JP2007153077A - スイングレジスタのブレード駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ブレードの駆動に伴う騒音をより容易且つ的確に低減するとともに、その細密なブレードの駆動制御を、より簡易な構成で実現することのできるスイングレジスタのブレード駆動装置を提供する。
【解決手段】車載空調装置のダクト出口に揺動可能に軸支された縦ブレード10a〜10eの揺動軸11に、通電加熱により収縮する左右2本の形状記憶合金(SMA)ワイヤ14L,14Rをその収縮に応じて揺動軸11が回動されるように駆動連結するとともに、両SMAワイヤ14L,14Rに交互に通電を行って縦ブレード10a〜10eを左右にスイング動作させる。このときの各SMAワイヤ14L,14Rの抵抗値を検出し、その抵抗値を縦ブレード10a〜10eの揺動位置の指標値として取得して、通電制御に反映させるようにする。
【選択図】図1
【解決手段】車載空調装置のダクト出口に揺動可能に軸支された縦ブレード10a〜10eの揺動軸11に、通電加熱により収縮する左右2本の形状記憶合金(SMA)ワイヤ14L,14Rをその収縮に応じて揺動軸11が回動されるように駆動連結するとともに、両SMAワイヤ14L,14Rに交互に通電を行って縦ブレード10a〜10eを左右にスイング動作させる。このときの各SMAワイヤ14L,14Rの抵抗値を検出し、その抵抗値を縦ブレード10a〜10eの揺動位置の指標値として取得して、通電制御に反映させるようにする。
【選択図】図1
Description
本発明は、空調用通風路となるダクトの出口部分に揺動可能に軸支されたブレードを揺動させてダクト出口からの送風方向を変更するスイングレジスタのブレード駆動装置に関する。
車両等の空調装置では、その通風路(ダクト)の出口である送風口に縦ブレードおよび横ブレードをそれぞれ複数配設し、縦ブレードをアクチュエータにて左右に揺動(スイング動作)させて風向を変更するスイングレジスタが用いられている。従来、特許文献1〜4に見られるように、そうしたスイングレジスタのブレード駆動用のアクチュエータとしては通常、モータを用いるのが一般的となっている。
図13に、ブレード駆動用のアクチュエータとしてDCモータを採用する従来のスイングレジスタのブレード駆動装置の一例を示す。同図に示すように、回転軸力を発生するDCモータ50の出力軸50aは、複数のギアにより構成された減速機構51に連結されている。減速機構51の最終ギア51aは、回転運動を振幅運動に変換するクランク機構52に連結されている。クランク機構52には、先端にラックギア53が一体に振幅動作に固定されたロッドワイヤ54が連結されるとともに、そのラックギア53を介して第1ピニオンギア55aに駆動連結されている。そしてこの第1ピニオンギア55aの回転軸に同軸を有して回転可能に軸支された第2ピニオンギア55bには、ブレード57の揺動軸57aが一体回転可能に固定されたギア56が噛み合わされている。なお、第1および第2ピニオンギア55a,55bは、ばねにより互いに押圧された状態で配設されており、摩擦力を介して回転力を伝達可能とするとともに、車両搭乗者の手動操作によるブレード57の強制揺動時には互いの相対回動を許容するクラッチ機構として機能するように構成されている。
特許第3187719号公報
特許第3326409号公報
特開2002−211232号公報
実公平7−10188号公報
ところで、上記従来のようなブレード駆動用アクチュエータとしてモータを採用するスイングレジスタでは、モータや減速機構等の動作音が車室内に漏洩するため、モータの周囲をゴム等の遮音材料で覆ったり、モータおよび減速機構をケース内に収容したり、といった遮音対策が必要となっていた。そしてその分、部品点数が増加して製造コストの増大や装置の大型化を招くという問題があった。
本発明は、こうした実状に鑑みてなされたものであって、その解決しようとする第1の課題は、ブレードの駆動に伴う騒音をより容易且つ的確に低減することのできるスイングレジスタを提供することにある。また本発明の解決しようとする第2の課題は、そうした低騒音のスイングレジスタのブレード駆動装置での細密なブレードの駆動制御を、より簡易な構成で実現することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明では、空調用通風路の出口に揺動可能に軸支されたブレードを揺動させて前記出口からの送風方向を変更するスイングレジスタのブレード駆動装置において、通電加熱により伸縮するとともに、その伸縮に応じて前記ブレードが揺動されるように同ブレードに駆動連結された形状記憶合金と、前記形状記憶合金のインピーダンスを検出する検出手段と、その検出されたインピーダンスに基づいて前記形状記憶合金の通電制御を実行する通電制御手段と、を備えるようにしている。
上記構成では、通電加熱に伴う形状記憶合金の伸縮によってブレードが揺動され、空調用通風路の出口からの送風方向が変更されるようになる。こうした構成では、それ自体には動作音を伴わない形状記憶合金の通電加熱による伸縮を利用してブレードを揺動させているため、ブレードの駆動に伴う騒音をより容易且つ的確に低減することができる。
またこうしたブレード駆動装置に採用される形状記憶合金のインピーダンスは、その伸縮による全長の変化に応じて変化することから、それを検出して形状記憶合金の通電制御に反映することで、格別なセンサを設けずとも、形状記憶合金の伸縮状態に対応した細密なブレードの駆動制御を実現することができる。より具体的なインピーダンスの通電制御への反映態様としては、請求項2に記載のように、形状記憶合金のインピーダンスに基づいて、前記形状記憶合金に対する通電の開始時期、通電の停止時期、通電時間、通電電流、及び印加電圧のいずれか1つを決定することが挙げられる。
インピーダンスにて把握される形状記憶合金の伸縮ひずみからは、請求項3に記載のように、その伸縮に応じて駆動されるブレードの揺動位置を特定することが可能である。そして特定された揺動位置に基づいて上記通電制御手段が形状記憶合金の通電制御を実行するようにすれば、ブレードの揺動位置を検出する格別なセンサを設けずとも、細密なブレードの揺動位置制御を行うことができる。
そうした通電制御手段のより具体的な通電制御の実行態様として、請求項4に記載の構成では、形状記憶合金への通電に応じて揺動されたブレードの揺動位置を前記インピーダンスに基づき特定し、その特定された揺動位置が予め設定された位置に達したときに該形状記憶合金の通電を停止するようにしている。また請求項5に記載の構成では、一方の通電加熱によりブレードが一方の側に揺動され、他方の通電加熱によりブレードが他方の側に揺動されるようにブレードにそれぞれ駆動連結された2つの形状記憶合金を備えるように構成されたスイングレジスタのブレード駆動装置において、通電手段が、2つの形状記憶合金のいずれか一方の通電により揺動されたブレードの揺動位置を検出されたインピーダンスに基づき特定し、予め設定された揺動範囲の両端のいずれかに当たる位置にその特定された揺動位置が達したときに、通電中の形状記憶合金の通電を停止するとともに、通電停止中の形状記憶合金の通電を開始するようにしている。これらの通電制御態様を採用すれば、ブレードの揺動範囲を細密に調整することができるようになる。
一方、形状記憶合金の設置された環境の温度が変化して伸縮ひずみが変化すれば、そのインピーダンスも変化するため、請求項6に記載のようにインピーダンスに基づいて当該ブレード駆動装置の環境温度を特定することが可能である。そしてその特定された環境温度を通電制御手段の実行する通電制御に反映させれば、環境温度を検出する温度センサを追加設置せずとも、環境温度に応じた細密な通電制御を実行することができる。
そうした通電制御手段の具体的な通電制御態様として請求項7に記載の構成では、インピーダンスに基づき特定された環境温度に応じて、前記ブレードの揺動範囲、揺動速度のいずれか一方を切り換えるように前記形状記憶合金の通電制御を実行するようにしている。こうした通電制御態様によれば、環境温度によるブレードの揺動態様の変更を、格別な温度センサの追加設置せずとも実現することができる。
また上記のような通電制御手段の具体的な通電制御態様として請求項8に記載の構成では、インピーダンスに基づき特定された環境温度が高いときほど、形状記憶合金の通電時間の短縮、及び同形状記憶合金の単位時間当たりの通電電力の低減のいずれか一方を実行するようにしている。形状記憶合金の設置される環境の温度によっては、形状記憶合金を収縮開始温度とするために要する加熱量や加熱時間が変化する。そのため、環境温度に拘わらず、一律の態様で通電を行えば、形状記憶合金の収縮速度や収縮ひずみが、ひいてはブレードの揺動速度や揺動範囲が変化してしまう。したがってブレードの揺動動作を環境温度に依らず一律に保持しようとするのであれば、通電加熱中の通電時間や通電電力の温度補償を行う必要がある。具体的には、ブレードを一律の態様で揺動させるには、環境温度が高いときには、環境温度が低いときよりも、通電時間を短縮したり、単位時間当りの通電電力を低減したりする必要がある。その点、上記構成では、形状記憶合金のインピーダンスに基づき環境温度の特定していることから、格別な温度センサの追加設置をせずとも、そうした温度補償を実行することができる。
更に上記課題を解決するため、請求項9に記載の発明は、空調用通風路の出口に揺動可能に軸支されたブレードを揺動させて前記出口からの送風方向を変更するスイングレジスタのブレード駆動装置において、通電加熱により伸縮するとともに、その伸縮に応じて前記ブレードが揺動されるように同ブレードに駆動連結された形状記憶合金と、前記形状記憶合金のインピーダンスを測定し、その測定されるインピーダンスに基づき前記ブレードの揺動位置を算出する算出手段と、を備えるようにしている。
上記構成では、それ自体には動作音を伴わない形状記憶合金の通電加熱による伸縮を利用してブレードを揺動させているため、ブレードの駆動に伴う騒音をより容易且つ的確に低減することができる。また駆動装置の構成部品点数を増加させることなく、ブレードの揺動位置を特定することができるようにもなる。
本発明のスイングレジスタのブレード駆動装置によれば、それ自体には動作音を伴わない形状記憶合金の通電加熱による伸縮を利用してブレードを駆動するようにしているため、ブレードの駆動に伴う騒音をより容易且つ的確に低減することができる。また形状記憶合金のインピーダンスの検出結果をブレードの揺動位置や環境温度等の指標値として取得して通電制御を行っているため、格別な揺動位置センサや温度センサ等を追加設置せずとも、細密なブレードの駆動制御を行うことができる。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化したスイングレジスタのブレード駆動装置の第1実施形態を、図1〜図7を参照して詳細に説明する。
以下、本発明を具体化したスイングレジスタのブレード駆動装置の第1実施形態を、図1〜図7を参照して詳細に説明する。
本実施形態のスイングレジスタのブレード駆動装置は、車載空調装置の送風通路(ダクト)の出口部分に設置され、その出口部分に配設された縦および横のブレードのうち、縦レジスタを左右に揺動、すなわちスイング動作させることで車室への送風方向を左右に変更するように構成されている。
本実施形態では、こうしたスイングレジスタの縦ブレードのスイング動作を、通電加熱に伴う形状記憶合金(SMA:Shape Memory Alloy)の収縮を利用して行うようにしている。ここでは形状記憶合金として、細線状のチタン・ニッケル系合金を用いている。こうした形状記憶合金を用いて縦ブレードを駆動する本実施形態のスイングレジスタのブレード駆動装置では、それ自体には動作音を伴わない形状記憶合金の通電加熱による収縮を利用して縦ブレードが駆動されることから、格別な遮音対策を行わずとも、縦ブレードの駆動に伴う騒音を容易且つ的確に低減することができる。そしてその結果、遮音部材の設置が不要となることから、ブレード駆動装置の軽量化、省スペース化、部品点数の削減なども併せ図られるようになっている。
また本実施形態では、通電加熱中の形状記憶合金のインピーダンスをブレードの揺動位置の指標値として取得し、それに基づいてブレードのブレードの揺動範囲(触れ幅)を調整するように形状記憶合金の通電制御を行っている。そしてこれにより、ブレードの揺動位置を検出するセンサを別途設けることなく、ブレードの揺動範囲の細密な調整を実現している。
図1に、そうした本実施形態のスイングレジスタのブレード駆動装置の全体構造を示す。なお以下の説明では、このブレード駆動装置において、車載空調装置の送風通路(ダクト)の出口側を同駆動装置の前方と記載し、その反対側を同駆動装置の後方と記載する。
車載空調装置の送風通路(ダクト)の出口には、上下方向に揺動可能に軸支された複数の横ブレード(図示略)とともに、揺動軸11を中心に左右に揺動(スイング動作)可能に軸支された複数(同図では5つ)の縦ブレード10a〜10eが配設されている。羽根状に形成された各縦ブレード10a〜10eは、リンク機構12を介して互いに機械的に連結されており、一体となって同期してスイング動作されるようになっている。
これら縦ブレード10a〜10eのうち、中央に配設された縦ブレード10cの揺動軸11には、一体回動可能にロータ13が固定されている。略円柱状に形成されたロータ13の側周には、細線状に形成されたチタン・ニッケル系の形状記憶合金からなる2本のワイヤ、すなわち左SMAワイヤ14Lおよび右SMAワイヤ14Rの端部がそれぞれ固定されている。左SMAワイヤ14Lは、固定された端部からロータ13の側周に同図の反時計回りに巻き掛けられた後、同ロータ13の左後方に向けて導出されている。一方、右SMAワイヤ14Rは、固定された端部からロータ13の側周に同図の時計回りに巻き掛けられた後、同ロータ13の右後方に向けて導出されている。なお、ロータ13の回動範囲は、図示しないストッパによって適宜な範囲に制限されている。
ロータ13から導出された左右のSMAワイヤ14L,14Rは、ロータ13の左右後方に各配設された固定プーリ15L,15Rにそれぞれ巻き掛けられている。回動可能に軸支されたこれらの固定プーリ15L,15Rから駆動装置後方に向けて導出された左右のSMAワイヤ14L,14Rは、緩み防止用の可動プーリ16L,16Rにそれぞれ巻き掛けられている。可動プーリ16L,16Rは、揺動アーム18L,18Rの一端に回動可能に軸支された状態で、上記固定プーリ15L,15Rの駆動装置後方に配設されている。各揺動アーム18L,18Rは、その略中央において揺動可能に軸支されるとともに、それらの可動プーリ16L,16Rの軸支された側とは反対側の端部にコイルばね19L,19Rが伸張状態でそれぞれ固定されている。そしてそれらコイルばね19L,19Rの弾性反発力によって各揺動アーム18L,18Rは、可動プーリ16L,16Rを駆動装置後方に引き下げる方向に揺動される側に常時付勢されている。そして各SMAワイヤ14L,14Rが伸張すると、コイルばね19L,19Rの弾性反発力によって、可動プーリ16L,16Rを駆動装置後方に引き下げるように揺動アーム18L,18Rが揺動するようになる。そしてその結果、各SMAワイヤ14L,14Rの張り渡し長が伸張されて、各SMAワイヤ14L,14Rの緩みが防止されるようになっている。なお、各揺動アーム18L,18Rの駆動装置前方には、ストッパ17L,17Rが配設されている。そしてそれらストッパ17L,17Rと各揺動アーム18L,18Rとの当接により、可動プーリ16L,16Rを駆動装置前方に押し上げる側に向けての各揺動アーム18L,18Rの揺動の範囲が制限されるようになっている。
こうした緩み防止用の可動プーリ16L,16Rから駆動装置前方に向けて導出された両SMAワイヤ14L,14Rの端部は、それらSMAワイヤ14L,14Rの過熱時に強制的に通電を遮断する強制通電遮断機構20L,20Rの揺動アーム21L,21Rにそれぞれ固定されている。各強制通電遮断機構20L,20Rの揺動アーム21L,21Rは、その略中央において揺動可能に軸支され、その一端にSMAワイヤ14L,14Rの端部が固定されるとともに、他端にコイルばね23L,23Rが伸張状態で固定されている。SMAワイヤ14L,14Rの端部の固定された側の各揺動アーム21L,21Rの端部の駆動装置前方側には、SMAワイヤ14L,14Rと電気的に接続された可動電極24L,24Rが突出して設けられている。また各揺動アーム21L,21Rは、上記コイルばね23L,23Rの弾性反発力によって、SMAワイヤ14L,14Rの固定端を駆動装置前方に押し上げる方向に揺動される側に常時付勢されている。そしてその付勢によって各可動電極24L,24Rは、各揺動アーム18L,18Rの駆動装置前方に固定された板状の固定電極25L,25Rに押圧されている。
図2は、本実施形態のスイングレジスタのブレード駆動装置の電気的構成を示している。同図に示すように、各SMAワイヤ14L,14Rの通電制御を通じて縦ブレード10a〜10eの揺動を司るコンピュータ30には、車室内に設けられたスイングレジスタスイッチが電気的に接続されている。このスイングレジスタスイッチは、ブレード駆動装置による縦ブレード10a〜10e(図1参照)の自動スイング動作の実行と停止とを切り替えるために設けられている。またコンピュータ30には、外気や車室内の温度の検出結果や車両搭乗者の操作に応じて送風温度や送風量を決定して空調装置を制御する空調コントローラが車内LANを介して接続されており、この空調コントローラから車室内の温度情報がコンピュータ30に入力されている。更にコンピュータ30には、両SMAワイヤ14L,14Rに印加される電圧をそれぞれ検出するとともに、その検出結果をデジタル化された信号として出力するA/Dコンバータ32が接続されている。
コンピュータ30には、各SMAワイヤ14L,14Rの駆動回路33L、33Rが接続されている。駆動回路33L,33Rは、FET等のトランジスタにより構成されており、コンピュータ30からの指令に基づいてパルス幅変調方式で電流レベルを調整しつつ、各々対応するSMAワイヤ14L,14Rへの通電を実行する。これら駆動回路33L,33Rはそれぞれ、抵抗34L,34R及び上記強制通電遮断機構20L,20Rの可動電極24L,24Rと固定電極25L,25Rとの接点を介して両SMAワイヤ14L,14Rに接続されている。そして両SMAワイヤ14L,14Rは、上記ロータ13(図1参照)側の端部にて接地されている。
さて本実施形態のスイングレジスタのブレード駆動装置では上述したように、細線状に形成されたチタン・ニッケル系の形状記憶合金からなるSMAワイヤ14L,14Rの通電加熱による収縮を利用して縦ブレード10a〜10eをスイング動作させるようにしている。ここで採用するSMAワイヤ14L,14Rは、形状回復時の変形の方向がその長さ方向、すなわち伸縮方向に限定されるように、素材の組織構造に異方性を持たせて形成されている。こうしたSMAワイヤ14L,14Rは、冷却すれば柔らかく弛緩して外力による引っ張りに応じて弾性的に伸張する一方、加熱すれば形状回復により収縮して硬化する。図3に、こうしたSMAワイヤ14L,14Rの温度−ひずみ線図の一例を示す。同図に示すようにSMAワイヤ14L,14Rは、加熱時には約80℃から収縮を開始するとともに、冷却時には約75℃から弛緩、伸張し始める。こうしたSMAワイヤ14L,14Rの収縮の開始温度、および弛緩−伸張の開始温度は、合金の成分調整によりある程度変更することが可能となっている。なお、SMAワイヤ14L,14Rは比較的大きい電気抵抗を有しており、通電により容易に加熱することができるようになっている。ちなみに、上記のような細線状のチタン・ニッケル系形状記憶合金からなるSMAワイヤ14L,14Rとしては、通電加熱による形状回復を通じて、最大で全長の5%以上の運動ひずみを安定して繰り返し発生可能なものが開発され、実用されている。
続いて、こうしたSMAワイヤ14L,14Rの通電加熱に伴う収縮を利用して縦ブレードをスイング動作させる本実施形態のスイングレジスタのブレード駆動装置の動作原理を説明する。図4(a)に示すように、左SMAワイヤ14Lにのみ通電を行うと、その通電により加熱された左SMAワイヤ14Lが収縮するとともに、非加熱、すなわち冷却状態にある右SMAワイヤ14Rが弛緩して、引っ張りにより弾性的に伸張可能となることから、ロータ13は図中反時計回りに回動されるようになる。そしてその結果、ロータ13に一体化移動可能に揺動軸11の固定された縦ブレード10cが図中反時計回りにスイング動作されるようになる。一方、図4(b)に示すように、右SMAワイヤ14Rのみに通電を行うと、その通電により加熱された右SMAワイヤ14Rが収縮するとともに、冷却状態の左SMAワイヤ14Lが弛緩して弾性伸張可能となることから、ロータ13が図中時計回りに回動される。そしてその結果、そのロータ13に一体化移動可能に揺動軸11の固定された縦ブレード10cが図中時計回りにスイング動作されるようになる。従って、左右のSMAワイヤ14L,14Rに交互に通電すれば、縦ブレード10cを周期的に左右交互にスイング動作させることができる。また収縮ひずみ率が適宜に維持されるように左右いずれか一方のSMAワイヤ14L,14Rに対する通電を適宜に継続すれば、縦ブレード10cのスイング角を保持し、ダクト出口からの送風方向を所望とする方向に固定することが可能にもなる。
ところで、このようにSMAワイヤ14L,14Rを駆動源として利用するスイングレジスタのブレード駆動装置では、SMAワイヤ14L,14Rが過剰通電されると、SMAワイヤ14L,14Rが適正な使用温度範囲の上限を超えて過熱してしまうことがある。そして過熱状態が継続されると、自身の収縮力でSMAワイヤ14L,14Rに伸びなどの永久ひずみが残留してしまい、その形状回復特性が悪化するようになる。そしてその結果、縦ブレード10a〜10eを適正に揺動させることができなくなってしまうおそれがある。そのため、本実施形態では、過熱によりSMAワイヤ14L,14Rが過剰収縮したときには、上述した強制通電遮断機構20L,20Rにより、通電を強制的に遮断して、過熱状態の継続を回避するようにしている。
こうした強制通電遮断機構20L,20Rのより具体的な動作態様を、図5(a)及び(b)を併せ参照して説明する。なお同図(a),(b)では、左側の強制通電遮断機構20Lの動作態様が示されているが、右側の強制通電遮断機構20Rについてもその動作態様は同様となっている。
非過熱時には、図5(a)に示すように、強制通電遮断機構20R(20L)の揺動アーム21R(21L)の一端に設けられた可動電極24R(24L)は、同揺動アーム21R(21L)の他端に伸張状態で固定されたコイルばね23R(23L)の弾性反発力によって、板状の固定電極25R(25L)に押圧されて当接されている。そしてその可動電極24R(24L)と固定電極25R(25L)との接点を通じて、SMAワイヤ14R(14L)の通電経路が維持されるようになる。なお、コイルばね23R(23L)の弾性反発力により揺動アーム21R(21L)に付与されるモーメントは、SMAワイヤ14R(14L)に印加される張力の許容範囲の上限となる張力(許容最大張力)がSMAワイヤ14R(14L)に加えられたときにその張力により揺動アーム21R(21L)に付与されるモーメントよりも若干小さく設定されている。そのため、非過熱時には、通電加熱によるSMAワイヤ14R(14L)の収縮がコイルばね23R(23L)の収縮およびその収縮に伴う揺動アーム21R(21L)の揺動により吸収されることはないようになっている。
一方、過熱によってSMAワイヤ14R(14L)が過剰収縮すると、ロータ13(図1等参照)の回動がストッパにより規制されてそれ以上の収縮が制限されることから、SMAワイヤ14R(14L)の張力Ftが増大するようになる。そしてその張力Ftが上記許容最大張力の近傍まで増大すると、図5(b)に示すように揺動アーム21R(21L)は、コイルばね23R(23L)の弾性反発力により付与されるモーメントに抗して揺動し、可動電極24R(24L)が固定電極25R(25L)から離間する。そしてその結果、SMAワイヤ14R(14L)への通電経路が切断され、通電が強制的に遮断されるようになる。
次に、上述したコンピュータ30により実行される両SMAワイヤ14L,14Rの通電制御態様について説明する。コンピュータ30は、スイングレジスタスイッチが閉(オン)であるときには、空調コントローラを通じて取得される車室内の温度情報に応じて縦ブレード10a〜10eの揺動範囲(振れ角)を設定する。そしてコンピュータ30は、その設定された揺動角にて縦ブレード10a〜10eが周期的に繰り返し揺動されるように、両SMAワイヤ14L,14Rに交互に通電を行わせる。
ちなみに、上記揺動角の設定は、例えば次のように行われる。車室全体の冷房が十分に効いた状態にあるとき(例えば車室内温度が25℃以下のとき)には、送風を広く拡散させるべく、縦ブレード10a〜10eの振れ幅を大きく(例えば80°)設定する。また車室内の冷房が未だ不十分なとき(例えば車室内温度が25℃〜40℃のとき)には、より集中して搭乗者に冷却された送風が当たるように、縦ブレード10a〜10eの振れ幅をより小さく設定する(例えば40°)。そして車室内が著しく高温のとき(例えば車室内温度が40℃以上のとき)には、送風方向が搭乗者の居る方向に固定されるように縦ブレード縦ブレード10a〜10eの揺動位置を固定、すなわち振れ幅を0°に設定する。
コンピュータ30は、こうした縦ブレード10a〜10eの振れ幅の調整を、次のように行っている。すなわち、コンピュータ30は、揺動中の縦ブレード10a〜10eの揺動位置を監視するとともに、上記設定された揺動範囲の左端或いは右端にその揺動位置が達すると、通電を実行するSMAワイヤ14L,14Rを切り替えて、揺動方向を反転させる。具体的には、左SMAワイヤ14Lの通電中に、縦ブレード10a〜10eの揺動位置が設定された揺動範囲の左端に達すると、左SMAワイヤ14Lへの通電を停止するとともに、右SMAワイヤ14Rへの通電を開始する。そして右SMAワイヤ14Rへの通電中に縦ブレード10a〜10eの揺動位置が設定された揺動範囲の右端に対すると、右SMAワイヤ14Rへの通電を停止するとともに、左SMAワイヤ14Lへの通電を開始する。これを繰り返すことで、設定された揺動範囲にて縦ブレード10a〜10eを周期的に揺動するようにしている。
こうした通電制御を行うには、縦ブレード10a〜10eの揺動位置の検出が必要であるが、本実施形態では、その検出を次のようなSMAワイヤ14L,14Rの特性を利用して行うようにしている。すなわち、SMAワイヤ14L,14Rが伸縮されてその全長が変化すると、それらのインピーダンスも変化する。具体的には、SMAワイヤ14L,14Rが伸張されてその全長が長くなれば、そのインピーダンスは大きくなり、収縮してその全長が短くなれば、そのインピーダンスは小さくなる。一方、上述したように構成された本実施形態のスイングレジスタのブレード駆動装置では、縦ブレード10a〜10eの揺動位置は、SMAワイヤ14L,14Rの伸縮ひずみによってほぼ一義的に定まるようになっている。したがって、予め各SMAワイヤ14L,14Rのインピーダンスと縦ブレード10a〜10eの揺動位置との関係を求めておけば、SMAワイヤ14L,14Rのインピーダンスの検出結果から、各SMAワイヤ14L,14Rの伸縮ひずみを、ひいては縦ブレード10a〜10eの揺動位置を求めることができるようになる。なお本実施形態では、SMAワイヤ14L,14Rへの通電を直流で行っているため、各SMAワイヤ14L,14Rの電気抵抗から縦ブレード10a〜10eの揺動位置を求めるようにしている。
図6に、そうしたSMAワイヤ14L,14Rの電気抵抗の値(抵抗値)とその伸縮ひずみ、及び縦ブレード10a〜10eの揺動位置との関係を例示する。同図に示されるような抵抗値と揺動位置との関係は、コンピュータ30に予めデータとして記憶されている。そしてコンピュータ30は、上記取得した各SMAワイヤ14L,14Rの印加電圧と指令した各SMAワイヤ14L,14Rの電流レベルとから、各SMAワイヤ14L,14Rの抵抗値を算出するとともに、その記憶されたデータを参照して縦ブレード10a〜10eの揺動位置を求めている。
なお、こうした本実施形態のスイングレジスタのブレード駆動装置では、コンピュータ30及びA/Dコンバータ32によって、記形状記憶合金のインピーダンスを検出する検出手段が構成されている。またこれらコンピュータ30及びA/Dコンバータ32は、形状記憶合金のインピーダンスを測定し、その測定されるインピーダンスに基づきブレードの揺動位置を算出する上記算出手段に対応する構成となってもいる。更に本実施形態では、インピーダンスの検出結果を取得し、その取得した検出結果に基づいて通電態様を変更しつつ、形状記憶合金への通電を実行する通電制御手段が、コンピュータ30及び駆動回路33L,33Rにより構成されている。
図7に、以上のような各SMAワイヤ14L,14Rの通電制御におけるコンピュータ30の処理手順のフローチャートを示す。この通電制御は、車載空調装置の作動開始とともにコンピュータ30により開始される。なおコンピュータ30は、通電制御が開始されても、スイングレジスタスイッチが閉(ON)となっていないときには(S100:NO)、SMAワイヤ14L,14Rの通電に係る具体的な処理は行わずに待機している。
さてスイングレジスタスイッチが閉(ON)操作されると(S100:YES)、コンピュータ30は、処理をステップS102に進め、そのステップS102において空調コントローラから車室内温度を取得するとともに、続くステップS104においてその取得した車室内温度に基づき縦ブレード10a〜10eの揺動範囲を設定する。
そしてコンピュータ30は、ステップS110にて左SMAワイヤ14Lへの通電を開始すべく駆動回路33Lに指令する。駆動回路33Lは、この指令に基づき、同じくコンピュータ30から指令されたデューティ比でパルス状に発振させつつ左SMAワイヤ14Lへの通電を開始して、縦ブレード10a〜10eを左方に揺動させる。その後、コンピュータ30は、左SMAワイヤ14Lへの通電を継続させつつ、ステップS111〜S113の処理を通じた縦ブレード10a〜10eの揺動位置の検出を周期的に繰り返し実行する。すなわち、このときのコンピュータ30は、A/Dコンバータ32を通じた左SMAワイヤ14Lの印加電圧の取得(S111)、取得された印加電圧に基づく左SMAワイヤ14Lの抵抗値の算出(S112)、算出された抵抗値に基づく揺動位置の算出(S113)といった処理を繰り返し実行する。そしてコンピュータ30は、縦ブレード10a〜10eの揺動位置が上記設定された揺動範囲の左端に達したことが確認されると(S114:YES)、ステップS115の処理として左SMAワイヤ14Lへの通電を停止させるように駆動回路33Lに指令する。
続いてコンピュータ30は、ステップS120にて右SMAワイヤ14Rへの通電を開始すべく駆動回路33Lに指令し、縦ブレード10a〜10eを右方に向けて揺動させる。その後、コンピュータ30は、右SMAワイヤ14Rへの通電を継続させつつ、ステップS121〜S123の処理を通じた縦ブレード10a〜10eの揺動位置の検出を周期的に繰り返し実行する。すなわち、このときのコンピュータ30は、すなわち、このときのコンピュータ30は、A/Dコンバータ32を通じた左SMAワイヤ14Lの印加電圧の取得(S111)、取得された印加電圧と駆動回路33Lに指令した通電時の電流レベルとに基づく左SMAワイヤ14Lの抵抗値の算出(S112)、算出された抵抗値に基づく揺動位置の算出(S113)といった処理を繰り返し実行する。そしてコンピュータ30は、縦ブレード10a〜10eの揺動位置が上記設定された揺動範囲の右端に達したことが確認されると(S124:YES)、ステップS115の処理として右SMAワイヤ14Rへの通電を停止させるように駆動回路33Rに指令する。
以上により、1サイクルの縦ブレード10a〜10eの揺動が行われる。その後、コンピュータ30は、ステップS100の処理に戻る。そしてスイングレジスタスイッチが閉じたままであれば(S100:YES)、必要に応じて揺動範囲を再設定した上で、次のサイクルの縦ブレード10a〜10eの揺動を行うべく、上記ステップS102〜S125の処理を再び実行する。
以上説明した本実施形態のスイングレジスタのブレード駆動装置によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、それ自体には動作音を伴わない形状記憶合金(SMAワイヤ14L,14R)の通電加熱による収縮を利用して縦ブレード10a〜10eを駆動させているため、縦ブレード10a〜10eの駆動に伴う騒音をより容易且つ的確に低減することができる。またその結果、遮音部材の設置が不要となり、ブレード駆動装置の軽量化や省スペース化が図られるようにもなる。
(1)本実施形態では、それ自体には動作音を伴わない形状記憶合金(SMAワイヤ14L,14R)の通電加熱による収縮を利用して縦ブレード10a〜10eを駆動させているため、縦ブレード10a〜10eの駆動に伴う騒音をより容易且つ的確に低減することができる。またその結果、遮音部材の設置が不要となり、ブレード駆動装置の軽量化や省スペース化が図られるようにもなる。
(2)SMAワイヤ14L,14Rが過熱して過剰収縮すると、その収縮力にて可動電極24L,24Rが固定電極25L,25Rから離間して、自律的にSMAワイヤ14L,14Rへの通電が強制遮断されるようになっている。そのため、過熱によるSMAワイヤ14L,14Rの形状回復特性の悪化を、ひいてはスイングレジスタのブレード駆動装置の動作特性の悪化を好適に回避することができる。
(3)縦ブレード10cの揺動軸11に一体回動可能に連結されたロータ13の側周にSMAワイヤ14L,14Rを巻き掛けるとともに、それらSMAワイヤ14L,14Rの端部を同ロータ13の側周に固定した構造としているため、SMAワイヤ14L,14Rの収縮を直接的に揺動軸11の回動運動に変換することができる。そのため、ラック・アンド・ピニオンなどの直動回動変換機構を設けずとも、縦ブレード10a〜10eを容易にスイング動作させることができる。
(4)車両搭乗者の手動操作による縦ブレード10cの強制揺動をSMAワイヤ14L,14Rの弾性変形による伸びによって吸収することができるため、従来のDCモータ駆動のブレード駆動装置に採用されるようなクラッチ機構を割愛することができるようにもなる。
(5)通電加熱中のSMAワイヤ14L,14Rの電気抵抗を縦ブレード10a〜10eの揺動位置の指標値として取得し、縦ブレード10a〜10eの振れ幅を調整するように通電制御を行っているため、縦ブレード10a〜10eの揺動位置を検出する格別なセンサを設けることなく、振れ幅の細密な制御を行うことができる。
なお上記実施形態では、各SMAワイヤ14L,14Rの電気抵抗から縦ブレード10a〜10eの揺動位置を算出して、その算出された揺動位置に基づき振れ幅の調整を行うようにしているが、揺動位置の算出を省略し、直接、電気抵抗に基づいて通電制御を行うことで同様の細密な振れ幅の調整を行うこともできる。この場合、上述した抵抗値と揺動位置との関係に基づき、必要とされる揺動範囲の左端における左SMAワイヤ14Lの抵抗値、及び同揺動範囲の右端における右SMAワイヤ14Rの抵抗値をそれぞれ求めておく。そして通電加熱中に検出される各SMAワイヤ14L,14Rの抵抗値がその求められた値に低下するまでの期間、左方或いは右方への揺動に係るSMAワイヤ14L,14Rへの通電を実行した後、通電を行うSMAワイヤ14L,14Rを切り替えるようにする。
また各SMAワイヤ14L,14Rの電気抵抗、或いはその電気抵抗に基づき算出された縦ブレード10a〜10eの揺動位置に基づき、SMAワイヤ14L,14Rの通電態様、すなわち通電時間や通電電力をフィードバック調整することで、高精度の揺動位置決め制御を行うことが可能にもなる。すなわち、下記(イ),(ロ)の態様で通電制御を実行することで、所望とする揺動位置への縦ブレード10a〜10eの揺動を正確に行うことができるようになる。
(イ)上述の抵抗値と揺動位置との関係に基づき所望とする揺動位置でのSMAワイヤ14L,14Rの抵抗値を目標抵抗値として求める。そして検出されたSMAワイヤ14L,14Rの現状の抵抗値とその目標抵抗値との偏差を縮小すべく、通電時間や通電電力(通電のデューティ比等)をフィードバック調整する。
(ロ)上述の関係に基づき通電加熱中のSMAワイヤ14L,14Rの抵抗値から現状の縦ブレード10a〜10eの揺動位置を求める。そしてその求められた現状の揺動位置と目標揺動位置との偏差を縮小すべく、通電時間や通電電力(通電のデューティ比等)をフィードバック調整する。
(第2実施形態)
続いて本発明のスイングレジスタのブレード駆動装置を具体化した第2実施形態を、図8及び図9を併せ参照して詳細に説明する。なお本実施形態以下の各実施形態にあって、上述の実施形態と構成及び機能の共通する要素については、共通の符号を付すとともにその説明を省略する。
続いて本発明のスイングレジスタのブレード駆動装置を具体化した第2実施形態を、図8及び図9を併せ参照して詳細に説明する。なお本実施形態以下の各実施形態にあって、上述の実施形態と構成及び機能の共通する要素については、共通の符号を付すとともにその説明を省略する。
上述したようにSMAワイヤ14L,14Rは、その温度により伸縮ひずみが大きく変化する特性を有している。そしてそうした伸縮ひずみによる全長の変化によっては、SMAワイヤ14L,14Rの電気抵抗(インピーダンス)が変化する。例えば図8に、SMAワイヤ14L,14Rの温度と抵抗値との関係の一例を示すように、SMAワイヤ14L,14Rはその温度が高くなるほど、収縮してその全長が短くなるため、その抵抗値は低下する。一方、非加熱状態、すなわち十分に冷却された状態にあっては、SMAワイヤ14L,14Rの温度は、それが設置された環境の温度(環境温度)、すなわち車室内温度と同じとなる。そのため、非加熱時のSMAワイヤ14L,14Rの電気抵抗に基づくことで、車室内温度を検出することが可能となる。なお、SMAワイヤ14L,14Rは、外部荷重によっても伸縮ひずみが変化するため、こうした抵抗値に基づく車室内温度の検出は、SMAワイヤ14L,14Rに加えられる外部からの引っ張り荷重が一律の条件で行うことが望ましい。
本実施形態では、非加熱時のSMAワイヤ14L,14Rの電気抵抗を車室内温度の指標値として取得するとともに、その取得した電気抵抗に応じて縦ブレード10a〜10eの揺動範囲を可変設定するようにしている。具体的には第1実施形態において、空調コントローラ経由で取得した車室内温度に代わりに、非加熱時のSMAワイヤ14L,14Rの電気抵抗を車室内温度の指標値として用いて縦ブレード10a〜10eの揺動範囲の設定を行うようにしている。
本実施形態でも第1実施形態と同様に、十分冷房の効いた状態にあるとき(例えば車室内温度が25℃以下のとき)には振れ幅を大きく、冷房が不十分のとき(例えば車室内温度が25〜40℃のとき)には振れ幅を小さく、そして車室内が著しく高温のとき(例えば車室内温度が40℃以上のとき)には振れ幅を0°に設定するようにしている。すなわち、本実施形態では、揺動範囲(振れ幅)の異なる3つの揺動モードの中から実行される揺動モードを、車室内温度に応じて切り替えるようにしている。
図9は、こうした本実施形態における揺動範囲設定処理のフローチャートを示している。この揺動範囲設定処理は、図7に示した通電制御におけるステップS102及びステップS103の処理に代わる処理として、コンピュータ30により実行される。すなわち本処理は、通電制御のステップS100においてスイングレジスタスイッチが閉であると判断されたとき(YES)に実行される。
さて本処理が開始されると、コンピュータ30は、左SMAワイヤ14Lに対する通電を短い期間実行し(S200)、その通電中の左SMAワイヤ14Lの抵抗値RLを取得する(S201)。なおこのときの通電は、その通電に伴う左SMAワイヤ14Lの温度上昇が殆ど生じない程度に十分短い期間、十分小さい電力で行われる。またこのときの抵抗値RLの取得は、通電停止から十分な時間が経過して左SMAワイヤ14Lが十分冷却されているときに行われる。なお車室内温度の指標値とするための抵抗値RLの取得は、上述したように取得実行時の左SMAワイヤ14Lに加えられる外部からの引っ張り荷重が常に一律の条件で行うことが望ましい。例えば縦ブレード10a〜10eが特定の揺動位置に位置するときに抵抗値RLの取得を実施するようにすれば、その取得時の上記引っ張り荷重を概ね一律とすることができる。
そしてコンピュータ30は、続くステップS210〜S214において、取得された抵抗値RLに応じて縦ブレード10a〜10eの揺動範囲(振れ幅)の設定を実施する。この振れ幅の設定は、2つの判定値、すなわち低温側判定値R(25℃)及び高温側判定値R(40℃)と、取得された現状のSMAワイヤ14Lの抵抗値RLとの対比を通じて行われる。低温側判定値R(25℃)には、上述の車室内温度に応じた振れ幅設定の低温側の境界条件となる25℃のときのSMAワイヤ14Lの抵抗値がその値に設定され、高温側判定値R(40℃)には、その高温側の境界条件となる40℃のときのSMAワイヤ14Lの抵抗値がその値に設定されている。そしてコンピュータ30は、抵抗値RLが、高温判定値R(40℃)以上のとき(S200:YES)には振れ幅を0に(S204)、低温判定値R(25℃)以下のとき(S201:YES)には振れ幅を大(例えば80°)に(S202)、それ以外のとき(S201:NO)には振れ幅を小(例えば40°)に(S203)、それぞれ設定する。
こうして縦ブレード10a〜10eの揺動範囲(振れ幅)の設定を終えた後、コンピュータ30は、図7のステップS110以降の処理を実行し、その設定された揺動範囲で縦ブレード10a〜10eを揺動すべく各SMAワイヤ14L,14Rへの通電制御を実行する。
なお、図8に例示したような温度と抵抗値との関係をデータとして予めコンピュータ30に記憶しておき、取得した抵抗値RLからそのデータを参照して車室内温度を求め、その求められた温度を上記振れ幅設定の境界条件となる各温度(25℃、40℃)と対比して、揺動範囲の設定を行うことも可能である。
以上説明した本実施形態では、上記(1)〜(5)に記載の各効果に加え、更に次の効果を奏することができる。
(6)非加熱時のSMAワイヤ14Lの電気抵抗を車室内温度の指標値として取得し、縦ブレード10a〜10eの揺動範囲を設定して通電制御を行っているため、車室内温度を検出する温度センサを別途設けることなく、車室内温度に応じた振れ幅調整を行うことができる。
(6)非加熱時のSMAワイヤ14Lの電気抵抗を車室内温度の指標値として取得し、縦ブレード10a〜10eの揺動範囲を設定して通電制御を行っているため、車室内温度を検出する温度センサを別途設けることなく、車室内温度に応じた振れ幅調整を行うことができる。
上記実施形態では、揺動範囲の異なる3つの揺動モードの中からの実行すべき揺動モードを、非加熱時のSMAワイヤ14Lの電気抵抗によって把握される車室内温度に応じて決定するようにしていた。切り替える揺動モードの数、各揺動モードの内容、モード決定に係る温度条件等は、適宜変更することが可能である。例えば揺動速度の異なる複数の揺動モードの中から実行すべき揺動モードを、非加熱時のSMAワイヤ14Lの電気抵抗に基づき決定するようにすることもできる。こうした場合にも、非加熱時のSMAワイヤの電気抵抗に基づき揺動モードの決定することで、車室内温度に応じた揺動モードの選択を、温度センサを別途設けることなく行うことができる。
(第3実施形態)
上述したように、形状記憶合金(SMA)の伸縮ひずみの温度依存性を利用することで、非加熱時の形状記憶合金の抵抗値(インピーダンス)から環境温度を把握することができる。なおこうした形状記憶合金の伸縮ひずみの温度依存性によっては、その環境温度が、通電加熱中の形状記憶合金の収縮動作に、ひいてはブレードの揺動動作に無視し得ない影響を与える。例えば図10には、車室内温度が高いときと低いときとの2つの条件において、同図(a)に示すように一律の態様でSMAワイヤ14L,14Rに通電を実行したときの(b)SMAワイヤ14L,14Rの温度(ワイヤ温度)及び(c)収縮ひずみの推移を示す。同図に示されるように、車室内温度が高いときには、通電開始時のSMAワイヤ14L,14Rの温度、すなわち初期温度が高いため、SMAワイヤ14L,14Rはより早期に収縮開始温度に達して収縮し始める。そのため、一律の態様で通電を行えば、縦ブレード10a〜10eの揺動範囲や揺動速度に車室内温度による差違が生じるようになる。したがって、縦ブレード10a〜10eの揺動動作を車室内温度に拘わらず一律に保持しようとするのであれば、通電加熱時におけるSMAワイヤ14L,14Rの通電時間や通電電力の温度補償を行う必要がある。本実施形態では、非加熱時のSMAワイヤ14L,14Rの抵抗値を車室内温度の指標値として取得し、その取得した抵抗値に応じてそうした温度補償を行うことで、車室内温度を検出する格別な温度センサを設けることなく、適切な温度補償を実施可能としている。
上述したように、形状記憶合金(SMA)の伸縮ひずみの温度依存性を利用することで、非加熱時の形状記憶合金の抵抗値(インピーダンス)から環境温度を把握することができる。なおこうした形状記憶合金の伸縮ひずみの温度依存性によっては、その環境温度が、通電加熱中の形状記憶合金の収縮動作に、ひいてはブレードの揺動動作に無視し得ない影響を与える。例えば図10には、車室内温度が高いときと低いときとの2つの条件において、同図(a)に示すように一律の態様でSMAワイヤ14L,14Rに通電を実行したときの(b)SMAワイヤ14L,14Rの温度(ワイヤ温度)及び(c)収縮ひずみの推移を示す。同図に示されるように、車室内温度が高いときには、通電開始時のSMAワイヤ14L,14Rの温度、すなわち初期温度が高いため、SMAワイヤ14L,14Rはより早期に収縮開始温度に達して収縮し始める。そのため、一律の態様で通電を行えば、縦ブレード10a〜10eの揺動範囲や揺動速度に車室内温度による差違が生じるようになる。したがって、縦ブレード10a〜10eの揺動動作を車室内温度に拘わらず一律に保持しようとするのであれば、通電加熱時におけるSMAワイヤ14L,14Rの通電時間や通電電力の温度補償を行う必要がある。本実施形態では、非加熱時のSMAワイヤ14L,14Rの抵抗値を車室内温度の指標値として取得し、その取得した抵抗値に応じてそうした温度補償を行うことで、車室内温度を検出する格別な温度センサを設けることなく、適切な温度補償を実施可能としている。
具体的には本実施形態では、図7に示した通電制御のステップS110及びステップS120における各SMAワイヤ14L,14Rの通電開始の処理に際して、コンピュータ30は通電開始時の未加熱のSMAワイヤ14L,14Rの抵抗値を取得し、その取得した抵抗値に応じて通電中の電流のデューティ比を可変設定する温度補償処理を実行する。
図11に、こうした温度補償処理でのデューティ比の設定態様の一例を示すように、通電開始時のSMAワイヤ14L,14Rの抵抗値が小さいとき、すなわち車室内温度が高いときには、通電電流のデューティ比はより小さい値に設定される。これにより、通電電流が低減されてSMAワイヤ14L,14Rの発熱量が減少されるため、高温環境下でのSMAワイヤ14L,14Rの収縮速度の増加が、ひいては縦ブレード10a〜10eの揺動速度の増加が抑制されるようになる。一方、通電開始時の抵抗値が大きいとき、すなわち車室内温度が低いときには、通電電流のデューティ比はより小さい値に設定される。そしてこれにより、通電電流が増大されてSMAワイヤ14L,14Rの発熱量が増加することから、低温環境下でのSMAワイヤ14L,14Rの収縮速度の低下が、ひいては縦ブレード10a〜10eの揺動速度の低下が抑制されるようになる。
図12は、こうした温度補償処理のフローチャートを示している。同図に示すようにコンピュータ30は、各SMAワイヤ14L,14Rへの通電開始に際して本処理が開始されると、まずステップS301の処理としてその通電開始時のSMAワイヤ14L,14Rの抵抗値を取得する。そして続くステップS302においてコンピュータ30は、上記態様でその取得した抵抗値に基づき、車室内温度に応じた通電電流のデューティ比を設定することで、温度補償を適用して本処理を一旦終了する。
なお揺動中の縦ブレード10a〜10eの揺動位置の検出を行わない場合には、揺動範囲の設定に応じて通電時間を決定し、その決定された通電時間が経過する毎に通電するSMAワイヤ14L,14Rを切り替えることで、縦ブレード10a〜10eを周期的に左右交互に揺動させることになる。この場合、上記のような環境温度によるSMAワイヤ14L,14Rの収縮速度の変化によって、縦ブレード10a〜10eの揺動範囲が変化してしまうようになる。こうした揺動範囲の変化は、取得した非加熱中のSMAワイヤ14L,14Rの抵抗値に基づいて、車室内温度によるSMAワイヤ14L,14Rの収縮速度の変化分に応じた温度補償を通電時間に対して適用することで回避することができる。具体的には、収縮速度の高くなる高温時には通電時間をより短くし、収縮速度の低くなる低温時には通電時間を長くするように温度補償を適用すれば、車室内温度による揺動範囲の変化を抑制することができる。
また図8に例示したような温度と抵抗値との関係をデータとして予めコンピュータ30に記憶しておき、取得した抵抗値からそのデータを参照して車室内温度を求め、その求められた温度に基づいて温度補償を行うことも可能である。
以上説明した本実施形態では、上記(1)〜(6)に記載の各効果に加え、更に次の効果を奏することができる。
(7)非加熱時のSMAワイヤ14L,14Rの電気抵抗を車室内温度の指標値として取得し、その取得した抵抗値に基づいて温度補償を行っているため、車室内温度によるSMAワイヤ14L,14Rの伸縮特性の変化に対する通電態様の温度補償を、車室内温度を検出する温度センサを別途設けずとも的確に行うことができる。
(7)非加熱時のSMAワイヤ14L,14Rの電気抵抗を車室内温度の指標値として取得し、その取得した抵抗値に基づいて温度補償を行っているため、車室内温度によるSMAワイヤ14L,14Rの伸縮特性の変化に対する通電態様の温度補償を、車室内温度を検出する温度センサを別途設けずとも的確に行うことができる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更して実施することもできる。
・第1実施形態では、その通電制御のステップS102,S104の処理において、空調コントローラ経由で車室内温度の取得するとともに、その取得した車室内温度に基づき揺動範囲の設定を行うようにしていた。空調コントローラの多くでは、空調の設定温度と車室内温度との差に応じてブロアレベル、すなわち送風の強さを自動的に変化させる制御を行っている。そうした場合には、空調コントローラからブロアレベルを取得し、そのブロアレベルに応じて揺動範囲を設定するようにすることもできる。なおコンピュータ30が車内LANに接続されていない、或いは車内LANがそもそも設置されていない等の理由で、空調コントローラ経由で車室内温度やブロアレベルを直接取得することができない場合には、空調装置のブロアモータの速度設定電圧を取得して揺動範囲の設定を行うことも可能である。
・第1実施形態では、その通電制御のステップS102,S104の処理において、空調コントローラ経由で車室内温度の取得するとともに、その取得した車室内温度に基づき揺動範囲の設定を行うようにしていた。空調コントローラの多くでは、空調の設定温度と車室内温度との差に応じてブロアレベル、すなわち送風の強さを自動的に変化させる制御を行っている。そうした場合には、空調コントローラからブロアレベルを取得し、そのブロアレベルに応じて揺動範囲を設定するようにすることもできる。なおコンピュータ30が車内LANに接続されていない、或いは車内LANがそもそも設置されていない等の理由で、空調コントローラ経由で車室内温度やブロアレベルを直接取得することができない場合には、空調装置のブロアモータの速度設定電圧を取得して揺動範囲の設定を行うことも可能である。
・SMAワイヤ14L,14Rのインピーダンス(抵抗値)に基づき特定された縦ブレード10a〜10eの揺動位置を、SMAワイヤ14L,14Rの通電制御以外の制御に反映させるようにしても良い。例えば特定された縦ブレード10a〜10eの揺動位置を、送風の強さ(ブロアレベル)の制御に反映させるようにしても良い。この場合、縦ブレード10a〜10eの揺動位置を検出するセンサを別途に設置せずとも、送風方向によって送風の強弱を変化させることができるようになる。
・第2実施形態及び第3実施形態における車室内温度の検出に係るSMAワイヤ14L,14Rの抵抗値の取得を行う時期は、上述した時期に限らず適宜な時期に変更して同様の制御を行わせることも可能である。
・上記実施形態では、SMAワイヤ14L,14Rへの通電を直流で行うようにしていたが、通電を交流で行う場合には、SMAワイヤ14L,14Rのインピーダンスを、縦ブレード10a〜10eの揺動位置や車室内温度の指標値として取得し、通電制御に反映させることで、同様の通電制御を行うことができる。
・上記各実施形態での通電制御は、それが通電加熱による形状記憶合金の収縮を利用してブレードを揺動させるものであれば、機械的構成の異なるスイングレジスタのブレード駆動装置にも同様或いはそれに準じた態様で適用することができる。
・形状記憶合金が、コイルばね状などのワイヤ状以外の形状の形状記憶合金を用いてブレードを揺動させるように構成されたスイングレジスタのブレード駆動装置についても、上記各実施形態における通電制御を同様或いはそれに準じた態様で適用することができる。
・本発明に係るスイングレジスタのブレード駆動装置は、横ブレードを上下方向へのスイング動作させるための装置として実現することもできる。
10a〜10e…縦ブレード、11…揺動軸、12…リンク機構、13…ロータ、14L,14R…形状記憶合金(SMA)ワイヤ、15L,15R…固定プーリ、16L,16R…可動プーリ、17L,17R…ストッパ、18L,18R…揺動アーム、19L,19R…コイルばね、20L,20R…強制通電遮断機構(21L,21R…揺動アーム、23L,23R…コイルばね、24L,24R…可動電極、25L,25R…固定電極)、30…コンピュータ、32…A/Dコンバータ、33L,33R…駆動回路、34L,34R…抵抗、50…DCモータ、51…減速機構、51a…最終ギア、52…クランク機構、53…ラックギア、54…ロッドワイヤ、55a…第1ピニオンギア、55b…第2ピニオンギア。
Claims (9)
- 空調用通風路の出口に揺動可能に軸支されたブレードを揺動させて前記出口からの送風方向を変更するスイングレジスタのブレード駆動装置において、
通電加熱により伸縮するとともに、その伸縮に応じて前記ブレードが揺動されるように同ブレードに駆動連結された形状記憶合金と、
前記形状記憶合金のインピーダンスを検出する検出手段と、
その検出されたインピーダンスに基づいて前記形状記憶合金の通電制御を実行する通電制御手段と、
を備えることを特徴とするスイングレジスタのブレード駆動装置。 - 前記通電制御手段は、前記形状記憶合金に対する通電の開始時期、通電の停止時期、通電時間、通電電流、及び印加電圧のいずれか1つを前記インピーダンスに基づき決定する
請求項1に記載のスイングレジスタのブレード駆動装置。 - 前記通電制御手段は、前記インピーダンスに基づいて前記ブレードの揺動位置を特定する
請求項1または2に記載のスイングレジスタのブレード駆動装置。 - 前記通電制御手段は、前記形状記憶合金への通電に応じて揺動された前記ブレードの揺動位置を前記インピーダンスに基づき特定し、その特定された揺動位置が予め設定された位置に達したときに前記形状記憶合金の通電を停止する
請求項3に記載のスイングレジスタのブレード駆動装置。 - 一方の通電加熱により前記ブレードが一方の側に揺動され、他方の通電加熱により前記ブレードが他方の側に揺動されるように前記ブレードにそれぞれ駆動連結された2つの形状記憶合金を備えるとともに、
前記通電制御手段は、前記2つの形状記憶合金のいずれか一方の通電により揺動された前記ブレードの揺動位置を前記検出されたインピーダンスに基づき特定し、予め設定された揺動範囲の両端のいずれかに当たる位置にその特定された揺動位置が達したときに、通電中の形状記憶合金の通電を停止するとともに、通電停止中の形状記憶合金の通電を開始する
請求項3に記載のスイングレジスタのブレード駆動装置。 - 前記通電制御手段は、前記インピーダンスに基づいて当該ブレード駆動装置の環境温度を特定する
請求項1または2に記載のスイングレジスタのブレード駆動装置。 - 前記通電制御手段は、前記インピーダンスに基づき特定された前記環境温度に応じて、前記ブレードの揺動範囲、揺動速度のいずれか一方を切り換えるように前記形状記憶合金の通電制御を実行する
請求項6に記載のスイングレジスタのブレード駆動装置。 - 前記通電制御手段は、前記インピーダンスに基づき特定された前記環境温度が高いときほど、前記形状記憶合金の通電時間の短縮、及び同形状記憶合金の単位時間当たりの通電電力の低減のいずれか一方を実行する
請求項6に記載のスイングレジスタのブレード駆動装置。 - 空調用通風路の出口に揺動可能に軸支されたブレードを揺動させて前記出口からの送風方向を変更するスイングレジスタのブレード駆動装置において、
通電加熱により伸縮するとともに、その伸縮に応じて前記ブレードが揺動されるように同ブレードに駆動連結された形状記憶合金と、
前記形状記憶合金のインピーダンスを測定し、その測定されるインピーダンスに基づき前記ブレードの揺動位置を算出する算出手段と、
を備えることを特徴とするスイングレジスタのブレード駆動装置。
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- 2005-12-02 JP JP2005349729A patent/JP2007153077A/ja not_active Withdrawn
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