JP4816935B2 - 鉄道車両の仕切壁構造 - Google Patents
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Description
(発明の態様)
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
本項に記載の鉄道車両の仕切壁構造は、光反射板の端部に光源を配置することで、この光源の光が光反射板を照らし、光反射板に反射された光が光透過板を通して外部から視認されるものである。すなわち、光源自体は仕切壁構造の内部に隠され、直接的に視認されることはない。なお、光源については、蛍光灯、白熱電球、LED等の電力により発光するもの、自然光を採光して用いる等が挙げられる。
本項に記載の鉄道車両の仕切壁構造は、光透過板から外れた位置に光源が内蔵され、この光源の光が光反射板を照らし、光反射板に反射された光が光透過板を通して外部から視認されるものである。すなわち、光源自体は仕切壁構造の内部に隠され、直接的に視認されることはない。又、光反射板を照らすことが出来るように、光反射板の端部に面する位置に光源を配置するものであり、光源の設置場所が比較的自由となり、仕切壁の内部構造の自由度が増大する。光源の位置は、光反射板の端部に面する位置で、光反射板を照らすことが可能であれば、何れの位置でもよく、光源の設置場所の選択肢が増大する。又、光反射板の形状を適宜変更することとすれば、光源の設置場所の自由度はより増大することとなる。
本項に記載の鉄道車両の仕切壁構造は、ハットラックに覆われた部分を、光源設置場所として有効活用するものである。
(4)仕切壁の一部が、車両側面の窓の上方に設置されたハットラックに覆われ、該ハットラックに覆われた部分に、該光源の点検蓋が設けられていることを特徴とする鉄道車両の仕切壁構造。
本項に記載の鉄道車両の仕切壁構造は、ハットラック内部に光源の点検蓋が隠されることから、点検蓋が露出する場合に比べ、点検蓋の不用意な開閉を回避する効果が期待できる。更に、点検蓋がハットラック内部に隠されることで、上質な外観が得られることとなる。
(5)仕切壁の一部が、車両側面の窓の上方に設置されたハットラックに覆われ、該ハットラックに覆われた部分に、前記光源と、該光源の点検蓋が設けられていることを特徴とする鉄道車両の仕切壁構造(請求項2)。
本項に記載の鉄道車両の仕切壁構造は、ハットラックに覆われた部分を、光源設置場所として有効活用するものである。ハットラック内部に光源の点検蓋が隠されることから、点検蓋が露出する場合に比べ、点検蓋の不用意な開閉を回避する効果が期待できる。更に、点検蓋がハットラック内部に隠されることで、上質な外観が得られることとなる。しかも、光源の点検作業は、ハットラックを開き、ハットラックに隠された点検蓋を開くことで、容易に行うことが可能となる。なお、仕切壁の一部が、ハットラック以外の何らかの設置部品によって覆われている場合には、かかる他の部品によって覆われた位置に、光源又は光源の点検蓋を設けることとしても良い。
本項に記載の鉄道車両の仕切壁構造は、幅木に覆われた部分を、光源設置場所として有効活用するものである。
(7)床面に沿って設けられた幅木部分に、光源の点検蓋が設けられていることを特徴とする鉄道車両の仕切壁構造。
本項に記載の鉄道車両の仕切壁構造は、壁の造形として元々壁面と不連続な幅木部分に光源の点検蓋が設けられることで、点検蓋が仕切壁に直接設けられる場合に比べ、上質な外観が得られることとなる。
(8)床面に沿って設けられた幅木部分に、光源が内蔵されかつ該光源の点検蓋が設けられていることを特徴とする鉄道車両の仕切壁構造(請求項3)。
本項に記載の鉄道車両の仕切壁構造において、幅木に覆われた部分を、光源設置場所として有効活用するものである。又、壁の造形として元々壁面と不連続な幅木部分に光源の点検蓋が設けられることで、点検蓋が仕切壁に直接設けられる場合に比べ、上質な外観が得られることとなる。なお、光源の点検蓋は、仕切壁の何れの面に設けることとしても良い。
本項に記載の鉄道車両の仕切壁構造は、光透過板が壁の一部にのみ設けられることで、仕切壁の飾り照明のデザイン的特長を際立たせることができる。又、光透過板が壁の一部にのみ設けられ、かかる部分のみ発光するものであることから、光源の光量を小さく抑えることが可能となる。又、光源に求められる光量を小さくすることで、光源の小型化を図り、光源のレイアウトの自由度を更に高めることが可能となる。
本項に記載の鉄道車両の仕切壁構造は、前記光透過板が壁の左右両側近傍で上下に延びるように設けられることで、仕切壁の左右両側近傍において、上下に延びる飾り照明が構成される。なお、光透過板は必ずしも上下に連続している必要はなく、デザイン上の要請に応じて幾つかに分割されていても良い。又、応用例として、光透過板が壁に斜めに延びたものや、水平に伸びたものも構成可能である。
本項に記載の鉄道車両の仕切壁構造は、光反射板と光透過板とにより構成される筒体が、前記内部空間に形成されていることで、該筒体内部を光源の光が反射しながら光源の遠方へと伝播し、光透過板を広範囲にわたって光らせることが可能となる。
本項に記載の鉄道車両の仕切壁構造は、光反射板と光透過板とにより構成される筒体の光反射板の一部に、前記引戸が貫通する切欠きが形成されていることから、該筒体を戸袋の一部としても利用することが可能となる。すなわち、引戸の収納スペースを、筒体の部分まで広げることが可能となるので、出入り口の位置を、筒体と引戸の収納スペースとの干渉を避けてオフセットする必要が無くなり、出入り口のレイアウトの自由度が増加することとなる。又、引戸の格納スペースを考慮することなく、筒体の設置範囲を広げることも可能となり、飾り照明の外観デザインの自由度が高まることにもなる。なお、光反射板の一部に設ける切欠きの幅を、引戸が通過するに必要十分な幅とすることで、光透過板を広範囲にわたって光らせるに十分な光量を得ることができることが、発明者らの実験によって明らかとなっている。
本項に記載の鉄道車両の仕切壁構造は、前記光透過板にスモーク処理が施されていることにより、光源の光が光反射板を照らし、光反射板の光が光透過板を通して外部から視認される際に、光反射板の光をぼかして、飾り照明の発光状態の均一化を図るものである。なお、光透過板のスモーク処理に関しては、光透過板がガラス板であれば曇りガラス等を用い、ポリカーボネートであれば表面にサンドブラスト処理を施したものを用い、更には、ガラス板又はポリカーボネートの光透過板の表面に、乳白色系のフィルムを貼付する等の手法が挙げられる。更には、光透過板に何らかの着色を施すこととしても良い。
本項に記載の鉄道車両の仕切壁構造は、前記光透過板の内側表面に、光反射膜が設けられていることによって、光反射膜の反射率を適宜調整することにより、光源の光をより遠くまで反射させ、飾り照明の均一な発光状態を得るものである。光反射膜は、光の屈折率を変更することが可能なフィルムを貼付し、又は塗料などを塗布することにより構成することが可能である。
本項に記載の鉄道車両の仕切壁構造は、引戸が透明板により構成されていることにより、引戸が戸袋に引き込まれた状態であっても、光源によって照らされた光反射板の光が、引戸及び光透過板を通して外部から視認されることとなる。すなわち、引戸が閉じた状態のみならず、開いた状態でも、飾り照明が機能することとなる。
図1、図2に示されるように、本発明の実施の形態に係る鉄道車両の内妻仕切り26は、客室12と出入り台14との間に車両内部を車両長手方向に対して車幅方向に区画するように配置され、客室12と出入り台14の双方間の往来に係る出入り口16と、出入り口16を塞ぐ引戸18と、引戸18の収納スペースに使用可能な内部空間20、21とが設けられた構造を有している。引戸18は、透明板により構成されている。図示の例では、強化ガラスからなるガラス板の周端部を金属製の枠で縁取った構造を有している。又、客室12に面する壁の一部には、光透過板22、23が用いられ、光透過板22、23に沿って内部空間20、21に光反射板28、29が配置されている。光透過板22、23には、必要に応じてスモーク処理が施される。又、必要に応じ、光透過板22、23の内側表面に、光反射膜を設けても良い。そして、図1、図3に示されるように、光反射板28、29の端部に面しかつ光透過板22、23から外れた位置に、光源30が内蔵されている。光源30は、図4に示されるように、いわゆるコンパクト型蛍光灯が白色の壁面を備えるケース31に格納された、光源ユニットを構成している。
なお、光源30の設置場所として、ハットラック32に覆われた部分に換えて、又は、ハットラック32に覆われた部分と共に、床面に沿って設けられた幅木38(図1)の部分に、光源30が内蔵されることとしても良い。この場合には、幅木部分に光源30の点検蓋34を設置する。
なお、図6に示されるように、出入り口16の位置を筒体36と引戸18の収納スペースとの干渉を避けてオフセットさせたレイアウトを作用することも、当然に可能である。
又、引戸18についても、透明板により構成されていることにより、引戸18が戸袋に引き込まれた状態であっても、光源30によって照らされた光反射板28の光が、引戸18及び光透過板22を通して外部から視認されることとなる。すなわち、引戸18が閉じた状態のみならず、開いた状態でも、飾り照明が機能することとなる。
なお、本発明の実施の形態では、本発明に係る鉄道車両の仕切壁構造として、内妻仕切りを例示して説明しているが、本発明が、車両長手方向に設けられる引戸を持った仕切壁構造等、鉄道車両用の各種仕切壁構造に適用可能であることは、容易に理解できるであろう。
Claims (10)
- 鉄道車両の車両内部を区画するように配置され、仕切られた双方間の往来に係る出入り口と、該出入り口を塞ぐ引戸と、該引戸の収納スペースに使用可能な内部空間とが設けられた鉄道車両の仕切壁構造であって、
区画された少なくとも一方に面する壁に光透過板が用いられ、該光透過板に沿って前記内部空間に光反射板が配置され、該光反射板の端部に面しかつ前記光透過板から外れた位置に光源が内蔵されていることを特徴とする鉄道車両の仕切壁構造。 - 仕切壁の一部が、車両側面の窓の上方に設置されたハットラックに覆われ、該ハットラックに覆われた部分に、前記光源と、該光源の点検蓋が設けられていることを特徴とする請求項1記載の鉄道車両の仕切壁構造。
- 床面に沿って設けられた幅木部分に、光源が内蔵されかつ該光源の点検蓋が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の鉄道車両の仕切壁構造。
- 前記光透過板は、壁の一部にのみ設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の鉄道車両の仕切壁構造。
- 前記光透過板は、壁の左右両側近傍で上下に延びるように設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の鉄道車両の仕切壁構造。
- 前記光反射板と前記光透過板とにより構成される筒体が、前記内部空間に形成されていることを特徴とする請求項5記載の鉄道車両の仕切壁構造。
- 前記筒体を構成する光反射板の一部に、前記引戸が貫通する切欠きが形成されていることを特徴とする請求項6記載の鉄道車両の仕切壁構造。
- 前記光透過板にスモーク処理が施されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の鉄道車両の仕切壁構造。
- 前記光透過板の内側表面に、光反射膜が設けられていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項記載の鉄道車両の仕切壁構造。
- 前記引戸が透明板により構成されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項記載の鉄道車両の仕切壁構造。
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