JP2004100537A - 形状記憶合金アクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【課題】外部から力が操作端(駆動端)に作用しても、その外力が操作端を通じて形状記憶合金に直接的に作用することがなく、動作速度が速く、しかも装置をより小型化できる形状記憶合金アクチュエータを提供する。
【解決手段】形状記憶合金19,20で中間部材6を回動させるようにするとともに、中間部材6の位置により反転付勢手段16が中間部材6および操作端部材11を付勢する方向が変わるようにする。反転付勢手段16は中間部材6と操作端部材11との間以外に設ける。操作端部材を相反する方向に付勢する2つの状態を取り得る座屈ばねを設け、この座屈ばねの状態を形状記憶合金の形状回復力により遷移させるようにしてもよい。
【選択図】  図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、形状記憶合金が発現する形状回復力を利用して動作する形状記憶合金アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の形状記憶合金アクチュエータは、一般に、外部から力が操作端(駆動端)に作用したとき、その外力が操作端を通じて形状記憶合金に直接的に作用する構成となっていた。
【0003】
また、従来の形状記憶合金アクチュエータは、多くの場合、操作端を一つの方向に移動させる際は、操作端を形状記憶合金の形状回復力により駆動する一方、操作端を反対方向に移動させる際は、バイアスばねの復元力により操作端を駆動するようになっており、操作端の前記一つの方向の移動に関してのみ見ると、主として形状記憶合金の形状回復力で操作端を駆動していた。
【0004】
また、従来は、操作端が2つの安定位置を持つ双安定型の形状記憶合金アクチュエータで実用に耐えるものは存在しなかった。また、操作端が1つの安定位置を持ち、かつ操作端の位置を迅速に反転できる単安定型の形状記憶合金アクチュエータも存在しなかった。
【0005】
【特許文献1】
特開平2−81961号公報(全文、第1−9図)
【特許文献2】
特開昭63−309780号公報(全文、第1−4図)
【特許文献3】
特開昭59−206681号公報(全文、第3図)
【特許文献4】
特開平3−168367号公報(全文、第1−11図)
【特許文献5】
米国特許第4,544,988号明細書
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
大きな予変形を与えられた形状記憶合金の加熱時の形状回復力は非常に大きく、それ自身の材料強度を上回る。例えば1%以上の変形を与え、ひずみを拘束した状態の形状記憶合金の形状回復力は、疲労強度や弾性限界を上回ることもある。しかるに、従来の形状記憶合金アクチュエータでは、一般に、前述のように外部から力が操作端に作用したとき、その外力が操作端を通じて形状記憶合金に直接的に作用する構成となっていたので、操作端が作動中に拘束されたり、不意に予定外の強い外力が操作端に作用されたりすると、過剰な応力が形状記憶合金に加わり、性能が低下したり、破壊されてしまう大きな原因となっていた。
【0007】
また、操作端を互いに反対方向に駆動する2つの形状記憶合金を備えた差動型といわれる形状記憶合金アクチュエータでは、冷却を十分に行わないと2つの形状記憶合金が互いの強い形状回復力で引き合う状態になり、形状記憶合金に致命的なダメージを与えることがあった。
【0008】
また、従来の形状記憶合金アクチュエータでは、前述のように少なくとも操作端の一方向の運動は、主として形状記憶合金の形状回復力で行われるようになっていたので、動作速度が遅いとともに、高価な形状記憶合金を比較的大量に要し、コストが高くなり、かつ使用エネルギー量も多くなるという問題もあった。
【0009】
そこで、本出願人は、先に特願2001−70032において、前記従来の問題を解消することができる安定型形状記憶合金アクチュエータを提案した。しかしながら、この先行出願の実施例において開示したアクチュエータは、中間部材と操作端部材との間にばねが介装されており、動作時、このばねの位置および方向が大きく変化することにより、前記中間部材および操作端部材の付勢される方向が変化する構造となっていたので、装置が比較的に大型化しがちであるという問題があった。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、本発明の1つの目的は、外部から力が操作端に作用しても、その外力が操作端を通じて形状記憶合金に直接的に作用することのない形状記憶合金アクチュエータを提供することを目的とする。
【0011】
本発明の他の目的は、動作速度の速い形状記憶合金アクチュエータを提供することを目的とする。
【0012】
本発明の他の目的は、操作端が2つの安定位置を持つ双安定型の形状記憶合金アクチュエータを提供することを目的とする。
【0013】
本発明の他の目的は、操作端が1つの安定位置を持ち、かつ操作端の位置を迅速に反転できる単安定型の形状記憶合金アクチュエータを提供することを目的とする。
【0014】
本発明の他の目的は、差動型形状記憶合金アクチュエータにおいて、両方の形状記憶合金が同時に形状回復力を発生している状態になっても、形状記憶合金が劣化したり、破壊されることのない形状記憶合金アクチュエータを提供することを目的とする。
【0015】
本発明の他の目的は、装置を一層小型化することができる形状記憶合金アクチュエータを提供することを目的とする。
【0016】
本発明のさらに他の目的は、以下の説明から明らかになろう。
【0017】
【課題を解決するための手段】
第一の本発明による形状記憶合金アクチュエータは、
操作端が2つの安定位置を有する双安定型形状記憶合金アクチュエータであって、
直線方向に移動可能な直線移動部材と、この直線移動部材に、第一の中間部材安定位置と第二の中間部材安定位置との間を回動可能に支持された中間部材と、第一の操作端部材安定位置と第二の操作端部材安定位置との間を回動可能な操作端部材と、形状回復力を発生したとき、前記中間部材を前記第一の中間部材安定位置に向かって回動させるように前記中間部材に連係された第一の形状記憶合金と、形状回復力を発生したとき、前記中間部材を前記第二の中間部材安定位置に向かって回動させるように前記中間部材に連係された第二の形状記憶合金と、前記直線移動部材を前記操作端部材の回動中心側に付勢する反転付勢手段とを有してなり、前記直線移動部材の移動方向は前記操作端部材の回動中心と前記中間部材の回動中心とを結ぶ方向であり、前記操作端部材は前記中間部材を介して前記反転付勢手段の付勢力を作用されるようになっており、
前記操作端部材が前記第一の操作端部材安定位置、前記中間部材が前記第一の中間部材安定位置にそれぞれあるときは、前記反転付勢手段により前記中間部材は前記第一の中間部材安定位置に向かって、前記操作端部材は前記第一の操作端部材安定位置に向かってそれぞれ付勢されており、この状態から前記中間部材が前記第二の中間部材安定位置に向かって回動されて行くと、前記中間部材が所定の中立位置より前記第一の中間部材安定位置側にある間は、依然として前記反転付勢手段により前記中間部材は前記第一の中間部材安定位置に向かって、前記操作端部材は前記第一の操作端部材安定位置に向かってそれぞれ付勢されているが、前記中間部材が前記中立位置を越えて前記第二の中間部材安定位置側に回動されると、前記反転付勢手段により逆に前記中間部材は前記第二の中間部材安定位置に向かって、前記操作端部材は前記第二の操作端部材安定位置に向かってそれぞれ付勢される一方、前記操作端部材が前記第二の操作端部材安定位置、前記中間部材が前記第二の中間部材安定位置にそれぞれあるときは、前記反転付勢手段により前記中間部材は前記第二の中間部材安定位置に向かって、前記操作端部材は前記第二の操作端部材安定位置に向かってそれぞれ付勢されており、この状態から前記中間部材が前記第一の中間部材安定位置に向かって回動されて行くと、前記中間部材が所定の中立位置より前記第二の中間部材安定位置側にある間は、依然として前記反転付勢手段により前記中間部材は前記第二の中間部材安定位置に向かって、前記操作端部材は前記第二の操作端部材安定位置に向かってそれぞれ付勢されているが、前記中間部材が前記中立位置を越えて前記第一の中間部材安定位置側に回動されると、前記反転付勢手段により逆に前記中間部材は前記第一の中間部材安定位置に向かって、前記操作端部材は前記第一の操作端部材安定位置に向かってそれぞれ付勢されるように構成されているものである。
【0018】
第二の本発明による形状記憶合金アクチュエータは、
操作端が2つの安定位置を有する双安定型形状記憶合金アクチュエータであって、
第一の操作端部材安定位置と第二の操作端部材安定位置との間を回動可能な操作端部材と、第一の中間部材安定位置と第二の中間部材安定位置との間を回動可能な中間部材と、形状回復力を発生したとき、前記中間部材を前記第一の中間部材安定位置に向かって回動させるように前記中間部材に連係された第一の形状記憶合金と、形状回復力を発生したとき、前記中間部材を前記第二の中間部材安定位置に向かって回動させるように前記中間部材に連係された第二の形状記憶合金と、前記操作端部材に該操作端部材に対して直線方向に移動可能に支持された直線移動部材と、この直線移動部材を介して前記中間部材に力を作用させることとなるように該直線移動部材を前記中間部材側に付勢する反転付勢手段とを有してなり、
前記操作端部材が前記第一の操作端部材安定位置、前記中間部材が前記第一の中間部材安定位置にそれぞれあるときは、前記反転付勢手段により前記中間部材は前記第一の中間部材安定位置に向かって、前記操作端部材は前記第一の操作端部材安定位置に向かってそれぞれ付勢されており、この状態から前記中間部材が前記第二の中間部材安定位置に向かって回動されて行くと、前記中間部材が所定の中立位置より前記第一の中間部材安定位置側にある間は、依然として前記反転付勢手段により前記中間部材は前記第一の中間部材安定位置に向かって、前記操作端部材は前記第一の操作端部材安定位置に向かってそれぞれ付勢されているが、前記中間部材が前記中立位置を越えて前記第二の中間部材安定位置側に回動されると、前記反転付勢手段により逆に前記中間部材は前記第二の中間部材安定位置に向かって、前記操作端部材は前記第二の操作端部材安定位置に向かってそれぞれ付勢される一方、前記操作端部材が前記第二の操作端部材安定位置、前記中間部材が前記第二の中間部材安定位置にそれぞれあるときは、前記反転付勢手段により前記中間部材は前記第二の中間部材安定位置に向かって、前記操作端部材は前記第二の操作端部材安定位置に向かってそれぞれ付勢されており、この状態から前記中間部材が前記第一の中間部材安定位置に向かって回動されて行くと、前記中間部材が所定の中立位置より前記第二の中間部材安定位置側にある間は、依然として前記反転付勢手段により前記中間部材は前記第二の中間部材安定位置に向かって、前記操作端部材は前記第二の操作端部材安定位置に向かってそれぞれ付勢されているが、前記中間部材が前記中立位置を越えて前記第一の中間部材安定位置側に回動されると、前記反転付勢手段により逆に前記中間部材は前記第一の中間部材安定位置に向かって、前記操作端部材は前記第一の操作端部材安定位置に向かってそれぞれ付勢されるように構成されているものである。
【0019】
前記第一および第二の本発明の双安定型形状記憶合金アクチュエータにおいては、操作端部材が第二の操作端部材安定位置、中間部材が第二の中間部材安定位置にそれぞれあるとき、第一の形状記憶合金が所定温度範囲まで加熱されると、第一の形状記憶合金の形状回復力によって中間部材が第二の中間部材安定位置から第一の中間部材安定位置に向かって回動されて行く。しかし、中間部材が中立位置に達するまでは、反転付勢手段が中間部材を第二の中間部材安定位置に向かって、操作端部材を第二の操作端部材安定位置に向かってそれぞれ付勢しているので、操作端部材は第二の操作端部材安定位置側にある。
【0020】
ところが、中間部材が中立位置を越えて第一の中間部材安定位置側に回動されると、反転付勢手段が中間部材および操作端部材をそれぞれ逆方向に付勢するようになるので、反転付勢手段の付勢力により中間部材は第一の中間部材安定位置にまで、操作端部材は第一の操作端部材安定位置にまでそれぞれ回動される。その後、第一の形状記憶合金が冷却し、形状回復力を失っても、反転付勢手段の付勢力によりそのまま中間部材は第一の中間部材安定位置に、操作端部材は第一の操作端部材安定位置にそれぞれ保持される。
【0021】
逆に、操作端部材が第一の操作端部材安定位置、中間部材が第一の中間部材安定位置にそれぞれあるとき、第二の形状記憶合金が所定温度範囲まで加熱されると、第二の形状記憶合金の形状回復力によって中間部材が第一の中間部材安定位置から第二の中間部材安定位置に向かって回動されて行く。しかし、中間部材が中立位置に達するまでは、反転付勢手段が中間部材を第一の中間部材安定位置に向かって、操作端部材を第一の操作端部材安定位置に向かってそれぞれ付勢しているので、操作端部材は第一の操作端部材安定位置側にある。
【0022】
ところが、中間部材が中立位置を越えて第二の中間部材安定位置側に移動されると、反転付勢手段が中間部材および操作端部材をそれぞれ逆方向に付勢するようになるので、反転付勢手段の付勢力により中間部材は第二の中間部材安定位置にまで、操作端部材は第二の操作端部材安定位置にまでそれぞれ回動される。その後、第二の形状記憶合金が冷却し、形状回復力を失っても、反転付勢手段の付勢力によりそのまま中間部材は第二の中間部材安定位置、操作端部材は第二の操作端部材安定位置にそれぞれ保持される。
【0023】
これらの第一および第二の本発明の双安定型形状記憶合金アクチュエータにおいては、操作端部材に第一および第二の2つの安定位置を持たせ、第一または第二の形状記憶合金を加熱することにより、その安定位置を反転できる。
【0024】
第三の本発明による形状記憶合金アクチュエータは、
操作端が2つの安定位置を有する双安定型形状記憶合金アクチュエータであって、
第一の安定位置と第二の安定位置との間を移動可能な操作端部材と、前記操作端部材に連係されており、前記操作端部材を前記第一の安定位置側に付勢する状態および前記操作端部材を前記第二の安定位置側に付勢する状態を取り得る座屈ばねと、形状回復力を発生したとき、前記操作端部材を前記第一の安定位置側に付勢する状態へ前記座屈ばねを遷移させるように前記操作端部材を介することなく前記座屈ばねに連係された第一の形状記憶合金と、形状回復力を発生したとき、前記操作端部材を前記第二の安定位置側に付勢する状態へ前記座屈ばねを遷移させるように前記操作端部材を介することなく前記座屈ばねに連係された第二の形状記憶合金とを有してなるものである。
【0025】
この第三の本発明の双安定型形状記憶合金アクチュエータにおいては、第一および第二の形状記憶合金がいずれも形状回復力を発生していない場合は、座屈ばねにより操作端部材は第一または第二の安定位置に位置されている。いま操作端部材が第二の安定位置にあるとき、第一の形状記憶合金が所定温度範囲まで加熱されると、この第一の形状記憶合金の形状回復力によって、座屈ばねが、操作端部材を第二の安定位置側に付勢する状態から第一の安定位置側に付勢する状態に遷移させられるので、操作端部材が第一の安定位置に移動される。また、操作端部材が第一の安定位置にあるとき、第二の形状記憶合金が所定温度範囲まで加熱されると、第二の形状記憶合金の形状回復力によって、座屈ばねが、操作端部材を第一の安定位置側に付勢する状態から第二の安定位置側に付勢する状態に遷移させられるので、操作端部材が第二の安定位置に移動される。
【0026】
この第三の本発明の双安定型形状記憶合金アクチュエータにおいても、操作端部材に第一および第二の2つの安定位置を持たせ、第一または第二の形状記憶合金を加熱することにより、その安定位置を反転できる。
【0027】
第四の本発明による形状記憶合金アクチュエータは、 操作端が1つの安定位置を有する単安定型形状記憶合金アクチュエータであって、
直線方向に移動可能な直線移動部材と、この直線移動部材に、中間部材安定位置と中間部材一時反転位置との間を回動可能に支持された中間部材と、操作端部材安定位置と操作端部材一時反転位置との間を回動可能な操作端部材と、形状回復力を発生したとき、前記中間部材を前記一時反転位置に向かって回動させるように前記中間部材に連係された形状記憶合金と、前記中間部材を前記中間部材安定位置に向かって付勢する復帰付勢手段と、前記直線移動部材を前記操作端部材の回動中心側に付勢する反転付勢手段とを有してなり、前記直線移動部材の移動方向は前記操作端部材の回動中心と前記中間部材の回動中心とを結ぶ方向であり、前記操作端部材は前記中間部材を介して前記反転付勢手段の付勢力を作用されるようになっており、
前記操作端部材が前記操作端部材安定位置、前記中間部材が前記中間部材安定位置にそれぞれあるときは、前記反転付勢手段により前記中間部材は前記中間部材安定位置に向かって、前記操作端部材は前記操作端部材安定位置に向かってそれぞれ付勢されており、この状態から前記中間部材が前記中間部材一時反転位置に向かって回動されて行くと、前記中間部材が所定の中立位置より前記中間部材安定位置側にある間は、依然として前記反転付勢手段により前記中間部材は前記中間部材安定位置に向かって、前記操作端部材は前記操作端部材安定位置に向かってそれぞれ付勢されているが、前記中間部材が前記中立位置を越えて前記中間部材一時反転位置側に回動されると、前記反転付勢手段により逆に前記中間部材は前記中間部材一時反転位置に向かって、前記操作端部材は前記操作端部材一時反転位置に向かってそれぞれ付勢される一方、前記操作端部材が前記操作端部材一時反転位置、前記中間部材が前記中間部材一時反転位置にそれぞれあるときは、前記反転付勢手段により前記中間部材は前記中間部材一時反転位置に向かって、前記操作端部材は前記操作端部材一時反転位置に向かってそれぞれ付勢されており、この状態から前記中間部材が前記中間部材安定位置に向かって回動されて行くと、前記中間部材が所定の中立位置より前記中間部材一時反転位置側にある間は、依然として前記反転付勢手段により前記中間部材は前記中間部材一時反転位置に向かって、前記操作端部材は前記操作端部材一時反転位置に向かってそれぞれ付勢されているが、前記中間部材が前記中立位置を越えて前記中間部材安定位置側に回動されると、前記反転付勢手段により逆に前記中間部材は前記中間部材安定位置に向かって、前記操作端部材は前記操作端部材安定位置に向かってそれぞれ付勢されるように構成されているものである。
【0028】
第五の本発明による形状記憶合金アクチュエータは、
操作端が1つの安定位置を有する単安定型形状記憶合金アクチュエータであって、
操作端部材安定位置と操作端部材一時反転位置との間を回動可能な操作端部材と、中間部材安定位置と中間部材一時反転位置との間を回動可能な中間部材と、形状回復力を発生したとき、前記中間部材を前記一時反転位置に向かって回動させるように前記中間部材に連係された形状記憶合金と、前記中間部材を前記中間部材安定位置に向かって付勢する復帰付勢手段と、前記操作端部材に該操作端部材に対して直線方向に移動可能に支持された直線移動部材と、この直線移動部材を介して前記中間部材に力を作用させることとなるように該直線移動部材を前記中間部材側に付勢する反転付勢手段とを有してなり、
前記操作端部材が前記操作端部材安定位置、前記中間部材が前記中間部材安定位置にそれぞれあるときは、前記反転付勢手段により前記中間部材は前記中間部材安定位置に向かって、前記操作端部材は前記操作端部材安定位置に向かってそれぞれ付勢されており、この状態から前記中間部材が前記中間部材一時反転位置に向かって回動されて行くと、前記中間部材が所定の中立位置より前記中間部材安定位置側にある間は、依然として前記反転付勢手段により前記中間部材は前記中間部材安定位置に向かって、前記操作端部材は前記操作端部材安定位置に向かってそれぞれ付勢されているが、前記中間部材が前記中立位置を越えて前記中間部材一時反転位置側に回動されると、前記反転付勢手段により逆に前記中間部材は前記中間部材一時反転位置に向かって、前記操作端部材は前記操作端部材一時反転位置に向かってそれぞれ付勢される一方、前記操作端部材が前記操作端部材一時反転位置、前記中間部材が前記中間部材一時反転位置にそれぞれあるときは、前記反転付勢手段により前記中間部材は前記中間部材一時反転位置に向かって、前記操作端部材は前記操作端部材一時反転位置に向かってそれぞれ付勢されており、この状態から前記中間部材が前記中間部材安定位置に向かって回動されて行くと、前記中間部材が所定の中立位置より前記中間部材一時反転位置側にある間は、依然として前記反転付勢手段により前記中間部材は前記中間部材一時反転位置に向かって、前記操作端部材は前記操作端部材一時反転位置に向かってそれぞれ付勢されているが、前記中間部材が前記中立位置を越えて前記中間部材安定位置側に回動されると、前記反転付勢手段により逆に前記中間部材は前記中間部材安定位置に向かって、前記操作端部材は前記操作端部材安定位置に向かってそれぞれ付勢されるように構成されているものである。
【0029】
前記第四および五の本発明の単安定型形状記憶合金アクチュエータにおいては、操作端部材が操作端部材安定位置、中間部材が中間部材安定位置にそれぞれあるとき、形状記憶合金が所定温度範囲まで加熱されると、形状記憶合金の形状回復力によって中間部材が中間部材安定位置から中間部材一時反転位置に向かって回動されて行く。しかし、中間部材が中立位置に達するまでは、反転付勢手段が中間部材を中間部材安定位置に向かって、操作端部材を操作端部材安定位置に向かってそれぞれ付勢しているので、操作端部材は操作端部材安定位置側にある。
【0030】
ところが、中間部材が中立位置を越えて中間部材一時反転位置側に回動されると、反転付勢手段が中間部材および操作端部材をそれぞれ逆方向に付勢するようになるので、反転付勢手段の付勢力により中間部材が中間部材一時反転位置にまで、操作端部材が操作端部材一時反転位置にまでそれぞれ回動される。
【0031】
その後、形状記憶合金に対する加熱が停止され、形状記憶合金が冷却し、形状回復力を失うと、復帰付勢手段により中間部材が反転付勢手段に抗して中間部材安定位置へ向かって移動されて行き、この中間部材が中立位置を越えて中間部材安定位置側に回動されると、反転付勢手段が逆に中間部材を中間部材安定位置に向かって、操作端部材を操作端部材安定位置に向かってそれぞれ付勢するようになるので、中間部材は中間部材安定位置に、操作端部材は操作端部材安定位置に急速に復帰する。
【0032】
このようにして、第四および第五の本発明の単安定型形状記憶合金アクチュエータでは、形状記憶合金を加熱すると、安定位置にある操作端部材が一時反転位置へ反転し、形状記憶合金が冷却すると、操作端部材が元の安定位置へ戻る。
【0033】
第六の本発明による形状記憶合金アクチュエータは、
操作端が1つの安定位置を有する単安定型形状記憶合金アクチュエータであって、
安定位置と一時反転位置との間を移動可能な操作端部材と、前記操作端部材に連係されており、前記操作端部材を前記安定位置側に付勢する状態および前記操作端部材を前記一時反転位置側に付勢する状態を取り得る座屈ばねと、形状回復力を発生したとき、前記操作端部材を前記一時反転位置側に付勢する状態へ前記座屈ばねを遷移させるように前記操作端部材を介することなく前記座屈ばねに連係された形状記憶合金と、前記操作端部材を前記安定位置側に付勢する状態へ前記座屈ばねを遷移させる方向に前記座屈ばねを付勢する復帰付勢手段とを有してなるものである。
【0034】
この第六の本発明の単安定型形状記憶合金アクチュエータにおいては、形状記憶合金が形状回復力を発生していない場合は、復帰付勢手段の付勢力により、座屈ばねは操作端部材を安定位置側に付勢する状態とされているので、操作端部材は安定位置にある。この状態から形状記憶合金が所定温度範囲まで加熱されると、この形状記憶合金の形状回復力によって、座屈ばねが、操作端部材を一時反転位置側に付勢する状態に遷移させられるので、操作端部材が一時反転位置に移動される。その後、形状記憶合金に対する加熱が停止され、形状記憶合金が冷却すると、復帰付勢手段の付勢力によって、座屈ばねが、操作端部材を安定位置側に付勢する状態に遷移させられるので、操作端部材が反転付勢手段の付勢力により安定位置に復帰する。
【0035】
このようにして、前記第六の本発明の単安定型形状記憶合金アクチュエータにおいても、形状記憶合金を加熱すると、安定位置にある操作端部材が一時反転位置へ反転し、形状記憶合金が冷却すると、操作端部材が元の安定位置へ戻る。
【0036】
また、前記第一乃至第六の本発明のアクチュエータにおいては、外部から操作端部材に力が作用しても、その外力が操作端部材を通じて形状記憶合金に直接的に作用することがない。したがって、外部から操作端部材に作用する力により過大な応力が形状記憶合金に加わり、性能が低下したり、破壊されてしまう虞を少なくし、耐久性を向上することができる。
【0037】
また、操作端部材の動作は直接的には反転付勢手段または座屈ばねの力によってなされるので、動作速度を速くすることができ、かつ形状記憶合金の使用量を減らし、コストを低減するとともに、使用エネルギー量の低減し、ひいては省資源を図ることができる。
【0038】
また、前記本出願人の先行特許出願の実施例において開示したアクチュエータと異なり、中間部材と操作端部材との間にばねを挿入する構成となっていないので、装置を一層小型化することができる。
【0039】
なお、本発明における形状記憶合金としては、一般的な形状記憶合金も使用することができるが、特に大きな二方向性形状記憶効果を持つ形状記憶合金を使用すると、一層優れた効果を得ることができる。
【0040】
ここで、二方向性形状記憶効果とは、低温で形状回復と反対方向の変形を与える際に力が不要であるか、または極めて少なくてよい現象である。見た目には、形状記憶合金が低温時に変形した形状と高温時に形状回復した形状との2つの形状を覚えているような挙動を示す。従来の二方向性形状記憶合金においては、引張ひずみで最大1%前後の小さくて不安定な二方向性形状記憶効果しか得られなかったが、本発明者が前に特願2000−204927(特開2002−20848)号において提案した方法によれば、巨大な二方向性形状記憶効果を持つ形状記憶合金を得ることができる。例えば、ワイヤ状で、引張方向に記憶形状を持つ形状記憶合金とした場合は、加熱すると記憶している長さに収縮して硬くなる一方、冷却時には、負荷の無い状態でも、ちょうど筋肉が弛緩するように柔らかくなり、自分で伸びて低温時の元の長さと形に戻る。したがって、加熱と冷却だけで、外部からバイアス力を作用させることなく、伸び縮みする。
【0041】
このような形状記憶合金を、本発明の双安定型形状記憶合金アクチュエータに使用すれば、形状回復力を発生して収縮した形状記憶合金によって中間部材や座屈ばねが動かされるとき、収縮をしていない方の形状記憶合金は抵抗力を発生することなくゆるむ方向に動き、中間部材および座屈ばねひいては操作端部材の運動を容易にする。この結果、応答性等の性能や寿命が大幅に向上し、僅かな形状記憶合金で動く、差動型・双安定型アクチュエータを実用化できる。本発明の単安定型形状記憶合金アクチュエータに使用したときも、復帰付勢手段によって中間部材や座屈ばねが安定方向に戻されるとき、形状記憶合金は抵抗力を発生することなくゆるむ方向に動き、中間部材および座屈ばねひいては操作端部材の運動を容易にする。この結果、応答性等の性能や寿命が大幅に向上し、僅かな形状記憶合金で動く、差動型・単安定型アクチュエータを実用化できる。
【0042】
なお、完全な2方向性を示さないまでも、形状回復可能なひずみ領域内で低温での変形に力がほとんど必要ない形状記憶合金でも、同様の効果を得ることができる(このような形状記憶合金も実質的に二方向性形状記憶合金として考えてよい)、このような形状記憶合金もやはり本発明者が前に提案した特願2000−204927(特開2002−20848)に開示された方法により得ることができる。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
【0044】
【実施例】
図1〜8は本発明による形状記憶合金アクチュエータの第一実施例を示しており、双安定型アクチュエータを構成した例である。なお、以下、便宜上、各実施例の構成および動作の説明において上下および左右を示す言葉を用いるが、ここでの上下、左右の関係はあくまで図面上のものであり、各実施例が実際にそのような上下関係で使用されなければならないということではない。
【0045】
アクチュエータ本体1にはガイド2,3が互いに間隔を置いて一体的に設けられており、これらのガイド2,3間には図3によく示されるような形状の直線移動部材4が直線方向(上下方向)に移動可能に挿入されている。前記直線移動部材4に一体的に設けられた中間部材回動軸5には、図4によく示されるような形状の中間部材6の中央部に設けられた軸穴7が回動可能に嵌合されており、これにより中間部材6は中間部材回動軸5を中心として回動可能となっている。この中間部材6には軸穴7の両側において上方に突出する突起部8,9が設けられている。前記中間部材6はその回動範囲を図7のように右傾してガイド3の右肩に当接される第一の中間部材安定位置と、図5のように左傾してガイド2の左肩に当接される第二の中間部材安定位置との間に制限されている。前記アクチュエータ本体1には操作端部材回動軸10が立設されていて、この操作端部材回動軸10には直線状の操作端部材11の下端部寄りに設けられた軸穴12が回動嵌合されており、これにより操作端部材11は操作端部材回動軸10を中心として回動可能に支持されている。前記操作端部材11の下端部には丸みが付けられている。前記アクチュエータ本体1にはピン状の操作端部材ストッパ13,14が操作端部材回動軸10の両側において立設されており、操作端部材11はその回動範囲を図7のように左傾して中間部をストッパ13に当接される第一の操作端部材安定位置と、図5のように右傾して中間部をストッパ14に当接される第二の操作端部材安定位置との間に制限されている。
【0046】
なお、本実施例では、中間部材6の回動範囲を規制するストッパ(ガイド2,3)の組と、操作端部材11を回動範囲を規制するストッパ13,14の組との両方を設けているが、1組のストッパにより中間部材6および操作端部材11の両方の回動範囲を規制してもよい(すなわち、直接的には中間部材6または操作端部材11うちの一方がストッパに回動範囲を規制されることにより、他方も回動範囲を規制されるようにしてもよい)。勿論、アクチュエータ本体1に中間部材回動軸および/または操作端部材回動軸を一定範囲内において回動可能に支持させ、これらの回動軸に中間部材や操作端部材を固定してもよい。
【0047】
ここで、前記直線移動部材4の直線移動方向は、操作端部材回動軸10と中間部材回動軸5とを結ぶ直線A(図6参照)と同方向とされている。また、前記直線Aに関して、ガイド2,3および操作端部材ストッパ13,14は対称的に配置されており、これに伴い直線Aに関して前記第一の操作端部材安定位置と第二の操作端部材安定位置および第一の中間部材安定位置と第二の中間部材安定位置とはそれぞれ対称的な位置となっている。ただし、第一の安定位置と第二の安定位置とは必ずしも対称的な位置としないでもよい。
【0048】
前記アクチュエータ本体1にはばね受け15が一体的に設けられており、このばね受け15と直線移動部材4の底部に設けられたばね受け凹部23(図3参照)との間には、圧縮コイルばねからなる反転付勢手段16が介装されており、この反転付勢手段16は直線移動部材4を操作端部材回動軸10側に付勢している。これにより、中間部材6の上面のうちの突起部8,9間の部分が操作端部材11の下端部に摺動可能な状態で押圧されている。
【0049】
前記アクチュエータ本体1には、中間部材6の下方において、ピン17,18が立設されている。一方のピン18にはワイヤ状の第一の形状記憶合金19の一端部が取り付けられ、この形状記憶合金19の他端部は中間部材6の右端部に取り付けられている。同様にして、他方のピン17にはワイヤ状の第二の形状記憶合金20の一端部が取り付けられ、この形状記憶合金20の他端部は中間部材6の左端部に取り付けられている。
【0050】
前記第一および第二の形状記憶合金19,20は、巨大な二方向性形状記憶効果を持つ形状記憶合金とされており、直線引張方向に記憶形状を持ち、加熱すると記憶している長さに収縮して硬くなる一方、冷却時には、負荷の無い状態でも、ちょうど筋肉が弛緩するように柔らかくなり、自分で伸びて低温時の元の長さに戻る。したがって、加熱と冷却だけで、外部からバイアス力を作用させることなく、伸び縮みする。このような形状記憶合金は、例えば、本発明者が前に提案した特願2000−204927(特開2002−20848)に開示された方法により得ることができる。なお、完全な、2方向性を示せないまでも、形状回復可能なひずみ領域内で低温での変形に力がほとんど必要ない形状記憶合金であってもよく、このような形状記憶合金もやはり本発明者が前に提案した特願2000−204927(特開2002−20848)に開示された方法により得ることができる。
【0051】
前記第一の形状記憶合金19の両端部間および第二の形状記憶合金20の両端部間は、スイッチ手段(図示せず)により、それぞれ独立に電源(図示せず)に接続および切断できるようになっている。前記アクチュエータ本体1には、該本体1に一体的に設けられたカバー支持柱21を介してカバー22(図1および2参照)が取り付けられており、前記直線移動部材4、中間部材6、操作端部材11等の各部品はカバー22とアクチュエータ本体1との間に収容されている。
【0052】
次に、本実施例の作動を図5〜8を用いて説明する。図5は、反転付勢手段16の付勢力によって直線移動部材4が操作端部材回動軸10側に移動されることにより、中間部材6はガイド2に当接されて第二の中間部材安定位置にあり、操作端部材11は操作端部材ストッパ14に当接されて第二の操作端部材安定位置にある状態を示しており、このとき操作端部材11は同時に中間部材6の突起部8に当接されている。
【0053】
この図5の状態において、前記スイッチ手段により第一の形状記憶合金19の両端部間に電源を接続し、第一の形状記憶合金19に通電すると、ジュール熱により第一の形状記憶合金19が所定温度範囲まで加熱され、形状記憶効果により該形状記憶合金19が記憶している長さに戻ろうとする形状回復力を発生して収縮するので、中間部材6が反転付勢手段16に抗して第二の中間部材安定位置から第一の中間部材安定位置に向かって(すなわち時計方向に)回動されて行く。しかし、中間部材6がその中立位置(図6のように中間部材6が直線Aと垂直方向になる位置)に達するまでは、反転付勢手段16が中間部材6を第二の中間部材安定位置に向かって(反時計方向に)、操作端部材11を第二の操作端部材安定位置に向かって(時計方向に)それぞれ付勢しているので、操作端部材11は第二の操作端部材安定位置側にある。
【0054】
ところが、中間部材6がその中立位置を越えて第一の中間部材安定位置側に回動されると、反転付勢手段16が中間部材6および操作端部材11をそれぞれ逆方向に付勢するようになるので、反転付勢手段16の付勢力により中間部材6は第一の中間部材安定位置にまで、操作端部材11は第一の操作端部材安定位置にまでそれぞれ回動され、操作端部材11はストッパ13に当接されるとともに中間部材6の突起部9に当接され、アクチュエータは図7の状態となる。なお、中間部材6および操作端部材11の回動に応じて操作端部材11の下端部は突起部8,9間において中間部材6に対し摺動する。その後、第一の形状記憶合金19に対する通電が停止され、第一の形状記憶合金19が冷却し、形状回復力を失っても(このとき、第一の形状記憶合金19は図7の一点鎖線で示されるように弛緩する)、反転付勢手段16の付勢力によりそのまま中間部材6は第一の中間部材安定位置に、操作端部材11は第一の操作端部材安定位置にそれぞれ保持される。
【0055】
また、図7のように操作端部材11が第一の操作端部材安定位置に、中間部材6が第一の中間部材安定位置にそれぞれあり、かつ第一および第二の形状記憶合金19,20が冷却している状態から、前記スイッチ手段により第二の形状記憶合金20の両端部間に電源を接続し、第二の形状記憶合金20に通電すると、ジュール熱により第二の形状記憶合金20が所定温度範囲まで加熱され、形状記憶効果により該形状記憶合金20が記憶している長さに戻ろうとする形状回復力を発生して収縮するので、中間部材6が反転付勢手段16に抗して第一の中間部材安定位置から第二の中間部材安定位置に向かって(反時計方向に)回動されて行く。しかし、中間部材6がその中立位置に達するまでは、依然として反転付勢手段16が中間部材6を第一の中間部材安定位置に向かって(時計方向に)、操作端部材11を第一の操作端部材安定位置に向かって(反時計方向に)それぞれ付勢しているので、操作端部材11は第一の操作端部材安定位置側にある。
【0056】
ところが、中間部材6が図6に示されるその中立位置を越えて第二の中間部材安定位置側に回動されると、反転付勢手段16が中間部材6および操作端部材11をそれぞれ逆方向に付勢するようになるので、反転付勢手段16の付勢力により中間部材6が第二の中間部材安定位置にまで、操作端部材11が第二の操作端部材安定位置にまでそれぞれ回動され、図5の状態となる。その後、第二の形状記憶合金20に対する通電が停止され、第二の形状記憶合金20が冷却し、形状回復力を失っても(このとき、第二の形状記憶合金20は図5の実線で示されるように弛緩する)、反転付勢手段16の付勢力によりそのまま中間部材6は第二の中間部材安定位置に、操作端部材11は第二の操作端部材安定位置にそれぞれ保持される。
【0057】
このようにして、この双安定型形状記憶合金アクチュエータでは、操作端部材11に2つの安定位置を持たせ、第一または第二の形状記憶合金19,20を加熱することにより、その安定位置を反転できる。
【0058】
また、この形状記憶合金アクチュエータは、外部から操作端部材11に力が作用しても、反転付勢手段16の方に力が逃がされたり、操作端部材11と中間部材6との間に滑りが生じることにより、当該外力が操作端部材11を通じて第一および第二の形状記憶合金19,20に直接的に作用することがない。したがって、外部から操作端部材11に作用する力により過大な応力が形状記憶合金19,20に加わり、性能が低下したり、破壊されてしまう虞を少なくし、耐久性を向上することができる。
【0059】
また、操作端部材11の動作は直接的には反転付勢手段16の力によってなされるので、動作速度を速くすることができ、かつ形状記憶合金19,20の使用量を減らし、コストを低減するとともに、使用エネルギー量の低減、ひいては省資源を図ることができる。
【0060】
また、反転付勢手段16の位置および方向は変化しない構造となっているので、装置を一層小型化できる。
【0061】
また、一方の形状記憶合金が十分冷却しないうちに他方の形状記憶合金が加熱されたり、誤動作により、第一および第二の形状記憶合金19,20が同時に加熱されて両方とも形状回復力を発生している状態になると、図8に示されるように、反転付勢手段16に抗して直線移動部材4とともに中間部材6が引き下げられるので、第一および第二の形状記憶合金19,20に過大な負荷が作用するのを防止することができる。
【0062】
また、本実施例では、第一および第二の形状記憶合金19,20として、前述のように形状回復可能なひずみ領域内で低温での変形に力が必要ないか、またはほとんど必要ない形状記憶合金を用いているので、収縮をしていない方の形状記憶合金は抵抗力を発生することなくたるむ方向に動き、中間部材6ひいては操作端部材11の運動を容易にする。この結果、応答性等の性能や寿命が大幅に向上し、僅かな形状記憶合金で動く、差動型・双安定型アクチュエータを実用化できる(ただし、本発明においては、形状記憶合金として、通常の形状記憶合金を用いることもできる)。
【0063】
図9〜12は本発明による形状記憶合金アクチュエータの第二実施例を示しており、この実施例も双安定型アクチュエータを構成した例である。
【0064】
アクチュエータ本体31にはガイドピン32,33が上下方向に並べて立設されており、これらのガイドピン32,33には図12によく示されるような形状の直線移動部材34に設けられた長穴35がスライド可能に嵌合されている。これにより、直線移動部材34はアクチュエータ本体31に対して直線方向(上下方向)に移動可能とされている。前記直線移動部材34に一体的に設けられた中間部材回動軸36には、図12によく示されるような形状の中間部材37の中央部に設けられた軸穴38が回動可能に嵌合されており、これにより中間部材37は中間部材回動軸36を中心として回動可能となっている。この中間部材37には軸穴38の両側に位置するようにして上方に突出する突起部39,40が設けられている。前記アクチュエータ本体31には中間部材37の両側においてピン状の中間部材ストッパ41,42が立設されており、中間部材37はその回動範囲を図11のようにストッパ42に当接される第一の中間部材安定位置と、図9のようにストッパ41に当接される第二の中間部材安定位置との間に制限されている。
【0065】
前記アクチュエータ本体31には操作端部材回動軸43が立設されており、この操作端部材回動軸43には直線状の操作端部材44の下端部寄りに設けられた軸穴45が回動嵌合されており、これにより操作端部材44は操作端部材回動軸43を中心として回動可能に支持されている。前記操作端部材44の下端部にはローラ46が回転可能に支持されている。前記アクチュエータ本体31にはピン状の操作端部材ストッパ47,48が互いに間隔を置いて立設されており、操作端部材44はその回動範囲を図11のようにストッパ47に当接される第一の操作端部材安定位置と、図9のようにストッパ48に当接される第二の操作端部材安定位置との間に制限されている。図11のように前記操作端部材44が第一の操作端部材安定位置にあるとき、ローラ46が第一の中間部材安定位置にある中間部材37の突起部40に当接され、図9のように操作端部材44が第二の操作端部材安定位置にあるとき、ローラ46が第二の中間部材安定位置にある中間部材37の突起部39に当接される。
【0066】
前記第一実施例の場合と同様に、前記直線移動部材34の直線移動方向は、操作端部材回動軸43と中間部材回動軸36とを結ぶ直線A(図10参照)と同方向とされている。また、前記直線Aに関して、中間部材ストッパ41,42および操作端部材ストッパ47,48は対称的に配置されており、これに伴い直線Aに関して前記第一の操作端部材安定位置と第二の操作端部材安定位置および第一の中間部材安定位置と第二の中間部材安定位置とはそれぞれ対称的な位置となっている。
【0067】
前記アクチュエータ本体31にはばね受け49が一体的に設けられており、このばね受け49と直線移動部材34の底部との間には、圧縮コイルばねからなる反転付勢手段50が介装されており、この反転付勢手段50は直線移動部材34を操作端部材回動軸43側に付勢している。これにより、中間部材37の上面のうちの突起部39,40間の部分がローラ46の外周に押圧されている。
【0068】
前記アクチュエータ本体31には、中間部材37の下方において、ピン51,52が立設されている。一方のピン52にはワイヤ状の第一の形状記憶合金53の一端部が取り付けられ、この形状記憶合金53の他端部は中間部材37の右側部分に取り付けられている。同様にして、他方のピン51にはワイヤ状の第二の形状記憶合金54の一端部が取り付けられ、この形状記憶合金54の他端部は中間部材37の左側部分に取り付けられている。
【0069】
前記第一および第二の形状記憶合金53,54は、前記第一実施例の形状記憶合金19,20と同様の形状記憶合金とされている。前記第一の形状記憶合金53の両端部間および第二の形状記憶合金54の両端部間は、スイッチ手段(図示せず)により、それぞれ独立に電源(図示せず)に接続および切断できるようになっている。
【0070】
本実施例は基本的には前記第一実施例と同様の構成であるので、図9〜11に示されるように前記実施例と同様に動作し、同様の効果が得られる。ただし、前記第一実施例においては、操作端部材11と中間部材6とが直接摺接する構成となっていたので、操作端部材11と中間部材6との間の摩擦力が大きくなると、円滑な動作が得られない虞があるが、本実施例においては、操作端部材44がローラ46を介して中間部材37に押圧されているので、操作端部材44と中間部材37との間の摩擦力を小さくし、アクチュエータが円滑に動作するようにすることができる。
【0071】
図13〜19は本発明の第三実施例を示しており、この実施例も双安定型アクチュエータを構成した例である。
【0072】
板状のアクチュエータ本体61には図14によく示されるように上下方向に直線状の溝部62が設けられており、この溝部62には直線移動部材63が直線方向(上下方向)にスライド可能に嵌合されている。前記直線移動部材63に一体的に設けられた中間部材回動軸64には、中間部材65に設けられた軸穴66が回動可能に嵌合されており、これにより中間部材65は中間部材回動軸64を中心として回動可能となっている。この中間部材65には関節軸67が一体的に設けられている。前記アクチュエータ本体61のうちの、溝部62の延長線上には操作端部材回動軸68が立設されており、この操作端部材回動軸68には直線状の操作端部材69の中央部に設けられた軸穴70(図14参照)が回動嵌合されており、これにより操作端部材69は操作端部材回動軸68を中心として回動可能に支持されている。前記アクチュエータ本体61には円柱状の操作端部材ストッパ71,72が操作端部材回動軸68の両側において立設されており、操作端部材69はその回動範囲を図18のようにストッパ71に当接される左傾した第一の操作端部材安定位置と、図16のように操作端部材ストッパ72に当接される右傾した第二の操作端部材安定位置との間に制限されている。
【0073】
前記操作端部材69の下端部には軸嵌合凹部73が設けられており、この軸嵌合凹部73は関節軸67に相対的に回動可能かつ該嵌合凹部73の深さ方向(操作端部材69の長さ方向)に移動可能に嵌合されている。これにより、中間部材65と操作端部材69とは関節軸67を中心として互いに回動可能かつ操作端部材69の長さ方向にも相対的に移動可能に連結されている。また、中間部材65と操作端部材69とはこのように連結されていること、および前述のように操作端部材69が操作端部材ストッパ71,72に回動範囲を規制されていることにより、中間部材65も図18の位置である右傾した第一の中間部材安定位置と、図16の位置である左傾した第二の中間部材安定位置との間に回動範囲を制限されている。前記アクチュエータ本体61には、該本体61との間に操作端部材69を挟むようにして規制板74が取り付けられており、この規制板74は操作端部材69の操作端部材回動軸68から抜け落ちる向きの移動を規制している。
【0074】
前記直線移動部材63の直線移動方向は、操作端部材回動軸68と中間部材回動軸64とを結ぶ直線A(図17参照)と同方向である。また、前記直線Aに関して、操作端部材ストッパ71,72は対称的に配置されており、これに伴い直線Aに関して前記第一の操作端部材安定位置と第二の操作端部材安定位置および第一の中間部材安定位置と第二の中間部材安定位置とはそれぞれ対称的な位置となっている。
【0075】
前記アクチュエータ本体61には前方と上方のみを開放されたばね収容部75が一体的に設けられており、このばね収容部75には図15によく示されるようなばねユニット76が収容されている。前記ばねユニット76は、ばね筒77と、スライド棒78と、反転付勢手段79とからなっている。前記ばね筒77は円筒状をなしていて、ばね収容部75に押入されることにより、アクチュエータ本体61に対して直線移動部材63の移動可能方向と同方向に固定されている。前記スライド棒78はばね筒77にスライド可能に嵌合されることにより、ばね筒77からの突出量を可変とされている。このスライド棒78の外端部は直線移動部材63に設けられた凹部80に押入されることにより、直線移動部材63に実質的に固定されている。前記反転付勢手段79は圧縮コイルばねからなっており、ばね筒77の底部とスライド棒78の内端部との間に介装されていて、スライド棒78をばね筒77からより大きく突出させる方向、言い換えれば直線移動部材63を操作端部材回動軸68に向かわせる方向に付勢している。
【0076】
前記アクチュエータ本体61には、中間部材65の下方において、ピン81,82が立設されている。一方のピン82にはワイヤ状の第一の形状記憶合金83の一端部が取り付けられ、この形状記憶合金83の他端部は中間部材65の右端部に取り付けられている。同様にして、他方のピン81にはワイヤ状の第二の形状記憶合金84の一端部が取り付けられ、この形状記憶合金84の他端部は中間部材65の左端部に取り付けられている。前記第一および第二の形状記憶合金83,84は、前記第一実施例の形状記憶合金19,20と同様の形状記憶合金とされている。前記第一の形状記憶合金83の両端部間および第二の形状記憶合金84の両端部間は、スイッチ手段(図示せず)により、それぞれ独立に電源(図示せず)に接続および切断できるようになっている。
【0077】
次に、本実施例の作動を図16〜18を用いて説明する。図16は、ばねユニット76の反転付勢手段79の付勢力によって直線移動部材63が操作端部材回動軸68側に移動されることにより、操作端部材69は操作端部材ストッパ72に当接されて第二の操作端部材安定位置にあり、これにともない中間部材3は第二の中間部材安定位置にある状態を示している。
【0078】
この図16の状態において、前記スイッチ手段により第一の形状記憶合金83の両端部間に電源を接続し、第一の形状記憶合金83に通電すると、ジュール熱により第一の形状記憶合金83が所定温度範囲まで加熱され、形状記憶効果により該形状記憶合金83が記憶している長さに戻ろうとする形状回復力を発生して収縮するので、中間部材65が反転付勢手段79に抗して第二の中間部材安定位置から第一の中間部材安定位置に向かって(時計方向に)回動されて行く。しかし、中間部材65がその中立位置(図17のように関節軸17が直線A上に至る位置)に達するまでは、反転付勢手段79が中間部材65を第二の中間部材安定位置に向かって(反時計方向に)、操作端部材を第二の操作端部材安定位置に向かって(時計方向)それぞれ付勢しているので、操作端部材69は第二の操作端部材安定位置側にある。
【0079】
ところが、中間部材65がその中立位置を越えて第一の中間部材安定位置側に回動されると、反転付勢手段79が中間部材65および操作端部材69をそれぞれ逆方向に付勢するようになるので、反転付勢手段79の付勢力により中間部材65が第一の中間部材安定位置にまで、操作端部材69が第一の操作端部材安定位置にまでそれぞれ回動され、アクチュエータは図18の状態となる。その後、第一の形状記憶合金83に対する通電が停止され、第一の形状記憶合金83が冷却し、形状回復力を失っても(このとき、図18の一点鎖線で示されるように、第一の形状記憶合金83は弛緩する)、反転付勢手段79の付勢力により中間部材65は第一の中間部材安定位置に、操作端部材69は第一の操作端部材安定位置にそれぞれそのまま保持される。
【0080】
また、図18のように操作端部材69が第一の操作端部材安定位置、中間部材65が第一の中間部材安定位置にそれぞれあり、かつ第一および第二の形状記憶合金83,84が冷却している状態から、前記スイッチ手段により第二の形状記憶合金84の両端部間に電源を接続し、第二の形状記憶合金84に通電すると、第二の形状記憶合金84が所定温度範囲まで加熱され、形状記憶効果により該形状記憶合金84が記憶している長さに戻ろうとする形状回復力を発生して収縮するので、中間部材65が反転付勢手段79に抗して第一の中間部材安定位置から第二の中間部材安定位置に向かって(反時計方向に)回動されて行く。しかし、中間部材65がその中立位置に達するまでは、依然としてばねユニット76の反転付勢手段79が中間部材65を第一の中間部材安定位置に向かって(時計方向に)、操作端部材を第一の操作端部材安定位置に向かって(反時計方向に)それぞれ付勢しているので、操作端部材69は第一の操作端部材安定位置側にある。
【0081】
ところが、中間部材65がその中立位置を越えて第二の中間部材安定位置側に回動されると、反転付勢手段79が中間部材65および操作端部材69をそれぞれ逆方向に付勢するようになるので、反転付勢手段79の付勢力により中間部材65が第二の中間部材安定位置にまで、操作端部材69が第二の操作端部材安定位置にまでそれぞれ回動され、図16の状態となる。その後、第二の形状記憶合金84に対する通電が停止され、第二の形状記憶合金84が冷却し、形状回復力を失っても(このとき、図16の実線で示されるように、第二の形状記憶合金84は弛緩する)、反転付勢手段79の付勢力により中間部材65は第二の中間部材安定位置、操作端部材は第二の操作端部材安定位置にそのまま保持される。
【0082】
このようにして、この双安定型形状記憶合金アクチュエータにおいても、操作端部材69に2つの安定位置を持たせ、第一または第二の形状記憶合金83,84に加熱することにより、その安定位置を反転できる。
【0083】
また、本実施例においても、外部から操作端部材69に力が作用しても、反転付勢手段79の方に力が逃がされることにより、当該外力が操作端部材69を通じて第一および第二の形状記憶合金83,84に直接的に作用することがない。したがって、外部から操作端部材69に作用する力により過大な応力が形状記憶合金83,84に加わり、性能が低下したり、破壊されてしまう虞を少なくし、耐久性を向上することができる。
【0084】
また、通常は、操作端部材回動軸68は反転付勢手段79の付勢力により軸嵌合凹部73の最深部に偏倚されているが、一方の形状記憶合金が十分冷却しないうちに他方の形状記憶合金が加熱されたり、誤動作により、第一および第二の形状記憶合金83,84が同時に加熱されて両方とも形状回復力を発生している状態になると、図19に示されるように、反転付勢手段79に抗して直線移動部材63とともに中間部材65が引き下げられ、操作端部材回動軸68が軸嵌合凹部73の最深部から該凹部73の開口側に移動した状態となるので、第一および第二の形状記憶合金83,84に過大な負荷が作用するのを防止することができる。なお、軸嵌合凹部73に代えて長穴を操作端部材69に設けてもよい。
【0085】
その他の点についても、前記各実施例と同様の作用効果を得ることができる。
【0086】
図20〜24は本発明の第四実施例を示しており、この実施例も双安定型アクチュエータを構成した例である。
【0087】
アクチュエータ本体91には中間部材回動軸92が立設されていて、この中間部材回動軸92には中間部材93の中央部に設けられた長穴状の軸穴108が回動可能に嵌合されており、これにより中間部材93は中間部材回動軸92を中心として回動可能となっている。この中間部材93には軸穴108の両側において上方に突出する突起部94,95が設けられている。前記アクチュエータ本体91には、中間部材回動軸92の両側においてピン状の中間部材ストッパ96,97が立設されている。前記中間部材93はその回動範囲を図22のようにストッパ97に当接される第一の中間部材安定位置と、図20のようにストッパ96に当接される第二の中間部材安定位置との間に制限されている。
【0088】
前記アクチュエータ本体91には操作端部材回動軸98が立設されており、この操作端部材回動軸98には直線状の操作端部材99の下端部寄りに設けられた軸穴100が回動嵌合されており、これにより操作端部材99は操作端部材回動軸98を中心として回動可能に支持されている。前記アクチュエータ本体91にはピン状の操作端部材ストッパ101,102が操作端部材回動軸98の両側において立設されており、操作端部材99はその回動範囲を図22のようにストッパ101に当接される第一の操作端部材安定位置と、図20のように操作端部材ストッパ102に当接される第二の操作端部材安定位置との間に制限されている。
【0089】
図24によく示されるように、前記操作端部材99の下端部には、該部材99の長さ方向に陥没する穴103が開口が設けられており、この穴103には圧縮コイルばねからなる反転付勢手段104の一部および直線移動部材105の一部が挿入されている。前記直線移動部材105は軸部106と大略半球状の頭部107とを一体的に有しており、操作端部材99に対して該部材99の長さ方向に移動可能な状態で反転付勢手段104内に挿入されている。前記反転付勢手段104は穴103の底部と直線移動部材105の頭部107との間に介装されており、頭部107を中間部材93の上面の突起部94,95間の部分に押圧するように付勢している。
【0090】
なお、軸穴108が長穴状とされているので、中間部材93は中間部材回動軸92に対して軸穴108の長さ方向にも移動可能とされており、反転付勢手段104は相対的に中間部材回動軸92を軸穴108の上端側に偏倚させる方向に中間部材93を付勢している。
【0091】
前記アクチュエータ本体91には、中間部材93の上方において、ピン109,110が立設されている。一方のピン109にはワイヤ状の第一の形状記憶合金111の一端部が取り付けられ、この形状記憶合金111の他端部は中間部材93の左端部に取り付けられている。同様にして、他方のピン110にはワイヤ状の第二の形状記憶合金112の一端部が取り付けられ、この形状記憶合金112の他端部は中間部材93の右端部に取り付けられている。前記第一および第二の形状記憶合金111,112は、前記第一実施例の形状記憶合金19,20と同様の形状記憶合金とされている。前記第一の形状記憶合金111の両端部間および第二の形状記憶合金112の両端部間は、スイッチ手段(図示せず)により、それぞれ独立に電源(図示せず)に接続および切断できるようになっている。
【0092】
次に、本実施例の作動を図20〜22を用いて説明する。図20は、反転付勢手段104の付勢力により直線移動部材105の頭部107が中間部材93の上面および突起部94を押圧し、中間部材93が中間部材ストッパ96に当接されて第二の中間部材安定位置にあり、操作端部材99は操作端部材ストッパ102に当接されて、第二の操作端部材安定位置にある状態を示している。
【0093】
この図20の状態において、前記スイッチ手段により第一の形状記憶合金111の両端部間に電源を接続し、第一の形状記憶合金111に通電すると、第一の形状記憶合金111が所定温度範囲まで加熱され、形状記憶効果により該形状記憶合金111が記憶している長さに戻ろうとする形状回復力を発生して収縮するので、中間部材93が反転付勢手段104に抗して第二の中間部材安定位置から第一の中間部材安定位置に向かって(時計方向に)回動されて行く。しかし、中間部材がその中立位置(図21のように中間部材93が操作端部材回動軸98と中間部材回動軸92とを結ぶ直線Aと垂直方向になる位置)に達するまでは、反転付勢手段104が中間部材93を第二の中間部材安定位置に向かって(反時計方向に)、操作端部材99を第二の操作端部材安定位置に向かって(時計方向に)それぞれ付勢しているので、操作端部材99は第二の操作端部材安定位置側にある。
【0094】
ところが、中間部材93がその中立位置を越えて第一の中間部材安定位置側に回動されると、反転付勢手段104が中間部材93および操作端部材99をそれぞれ逆方向に付勢するようになるので、反転付勢手段104の付勢力により中間部材93が第一の中間部材安定位置にまで、操作端部材99が第一の操作端部材安定位置にまでそれぞれ回動され、アクチュエータは図22の状態となる。なお、中間部材93および操作端部材99の回動に応じて直線移動部材105の頭部107は突起部94,95間において中間部材93に対し摺動する。その後、第一の形状記憶合金111に対する通電が停止され、第一の形状記憶合金111が冷却し、形状回復力を失っても、反転付勢手段104の付勢力により中間部材93はそのまま第一の中間部材安定位置に、操作端部材99は第一の操作端部材安定位置にそれぞれ保持される。
【0095】
また、図22のように操作端部材99が第一の操作端部材安定位置、中間部材93が第一の中間部材安定位置にそれぞれあり、かつ第一および第二の形状記憶合金111,112が冷却している状態から、前記スイッチ手段により第二の形状記憶合金112の両端部間に電源を接続し、第二の形状記憶合金112に通電すると、第二の形状記憶合金112が所定温度範囲まで加熱され、形状記憶効果により該形状記憶合金112が記憶している長さに戻ろうとする形状回復力を発生して収縮するので、中間部材93が反転付勢手段104に抗して第一の中間部材安定位置から第二の中間部材安定位置に向かって(反時計方向に)回動されて行く。しかし、中間部材93がその中立位置に達するまでは、依然として反転付勢手段104が中間部材93を第一の中間部材安定位置に向かって(時計方向に)、操作端部材99を第一の操作端部材安定位置に向かって(反時計方向に)それぞれ付勢しているので、操作端部材99は第一の操作端部材安定位置側にある。
【0096】
ところが、中間部材93がその中立位置を越えて第二の中間部材安定位置側に回動されると、反転付勢手段104が中間部材93および操作端部材99をそれぞれ逆方向に付勢するようになるので、反転付勢手段104の付勢力により中間部材93が第二の中間部材安定位置にまで、操作端部材99が第二の操作端部材安定位置にまでそれぞれ回動され、図20の状態となる。その後、第二の形状記憶合金112に対する通電が停止され、第二の形状記憶合金112が冷却し、形状回復力を失っても、反転付勢手段104の付勢力によりそのまま中間部材93は第二の中間部材安定位置、操作端部材99は第二の操作端部材安定位置にそれぞれ保持される。
【0097】
このようにして、この双安定型形状記憶合金アクチュエータにおいても、操作端部材99に2つの安定位置を持たせ、第一または第二の形状記憶合金111,112を加熱することにより、その安定位置を反転できる。
【0098】
また、この形状記憶合金アクチュエータも、外部から操作端部材99に力が作用しても、反転付勢手段104の方に力が逃がされたり、直線移動部材105の頭部107と中間部材93との間に滑りが生じることにより、当該外力が操作端部材99を通じて第一および第二の形状記憶合金111,112に直接的に作用することがない。したがって、外部から操作端部材99に作用する力により過大な応力が形状記憶合金に加わり、性能が低下したり、破壊されてしまう虞を少なくし、耐久性を向上することができる。
【0099】
また、操作端部材99の動作は直接的には反転付勢手段104の力によってなされるので、動作速度を速くすることができ、かつ形状記憶合金111,112の使用量を減らし、コストを低減するとともに、使用エネルギー量の低減、ひいては省資源を図ることができる。
【0100】
また、反転付勢手段106は、操作端部材回動軸98を中心として回動するのみの構造となっているので、装置を一層小型化できる。
【0101】
また、一方の形状記憶合金が十分冷却しないうちに他方の形状記憶合金が加熱されたり、誤動作により、第一および第二の形状記憶合金111,112が同時に加熱されて両方とも形状回復力を発生している状態になると、中間部材93の軸穴108が長穴状とされているので、図23に示されるように、反転付勢手段104に抗して中間部材が直線移動部材105とともに引き上げられるため、第一および第二の形状記憶合金111,112に過大な負荷が作用するのを防止することができる。
【0102】
なお、直線移動部材105と中間部材93との間の摺動抵抗を減少するため、前記図9〜12の第二実施例において操作端部材44にローラ46を支持させたのと同様に、直線移動部材105にローラを回転可能に支持させ、直線移動部材105がローラを介して中間部材93に押圧されるようにしてもよい。
【0103】
また、前記図13〜19の第三実施例における中間部材65と直線移動部材69との連結関係と同様に、中間部材93と直線移動部材105とを一つの関節軸により互いに回動可能に連結してもよい。
【0104】
図25および26は本発明の第五実施例を示しており、この実施例も双安定型アクチュエータを構成した例である。
【0105】
アクチュエータ本体121には穴122を設けられた支持板123が横方向に広がるように固定されている。前記アクチュエータ本体121には、穴122の下方に位置するようにしてばね受け台124が設けられており、このばね受け台124には横断面円弧状の凹部125が設けられている。前記凹部125には座屈ばね126の下端部が載置されており、この座屈ばね126の上端部は横断面円形の接続体127を介して直線状の操作端部材128の下端部に接続されている。前記接続体127は座屈ばね126の弾性により穴122の下側に当接され、前記操作端部材128は穴122を貫通して支持板123の上方に突出している。ここで、座屈ばね126は、図25のように右に凸となるように湾曲しているときは、より大きく右に凸となるように湾曲しようとして、操作端部材128を反時計方向(左傾する方向)に付勢する一方、図26のように左に凸となるように湾曲しているときは、より大きく左に凸となるように湾曲しようとして、操作端部材128を時計方向(右傾する方向)に付勢する特性を有している。
【0106】
前記座屈ばね126の左方において、アクチュエータ本体121と座屈ばね126の中央部との間にはワイヤ状の第一の形状記憶合金129が掛け渡されている一方、座屈ばね126の右方において、アクチュエータ本体121と座屈ばね126の中央部との間にはワイヤ状の第二の形状記憶合金130が掛け渡されている。前記第一および第二の形状記憶合金129,130は、前記第一実施例の形状記憶合金と同様の形状記憶合金とされている。前記第一の形状記憶合金129の両端部間および第二の形状記憶合金130の両端部間は、スイッチ手段(図示せず)により、それぞれ独立に電源(図示せず)に接続および切断できるようになっている。
【0107】
次に、本実施例の作動を説明する。第一および第二の形状記憶合金129,130がいずれも冷却していて、形状回復力を発生していない場合は、座屈ばね126により操作端部材128は図26に示される第一の安定位置または図25に示される第二の安定位置に位置されている。いま図25のように操作端部材128が第二の安定位置にある状態において、前記スイッチ手段により第一の形状記憶合金129の両端部間に電源を接続し、第一の形状記憶合金129に通電すると、第一の形状記憶合金129が所定温度範囲まで加熱され、形状記憶効果により該形状記憶合金129が記憶している長さに戻ろうとする形状回復力を発生して収縮するので、図26のように座屈ばね126が逆に左に凸となるように反転湾曲し、操作端部材128は第一の安定位置に至る。その後、第一の形状記憶合金129に対する通電が停止され、第一の形状記憶合金129が冷却し、形状回復力を失っても(このとき第一の形状記憶合金129は図26に示されるように弛緩した状態となる)、座屈ばね126の付勢力により第一の操作端部材128はそのまま第一の安定位置に保持される。
【0108】
他方、図26のように操作端部材128が第一の安定位置にあるときに、前記スイッチ手段により第二の形状記憶合金130の両端部間に電源を接続し、第二の形状記憶合金130に通電すると、第二の形状記憶合金130が所定温度範囲まで加熱され、形状記憶効果により該形状記憶合金130が記憶している長さに戻ろうとする形状回復力を発生して収縮するので、図25のように座屈ばね126が逆に右に凸となるように反転湾曲し、操作端部材128は第二の安定位置に至る。その後、第二の形状記憶合金130に対する通電が停止され、第二の形状記憶合金130が冷却し、形状回復力を失っても(このとき第二の形状記憶合金130は図25に示されるように弛緩した状態となる)、座屈ばね126の付勢力により第二の操作端部材128はそのまま安定位置に保持される。
【0109】
このようにして、この双安定型形状記憶合金アクチュエータにおいても、操作端部材128に2つの安定位置を持たせ、第一または第二の形状記憶合金129,130に加熱することにより、その安定位置を反転できる。
【0110】
また、本実施例においても、外部から操作端部材128に力が作用しても、座屈ばね126の方に力が逃がされ、当該外力が操作端部材128を通じて第一および第二の形状記憶合金129,130に直接的に作用することがない。したがって、外部から操作端部材128に作用する力により過大な応力が形状記憶合金129,130に加わり、性能が低下したり、破壊されてしまう虞を少なくし、耐久性を向上することができる。
【0111】
また、操作端部材128の動作は直接的には座屈ばね126の力によってなされるので、動作速度を速くすることができ、かつ形状記憶合金129,130の使用量を減らし、コストを低減するとともに、使用エネルギー量の低減、ひいては省資源を図ることができる。
【0112】
また、座屈ばね126は実質的に常に同一位置にある構造なので、装置を一層小型化することができる。
【0113】
図27〜29は本発明の第六実施例を示しており、この実施例は単安定型アクチュエータを構成した例である。
【0114】
この実施例は、前記第一実施例の双安定型アクチュエータにおける第二の形状記憶合金20の代わりに引っ張りコイルバネからなる復帰付勢手段141をピン17と中間部材6の左端部との間に介装した構成とされている。そして、前記第一実施例における第一の中間部材安定位置が中間部材一時反転位置、第二の中間部材安定位置が中間部材安定位置、第一の操作端部材安定位置が操作端部材一時反転位置、第二の操作端部材安定位置が操作端部材安定位置に置き換えられる。
【0115】
次に、本実施例の作動を図27〜29を用いて説明する。図27は、形状記憶合金19が冷却しており、復帰付勢手段141および反転付勢手段16の付勢力によって、中間部材6はガイド2に当接されて中間部材安定位置にあり、操作端部材11は操作端部材ストッパ14に当接されて操作端部材安定位置にある状態を示しており、このとき操作端部材11は同時に中間部材6の突起部8に当接されている。
【0116】
この図27の状態において、スイッチ手段により形状記憶合金19の両端部間に電源を接続し、形状記憶合金19に通電すると、ジュール熱により形状記憶合金19が所定温度範囲まで加熱され、形状記憶効果により該形状記憶合金19が記憶している長さに戻ろうとする形状回復力を発生して収縮するので、中間部材6が反転付勢手段16に抗して中間部材安定位置から中間部材一時反転位置に向かって(すなわち時計方向に)回動されて行く。しかし、中間部材6がその中立位置(図28のように中間部材6が直線Aと垂直方向になる位置)に達するまでは、反転付勢手段16が中間部材6を中間部材安定位置に向かって(反時計方向に)、操作端部材11を操作端部材安定位置に向かって(時計方向に)それぞれ付勢しているので、操作端部材11は操作端部材安定位置側にある。。
【0117】
ところが、中間部材6がその中立位置を越えて中間部材一時反転位置側に回動されると、反転付勢手段16が中間部材6および操作端部材11をそれぞれ逆方向に付勢するようになるので、反転付勢手段16の付勢力により中間部材6が中間部材一時反転位置にまで、操作端部材11が操作端部材一時反転位置にまでそれぞれ回動され、操作端部材11はストッパ13に当接されるとともに中間部材6の突起部9に当接され、アクチュエータは図29の状態となる。なお、中間部材6および操作端部材11の回動に応じて操作端部材11の下端部は突起部8,9間において中間部材6に対し摺動する。
【0118】
その後、形状記憶合金19に対する通電が停止され、形状記憶合金19が冷却し、形状回復力を失うと、復帰付勢手段141により中間部材6が反転付勢手段16に抗して中間部材一時反転位置から中間部材安定位置に向かって(反時計方向に)回動されて行く。しかし、中間部材6がその中立位置に達するまでは、反転付勢手段16が中間部材6を中間部材一時反転位置に向かって(時計方向に)、操作端部材11を操作端部材一時反転位置に向かって(反時計方向に)それぞれ付勢しているので、操作端部材11は操作端部材一時反転位置側にある。ところが、中間部材6がその中立位置を越えて中間部材安定位置側に回動されると、反転付勢手段16が中間部材6および操作端部材11をそれぞれ逆方向に付勢するようになるので、反転付勢手段16および復帰付勢手段141の付勢力より中間部材6が中間部材安定位置にまで、操作端部材11が操作端部材安定位置にまでそれぞれ急速に回動され、図27の状態に復帰する。
【0119】
なお、本実施例においても、外部から操作端部材11に力が作用しても、反転付勢手段16の方に力が逃がされたり、操作端部材11と中間部材6との間に滑りが生じることにより、当該外力が操作端部材11を通じて形状記憶合金14に直接的に作用することがない。したがって、外部から操作端部材11に作用する力により過剰な応力が形状記憶合金19に加わり、性能が低下したり、破壊されてしまう虞を少なくし、耐久性を向上することができる。
【0120】
また、操作端部材11の動作は直接的には反転付勢手段16および復帰付勢手段141の力によってなされるので、動作速度を速くすることができ、かつ形状記憶合金の使用量を減らし、コストを低減するとともに、使用エネルギー量の低減、ひいては省資源を図ることができる。
【0121】
また、反転付勢手段16の位置および方向は変化しない構造となっているので、装置を一層小型化できる。
【0122】
図30〜33は本発明の第七、八、九、十実施例をそれぞれ示しており、これらの実施例も単安定型アクチュエータを構成した例である。
【0123】
これらの実施例は、前記第二、三、四、五実施例の双安定型アクチュエータにおける第二の形状記憶合金54,84,112,130を引っ張りコイルバネからなる復帰付勢手段142,143,144,145にそれぞれ置き換えた構成とされている。そして、前記第六実施例の場合同様に、各実施例における第一の中間部材安定位置が中間部材一時反転位置、第二の中間部材安定位置が中間部材安定位置、第一の操作端部材安定位置が操作端部材一時反転位置、第二の操作端部材安定位置が操作端部材安定位置に置き換えられている。したがって、その動作は明かであると思われるので、説明を省略する。
【0124】
なお、前記各実施例においては、形状記憶合金を通電により加熱するものとしているが、本発明においては、伝導加熱、対流や環境温度による加熱、赤外線やレーザーによる加熱等の他の種の加熱方式によって形状記憶合金を加熱してもよい。
【0125】
また、前記各実施例においては、反転付勢手段16,50,79,104および復帰付勢手段141〜145をコイルばねにより構成しているが、本発明においては、反転付勢手段および復帰付勢手段をコイルばね以外のばねや、気体を利用したばね等の他の種のばねとしてもよいし、ゴム弾性体や磁石により構成してもよい。また、前記各実施例においては、反転付勢手段16,50,79,104を圧縮ばね、復帰付勢手段141〜145を引っ張りばねにより構成しているが、反転付勢手段を引っ張りばね、復帰付勢手段を圧縮ばねとそれぞれすることも可能である。
【0126】
【発明の効果】
以上のように本発明による形状記憶合金アクチュエータは、
(イ)外部から力が操作端に作用しても、その外力が操作端を通じて形状記憶合金に直接的に作用することがない、
(ロ)動作速度が速い、
(ハ)操作端が2つの安定位置を持つ双安定型の形状記憶合金アクチュエータや、操作端が1つの安定位置を持ち、かつ操作端の位置を迅速に反転できる単安定型アクチュエータを得ることができる、
(ニ)差動型形状記憶合金アクチュエータにおいて、両方の形状記憶合金が同時に形状回復力を発生している状態になっても、形状記憶合金が劣化したり、破壊されることのないようにすることも可能である、
(ホ)装置を一層小型化することができる、
等の優れた効果を得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による形状記憶合金アクチュエータの第一実施例をカバーを分解して示す斜視図である。
【図2】前記第一実施例を示す平面図である。
【図3】前記第一実施例における直線移動部材を示す斜視図である。
【図4】前記第一実施例における中間部材を示す斜視図である。
【図5】前記第一実施例を、中間部材および操作端部材がそれぞれそれらの第二の安定位置にある状態において示す正面図である(カバーは取り外してある)。
【図6】前記第一実施例を、中間部材が中立位置にある状態において示す正面図である(カバーは取り外してある)。
【図7】前記第一実施例を、中間部材および操作端部材がそれぞれそれらの第一の安定位置にある状態において示す正面図である(カバーは取り外してある)。
【図8】前記第一実施例を、第一および第二の形状記憶合金が同時に加熱された状態において示す正面図である(カバーは取り外してある)。
【図9】本発明による形状記憶合金アクチュエータの第二実施例を、中間部材および操作端部材がそれぞれそれらの第二の安定位置にある状態において示す正面図である。
【図10】前記第二実施例を、中間部材が中立位置にある状態において示す正面図である。
【図11】前記第二実施例を、中間部材および操作端部材がそれぞれそれらの第一の安定位置にある状態において示す正面図である。
【図12】前記第二実施例における直線移動部材および中間部材を示す斜視図である。
【図13】本発明による形状記憶合金アクチュエータの第三実施例を示す斜視図である(形状記憶合金は図示していない)。
【図14】前記第三実施例を示す分解斜視図である(形状記憶合金は図示していない)。
【図15】前記第三実施例におけるばねユニットを示す断面図である。
【図16】前記第三実施例を、中間部材および操作端部材がそれぞれそれらの第二の安定位置にある状態において示す正面図である。
【図17】前記第三実施例を、中間部材が中立位置にある状態において示す正面図である。
【図18】前記第三実施例を、中間部材および操作端部材がそれぞれそれらの第一の安定位置にある状態において示す正面図である。
【図19】前記第一実施例を、第一および第二の形状記憶合金が同時に加熱された状態において示す正面図である。
【図20】本発明による形状記憶合金アクチュエータの第四実施例を、中間部材および操作端部材がそれぞれそれらの第二の安定位置にある状態において示す正面図である。
【図21】前記第四実施例を、中間部材が中立位置にある状態において示す正面図である。
【図22】前記第四実施例を、中間部材および操作端部材がそれぞれそれらの第一の安定位置にある状態において示す正面図である。
【図23】前記第四実施例を、第一および第二の形状記憶合金が同時に加熱された状態において示す正面図である。
【図24】前記第四実施例における操作端部材の下端部付近、直線移動部材および反転付勢手段を示す拡大断面図である。
【図25】本発明による形状記憶合金アクチュエータの第五実施例を、操作端部材が第二の安定位置にある状態において示す断面図である。
【図26】前記第五実施例を、操作端部材が第一の安定位置にある状態において示す断面図である。
【図27】本発明による形状記憶合金アクチュエータの第六実施例を、中間部材および操作端部材がそれぞれそれらの安定位置にある状態において示す正面図である。
【図28】前記第六実施例を、中間部材が中立位置にある状態において示す正面図である。
【図29】前記第六実施例を、中間部材および操作端部材がそれぞれそれらの一時反転位置にある状態において示す正面図である。
【図30】本発明による形状記憶合金アクチュエータの第七実施例を示す正面図である。
【図31】本発明による形状記憶合金アクチュエータの第八実施例を示す正面図である。
【図32】本発明による形状記憶合金アクチュエータの第九実施例を示す正面図である。
【図33】本発明による形状記憶合金アクチュエータの第十実施例を示す正面図である。
【符号の説明】
4  直線移動部材
5  中間部材回動軸
6  中間部材
10  操作端部材回動軸
11  操作端部材
16  反転付勢手段
19  第一の形状記憶合金
20  第二の形状記憶合金
34  直線移動部材
36  中間部材回動軸
37  中間部材
43  操作端部材回動軸
44  操作端部材
46  ローラ
50  反転付勢手段
53  第一の形状記憶合金
54  第二の形状記憶合金
63  直線移動部材
64  中間部材回動軸
65  中間部材
67  関節軸
68  操作端部材回動軸
69  操作端部材
73  関節軸
79  反転付勢手段
83  第一の形状記憶合金
84  第二の形状記憶合金
92  中間部材回動軸
93  中間部材
98  操作端部材回動軸
99  操作端部材
104  反転付勢手段
105  直線移動部材
111  第一の形状記憶合金
112  第二の形状記憶合金
126  座屈ばね
128  操作端部材
129  第一の形状記憶合金
130  第二の形状記憶合金
141〜145  復帰付勢手段

Claims (14)

  1. 操作端が2つの安定位置を有する双安定型形状記憶合金アクチュエータであって、
    直線方向に移動可能な直線移動部材と、この直線移動部材に、第一の中間部材安定位置と第二の中間部材安定位置との間を回動可能に支持された中間部材と、第一の操作端部材安定位置と第二の操作端部材安定位置との間を回動可能な操作端部材と、形状回復力を発生したとき、前記中間部材を前記第一の中間部材安定位置に向かって回動させるように前記中間部材に連係された第一の形状記憶合金と、形状回復力を発生したとき、前記中間部材を前記第二の中間部材安定位置に向かって回動させるように前記中間部材に連係された第二の形状記憶合金と、前記直線移動部材を前記操作端部材の回動中心側に付勢する反転付勢手段とを有してなり、前記直線移動部材の移動方向は前記操作端部材の回動中心と前記中間部材の回動中心とを結ぶ方向であり、前記操作端部材は前記中間部材を介して前記反転付勢手段の付勢力を作用されるようになっており、
    前記操作端部材が前記第一の操作端部材安定位置、前記中間部材が前記第一の中間部材安定位置にそれぞれあるときは、前記反転付勢手段により前記中間部材は前記第一の中間部材安定位置に向かって、前記操作端部材は前記第一の操作端部材安定位置に向かってそれぞれ付勢されており、この状態から前記中間部材が前記第二の中間部材安定位置に向かって回動されて行くと、前記中間部材が所定の中立位置より前記第一の中間部材安定位置側にある間は、依然として前記反転付勢手段により前記中間部材は前記第一の中間部材安定位置に向かって、前記操作端部材は前記第一の操作端部材安定位置に向かってそれぞれ付勢されているが、前記中間部材が前記中立位置を越えて前記第二の中間部材安定位置側に回動されると、前記反転付勢手段により逆に前記中間部材は前記第二の中間部材安定位置に向かって、前記操作端部材は前記第二の操作端部材安定位置に向かってそれぞれ付勢される一方、前記操作端部材が前記第二の操作端部材安定位置、前記中間部材が前記第二の中間部材安定位置にそれぞれあるときは、前記反転付勢手段により前記中間部材は前記第二の中間部材安定位置に向かって、前記操作端部材は前記第二の操作端部材安定位置に向かってそれぞれ付勢されており、この状態から前記中間部材が前記第一の中間部材安定位置に向かって回動されて行くと、前記中間部材が所定の中立位置より前記第二の中間部材安定位置側にある間は、依然として前記反転付勢手段により前記中間部材は前記第二の中間部材安定位置に向かって、前記操作端部材は前記第二の操作端部材安定位置に向かってそれぞれ付勢されているが、前記中間部材が前記中立位置を越えて前記第一の中間部材安定位置側に回動されると、前記反転付勢手段により逆に前記中間部材は前記第一の中間部材安定位置に向かって、前記操作端部材は前記第一の操作端部材安定位置に向かってそれぞれ付勢されるように構成されている形状記憶合金アクチュエータ。
  2. 前記中間部材は前記反転付勢手段の付勢力により前記操作端部材に押圧されるようになっており、かつ前記操作端部材および前記中間部材の回動位置の変化に応じて前記中間部材と前記操作端部材との接触部が移動するようになっている請求項1記載の形状記憶合金アクチュエータ。
  3. 前記操作端部材に回転可能に支持されたローラをさらに有し、前記中間部材は前記ローラを介して前記操作端部材に押圧されるようになっている請求項2記載の形状記憶合金アクチュエータ。
  4. 前記中間部材と前記操作端部材とは一つの関節軸により互いに回動可能に連結されている請求項1記載の形状記憶合金アクチュエータ。
  5. 前記関節軸は前記操作端部材および/または前記中間部材に対し一定範囲内において移動可能とされており、前記反転付勢手段は前記関節軸をこの移動可能範囲の一端側に偏倚させように前記中間部材を付勢している請求項4記載の形状記憶合金アクチュエータ。
  6. 操作端が2つの安定位置を有する双安定型形状記憶合金アクチュエータであって、
    第一の操作端部材安定位置と第二の操作端部材安定位置との間を回動可能な操作端部材と、第一の中間部材安定位置と第二の中間部材安定位置との間を回動可能な中間部材と、形状回復力を発生したとき、前記中間部材を前記第一の中間部材安定位置に向かって回動させるように前記中間部材に連係された第一の形状記憶合金と、形状回復力を発生したとき、前記中間部材を前記第二の中間部材安定位置に向かって回動させるように前記中間部材に連係された第二の形状記憶合金と、前記操作端部材に該操作端部材に対して直線方向に移動可能に支持された直線移動部材と、この直線移動部材を介して前記中間部材に力を作用させることとなるように該直線移動部材を前記中間部材側に付勢する反転付勢手段とを有してなり、
    前記操作端部材が前記第一の操作端部材安定位置、前記中間部材が前記第一の中間部材安定位置にそれぞれあるときは、前記反転付勢手段により前記中間部材は前記第一の中間部材安定位置に向かって、前記操作端部材は前記第一の操作端部材安定位置に向かってそれぞれ付勢されており、この状態から前記中間部材が前記第二の中間部材安定位置に向かって回動されて行くと、前記中間部材が所定の中立位置より前記第一の中間部材安定位置側にある間は、依然として前記反転付勢手段により前記中間部材は前記第一の中間部材安定位置に向かって、前記操作端部材は前記第一の操作端部材安定位置に向かってそれぞれ付勢されているが、前記中間部材が前記中立位置を越えて前記第二の中間部材安定位置側に回動されると、前記反転付勢手段により逆に前記中間部材は前記第二の中間部材安定位置に向かって、前記操作端部材は前記第二の操作端部材安定位置に向かってそれぞれ付勢される一方、前記操作端部材が前記第二の操作端部材安定位置、前記中間部材が前記第二の中間部材安定位置にそれぞれあるときは、前記反転付勢手段により前記中間部材は前記第二の中間部材安定位置に向かって、前記操作端部材は前記第二の操作端部材安定位置に向かってそれぞれ付勢されており、この状態から前記中間部材が前記第一の中間部材安定位置に向かって回動されて行くと、前記中間部材が所定の中立位置より前記第二の中間部材安定位置側にある間は、依然として前記反転付勢手段により前記中間部材は前記第二の中間部材安定位置に向かって、前記操作端部材は前記第二の操作端部材安定位置に向かってそれぞれ付勢されているが、前記中間部材が前記中立位置を越えて前記第一の中間部材安定位置側に回動されると、前記反転付勢手段により逆に前記中間部材は前記第一の中間部材安定位置に向かって、前記操作端部材は前記第一の操作端部材安定位置に向かってそれぞれ付勢されるように構成されている形状記憶合金アクチュエータ。
  7. 前記直線移動部材は前記反転付勢手段の付勢力により前記中間部材に押圧されるようになっており、かつ前記操作端部材および前記中間部材の回動位置の変化に応じて前記中間部材と前記操作端部材との接触部が移動するようになっている請求項6記載の形状記憶合金アクチュエータ。
    トル
  8. 前記直線移動部材に回転可能に支持されたローラをさらに有し、前記直線移動部材は前記ローラを介して前記中間部材に押圧されるようになっている請求項7記載の形状記憶合金アクチュエータ。
  9. 前記中間部材と前記直線移動部材とは一つの関節軸により互いに回動可能に連結されている請求項6記載の形状記憶合金アクチュエータ。
  10. 前記関節軸は前記中間部材および/または前記直線移動部材に対し一定範囲内において移動可能とされており、前記反転付勢手段は前記関節軸をこの移動可能範囲の一端側に偏倚させように前記直線移動部材を付勢している請求項9記載の形状記憶合金アクチュエータ。
  11. 操作端が2つの安定位置を有する双安定型形状記憶合金アクチュエータであって、
    第一の安定位置と第二の安定位置との間を移動可能な操作端部材と、前記操作端部材に連係されており、前記操作端部材を前記第一の安定位置側に付勢する状態および前記操作端部材を前記第二の安定位置側に付勢する状態を取り得る座屈ばねと、形状回復力を発生したとき、前記操作端部材を前記第一の安定位置側に付勢する状態へ前記座屈ばねを遷移させるように前記操作端部材を介することなく前記座屈ばねに連係された第一の形状記憶合金と、形状回復力を発生したとき、前記操作端部材を前記第二の安定位置側に付勢する状態へ前記座屈ばねを遷移させるように前記操作端部材を介することなく前記座屈ばねに連係された第二の形状記憶合金とを有してなる形状記憶合金アクチュエータ。
  12. 操作端が1つの安定位置を有する単安定型形状記憶合金アクチュエータであって、
    直線方向に移動可能な直線移動部材と、この直線移動部材に、中間部材安定位置と中間部材一時反転位置との間を回動可能に支持された中間部材と、操作端部材安定位置と操作端部材一時反転位置との間を回動可能な操作端部材と、形状回復力を発生したとき、前記中間部材を前記中間部材一時反転位置に向かって回動させるように前記中間部材に連係された形状記憶合金と、前記中間部材を前記中間部材安定位置に向かって付勢する復帰付勢手段と、前記直線移動部材を前記操作端部材の回動中心側に付勢する反転付勢手段とを有してなり、前記直線移動部材の移動方向は前記操作端部材の回動中心と前記中間部材の回動中心とを結ぶ方向であり、前記操作端部材は前記中間部材を介して前記反転付勢手段の付勢力を作用されるようになっており、
    前記操作端部材が前記操作端部材安定位置、前記中間部材が前記中間部材安定位置にそれぞれあるときは、前記反転付勢手段により前記中間部材は前記中間部材安定位置に向かって、前記操作端部材は前記操作端部材安定位置に向かってそれぞれ付勢されており、この状態から前記中間部材が前記中間部材一時反転位置に向かって回動されて行くと、前記中間部材が所定の中立位置より前記中間部材安定位置側にある間は、依然として前記反転付勢手段により前記中間部材は前記中間部材安定位置に向かって、前記操作端部材は前記操作端部材安定位置に向かってそれぞれ付勢されているが、前記中間部材が前記中立位置を越えて前記中間部材一時反転位置側に回動されると、前記反転付勢手段により逆に前記中間部材は前記中間部材一時反転位置に向かって、前記操作端部材は前記操作端部材一時反転位置に向かってそれぞれ付勢される一方、前記操作端部材が前記操作端部材一時反転位置、前記中間部材が前記中間部材一時反転位置にそれぞれあるときは、前記反転付勢手段により前記中間部材は前記中間部材一時反転位置に向かって、前記操作端部材は前記操作端部材一時反転位置に向かってそれぞれ付勢されており、この状態から前記中間部材が前記中間部材安定位置に向かって回動されて行くと、前記中間部材が所定の中立位置より前記中間部材一時反転位置側にある間は、依然として前記反転付勢手段により前記中間部材は前記中間部材一時反転位置に向かって、前記操作端部材は前記操作端部材一時反転位置に向かってそれぞれ付勢されているが、前記中間部材が前記中立位置を越えて前記中間部材安定位置側に回動されると、前記反転付勢手段により逆に前記中間部材は前記中間部材安定位置に向かって、前記操作端部材は前記操作端部材安定位置に向かってそれぞれ付勢されるように構成されている形状記憶合金アクチュエータ。
  13. 操作端が1つの安定位置を有する単安定型形状記憶合金アクチュエータであって、
    操作端部材安定位置と操作端部材一時反転位置との間を回動可能な操作端部材と、中間部材安定位置と中間部材一時反転位置との間を回動可能な中間部材と、形状回復力を発生したとき、前記中間部材を前記一時反転位置に向かって回動させるように前記中間部材に連係された形状記憶合金と、前記中間部材を前記中間部材安定位置に向かって付勢する復帰付勢手段と、前記操作端部材に該操作端部材に対して直線方向に移動可能に支持された直線移動部材と、この直線移動部材を介して前記中間部材に力を作用させることとなるように該直線移動部材を前記中間部材側に付勢する反転付勢手段とを有してなり、
    前記操作端部材が前記操作端部材安定位置、前記中間部材が前記中間部材安定位置にそれぞれあるときは、前記反転付勢手段により前記中間部材は前記中間部材安定位置に向かって、前記操作端部材は前記操作端部材安定位置に向かってそれぞれ付勢されており、この状態から前記中間部材が前記中間部材一時反転位置に向かって回動されて行くと、前記中間部材が所定の中立位置より前記中間部材安定位置側にある間は、依然として前記反転付勢手段により前記中間部材は前記中間部材安定位置に向かって、前記操作端部材は前記操作端部材安定位置に向かってそれぞれ付勢されているが、前記中間部材が前記中立位置を越えて前記中間部材一時反転位置側に回動されると、前記反転付勢手段により逆に前記中間部材は前記中間部材一時反転位置に向かって、前記操作端部材は前記操作端部材一時反転位置に向かってそれぞれ付勢される一方、前記操作端部材が前記操作端部材一時反転位置、前記中間部材が前記中間部材一時反転位置にそれぞれあるときは、前記反転付勢手段により前記中間部材は前記中間部材一時反転位置に向かって、前記操作端部材は前記操作端部材一時反転位置に向かってそれぞれ付勢されており、この状態から前記中間部材が前記中間部材安定位置に向かって回動されて行くと、前記中間部材が所定の中立位置より前記中間部材一時反転位置側にある間は、依然として前記反転付勢手段により前記中間部材は前記中間部材一時反転位置に向かって、前記操作端部材は前記操作端部材一時反転位置に向かってそれぞれ付勢されているが、前記中間部材が前記中立位置を越えて前記中間部材安定位置側に回動されると、前記反転付勢手段により逆に前記中間部材は前記中間部材安定位置に向かって、前記操作端部材は前記操作端部材安定位置に向かってそれぞれ付勢されるように構成されている形状記憶合金アクチュエータ。
  14. 操作端が1つの安定位置を有する単安定型形状記憶合金アクチュエータであって、
    安定位置と一時反転位置との間を移動可能な操作端部材と、前記操作端部材に連係されており、前記操作端部材を前記安定位置側に付勢する状態および前記操作端部材を前記一時反転位置側に付勢する状態を取り得る座屈ばねと、形状回復力を発生したとき、前記操作端部材を前記一時反転位置側に付勢する状態へ前記座屈ばねを遷移させるように前記操作端部材を介することなく前記座屈ばねに連係された形状記憶合金と、前記操作端部材を前記安定位置側に付勢する状態へ前記座屈ばねを遷移させる方向に前記座屈ばねを付勢する復帰付勢手段とを有してなる形状記憶合金アクチュエータ。
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