JP4801129B2 - 鉄道車両の引戸構造 - Google Patents

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本発明は、鉄道車両の妻部に形成された通路開口部を開閉させるべく、その妻部に沿って引戸をスライドさせる鉄道車両の引戸構造に関する。
鉄道車両は、連結された車両間を行き来できるように妻部に通路開口部が形成され、そこには引戸が設けられ、引戸の開閉動作に関する様々な工夫が施された鉄道車両の引戸構造が従来から提案されている。図9は、鉄道車両の引戸構造を示した下記特許文献1に開示された図であり、鉄道車両の車内側から見た妻部を示している。
車両長手方向端部の妻部には、中央に大きく開口した通路開口部101が形成され、そこを塞ぐように引戸110が設けられている。引戸110は、通路開口部101を塞いで閉状態とする一方、妻部に沿って平行移動することにより戸袋120へ入って開状態とする。なお、この引戸110は図面左側にスライドするよう構成されたものである。引戸110は、ローラを介して吊りレール115に吊り下げられている。この吊りレール115は、戸袋120の奥(図面左側)にかけて高くなっており、引戸110の閉方向(図面右側)に低くなるように傾斜している。従って、引戸110を開ける時は力を要するが、閉じる時は引戸110の自重によって傾斜した吊りレール115を移動して閉じることになる。
こうした鉄道車両の引戸構造は、戸袋120内に入るに従って持ち上げられた引戸110が、床面130との間には隙間が生じてしまうため、その隙間を塞ぐスライド板118が設けられている。引戸110の下端部にはカバー119が固定され、そのカバー119と引戸110との間にできた隙間に上下するようにスライド板118が下方から挿入され、引戸110と床面130との間に隙間を生じさせないようになっている。
特開2007−56487号公報
こうした鉄道車両の引戸構造は、引戸110を戸袋120へ入れるのに、引戸110自体を上昇させなければならないため、開くのに大きな力が必要で、力の弱いお年寄りや子供にとって扱いにくいものであった。また、引戸110と床面130との間に生じた隙間を塞ぐため、スライド板118を設ける必要があり、引戸110構造を複雑にする他、破損によるメンテナンスも必要であり、コストのかかるものであった。
そこで、本発明は、かかる課題を解決すべく、引戸を開けるために大きな力を必要とせず、床面との間に大きな隙間を生じさせない鉄道車両の引戸構造を提供することを目的とする。
本発明に係る引戸構造は、鉄道車両の妻部に形成された通路開口部を開閉する引戸が、前記通路開口部の上方に車体床面とほぼ平行な支持レールに吊りローラを介して吊下げられた状態でスライドするものであり、開いた位置の引戸を閉方向に移動させるための戻し機構を有するものであって、その戻し機構は、前記支持レールに沿って前記妻部側に設けられたラックと、前記引戸側にあって前記ラックに噛合したピニオンギヤの引戸開方向への回転によって巻き上げられるゼンマイとを備えるものであり、前記引戸は、その下端部にガイドローラを備え、そのガイドローラが車体床面に形成された凹状のガイドレール内を転動するように設けられたものであり、前記引戸の閉方向には、先端が上下に揺動するように軸支されたフックが設けられ、前記引戸の閉方向側部が当てられる前記通路開口部の縦桟の下端部に釣り針形状の板バネが固定され、引戸が閉じた状態で前記フックが前記板バネの先端に引っ掛かって引戸の移動を制限するものであることを特徴とする。
また、本発明に係る鉄道車両の引戸構造は、前記ガイドレールが、板材を湾曲させて一
本の凹溝を形成し、それを車体床面に取り付けたものであることが好ましい。
また、本発明に係る鉄道車両の引戸構造は、前記引戸の下端部に取り付けられたガイド
ローラが、前記引戸の表面が下方に延びたスカート部によって覆われていることが好まし
い。
また、本発明に係る鉄道車両の引戸構造は、前記フック及び板バネが、前記引戸下端部又は前記縦桟下端部にそれぞれ形成された内側に凹んだ収納スペース内部に設けられ、前記引戸の閉方向側部が前記通路開口部の縦桟側に僅かに入り込み、それにより前記フックが前記板バネの先端に引っ掛かるようにしたものであることが好ましい。
また、本発明に係る鉄道車両の引戸構造は、前記板バネが、平板部分と湾曲したバネ部分とを有し、平板部分を上下に配置した複数のネジによって固定したものであって、そのネジの貫通孔は上下方向に長い長孔であることが好ましい。
よって、本発明によれば、車体床面と平行な支持レールを引戸が同じ高さでスライドし、ゼンマイを使用して自動で閉動作させるようにしたので、乗客は、従来の斜行させる引戸よりも小さな力で開けることができる。また、従来のように開閉によって引戸が上下しないので、車体床面との隙間を複雑な構造によって塞ぐ必要もない。更に、引戸のガイドローラは、床面に形成された凹状のガイドレールを転がるので、通路開口部を通行する乗客が足を引っかけてしまうような突起がない。そしてまた、フックと板バネによって、大きな力を必要とせずに引戸を開けることができる一方で、走行中に引戸が開閉してしまうことなく閉状態を維持させることができる。
次に、本発明に係る鉄道車両の引戸構造の一実施形態について図面を参照しながら以下に説明する。本実施形態の鉄道車両の引戸構造も、図9に示した従来例と同様に、車体の長手方向端部に位置する妻部に設けられたものであり、そうした妻部の中央に大きく開口した通路開口部を開閉させるように、壁面に沿って引戸がスライドするようにしたものである。図1は、鉄道車両の引戸構造を車内側から示した図である。本実施形態の引戸10は、右側にスライドさせて開くものであり、通路開口部1の右側には戸袋2が設けられている。
妻部の通路開口部1に設けられた引戸10は、上端に吊りローラ11が取り付けられ、その吊りローラ11が支持レール21に沿って転がるように構成されている。すなわち、引戸10には、上端部に吊下げブラケット12が突出し、そこに吊りローラ11が回転可能に軸支されている。一方、引戸10には、その下端部にもガイドローラ31が設けられ、床面に形成されたガイドレール35を転がるように構成されている。ただし、この引戸10は、吊りローラ11を介して支持レール21に吊り下げられるように設けられており、引戸10の荷重がほぼ支持レール21側で受けるよう構成されている。
ここで、図2は、引戸10上部の開閉機構を示した図1のA−A断面図である。
妻部には、その妻構体20の通路開口部1上方に固定プレート22が設けられ、そこにレール支持台23が固定されている。そのレール支持台23には、引戸10がスライドする範囲にわたって支持レール21が取り付けられている。支持レール21は、断面がL字形で、その先端が上方に突き出すようにして形成され、その上を吊りローラ11が転がるように構成されている。従って、引戸10は、左右2箇所に設けられた吊りローラ11が、その引戸10を吊下げた状態で回転し、図1に示す閉状態から図面右側の戸袋2部分へ移動した開状態となる。
本実施形態の鉄道車両の引戸構造では、支持レール21が水平(車体床面と平行)に設けられ、引戸10は高さを変えずに開閉移動が行われる。そして、開くときは乗客が取っ手10tを持って図面右側へと引戸10を手動でスライドさせる必要があるが、閉じる場合には、開くときに蓄えた力によって自動で引戸10がスライドして閉じるよう構成されている。
引戸10の上端部には、左右一対の吊りローラ11の間に取付ブラケット13に取り付けられ、そこに自動で閉動作するためのギヤボックス15が設置されている。そして、このギヤボックス15には、図2に示すように上方にピニオンギヤ51の歯先が突出しており、このピニオンギヤ51が、レール支持台24の下面に嵌め込まれた閉動作用ラック25に噛合している。閉動作用ラック25は、引戸10の開閉領域にわたって設けられ、ピニオンギヤ51と閉動作用ラック25とは常に噛合した状態にある。
ギヤボックス15は、ピニオンギヤ51の回転によりゼンマイを巻上げ、その反発力を利用して引戸10を自動的に閉動作させるようにしたものであり、図3は、そうしたギヤボックス15の内部機構を示した図である。ピニオンギヤ51は、小径のセカンドギヤ52が一体に形成され、そのセカンドギヤ52とアイドルギヤ53と噛合し、更にアイドルギヤ53とゼンマイギヤ54が噛合している。そして、そのゼンマイギヤ54はゼンマイ位置規制ギヤ55と同軸上に重ねて配置されているが、両者はゼンマイ位置規制ギヤ55内に設けられた巻き式のゼンマイ56を介して関係している。
ゼンマイ位置規制ギヤ55は、図面手前側に開口するように、図4に示す形状の挿入凹部55aが形成され、そこにはゼンマイ56と引掛け羽57とが入れられている。そして、図3に示すように、その挿入凹部55aを塞ぐ円形のカバープレート58が設けられ、このカバープレート58がゼンマイギヤ54と引掛け羽57とに挟まれるように重ねられ、一体に形成されている。ゼンマイ位置規制ギヤ55の挿入凹部55aは、側面に径方向に広がった引掛け部55kが一定間隔で複数形成されている。一方、引掛け羽57は、回転によってゼンマイ56を中心側から巻き上げられるようにしたものであり、ゼンマイ56の内周端が引っ掛けられるように、軸対象に形成された一対の引掛け部57kが形成されている。
ゼンマイ56は、中心側先端には引掛け羽57の引掛け部57kに対する内側係合部5
6kが形成され、外周側先端にはゼンマイ位置規制ギヤ55の引掛け部55kに対して外
側係合部56tが形成されている。従って、ゼンマイギヤ54が巻上げ方向(図4の反時
計回方向)に回転すると、引掛け羽57も同方向に回転し、ゼンマイ56の内側係合部5
6kが引っ掛けられた状態でゼンマイ56が巻き上げられるようになっている。また、ゼ
ンマイ56は、通常は外側係合部56tが引っ掛けられているため巻くことができるが、
巻き過ぎの場合には引掛け部55kから外側係合部56tが外れて空回りするようになっ
ている。
ところで、ゼンマイ位置規制ギヤ55には、調整ギヤ59が噛合している。その調整ギヤ59は、所定の回転位置でそれ自身の回転を規制することができるようにギヤボックス15内に取り付けられている。従って、調整ギヤ59の一定量の回転は、それに噛合しているゼンマイ位置規制ギヤ55に伝達され、それによりゼンマイ56が引掛け部55kに引っ掛けられた外周側の外側係合部56tから巻かれる。これにより、巻上げ前のゼンマイ56にかかるテンションの初期状態が調整可能になる。また、こうしたゼンマイ56の巻き量調整により、長期間の使用によって落ちたバネ力を上げることができるようになっている。
次に、ギヤボックス15が設けられた取付ブラケット13には、図1に示すようにブレーキダンパ16が取り付けられ、ゼンマイ56のバネ力によって引戸10が閉動作する際に、このブレーキダンパ16による制動力が働くようになっている。図2に示すように、レール支持台24の下面には、閉動作用ラック25と平行に制動用ラック26が取り付けられ、そこにブレーキダンパ16を構成するピニオンギヤ16aが噛合している。ブレーキダンパ16は、例えば、ワンウェイ機構を内蔵したオイルダンパであって、引戸10が閉方向へ移動する場合に作用し、逆に、引戸10を開ける方向へ移動する場合にはピニオンギヤ16aが空回りして作用しないようになっている。
そこで、この引戸構造では、引戸10を図1に示す図面右側にスライドさせて開けると、閉動作用ラック25に噛合しているピニオンギヤ51が回転する。例えば、図3においてギヤボックス15が図面右側に移動し、それによってピニオンギヤ51が反時計方向に回転する。そして、ピニオンギヤ51の回転は、一体に設けられたセカンドギヤ52からアイドルギヤ53へと伝わり、更にゼンマイギヤ54へと伝達される。ゼンマイ位置規制ギヤ55内では、ゼンマイギヤ54と一体の引掛け羽57が図4において反時計方向に回転する。
このとき、ゼンマイ56は、その外周端部の外側係合部56tが引掛け部55kに引っ掛けられた状態で位置決めされ、内周端部の内側係合部56kが引掛け部57kに引っ掛けられて巻き上げられる。従って、引戸10が開動作によってスライドする間に、ゼンマイ56が巻かれ、そこにはバネ力による付勢力が蓄積されていく。このとき、ブレーキダンパ16のピニオンギヤ16aも制動用ラック26を転動するが、空回りして抵抗を生じさせないため、引戸10のスライドに過度な抵抗はかからない。
次に、開けた引戸10を離すと、ゼンマイ56は巻き上げ動作から解放され、逆に巻戻し状態へと移行する。ゼンマイ56に蓄えられたバネ力が解放され、ゼンマイ56の内側係合部56kが引掛け羽57を図4において時計方向に回転させる。これにより、図3に示すギヤボックス15内では、ゼンマイギヤ54が同じ時計方向に回転し、その回転がアイドルギヤ53からセカンドギヤ52へ伝達され、閉動作用ラック25に噛合したピニオンギヤ51が時計方向に回転することとなる。
回転するピニオンギヤ51は、噛合した閉動作用ラック25を転動するため、図3に示すギヤボックス15は図面左側へ移動することになり、それによって図1に示す引戸10は上部で引っ張られるようにして図面左側へと移動して閉じられる。このとき、ブレーキダンパ16が制動用ラック26に噛合して制動力を発生させているため、ゼンマイ56の反発力によって勢いよく引戸10が移動してしまうことはなく、ゆっくりとしたスピードで閉まる。
このような引戸10の開閉は、上端部の吊りローラ11の他、下端部でもガイドローラ31が回転して移動をスムーズにしている。ここで、図5及び図6は、ガイドローラ31を示した図である。特に、図5は、図1に示す引戸10の閉状態における左下角部を示した拡大図であり、ガイドローラの他に開き防止機構も示している。また、図6は、図5のB−B断面を示した図である。
ガイドローラ31は、引戸10の下端にフレーム部材32がネジ止めされ、そのフレーム部材32に軸支されている。ガイドローラ31は図1に示すように左右の2箇所に設けられており、引戸10には、それを隠すようにスカート部10aが形成されている。
一方、このガイドローラ31が転動するガイドレール35は、車体床面3に取り付けられたレールプレート350によって形成されたものである。車体床面3には図6に示すように引戸10の移動位置に沿って溝3aが形成され、レールプレート350に形成された湾曲溝のガイドレール35がその位置に合わせて取り付けられている。ところで、ガイドローラ31は、引戸10の荷重を受けて積極的にガイドレール35を転がることはなく、左右方向への振れを押さえて引戸10が安定したスライドを行うように機能している。そのため、ガイドローラ31は、円周面の両端にテーパ31aが設けられ、湾曲したガイドレール35の斜面にスムーズに当たるようになっている。
次に、引戸10に設けられた開き防止機構は、車両が傾いた際、自重によって引戸10が開いてしまわないように閉状態を維持するためのものである。そこで、引戸10の側枠10b下部には、図5に示すように内側に凹んだ収納スペース10cが形成され、その中にフック36が軸支されている。一方、閉時に引戸10が当接する通路開口部1の縦桟部分1bには、その下部にも同様に内側に凹んだ収納スペース1cが形成され、そこに釣り針形状の板バネ37がネジ止めされている。ここで、図7は、板バネ37側を図5の右側から見た図である。板バネ37は、一定幅の金属プレートであって、図示するように上下の2箇所でボルト40によって止められている。
板バネ37は、固定される平板部分37pと、U字形に湾曲したバネ部分37qとから構成され、更にフック36が引っ掛けられる先端には、フック36の引っ掛かりと解除がスムーズに行われるように返シ37rが形成されている。フック36は、自重で板バネ37に引っ掛かるため、その掛かり方が深いと外れ難くなる。本実施形態では、そうした調整ができるようにボルト40の貫通孔が上下方向の長孔37aになっている。従って、板バネ37を上下にずらせて固定することで、フック36の引っ掛かりを調整することが可能になっている。
こうした開き防止機構を持った本実施形態では、前述したように自動で引戸10が閉方向に移動するが、閉まる直前では図8(a)に示すようにフック36の姿勢は横向きになっている。そして更に引き戸10が閉まると、図8(b)に示すように、その側枠10bが通路開口部1の幅広に形成された縦桟部分1bに僅かに入り込んで重なる。詳しく図示しないが、凸状の側枠10bに対して凹状に縦桟部分1bが形成され、ともにゴム材によって衝撃を吸収するように構成されている。
こうして引戸10が閉まる位置では、フック36の先端部が板バネ37の返シ37rに当たる。そして、更にそこから僅かに進むと、図8(c)に示すようにフック36が返シ37rを乗り越えて引っ掛かり状態になる。すなわち、軸支されたフック36は下側の傾斜部分が滑って上方に揺動し、また、板バネ37は弾性変形によって下方に撓むため、フック36の先端が返シ37r部分を乗り越えて板バネ37に引っ掛かる。
これにより引戸10が閉状態を維持できるように開き防止機構が働く。走行中に車両が傾くと、引戸10の自重によって吊りローラ11が転がって開いてしまうが、それが板バネ37に対するフック36の引っ掛かりによって止められ、閉状態が維持される。
一方、引戸10を開ける場合には、引戸10を開方向にスライドさせるように力が加えられると、板バネ37が弾性変形して下方に撓み、それをフック36が揺動して乗り越え、引っ掛かりが解除される。引戸10が開いているとき、フック36や板バネ37は、収納スペース10c,1cに収まっているので、通行する乗客がズボンの裾を引っ掛けてしまうようなことが回避できる。
よって、本実施形態に係る鉄道車両の引戸構造によれば、車体床面3と平行な支持レール21を引戸10が同じ高さでスライドし、ゼンマイ56を使用して自動で閉動作させるようにしたので、乗客は、従来の斜行させる引戸よりも小さな力で開けることができるようになった。また、従来のように開閉によって引戸が上下しないので、車体床面との隙間を複雑な構造によって塞ぐ必要もなくなった。
更に、引戸10のガイドローラ31は、床面に形成された凹状のガイドレール35を転がるように構成されているので、通路開口部1を通行する乗客が足を引っかけてしまうような突起がなくなった。また、フック36及び板バネ37からなる開き防止機構によって、大きな力を必要とせずに引戸10を開けることができる一方で、走行中に引戸10が開閉してしまうことなく閉状態を維持させることができる。
以上、本発明に係る鉄道車両の引戸構造の一実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
鉄道車両の引戸構造の実施形態を車内側から示した図である。 鉄道車両の引戸構造の実施形態を示した図1のA−A断面図である。 鉄道車両の引戸構造を構成するギヤボックスの内部機構を示した図である。 ギヤボックスの内部機構を構成するバネ力発生部を示した図である。 引戸の閉状態における左下角部を示した拡大図である。 ガイドローラを示す図5のB−B断面図である。 開き防止機構の板バネを図5の右側から示した図である。 ストッパの動作を示した図である。 従来の鉄道車両の引戸構造を有する車内側から見た妻部を示す図である。
符号の説明
1 通路開口部
3 車体床面
10 引戸
11 吊りローラ
15 ギヤボックス
16 ブレーキダンパ
21 支持レール
25 閉動作用ラック
31 ガイドローラ
35 ガイドレール
36 フック
37 板バネ
51 ピニオンギヤ
54 ゼンマイギヤ
55 ゼンマイ位置規制ギヤ
56 ゼンマイ
57 引掛け羽

Claims (5)

  1. 鉄道車両の妻部に形成された通路開口部を開閉する引戸が、前記通路開口部の上方に車体床面とほぼ平行な支持レールに吊りローラを介して吊下げられた状態でスライドするものであり、開いた位置の引戸を閉方向に移動させるための戻し機構を有する鉄道車両の引戸構造であって、
    その戻し機構は、前記支持レールに沿って前記妻部側に設けられたラックと、前記引戸側にあって前記ラックに噛合したピニオンギヤの引戸開方向への回転によって巻き上げられるゼンマイとを備えるものであり、
    前記引戸は、その下端部にガイドローラを備え、そのガイドローラが車体床面に形成された凹状のガイドレール内を転動するように設けられたものであり、
    前記引戸の閉方向には、先端が上下に揺動するように軸支されたフックが設けられ、前記引戸の閉方向側部が当てられる前記通路開口部の縦桟の下端部に釣り針形状の板バネが固定され、引戸が閉じた状態で前記フックが前記板バネの先端に引っ掛かって引戸の移動を制限するものであることを特徴とする鉄道車両の引戸構造。
  2. 請求項1に記載する鉄道車両の引戸構造において、
    前記ガイドレールは、板材を湾曲させて一本の凹溝を形成し、それを車体床面に取り付けたものであることを特徴とする鉄道車両の引戸構造。
  3. 請求項1又は請求項2に記載する鉄道車両の引戸構造において、
    前記引戸の下端部に取り付けられたガイドローラは、前記引戸の表面が下方に延びたスカート部によって覆われていることを特徴とする鉄道車両の引戸構造。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れかに記載する鉄道車両の引戸構造において、
    前記フック及び板バネは、前記引戸下端部又は前記縦桟下端部にそれぞれ形成された内
    側に凹んだ収納スペース内部に設けられ、前記引戸の閉方向側部が前記通路開口部の縦桟
    側に僅かに入り込み、それにより前記フックが前記板バネの先端に引っ掛かるようにした
    ものであることを特徴とする鉄道車両の引戸構造。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れかに記載する鉄道車両の引戸構造において、
    前記板バネは、平板部分と湾曲したバネ部分とを有し、平板部分を上下に配置した複数
    のネジによって固定したものであって、そのネジの貫通孔は上下方向に長い長孔であるこ
    とを特徴とする鉄道車両の引戸構造。
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