JP5115490B2 - 形状記憶合金アクチュエータの駆動装置およびそれを用いる撮像装置 - Google Patents

形状記憶合金アクチュエータの駆動装置およびそれを用いる撮像装置 Download PDF

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Description

本発明は、カメラ付き携帯電話機等に搭載される比較的小型の撮像装置およびその撮像装置に好適に用いられ、撮像光学系を構成するレンズユニットをフォーカス調整やズーム調整等のために駆動する形状記憶合金アクチュエータを駆動するための装置およびそれを用いる撮像装置に関する。
近年、カメラ付き携帯電話機等に搭載される撮像素子の画素数が飛躍的に増大する等、高画質化が進んでいる。これに合わせて、撮像光学系を構成するレンズユニットの高性能化も求められている。具体的には、固定焦点式であったものがオートフォーカス式に、またズーム機能についても、デジタルズームに代えて、若しくは追加して、光学式ズームが要求されている。ここで、オートフォーカスや光学式ズームのいずれにおいても、レンズを光軸方向に移動させるアクチュエータが必要となる。
そこで、かかるアクチュエータとしては、形状記憶合金(以下、SMA(Shape Memory Alloy)という場合がある)を用いたものが知られている。これは、形状記憶合金を通電加熱する等して緊縮力を発生させ、該緊縮力をレンズ駆動力として用いるもので、一般に、小型化、軽量化が容易であり、しかも比較的大きな力量が得られるという利点がある。
そして、前記形状記憶合金をアクチュエータとして使用した場合、形状記憶合金の歪み率と抵抗値との間には相関関係があることが知られている。これを利用して、形状記憶合金を使用するアクチュエータでは、自身の抵抗値を検出することによって、変位センサレスで変位位置制御を行う方法がある。この方法は、低コスト化および小型化が可能である等の利点から、前記携帯電話機用マイクロカメラのオートフォーカスレンズ駆動等の用途への適用がされつつある。
しかしながら、前記形状記憶合金には、図9で示すように、歪み率と抵抗値とに非線形の関係があり、測定した抵抗値を基準に変位制御を行うと、アクチュエータの変位は非線形な動作となる。このような特性は、線形な(等間隔ステップの)変位制御が望まれるような用途では誤差要因となる使い難い特性である。このため、従来は、等間隔ステップで変位させることが必要な場合には、ステッピングモーターのようなアクチュエータが使用されてきた。
そこで、特許文献1には、データベースに形状記憶合金の温度、歪み、応力の関係を記述しておき、それらのうち、少なくとも2つの計測結果から制御量を求めるにあたって、以前の計測結果は履歴メモリに記憶しておき、そのデータベースと履歴メモリとのデータを用いて、前記制御量を求めることで、形状記憶合金の非線形域での使用を可能にする形状記憶合金アクチュエータ制御装置が提案されている。
特開平7−72927号公報
前記特許文献1の従来技術では、非線形性の補償が可能になり、ステッピングモーターのような等間隔のステップ幅での駆動を実現することができるものの、抵抗値を検出するセンサ以外に、依然として、歪みゲージ等の変位センサが必要になる。前記歪みゲージ等のセンサは、エンコーダなどに比べて、センサ自体は小型であるものの、合わせてA/Dコンバータなどが必要になり、やはりシステム全体での小型化には無理がある。
本発明の目的は、形状記憶合金の抵抗値−歪み(変位)特性を利用した変位センサレスの駆動装置において、簡易な構成で、等間隔のステップ幅で移動させることができる形状記憶合金アクチュエータの駆動装置およびそれを用いる撮像装置を提供することである。
本発明の形状記憶合金アクチュエータの駆動装置は、通電による発熱で変形する形状記憶合金と、前記変形によって変位駆動される可動部とを備えて構成される形状記憶合金アクチュエータを駆動するための装置において、前記形状記憶合金に前記通電を行う駆動回路と、前記可動部の変位位置を表すことができる前記形状記憶合金の抵抗値を検出する抵抗値検出部と、前記可動部の目標変位位置に対応した目標抵抗値を設定する目標抵抗値設定部と、前記抵抗値検出部による検出抵抗値が前記目標抵抗値に一致するように、前記駆動回路による前記形状記憶合金への通電電流値をフィードバック制御する制御部とを備え、前記目標抵抗値設定部は、前記可動部を予め定める単位量変位させるためのステップ移動指令に応答して、現在の目標抵抗値に、予め定める変化量を加算または減算して新たな目標抵抗値として出力する出力部と、前記ステップ移動指令に応答して、前記変化量を累積加算する累積加算部と、前記累積加算部による累積値が予め定める閾値を超えたか否かを判定する閾値判定部と、前記閾値判定部で閾値超えが判定されると、前記変化量を増加または減少して前記出力部に与える変化量設定部とを含むことを特徴とする。
上記の構成によれば、通電による発熱で変形する形状記憶合金に、前記変形によって変位駆動される可動部を備えて構成される形状記憶合金アクチュエータを駆動するにあたって、駆動回路が前記形状記憶合金に前記通電を行い、抵抗値検出部が前記形状記憶合金の抵抗値を検出する一方、目標抵抗値設定部が前記可動部の目標変位位置に対応した目標抵抗値を設定し、制御部が前記抵抗値検出部による検出抵抗値が前記目標抵抗値に一致するように、前記駆動回路による前記形状記憶合金への通電電流値をフィードバック制御することで、形状記憶合金の抵抗値−歪み(変位)特性を利用して、変位センサレスで前記可動部の位置制御を行うようにした駆動装置では、前記抵抗値と歪み(変位)との非線形性のために、ステッピングモーターのように等間隔のステップ幅で移動させることは困難である。
そこで本発明では、前記目標抵抗値設定部が設定する目標抵抗値を、前記形状記憶合金とは逆の非線形に変化させる。しかもその構成を、前記可動部を予め定める単位量(前記ステップ幅)変位させるためのステップ移動指令に応答して、現在の目標抵抗値に、予め定める変化量を加算または減算して新たな目標抵抗値として出力する出力部と、前記ステップ移動指令に応答して、前記変化量を累積加算する累積加算部と、前記累積加算部による累積値が予め定める閾値を超えたか否かを判定する閾値判定部と、前記閾値判定部で閾値超えが判定されると、前記変化量を増加または減少して前記出力部に与える変化量設定部とを備えて構成する。
したがって、低コスト化、小型化が可能な前記形状記憶合金の抵抗値−歪み(変位)特性を利用した変位センサレスの駆動装置において、前記抵抗値−歪み(変位)特性の非線形性の補正には、通常、補正関数による演算や補正テーブルによる換算が一般的であるのに対して、本発明では、簡易なアルゴリズムで比較的小規模な回路として実現することができる。このため、駆動ICの機能として実装することで、マイコン等の前記ステップ移動指令発生部からステップ移動指令を与えるだけで、等間隔のステップ幅で移動させることが可能となり、前記ステッピングモーターのような使い勝手を実現することができる。
また、本発明の形状記憶合金アクチュエータの駆動装置では、前記出力部はデジタル/アナログ変換器を備え、該出力部における前記目標抵抗値の演算、前記累積加算部における前記累積値の演算、前記閾値判定部における閾値比較および前記変化量設定部における前記変化量の増加または減少の演算を、デジタルの数値演算で行うことを特徴とする。
上記の構成によれば、前記目標抵抗値設定部における前記簡易なアルゴリズムを、簡易なデジタル(論理)回路およびソフトウェアで実現でき、バラツキや変動要素の少ない安定した制御が実現できる。
さらにまた、本発明の形状記憶合金アクチュエータの駆動装置は、前記閾値判定部における閾値記憶部を不揮発性の記憶部とすることを特徴とする。
上記の構成によれば、前記目標抵抗値設定部がデジタル(論理)回路およびソフトウェアで構成される場合に、前記閾値判定部における閾値記憶部を不揮発性の記憶部とすることで、工程調整などでアクチュエータに特性に合わせて、目標抵抗値の補正度合いを調節することができる。
したがって、アクチュエータの個体差による誤差を抑えて、より正確に等間隔ステップの制御が可能となる。
また、本発明の撮像装置は、前記の形状記憶合金アクチュエータの駆動装置を用いることを特徴とする。
上記の構成によれば、簡易な構成で、等間隔のステップ幅でのオートフォーカスを実現することができる。
本発明の形状記憶合金アクチュエータの駆動装置は、以上のように、通電による発熱で変形する形状記憶合金に、前記変形によって変位駆動される可動部を備えて構成される形状記憶合金アクチュエータを駆動するにあたって、駆動回路が前記形状記憶合金に前記通電を行い、抵抗値検出部が前記形状記憶合金の抵抗値を検出する一方、目標抵抗値設定部が前記可動部の目標変位位置に対応した目標抵抗値を設定し、制御部が前記抵抗値検出部による検出抵抗値が前記目標抵抗値に一致するように、前記駆動回路による前記形状記憶合金への通電電流値をフィードバック制御することで、低コスト化、小型化が可能な形状記憶合金の抵抗値−歪み(変位)特性を利用して、変位センサレスで前記可動部の位置制御を行うようにした駆動装置において、前記目標抵抗値設定部が設定する目標抵抗値を、前記形状記憶合金とは逆の非線形に変化させるようにし、しかもその構成を、前記可動部を予め定める単位量(前記ステップ幅)変位させるためのステップ移動指令に応答して、現在の目標抵抗値に、予め定める変化量を加算または減算して新たな目標抵抗値として出力する出力部と、前記ステップ移動指令に応答して、前記変化量を累積加算する累積加算部と、前記累積加算部による累積値が予め定める閾値を超えたか否かを判定する閾値判定部と、前記閾値判定部で閾値超えが判定されると、前記変化量を増加または減少して前記出力部に与える変化量設定部とを備えて構成する。
それゆえ、簡易なアルゴリズムで比較的小規模な回路として実現することができる。このため、駆動ICの機能として実装することで、マイコン等の前記ステップ移動指令発生部からステップ移動指令を与えるだけで、等間隔のステップ幅で移動させることが可能となり、ステッピングモーターのような使い勝手を実現することができる。
また、本発明の撮像装置は、以上のように、前記の形状記憶合金アクチュエータの駆動装置を用いる。
それゆえ、簡易な構成で、等間隔のステップ幅でのオートフォーカスを実現することができる。
本発明の実施の一形態に係る撮像装置におけるオートフォーカスレンズ駆動機構の正面図である。 図1の動作を説明するための側面図である。 SMAアクチュエータを駆動するための駆動装置である制御回路の電気的構成を示すブロック図である。 前記制御回路における目標抵抗値設定部の具体的構成を示すブロック図である。 本実施の形態によるSMAの目標抵抗値のステップ設定動作の様子を示すグラフである。 図5における抵抗値変化および歪み率(SMAの変位)変化をそれぞれ説明するためのグラフである。 従来のSMAの目標抵抗値のステップ設定動作の様子を示すグラフである。 図7における抵抗値変化および歪み率(SMAの変位)変化をそれぞれ説明するためのグラフである。 SMAの変位(歪み率)−抵抗値特性を示すグラフである。
図1は本発明の実施の一形態に係る撮像装置におけるオートフォーカスレンズ駆動機構1の正面図(レンズ開口面から見た図)であり、図2はその動作を説明するための側面図である。この駆動機構1は、レンズ2を、その軸線AX(前後)方向に変位させることで、フォーカス合せを行う。前記レンズ2は、レンズ駆動枠3に取付けられて、鏡筒4を構成している。前記鏡筒4の外周面において、前端には一対の突出部5が形成されており、その突出部5が形状記憶合金アクチュエータ11のアーム部12に引っ掛けられて、前記軸線AX(前後)方向に変位される。
前記鏡筒4はベース部6上に搭載され、前記レンズ駆動枠3の前後端が、一対のリンク部材7によって、前記ベース部6と、図示しない横面外壁を介して前記ベース部6と一体になっている上ベース8とに支持され、前記軸線AX(前後)方向に平行に変位可能となっている。前記レンズ駆動枠3の前端には、前カバー9との間にバイアスばね10が介在されている。
前記形状記憶合金アクチュエータ11は、可動部となる前記アーム部12、レバー13および支持脚14と、形状記憶合金(SMA)の線材から成るSMA15とを備えて構成される。前記アーム部12は、正面(レンズ開口)側から見て、略くの字状に形成されており、その両端に前記突出部5が引っ掛けられ、中央部がレバー13の一端に固着されている。前記レバー13の中央部は、支持脚14の支点14aによって揺動変位自在に支持されており、他端には、切欠き13aが形成され、その切欠き13aに前記SMA15が巻掛けられることで、前記鏡筒4の前記軸線AX(前後)方向の変位に対しても、前記SMA15のずれが防止されている。前記SMA15の両端は、前記ベース部6に立設された一対の電極16によって張架されている。
したがって、前記電極16間に通電されていない間は、SMA15は周囲に自然放熱して伸長し、マルテンサイト相(低温相)となって該SMA15の張力はバイアスばね10による応力より小さくなり、図2(a)で示すように、鏡筒4はベース部6に押付けられたホームポジション(遠方端)にあり、衝撃等に対応できるようになっている。これに対して、前記電極16間に、通電がパルスで行われ、そのデューティが高くなる(通電量が多くなる)程、SMA15はジュール熱を発して収縮し、該SMA15の張力が大きくなって、バイアスばね10の応力に抗して、図2(b)で示すように、レバー13が矢符18方向に揺動し、アーム部12および突出部5を介して、鏡筒4は、矢符19の前カバー9方向に押出されてゆき、前記SMA15はオーステナイト相(高温相)となって、移動端(近接端)に到達する。
図3は、前記SMAアクチュエータ11を駆動するための駆動装置である制御回路21の電気的構成を示すブロック図である。この制御回路21は、前記SMA15の伸縮に関するパラメータ、すなわち鏡筒4の位置を検出するパラメータとして、SMA15の抵抗値を用いる。このため、前記SMA15の電極16間の抵抗値が抵抗値検出部22で検出され、その検出結果と、目標抵抗値設定部24から与えられる目標抵抗値とが比較部23で比較され、その比較結果に対応して、SMA15の駆動電流値が演算され、駆動制御演算部25に与えられる。駆動制御演算部25は、前記駆動電流値に対応したデューティの駆動信号を作成し、駆動素子26を介して前記SMA15への通電電流値をフィードバック制御する。前記比較部23は制御部を構成し、前記駆動制御演算部25および駆動素子26は駆動回路を構成する。
前記目標抵抗値設定部24には、フォーカス演算部27から、必要に応じてステップ動作指令および初期化指令が入力される。このフォーカス演算部27は、マイクロコンピュータなどで実現され、画像センサ28の出力から、コントラストが高くなってエッジが検出されると、フォーカス点と判定する。そのフォーカス点が判定されるように、オートフォーカス動作開始時点で前記目標抵抗値設定部24に初期化指令を与え、画像センサ28の出力に応答して、前記ステップ動作指令を与えてゆく。前記フォーカス演算部27から出力されるステップ動作指令は、前記鏡筒4を等間移動させてゆくものである。
前記駆動素子26からSMA15に流れる駆動電流は、定電流で、目標位置(前記駆動電流値)に応じて、デューティが変化される。このため、前記抵抗値検出部22は、ONデューティの期間の既知の定電流値と、SMA15の電極16間の電圧とから、前記抵抗値を求めることができる。或いは、駆動素子26がOFFして前記駆動電流が流れていないOFFデューティの期間に、該抵抗値検出部22自身が既知の探索電流を流し、それによるSMA15の電極16間の電圧から、前記抵抗値を求めることができる。
図4は、前記目標抵抗値設定部24の具体的構成を示すブロック図である。この目標抵抗値設定部24では、目標抵抗値の演算を、デジタル値の数値演算で行えるように構成されている。このため、目標抵抗値レジスタ31に保存される現在の目標抵抗値は、デジタル/アナログ変換器32を介して、アナログ値で前記比較部23へ出力される。前記フォーカス演算部27から前記初期化指令が入力されると、この目標抵抗値レジスタ31は、ステップ動作を開始する初期位置として、移動範囲の最大抵抗値に初期化され、これによってSMA15が放熱状態となり、鏡筒4がベース部6上の前記ホームポジション(遠方端)となる。
前記目標抵抗値レジスタ31の目標抵抗値は、前記フォーカス演算部27から前記ステップ動作指令が入力されると、減算器33によって、変化量レジスタ34から予め定める変化量Δが減算された値に更新される。すなわち、減算器33には入力IN+に目標抵抗値レジスタ31の値が入力されており、もう一方の入力IN−には変化量レジスタ34の値が入力されおり、減算器33の出力値は前記目標抵抗値レジスタ31に入力されており、該目標抵抗値レジスタ31がラッチすると、
(更新された目標抵抗値)←(現在の目標抵抗値)−(変化量Δ)
となる演算処理がなされることになる。
前記変化量レジスタ34の変化量Δも、前記フォーカス演算部27からの前記初期化指令によって、初期値(最小値)に設定される。一方、この変化量レジスタ34の変化量Δは、累積値加算部35において加算されてゆく。すなわち、この変化量レジスタ34の値は、累積加算部35のIN+に入力され、該変化量レジスタがラッチすると、
(更新された累積値)←(現在の累積値)+(変化量Δ)
となる累積演算処理がなされる。このため、該累積値加算部35の内部には、累積値保存用に図示しないレジスタが内蔵されており、前記フォーカス演算部27からの前記初期化指令によって、0から予め定める閾値までの範囲で定められた初期値に初期化される。
前記累積値加算部35の出力値は比較器36の入力IN+に入力され、この比較器36のもう一方の入力IN−には閾値レジスタ37の値が入力されている。比較器36はこれらを比較して、(累積値)>(閾値)となるときに出力信号をアサートする。比較器36の出力信号は、前記変化量レジスタ34のDEC入力信号として入力され、この信号はアサートされると変化量レジスタ34を1だけ減少させる機能をもつ。また、比較器36の出力信号は、イネーブル38に入力され、アサートされると、該イネーブル38のIN入力値をOUT出力値として出力することを許可する。なお、比較器36の出力信号がアサートされない場合には出力値は0となるものとする。したがって、比較器36の出力信号がアサートされている場合には、累積値加算部35においては
(更新された累積値)←(現在の累積値)+(変化量)−(閾値)
となる演算処理がなされることになる。
なお、前記閾値レジスタ37は基本的にステップ動作において変化せず、前記フォーカス演算部27からの前記初期化指令に対して、常に一定値として初期化される。
上述のように構成される目標抵抗値設定部24において、前記ステップ動作指令が入力されると、各レジスタのラッチ入力として与えられ、この指令信号がアサートされれば各レジスタに保存されている値が更新される。そして、比較器36において、前記変化量Δの累積値が閾値を超えると、前記変化量レジスタ34の変化量Δが小さくなり、図5で示すように、目標抵抗値の変化量Δが、ステップ数が増えるにしたがって徐々に小さくなり、前記図9で示すような非線形特性を補正する効果をもたせられることが理解される。
すなわち、前記図5および図6に、本実施の形態によるステップ動作の様子を示し、図7および図8に、従来例のステップ動作の様子を示す。図5および図7は、横軸の抵抗値が左から右へ小さくなってゆき、この方向に、前記目標抵抗値を変化させた場合の歪み率(変位)の変化を示している。図5および図7では、抵抗値が19Ωから15.5Ω付近までをステップ1〜17の17段階で変化させており、その間に歪み率は0.5%から3%程度まで非線形に変化(増加)している。
図7の従来例では、図8(a)で示すように、抵抗値の変化量ΔRは、ステップ毎に0.2で一定である。したがって、歪み率は、図8(b)で示すように、ステップが増加するにつれて増加してゆく。このため、図7で示すように、最初のステップ1での歪み率の変化量Δ1と、最後のステップ17での歪み率の変化量Δ17とは、2倍以上異なっている。したがって、この従来例の場合では、前記レンズ2は、移動端(近接端)に近付く程、急速に近付くことになり、1ステップでの変位量が大きくなり、レンズ2の少しの移動でピントが大きくずれてしまい、該移動端(近接端)でのピント精度が粗くなる。
これに対して、本実施の形態では、図6(a)で示すように、抵抗値の変化量ΔRは、ステップが増加するにつれて、段階的に減少している。したがって、歪み率は、図6(b)で示すように、ステップ間で大きく変化せず、このため図5で示すように、最初のステップ1での歪み率の変化量Δ1’と、最後のステップ17での歪み率の変化量Δ17’とは、ほぼ等しくなっている。したがって、ピントのずれ易い移動端(近接端)付近でも、良好なピント精度を得ることができる。
なお、図6において、ステップ変位量の残留変動が見られる。この要因としては、後述するようなデジタル値として扱うことによる量子化誤差があるが、これはデジタル値の分解能を高くすること、つまり1LSBあたりの抵抗値を小さくすることにより、さらに改善が見込まれる。
具体的には、前記歪み率の変化量Δの最小単位を0.02Ωとして、これを1LSBとすると、目標抵抗値の初期値の19Ωは、950LSBとなるので、目標抵抗値レジスタ31、減算器33およびデジタル/アナログ変換器32は、1024階調の10bit構成とし、変化量レジスタ34、閾値レジスタ37、累積値加算部35および比較器36は、それらの内で値が最も大きい閾値レジスタ37の初期値が後述する0.04Ωであることから、5bitに選ばれる。なお、デジタル/アナログ変換器32の出力電圧に対して、DCオフセットを与えられるのであれば、目標抵抗値の19Ω総てのDC電圧をこのデジタル/アナログ変換器で発生させる必要はなく、変化幅の15Ωから19Ω分の4Ωに対応して、200LSBとなるから、8bitで構成することができる。
そして、フォーカス演算部27からの初期化指令に応答して、前述のように目標抵抗値レジスタ31の初期値を19Ω、変化量レジスタ34の初期値を0.3Ω、累積値加算部35の初期値を0.02Ωに設定し、閾値レジスタ37は0.4Ωの一定値、同様に変化量レジスタ34の減算幅(変化量Δの最小単位)も前記0.02Ωの一定値とする。ここで、図5に示すように、この動作例では歪み率0.5%から3.0%の間を17ステップで変位させている。したがって、初期変位に対応する歪み率は0.5%、ステップ当りの歪み率変化量は約0.15%になるようにすればよい。そこで、ステップ1付近で前記0.15%の歪み率変化量に相当する抵抗変化量は0.3Ωであるので、前記変化量レジスタ34の初期値には、この値を設定する。一方、累積値加算部35の初期値は、0〜閾値の範囲で任意であり、図5の例では前記0.2Ωに設定している。
これに対して、閾値レジスタ37の閾値は、図5のグラフの傾き変化を基に決定する。具体的には、ステップ1付近では、前記のとおり0.15%の歪み変化量に相当する抵抗値変化量は約0.3Ω、ステップ17付近では、前記0.15%の歪み変化量に相当する抵抗値変化量は約0.14Ωであるので、変化量Δの減算幅(前記最小単位)である0.02Ωで8回の減算が発生すればよい。また、歪み率が0.5%から3.0%の間の抵抗値変化量は約3.4Ωであるので、もし累積値を減算しなければ17回のステップの後の累積値は、累積値初期値を加えて3.6Ωである。これより、閾値を通過する毎に減算が行われ、合計8回減算されるように、閾値×8<3.6Ω<閾値×9の条件で閾値を設定すればよい。こうして、この例では、前記閾値を0.4としている。
したがって、図6(a)で示すように、最初のステップ1では、変化量レジスタ34による抵抗値の変化量Δは、初期値の約0.3Ωであるのに対して、累積値加算部35では、初期値の0.2Ωに、その変化量Δの0.3が加算されて0.5となる。これによって、比較器36での比較結果は、閾値を超えていると判断され、次のステップ動作指令がアサートされるステップ2では、変化量レジスタ34の変化量Δ(減算幅)が前記最小単位の0.02Ωだけ減少して、0.28Ωとなる。そのステップ2では、累積値加算部35では、前記変化量Δ=0.28の加算が行われるとともに、イネーブル38からの閾値0.4Ωの減算が行われ、累積値は0.38Ωとなる。したがって、次のステップ3でも、変化量Δ=0.28の減算が行われるとともに、累積値は0.38Ωに0.28Ωを加えた0.66Ωとなり、閾値の0.4を超え、次のステップ4では、さらに0.02だけ減少したΔ=0.26の減算が行われることになる。こうして、ステップ当りの変位量を一定にすることが可能になる。
このように構成することで、SMA15の抵抗値−歪み(変位)特性を利用して、変位センサレスでアクチュエータ11の位置制御を行うようにした低コスト化、小型化が可能な駆動装置21において、前記SMA15が有する抵抗値と歪み(変位)との非線形性に対して、目標抵抗値設定部24が設定する目標抵抗値を、前記SMA15とは逆の非線形に変化させるので、前記非線形性を補償することができる。しかもその目標抵抗値設定部24を、前記アクチュエータ11を予め定める単位量(前記ステップ幅)変位させるためのステップ移動指令に応答して、現在の目標抵抗値から所定の変化量Δを減算して新たな目標抵抗値として出力する目標抵抗値レジスタ31および減算器33と、前記ステップ移動指令に応答して、前記変化量Δを累積加算する累積加算部35と、前記累積加算部35による累積値が予め定める閾値を超えたか否かを判定する閾値レジスタ37および比較器36と、前記比較器36で閾値超えが判定されると、前記変化量を増加または減少して前記出力部に与える変化量レジスタ34とを備えて構成するので、簡易なアルゴリズムで比較的小規模な回路として実現することができる。このため、駆動ICの機能として実装することで、マイコン等の前記ステップ移動指令発生部からステップ移動指令を与えるだけで、等間隔のステップ幅で移動させることが可能となり、ステッピングモーターのような使い勝手を実現することができる。
また、出力段にデジタル/アナログ変換器32を備え、該目標抵抗値設定部24での演算をデジタルの数値演算で行うことで、前記のような簡易なアルゴリズムを、簡易なデジタル(論理)回路およびソフトウェアで実現でき、バラツキや変動要素の少ない安定した制御が実現できる。
上述の説明では、閾値レジスタ37の閾値は固定であるけれども、上述のように目標抵抗値設定部24がデジタル(論理)回路およびソフトウェアで構成される場合に、該閾値レジスタ37を不揮発性の記憶部として、任意に書き込めるようにしてもよい。これによって、工程調整などでアクチュエータ11に特性に合わせて、目標抵抗値の補正度合いを調節することができ、アクチュエータの個体差による誤差を抑えて、より正確に等間隔ステップの制御が可能となる。
また、本実施の形態の撮像装置におけるオートフォーカスレンズ駆動機構1は、前記の形状記憶合金アクチュエータ11の駆動装置21を用いることで、簡易な構成で、等間隔のステップ幅でのオートフォーカスを実現することができる。
1 駆動機構
2 レンズ
3 レンズ駆動枠
4 鏡筒
5 突出部
6 ベース部
7 リンク部材
8 上ベース
9 前カバー
10 バイアスばね
11 形状記憶合金アクチュエータ
12 アーム部
13 レバー
14 支持脚
15 形状記憶合金
16 電極
21 制御回路
22 抵抗値検出部
23 比較部
24 目標抵抗値定部
25 駆動制御演算部
26 駆動素子
27 フォーカス演算部
28 画像センサ
31 目標抵抗値レジスタ
32 デジタル/アナログ変換器
33 減算器
34 変化量レジスタ
35 累積値加算部
36 比較器
37 閾値レジスタ
38 イネーブル

Claims (4)

  1. 通電による発熱で変形する形状記憶合金と、前記変形によって変位駆動される可動部とを備えて構成される形状記憶合金アクチュエータを駆動するための装置において、
    前記形状記憶合金に前記通電を行う駆動回路と、
    前記可動部の変位位置を表すことができる前記形状記憶合金の抵抗値を検出する抵抗値検出部と、
    前記可動部の目標変位位置に対応した目標抵抗値を設定する目標抵抗値設定部と、
    前記抵抗値検出部による検出抵抗値が前記目標抵抗値に一致するように、前記駆動回路による前記形状記憶合金への通電電流値をフィードバック制御する制御部とを備え、
    前記目標抵抗値設定部は、
    前記可動部を予め定める単位量変位させるためのステップ移動指令に応答して、現在の目標抵抗値に、予め定める変化量を加算または減算して新たな目標抵抗値として出力する出力部と、
    前記ステップ移動指令に応答して、前記変化量を累積加算する累積加算部と、
    前記累積加算部による累積値が予め定める閾値を超えたか否かを判定する閾値判定部と、
    前記閾値判定部で閾値超えが判定されると、前記変化量を増加または減少して前記出力部に与える変化量設定部とを含むことを特徴とする形状記憶合金アクチュエータの駆動装置。
  2. 前記出力部はデジタル/アナログ変換器を備え、該出力部における前記目標抵抗値の演算、前記累積加算部における前記累積値の演算、前記閾値判定部における閾値比較および前記変化量設定部における前記変化量の増加または減少の演算を、デジタルの数値演算で行うことを特徴とする請求項1記載の形状記憶合金アクチュエータの駆動装置。
  3. 前記閾値判定部における閾値記憶部を不揮発性の記憶部とすることを特徴とする請求項2記載の形状記憶合金アクチュエータの駆動装置。
  4. 前記請求項1〜3のいずれか1項に記載の形状記憶合金アクチュエータの駆動装置を用いることを特徴とする撮像装置。
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