JP4659502B2 - アクチュエータ - Google Patents

アクチュエータ Download PDF

Info

Publication number
JP4659502B2
JP4659502B2 JP2005100926A JP2005100926A JP4659502B2 JP 4659502 B2 JP4659502 B2 JP 4659502B2 JP 2005100926 A JP2005100926 A JP 2005100926A JP 2005100926 A JP2005100926 A JP 2005100926A JP 4659502 B2 JP4659502 B2 JP 4659502B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wire
energization
mover
temperature
control
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005100926A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006283575A (ja
Inventor
大 本間
精也 上村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toki Corp
Original Assignee
Toki Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toki Corp filed Critical Toki Corp
Priority to JP2005100926A priority Critical patent/JP4659502B2/ja
Publication of JP2006283575A publication Critical patent/JP2006283575A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4659502B2 publication Critical patent/JP4659502B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Manipulator (AREA)

Description

本発明は、形状記憶合金の伸縮力を利用したアクチュエータ、特に、通電制御により形状記憶合金の伸縮を制御するための技術、に関する。
形状記憶合金は加熱されると、常温時のマルテンサイト相からオースティナイト相とよばれる状態に相転移する。オースティナイト相では、形状記憶合金は所定の形状にて硬化する。温度が低下すれば、オースティナイト相から再びマルテンサイト相に相転移する。マルテンサイト相においては、オースティナイト相に比べて形状記憶合金は軟化するため、外力により変形容易となる。
このような形状記憶合金の形状回復力を利用したアクチュエータは、装置の小型化、軽量性、静音性などの優れた特徴を持っている。
特開昭57−141704号公報
特許文献1は、形状記憶合金を通電させることにより形状記憶合金の形状を変化させ、その形状変化に伴って変化する電気抵抗値を検出しつつ、形状記憶合金の伸縮を自在に制御するための技術について開示している。この技術によれば、電気抵抗値という電気的な指標によって形状記憶合金の伸縮度を精密に制御しやすくなる。
硬化状態にある形状記憶合金に対して過度の荷重がかかると、形状記憶合金は変形によって外部からの力を吸収できない。硬化状態にある形状記憶合金への通電を中止しても、通常、その除熱には一定の時間がかかるためしばらくは硬化状態が維持される。そのため、硬化状態にあるときの形状記憶合金に過度の荷重がかからないような仕組みを設けることは、形状記憶合金を使ったアクチュエータの安全面や製品寿命の面からみて重要であると本発明者は認識した。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、形状記憶合金を安全に制御するための技術を提供することにある。
本発明のある態様はアクチュエータである。
このアクチュエータは、温度変化により伸縮する形状記憶合金で形成された第1および第2の線材と、第1および第2の線材への通電を制御することにより第1および第2の線材の温度を変化させる通電制御装置と、第1および第2の線材の温度変化により発生するそれぞれの形状回復力の少なくともいずれかを加えられることにより変動する可動子と、第1および第2の線材の少なくとも一方にかかる荷重を吸収するための緩衝部材と、を備える。
線材は、オースティナイト相においては、マルテンサイト相に比べて断面積が拡大し、長さが短くなるような形状であることが好ましい。このような線材を通電により加熱すると、その形状変化に伴って線材の抵抗値を低下させることができる。第1および第2の線材への通電制御により可動子を変動させることにより、電気的なエネルギーを力学的なエネルギーに変換できる。このとき、緩衝部材は、第1および第2の線材の少なくともいずれかに対してかかる荷重を吸収するので、アクチュエータをより安全に制御できる。
本発明によれば、形状記憶合金を安全に制御する上で効果がある。
まず、形状記憶合金により形成された線材の性質およびその通電制御方法について述べる。そのあとに、本実施例において線材を通電制御するときに、線材にかかる荷重を吸収するための仕組みについて述べる。
図1は、形状記憶合金の温度−抵抗特性を示す模式図である。
横軸は温度Tを示し、縦軸は電気抵抗値(以下、単に「抵抗値」とよぶ)Rを示す。同図実線に示すグラフは、本実施例における形状記憶合金の温度−抵抗特性であり、同図破線に示すグラフは、一般的な形状記憶合金の温度−抵抗特性である。
本実施例において示す形状記憶合金は、Ni−Ti−Cuを含む構成される。Ni、Ti、Cuの組成比は、それぞれ46.9%、44.8%、8.3%である。形状記憶合金は、温度変化に伴って形状を変化させ、形状の変化に伴って抵抗値が変化する。このように、形状記憶合金の温度、形状、抵抗値の間には互いに相関関係がある。以下、「線材」とは、このような形状記憶合金にて形成された長細いひも状の形であるとして説明する。
本実施例おける線材は、10℃のときには、14Ωとなる抵抗値を持つ。このとき、線材はマルテンサイト相にある。線材は軟らかく外力により変形容易となっている。この線材を通電により加熱し、同図の温度Tに達したときに、マルテンサイト相からオースティナイト相に相転移を開始する。温度Tは60℃程度であり、このときの線材の抵抗値は13.5Ωとなる。
温度Tから更に通電加熱すると、オースティナイト相における形状に向けて変形を開始する。線材の断面積は膨張し長さは短くなる。また、線材は硬化し始める。断面積の拡大と長さの短縮化により、線材の抵抗値は顕著に低下し始める。温度Tにおいて、オースティナイト相への相転移が完了する。温度Tは70℃程度であり、このときの線材の抵抗値は10.5Ωとなる。相転移が完了すると、それ以上線材の長さは収縮しないため、線材の抵抗値も変化しない。この線材の適正な動作温度範囲は温度T〜T、すなわち、60℃〜70℃であるといえる。
このように、形状記憶合金においては、温度と抵抗値の間には同図に示すような関係が成立する。したがって、線材の抵抗値を測定すれば、線材の温度を知ることができる。
従来多く用いられているNi−Ti系の形状記憶合金の場合、同図破線にて示すように、温度T以下や温度T以上の温度範囲において、温度上昇とともに抵抗が上昇する傾向にあった。そのため、温度T以下や温度T以上の温度範囲においても、温度T以上温度T以下において取り得る抵抗値と同じ抵抗値となることがあった。
これに対し、上記のようなNi−Ti−Cuによる形状記憶合金によれば、同図の実線にて示したような温度−抵抗特性を示す。そのため、一般的な形状記憶合金に比べて、抵抗値から温度を特定しやすい。
厳密には、温度−抵抗特性において形状記憶合金は少なからずヒステリシスが発生するため、必ずしも抵抗値から温度が特定されるわけではない。しかし、この形状記憶合金の抵抗の変化を主として支配しているのは温度ではなく形状記憶合金の歪であるため、最終的に抵抗値から形状記憶合金の歪量を特定することが可能となる。
動作温度範囲を超えた形状記憶合金の加熱は、形状記憶合金の動作寿命を縮めることになる。また、安全面や省電力の面からも、このような過熱を未然に防止する必要がある。
以下、温度Tのことを動作限界温度とよぶ。動作限界温度は、同図に示したように線材のオースティナイト相への相転移が完了するときの温度として規定されてもよいし、線材をそれ以上加熱しても外部の障害物による抑止力に抗して収縮を続けられなくなるときの温度として規定されてもよい。
図2は、形状記憶合金制御装置の原理を説明するための基本構成図である。
形状記憶合金制御装置10は、線材制御回路150と通電制御装置100を含む。
線材制御回路150においては、電源180、線材スイッチとしての第1トランジスタTr1、制御抵抗としての第1抵抗R1、線材200が直列に接続されている。そして、線材200の一端は接地されている。
電源180は、定電圧の電源である。第1トランジスタTr1は、第1抵抗R1と線材200の通電を制御するためのスイッチの役割を果たす。第1トランジスタTr1がオンされると、電源180により、第1抵抗R1と線材200の経路に定電圧が印加される。第1トランジスタTr1のオン抵抗を無視すれば、第1抵抗R1と線材200には、電源電圧をそれぞれの抵抗値に応じて分圧した電圧が印加されることになる。
通電制御装置100は、外部からの指示に応じて線材200の伸縮を制御するために、第1トランジスタTr1をオンオフさせ、第1抵抗R1や線材200の通電状態と非通電状態を切り換える。第1トランジスタTr1がオンされると、線材200は電源180からの供給電力により加熱される。第1トランジスタTr1がオフされると、線材200は、外気により除熱される。通電制御装置100は、第1トランジスタTr1をオンする時間の長さを調整することにより、線材200の伸縮を制御できる。通電制御装置100は、第1トランジスタTr1をオンする時間と、オフする時間の時間比によって、線材200の伸縮を制御するともいえる。
以下、通電制御装置100が線材200の伸縮を制御するために第1トランジスタTr1をオンして通電させることを「作用通電」とよび、作用通電が実行される時間のことを「作用通電時間」とよぶ。
通電制御装置100は、作用通電に先だって、第1トランジスタTr1を所定時間オンして、一時的に第1抵抗R1と線材200を通電させる。このとき、通電制御装置100は、第1抵抗R1と線材200に挟まれた位置における電位Vを線材電位として計測する。線材電位Vは、線材200の抵抗値に応じて変化するため、線材電位Vを計測することにより線材200の状態を判定できる。線材200の抵抗値が小さいときには、線材電位Vは小さくなり、抵抗値が大きいときには、線材電位Vも大きくなる。
目標とすべき線材電位に比べて検出された線材電位Vが大きいときには、線材200の抵抗値が目標値と比べて大きいので更に加熱する必要がある。一方、線材電位が小さいときには、線材200の抵抗値が小さくなっているため除熱する必要がある。詳しくは後述するが、通電制御装置100は、線材電位Vに基づいて作用通電時間を決定する。作用通電時間が長いほど、線材200はより多く加熱される。
以下、通電制御装置100が線材200の線材電位Vを計測するために第1トランジスタTr1をオンして通電させることを「検出通電」とよび、検出通電が実行される時間のことを「検出通電時間」とよぶ。作用通電時間は、線材電位Vに応じて可変であるが、検出通電時間は可変であってもよいし一定であってもよい。
図3は、線材の通電制御のタイムチャートである。
線材200の通電制御は、周期Tを1単位として実行される。同図に示すTやTがこの1周期に相当する時間である。
周期Tのうち、Wとして示される期間は検出通電時間にあたる。検出通電時間は、線材電位Vを検出するための通電時間である。検出通電時間Wは周期Tの1/10程度の長さである。周期Tのうち、Uとして示される期間は作用通電時間にあたる。作用通電時間は、線材200を通電加熱して線材200の伸縮を制御するための期間である。通電制御装置100は、検出通電時間Wにおいて検出した線材電位Vに基づいて、作用通電時間Uを決定する。
図4は、線材の温度−制御値特性を示す模式図である。
図4(a)は、補正前の制御値と温度の関係を示す模式図である。横軸は温度Tを示し、縦軸は制御値Iを示す。
図4(b)は、補正後の制御値と温度の関係を示す模式図である。横軸は温度Tを示し、縦軸は補正後の制御値Jを示す。
通電制御装置100は、所定の比較電位に対する線材電位Vの差や比として制御値を計算する。比較電位は接地電位や電源電圧のように予め定められた電位であってもよい。ここでは、比較電位=電源電位、制御値=線材電位/比較電位として説明するが、制御値は、線材電位と比較電位を変数とした所定の線形計算により算出される値であればよい。
計算を簡単にするため、第1抵抗R1が10Ω、常温時の線材の抵抗値が10Ωであるとする。電源電圧が20Vであれば、常温時における線材電位Vは10Vとなる。このとき、同図Iとして示す制御値は、10÷20により0.5となる。
温度Tにおいて、線材の抵抗値が5Ωであるとする。この場合、線材電位Vは約7Vとなる。このときの制御値は、7÷20により約0.3となる。このように、制御値と線材電位、線材電位と抵抗値は相関関係を有するので、制御値により線材200の抵抗値を間接的に知ることができる。制御値は線材200の抵抗値に応じて変化する値であるといえる。
ただし、実際には、線材200の常温時における抵抗値は、経年変化や外部環境に応じてある程度変化する。そのため、制御値Iは常に一定となならないのが通常である。また、線材200を含む電子部品は、生産過程において部品ごとに若干のばらつきを生じる。このような、制御値のばらつきに対応するために、通電制御装置100は、電源投入時において最初に取得した制御値を補正値として記憶する。この補正値が、電源投入時、すなわち、線材200の常温状態における制御値となる。たとえば、通電制御装置100は、検出通電により適宜取得した制御値を補正値で除算した商を補正後の制御値(以下、単に「補正制御値」とよぶ)としてもよい(以下、このような処理のことを単に「補正処理」とよぶ)。
たとえば、制御値が0.3で、補正値が0.4であれば、補正制御値は、0.3÷0.4で0.75となる。すなわち、常温状態に比べて制御値は25%低下している。補正制御値は、電源投入時に常に1.0に固定されることになる。補正制御値によれば、電源投入時の状態を基準として、線材200の状態をより正確に判定できる。
図5は、電源電圧の変動に対応するタイプの形状記憶合金制御装置の構成図である。
この回路においては、第1トランジスタTr1と第1抵抗R1をつなぐ点の電位Vが、通電制御装置100により比較電位として検出されている。
第1抵抗R1と線材200に印加される電圧は、第1トランジスタTr1のオン抵抗により電源電圧から若干電圧降下している。また、電源180の電圧そのものが変動することもある。たとえば、電源180が別の回路との共有電源であるときには、その回路の処理負荷に応じて、第1抵抗R1と線材200に印加される電圧も変動する可能性がある。同図に示す形状記憶合金制御装置10において、通電制御装置100は線材電位Vの検出時に比較電位Vを検出する。このため、通電制御装置100は実際に第1抵抗R1および線材200に印加される電圧に基づいて制御値を計算できる。そのため、制御値に基づいて線材200の状態をより正確に判定できる。以下、特に断らない限り、形状記憶合金制御装置10というときには図5に示した形状記憶合金制御装置10であるとして説明する。
図6は、通電制御装置の機能ブロック図である。
ここに示す各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的には検出プログラムや算出プログラム等のコンピュータプログラムによって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
通電制御装置100は、状態検出部110、作用部120、指示検出部130および制御部140を含む。
指示検出部130は、ユーザからの線材200の制御目標となる指示値を検出する。ここでいう指示値は、目標とすべき補正制御値であってもよいし、抵抗値や温度、線材200の長さなどの線材200の状態を示す変数であってもよい。指示検出部130は、補正制御値と、抵抗値、温度、長さ等の変数の対応関係を定義したテーブルデータを記憶する。指示検出部130は、このテーブルデータを参照して、目標とすべき補正制御値を特定し制御部140に通知する。
あるいは、指示検出部130は、これらの変数を互いに別の変数に変換するための演算式を記憶してもよい。たとえば、目標値が抵抗値として指示されたときには、指示検出部130は、抵抗値から補正制御値を演算するために予め定義された演算式によって、指示された抵抗値を補正制御値に変換して、制御部140に通知する。
制御部140は、図3に示した周期に基づいて、状態検出部110や作用部120の処理タイミングを制御する。状態検出部110は、検出通電処理を実行する。作用部120は、作用通電処理を実行する。検出通電処理と作用通電処理の実行タイミングは、制御部140により指示される。
図7は、図6に示した状態検出部を詳細に示す機能ブロック図である。
状態検出部110は、検出通電部112、線材電位検出部114、補正値記憶部129および制御値取得部116を含む。
検出通電開始タイミングになると、制御部140は検出通電部112に検出通電の実行を指示する。検出通電部112は、所定の検出通電時間、第1トランジスタTr1をオンして検出通電させる。このとき、検出通電部112は検出通電の開始の旨を線材電位検出部114に伝える。
線材電位検出部114は、検出通電部112が検出通電させるときに、線材電位Vを検出する。また、線材電位検出部114は比較電位Vを更に検出する。制御値取得部116は、線材電位Vと比較電位Vに基づいて制御値を計算する。このように、制御値取得部116は、電源電圧の変動に付随して変動する電位を比較電位に定め、その比較電位と線材電位との比を、制御値として取得してもよい。以下、特に断らない限り、比較電位は線材制御回路150から通電制御装置100により検出される電位であるとして説明する。補正値記憶部129は、制御値取得部116が電源投入後最初に取得した制御値を補正値として記憶する。制御値取得部116は、取得した制御値をこの補正値により補正して、補正制御値を作用部120に出力する。
図8は、図6に示した作用部を詳細に示す機能ブロック図である。
作用部120は、時間特定部122、作用通電部124、リミット判定部126およびリミット制御部128を含む。
時間特定部122は、補正制御値に応じて作用通電時間を決定する。時間特定部122は、まず、制御値取得部116から取得した補正制御値と制御部140により指示された目標とすべき補正制御値との差を制御偏差として計算する。時間特定部122は、予め制御偏差と作動通電時間を対応づけたデータテーブルを記憶する。時間特定部122は、このデータテーブルを参照して、制御偏差に応じた作動通電時間を決定する。作用通電部124は、時間特定部122により決定された作用通電時間、第1トランジスタTr1をオンして線材200を通電させる。
なお、時間特定部122は、制御偏差から作動通電時間を特定するための演算式を記憶してもよい。このときには、時間特定部122は、計算された制御偏差を変数として、この演算式により作動通電時間を算出してもよい。
リミット判定部126は、予め定められたリミット条件の成否を判定する。リミット条件とは、線材200の過熱を防ぐために設けられた条件であるが、詳しくは後述する。リミット制御部128は、リミット条件が成立したときには作用通電部124に対して作用通電を抑制するよう指示する。このような指示を受けたときには、作用通電部124は作用通電を実行しない。
図9は、線材の通電制御する過程を示すフローチャートである。
このフローチャートに示す各ステップは、形状記憶合金制御装置10の電源が投入されてから繰り返し実行される処理である。すなわち、同図に示すフローチャートは、検出通電後に作用通電が実行される1周期分の処理を示している。
制御部140は検出通電の実行タイミングに至ったときに、検出通電部112に検出通電の実行を指示する。検出通電部112は、所定の検出通電時間、第1トランジスタTr1をオンする(S10)。このとき、電源180と第1抵抗R1、線材200が導通し、第1抵抗R1および線材200に電圧が印加される。線材電位検出部114は、線材電位Vを検出する(S12)。線材電位検出部114は、比較電位Vを更に検出する(S14)。制御値取得部116は、線材電位Vを比較電位Vで割って制御値を算出する(S16)。電源投入後、最初に取得された制御値は、補正値として補正値記憶部129に記録される。
制御値取得部116は、S16にて取得された制御値を補正値によって除算することにより補正制御値を計算する(S18)。リミット判定部126は、リミット条件を判定するための処理であるリミット判定処理を実行する(S20)。リミット判定処理の内容については後述する。リミット条件が成立したとき(S20のY)、リミット制御部128は作用通電部124にリミット条件の成立を通知する。この通知を受けたときには、作用通電部124は作用通電を実行しない。すなわち、作用通電を実行することなく、S10に処理が移行する。
リミット条件が成立していないときには(S20のN)、時間特定部122は、補正制御値の制御偏差を特定する(S22)。時間特定部122は、この制御偏差を小さくすべく、先述のデータテーブルを参照して作用通電時間を特定する(S24)。たとえば、目標とすべき補正制御値に比べて、S18にて計算された補正制御値が大きいときには、図4(b)のグラフからもわかるように、線材200をより加熱する必要がある。一方、目標とすべき補正制御値に比べて、補正制御値が小さいときには、線材200を除熱する必要がある。作用通電部124は、S24において特定された作用通電時間、第1トランジスタTr1をオンして作用通電を実行する(S26)。
S20におけるリミット条件判定処理による判定方法としては、たとえば、以下のような方法がある
1.供給電力に基づく判定:
所定の期間において、線材200に供給される電力量が予め定められたリミット値に達したときにリミット条件が成立したと判定する。たとえば、所定回数の周期において、作用通電時間の長さが所定時間を超えた場合に、リミット条件が成立すると判定してもよい。このような判定方法によれば、線材200の状態に関わらず、線材200への過度の電力供給を未然に防ぐことができる。そのため、線材電位の検出処理に不具合が生じた場合であっても、リミット条件の成否を判定できる。
2.制御値に基づく判定:
制御値と、予め定められた基準値との差または比が所定値を超えたときにリミット条件が成立したと判定してもよい。たとえば、補正制御値が温度Tにおいて想定される補正制御値から20%以上小さくなったときに、リミット条件が成立すると判定してもよい。このような判定方法によれば、線材200が動作限界温度に達する前に線材200への通電を抑制できる。線材200の最高温度を動作限界温度よりも低く設定することができるため、より安全な制御が可能となる。
あるいは、補正制御値や制御偏差の単位時間あたりの変化量に応じて、リミット条件の成否を判定してもよい。たとえば、補正制御値が所定時間変化しない場合や、制御偏差が所定時間縮小しない場合には、線材200の温度が既に動作限界温度に達してしまっている可能性があるので、リミット条件が成立したと判定してもよい。制御値に基づく判定方法によれば、線材200の実際の状態に応じてリミット条件判定を実行できる。
なお、S18のあとにS22、S24の処理を実行し、その後にS20のリミット条件判定処理を実行してもよい。このとき、リミット条件が成立すれば、作動通電時間を予め定められた短い時間に変更してもよい。
あるいは、リミット条件が成立したときには、線材200を冷却するために設けられた冷却ファンなどの冷却装置を駆動することにより、能動的に線材200から除熱してもよい。
以下、このような形状記憶合金制御装置10の線材200を含んで構成される各種のアクチュエータについて説明する。
図10は、第1型アクチュエータの外観図である。
第1線材220と第2線材222は、共に、温度変化により伸縮する形状記憶合金で形成された線材である。形状記憶合金制御装置10の通電制御装置100において制御部140は、第1線材220と第2線材222のいずれか一方に制御対象を切り換える。たとえば、図3を再度参照し、制御部140は、周期Tでは第1線材220を制御対象とし、周期Tでは第2線材222を制御対象として周期ごとに切り換えてもよい。第1線材220の作用通電時間においては、第2線材222は作用通電されない。また、第2線材222が作用通電時間においては、第1線材220は作用通電されない。
第1型アクチュエータ230は、図10に示す構成のほかに形状記憶合金制御装置10を含んで構成されているともいえる。
共通端子232は、第1線材220および第2線材222に共通する端子として接地されている。第1端子234は、第1線材220の線材電位Vを取り出すための端子に相当し、第2端子236は、第2線材222の線材電位Vを取り出すための端子に相当する。図11以降に関連して後述する各種のアクチュエータの共通端子232、第1端子234および第2端子236についても同様である。
第1線材220は、可動子206と第1支持基材202との間に掛け渡されている。一方、第2線材222は、可動子206と第2支持基材204との間に掛け渡されている。第1支持基材202は第1緩衝材210により支持され、第2支持基材204は第2緩衝材212により支持されている。
可動子206は第1線材220と対向する面(以下、「第1面」とよぶ)に複数個の突起を有する。また、第2線材222と対向する面(以下、「第2面」とよぶ)にも複数個の突起を有する。可動子206は、これらの突起にて第1線材220や第2線材222と当接する。可動子206は、このように第1面および第2面については同図紙面に向かう方向にては、櫛歯形状の形態となっている。そして、櫛歯の先、すなわち、突起によって第1線材220や第2線材222に当接しているといえる。
第1支持基材202が第1線材220と対向する面にも複数個の突起が設けられている。第1支持基材202は、これらの突起にて第1線材220と当接する。第1支持基材202が第1線材220と当接する突起の位置と可動子206が第1線材220と当接する突起の位置は、互い違いとなるように設けられている。そのため、第1線材220がマルテンサイト相にあるとき、すなわち変形容易であるときに、第1支持基材202と可動子206のそれぞれの突起から力を受けると、第1線材220は波状に折り曲げられる。
第2支持基材204が第2線材222と対向する面にも複数個の突起が設けられている。第2支持基材204は、これらの突起にて第2線材222と当接する。第2支持基材204が第2線材222と当接する突起の位置と可動子206が第2線材222と当接する突起の位置も、互い違いとなるように設けられている。そのため、第2線材222がマルテンサイト相にあるときに、第2支持基材204と可動子206のそれぞれの突起から力を受けると、第2線材222も波状に折り曲げられる。
第1支持基材202は、第1線材220との対向面については同図紙面に向かう方向にては、櫛歯形状の形態となっている。また、第2支持基材204も、第2線材222との対向面については同図紙面に向かう方向にては、櫛歯形状となっている。可動子206の第1面における突起と、第1支持基材202の第1線材220との対向面における突起は、いわば、お互いの櫛歯が噛み合わさる関係となっている。また、可動子206の第2面における突起と、第2支持基材204の第2線材222との対向面における突起も、いわば、お互いの櫛歯が噛み合わさる関係となっている。この噛み合わせの関係により、弛緩伸長時の第1線材220や第2線材222は波状に変形せしめられる。一方、緊張収縮時の第1線材220や第2線材222は、いわば、これらの噛み合わせをこじ開けるように作用する。
第1線材220が作用通電によりオースティナイト相に相転移すると、第1線材220は緊張収縮して直線状に硬化する。第1線材220が作用通電されているときには、第2線材222には作用通電されない。そのため、第1線材220が緊張収縮しているときには、第2線材222は弛緩伸長しており、変形容易な状態となっている。
第1線材220が緊張収縮すると、その形状回復力が第1支持基材202と可動子206の突起を押し返す。第1支持基材202には同図上向きに、可動子206には同図下向きの力を加えられる。第1支持基材202は、同図上方に変位する。第1緩衝材210は、第1支持基材202が第1線材220からの作用力によって変位可能となるように第1支持基材202を支持している。第1緩衝材210は、第1支持基材202の変位量に応じてその変位を妨げる方向に力を付与する弾性体、たとえば、バネやゴムによって形成される。一方、可動子206は同図下方に変位する。第2線材222は、可動子206から受ける力によって、波状に折り曲げられる。
すなわち、第1線材220が緊張収縮し、第2線材222が弛緩伸長しているときには可動子206は同図下方に変位する。
今度は、第1線材220とは逆に第2線材222が作用通電によりオースティナイト相に相転移した場合について説明する。第2線材222が緊張収縮して直線状に硬化する一方、第1線材220はマルテンサイト相にあるため変形容易な状態となっている。
第2線材222が緊張収縮すると、その形状回復力が第2支持基材204と可動子206の突起を押し返す。第2支持基材204には同図下向きに、可動子206には同図上向きの力が加えられる。第2支持基材204は、同図下方に変位する。第2緩衝材212は、第2支持基材204が第2線材222からの作用力によって変位可能となるように第2支持基材204を支持している。第2緩衝材212は、第2支持基材204の変位量に応じてその変位を妨げる方向に力を付与する弾性体、たとえば、バネやゴムによって形成される。一方、可動子206は同図上方に変位する。第1線材220は、可動子206から受ける力によって、波状に折り曲げられる。
すなわち、第2線材222が緊張収縮し、第1線材220が弛緩伸長しているときには可動子206は同図上方に変位する。
このようにして、第1線材220と第2線材222のいずれか一方が緊張収縮しているときに他方が弛緩伸長するように第1線材220と第2線材222の通電を制御することにより、可動子206を上下に運動させることができる。また、このような通電制御方法により、第1線材220の緊張収縮により発生した形状回復力を、弛緩伸長している第2線材222が、自らの変形にて吸収できる。その逆についても同様である。そのため、第1線材220と第2線材222の両方が緊張収縮してお互いに過度の荷重をかけあわないようにできる。
しかし、通常、形状記憶合金への通電を中止しても、形状記憶合金の温度が下がってマルテンサイト相に相転移するまでにはある程度の時間がかかる。そのため、このような通電制御方法によっても、一時的に第1線材220と第2線材222の両方がオースティナイト相となってしまう期間が発生する可能性がある。たとえば、オースティナイト相にある第1線材220への作用通電からマルテンサイト相にある第2線材222への作用通電に切り換えたとき、第1線材220がマルテンサイト相に戻る前に、第2線材222がオースティナイト相に相転移する可能性がある。このように、第1線材220と第2線材222は互いに緊張収縮しようとするときには、第1緩衝材210と第2緩衝材212が、その緊張収縮により発生する形状回復力を吸収するクッションの役割を果たす。そのため、緊張収縮時の第1線材220や第2線材222に過度の荷重がかからないように処置できる。
なお、第1線材220がマルテンサイト相からオースティナイト相に相転移するときに、第2線材222はオースティナイト相からマルテンサイト相に相転移しようとしている。このとき、第2線材222は、緊張収縮する側の第1線材220から発生する力によって波状に折り曲げられるように力を受ける。そのため、第2線材222は外部から加えられる応力により、応力誘起変態とよばれる現象によって通常よりも高い温度にてマルテンサイト相への相転移を開始する。したがって、第1線材220から発生する力を利用して可動子206の応答性を高めることができる。無論、第2線材222がマルテンサイト相からオースティナイト相に相転移し、第1線材220がオースティナイト相からマルテンサイト相に相転移するときも同様である。
第1型アクチュエータ230は、たとえば、カメラつき携帯電話のような小型カメラのレンズ駆動装置としての応用が考えられる。可動子206の変位に応じてレンズを駆動することにより、小容積に光学式ズームレンズ機構を収めることができる。
図11は、第2型アクチュエータの外観図である。
図11(a)は、第2型アクチュエータの正面図である。図11(b)は、第2型アクチュエータの側面図である。
第2型アクチュエータ240において可動子206は、軸支持基材242に固定された回転軸208を中心として回動可能に形成されている。第1線材220の一端は可動子206に接続され、他端は固定基材246に接続される。第2線材222の一端は可動子206に接続され、他端は固定基材246に接続される。可動子206は、第1線材220や第2線材222の接続される点にかかる力によって回転軸208を中心として回動する。すなわち、第1線材220が緊張収縮し、第2線材222が弛緩伸長しているときには、可動子206は図11(a)において反時計回りに回動する。一方、第2線材222が緊張収縮し、第1線材220が弛緩伸長しているときには、可動子206は図11(a)において時計回りに回動する。このように、可動子206は第1線材220と第2線材222のうち、緊張収縮している側に回動する。
第1線材220や第2線材222から可動子206の回転軸208を介して軸支持基材242により伝えられた力によって軸支持基材242が変位できるように、軸受緩衝材248は軸支持基材242を支持する。第2型アクチュエータ240においても、一時的に第1線材220と第2線材222の両方がオースティナイト相となってしまう期間が発生する可能性がある。このときには、可動子206および可動子206を固定する軸支持基材242は図11(a)における下向きの力を受けることになる。軸受緩衝材248は、軸支持基材242を変位可能に支持するため、このような力を吸収して、第1線材220や第2線材222に過度の荷重がかからないように処置する。軸受緩衝材248は、軸支持基材242の変位量に応じてその変位を妨げる方向に力を付与する弾性体、たとえば、バネやゴムにて形成される。
図12は、第3型アクチュエータの外観図である。
図12(a)は、第3型アクチュエータの正面図である。図12(b)は、第3型アクチュエータの側面図である。
第3型アクチュエータ250において可動子206は、固定基材246に固定された回転軸208を中心として回動可能に形成される。第1線材220の一端は可動子206に接続され、他端は可動固定材252に接続される。また、第2線材222の一端は可動子206に接続され、他端は可動固定材252に接続される。可動子206は、第1線材220や第2線材222が接続される点にかかる力によって回転軸208を中心として回動する。すなわち、第1線材220が緊張収縮し、第2線材222が弛緩伸長しているときには、可動子206は図12(a)において反時計回りに回動する。第2線材222が緊張収縮し、第1線材220が弛緩伸長しているときには、可動子206は図12(a)において時計回りに回動する。このように、可動子206は第1線材220と第2線材222のうち、緊張収縮している側に回動する。
可動材用緩衝材262は、第1線材220や第2線材222から可動固定材252に伝えられた力によって可動固定材252を変位可能に支持する。可動材用緩衝材262は、可動固定材252の変位を妨げる方向に変位量に応じた力を発生する弾性体、たとえば、バネやゴムにて形成される。第3型アクチュエータ250においても、一時的に第1線材220と第2線材222の両方がオースティナイト相となってしまう期間が発生する可能性がある。このときには、可動固定材252は図12(a)の紙面向かって下向きの力を受けることになる。可動材用緩衝材262は、可動固定材252を変位可能に支持するため、このような力を吸収して、第1線材220や第2線材222に過度の荷重がかからないように処置する。可動材用緩衝材262も、可動固定材252の変位量に応じてその変位を妨げる方向に力を付与する弾性体、たとえば、バネやゴムにて形成される。
第2型アクチュエータ240や第3型アクチュエータ250は、小型の舵取り機構として応用可能である。たとえば、玩具や医療器具への応用が考えられる。
図13は、第4型アクチュエータの外観図である。
図13(a)は、第4型アクチュエータが非変形時の外観図である。図13(b)は、第4型アクチュエータの変形時の外観図である。図13(a)においては、第4型アクチュエータ260の上面と正面が並べて示されている。
第4型アクチュエータ260において第1線材220の一端は可動部256に接続され、他端は固定部254に接続されている。また、第2線材222の一端も可動部256に接続され、他端は固定部254に接続されている。変形材258は、ゴムにて形成され可動部256と固定部254と接続される。変形材258は、第1線材220や第2線材222の伸縮によって変形する。固定部254は所定位置に固定されている。
図13(b)に示すように、第1線材220が緊張収縮し、第2線材222が弛緩伸長しているときには、変形材258は図13(b)の紙面向かって左方向に傾く。固定部254は固定されているので、可動部256は左に移動する。逆に、第2線材222が緊張収縮し、第1線材220が弛緩伸長しているときには、変形材258は図13(a)の紙面向かって右方向に傾く。可動部256は右に移動する。このように、可動部256は第1線材220と第2線材222のうち、緊張収縮している側に移動する。第4型アクチュエータ260においても、一時的に第1線材220と第2線材222の両方がオースティナイト相となってしまう期間が発生する可能性がある。このような場合でも、変形材258が第1線材220と第2線材222の緊張収縮により発生する力を吸収できる。そのため、変形材258が第1線材220や第2線材222にかかる荷重を吸収するための緩衝部材として機能する。
図14は、第5型アクチュエータの外観図である。
第5型アクチュエータ270においては、第4型アクチュエータ260の変形材258の部分がバネによって形成されている。この場合の可動部256の動きは第4型アクチュエータ260と同様である。第5型アクチュエータ270においても、変形材258が第1線材220と第2線材222の緊張収縮により発生する力を吸収できる。
第4型アクチュエータ260や第5型アクチュエータ270は、小型の首振り機構として応用可能である。たとえば、玩具や医療器具への応用が考えられる。一例として、第4型アクチュエータ260や第5型アクチュエータ270は血管内に設置され、外部からの通電により血流の方向や量を制御するための微小弁として機能する。
このように、本実施例に示した各種アクチュエータによれば、2つの線材に対する通電制御により、可動子を変動、すなわち、変位や変形させることができる。また、線材にかかる負荷を緩和するために緩衝部材を設けることにより、線材を過度の荷重から保護できる。特に、第1線材220と第2線材222のいずれかを作用通電の対象とするかを高速に切り換える場合には、両方の線材が共にオースティナイト相となる可能性が高くなるので一層有効である。また、外部から線材に力がかかったときにも、緩衝部材がその力を変形により吸収できるので線材を保護する上で効果がある。
また、緩衝部材は、線材に対してバイアスとなるべき荷重をかけてもよい。たとえば、第1型アクチュエータ230において第1緩衝材210や第2緩衝材212は、第1線材220や第2線材222が非通電状態にあるときには可動子206が中央位置に保持されるように第1線材220や第2線材222に適度の荷重をかけてもよい。第2型アクチュエータ240、第3型アクチュエータ250の軸受緩衝材248や可動材用緩衝材262についても同様である。
第1型アクチュエータ230は、図10に示す構成のほかに形状記憶合金制御装置10を含んで構成されているともいえるが、これは、第2型アクチュエータ240、第3型アクチュエータ250、第4型アクチュエータ260および第5型アクチュエータ270についても同様である。
なお、請求項に記載の緩衝部材は、第1型アクチュエータ230においては第1緩衝材210と第2緩衝材212により実現される。また、第2型アクチュエータ240においては、軸受緩衝材248、第3型アクチュエータ250においては、可動固定材252と可動材用緩衝材262、第4型アクチュエータ260と第5型アクチュエータ270においては変形材258により実現される。また、第4型アクチュエータ260や第5型アクチュエータ270においては、請求項に記載の可動子は可動部256、固定部254および変形材258により一体的に実現されているともいえる。
以上、実施の形態をもとに本発明を説明した。なお本発明はこの実施の形態に限定されることなく、そのさまざまな変形例もまた、本発明の態様として有効である。
本実施例においては、バネやゴムなどの弾性体によって緩衝部材が形成される態様を示したが、緩衝部材は、少なくとも線材にかかる荷重を吸収する機構を有すればよい。たとえば、第1型アクチュエータ230においては、第1緩衝材210や第2緩衝材212は、少なくとも第1支持基材202や第2支持基材204を変位可能に支持する伸縮可能な機構を備えればよい。
形状記憶合金の温度−抵抗特性を示す模式図である。 形状記憶合金制御装置の原理を説明するための基本構成図である。 線材の通電制御のタイムチャートである。 線材の温度−制御値特性を示す模式図である。図4(a)は、補正前の制御値と温度の関係を示す模式図である。図4(b)は、補正後の制御値と温度の関係を示す模式図である。 電源電圧の変動に対応するタイプの形状記憶合金制御装置の構成図である。 通電制御装置の機能ブロック図である。 図6に示した状態検出部を詳細に示す機能ブロック図である。 図6に示した作用部を詳細に示す機能ブロック図である。 線材の通電制御する過程を示すフローチャートである。 第1型アクチュエータの外観図である。 第2型アクチュエータの外観図である。図11(a)は、第2型アクチュエータの正面図である。図11(b)は、第2型アクチュエータの側面図である。 第3型アクチュエータの外観図である。図12(a)は、第3型アクチュエータの正面図である。図12(b)は、第3型アクチュエータの側面図である。 第4型アクチュエータの外観図である。図13(a)は、第4型アクチュエータが非変形時の外観図である。図13(b)は、第4型アクチュエータの変形時の外観図である。 第5型アクチュエータの外観図である。
符号の説明
10 形状記憶合金制御装置、 100 通電制御装置、 110 状態検出部、 112 検出通電部、 114 線材電位検出部、 116 制御値取得部、 120 作用部、 122 時間特定部、 124 作用通電部、 126 リミット判定部、 128 リミット制御部、 129 補正値記憶部、 130 指示検出部、 140 制御部、 150 線材制御回路、 180 電源、 200 線材、 202 第1支持基材、 204 第2支持基材、 206 可動子、 208 回転軸、 210 第1緩衝材、 212 第2緩衝材、 220 第1線材、 222 第2線材、 230 第1型アクチュエータ、 232 共通端子、 234 第1端子、 236 第2端子、 240 第2型アクチュエータ、 242 軸支持基材、 246 固定基材、 248 軸受緩衝材、 250 第3型アクチュエータ、 252 可動固定材、 254 固定部、 256 可動部、 258 変形材、 260 第4型アクチュエータ、 262 可動材用緩衝材、 270 第5型アクチュエータ。

Claims (4)

  1. 温度変化により伸縮する形状記憶合金で形成された第1および第2の線材と、
    前記第1および第2の線材への通電を制御することにより前記第1および第2の線材の温度を変化させる通電制御装置と、
    前記第1および第2の線材の温度変化により発生するそれぞれの形状回復力の少なくともいずれかを加えられることにより変動し、前記第1の線材が緊張収縮しているときには第1の面にその形状回復力を加えられ、前記第2の線材が緊張収縮しているときには前記第1の面とは反対側の第2の面にその形状回復力を加えられ、前記第1または第2の面のいずれかの側に変位する可動子と、
    前記第1および第2の線材の少なくとも一方にかかる荷重を低減するための緩衝部材と、
    前記可動子の前記第1および第2の面にそれぞれ対向するように設けられた第1および第2の支持基材と、を備え、
    前記第1の線材は前記可動子の第1の面と前記第1の支持基材との間に伸縮方向が前記第1の面に対して略平行となるように掛け渡されるとともに、前記第2の線材は前記可動子の第2の面と前記第2の支持基材との間に伸縮方向が前記第2の面に対して略平行となるように掛け渡され、
    前記第1の支持基材における前記第1の線材との対向面、前記可動子における前記第1の線材との対向面、前記第2の支持基材における前記第2の線材との対向面および前記可動子における前記第2の線材との対向面にはそれぞれ突起が設けられ、
    これらの突起は、前記第1の線材が前記第1の支持基材の突起と当接する位置と前記可動子の突起と当接する位置が互い違いとなるように、また、前記第2の線材が前記第2の支持基材の突起と当接する位置と前記可動子の第2の面における突起と当接する位置が互い違いとなるように設けられており、
    前記可動子は、前記第1および第2の面に設けられた突起に対する前記第1および第2の線材からの作用力によって前記第1または第2の面のいずれかの側に変位することを特徴とするアクチュエータ。
  2. 前記通電制御装置は、前記第1および第2の線材のうちの一方を緊張収縮させるとき他方が弛緩伸長するように通電制御することを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
  3. 前記緩衝部材は、前記第1および第2の支持基材がそれぞれに設けられた突起に対する前記第1および第2の線材からの作用力によって変位可能となるように前記第1および第2の支持基材を支持することにより、前記第1および第2の線材の少なくとも一方にかかる荷重を吸収することを特徴とする請求項1または2に記載のアクチュエータ。
  4. 前記緩衝部材は、前記第1および第2の支持基材の少なくとも一方の変位量に応じてその変位を妨げる方向に力を付与することを特徴とする請求項に記載のアクチュエータ。
JP2005100926A 2005-03-31 2005-03-31 アクチュエータ Expired - Fee Related JP4659502B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005100926A JP4659502B2 (ja) 2005-03-31 2005-03-31 アクチュエータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005100926A JP4659502B2 (ja) 2005-03-31 2005-03-31 アクチュエータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006283575A JP2006283575A (ja) 2006-10-19
JP4659502B2 true JP4659502B2 (ja) 2011-03-30

Family

ID=37405767

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005100926A Expired - Fee Related JP4659502B2 (ja) 2005-03-31 2005-03-31 アクチュエータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4659502B2 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4798289B2 (ja) 2007-11-12 2011-10-19 コニカミノルタオプト株式会社 形状記憶合金駆動装置
EP2237093A1 (en) 2008-01-15 2010-10-06 Konica Minolta Opto, Inc. Driving device made of shape-memory alloy
WO2009090958A1 (ja) * 2008-01-15 2009-07-23 Konica Minolta Opto, Inc. アクチュエータ駆動制御装置及びレンズユニット駆動装置
CN102037241B (zh) * 2008-05-21 2013-05-01 柯尼卡美能达精密光学株式会社 位置控制装置、位置控制方法、驱动装置及摄像装置
JP4811536B2 (ja) * 2011-01-31 2011-11-09 コニカミノルタオプト株式会社 駆動ユニット、可動モジュールおよびオートフォーカス制御方法
JP5328950B2 (ja) * 2012-03-26 2013-10-30 キヤノン株式会社 アクチュエータデバイス
JP6046980B2 (ja) * 2012-10-30 2016-12-21 ミネベア株式会社 アクチュエータ
JP6213738B2 (ja) * 2014-10-10 2017-10-18 Smk株式会社 駆動装置及びその取付け構造
JP6156666B2 (ja) * 2016-05-19 2017-07-05 Smk株式会社 駆動装置
JP6853574B2 (ja) * 2017-06-16 2021-03-31 株式会社テージーケー アクチュエータ

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001003850A (ja) * 1999-06-18 2001-01-09 Toki Corporation Kk 形状記憶合金アクチュエータ

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001003850A (ja) * 1999-06-18 2001-01-09 Toki Corporation Kk 形状記憶合金アクチュエータ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006283575A (ja) 2006-10-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4659502B2 (ja) アクチュエータ
JP4553725B2 (ja) アクチュエータ
JP5548211B2 (ja) 形状記憶合金アクチュエータ装置の制御
JP5221672B2 (ja) 形状記憶合金作動構造の制御
JP5124920B2 (ja) 駆動装置
JP4736879B2 (ja) アクチュエータ駆動装置
JP6714858B2 (ja) アクチュエータ装置
JP4913096B2 (ja) 形状記憶合金アクチュエータシステム
JP4539784B2 (ja) 形状記憶合金駆動装置
US11025178B2 (en) Actuator device
JP2007315352A (ja) 長さ制御装置、長さ制御プログラム及びレンズ駆動装置
JP6152243B1 (ja) 形状記憶合金を利用したアクチュエータの駆動方法、駆動システムおよび電子機器
JP4916415B2 (ja) 形状記憶素子アクチュエータの制御装置及び制御方法
WO2016002102A1 (ja) 衝撃発生アクチュエータおよびタッチパネル
WO2016174741A1 (ja) 硬度可変アクチュエータ
JP5429939B2 (ja) 形状記憶合金アクチュエータシステム
KR20170100684A (ko) 충격발생 액추에이터, 터치패널 및 구동방법
JP5029260B2 (ja) 駆動装置
JP5115490B2 (ja) 形状記憶合金アクチュエータの駆動装置およびそれを用いる撮像装置
JP2009174360A (ja) 駆動機構および駆動装置
JP5067496B2 (ja) 駆動機構および駆動装置
JP6326194B2 (ja) 形状記憶合金を利用したアクチュエータの駆動システム、駆動方法および電子機器
JP6326193B2 (ja) 形状記憶合金を利用したアクチュエータの駆動システム、電子機器、パルス幅の決定方法および触覚フィードバックの調整方法
JP7235293B2 (ja) 制御装置及び触感付与装置
WO2012093567A1 (ja) 形状記憶合金アクチュエータ制御装置および光学部品駆動ユニット

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100907

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101108

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101130

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101227

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140107

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4659502

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees