JP2009174360A - 駆動機構および駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】形状記憶合金(SMA)アクチュエータを適用した駆動機構および駆動装置において、被駆動体を安定的にしかも高速に位置制御を可能とし、また、高温環境下に長時間放置してもSMAや駆動機構の劣化を生じず、さらに、小型軽量化が可能であり、組み立ても容易となる駆動機構および駆動装置を提供する。
【解決手段】被駆動体1と、該被駆動体を固定部に対して支持する支持部材と、変位入力部2Aと変位出力部2Bと軸支部20を備え該変位出力部を前記被駆動体に係合して該被駆動体を第一軸方向に変位させる変位部材2と、前記変位入力部に変位力を付与するSMAアクチュエータ3とを有する駆動機構および駆動装置において、前記変位部材2の所定部位と前記固定部とが、粘弾性部材11(11A、11B、11C、11D)を介して接続される構成とした。
【選択図】図1
【解決手段】被駆動体1と、該被駆動体を固定部に対して支持する支持部材と、変位入力部2Aと変位出力部2Bと軸支部20を備え該変位出力部を前記被駆動体に係合して該被駆動体を第一軸方向に変位させる変位部材2と、前記変位入力部に変位力を付与するSMAアクチュエータ3とを有する駆動機構および駆動装置において、前記変位部材2の所定部位と前記固定部とが、粘弾性部材11(11A、11B、11C、11D)を介して接続される構成とした。
【選択図】図1
Description
本発明は、形状記憶合金アクチュエータを用いて小型の機械要素を駆動する駆動機構および駆動装置に関し、特に、撮像光学系を構成するレンズユニットを光軸方向に移動するのに好適な駆動機構および駆動装置に関する。
近年、カメラ付き携帯電話機等に搭載される撮像素子の画素数が増大する等、高画質化が飛躍的に進んでおり、これに伴い、画像撮影という基本機能に加えて、フォーカス機能やズーム機能等を付加することが求められている。
これらの機能を付加するには、レンズを光軸方向に移動させるレンズ駆動装置が必要であり、最近では、形状記憶合金(Shape Memory Alloy:SMAと称する)アクチュエータを用いたレンズ駆動装置の適用が種々検討されている。この装置は、SMAを通電加熱する等して収縮力を発生させ、該収縮力をレンズ駆動力として利用するもので、小型化、軽量化が容易で、且つ、比較的大きな駆動力を得ることができるという利点がある。
また、ワイヤ状のSMAを用いて全長の数%(例えば3〜5%)の長さ変動を利用したリニア駆動装置を構成することができる。さらに、このワイヤ状のSMAと変倍機構(例えばレバー機構)を組み合わせて変位量を拡大したリニア駆動装置を構成することができる。
SMAアクチュエータを適用したレンズ駆動機構としては、例えば、特許文献1〜3に開示された構造が知られている。これらはいずれもレバー機構によりSMAの動作方向を変更したり、動作量を拡大したりする機構である。
カメラ付き携帯電話機等に高性能なフォーカス機能やズーム機能等を付加する場合には、レンズの位置を制御し、所定の位置で停止させる必要がある。これらを実現するために、レンズの位置を検知する位置センサや、通電時のSMAの抵抗値から換算してレンズの位置を検知する方法を用いて、サーボ制御することが知られている。
しかしながら、このサーボ制御を高速で行うと、SMAを含む駆動機構が振動を発生して、目的の位置に安定した状態で停止するために長い時間を有する問題が生じる。また、駆動機構全体が発振してしまい、位置制御不能に陥るだけでなく、駆動機構自体が破損する問題が生じる。
さらに、ワイヤ状のSMAを用いた駆動機構においては、高温時に発生するSMA応力による駆動機構の劣化という問題が生じる。これは、SMA駆動機構特有の現象であるが、高温時においてSMAはそれ自身が変態を始めることにより応力が発生する。そのため、高温状態で長時間放置されると、SMAによって発生した応力を長時間受ける駆動機構が劣化する。特に、駆動機構がプラスチック等の樹脂材料で構成されている場合に顕著である。
また、低摩擦で直進移動を可能とするガイド機構として、一対の向かい合わせの平行板ばねからなる平行リンク機構が知られている。そのために、平行板ばね機構とSMAを用いてレンズなどを移動するアクチュエータ装置(駆動装置)が既に公開されている(例えば、特許文献4参照)。
特開2007−58075号公報
特開2007−58076号公報
特開2007−60530号公報
特開2002−130114号公報
SMAに所定以上の応力が作用するとSMAは伸びる。この際に、伸び量が少量であれば、SMAに通電することで復元するが、所定以上の伸び量であれば、永久歪みとして復元しない。このように永久歪みが発生したSMAは、駆動するために所定以上の電流を流す必要が生じ、最大電流を流しても駆動機構を所望範囲駆動ができないという問題を生じる。
一対の平行板ばねからなる平行リンク機構を用いて、被駆動体を挟持する方法では、被駆動体の直進移動を低摩擦状態で行うことができる。しかし、低摩擦状態では、平行板ばねやバイアススプリングなどのばね力によって生じる共振現象を抑制することは困難である。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、形状記憶合金(SMA)アクチュエータを適用した駆動機構および駆動装置において、被駆動体を安定的にしかも高速に位置制御を可能とし、また、高温環境下に長時間放置してもSMAや機器の劣化を生じず、さらに、小型軽量化が可能であり、組み立ても容易となる駆動機構および駆動装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、固定部と、被駆動体と、該被駆動体を前記固定部に対して第一軸方向に移動可能に支持する支持部材と、形状記憶合金アクチュエータと、該形状記憶合金アクチュエータの駆動力を前記被駆動体に伝達する変位部材と、を備え、前記変位部材の所定部位と前記固定部とが、粘弾性部材を介して接続されている駆動機構としたことを特徴としている。
上記の構成であれば、変位部材の所定の部位を粘弾性部材を介して固定部に接続しているので、変位部材が変位駆動される際には粘弾性部材を変形しながら変位することになり、変位部材が受ける駆動力を分散すると共に、駆動力が付加された際に生じる振動エネルギを吸収することができる。そのために、高温環境下に長時間放置された際に生じる形状記憶合金アクチュエータの応力を緩和して、形状記憶合金アクチュエータや機器(特に樹脂製品)の劣化を抑制し機器の破損を防止することができる。また、形状記憶合金アクチュエータを介して被駆動体を駆動する際に生じる共振の発生を効果的に抑制して、被駆動体の位置制御を高速に、また安定的に行う駆動機構を得ることができる。
また本発明は上記構成の駆動機構において、前記変位部材は、前記形状記憶合金アクチュエータの駆動力を入力する変位入力部と、前記被駆動体に係合して前記駆動力を伝達する変位出力部と、軸支部とを備え、前記変位入力部、前記変位出力部、前記軸支部のうちの少なくとも一箇所と前記固定部とが、粘弾性部材を介して接続されていることを特徴としている。この構成であれば、所望される粘弾性効果を発揮するよう任意の箇所を選択し、もしくは組み合わせることで、種々のタイプの駆動装置に適応した駆動機構を構成可能となる。
また本発明は上記構成の駆動機構において、前記変位部材は、前記固定部に設ける開口部または凹部に伸びる延伸アームを有し、前記開口部または前記凹部と、前記延伸アームとが、粘弾性部材を介して接続されていることを特徴としている。この構成であれば、別に設ける延伸アームに粘弾性部材を装着することで、所定アーム長さの位置に粘弾性部材を介装可能となり、所謂てこの原理を利用して効果的な粘弾性効果を発揮することができる。
また本発明は上記構成の駆動機構において、前記固定部が貫通孔部を有し、前記被駆動体を、前記貫通孔部と所定の間隙をもって第一軸方向に移動可能に支持する支持部材を備え、前記形状記憶合金アクチュエータは形状記憶合金ワイヤであって、前記変位部材は、前記形状記憶合金ワイヤを懸架する変位入力部と、軸支部と、該軸支部を中心に回転することで前記被駆動体に変位を与える変位出力部と、を備えるレバー部材であり、前記固定部と、前記レバー部材の前記変位入力部、前記軸支部または前記変位出力部の少なくとも一箇所とが、粘弾性部材を介して接続されていることを特徴としている。この構成であれば、高温環境下で形状記憶合金ワイヤが短縮しようとしても、レバー部材の所定の部位に介装されている粘弾性部材により、レバー部材の変位が抑制され振動を抑制すると共に周囲の樹脂製部品のクリープ現象を防止することができる。そのため、機器の共振や劣化を防止可能な駆動機構となる。
また本発明は上記構成の駆動機構において、前記粘弾性部材は、粘弾性樹脂もしくは弾性接着剤であることを特徴としている。この構成であれば、機器組み立て後に、所定の部位に粘弾性樹脂もしくは弾性接着剤を付着することで所望の粘弾性効果を発揮するので組み立てが容易となる駆動機構を得ることができる。
また本発明は、貫通孔部を有するベース部材を備える固定部と、前記ベース部材に装着する支持部材を介して前記貫通孔部内をその軸線方向に往復移動自在に支持される被駆動体を備え、前記ベース部材に装着する形状記憶合金ワイヤを介して前記移動の駆動力を得る駆動装置において、前記形状記憶合金ワイヤの変位量を拡大するレバー部材を介して前記被駆動体を移動すると共に、前記レバー部材を、前記被駆動体の軸線を挟む両外側に設ける係合突部に係合して前記被駆動体をその軸線方向に移動させる駆動アームと、該駆動アームを揺動自在に支持する軸支部と、該軸支部から垂下して前記駆動アームと屈曲して設けられる延設アームと、を有する構成とし、前記軸支部を支持する支持脚を前記ベース部材に設け、前記延設アームの先端側に設ける懸架部に懸架する前記形状記憶合金ワイヤの収縮により前記延設アームを介して前記駆動アームを揺動する構成とし、前記駆動アーム、前記軸支部、前記延設アームの少なくとも一箇所が、粘弾性部材を介して前記固定部に接続されていることを特徴としている。
上記の構成であれば、外力が作用して被駆動体が移動しようとしても、その振動エネルギを粘弾性部材が吸収して機器の振動を抑制することができ、高温環境下に長時間放置された際に生じる形状記憶合金ワイヤの応力を緩和して、形状記憶合金ワイヤや機器(特に樹脂製品)の劣化を抑制し機器の破損を防止することができる。また、形状記憶合金ワイヤを介して被駆動体を移動する際に生じる共振の発生を効果的に抑制可能な駆動装置を得ることができる。
また本発明は上記の構成の駆動装置において、前記レバー部材は、前記固定部に設ける開口部または凹部に伸びる延伸アームを有し、前記開口部または前記凹部と、前記延伸アームとが、粘弾性部材を介して接続されていることを特徴としている。この構成であれば、別に設ける延伸アームに粘弾性部材を装着することで、所定アーム長さの位置に粘弾性部材を介装可能となり、所謂てこの原理を利用して効果的な粘弾性効果を発揮することができる。
また本発明は上記の構成の駆動装置において、前記形状記憶合金ワイヤを、前記懸架部を巻回部として前記被駆動体の外側を挟むようにL字状もしくはU字状に掛け渡して装着することを特徴としている。この構成であれば、駆動源として使用する形状記憶合金ワイヤの長さを長くすることができる。また、L字状もしくはU字状に配設する形状記憶合金ワイヤによって、レバー部材を確実に、またバランスよく駆動することができる。
また本発明は上記の構成の駆動装置において、前記被駆動体がレンズ鏡胴であり、前記軸線が光軸であって、前記ベース部材が前記光軸と直交する方向の断面が矩形であり、前記ベース部材の中央部に前記レンズ鏡胴が挿通自在な円形の貫通孔部が形成されており、前記矩形の一隅に前記支持脚を設け、前記一隅に隣接した1隅または2隅に前記形状記憶合金ワイヤの電極固定部を設けたことを特徴としている。この構成であれば、小型のレンズユニットにも搭載可能な駆動装置となって、高温環境下であってもSMAや駆動機構の劣化を生じず、レンズの光軸方向の直進移動を保障して振動を抑制することができるので、携帯電話等にも搭載可能なレンズの駆動装置となる。
また本発明は上記の構成の駆動装置において、前記粘弾性部材が、粘弾性樹脂もしくは弾性接着剤であることを特徴としている。この構成であれば、装置組み立て後に、被駆動体周囲の空隙部に粘弾性樹脂もしくは弾性接着剤を付着することで所望の粘弾性効果を発揮するので組み立てが容易となる駆動装置を得ることができる。
本発明によれば、SMAアクチュエータを適用した駆動機構および駆動装置において、SMAアクチュエータから駆動力を受けて被駆動体を変位させる変位部材の所定部位を、粘弾性部材を介して固定部と接続する構成とすることで、高温環境下に長時間放置された際に生じるSMAアクチュエータの応力を緩和して、SMAアクチュエータや機器(特に樹脂製品)の劣化を抑制し機器の破損を防止することができる。また、SMAアクチュエータを介して被駆動体を駆動する際に生じる共振の発生を効果的に抑制して、被駆動体の位置制御を高速に、また安定的に行うと共に、小型軽量化が可能であり、組み立ても容易となる駆動機構および駆動装置を得ることができる。
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る駆動装置の側面図を示し、(a)は第一実施形態の側面図であり、(b)は第二実施形態の側面図であり、(c)は第三実施形態の側面図である。図2は、本発明に係る駆動装置の第四実施形態の側面図である。図3は、高温環境下での現象を説明する概略説明図であり、(a)は粘弾性部材を備えていない従来例の応力発生状態を示し、(b)は応力を長時間継続した際の状態を示し、(c)は粘弾性部材を備える第一実施形態の駆動装置の応力発生状態を示す。図4に、粘弾性部材が介装されていない駆動装置を示し、(a)に平面図を、(b)に駆動力が作用していない時の側面図を、(c)に駆動力が作用した時の側面図を示す。また、同一構成部材については同一の符号を用い、詳細な説明は適宜省略する。
先ず、粘弾性部材が介装されていない駆動装置B1について図4より説明する。この駆動装置B1は、図4(a)(b)に示すように、主に、被駆動体1(例えばレンズ10を備えるレンズユニット)、該被駆動体1をその移動する軸線方向(第一軸方向:例えば光軸AX方向)に移動する変位部材2、該変位部材2が備える変位入力部に変位力を付与する形状記憶合金アクチュエータ(SMAアクチュエータ)3を備えており、これらをベース部材4に一体的に組み付けた構成とされている。
また、被駆動体1をベース部材4に対して弾性支持する支持部材として一対の平行板ばね6(6A、6B)と、所定方向に付勢するバイアスばね7を用いる構成としている。例えば、被駆動体1の一端部をベース部材4に装着する第一板ばね6Aで支持し、他端部を天板5に装着する第二板ばね6Bで支持し、変位部材2が移動させる方向とは逆方向に付勢するバイアスばね7を、前記他端部とカバー部材N間に配設する。図4(a)の平面図では、便宜上天板5と平行板ばね6およびバイアスばね7は省略している。
ベース部材4は、当該駆動装置の取り付け対象となる部材(例えば、携帯電話機のフレームやマウント基板等)に固定されるものであり、例えばレンズ駆動装置の底辺を構成する不動の部材である。このベース部材4は、例えば、平面視正方形の板状に形成され、全体が樹脂材料等により構成されている。
被駆動体1がレンズユニットであれば、撮影レンズと該レンズを保持するレンズ駆動枠と該レンズ駆動枠を収納する鏡筒を備えており、撮影レンズをその光軸AX方向の最適な合焦位置に移動させる結像光学系を構成している。また、被駆動体1の移動側(対物側)先端の外周縁部の相対向する二箇所に、周方向に180°の角度差を有して、変位部材2の駆動アームと係合する一対の係合突部16が突設されている。
被駆動体1は、天板5に形成される開口部分に挿入された状態で、ベース部材4上に配置されている。詳しくは、一対の前記係合突部16が、丁度ベース部材4の一対の対角の近傍に位置するように配置されている。ベース部材4および天板5には、それぞれ平行板ばね6(第一板ばね6Aと第二板ばね6B)が固定されており、これら平行板ばねにレンズユニットである被駆動体1が固定されている。
これによって、被駆動体1がベース部材4等に対して変位可能に支持されると共に、その変位自由度が、光軸AXに沿った方向に規制される。つまり、被駆動体1は支持部材を介して、固定部と所定の間隙をもって第一軸方向に移動可能に支持されている。なお、天板5は、前記ベース部材4に対して図外の支柱等を介して固定してもよく、ベース部材4と一体構造としてもよく、ベース部材と同様に固定された部材である。
変位部材2は、SMAアクチュエータの駆動力を被駆動体1に伝達する部材であり、前記SMAアクチュエータを懸架する変位入力部と、前記駆動力を伝達する変位出力部とを備えており、揺動中心となる軸支部と、前記被駆動体1の両側を包囲するアーム形状であって前記係合突部16に係合して被駆動体1の光軸AX方向の駆動力を付与するアーム部(駆動アーム)を備えるレバー部材とされている。そのために、これ以降、変位部材2をレバー部材2として説明する。
レバー部材2は、被駆動体1の側方、具体的には、ベース部材4の角部であって、被駆動体1の前記係合部16が位置する角部以外の一つの角部に設置されている。このレバー部材2は、図4(b)に示すように、被駆動体1に駆動力を付与するアーム部として、光軸AXと直交する方向に位置する駆動アーム21を備えている。また、この駆動アーム21の基端部分から光軸AX方向に延びる延設アーム22を備えて、側面視逆L字型の形状をしており、この基端部に設けられる屈曲部に軸支部20が形成され、ベース部材4に立設された支持脚8に揺動自在に装着されている。さらに、軸支部20から離れた延設アーム22の先端部にSMAアクチュエータとして形状記憶合金ワイヤ3が懸架される懸架部23が形成されている。
そのために、前記形状記憶合金ワイヤ3が通電され収縮すると、懸架部23が光軸AXに近づく方向に付勢され、レバー部材2が前記軸支部20を中心として揺動し、駆動アーム21が係合突部16を光軸AX方向に押し上げることになる。つまり、この懸架部23が変位入力部2Aとなり、前記駆動アーム21の前記係合突部16との当接部が変位出力部2Bとなり、係合突部16が駆動力入力部となる。
駆動アーム21は、例えば図4(a)に示すように、環状の被駆動体1の外周に沿うように、平面視で円弧状に形成されている。また、相対向して設けられる係合突部16まで延設され、全体として被駆動体1の片側半分を包囲するように形成されている。
形状記憶合金ワイヤ3は、レバー部材2に前記駆動力を付与するもので、例えば、Ni−Ti合金等の形状記憶合金(SMA)ワイヤからなる線状アクチュエータである。この形状記憶合金ワイヤ3は、低温で弾性係数が低い状態(マルテンサイト相)において、所定の張力を付加されることで伸長し、この伸長状態において熱が与えられると相変態して弾性係数が高い状態(オーステナイト相:母相)に移行し、伸長状態から元の長さに戻る(形状回復する)という性質を有している。
本実施形態では、形状記憶合金ワイヤ3を通電加熱することで、上述の相変態を行わせている。これは、形状記憶合金ワイヤ3は所定の抵抗値を有する導体であることから、当該形状記憶合金ワイヤ3自身に通電することでジュール熱を発生させ、該ジュール熱に基づく自己発熱によりマルテンサイト相からオーステナイト相へ変態させる構成とされている。このため、形状記憶合金ワイヤ3の両端には、通電加熱用の第一電極30Aおよび第二電極30Bが固着されている。これら電極30A、30Bは、ベース部材4に設けられる所定の電極固定部に固定されている。
前記懸架部23を巻回部として前記被駆動体の外側を挟むようにL字状もしくはU字状に掛け渡して、レバー部材2の延設アーム22に対して「く」字状に折り返すように懸架している形状記憶合金ワイヤ3に、前記電極30A、30Bを介して通電すると、加熱されて収縮し、レバー部材2を揺動する。
尚、電極30A、30Bは、ベース部材4上の、被駆動体1の係合突部16の近傍にそれぞれ配置されている。また、それぞれの折り返し部から電極部までの形状記憶合金ワイヤ3の長さを略等しい長さとしておくことで、変位入力部2Aとなる懸架部23両側の形状記憶合金ワイヤ3の伸縮量が等しくなって、形状記憶合金ワイヤ3とレバー部材2との擦れが防止される。また、前記懸架部23は、V溝状とされていて、このV溝状の懸架部23に形状記憶合金ワイヤ3を掛け渡すことで、レバー部材2に対して形状記憶合金ワイヤ3を安定的に懸架することができる。
バイアスばね7は、形状記憶合金ワイヤ3の作動(収縮)により前記変位出力部2Bが移動する向きとは逆向きに、被駆動体1を光軸AX方向に付勢するものである。このバイアスばね7は、被駆動体1の周縁サイズと略合致した径の圧縮コイルバネからなり、被駆動体1の頂面に一端側(例えば下端側)が当接している。なお、バイアスばね7の他端側(例えば上端側)は、例えば携帯電話機のハウジング内面等、不動部となるカバーNに当接している。
バイアスばね7の力量は、形状記憶合金ワイヤ3によってレバー部材2に付与される駆動力よりも弱いものとされ、これにより、形状記憶合金ワイヤ3が作動していないときは、被駆動体1がベース部材4側に向けて押圧される。一方、形状記憶合金ワイヤ3が作動するとバイアスばね7の付勢力に抗して被駆動体1が反対方向(対物側)に移動する。つまり、バイアスばね7は、形状記憶合金ワイヤ3に通電加熱が行われていない時に、被駆動体1をホームポジションに復帰させるバイアス荷重を与えるものである。
尚、形状記憶合金ワイヤ3は、作動していない状態では、被駆動体1(係合突部16)およびレバー部材2を介して作用するバイアスばね7の押圧力を受けて緊張するようにその線長が設定されている。つまり、その作動状態に拘らず、常に前記レバー部材2(駆動アーム21)を被駆動体1(係合突部16)に当接(圧接)させるようにその線長が設定されている。この構成により、形状記憶合金ワイヤ3の作動時には、その変位を速やかに伝えて当該レバー部材2を揺動させる構成となっている。
通電加熱が行われていない形状記憶合金ワイヤ3の停止(伸長)時には、バイアスばね7の押圧力により被駆動体1がベース部材4側に押圧されホームポジションに保持される(図4(b)参照)。一方、形状記憶合金ワイヤ3が作動(収縮)すると、この作動によりレバー部材2の変位入力部2Aに駆動力Fが付与されてレバー部材2が揺動し、この揺動により変位出力部2Bが光軸AX方向に移動する(図4(c)参照)。その結果、被駆動体1に対物側への駆動力が付与され、被駆動体1がバイアスばね7の押圧力に抗して移動する。また、この際に、形状記憶合金ワイヤ3への通電電流を制御して、前記駆動力Fの力量を調整し、レバー部材2を揺動する駆動力を加減して、被駆動体1の変位量を調整することができる。
形状記憶合金ワイヤ3への通電が停止(もしくは電圧が所定値まで低下)され、形状記憶合金ワイヤ3が冷却されてマルテンサイト相に復帰すると、前記駆動力Fが消失し、バイアスばね7の押圧力により、被駆動体1が光軸AX方向に沿ってホームポジションに復帰する。このように、形状記憶合金ワイヤ3への通電オン・オフによって、被駆動体1を光軸AX方向に沿って変位させることができ、通電電流を制御して、駆動力Fの力量を調整し被駆動体1の変位量を調整することができる。
上記のような構成の駆動機構および駆動装置であれば、形状記憶合金ワイヤ3の作動に応じて被駆動体1を、第一軸方向(光軸AX方向)に沿って良好に移動させることができる。
しかし、弾性を有する形状記憶合金ワイヤ3やバイアスばね7等を介装した駆動機構および駆動装置であるので、形状記憶合金ワイヤ3の収縮時や衝撃などの外力が付加された際に振動を生じる。その振動の様子について図5より説明する。
図5(a)には本発明に係る粘弾性部材を介装して制振効果を発揮した振動波形を示し、図5(b)に、粘弾性部材を介装していない従来のレンズユニット駆動装置を用いて駆動した際に生じる振動波形を示し、図5(c)に、従来のレンズユニット駆動装置においてさらに大きな振動を付加した際の振動波形を示している。
この図から明らかなように、弾性を有する形状記憶合金ワイヤ3とバイアスばね7を用いた駆動機構および駆動装置においては、レンズユニットの停止目標位置に対して、行き過ぎと戻り過ぎを繰り返しながら目標位置まで収束していく振動波形(図5(b)参照)となっている。またさらに振動が大きい場合には、図5(c)に示す振動波形のようになかなか収束せず、長い間振動する状態となる。この静定しない状態を一般的に発振といい、このような状態では形状記憶合金ワイヤ3に過大な応力が発生し続けることから、形状記憶合金ワイヤ3の劣化や断線を引き起こし、形状記憶合金を用いた駆動機構・駆動装置として重大な欠陥となる。
また、形状記憶合金ワイヤ3は通電されなくても、高温環境に曝されると、通電された時と同様な応答を示す。つまり、高温環境下においては、形状記憶合金の特徴として変態を開始し応力を発生する。この状態について図3より説明する。
図3(a)に示すように、高温環境下では、形状記憶合金ワイヤ3が変態を開始して応力F1が発生する。そのために、レバー部材2は回転駆動されようとし、この駆動力が軸支部20を介して支持脚8に応力F2として作用する。また、電極30Bには、応力F3が作用する。
ここで、ベース部材4や支持脚8や電極30Bの根元がプラスチック等の樹脂製であって、この応力付加状態が長時間継続すれば、樹脂製部材がクリープ現象を起こし、図3(b)に示す状態となる。つまり、形状記憶合金ワイヤ3が緩む方向に樹脂製品が変形し、結果として、形状記憶合金ワイヤ3に通電しても所定の駆動変位が得られなくなる問題を生じ、形状記憶合金を用いた駆動機構・駆動装置として大きな欠陥となる。
上記したこれらの欠陥を緩和するために、本発明では、変位部材(レバー部材2)の所定部位と固定部とを、粘弾性部材を介して接続する構成としたものである。例えば、図3(c)においては、形状記憶合金ワイヤ3が掛け渡される延設アーム22の懸架部23と、支持脚8との間隙に粘弾性部材11(11A)を介装した駆動装置A1を示している。
この構成であれば、前記駆動装置A1が高温環境下に長時間放置されて応力F1が発生しても、レバー部材2の延設アーム22が粘弾性部材11(11A)を変形し、図中に示すような反力F4が生じる。また、反力F4が生じるので、支持脚8の軸支部20付近に生じる応力は、前記した応力F2よりも小さな応力F5となる。つまり、支持脚8の先端側の軸支部20付近の位置に応力F5が作用し、より根元部の懸架部23付近に反力F4が作用することになる。
このように、粘弾性部材11(11A)を介装することで、支持脚8の根元から離れた高い位置に大きな応力F2が作用する状態から、支持脚8の根元付近から高い位置まで分散した応力状態とすることができ、強度の大きな根元部に力を分散すると共に高い位置での応力を小さくすることで、クリープ変形を抑制することが可能となる。
また、電極30Bが受ける応力も、反力F4の分小さな応力F6となり、この部分のクリープ変形も抑制することができる。
粘弾性部材11は、変位部材(レバー部材2)の所定部位と固定部とを接続する構成であればよいので、上述した延設アーム22の懸架部23付近以外に介装することも可能であり、その具体的な介装位置について図1を用いて説明する。
図1(a)には、上述した、形状記憶合金ワイヤ3が掛け渡される延設アーム22の懸架部23と、支持脚8との間隙に粘弾性部材11(11A)を介装した第一実施形態の駆動装置A1を示し、図1(b)に、軸支部20周囲に粘弾性部材11(11B)を介装した第二実施形態の駆動装置A2を示し、図1(c)に、変位力出力部2B付近に粘弾性部材11(11C)を介装した第三実施形態の駆動装置A3を示す。
変位出力部2B付近に粘弾性部材11(11C)を介装して固定部と接続するために、本実施の形態では、ベース部材4から係合突部16に向けて突出する立脚部41を設け、この立脚部41の先端と駆動アーム21とを、粘弾性部材11(11C)を介して接続する構成としている。
また、上記の粘弾性部材11A、11B、11Cを組み合わせて用いることも可能であり、所望される粘弾性効果を発揮するよう任意の箇所を選択して組み合わせることで、種々のタイプの駆動装置に適応可能となる。このように、前記変位入力部と前記変位出力部と前記軸支部のうちの少なくとも一箇所(つまり、レバー部材の力点、作用点、支点の少なくとも一箇所)と、固定部とを粘弾性部材を介して接続することで、粘弾性効果を発揮することができる。また、これらの部位を組み合わせた複数の部位と固定部とを粘弾性部材を介して接続することで、所望される粘弾性効果を発揮するよう任意の箇所を選択してもしくは組み合わせることができ、種々のタイプの駆動装置に適応した駆動機構を構成可能となる。
また、図2に示すように、レバー部材2にカバーNに設ける開口部N1や凹部に伸びる延伸アーム24を設けて、この延伸アーム24を粘弾性部材11(11D)を介して前記開口部N1と接続する第四実施形態の駆動装置A4とすることもできる。この構成であれば、別に設ける延伸アーム24に粘弾性部材を装着することで、所定アーム長さの位置に粘弾性部材を介装可能となり、所謂てこの原理を利用して効果的な粘弾性効果を発揮することができる。
このように、レバー部材(変位部材)の力点、支点、作用点のいずれかの近傍に加えて、固定部に設ける開口部や凹部に伸びる延伸アームを設け、該延伸アームを粘弾性部材を介して前記開口部や凹部に接続することでも、効果的な粘弾性効果を発揮することができる。
粘弾性部材は、粘性の度合い、弾性力によって様々な種類が存在する。効果的な制振効果や応力緩和効果を得るためには、最適な物性値を有する材料を選択する必要がある。しかしながら、これらの物性値を細かくコントロールすることは困難である。そのため、粘弾性部材を配置する位置を変更することで、効果の度合いを変更あるいは調整することが容易となる。
上記の駆動装置A1であれば、レバー部材の延設アーム22先端付近に粘弾性部材11(11A)を介装しているので、比較的変位量が大きく、粘弾性効果も比較的大きいと言える。また、駆動装置A2であれば、レバー部材の軸支部20付近に粘弾性部材11(11B)を介装しているので、力は比較的大きいが変位量が小さく、粘弾性効果も比較的小さいと言える。さらに、駆動装置A3の場合は、駆動アーム21の先端部付近に粘弾性部材11(11C)を介装しているので、変位量が大きく、粘弾性効果は大きいと言える。しかし、レバー部材が受ける抵抗力も大きくなるので、粘弾性部材を介装する位置や変位量の大小によって粘弾性効果や抵抗力が異なり、効果的な制振効果や応力緩和効果を得るためには、粘弾性部材の介装位置を適宜選択してやることが肝要となる。
上記したように、粘弾性部材11の介装する位置を、所望される制振効果の大きさによって選択し加減することができる。所望の制振効果が発揮される場合の振動波形を図5(a)に示す。この図から明らかなように、粘弾性部材11を介装することで振動エネルギを吸収して、被駆動体1を安定的にしかも高速に位置制御を可能となる。また、高温環境下に長時間放置しておいても、その応力を緩和すると共に速やかに制振するのでSMAの劣化や断線を生じない。
この粘弾性部材11としては、接着性があり、弾性を有し、柔らかい物質で振動を吸収する材料を用いることができ、例えば、シリコーンゲル等の粘弾性樹脂や、塗布後にゴム状弾性体となる弾性接着剤などを用いることができる。
また、粘弾性部材を介装した駆動装置の制振効果を見るために行った周波数応答特性試験の結果を図6に示す。この周波数応答特性とは、機器に入力される動作信号の周波数(速さ)に対して、機器がどのような振幅で動くかを示すものであり、機器の振動を評価する方法としてよく知られたものである。図6(a)は、粘弾性部材を介装していない従来例の駆動装置B1の周波数応答特性であり、図6(b)は、粘弾性部材を介装した本実施形態例の周波数応答特性を示す。
図から明らかなように、粘弾性部材11を介装していない駆動装置B1では、200Hz付近に大きな振幅が見られる。このように局所的に大きな振幅を示す箇所を共振と呼び、共振時の入力信号の周波数および振幅値で機器の振動の程度が推察される。共振の振幅が大きいほど機器の振動は大きく、共振の周波数が低いほど、制御時に振動が発生しやすくなる。したがって、この共振時の振幅をより小さく、より高周波にすることが制御時の機器の振動を小さくすることであり、振動を小さくすることができれば高速で制御可能となる。
つまり、粘弾性部材を介装していない駆動装置B1では共振部G1が発生している。しかし、図6(b)に示すように、粘弾性部材を効果的な所定部位に介装することで、共振応答が全くない応答G2を得ることができ、局所的に発生する大きな振幅を防止することができる。このように、レバー部材2(変位部材)の所定部位と固定部とを粘弾性部材11を介して接続することで、共振現象を防止することができる。また、この例であれば、図5(a)のような振動波形となり、短い応答時間で高速制御が可能なレンズ駆動装置を構成することができる。
また、本発明は、粘弾性部材を用いることから、従来例の機器の大きさを変えることなく実施可能であり、機器の小型化に貢献する。さらに、この粘弾性部材装着作業は、装置組み立て後の、レバー部材2と固定部との間の所定領域に粘弾性部材11を装着するだけでよいので、組み立て作業も容易となる駆動機構および駆動装置を得ることができる。
先に示した駆動装置A1、駆動装置A2、駆動装置A3、駆動装置A4は、レンズの光軸方向の直進移動を行う小型のレンズユニットを有する撮影装置に用いることができる。その際には、被駆動体1がレンズ鏡胴であり、軸心が光軸となる。また断面が円形のレンズ鏡胴を支持するベース部材4を、前記光軸と直交する方向の断面を矩形とする直方体ユニットとすることで、レンズ鏡胴の周囲の四隅を構成部品装着スペースとして利用可能となる。そのために、前記矩形の一隅に、レバー部材2を軸支し形状記憶合金ワイヤ3を巻回するための支持脚8を設けることが容易となり、この一隅に隣接する1隅または2隅に形状記憶合金ワイヤの電極固定部を設けることができる。例えば、前記一隅に隣接した2隅に前記形状記憶合金ワイヤ3の電極30A、30Bを設けることができる。この構成であれば、小型のレンズユニットにも搭載可能な駆動装置となって、レンズの光軸方向の直進移動を行うことが容易となり、携帯電話等にも搭載可能なレンズの駆動装置となる。
この際に、前述したように、変位するレバー部材2とベース部材4等の固定部とを粘弾性部材を介して接続して、粘弾性効果(制振効果、応力緩和効果)を発揮する構成としているので、レンズ鏡胴を光軸方向に共振することなく安定して直進移動させることが可能となる。
以上説明したように、本発明に係る駆動機構によれば、被駆動体を移動する変位部材(レバー部材)の所定部位が粘弾性部材を介して固定部と接続される構成としているので、高温環境下に長時間放置された際に生じるSMAアクチュエータの応力を緩和して、SMAアクチュエータや機器(特に樹脂製品)の劣化を抑制し機器の破損を防止することができる。また、被駆動体の往復移動時にその移動方向に生じる振動エネルギを粘弾性部材が吸収する機構構成となって、SMAアクチュエータを介して被駆動体を駆動する際に生じる共振の発生を効果的に抑制して、被駆動体の位置制御を高速に、また安定的に行うことができる。
さらに、SNAアクチュエータとして形状記憶合金ワイヤを用いると共に粘弾性部材を介装した本発明に係る駆動装置によれば、高温環境下に放置されても、機器の破損や形状記憶合金ワイヤの劣化を防止すると共に、被駆動体を安定的にしかも高速に位置制御可能とし、小型軽量化が可能で組み立て作業性のよい駆動装置を得ることができる。
上記したように本発明によれば、SMAアクチュエータを適用した駆動機構および駆動装置において、変位部材となるレバー部材の所定部位と装置固定部とを粘弾性部材を介して接続する簡単な構成で、高温環境下に長時間放置された際に生じるSMAアクチュエータの応力を緩和し、機器を構成する樹脂製品の変形や被駆動体の振動を抑制し、SMAの劣化を防止することができる。また、被駆動体を安定的にしかも高速に位置制御可能とすると共に、小型軽量化が可能であり、組み立ても容易となる駆動機構および駆動装置を得ることができる。そのために、レンズの光軸方向の直進移動を行う小型のレンズユニットを有する撮影装置に適用可能な駆動機構および駆動装置となる。
1 被駆動体
2 変位部材(レバー部材)
2A 変位入力部
2B 変位出力部
3 形状記憶合金ワイヤ(SMAアクチュエータ)
4 ベース部材
6 平行板ばね
6A 第一板ばね
6B 第二板ばね
7 バイアスばね
11(11A、11B、11C、11D) 粘弾性部材
20 軸支部
21 駆動アーム
22 延設アーム
23 懸架部
24 延伸アーム
AX 光軸(第一軸)
2 変位部材(レバー部材)
2A 変位入力部
2B 変位出力部
3 形状記憶合金ワイヤ(SMAアクチュエータ)
4 ベース部材
6 平行板ばね
6A 第一板ばね
6B 第二板ばね
7 バイアスばね
11(11A、11B、11C、11D) 粘弾性部材
20 軸支部
21 駆動アーム
22 延設アーム
23 懸架部
24 延伸アーム
AX 光軸(第一軸)
Claims (10)
- 固定部と、被駆動体と、該被駆動体を前記固定部に対して第一軸方向に移動可能に支持する支持部材と、形状記憶合金アクチュエータと、該形状記憶合金アクチュエータの駆動力を前記被駆動体に伝達する変位部材と、を備え、
前記変位部材の所定部位と前記固定部とが、粘弾性部材を介して接続されていることを特徴とする駆動機構。 - 前記変位部材は、前記形状記憶合金アクチュエータの駆動力を入力する変位入力部と、前記被駆動体に係合して前記駆動力を伝達する変位出力部と、軸支部とを備え、
前記変位入力部、前記変位出力部、前記軸支部のうちの少なくとも一箇所と前記固定部とが、粘弾性部材を介して接続されていることを特徴とする請求項1に記載の駆動機構。 - 前記変位部材は、前記固定部に設ける開口部または凹部に伸びる延伸アームを有し、前記開口部または前記凹部と、前記延伸アームとが、粘弾性部材を介して接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載の駆動機構。
- 前記固定部が貫通孔部を有し、
前記被駆動体を、前記貫通孔部と所定の間隙をもって第一軸方向に移動可能に支持する支持部材を備え、
前記形状記憶合金アクチュエータは形状記憶合金ワイヤであって、前記変位部材は、前記形状記憶合金ワイヤを懸架する変位入力部と、軸支部と、該軸支部を中心に回転することで前記被駆動体に変位を与える変位出力部と、を備えるレバー部材であり、
前記固定部と、前記レバー部材の前記変位入力部、前記軸支部または前記変位出力部の少なくとも一箇所とが、粘弾性部材を介して接続されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の駆動機構。 - 前記粘弾性部材は、粘弾性樹脂もしくは弾性接着剤であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の駆動機構。
- 貫通孔部を有するベース部材を備える固定部と、前記ベース部材に装着する支持部材を介して前記貫通孔部内をその軸線方向に往復移動自在に支持される被駆動体を備え、前記ベース部材に装着する形状記憶合金ワイヤを介して前記移動の駆動力を得る駆動装置において、
前記形状記憶合金ワイヤの変位量を拡大するレバー部材を介して前記被駆動体を移動すると共に、
前記レバー部材を、前記被駆動体の軸線を挟む両外側に設ける係合突部に係合して前記被駆動体をその軸線方向に移動させる駆動アームと、該駆動アームを揺動自在に支持する軸支部と、該軸支部から垂下して前記駆動アームと屈曲して設けられる延設アームと、を有する構成とし、
前記軸支部を支持する支持脚を前記ベース部材に設け、前記延設アームの先端側に設ける懸架部に懸架する前記形状記憶合金ワイヤの収縮により前記延設アームを介して前記駆動アームを揺動する構成とし、
前記駆動アーム、前記軸支部、前記延設アームの少なくとも一箇所が、粘弾性部材を介して前記固定部に接続されていることを特徴とする駆動装置。 - 前記レバー部材は、前記固定部に設ける開口部または凹部に伸びる延伸アームを有し、前記開口部または前記凹部と、前記延伸アームとが、粘弾性部材を介して接続されていることを特徴とする請求項6に記載の駆動装置。
- 前記形状記憶合金ワイヤを、前記懸架部を巻回部として前記被駆動体の外側を挟むようにL字状もしくはU字状に掛け渡して装着することを特徴とする請求項6または7に記載の駆動装置。
- 前記被駆動体がレンズ鏡胴であり、前記軸線が光軸であって、前記ベース部材が前記光軸と直交する方向の断面が矩形であり、前記ベース部材の中央部に前記レンズ鏡胴が挿通自在な円形の貫通孔部が形成されており、前記矩形の一隅に前記支持脚を設け、前記一隅に隣接した1隅または2隅に前記形状記憶合金ワイヤの電極固定部を設けたことを特徴とする請求項8に記載の駆動装置。
- 前記粘弾性部材が、粘弾性樹脂もしくは弾性接着剤であることを特徴とする請求項6から9のいずれかに記載の駆動装置。
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- 2008-01-23 JP JP2008012243A patent/JP2009174360A/ja active Pending
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