JP2001003850A - 形状記憶合金アクチュエータ - Google Patents

形状記憶合金アクチュエータ

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JP2001003850A JP11171936A JP17193699A JP2001003850A JP 2001003850 A JP2001003850 A JP 2001003850A JP 11171936 A JP11171936 A JP 11171936A JP 17193699 A JP17193699 A JP 17193699A JP 2001003850 A JP2001003850 A JP 2001003850A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 両方の形状記憶合金9,11が同時に形状回
復力を発生している状態になっても、両方の形状記憶合
金9,11が形状回復力を互いにそのまま作用させ合う
ことがないようにし、動作方向切替時の応答性を向上す
る。 【解決手段】 第一の形状記憶合金9が形状回復力を発
生すると、操作端部材6が第一の方向に動かされる一
方、第二の形状記憶合金11が形状回復力を発生する
と、操作端部材6が反対の第二の方向に動かされるよう
にするとともに、操作端部材6にばね25,26を連係
し、両方の形状記憶合金9,11が同時に形状回復力を
発生している状態になったときは、ばね25または26
が変形されることにより操作端部材6が第一または第二
の方向に動くようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、形状記憶合金を駆
動源とする形状記憶合金アクチュエータに係り、特に操
作端を互いに反対方向に動かす一対の形状記憶合金を備
えた差動型形状記憶合金アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】図1および2は、従来の差動型形状記憶
合金アクチュエータを示す。本体1には支持材2,3が
固定されており、これらの支持材2,3にはそれぞれピ
ン4,5が取り付けられている。前記本体1には、大略
T字状の操作端部材6の中心部に設けられた回転軸7が
回転可能に支持されている。前記操作端部材6の一端部
に設けられたピン8とピン4との間にはコイル状に巻か
れた第一の形状記憶合金9が介装される一方、操作端部
材6の他端部に設けられたピン10とピン5との間には
コイル状に巻かれた第二の形状記憶合金11が介装され
ている。前記第二の形状記憶合金11は図1に示される
短い形状を記憶している。前記第一の形状記憶合金9は
第二の形状記憶合金11と同様の短い形状を記憶してい
る。
【0003】この従来の差動型形状記憶合金アクチュエ
ータにおいては、第一の形状記憶合金9が冷却している
とき、第二の形状記憶合金11が加熱されると、図1の
ように、第二の形状記憶合金11は記憶している短い形
状に戻り、操作端部材6を図上時計方向に回転させると
ともに第一の形状記憶合金9をマクロ的に見て伸び変形
させる(参考までに述べると、この場合、真の意味で
は、第一の形状記憶合金9の各部は曲げおよびねじり変
形している)。また、逆に、第二の形状記憶合金11が
冷却しているとき、第一の形状記憶合金9が加熱される
と、第一の形状記憶合金9は記憶している短い形状に戻
り、操作端部材6を図上反時計方向に回転させるととも
に第二の形状記憶合金11をマクロ的に見て伸び変形さ
せる。これにより、図上左右対称の運動を行わせること
ができる。
【0004】図4および5は、従来の単安定型形状記憶
合金アクチュエータを示す。本体1には支持材2,3が
固定されており、これらの支持材2,3にはそれぞれピ
ン4,5が取り付けられている。前記本体1には、大略
T字状の操作端部材6の中心部に設けられた回転軸7が
回転可能に支持されている。前記操作端部材6の一端部
に設けられたピン8とピン4との間には、非形状記憶合
金材料により構成された引っ張りコイルばね12が介装
されており、このばね12は操作端部材6を図上反時計
方向に付勢している。前記操作端部材6の他端部に設け
られたピン10とピン5との間にはコイル状に巻かれた
形状記憶合金13が介装されており、この形状記憶合金
13は図5に示されるような短い形状を記憶している。
【0005】この従来の単安定型形状記憶合金アクチュ
エータにおいては、形状記憶合金13が冷却していると
きは、図4のように、ばねの力により操作端部材6が図
上反時計方向に回転されているとともに、形状記憶合金
13がマクロ的に見て伸び変形されている。他方、形状
記憶合金13が加熱されると、図5のように、該形状記
憶合金13はばね12に抗して記憶している短い形状に
戻り、操作端部材6を図上時計方向に回転させる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記図1および2の従
来の差動型形状記憶合金アクチュエータにおいては、動
作方向を切り替える際、それまで加熱されていた形状記
憶合金9または11が十分冷却しない(形状回復力を失
っていない)うちに、他方の形状記憶合金11または9
を加熱すると、両方の形状記憶合金9,11が互いに形
状回復力を反対方向に作用させ合って動かなくなってし
まう。形状記憶合金9,11の形状回復力は、低温状態
のひずみの与え方によっては降伏限界より大きくなるの
で、このように両方の形状記憶合金9,11が形状回復
力を作用させ合う状態になると、最悪の場合は、アクチ
ュエータを動かせないばかりでなく、形状記憶合金9,
11が破断したり、塑性変形し、アクチュエータが壊れ
てしまっていた。
【0007】このような事態を招かないようにするに
は、加熱温度を必要最小限にし、動作方向を切り替える
際は、それまで加熱されていた側の形状記憶合金9また
は11が十分に冷却するのを待ってから、他方の形状記
憶合金11または9を加熱するようにしなければならな
かった。図3は、このような事情を示す従来の差動型形
状記憶合金アクチュエータの動作のタイムチャートであ
る。第一の形状記憶合金9の冷却時間および第二の形状
記憶合金11の冷却時間の間は、アクチュエータを動か
せない無駄な時間となる。そして、形状記憶合金の冷却
速度はその熱容量に依存するので、加熱速度より相当遅
くなるのが普通であるため、前記無駄な時間は相当長く
なるから、アクチュエータの応答性が非常に悪くなる。
したがって、図1および2の従来の差動型形状記憶合金
アクチュエータは、実際上は、実用性は全くないと言わ
ざるを得なかった。
【0008】他方、前記図4および5の従来の単安定型
形状記憶合金アクチュエータにおいては、操作端部材6
を外部から拘束しない限り、加熱によって形状記憶合金
13に無理な力が加わることがないため、耐久性の高い
アクチュエータを得ることができる。しかし動作の安定
点は、常に非形状記憶合金材料のばね12に引かれてい
る側であり、左右対称の運動を得ることはできなかっ
た。
【0009】本発明は、このような従来の事情に鑑みて
なされたもので、本発明の1つの目的は、差動型形状記
憶合金アクチュエータにおいて、両方の形状記憶合金が
同時に形状回復力を発生している状態になっても、両方
の形状記憶合金が形状回復力を互いにそのまま作用させ
合うことがなく、動作方向の切替時に形状記憶合金の冷
却時間を特に設ける必要がなく、動作方向切替時の応答
性を向上させることができる形状記憶合金アクチュエー
タを提供することを目的とする。
【0010】本発明の他の目的は、以下の説明から明ら
かになろう。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による形状記憶合
金アクチュエータは、第一の方向およびこの第一の方向
と反対の第二の方向に動くことができる操作端部材と、
形状回復力を発生したとき、前記操作端部材を前記第一
の方向に動かすように前記操作端部材に連係された第一
の形状記憶合金と、形状回復力を発生したとき、前記操
作端部材を前記第二の方向に動かすように前記操作端部
材に連係された第二の形状記憶合金と、前記操作端部材
に連係されたばねとを有してなり、前記操作端部材と前
記ばねとは、前記第一の形状記憶合金が形状回復力を発
生していることにより前記操作端部材が所定の中立位置
より前記第一の方向に動かされている際に、前記第二の
形状記憶合金も形状回復力を発生したときは、前記ばね
が変形されることにより前記操作端部材が前記第二の方
向に動き、前記第二の形状記憶合金が形状回復力を発生
していることにより前記操作端部材が所定の中立位置よ
り前記第二の方向に動かされている際に、前記第一の形
状記憶合金も形状回復力を発生したときは、前記操作端
部材が前記ばねを変形させて前記第一の方向に動くよう
に連係されているものである。
【0012】本発明の形状記憶合金アクチュエータにお
いては、第一および第二の形状記憶合金が同時に形状回
復力を発生している状態になっても、ばねが変形される
ことにより操作端部材が第一または第二の方向に動くの
で、第一および第二の形状記憶合金が形状回復力を互い
にそのまま作用させ合うことはない。したがって、動作
方向の切替時にそれまで加熱されていた形状記憶合金の
冷却時間を特に設ける必要がなく、動作方向切替時の応
答性を向上させることができるとともに、制御も容易に
なる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例に基づいて
説明する。
【0014】
【実施例】図6〜9は本発明による形状記憶合金アクチ
ュエータの第一実施例を示しており、この実施例は、単
安定型形状記憶合金アクチュエータを2段積み重ねたよ
うな構成となっている。本体1には支持材14,15が
互いに間隔を置いて固定されており、これらの支持材1
4,15にはそれぞれピン16,17が取り付けられて
いる。前記本体1には、支持材14,15の上方におい
て、直線状の中間部材18の中央部に設けられた回転軸
19が回転可能に支持されている(なお、この実施例の
説明において、上下左右、時計方向および反時計方向と
は図6〜9上において言うものとする)。前記中間部材
18の両端部には、それぞれピン20,21が取り付け
られている。前記本体1には、中間部材18のさらに上
方において、大略T字状の操作端部材6の中心部に設け
られた回転軸22が回転可能に支持されている。前記操
作端部材6の左右両端部には、ピン23,24がそれぞ
れ取り付けられている。
【0015】前記ピン16とピン20との間にはコイル
状に巻かれた第一の形状記憶合金9が、ピン17とピン
21との間には非形状記憶合金材料により構成された引
っ張りコイルばねからなる第一のばね25が、ピン21
とピン24との間にはコイル状に巻かれた第二の形状記
憶合金11が、ピン20とピン23との間には非形状記
憶合金材料により構成された引っ張りコイルばねからな
る第二のばね26がそれぞれ介装されている。ここにお
いて、第一のばね25は中間部材18を時計方向(本実
施例における第二の方向)、第二のばね26は操作端部
材6を反時計方向(本実施例における第一の方向)に付
勢している。また、前記第一および第二の形状記憶合金
9,11はそれぞれ図8に示される短い形状を記憶して
いる。また、第二のばね26および第二の形状記憶合金
11が中間部材18と操作端部材6との間に介装されて
いることにより、第二の形状記憶合金11の状態が変化
しない限り、中間部材18が時計方向または反時計方向
に回転すると、操作端部材6は同方向に回転するように
なっている。
【0016】前記ピン16は操作スイッチ27の第一の
固定接点27aに電気的に接続されている。前記ピン2
0および21は電源28の一方の極に共通に電気的に接
続されている。前記ピン24は操作スイッチ27の第二
の固定接点27bに電気的に接続されている。前記操作
スイッチ27の可動接点27cは電源28の他方の極に
電気的に接続されている。
【0017】次に、本実施例の作動を説明する。図6
は、操作スイッチ27の可動接点27cが第一および第
二の固定接点27b,27cのいずれにも接触されてお
らず、第一および第二の形状記憶合金9,11がいずれ
も冷却している状態を示している。この場合、第一およ
び第二のばね25,26の力により第一および第二の形
状記憶合金9,11はそれぞれマクロ的に見て伸び変形
しており、中間部材18および操作端部材6はそれぞれ
中立位置(水平状態)にある。
【0018】次に、図7のように、操作スイッチ27の
可動接点27cを第一の固定接点27a側に切り替え、
電源28からピン16および20を介して第一の形状記
憶合金9に通電すると、ジュール熱により第一の形状記
憶合金9が所定温度範囲まで加熱され、該形状記憶合金
9が記憶している形状に戻って短くなるので、中間部材
18が反時計方向に回転されて左傾状態となり、それに
つれて操作端部材6も反時計方向に回転されて左傾状態
となる。
【0019】次に、図7の状態から、操作スイッチ27
の可動接点27cを直ちに第二の固定接点27b側に切
り替えることにより、図10のタイムチャートに示すよ
うに、第一の形状記憶合金9が冷却しないうちに、第二
の形状記憶合金11を加熱すると、まだ第一の形状記憶
合金9が収縮している状態のうちに、図8のように第二
の形状記憶合金11も第二のばね26を引き伸ばしなが
ら記憶している形状に戻って短くなるので、中間部材1
8は左傾状態に維持されたまま、操作端部材6は中立位
置へと時計方向に回転されて行く(なお、図10の破線
は、比較のために前記図3の従来の差動型アクチュエー
タのタイムチャートを併記したものである)。
【0020】また、その後、第一の形状記憶合金9が形
状回復力を失うにつれ、第一のばね25の力により第一
の形状記憶合金9はマクロ的に見て伸び変形するので、
図9のように中間部材18が中立位置へと時計方向に回
転され、それにつれて操作端部材6もさらに時計方向に
回転されて右傾状態となる。
【0021】逆に、このアクチュエータが図9の状態に
あるときから、第二の形状記憶合金11が冷却しないう
ちに第一の形状記憶合金9を加熱した場合は、このアク
チュエータは図8の状態を経て図7の状態となり、操作
端部材6は左傾状態となる。
【0022】このように、このアクチュエータにおいて
は、第一および第二の形状記憶合金9,11が同時に形
状回復力を発生している状態になっても、第一のばね2
5または第二のばね26が変形されることにより操作端
部材6が時計方向または反時計方向に回転されるように
なっているので、第一および第二の形状記憶合金9,1
1が形状回復力を互いにそのまま作用させ合うことはな
い。すなわち、本実施例では、両方の形状記憶合金9,
11は、いずれも第一のばね25または第二のばね26
ばねの力以上の力を作用されることはない。したがっ
て、第一および第二の形状記憶合金9,11のうちの一
方が冷却しないうちに他方を加熱することができるの
で、動作方向の切替時に無駄な時間がなく、動作方向切
替時の応答性を向上させることができる。また、両方の
形状記憶合金9,11がともに加熱状態になっていると
きに無理な外力が作用するという最悪の条件になって
も、第一および第二のばね25,26が力を逃すので、
アクチュエータの破壊が防止される。
【0023】なお、このアクチュエータが図7のように
操作端部材6が左傾状態にあるとき、第一の形状記憶合
金9に対する加熱を停止し、該形状記憶合金9を十分冷
却させてから第二の形状記憶合金11を加熱した場合に
は、アクチュエータは図6の状態を経て図9の状態にな
る。また、逆に、このアクチュエータが図9の状態にあ
るとき、第二の形状記憶合金11に対する加熱を停止
し、該形状記憶合金11を十分冷却させてから第一の形
状記憶合金9を加熱した場合には、アクチュエータは図
6の状態を経て図7の状態になる。
【0024】図11〜16は本発明のアクチュエータの
第二実施例を示しており、この実施例は、本質的には前
記図6〜9の第一実施例と同じ構成であるが、装置を小
型化するために、二つの単安定型アクチュエータを互い
に表裏をなすように重ね合わせた構成としたものであ
る。本体1には支持材29が固定されており、この支持
材29には直線状の中間部材18の中央部に設けられた
回転軸19が回転可能に支持されている。この中間部材
18の両端部には、それぞれ該中間部材18の表裏を貫
通するようにしてピン20,21が取り付けられてい
る。前記本体1には、支持材29の上方において支持材
30,31,32が固定されており、支持材30,32
間に配置された支持材31には大略T字状の操作端部材
6の中心部に設けられた回転軸22が回転可能に支持さ
れている(なお、この実施例の説明において、上下左
右、時計方向および反時計方向とは図11,14〜16
上において言うものとする)。前記操作端部材6の左右
両端部には、ピン23,24がそれぞれ取り付けられて
いる。
【0025】前記支持材32に取り付けられたピン33
(図13参照)とピン21との間にはコイル状に巻かれ
た第一の形状記憶合金9が、前記支持材30に取り付け
られたピン34とピン20との間には非形状記憶合金材
料により構成された引っ張りコイルばねからなる第一の
ばね25が、ピン21とピン24との間にはコイル状に
巻かれた第二の形状記憶合金11が、ピン20とピン2
3との間には非形状記憶合金材料により構成された引っ
張りコイルばねからなる第二のばね26がそれぞれ介装
されている。ここにおいて、前記第一実施例の場合同様
に、第一のばね25は中間部材18を時計方向(本実施
例における第二の方向)、第二のばね26は操作端部材
6を反時計方向(本実施例における第一の方向)に付勢
している。また、前記第一および第二の形状記憶合金
9,11はそれぞれ短い形状を記憶している。また、第
二のばね26および第二の形状記憶合金11が中間部材
18と操作端部材6との間に介装されていることによ
り、中間部材18が時計方向または反時計方向に回転す
ると、第二の形状記憶合金11の状態が変化しない限
り、操作端部材6は同方向に回転するようになってい
る。
【0026】次に、本実施例の作動を説明する。図16
は、第一および第二の形状記憶合金9,11がいずれも
冷却している状態を示している。この場合、第一のばね
25の力により第一の形状記憶合金9がマクロ的に見て
伸び変形を受けて、中間部材18は中立位置(図上、水
平状態)にあるとともに、第二のばね26の力により第
二の形状記憶合金11がマクロ的に見て伸び変形を受け
て、操作端部材6も中立位置(図上、水平状態)となっ
ている。
【0027】次に、第一の形状記憶合金9を加熱する
と、図11〜13のように、該形状記憶合金9が記憶し
ている形状に戻って短くなるので、図11に示されるよ
うに、第一のばね25を引き伸ばしながら中間部材18
が図上反時計方向に回転され、それにつれて操作端部材
6も図上反時計方向に回転される。これにより、中間部
材18および操作端部材6はそれぞれ左傾状態となる。
【0028】次に、図11の状態から、第一の形状記憶
合金9が冷却しないうちに第二の形状記憶合金11を加
熱すると、まだ第一の形状記憶合金9が収縮している状
態のうちに、図14のように、第二の形状記憶合金11
も第二のばね26を引き伸ばしながら記憶している形状
に戻って短くなるので、中間部材18は左傾状態に維持
されたまま、操作端部材6は中立位置へと時計方向に回
転されて行く。
【0029】また、その後、第一の形状記憶合金9が形
状回復力を失うにつれ、該形状記憶合金9は第一のばね
25の力によりマクロ的に見て伸び変形を受けるので、
図15のように、中間部材18が中立位置へと時計方向
に回転され、それにつれて操作端部材6もさらに時計方
向に回転して右傾状態となる。
【0030】逆に、このアクチュエータが図15の状態
にあるときから、第二の形状記憶合金11が冷却しない
うちに、第一の形状記憶合金9を加熱した場合は、この
アクチュエータは図14の状態を経て図11〜13の状
態となり、操作端部材6は左傾状態となる。
【0031】本実施例においても、第一および第二の形
状記憶合金9,11が同時に形状回復力を発生している
状態になっても、第一のばね25または第二のばね26
が変形されることにより操作端部材6が時計方向または
反時計方向に回転されるようになっているので、第一お
よび第二の形状記憶合金9,11が形状回復力を互いに
そのまま作用させ合うことはなく、両方の形状記憶合金
9,11はいずれも第一のばね25または第二のばね2
6ばねの力以上の力を作用されることはない。
【0032】なお、このアクチュエータが図11のよう
に操作端部材6が左傾状態にあるとき、第一の形状記憶
合金9に対する加熱を停止し、該形状記憶合金9を十分
冷却させてから第二の形状記憶合金11を加熱した場合
には、アクチュエータは図16の状態を経て図15のよ
うに操作端部材6が右傾状態となる状態になる。逆に、
このアクチュエータが図15の状態にあるとき、第二の
形状記憶合金11に対する加熱を停止し、該形状記憶合
金11を十分冷却させてから第一の形状記憶合金9を加
熱した場合には、アクチュエータは図16の状態を経て
図11の状態になる。
【0033】図17は本発明の第三実施例を示す。この
実施例において、本体1には支持材35が固定されてお
り、この支持材35にはピン36が取り付けられてい
る。中間部材18はプーリー状をなしており、その中心
部に回転軸19を設けられている。前記回転軸19は、
支持材35の上方において本体1に回転可能に支持され
ている(この実施例の説明において、上下左右、時計方
向および反時計方向とは図17上において言うものとす
る)。操作端部材6はプーリー部6aと、このプーリー
部6aに対してそれぞれ固定されたアーム部6bおよび
回転軸22とを有してなる。前記アーム部6bはプーリ
ー部6aの中心部から径方向に延びており、前記回転軸
22はプーリー部6aの中心部に設けられている。
【0034】前記本体1には線状または帯状の第一の形
状記憶合金9の下端部が取り付けられており、この形状
記憶合金9の上端部は中間部材18に取り付けられてい
る。前記形状記憶合金の上端部付近は中間部材18の外
周に巻き掛けられている。前記第一の形状記憶合金9
は、直線状で図17の状態により短い形状を記憶してい
る。前記ピン36と中間部材18の外周付近に設けられ
たピン37との間には、非形状記憶合金材料により構成
された引っ張りばねからなる第一のばね25が介装され
ており、このばね25は中間部材18を時計方向(本実
施例における第二の方向)に付勢することにより、第一
の形状記憶合金9を伸び変形を与えるように付勢してい
る。
【0035】前記中間部材18には、第一の形状記憶合
金9の取付位置と180度をなす位置において、線状ま
たは帯状の第二の形状記憶合金11の下端部が取り付け
られており、この形状記憶合金11の上端部は操作端部
材6のプーリー部6aに取り付けられている。前記第二
の形状記憶合金11の下端部付近は中間部材18の外周
に、上端部付近は操作端部材6のプーリー部6aの外周
にそれぞれ巻き掛けられている。前記第二の形状記憶合
金11は、直線状で比較的短い形状を記憶している。ピ
ン37と180度をなす位置において前記中間部材18
の外周付近に取り付けられたピン38と操作端部材6の
プーリー部6aの外周付近に取り付けられたピン39と
の間には、非形状記憶合金材料により構成された引っ張
りばねからなる第二のばね26が介装されており、この
ばね26は操作端部材6を反時計方向(本実施例におけ
る第一の方向)に付勢することにより、第二の形状記憶
合金11を伸び変形を与えるように付勢している。
【0036】本実施例においては、第一および第二の形
状記憶合金9,11が冷却しているときは、アクチュエ
ータは図17の状態にあり、第一および第二のばね2
5,26の力により第一および第二の形状記憶合金9,
11は共に伸び変形している。そして、第一の形状記憶
合金9を加熱すると、該形状記憶合金9が記憶している
形状の長さに戻って短くなるので、中間部材18が反時
計方向に回転されるとともに第一のばね25が引き伸ば
される。他方、第二の形状記憶合金11を加熱すると、
該形状記憶合金11が記憶している形状の長さに戻って
短くなるので、操作端部材6が反時計方向に回転され、
第二のばね26が引き伸ばされる。
【0037】ここにおいて明らかなように、本実施例に
おける第一および第二の形状記憶合金9,11、第一お
よび第二のばね25,26、中間部材18に並びに操作
端部材6の機能は、前記図5〜9の第一実施例における
それらと全く同じであるので、本実施例は前記第一実施
例と全く同様に作動する。
【0038】なお、本実施例のように形状記憶合金9,
11を線材状または帯状とし、中間部材18および操作
端部材6に巻き掛けて使用する場合、形状記憶合金9,
11の曲げ変形に対する形状回復力は小さいので、中間
部材18および操作端部材6に巻き掛けられている部分
は、加熱時も曲げ変形したままとなり、形状回復はもっ
ぱら長さに関してのみ行われる。したがって、形状記憶
合金9,11は必ずしも本実施例の場合のように真直ぐ
な形状を記憶していなくてもよく、例えば湾曲した形状
を記憶していてもよい。
【0039】図18〜21は本発明の第四実施例を示
す。前記各実施例は、回転動作を行うアクチュエータの
例であるが、本実施例は直線的動作を行うリニア型アク
チュエータの例である。この実施例において、本体1に
は中間部材18が左右方向に移動可能に支持されている
(この実施例の説明において、左、右とは図18〜21
上において言うものとする)。前記本体1の左端部と中
間部材18の中央部との間にはコイル状に巻かれた第一
の形状記憶合金9が介装されている。前記本体1の右端
部と中間部材18の中央下部との間には、非形状記憶合
金材料により構成された圧縮コイルばねからなる第一の
ばね25が介装されており、このばね25は中間部材1
8を左方(本実施例における第二の方向)に付勢してい
る。前記中間部材18には操作端部材6が左右方向に移
動可能に支持されている。前記中間部材18の左端部と
操作端部材6との間には、コイル状に巻かれた第二の形
状記憶合金11が介装されている。前記中間部材18の
右端部と操作端部材6との間には非形状記憶合金材料に
より構成された圧縮コイルばねからなる第二のばね26
が介装されており、このばね26は中間部材18を右方
(本実施例における第一の方向)に付勢している。前記
第一および第二の形状記憶合金9,11はそれぞれ図2
0に示されるような長い形状を記憶している。また、第
二のばね26および第二の形状記憶合金11が中間部材
18と操作端部材6との間に介装されていることによ
り、中間部材18が左方または右方に移動すると、第二
の形状記憶合金11の状態が変化しない限り、操作端部
材6は同方向に移動するようになっている。
【0040】次に、本実施例の作動を説明する。図18
は、第一および第二の形状記憶合金9,11がいずれも
冷却している状態を示している。この場合、第一のばね
25の力により第一の形状記憶合金9がマクロ的に見て
圧縮変形を受けていて(真の意味では、曲げおよびねじ
り変形を受けている)、中間部材18が本体1に対し一
点鎖線で示している中立位置に位置しているとともに、
第二のばね26の力により第二の形状記憶合金11もマ
クロ的に見て圧縮変形を受けていて、操作端部材6も本
体1に対し中立位置に位置している。
【0041】次に、第一の形状記憶合金9を加熱する
と、図19のように、該形状記憶合金9が記憶している
形状に戻ろうとして長くなって行くので、中間部材18
が第一のばね25を圧縮しながら右方に移動され、それ
につれて操作端部材6も右に移動される。これにより、
中間部材18および操作端部材6はそれぞれ中立位置よ
り右方に位置した状態となる。
【0042】次に、図19の状態から、第一の形状記憶
合金9が冷却しないうちに、第二の形状記憶合金11を
加熱すると、図20のように、まだ第一の形状記憶合金
9が形状回復力を発生して長くなっている状態のうち
に、第二の形状記憶合金11も記憶している形状に戻ろ
うとして長くなって行くので、中間部材18は中立位置
より右方に位置した状態に維持されたまま、操作端部材
6が第二のばね26を圧縮しながら中立位置へと左方に
移動されて行く。
【0043】また、その後、第一の形状記憶合金9が形
状回復力を失うにつれ、該形状記憶合金9は第一のばね
25の力によりマクロ的に見て圧縮変形されるので、図
21のように、中間部材18が中立位置にまで左方に移
動されて行くので、それにつれて操作端部材6も中立位
置よりさらに左方まで移動して行く。
【0044】逆に、このアクチュエータが図21の状態
にあるときから、第二の形状記憶合金11が冷却しない
うちに、第一の形状記憶合金9を加熱した場合は、この
アクチュエータは図20の状態を経て図19の状態とな
り、操作端部材6は中立位置より右方に移動した状態と
なる。
【0045】本実施例においても、第一および第二の形
状記憶合金9,11が同時に形状回復力を発生している
状態になっても、操作端部材6が第一のばね25または
第二のばね26を変形させながら動くようになっている
ので、第一および第二の形状記憶合金9,11が形状回
復力を互いにそのまま作用させ合うことはなく、両方の
形状記憶合金9,11はいずれも第一のばね25または
第二のばね26ばねの力以上の力を作用されることはな
い。
【0046】なお、このアクチュエータが図19のよう
に操作端部材6が中立位置より右方に位置している状態
から、第一の形状記憶合金9に対する加熱を停止し、該
形状記憶合金を十分冷却させてから第二の形状記憶合金
11を加熱した場合には、アクチュエータは図18の状
態を経て図21の操作端部材6が中立位置より右方に位
置している状態になる。逆に、図21の状態から、第二
の形状記憶合金11に対する加熱を停止し、該形状記憶
合金を十分冷却させてから第二の形状記憶合金11を加
熱した場合には、アクチュエータは図18の状態を経て
図19の状態になる。
【0047】また、本実施例では第一および第二の形状
記憶合金9,11が長い形状記憶しており、第一および
第二のばね25,26が圧縮ばねとされているが、第一
および第二の形状記憶合金9,11が短い形状を記憶し
ており、第一および第二のばね25,26が引っ張りば
ねとされる構成としても、同様の作用効果を得ることが
できる(ただし、各形状記憶合金9,11を加熱したと
きの、操作端部材6の運動方向が反対になる)。
【0048】図22〜26は、本発明の第五実施例を示
す。この実施例において、操作端部材6はプーリー部6
aと、このプーリー部6aに対してそれぞれ固定された
アーム部6bおよび回転軸22とを有してなる。前記ア
ーム部6bはプーリー部6aの中心部から径方向に延び
ており、前記回転軸22はプーリー部6aの中心部に設
けられている。前記回転軸22は本体1に回転可能に支
持されている。前記本体1には、スライド部材50が操
作端部材6の右方において、回転軸22を通る水平線上
を左右方向に移動可能に支持されている(この実施例の
説明において、水平、上下左右、時計方向および反時計
方向とは図22〜26上において言うものとする)。
【0049】前記操作端部材6のプーリー部6aの外周
部には線状または帯状の第一の形状記憶合金9の左端部
が取り付けられており、この形状記憶合金9の右端部は
スライド部材50の下端部に取り付けられている。前記
第一の形状記憶合金9の左端部付近は操作端部材6のプ
ーリー部6aに巻き掛けられている。前記操作端部材6
のプーリー部6aの外周部には、第一の形状記憶合金9
の取付位置と同一箇所において、線状または帯状の第二
の形状記憶合金11の左端部が取り付けられており、こ
の形状記憶合金11の右端部はスライド部材50の上端
部に取り付けられている。前記第二の形状記憶合金11
の左端部付近は第二の形状記憶合金11より上方におい
て操作端部材6のプーリー部6aに巻き掛けられてい
る。各形状記憶合金9,11は、直線状で図22の状態
より短い形状を記憶している。前記スライド部材50の
左端部と本体1に固定されたばね受け40との間には非
形状記憶合金材料からなる圧縮コイルばね41が介装さ
れており、このばね41はスライド部材50を右方、す
なわちスライド部材50を操作端部材6から遠ざける方
向に付勢している。
【0050】前記本体1にはリミットスイッチ42を構
成する板ばね材43,44の下端部が取り付けられてい
る。これらの板ばね材43,44の上端部にはそれぞれ
接点45,46が取り付けられている。前記板ばね材4
3,44は、自由な状態では、図26のように左方に湾
曲した形状をなしていて、接点45,46は互いに離間
するようになっているが、スライド部材50が所定以上
操作端部材6に近づくまでは、図22〜25のようにス
ライド部材50に右方に押されており、それにより接点
45,46は互いに接触されている。前記接点45は板
ばね材43を介して第一の形状記憶合金9および第二の
形状記憶合金11の左端に電気的に接続されている。第
一の形状記憶合金9の右端は操作スイッチ27の第一の
固定接点27aに電気的に接続されている。第二の形状
記憶合金11の右端は操作スイッチ27の第二の固定接
点27bに電気的に接続されている。前記操作スイッチ
27の可動接点27cは電源28の一方の極に電気的に
接続されている。前記電源28の他方の極はばね材44
を介して接点46に電気的に接続されている。
【0051】次に、本実施例の作動を説明する。図22
は、操作スイッチ27の可動接点27cが第一および第
二の固定接点27a,27bのいずれにも接触されてお
らず、第一および第二の形状記憶合金9,11がいずれ
も冷却している状態を示しており、この場合、スライド
部材50がばね41の力により最右方位置である初期位
置(図22の位置)に偏倚されていて、第一および第二
の形状記憶合金9,11はともに伸び変形している。ま
た、操作端部材6は中立位置にある。
【0052】次に、図23のように、操作スイッチ27
の可動接点27cを第一の固定接点27a側に切り替
え、電源28からリミットスイッチ42の接点45,4
6を介して第一の形状記憶合金9に通電すると、第一の
形状記憶合金9が所定温度範囲まで加熱され、該形状記
憶合金9が記憶している形状の長さに戻ろうとして短く
なる一方、第二の形状記憶合金11はより大きく伸び変
形するので、操作端部材6は反時計方向(本実施例にお
ける第一の方向)に回転され、中立位置より反時計方向
に回転した状態となる。なお、このとき、スライド部材
50は初期位置に止まっている。
【0053】次に、図23の状態から、操作スイッチ2
7の可動接点27cを第二の固定接点27b側に直ちに
切り替え、電源28からリミットスイッチ42の接点4
5,46を介して第二の形状記憶合金11に通電するこ
とにより、第一の形状記憶合金9が冷却しないうちに、
第二の形状記憶合金11を加熱すると、図24のよう
に、第一の形状記憶合金9が形状回復力を発生して短く
なっている状態のまま、第二の形状記憶合金11も記憶
している形状の長さに戻ろうとして短くなるので、スラ
イド部材50がばね41を圧縮しながら左方に移動さ
れ、操作端部材6は時計方向(本実施例における第二の
方向)に回転されて行く。
【0054】また、その後、第一の形状記憶合金9が形
状回復力を失うにつれ、図25のように該形状記憶合金
9は伸び変形するので、ばね41の力によりスライド部
材50は初期位置に復帰し、操作端部材6はさらに時計
方向に回転され、中立位置より時計方向に回転した状態
となる。
【0055】逆に、このアクチュエータが図25の状態
にあるときから、第二の形状記憶合金11が冷却しない
うちに、第一の形状記憶合金9を加熱した場合は、この
アクチュエータは図24の状態を経て図23の状態とな
り、操作端部材6は中立位置より反時計方向に回転した
状態となる。
【0056】このように、本実施例においても、第一お
よび第二の形状記憶合金9,11の両方が形状回復力を
発生している状態になった場合は、ばね41が変形され
ることにより操作端部材6が時計方向または反時計方向
に回転され、両方の形状記憶合金9,11が形状回復力
を互いにそのまま作用しないようにするので、第一およ
び第二の形状記憶合金9,11のうちの一方が冷却しな
いうちに他方を加熱することができるため、動作方向の
切替時に無駄な時間がなく、動作方向切替時の応答性を
向上させることができる。
【0057】また、本実施例では、第一および第二の形
状記憶合金9,11の両方が形状回復力を発生してい
て、それらの力が過大になり、スライド部材50が所定
以上操作端部材6に近づいたときは、図26のように、
板ばね材43,44が左方に湾曲して接点45,46が
互いに離間し、操作スイッチ27により選択されていた
形状記憶合金9または11に対する通電が強制的に停止
される。このため、過負荷荷重や過熱状態が防止され
る。
【0058】また、このアクチュエータが図23のよう
に操作端部材6が中立位置より反時計方向に位置してい
るとき、第一の形状記憶合金9に対する加熱を停止し、
該形状記憶合金9を十分冷却させてから第二の形状記憶
合金11を加熱した場合には、アクチュエータは図22
の状態を経て図25のように操作端部材6が中立位置よ
り時計方向に位置している状態になる。逆に、このアク
チュエータが図25の状態にあるとき、第二の形状記憶
合金11に対する加熱を停止し、該形状記憶合金11を
十分冷却させてから第一の形状記憶合金9を加熱した場
合には、アクチュエータは図22の状態を経て図23の
状態になる。
【0059】なお、前記第一実施例および第五実施例に
おいては、第一および第二の形状記憶合金9,11を通
電により加熱するものとしているが、本発明において
は、伝導加熱、対流や環境温度による加熱、赤外線やレ
ーザーによる加熱等の他の種の加熱方式によって第一お
よび第二の形状記憶合金を加熱してもよい。
【0060】また、本発明においては、第一および第二
の形状記憶合金の基本的形態並びに変形および形状回復
の態様は、前記各実施例のようなものに限られることは
ない。
【0061】さらに、前記各実施例では、第一および第
二のばね25,26並びにばね40はコイルばねとされ
ているが、本発明におけるばねは、コイルばね以外の形
式のばね、ゴム等のエラストマーからなるゴム弾性を利
用したばね、気体を利用したばね等の他の種のばねであ
ってもよい。
【0062】
【発明の効果】以上のように本発明によるアクチュエー
タは、両方の形状記憶合金が同時に形状回復力を発生し
ている状態になっても、両方の形状記憶合金が形状回復
力を互いにそのまま作用させ合うことがないので、動作
方向の切替時にそれまで加熱されていた形状記憶合金の
冷却時間を特に設ける必要がなく、動作方向切替時の応
答性を向上させることができるとともに、制御も容易に
なる等の優れた効果を得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の差動型形状記憶合金アクチュエータの一
例において一方の形状記憶合金のみが加熱されている状
態を示す正面図である。
【図2】前記従来の差動型形状記憶合金アクチュエータ
において両方の形状記憶合金が冷却している状態を示す
正面図である。
【図3】前記従来の差動型形状記憶合金アクチュエータ
の動作を示すタイムチャートである。
【図4】従来の単安定形状記憶合金アクチュエータの一
例において形状記憶合金が冷却している状態を示す正面
図である。
【図5】前記従来の単安定形状記憶合金アクチュエータ
において形状記憶合金が加熱されている状態を示す正面
図である。
【図6】本発明による形状記憶合金アクチュエータの第
一実施例において両方の形状記憶合金が冷却している状
態を示す正面図である。
【図7】前記第一実施例において第一の形状記憶合金の
みが形状回復している状態を示す正面図である。
【図8】前記第一実施例において両方の形状記憶合金が
形状回復している状態を示す正面図である。
【図9】前記第一実施例において第二の形状記憶合金の
みが形状回復している状態を示す正面図である。
【図10】前記第一実施例の動作を示すタイムチャート
である。
【図11】本発明による形状記憶合金アクチュエータの
第二実施例において第一の形状記憶合金のみが形状回復
している状態を示す正面図である。
【図12】図11に対応する左側面図である。
【図13】図11に対応する右側面図である。
【図14】前記第二実施例において両方の形状記憶合金
が形状回復している状態を示す正面図である。
【図15】前記第二実施例において第二の形状記憶合金
のみが形状回復している状態を示す正面図である。
【図16】前記第二実施例において両方の形状記憶合金
が冷却している状態を示す正面図である。
【図17】本発明による形状記憶合金アクチュエータの
第三実施例を示す正面図である。
【図18】本発明による形状記憶合金アクチュエータの
第四実施例において両方の形状記憶合金が冷却している
状態を示す正面図である。
【図19】前記第四実施例において第一の形状記憶合金
のみが形状回復している状態を示す正面図である。
【図20】前記第四実施例において両方の形状記憶合金
が形状回復している状態を示す正面図である。
【図21】前記第四実施例において第二の形状記憶合金
のみが形状回復している状態を示す正面図である。
【図22】本発明による形状記憶合金アクチュエータの
第五実施例において両方の形状記憶合金が冷却している
状態を示す正面図である。
【図23】前記第五実施例において第一の形状記憶合金
のみが形状回復している状態を示す正面図である。
【図24】前記第五実施例において両方の形状記憶合金
が形状回復している状態を示す正面図である。
【図25】前記第五実施例において第二の形状記憶合金
のみが形状回復している状態を示す正面図である。
【図26】前記第五実施例において第一および第二の形
状記憶合金の両方が形状回復力を発生していて、それら
の力が過大になったときのリミットスイッチ付近の状態
を示す正面図である。
【符号の説明】
6 操作端部材 9 第一の形状記憶合金 11 第二の形状記憶合金 18 中間部材 25 第一のばね 26 第二のばね 41 ばね 42 リミットスイッチ 50 スライド部材

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一の方向およびこの第一の方向と反対
    の第二の方向に動くことができる操作端部材と、形状回
    復力を発生したとき、前記操作端部材を前記第一の方向
    に動かすように前記操作端部材に連係された第一の形状
    記憶合金と、形状回復力を発生したとき、前記操作端部
    材を前記第二の方向に動かすように前記操作端部材に連
    係された第二の形状記憶合金と、前記操作端部材に連係
    されたばねとを有してなり、 前記操作端部材と前記ばねとは、前記第一の形状記憶合
    金が形状回復力を発生していることにより前記操作端部
    材が所定の中立位置より前記第一の方向に動かされてい
    る際に、前記第二の形状記憶合金も形状回復力を発生し
    たときは、前記ばねが変形されることにより前記操作端
    部材が前記第二の方向に動き、前記第二の形状記憶合金
    が形状回復力を発生していることにより前記操作端部材
    が所定の中立位置より前記第二の方向に動かされている
    際に、前記第一の形状記憶合金も形状回復力を発生した
    ときは、前記操作端部材が前記ばねを変形させて前記第
    一の方向に動くように連係されている形状記憶合金アク
    チュエータ。
  2. 【請求項2】 第一の方向およびこの第一の方向と反対
    の第二の方向に動くことができる操作端部材と、形状回
    復力を発生したとき、前記操作端部材を前記第一の方向
    に動かすように前記操作端部材に連係された第一の形状
    記憶合金と、形状回復力を発生したとき、前記操作端部
    材を前記第二の方向に動かすように前記操作端部材に連
    係された第二の形状記憶合金と、前記操作端部材に連係
    された第一および第二のばねとを有してなり、 前記操作端部材と前記第一のばねとは、前記第二の形状
    記憶合金が形状回復力を発生していることにより前記操
    作端部材が所定の中立位置より前記第二の方向に動かさ
    れている際に、前記第一の形状記憶合金も形状回復力を
    発生したときは、前記第一のばねが変形されることによ
    り前記操作端部材が前記第一の方向に動くように連係さ
    れており、前記操作端部材と前記第二のばねとは、前記
    第一の形状記憶合金が形状回復力を発生していることに
    より前記操作端部材が所定の中立位置より前記第一の方
    向に動かされている際に、前記第二の形状記憶合金も形
    状回復力を発生したときは、前記第二のばねが変形され
    ることにより前記操作端部材が前記第二の方向に動くよ
    うに連係されている形状記憶合金アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 第一の方向およびこの第一の方向と反対
    の第二の方向に動くことができる中間部材と、この中間
    部材を前記第二の方向に付勢する第一のばねと、前記中
    間部材が前記第二の方向に動かされると、変形されるよ
    うに前記中間部材に連係された第一の形状記憶合金と、
    前記第一の方向および前記第二の方向に動くことができ
    る操作端部材と、前記中間部材と前記操作端部材との間
    に介装され、前記操作端部材を前記第一の方向に付勢す
    る第二のばねと、前記中間部材と前記操作端部との間に
    介装され、前記操作端部材が前記第一の方向に動かされ
    ると、変形されるように前記操作端部材に連係された第
    二の形状記憶合金とを有してなる形状記憶合金アクチュ
    エータ。
  4. 【請求項4】 第一および第二の方向は回転方向である
    請求項1,2または3記載の形状記憶合金アクチュエー
    タ。
  5. 【請求項5】 第一および第二の方向は直線方向である
    請求項1,2または3記載の形状記憶合金アクチュエー
    タ。
  6. 【請求項6】 第一の方向およびこの第一の方向と反対
    の第二の方向に回転可能な操作端部材と、直線方向に移
    動可能なスライド部材と、前記操作端部材に一端部を取
    り付けられるとともに該一端部付近を前記操作端部材に
    巻き掛けられ、他端部を前記スライド部材に取り付けら
    れた線材状または帯状の第一の形状記憶合金と、前記操
    作端部材に一端部を取り付けられるとともに該一端部付
    近を前記操作端部材に巻き掛けられ、他端部を前記スラ
    イド部材に取り付けられた線材状または帯状の第二の形
    状記憶合金と、前記スライド部材を前記操作端部材から
    遠ざからせ、前記第一および第二の形状記憶合金を伸び
    変形させることとなる方向に付勢するばねとを有してな
    り、 前記第二の形状記憶合金が冷却しているとき、前記第一
    の形状記憶合金が加熱されて記憶している長さに戻ろう
    とすると、前記第二の形状記憶合金が伸び変形して前記
    操作端部材が前記第一の方向に回転される一方、前記第
    一の形状記憶合金が冷却しているとき、前記第二の形状
    記憶合金が記憶している長さに戻ろうとすると、前記第
    一の形状記憶合金が伸び変形して前記操作端部材が前記
    第二の方向に回転される関係になっている請求項1記載
    の形状記憶合金アクチュエータ。
  7. 【請求項7】 前記スライド部材が所定以上前記操作端
    部材に近づいたとき、前記第一および第二の形状記憶合
    金に対する加熱を強制的に停止させる手段を設けた請求
    項6記載の形状記憶合金アクチュエータ。
  8. 【請求項8】 前記スライド部材が所定以上前記操作端
    部材に近づいたとき、前記第一および第二の形状記憶合
    金に対する加熱を強制的に停止させる手段は、前記第一
    および第二の形状記憶合金に対する通電を停止させるリ
    ミットスイッチである請求項7記載の形状記憶合金アク
    チュエータ。
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