JP4798289B2 - 形状記憶合金駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、形状記憶合金の形状回復動作を利用して可動部を駆動する形状記憶合金駆動装置に関するものであり、特に形状記憶合金の過熱・過剰応力による劣化や可動部の破損を防止することが可能な形状記憶合金駆動装置に関する。
デジタルカメラ等の撮像装置においては、レンズ移動を形状記憶合金を用いて行う形状記憶合金アクチュエータ(=形状記憶合金駆動装置)実用化の検討が進んでいる。形状記憶合金は、電圧又は電流を印加して加熱することにより収縮する。また放熱を行うことにより伸縮する。このため、形状記憶合金の一端にレンズユニット等の可動部を接続して電圧又は電流を印加し、流れる電流量(以下、「駆動制御値」という)をサーボ制御することにより、フォーカシング等を行うことが可能である。
上記のようにサーボにより変位制御される形状記憶合金アクチュエータは、応答性を高めるために、変位変化の過渡期間の駆動制御値が大きくなるようにループゲインが設定されている。従って可動部がストッパー等の固定機構に接触し、目標変位に到達できない場合には、大きな駆動制御値が維持されて大電流が流れ続ける。
この結果、形状記憶合金が加熱され続け、過剰な応力が発生する。この過熱・過剰応力によって形状記憶合金の特性が劣化したり、形状記憶合金アクチュエータの一部が破損したりするといった問題があった。
上記の問題に関連して特許文献1においては、形状記憶部材にかかる軸方向負荷について、予め設定された閾値を超える過剰応力を検出するセンサー手段を有するアクチュエータデバイスが開示されている。
特開2006−189045号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている発明は、形状記憶合金にかかる過剰な応力をセンサーにより検出、回避するものである。このため、専用のセンサーを追加で取り付ける必要があり、小型化やコストの面で不利である。
以上の点を鑑みて、本発明の目的は、形状記憶合金の形状回復動作を利用して可動部を駆動する形状記憶合金アクチュエータにおいて、形状記憶合金の過熱・過剰応力を迅速且つ適確に検知することにより劣化や破損を防止することを可能とした形状記憶合金駆動装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の形状記憶合金駆動装置は、変位目標値を与え、形状記憶合金に電圧又は電流を印加して前記変位目標値を目標として前記形状記憶合金を変位させることにより、前記形状記憶合金に接続された可動部の駆動制御を行う駆動制御手段を備えた形状記憶合金駆動装置において、前記駆動制御手段が印加する電圧又は電流の大きさを示す駆動制御値の変化に基づき、前記可動部が固定機構に接触しているかどうかを判定する接触検知手段と、前記接触検知手段による判定の結果、接触が検知された場合に、前記駆動制御手段に対して与えられる変位目標値の上限を制限する駆動制限手段とを備えたことを特徴としている。
この構成によると、本発明の形状記憶合金駆動装置は、サーボ制御により形状記憶合金に電圧又は電流を印加し、形状記憶合金を変位目標値を目標として変位させる駆動制御手段を備えている。駆動制御手段は形状記憶合金の抵抗値を検出し、この検出抵抗値から形状記憶合金に発生している変位を算出する。そして算出変位が目標変位になるまで駆動制御値を変化させるサーボ制御を行う。このようにして形状記憶合金を伸縮することにより、形状記憶合金に接続された可動部、例えばレンズユニット等の駆動制御を行う。
さらに、駆動制御手段が印加する電圧又は電流の量を示す駆動制御値が所定の変化、例えば駆動制御値が急激に増加する等を検知する接触検知手段を備えている。接触検知手段は所定の変化を検知することにより、レンズ等を搭載した可動部が固定機構に接触したと判定する。また、この判定がなされた際に、駆動制御手段に対して変位目標値を所定の範囲内に制限する駆動制限手段を備えている。これにより、可動部が固定機構に接触した際に印加する電圧又は電流を制限し、過熱・過剰応力を未然に防止する。
また本発明の形状記憶合金駆動装置は、前記接触検知手段が、前記可動部と前記固定機構とが接触すると推定される駆動制御値である第一駆動制御値と、前記駆動制御手段が制御可能な最大の駆動制御値である第二駆動制御値との間に基準駆動値を設けるとともに、前記駆動制御手段の駆動制御値が前記基準駆動値を超えた場合に、前記可動部が前記固定機構に接触したと判定することを特徴としている。
この構成によると、可動部が固定機構に接触したこと判定するために、基準駆動値を設けている。まず可動部と固定機構とが接触すると推定される駆動制御値である第一駆動制御値を設ける。なお、第一駆動制御値の値は環境温度や形状記憶合金の材質によって変化する。このため、事前に標準的な環境において検査を行うことにより取得することが望ましい。
さらに、駆動制御手段が制御可能な最大の駆動制御値を示す第二駆動制御値を設ける。これは回路の特性等により、予め限界が決まっている。この第一駆動制御値と第二駆動制御値との間に基準駆動値を設ける。接触検知手段は駆動制御手段の駆動制御値を監視し、駆動制御値が基準駆動値を超えた場合に、可動部が固定機構に接触したと判定する。この結果、駆動制限手段による駆動制御値の制限が行われる。
また本発明の形状記憶合金駆動装置は、前記駆動制御手段の駆動制御値を時間微分し、算出した微分値を前記接触検知手段に与える微分手段を備え、前記接触検知手段が、前記駆動制御手段により駆動制御値が最大変化した際の微分値である最大微分値より低い値を、基準微分値として設けるとともに、前記微分手段から与えられる微分値が前記基準微分値を超えた場合に、前記可動部が前記固定機構に接触したと判定することを特徴としている。
この構成によると、時間と共に変化する駆動制御手段の駆動制御値を時間微分し、算出した微分値を接触検知手段に与える微分手段を備えている。そして可動部が固定機構に接触したこと判定するために、微分値の基準値を設ける。まず、駆動制御手段が制御可能な、時間あたり最大の駆動制御値変化量を微分し、最大微分値として設ける。なお時間あたり最大の変化量は回路の特性等により予め限界が決まっているため、最大微分値もこの限界量から求めることができる。
さらに、最大微分値よりも低い値、例えば最大微分値の90%の値を、基準微分値として設ける。接触検知手段は微分手段から出力される微分値を監視し、微分値が基準微分値を超えた場合に、可動部が固定機構に接触したと判定する。この結果、駆動制限手段による駆動制御値の制限が行われる。
また本発明の形状記憶合金駆動装置は、前記形状記憶合金の変位目標値を段階的に変化させながら前記駆動制限手段へ与える変位目標指示手段を備え、前記接触検知手段が、前記可動部と前記固定機構とが接触すると推定される駆動制御値である第一駆動制御値と、前記駆動制御手段が制御可能な最大の駆動制御値である第二駆動制御値との間に基準駆動値を設けるとともに、前記変位目標指示手段による変位目標値の変化に応じて前記駆動制御手段の駆動制御値が変化した際に、整定時間経過後の駆動制御値と前記基準駆動値とを比較し、前記駆動制御値が前記基準駆動値を超える場合に前記可動部が前記固定機構に接触したと判定することを特徴としている。
この構成によると、形状記憶合金の変位目標値を段階的に変化させながら前記駆動制限手段へ与える変位目標指示手段を備えている。また、可動部が固定機構に接触したこと判定するために、基準駆動値を設けている。なお、基準駆動値の設け方は請求項2と同じであるため、ここでは説明を省略する。変位目標指示手段により変位目標値が変化すると、駆動制御手段は新たな変位目標値に応じて駆動制御値を変化させる。
この際、接触検知手段は、整定時間経過後の駆動制御値と基準駆動値とを比較する。そして整定時間経過後の駆動制御値が基準駆動値を超えた場合に、可動部が固定機構に接触したと判定する。この結果、駆動制限手段による駆動制御値の制限が行われる。
また本発明の形状記憶合金駆動装置は、前記形状記憶合金の変位目標値を段階的に変化させながら前記駆動制限手段に与える変位目標指示手段と、前記変位目標指示手段による変位目標値の変化に応じて前記駆動制御手段の駆動制御値が変化した場合に、整定時間経過後の駆動制御値を記録するとともに、記録時の駆動制御値と前回記録時の駆動制御値との差分値を算出する差分算出手段とを備え、前記接触検知手段が、前記駆動制御手段により駆動制御値が最大変化した際の差分値である最大差分値より低い値を基準差分値として設けるとともに、前記差分算出手段から与えられる差分値が前記基準差分値を超えた場合に、前記可動部が前記固定機構に接触したと判定することを特徴としている。
この構成によると、形状記憶合金の変位目標値を段階的に変化させながら前記駆動制限手段へ与える変位目標指示手段を備えている。また、変位目標値の変化に応じて駆動制御値が変化した場合に、整定時間経過後の駆動制御値を記録するとともに、前回記録した駆動制御値と今回記録した駆動制御値との差分値を算出する差分算出手段を備えている。また、可動部が固定機構に接触したこと判定するために、基準差分値を設けている。
まず、駆動制御手段による駆動制御値の最大変化時における、変化前と変化後の差分値を最大差分値として算出する。なお駆動制御値の時間あたりの最大変化量は回路の特性等により予め限界が決まっているため、最大差分値微分値もこの限界量から求めることができる。そして最大差分値よりも低い値、例えば最大差分値の90%の値を、基準差分値として設ける。接触検知手段は差分算出手段から出力される差分値を監視し、差分値が基準差分値を超えた場合に、可動部が固定機構に接触したと判定する。この結果、駆動制限手段による駆動制御値の制限が行われる。
また本発明の形状記憶合金駆動装置は、前記可動部と前記固定機構とが接触すると推定される変位目標値である第一変位目標値と、予め定められた待機位置に前記可動部を移動させるための第二変位目標値との差分を記録する差分記録手段を備え、前記接触検知手段により前記可動部と前記固定機構との接触が検知された際の変位を基準変位とし、前記基準変位と前記差分記録手段に記録されている差分とに基づいて待機位置の変位目標値を決定することを特徴としている。
この構成によると、可動部と固定機構とが接触すると推定される変位目標値である第一変位目標値と、予め定められた待機位置に可動部を移動させるための第二変位目標値との差分を算出して記録する差分記録手段を備えている。撮像装置の電源起動時には、まず可動部が可動限界まで移動し、その後に待機位置へ戻るように制御が行われる。
この際、可動限界において接触検知手段により前記可動部と前記固定機構との接触が検知されると、接触位置の変位を基準変位として取得する。そして基準変位と上記差分とを用いて、例えば基準変位から上記差分を差し引くことにより、待機位置への変位目標値を決定する。そしてこの変位目標値に応じて駆動制御値の増減を行うことにより、待機位置への駆動制御を行う。
また本発明の形状記憶合金駆動装置は、形状記憶合金に生じる変位を検出する変位検出部を備え、前記駆動制御手段が、前記変位検出部により得られた変位が前記目標変位値となるように前記駆動制御値を変化させる制御を行うことを特徴としている。
この構成によると、本発明の形状記憶合金駆動装置は、形状記憶合金に生じる変位を検出する変位検出部を備えている。そして駆動制御手段が、変位検出部により得られた変位が目標変位値となるように、前記駆動制御値を変化させる制御を行う。
本発明によれば、駆動制御値が急激に変化した場合に可動部が固定機構に接触していると判定して、変位目標値を制限する。このため、比較的変化が緩やかな変位検出値の変化を用いて接触検知を行うよりも、接触検知のための検出マージンを広く取ることができる。従って、接触誤検知の確率を低減させるとともに、形状記憶合金の過熱・過剰応力による劣化や、可動部等の破損をより高い精度で防止できる。
また本発明によれば、駆動制御値が基準駆動値を超えた場合に、可動部が固定機構に接触したと判定して駆動制御値を制限する。サーボにより変位制御される形状記憶合金駆動装置は、応答性を高めるためにサーボのループゲインが大きく設定されている。従って駆動制御値を利用することにより、検出感度、応答速度が大きく、変化の検知を容易且つ高速に行うことができる。これにより短時間で接触したことを検知し、形状記憶合金の過熱・過剰応力を未然に防止できる。
また本発明によれば、駆動制御値の微分値が基準微分値を超えた場合に、可動部が固定機構に接触したと判定して駆動制御値を制限する。これによると、環境温度が変化して形状記憶合金の駆動制御値の絶対値が変化したとしても微分値の変化は比較的小さいため、環境温度の影響を受けにくい安定した判定ができる。また、誤判定を避けるために基準微分値を大きく設定する必要がない。このため、基準微分値を超えたことの判定がなされるまでの加熱量が相対的に大きくなるのを防止することができる。
また本発明によれば、変位目標値が段階的に変化する場合において、整定時間経過後の駆動制御値を用いて接触検知を行う。このように整定時間経過後の駆動制御値を用いて判定を行うため、変位目標値の変化直後の駆動制御値の変動による誤判定を回避できる。
また本発明によれば、変位目標値が段階的に変化する場合において、整定時間経過後の駆動制御値の差分値を用いて接触検知を行う。これによると、上記微分値を用いる場合と同様、環境温度の影響を受けにくい安定した判定ができる。また、誤判定を避けるために基準差分値を大きく設定する必要がないため、加熱量が相対的に大きくなるのを防止することができる。
また本発明によれば、駆動制御値を用いて接触検知された際の変位を基準変位とし、基準変位に基づいて待機位置への変位目標値を決定する。このため、形状記憶合金の温度変化・経時変化等の原因により絶対変位が変化した場合であっても、接触検知された固定機構の位置を基準として、可動部の待機位置を相対的に正しく決定できる。このように、常に同一の待機位置を維持することができるため、ユーザの操作性・利便性を向上させることができる。
は、本発明の形状記憶合金駆動装置を示した構成図である。 は、形状記憶合金の変位と駆動制御値の関係を示したグラフ図である。 は、第一の実施形態に係る制御回路の構成を示したブロック図である。 は、第一の実施形態に係る変位及び駆動制御値の変化を示したグラフ図である。 は、第二の実施形態に係る制御回路の構成を示したブロック図である。 は、第二の実施形態に係る変位、駆動制御値、及び駆動制御値の微分値を示したグラフ図である。 は、第三の実施形態に係る制御回路の構成を示したブロック図である。 は、第三の実施形態に係る変位、駆動制御値、及び駆動制御値の差分値を示したグラフ図である。 は、第三の実施形態に係る変位目標値制限処理の処理フローを示したフロー図である。
符号の説明
100 形状記憶合金アクチュエータ(形状記憶合金駆動装置)
1 形状記憶合金
5 可動部
7 ストッパー(固定機構)
10 マイコン(接触検知手段、駆動制限手段、変位目標指示手段、差分算出手段)
11 サーボ制御駆動回路(駆動制御手段)
12 比較器(接触検知手段)
13 変位目標値制限回路(駆動制限手段)
14 微分器(微分手段)
以下に本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、ここで示す実施形態は一例であり、本発明はここに示す実施形態に限定されるものではない。
[実施の形態1]
〈1−1.内部構成について〉
図1は、本発明の第一の実施形態に係る形状記憶合金アクチュエータ100(=形状記憶合金駆動装置)を示す構成図である。形状記憶合金アクチュエータ100は、形状記憶合金1、固定部2、バイアスばね3、レンズ4、可動部5、ガイド軸6、ストッパー7(=固定機構)、導線8、制御回路9を備えている。また、制御回路9に接続される装置として、マイコン10が存在する。
線材の形状をした形状記憶合金1は、その一端が固定部2に、もう一端が可動部5に取り付けられている。またバイアスばね3は、一端が固定部2に、もう一端が可動部5の形状記憶合金1とは反対側に取り付けられている。従ってバイアスばね3は、可動部5及び形状記憶合金1を引っ張る方向に応力を与えている。
可動部5にはレンズ4が取り付けられており、ガイド軸6により可動軸が決められている。またストッパー7は、形状記憶合金1が加熱により収縮した場合における、可動部5の可動範囲を規制している。上記の構成において、形状記憶合金1が加熱により収縮・硬化するとバイアスばね3が伸びる。また放熱により軟化すると、バイアスばね3の応力により形状記憶合金1が伸びる。これにより、レンズ4を載せた可動部5が移動するようになっている。
形状記憶合金1の両端は導線8で制御回路9に接続されており、電圧又は電流の印加が可能となっている。制御回路9は、形状記憶合金1の抵抗値を検出する抵抗値検出部(不図示)を備えている。制御回路9は検出した抵抗値に基づいて、形状記憶合金1に発生している変位を算出する。なお、変位と抵抗値との相関関係は予め調査されて記録部(不図示)或いは制御回路9の内部等に保持されている。なお上記では変位検出に抵抗値検出を用いたが、変位検出部としてはこれに限定されず、形状記憶合金または可動部の変位が検出可能であれば、これ以外のものを用いる形態でもよい。
マイコン10は、可動部5を目標位置へ移動させるために必要な変位を示す変位目標値を、制御回路9に与える。制御回路9は、与えられた変位目標値になるように、流れる電流量(=駆動制御値)を変化させるサーボ制御を行う。具体的には、抵抗値検出部により検出される抵抗値に基づいて変位を検出し、変位検出値と変位目標値とが一致するまで、駆動制御値の増加及び変位の検出を繰り返し行う。これにより、可動部5が目標位置に移動するように駆動制御を行うことが可能である。
図2は、制御回路9の駆動制御値Yと、駆動制御値Yに応じて形状記憶合金1に発生する変位Xとの関係を示したグラフ図である。制御回路9は、駆動応答性を高めるために、大きなループゲインを用いている。この場合、目標変位に到達するまでは、駆動制御値Yが増加するように制御される。駆動制御値Yが増加するに従い変位Xも増加する。
図中のXmax(=第一変位目標値)は、可動部5がストッパー7により動作を規制された時点での変位Xを示している。また、Xmaxに対応する駆動制御値YがYstop(=第一駆動制御値)である。なお、Xmax及びYstopの値は、形状記憶合金1の材質や環境温度によって変化する。変位XがXmaxになった時点でも目標変位に到達しない場合、駆動制御値Yは急激に増加する。そして制御回路9が出力可能な最大値であるYmax(=第二駆動制御値)となり飽和する。
本発明においては、図2に示すように、YstopとYmaxとの間に閾値Yth(=基準駆動値)を設ける。なお、Ythの値はYstopとYmaxとの間であれば運用形態により適宜変更可能であるが、Ystopに近いほど誤検知の可能性が高くなるため、Ymaxに近い値(例えばYmaxの90%の値)であることがより望ましい。
〈1−2.制御回路の構成について〉
図3は、本発明の一実施形態に係る制御回路9の詳細を示したブロック図である。制御回路9は、サーボ制御駆動回路11(=駆動制御手段)、比較器12(=接触検知手段)、変位目標値制限回路13(=駆動制限手段)を備えている。また変位目標値制限回路13はマイコン10に接続されており、マイコン10より非制限変位目標値が与えられる。
サーボ制御駆動回路11は、変位目標値制限回路13から入力される変位目標値Xaと形状記憶合金1の変位とが一致するように、駆動制御値Yの制御を行う。また、使用している駆動制御値Yの値を比較器12に与える。
比較器12は、形状記憶合金1の駆動制御時における駆動制御値YがYthを超過するかを監視する。具体的には、サーボ制御駆動回路11から与えられる駆動制御値Yと、予め定められている閾値Ythとを比較する。駆動制御値Yが閾値Ythを超えると判定された場合、比較器12は変位目標値制限回路13に対して、制限信号を与える。
制限信号を受けた変位目標値制限回路13は、以降はマイコン10から与えられる非制限変位目標値の値にかかわらず、所定の変位目標値をサーボ制御駆動回路11に与える。これにより、変位目標値Xaの上限を制限する。
上記構成の制御回路9による動作波形を図4に示す。図4において、横軸は経過時間を示している。図4(a)は経過時間に応じた変位目標値Xa及び変位検出値Xbの変化を、図4(b)は経過時間に応じた駆動制御値Yの変化を示している。なお、変位検出値Xbは、制御回路9が備える抵抗値検出部(不図示)により検出される。
可動部5の駆動処理が開始されると、変位目標値Xaが時間と共に増加する。するとサーボ制御駆動回路11は、変位目標値Xaと変位検出値Xbとが一致するように駆動制御値Yを増加させる。やがてXmaxの時点で、駆動制御値YはYstopとなる。この時点で可動部5がストッパー7に接触する。
すると変位検出値Xbは変位目標値Xaに追従できなくなる。このときサーボ制御駆動回路11は駆動制御値YをYmaxまで増加させる。従って、閾値Ythを「Ystop<Yth<Ymax」の条件で設定し、比較器12を用いて駆動制御値YとYthとを比較することにより、可動部5がストッパー7に接触したかどうかを判定する。
このように駆動制御値Yを用いて接触の判定を行うため、判定を容易且つ高速に行うことができる。また、可動部5の接触時点(=図中の破線t1)前後での変化が、変位検出値Xbよりも駆動制御値Yの方が遙かに大きい。従って変化を検出する際の検出マージンを広く取ることができるという利点がある。
[実施の形態2]
〈2−1.内部構成について〉
実施の形態1の図1と同内容であるため、説明を省略する。
〈2−2.制御回路の構成について〉
ここで、本発明の第二の実施形態に係る制御回路9の詳細を、図5のブロック図を用いながら説明する。なお、実施の形態1と同内容の構成要素については、同じ符号番号を付加することにより説明を省略するものとする。
本実施形態の制御回路9は、実施の形態1のサーボ制御駆動回路11〜変位目標値制限回路13に加え、微分器14(=微分手段)を備えている。また、変位目標値制限回路13がマイコン10よりホールド信号を受け付ける。
サーボ制御駆動回路11は、変位目標値制限回路13から入力される変位目標値Xaと形状記憶合金1の変位とが一致するように、駆動制御値Yの制御を行う。また、駆動制御値Yの値を微分器14に与える。微分器14は、サーボ制御駆動回路11より与えられる駆動制御値Yを時間微分し、微分値Y’を算出する。そして算出した微分値Y’を比較器12に与える。
比較器12は、形状記憶合金1の駆動制御時における微分値Y’が閾値Y’th(=基準微分値)を超過するかを監視する。具体的には、微分器14から与えられる微分値Y’と、予め定められている閾値Y’thとを比較する。微分値Y’が閾値Y’thを超えると判定された場合、比較器12は変位目標値制限回路13に対して、制限信号を与える。
制限信号を受けた変位目標値制限回路13は、以降はマイコン10から与えられる非制限変位目標値の値にかかわらず、所定の変位目標値をサーボ制御駆動回路11に与える。これにより、変位目標値Xaの上限を制限する。なお変位目標値制限回路13は、比較器12からの制限信号がアサートされれば制限値を変更するが、制限信号がネゲートされても制限値は保持される。また制限信号に応答しないように、変位目標値制限回路13を所定時間だけホールドすることも可能である。
上記構成の制御回路9による動作波形を図6に示す。図6(a)及び図6(b)については、実施の形態1の図4(a)及び図4(b)と同内容である。図6(c)は、経過時間に応じた微分値Y’の変化を示している。
可動部5の駆動処理が開始され、時間とともに変位目標値Xaが増加すると、サーボ制御駆動回路11は、変位目標値Xaと変位検出値Xbとが一致するように駆動制御値Yを増加させる。このとき、駆動制御値Yを時間微分した微分値Y'は、駆動制御値Yの変化量が比較的少ないため、Y'0の近似値のまま推移する。
Xmaxの時点で、駆動制御値YはYstopとなる。この時点で可動部5がストッパー7に接触する。すると変位検出値Xbは変位目標値Xaに追従できなくなる。このときサーボ制御駆動回路11は駆動制御値YをYmaxまで増加させる。この結果、駆動制御値Yの急激な変化により、微分値Y'はY'max(=最大微分値)まで増加する。従って、閾値Y'thを「Y'0<Y'th<Y'max」の条件で設定し、Y'とY'thとを比較することにより、可動部5がストッパー7に接触したかどうかを判定する。
なお、変位Xが0である付近の時間帯においても駆動制御値Yが急激に変化するため、微分値Y'が閾値Y'thを超過する可能性がある。このため、処理開始から所定の時間だけホールド期間Hを設ける。ホールド期間Hにおいては、マイコン10は変位目標値制限回路13に対してホールド信号を与える。変位目標値制限回路13はホールド信号を受けている間、比較器12より送られてくる制限信号に応答しない。なお図6(b)のYstartは、ホールド期間Hの終了時の駆動制御値Yの値、つまり最初の急激な変化が終了した時点での値を示している。
以上に説明した本実施形態によると、形状記憶合金1の環境温度が変化してYstart及びYstopの値が変化したとしても、微分値Y'0の変化は比較的小さい。このため、環境温度の影響を受けにくい安定した判定が可能となる。例えば実施の形態1では、環境温度が低いときに、変位に必要な加熱量が増加してYstopが大きくなり、Xmax以下で駆動制御値Yが閾値Ythを超過する可能性がある。本実施形態では微分値Y'を用いるため、上記のような誤判定を防止することができる。
また上記に関連して本実施形態では、実施の形態1のように、誤判定を避けるためにYthを大きく設定する必要がない。このため、閾値を超えたことの判定がなされるまでの加熱量が相対的に大きくなるという問題が発生することがない。
以上、実施の形態1及び実施の形態2の制御回路9は、独立した回路で機能実現したが、これらの回路をマイコン10によるソフトウェア処理で実現することも可能である。通常のアプリケーションでは変位目標値Xaはマイコン10から与えられるので、D/A変換器及び、A/D変換器があれば事実上追加回路が必要ない。次に、マイコン10によりソフトウェア処理で本発明を実現する実施の形態について説明する。
[実施の形態3]
〈3−1.内部構成について〉
実施の形態1の図1と同内容であるため、説明を省略する。
〈3−2.制御回路の構成について〉
ここで、本発明の第三の実施形態に係る制御回路9の詳細を、図7のブロック図を用いながら説明する。なお、実施の形態1と同内容の構成要素については、同じ符号番号を付加することにより説明を省略するものとする。
本実施形態の制御回路9は、実施の形態1のサーボ制御駆動回路11のみの構成となっている。サーボ制御駆動回路11はD/A変換器15、及びA/D変換器16に接続されている。これにより変位目標値Xaが、マイコン10からD/A変換器15を介してサーボ制御駆動回路11に入力される。また駆動制御値Yが、A/D変換器16を介してマイコン10に入力される。なお、本実施形態のマイコン10は、接触検知手段、駆動制限手段、変位目標指示手段、及び差分算出手段としての働きを、ソフトウェア処理によって実現する。
上記構成の制御回路9及びマイコン10による動作波形を図8に示す。図8(a)は経過時間に応じた変位目標値Xa及び変位検出値Xbの変化を、図8(b)は経過時間に応じた駆動制御値Yの変化を示している。また図8(c)は、ステップ変化毎に取得されて記録される複数の駆動制御値Y(=駆動制御値Y及び駆動制御値Yn−1)の差分である差分値Y''の変化を示している。
可動部5の駆動処理が開始されると、マイコン10は図8(a)に示すように、所定時間の経過毎に変位目標値Xaをステップ変化させる。この変位目標値XaをD/A変換器15を介して受けたサーボ制御駆動回路11は、変位目標値Xaと変位検出値Xbとが一致するように、駆動制御値Yを増加させる。
例えば図8(a)に示す例では、処理開始直後に変位目標値XaがXにステップ変化する。これに対してサーボ制御駆動回路11は駆動制御値Yを増加させる。この結果、変位検出値Xbは徐々にXまで増加する。変位検出値XbがXと一致した後、さらに変位目標値XaがXにステップ変化する。これに対してサーボ制御駆動回路11は駆動制御値Yをさらに増加させる。これを繰り返すことにより、変位検出値Xbを変位目標値Xaに追従させる。
変位目標値Xaのステップ変化の直後には、駆動制御値Yがサーボの過渡応答で変化する期間、すなわち図8(b)に示す矢印tの期間(以下、「整定時間t」という)が存在する。マイコン10はステップ変化から整定時間tの経過後に、駆動制御値Y(nは自然数)をA/D変換器16を用いて取得する。これを繰り返すうちに、変位目標値XaがXmax、駆動制御値YがYstopとなる。この時点で可動部5がストッパー7に接触する。
すると図8(a)のXに示すように、変位検出値Xbは変位目標値Xaに追従できなくなる。このときサーボ制御駆動回路11は駆動制御値YをYmaxまで増加させる。この結果、駆動制御値Yの急激な変化により、差分値Y''はY''max(=最大差分値)まで増加する。図8に示す例では、図8(b)のYの時点で差分値Y''がY''maxまで増加する。
従って、閾値Ythを「Ystop<Yth<Ymax」の条件で設定し、YとYthとを比較することにより、可動部5がストッパー7に接触したかどうかを判定できる。また、閾値Y''thを「Y''0<Y''th<Y''max」の条件で設定し、Y、Y、Y…を順次記録し、Y−Yn−1(=Y'')と閾値Y''thとを比較する方法も可能である。この方法によれば、実施の形態2と同様に、環境温度の変化に左右されることのない安定した判定を行うことができる。
なお、変位Xが0である付近の時間帯においても駆動制御値Yが急激に変化する可能性があるため、Y−Yn−1の演算処理を変位処理開始から所定時間だけ遅らせて開始する形態であってもよい。例えば図8(c)に示す例では、演算開始tsの時点からY−Yn−1の演算処理を開始している。次に、マイコン10による上記処理の処理フローを説明する。
〈3−3.処理フローについて〉
ここで、本発明の第三の実施形態に係る変位目標値制限処理の処理フローを、図9のフロー図を用いながら説明する。図9に示す処理は、形状記憶合金アクチュエータ100を含む撮像装置の電源起動時や、オートフォーカスの実行時等、可動部5の駆動が指示された場合に開始される。なお、図9に示す各ステップの処理主体は全てマイコン10であり、マイコン10が所定のプログラムを実行することにより行われる。
本処理が開始された後、ステップS110において、変位目標値XaにXを設定する。これによりサーボ制御駆動回路11がXに基づいたサーボ制御を行うことにより、駆動制御値Yがサーボの過渡応答で変化する。次にステップS120において、予め定められた整定時間tだけ時間待ちを行う。時間待ちが完了すると、ステップS130において、駆動制御値YをA/D変換器16を介して取り込む。この結果、図8(b)に示すように駆動制御値YとしてYが取得される。
次にステップS140において、X及びYに用いられている変数nに数値2を代入する。そしてステップS150において、変位目標値XaにXを設定する。なおXは、nの値に比例して所定の値だけ増加する変数である。ここではステップS140で予めn=2が代入されているため、この時点ではXa=X=Xとなる。
この結果、変位目標値Xaは図8(a)に示すように、XからXへステップ増加する。ステップ増加後、ステップS160において再び整定時間tだけ時間待ちを行う。時間待ちが完了すると、ステップS170において、駆動制御値YをA/D変換器16を介して取り込む。この結果、図8(b)に示すように駆動制御値YとしてYが取得される。
次にステップS180において、条件式「Y>Yth」による判定を行う。前記条件式を満たす場合、後述するステップS210に移行する。前記条件式が満たされない場合、ステップS190において、条件式「Y−Yn−1>Y''th」による判定を行う。前記条件式を満たす場合、ステップS210に移行する。
ステップS210においては、変位目標値Xaの上限値としてXn−1を設定する。例えば図8に示す例では、n=6のときに「Y>Yth」を満たす。従ってXが変位目標値Xaの上限値として設定されることにより、駆動範囲制限が行われる。駆動範囲制限がなされると、本処理フローを終了する。
再びステップS190に戻って説明すると、条件式「Y−Yn−1>Y''th」を満たさない場合、ステップS200において、Xの値がサーボ制御駆動回路11により制御可能な最大変位であるかどうかの判定を行う。なおここでいう最大変位は、例えばサーボ制御駆動回路11が備える抵抗値検出部(不図示)が検出可能な抵抗値の最大値に対応する変位を示す。従ってマイコン10も、最大変位以上の変位を変位目標値Xaとして与えないように、予め設計されている。
最大変位であると判定された場合、本処理フローを終了する。最大変位ではないと判定された場合、ステップS220において変数nの値に1を加算した後、ステップS150に戻って本処理を継続する。なお、以上に説明した本処理の終了後、実際の運用においては、変位が上記の制限範囲内に収まるように駆動制御値Yの調整処理等を行う。しかしこれらの処理自体は従来技術と同内容であるため、ここでは説明を省略する。
なお、図9に示す変位目標値の制限処理は、オートフォーカス実行のたびに実施する形態であってもよいし、或いは電源起動時に一回だけ行い、処理結果をメモリ等に記録して以降は参照のみを行う形態であってもよい。
[その他の実施の形態]
以上、好ましい実施の形態及び実施例をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施の形態及び実施例に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形して実施することができる。
例えば上記の実施例においては、可動部5がストッパー7と接触する変位目標値Xaを検知しているが、この技術の応用展開として、この検知結果を可動部5の待機位置を決定する際に利用することも可能である。なお、ここでいう待機位置とは、撮像装置の電源が起動され、且つユーザからの操作指示を待ち受けている待機状態における可動部5の位置を示す。
具体的には、予め待機させたい位置に対する変位目標値(=第二変位目標値)と、標準的な気温環境において可動部5がストッパー7に接触すると推定される変位(=第一目標変位)との差分を調査し、メモリ等の記録部(=差分記録手段)に記録しておく。そして上記の実施の形態1〜実施の形態3の方法で可動部5とストッパー7との接触を検知した際に、接触検知時の変位(=基準変位)から、記録されている前記差分を差し引く。これにより、ストッパー7の位置を基準とした待機位置に可動部5を移動できる。
この方法を用いれば、形状記憶合金1の温度変化・経時変化等の原因により絶対変位が変化した場合であっても、ストッパー7との接触位置を基準として、可動部5の待機位置を相対的に正しく決定できる。このように環境や状況によって待機位置が変化しないため、ユーザは待機位置の変化に応じたフォーカスの微調整を行う必要がない。このため、操作性及び利便性の向上を図ることができる。

Claims (7)

  1. 変位目標値を与え、形状記憶合金に電圧又は電流を印加して前記変位目標値を目標として前記形状記憶合金を変位させることにより、前記形状記憶合金に接続された可動部の駆動制御を行う駆動制御手段を備えた形状記憶合金駆動装置において、
    前記駆動制御手段が印加する電圧又は電流の大きさを示す駆動制御値の変化に基づき、前記可動部が固定機構に接触しているかどうかを判定する接触検知手段と、
    前記接触検知手段による判定の結果、接触が検知された場合に、前記駆動制御手段に対して与えられる変位目標値の上限を制限する駆動制限手段と、
    を備えたことを特徴とする形状記憶合金駆動装置。
  2. 前記接触検知手段が、前記可動部と前記固定機構とが接触すると推定される駆動制御値である第一駆動制御値と、前記駆動制御手段が制御可能な最大の駆動制御値である第二駆動制御値との間に基準駆動値を設けるとともに、前記駆動制御手段の駆動制御値が前記基準駆動値を超えた場合に、前記可動部が前記固定機構に接触したと判定すること
    を特徴とする請求項1に記載の形状記憶合金駆動装置。
  3. 前記駆動制御手段の駆動制御値を時間微分し、算出した微分値を前記接触検知手段に与える微分手段を備え、
    前記接触検知手段が、前記駆動制御手段により駆動制御値が最大変化した際の微分値である最大微分値より低い値を、基準微分値として設けるとともに、前記微分手段から与えられる微分値が前記基準微分値を超えた場合に、前記可動部が前記固定機構に接触したと判定すること
    を特徴とする請求項1に記載の形状記憶合金駆動装置。
  4. 前記形状記憶合金の変位目標値を段階的に変化させながら前記駆動制限手段へ与える変位目標指示手段を備え、
    前記接触検知手段が、前記可動部と前記固定機構とが接触すると推定される駆動制御値である第一駆動制御値と、前記駆動制御手段が制御可能な最大の駆動制御値である第二駆動制御値との間に基準駆動値を設けるとともに、前記変位目標指示手段による変位目標値の変化に応じて前記駆動制御手段の駆動制御値が変化した際に、整定時間経過後の駆動制御値と前記基準駆動値とを比較し、前記駆動制御値が前記基準駆動値を超える場合に前記可動部が前記固定機構に接触したと判定すること
    を特徴とする請求項1に記載の形状記憶合金駆動装置。
  5. 前記形状記憶合金の変位目標値を段階的に変化させながら前記駆動制限手段に与える変位目標指示手段と、
    前記変位目標指示手段による変位目標値の変化に応じて前記駆動制御手段の駆動制御値が変化した場合に、整定時間経過後の駆動制御値を記録するとともに、記録時の駆動制御値と前回記録時の駆動制御値との差分値を算出する差分算出手段と
    を備え、
    前記接触検知手段が、前記駆動制御手段により駆動制御値が最大変化した際の差分値である最大差分値より低い値を基準差分値として設けるとともに、前記差分算出手段から与えられる差分値が前記基準差分値を超えた場合に、前記可動部が前記固定機構に接触したと判定すること
    を特徴とする請求項1に記載の形状記憶合金駆動装置。
  6. 前記可動部と前記固定機構とが接触すると推定される変位目標値である第一変位目標値と、予め定められた待機位置に前記可動部を移動させるための第二変位目標値との差分を記録する差分記録手段を備え、
    前記接触検知手段により前記可動部と前記固定機構との接触が検知された際の変位を基準変位とし、前記基準変位と前記差分記録手段に記録されている差分とに基づいて待機位置の変位目標値を決定すること
    を特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の形状記憶合金駆動装置。
  7. 形状記憶合金に生じる変位を検出する変位検出部を備え、
    前記駆動制御手段が、前記変位検出部により得られた変位が前記目標変位値となるように前記駆動制御値を変化させる制御を行うこと
    を特徴とする請求項1に記載の形状記憶合金駆動装置。
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