作用・効果に就いては、前述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
図7、8は、請求項1、4に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の特徴は、保持器6cを、所謂櫛型保持器とした点にある。具体的には、図7に示す様に、この保持器6cを、円環状のリム部12aと、複数本の柱部13c、13cとから構成している。これら各柱部13c、13cは、それぞれの基端部を、上記リム部12aの軸方向片側面の円周方向複数個所に結合した状態で、各円筒ころ7の軸方向に配置されている。又、上記各柱部13c、13cの先端部は、他の部分に結合しない自由端としている。そして、上記リム部12aの軸方向片側面と、円周方向に隣り合う上記各柱部13c、13cの円周方向側面とにより、三方を囲まれた部分を、それぞれ上記各円筒ころ7を転動自在に保持する為のポケット14c、14cとしている。そして、本例の場合にも、上記各柱部13c、13cの円周方向側面に、前述した実施の形態の第1例の場合と同様に、直線部17と1対の凹円弧部18、18とをそれぞれ形成している。又、上記各柱部13c、13cの円周方向側面のうちで、これら各柱部13a、13aの長さ方向中央部(直線部17の幅方向中央部)に、凹溝19、19を形成している。
この様な構成を有する本例の場合には、上記保持器6bの基本的な構成が異なる以外、その他の構成及び得られる作用・効果に就いては、前述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
[本発明の実施の形態の第4例]
図9は、同じく請求項1、4に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の特徴は、保持器6dを構成する複数本の柱部13d、13dの長さ寸法を、上述した実施の形態の第3例の場合の柱部13c、13c(図7、8参照)に比べて短くした点にある。具体的には、上記各柱部13d、13dの長さ寸法L13d を、各円筒ころ7の長さ寸法L7 の4/5倍程度(L13d ≒4/5×L7 )としている。そして、上記各柱部13d、13dの円周方向側面のうち、これら各柱部13d、13dの先端側部分に直線部17aを、この直線部17aよりも基端側部分で、リム部12a側のクラウニング部11に対向する部分に、凹円弧部18を形成している。又、上記各柱部13d、13dの円周方向側面のうちで、これら各柱部13d、13dの長さ方向中央部(直線部17aのうちのリム部12a側半部)に、凹溝19、19を形成している。
図9は、同じく請求項1、4に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の特徴は、保持器6dを構成する複数本の柱部13d、13dの長さ寸法を、上述した実施の形態の第3例の場合の柱部13c、13c(図7、8参照)に比べて短くした点にある。具体的には、上記各柱部13d、13dの長さ寸法L13d を、各円筒ころ7の長さ寸法L7 の4/5倍程度(L13d ≒4/5×L7 )としている。そして、上記各柱部13d、13dの円周方向側面のうち、これら各柱部13d、13dの先端側部分に直線部17aを、この直線部17aよりも基端側部分で、リム部12a側のクラウニング部11に対向する部分に、凹円弧部18を形成している。又、上記各柱部13d、13dの円周方向側面のうちで、これら各柱部13d、13dの長さ方向中央部(直線部17aのうちのリム部12a側半部)に、凹溝19、19を形成している。
この様な構成を有する本例の場合、スキュー発生時に転動面9に作用する面圧のうち、各ポケット14d、14dの開口側位置に作用する面圧が、上記実施の形態の第3例の場合よりも円筒面部10側に移動する。この為、上記図9の(b)に示す様に、上記各円筒ころ7のスキュー角δは、上記第3例の場合よりも大きくなるが、従来構造の場合のスキュー角α(図15参照)に比べれば十分に小さくできる。
その他の構成及び作用・効果に就いては、上記第3例の場合と同様である。
その他の構成及び作用・効果に就いては、上記第3例の場合と同様である。
[本発明の実施の形態の第5例]
図10は、請求項2、4に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合には、上述した実施の形態の第3例及び第4例の場合と同様に、保持器6eを所謂櫛型保持器とすると共に、この保持器6eを構成する各柱部13e、13eの円周方向側面のうちで、各クラウニング部11、11に対向する部分に、前述した実施の形態の第2例の場合と同様の凹円弧部18a、18aを設けている。
この様な構成を有する本例の場合には、各ポケット14e、14eの開口部の幅寸法を、上記第3例の場合よりも小さくできる為、円筒ころ7の軸方向への移動量を小さく抑えられる。
上記保持器6eの基本的な構成に就いては、上記第3例の場合と同様であり、上記各円筒ころ7のスキューの抑制に関する作用・効果に就いては、上記第2例の場合と同様である。
図10は、請求項2、4に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合には、上述した実施の形態の第3例及び第4例の場合と同様に、保持器6eを所謂櫛型保持器とすると共に、この保持器6eを構成する各柱部13e、13eの円周方向側面のうちで、各クラウニング部11、11に対向する部分に、前述した実施の形態の第2例の場合と同様の凹円弧部18a、18aを設けている。
この様な構成を有する本例の場合には、各ポケット14e、14eの開口部の幅寸法を、上記第3例の場合よりも小さくできる為、円筒ころ7の軸方向への移動量を小さく抑えられる。
上記保持器6eの基本的な構成に就いては、上記第3例の場合と同様であり、上記各円筒ころ7のスキューの抑制に関する作用・効果に就いては、上記第2例の場合と同様である。
上述した実施の形態の各例は何れも、本発明を円筒ころ軸受に適用した場合に就いて示したが、本発明は、円筒ころ軸受以外に、円すいころ軸受、自動調心ころ軸受にも適用できる。又、本発明は、単列の保持器付ころ軸受に限らず、複列の保持器付ころ軸受に適用する事もできる。この場合には、両列のころ同士の間に、リム部の軸方向片側面に複数の柱部を備えた1組の櫛型保持器を組み込む事もできるし、リム部の軸方向両側面に複数の柱部を備えた櫛型保持器を1つだけ組み込む事もできる。又、櫛型保持器に限らず、2つの籠型保持器を用いる事もできる。尚、上述の様に、1つの櫛型保持器を使用して、複列のころを保持する場合には、リム部の軸方向片側面と他側面とに設ける各柱部の円周方向に関する位相は、同位相でも良いし、互いに異ならせても良い。更に、各柱部の円周方向側面の断面形状のうち、保持器の径方向に関する断面形状は、上述した実施の形態の各例の場合の様な、凹円弧形に限らず、直線状としても良い。
1、1a 保持器付円筒ころ軸受
2 外輪軌道
3 外輪
4 内輪軌道
5 内輪
6、6a〜6e 保持器
7 円筒ころ
8 鍔部
9 転動面
10 円筒面部
11 クラウニング部
12、12a リム部
13、13a〜13e 柱部
14、14a〜14e ポケット
15 隙間
16、16a、16b 隙間
17、17a 直線部
18、18a 凹円弧部
19 凹溝
2 外輪軌道
3 外輪
4 内輪軌道
5 内輪
6、6a〜6e 保持器
7 円筒ころ
8 鍔部
9 転動面
10 円筒面部
11 クラウニング部
12、12a リム部
13、13a〜13e 柱部
14、14a〜14e ポケット
15 隙間
16、16a、16b 隙間
17、17a 直線部
18、18a 凹円弧部
19 凹溝
Claims (4)
- 内周面に外輪軌道を有する外輪と、外周面に内輪軌道を有する内輪と、これら外輪軌道と内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個のころと、円周方向複数個所に柱部を有し、円周方向に隣り合う柱部同士の間にこれら各ころを転動自在に保持する複数のポケットを備えた保持器とから成り、これら各ころは、外周面である転動面の軸方向端部に母線形状が円弧状の凸曲面であるクラウニング部を設けたものである保持器付ころ軸受に於いて、上記各ポケット内に上記各ころを、これら各ポケットの中心軸とこれら各ころの中心軸とを、互いに一致若しくは平行にして保持した状態で、上記各柱部の円周方向側面のうちで上記各ころのクラウニング部に対向する部分とこのクラウニング部との間に存在する隙間の、上記保持器の円周方向に関する厚さが、上記各ころの軸方向に亙り一定であり、且つ、上記各柱部の円周方向側面のうちでこれら各柱部の長さ方向中央部に、上記各ポケット内に保持した上記各ころの回転方向に凹溝を形成している事を特徴とする保持器付ころ軸受。
- 内周面に外輪軌道を有する外輪と、外周面に内輪軌道を有する内輪と、これら外輪軌道と内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個のころと、円周方向複数個所に柱部を有し、円周方向に隣り合う柱部同士の間にこれら各ころを転動自在に保持する複数のポケットを備えた保持器とから成り、これら各ころは、外周面である転動面の軸方向端部に母線形状が円弧状の凸曲面であるクラウニング部を設けたものである保持器付ころ軸受に於いて、上記各ポケット内に上記各ころを、これら各ポケットの中心軸とこれら各ころの中心軸とを、互いに一致若しくは平行にして保持した状態で、上記各柱部の円周方向側面のうちで上記各ころのクラウニング部に対向する部分とこのクラウニング部との間に存在する隙間の、上記保持器の円周方向に関する厚さが、上記各ころの軸方向端部に向かう程小さくなっており、且つ、上記各柱部の円周方向側面のうちでこれら各柱部の長さ方向中央部に、上記各ポケット内に保持した上記各ころの回転方向に凹溝を形成している事を特徴とする保持器付ころ軸受。
- 保持器が、軸方向に間隔をあけて互いに同心に配置された、それぞれが円環状である1対のリム部と、これら両リム部同士の間に掛け渡された複数本の柱部とを備え、これら両リム部と円周方向に隣り合う柱部とにより四周を囲まれた部分を、それぞれ各ころを転動自在に保持する為のポケットとした、籠型保持器である、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載した保持器付ころ軸受。
- 保持器が、円環状のリム部と、それぞれの基端部をこのリム部の軸方向側面の円周方向複数個所に結合した状態で各ころの軸方向に配置され、それぞれの先端部を他の部分に結合しない自由端とした複数の柱部とを備え、上記リム部と円周方向に隣り合う柱部とにより三方を囲まれた部分を、それぞれ上記各ころを転動自在に保持する為のポケットとした、櫛型保持器である、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載した保持器付ころ軸受。
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-
2008
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20120110 |