JP4040794B2 - 形状記憶合金アクチュエータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、形状記憶合金を駆動源とする形状記憶合金アクチュエータに係り、特に操作端を互いに反対方向に動かす一対の形状記憶合金を備えた差動型形状記憶合金アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】
図1および2は、従来の差動型形状記憶合金アクチュエータを示す。本体1には支持材2,3が固定されており、これらの支持材2,3にはそれぞれピン4,5が取り付けられている。前記本体1には、大略T字状の操作端部材6の中心部に設けられた回転軸7が回転可能に支持されている。前記操作端部材6の一端部に設けられたピン8とピン4との間にはコイル状に巻かれた第一の形状記憶合金9が介装される一方、操作端部材6の他端部に設けられたピン10とピン5との間にはコイル状に巻かれた第二の形状記憶合金11が介装されている。前記第二の形状記憶合金11は図1に示される短い形状を記憶している。前記第一の形状記憶合金9は第二の形状記憶合金11と同様の短い形状を記憶している。
【0003】
この従来の差動型形状記憶合金アクチュエータにおいては、第一の形状記憶合金9が冷却しているとき、第二の形状記憶合金11が加熱されると、図1のように、第二の形状記憶合金11は記憶している短い形状に戻り、操作端部材6を図上時計方向に回転させるとともに第一の形状記憶合金9をマクロ的に見て伸び変形させる(参考までに述べると、この場合、真の意味では、第一の形状記憶合金9の各部は曲げおよびねじり変形している)。また、逆に、第二の形状記憶合金11が冷却しているとき、第一の形状記憶合金9が加熱されると、第一の形状記憶合金9は記憶している短い形状に戻り、操作端部材6を図上反時計方向に回転させるとともに第二の形状記憶合金11をマクロ的に見て伸び変形させる。これにより、図上左右対称の運動を行わせることができる。
【0004】
図4および5は、従来の単安定型形状記憶合金アクチュエータを示す。本体1には支持材2,3が固定されており、これらの支持材2,3にはそれぞれピン4,5が取り付けられている。前記本体1には、大略T字状の操作端部材6の中心部に設けられた回転軸7が回転可能に支持されている。前記操作端部材6の一端部に設けられたピン8とピン4との間には、非形状記憶合金材料により構成された引っ張りコイルばね12が介装されており、このばね12は操作端部材6を図上反時計方向に付勢している。前記操作端部材6の他端部に設けられたピン10とピン5との間にはコイル状に巻かれた形状記憶合金13が介装されており、この形状記憶合金13は図5に示されるような短い形状を記憶している。
【0005】
この従来の単安定型形状記憶合金アクチュエータにおいては、形状記憶合金13が冷却しているときは、図4のように、ばねの力により操作端部材6が図上反時計方向に回転されているとともに、形状記憶合金13がマクロ的に見て伸び変形されている。他方、形状記憶合金13が加熱されると、図5のように、該形状記憶合金13はばね12に抗して記憶している短い形状に戻り、操作端部材6を図上時計方向に回転させる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記図1および2の従来の差動型形状記憶合金アクチュエータにおいては、動作方向を切り替える際、それまで加熱されていた形状記憶合金9または11が十分冷却しない(形状回復力を失っていない)うちに、他方の形状記憶合金11または9を加熱すると、両方の形状記憶合金9,11が互いに形状回復力を反対方向に作用させ合って動かなくなってしまう。形状記憶合金9,11の形状回復力は、低温状態のひずみの与え方によっては降伏限界より大きくなるので、このように両方の形状記憶合金9,11が形状回復力を作用させ合う状態になると、最悪の場合は、アクチュエータを動かせないばかりでなく、形状記憶合金9,11が破断したり、塑性変形し、アクチュエータが壊れてしまっていた。
【0007】
このような事態を招かないようにするには、加熱温度を必要最小限にし、動作方向を切り替える際は、それまで加熱されていた側の形状記憶合金9または11が十分に冷却するのを待ってから、他方の形状記憶合金11または9を加熱するようにしなければならなかった。図3は、このような事情を示す従来の差動型形状記憶合金アクチュエータの動作のタイムチャートである。第一の形状記憶合金9の冷却時間および第二の形状記憶合金11の冷却時間の間は、アクチュエータを動かせない無駄な時間となる。そして、形状記憶合金の冷却速度はその熱容量に依存するので、加熱速度より相当遅くなるのが普通であるため、前記無駄な時間は相当長くなるから、アクチュエータの応答性が非常に悪くなる。したがって、図1および2の従来の差動型形状記憶合金アクチュエータは、実際上は、実用性は全くないと言わざるを得なかった。
【0008】
他方、前記図4および5の従来の単安定型形状記憶合金アクチュエータにおいては、操作端部材6を外部から拘束しない限り、加熱によって形状記憶合金13に無理な力が加わることがないため、耐久性の高いアクチュエータを得ることができる。しかし動作の安定点は、常に非形状記憶合金材料のばね12に引かれている側であり、左右対称の運動を得ることはできなかった。
【0009】
本発明は、このような従来の事情に鑑みてなされたもので、本発明の1つの目的は、差動型形状記憶合金アクチュエータにおいて、両方の形状記憶合金が同時に形状回復力を発生している状態になっても、両方の形状記憶合金が形状回復力を互いにそのまま作用させ合うことがなく、動作方向の切替時に形状記憶合金の冷却時間を特に設ける必要がなく、動作方向切替時の応答性を向上させることができる形状記憶合金アクチュエータを提供することを目的とする。
【0010】
本発明の他の目的は、以下の説明から明らかになろう。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明による形状記憶合金アクチュエータは、第一の方向およびこの第一の方向と反対の第二の方向に動くことができる操作端部材と、形状回復力を発生したとき、前記操作端部材を前記第一の方向に動かすように前記操作端部材に連係された第一の形状記憶合金と、形状回復力を発生したとき、前記操作端部材を前記第二の方向に動かすように前記操作端部材に連係された第二の形状記憶合金と、前記操作端部材に連係されたばねとを有してなり、
前記操作端部材と前記ばねとは、前記第一の形状記憶合金が形状回復力を発生していることにより前記操作端部材が所定の中立位置より前記第一の方向に動かされている際に、前記第二の形状記憶合金も形状回復力を発生したときは、前記ばねが変形されることにより前記操作端部材が前記第二の方向に動き、その結果、前記第一および第二の形状記憶合金が形状回復力を互いにそのまま作用し合わないこととなり、前記第二の形状記憶合金が形状回復力を発生していることにより前記操作端部材が所定の中立位置より前記第二の方向に動かされている際に、前記第一の形状記憶合金も形状回復力を発生したときは、前記ばねが変形されることにより前記操作端部材が前記第一の方向に動き、その結果、前記第一および第二の形状記憶合金が形状回復力を互いにそのまま作用し合わないこととなるように連係されているものである。
【0012】
本発明の形状記憶合金アクチュエータにおいては、第一および第二の形状記憶合金が同時に形状回復力を発生している状態になっても、ばねが変形されることにより操作端部材が第一または第二の方向に動くので、第一および第二の形状記憶合金が形状回復力を互いにそのまま作用させ合うことはない。したがって、動作方向の切替時にそれまで加熱されていた形状記憶合金の冷却時間を特に設ける必要がなく、動作方向切替時の応答性を向上させることができるとともに、制御も容易になる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
【0014】
【実施例】
図6〜9は本発明による形状記憶合金アクチュエータの第一実施例を示しており、この実施例は、単安定型形状記憶合金アクチュエータを2段積み重ねたような構成となっている。本体1には支持材14,15が互いに間隔を置いて固定されており、これらの支持材14,15にはそれぞれピン16,17が取り付けられている。前記本体1には、支持材14,15の上方において、直線状の中間部材18の中央部に設けられた回転軸19が回転可能に支持されている(なお、この実施例の説明において、上下左右、時計方向および反時計方向とは図6〜9上において言うものとする)。前記中間部材18の両端部には、それぞれピン20,21が取り付けられている。前記本体1には、中間部材18のさらに上方において、大略T字状の操作端部材6の中心部に設けられた回転軸22が回転可能に支持されている。前記操作端部材6の左右両端部には、ピン23,24がそれぞれ取り付けられている。
【0015】
前記ピン16とピン20との間にはコイル状に巻かれた第一の形状記憶合金9が、ピン17とピン21との間には非形状記憶合金材料により構成された引っ張りコイルばねからなる第一のばね25が、ピン21とピン24との間にはコイル状に巻かれた第二の形状記憶合金11が、ピン20とピン23との間には非形状記憶合金材料により構成された引っ張りコイルばねからなる第二のばね26がそれぞれ介装されている。ここにおいて、第一のばね25は中間部材18を時計方向(本実施例における第二の方向)、第二のばね26は操作端部材6を反時計方向(本実施例における第一の方向)に付勢している。また、前記第一および第二の形状記憶合金9,11はそれぞれ図8に示される短い形状を記憶している。また、第二のばね26および第二の形状記憶合金11が中間部材18と操作端部材6との間に介装されていることにより、第二の形状記憶合金11の状態が変化しない限り、中間部材18が時計方向または反時計方向に回転すると、操作端部材6は同方向に回転するようになっている。
【0016】
前記ピン16は操作スイッチ27の第一の固定接点27aに電気的に接続されている。前記ピン20および21は電源28の一方の極に共通に電気的に接続されている。前記ピン24は操作スイッチ27の第二の固定接点27bに電気的に接続されている。前記操作スイッチ27の可動接点27cは電源28の他方の極に電気的に接続されている。
【0017】
次に、本実施例の作動を説明する。図6は、操作スイッチ27の可動接点27cが第一および第二の固定接点27b,27cのいずれにも接触されておらず、第一および第二の形状記憶合金9,11がいずれも冷却している状態を示している。この場合、第一および第二のばね25,26の力により第一および第二の形状記憶合金9,11はそれぞれマクロ的に見て伸び変形しており、中間部材18および操作端部材6はそれぞれ中立位置(水平状態)にある。
【0018】
次に、図7のように、操作スイッチ27の可動接点27cを第一の固定接点27a側に切り替え、電源28からピン16および20を介して第一の形状記憶合金9に通電すると、ジュール熱により第一の形状記憶合金9が所定温度範囲まで加熱され、該形状記憶合金9が記憶している形状に戻って短くなるので、中間部材18が反時計方向に回転されて左傾状態となり、それにつれて操作端部材6も反時計方向に回転されて左傾状態となる。
【0019】
次に、図7の状態から、操作スイッチ27の可動接点27cを直ちに第二の固定接点27b側に切り替えることにより、図10のタイムチャートに示すように、第一の形状記憶合金9が冷却しないうちに、第二の形状記憶合金11を加熱すると、まだ第一の形状記憶合金9が収縮している状態のうちに、図8のように第二の形状記憶合金11も第二のばね26を引き伸ばしながら記憶している形状に戻って短くなるので、中間部材18は左傾状態に維持されたまま、操作端部材6は中立位置へと時計方向に回転されて行く(なお、図10の破線は、比較のために前記図3の従来の差動型アクチュエータのタイムチャートを併記したものである)。
【0020】
また、その後、第一の形状記憶合金9が形状回復力を失うにつれ、第一のばね25の力により第一の形状記憶合金9はマクロ的に見て伸び変形するので、図9のように中間部材18が中立位置へと時計方向に回転され、それにつれて操作端部材6もさらに時計方向に回転されて右傾状態となる。
【0021】
逆に、このアクチュエータが図9の状態にあるときから、第二の形状記憶合金11が冷却しないうちに第一の形状記憶合金9を加熱した場合は、このアクチュエータは図8の状態を経て図7の状態となり、操作端部材6は左傾状態となる。
【0022】
このように、このアクチュエータにおいては、第一および第二の形状記憶合金9,11が同時に形状回復力を発生している状態になっても、第一のばね25または第二のばね26が変形されることにより操作端部材6が時計方向または反時計方向に回転されるようになっているので、第一および第二の形状記憶合金9,11が形状回復力を互いにそのまま作用させ合うことはない。すなわち、本実施例では、両方の形状記憶合金9,11は、いずれも第一のばね25または第二のばね26ばねの力以上の力を作用されることはない。したがって、第一および第二の形状記憶合金9,11のうちの一方が冷却しないうちに他方を加熱することができるので、動作方向の切替時に無駄な時間がなく、動作方向切替時の応答性を向上させることができる。また、両方の形状記憶合金9,11がともに加熱状態になっているときに無理な外力が作用するという最悪の条件になっても、第一および第二のばね25,26が力を逃すので、アクチュエータの破壊が防止される。
【0023】
なお、このアクチュエータが図7のように操作端部材6が左傾状態にあるとき、第一の形状記憶合金9に対する加熱を停止し、該形状記憶合金9を十分冷却させてから第二の形状記憶合金11を加熱した場合には、アクチュエータは図6の状態を経て図9の状態になる。また、逆に、このアクチュエータが図9の状態にあるとき、第二の形状記憶合金11に対する加熱を停止し、該形状記憶合金11を十分冷却させてから第一の形状記憶合金9を加熱した場合には、アクチュエータは図6の状態を経て図7の状態になる。
【0024】
図11〜16は本発明のアクチュエータの第二実施例を示しており、この実施例は、本質的には前記図6〜9の第一実施例と同じ構成であるが、装置を小型化するために、二つの単安定型アクチュエータを互いに表裏をなすように重ね合わせた構成としたものである。本体1には支持材29が固定されており、この支持材29には直線状の中間部材18の中央部に設けられた回転軸19が回転可能に支持されている。この中間部材18の両端部には、それぞれ該中間部材18の表裏を貫通するようにしてピン20,21が取り付けられている。前記本体1には、支持材29の上方において支持材30,31,32が固定されており、支持材30,32間に配置された支持材31には大略T字状の操作端部材6の中心部に設けられた回転軸22が回転可能に支持されている(なお、この実施例の説明において、上下左右、時計方向および反時計方向とは図11,14〜16上において言うものとする)。前記操作端部材6の左右両端部には、ピン23,24がそれぞれ取り付けられている。
【0025】
前記支持材32に取り付けられたピン33(図13参照)とピン21との間にはコイル状に巻かれた第一の形状記憶合金9が、前記支持材30に取り付けられたピン34とピン20との間には非形状記憶合金材料により構成された引っ張りコイルばねからなる第一のばね25が、ピン21とピン24との間にはコイル状に巻かれた第二の形状記憶合金11が、ピン20とピン23との間には非形状記憶合金材料により構成された引っ張りコイルばねからなる第二のばね26がそれぞれ介装されている。ここにおいて、前記第一実施例の場合同様に、第一のばね25は中間部材18を時計方向(本実施例における第二の方向)、第二のばね26は操作端部材6を反時計方向(本実施例における第一の方向)に付勢している。また、前記第一および第二の形状記憶合金9,11はそれぞれ短い形状を記憶している。また、第二のばね26および第二の形状記憶合金11が中間部材18と操作端部材6との間に介装されていることにより、中間部材18が時計方向または反時計方向に回転すると、第二の形状記憶合金11の状態が変化しない限り、操作端部材6は同方向に回転するようになっている。
【0026】
次に、本実施例の作動を説明する。図16は、第一および第二の形状記憶合金9,11がいずれも冷却している状態を示している。この場合、第一のばね25の力により第一の形状記憶合金9がマクロ的に見て伸び変形を受けて、中間部材18は中立位置(図上、水平状態)にあるとともに、第二のばね26の力により第二の形状記憶合金11がマクロ的に見て伸び変形を受けて、操作端部材6も中立位置(図上、水平状態)となっている。
【0027】
次に、第一の形状記憶合金9を加熱すると、図11〜13のように、該形状記憶合金9が記憶している形状に戻って短くなるので、図11に示されるように、第一のばね25を引き伸ばしながら中間部材18が図上反時計方向に回転され、それにつれて操作端部材6も図上反時計方向に回転される。これにより、中間部材18および操作端部材6はそれぞれ左傾状態となる。
【0028】
次に、図11の状態から、第一の形状記憶合金9が冷却しないうちに第二の形状記憶合金11を加熱すると、まだ第一の形状記憶合金9が収縮している状態のうちに、図14のように、第二の形状記憶合金11も第二のばね26を引き伸ばしながら記憶している形状に戻って短くなるので、中間部材18は左傾状態に維持されたまま、操作端部材6は中立位置へと時計方向に回転されて行く。
【0029】
また、その後、第一の形状記憶合金9が形状回復力を失うにつれ、該形状記憶合金9は第一のばね25の力によりマクロ的に見て伸び変形を受けるので、図15のように、中間部材18が中立位置へと時計方向に回転され、それにつれて操作端部材6もさらに時計方向に回転して右傾状態となる。
【0030】
逆に、このアクチュエータが図15の状態にあるときから、第二の形状記憶合金11が冷却しないうちに、第一の形状記憶合金9を加熱した場合は、このアクチュエータは図14の状態を経て図11〜13の状態となり、操作端部材6は左傾状態となる。
【0031】
本実施例においても、第一および第二の形状記憶合金9,11が同時に形状回復力を発生している状態になっても、第一のばね25または第二のばね26が変形されることにより操作端部材6が時計方向または反時計方向に回転されるようになっているので、第一および第二の形状記憶合金9,11が形状回復力を互いにそのまま作用させ合うことはなく、両方の形状記憶合金9,11はいずれも第一のばね25または第二のばね26ばねの力以上の力を作用されることはない。
【0032】
なお、このアクチュエータが図11のように操作端部材6が左傾状態にあるとき、第一の形状記憶合金9に対する加熱を停止し、該形状記憶合金9を十分冷却させてから第二の形状記憶合金11を加熱した場合には、アクチュエータは図16の状態を経て図15のように操作端部材6が右傾状態となる状態になる。逆に、このアクチュエータが図15の状態にあるとき、第二の形状記憶合金11に対する加熱を停止し、該形状記憶合金11を十分冷却させてから第一の形状記憶合金9を加熱した場合には、アクチュエータは図16の状態を経て図11の状態になる。
【0033】
図17は本発明の第三実施例を示す。この実施例において、本体1には支持材35が固定されており、この支持材35にはピン36が取り付けられている。中間部材18はプーリー状をなしており、その中心部に回転軸19を設けられている。前記回転軸19は、支持材35の上方において本体1に回転可能に支持されている(この実施例の説明において、上下左右、時計方向および反時計方向とは図17上において言うものとする)。操作端部材6はプーリー部6aと、このプーリー部6aに対してそれぞれ固定されたアーム部6bおよび回転軸22とを有してなる。前記アーム部6bはプーリー部6aの中心部から径方向に延びており、前記回転軸22はプーリー部6aの中心部に設けられている。
【0034】
前記本体1には線状または帯状の第一の形状記憶合金9の下端部が取り付けられており、この形状記憶合金9の上端部は中間部材18に取り付けられている。前記形状記憶合金の上端部付近は中間部材18の外周に巻き掛けられている。前記第一の形状記憶合金9は、直線状で図17の状態により短い形状を記憶している。前記ピン36と中間部材18の外周付近に設けられたピン37との間には、非形状記憶合金材料により構成された引っ張りばねからなる第一のばね25が介装されており、このばね25は中間部材18を時計方向(本実施例における第二の方向)に付勢することにより、第一の形状記憶合金9を伸び変形を与えるように付勢している。
【0035】
前記中間部材18には、第一の形状記憶合金9の取付位置と180度をなす位置において、線状または帯状の第二の形状記憶合金11の下端部が取り付けられており、この形状記憶合金11の上端部は操作端部材6のプーリー部6aに取り付けられている。前記第二の形状記憶合金11の下端部付近は中間部材18の外周に、上端部付近は操作端部材6のプーリー部6aの外周にそれぞれ巻き掛けられている。前記第二の形状記憶合金11は、直線状で比較的短い形状を記憶している。ピン37と180度をなす位置において前記中間部材18の外周付近に取り付けられたピン38と操作端部材6のプーリー部6aの外周付近に取り付けられたピン39との間には、非形状記憶合金材料により構成された引っ張りばねからなる第二のばね26が介装されており、このばね26は操作端部材6を反時計方向(本実施例における第一の方向)に付勢することにより、第二の形状記憶合金11を伸び変形を与えるように付勢している。
【0036】
本実施例においては、第一および第二の形状記憶合金9,11が冷却しているときは、アクチュエータは図17の状態にあり、第一および第二のばね25,26の力により第一および第二の形状記憶合金9,11は共に伸び変形している。そして、第一の形状記憶合金9を加熱すると、該形状記憶合金9が記憶している形状の長さに戻って短くなるので、中間部材18が反時計方向に回転されるとともに第一のばね25が引き伸ばされる。他方、第二の形状記憶合金11を加熱すると、該形状記憶合金11が記憶している形状の長さに戻って短くなるので、操作端部材6が反時計方向に回転され、第二のばね26が引き伸ばされる。
【0037】
ここにおいて明らかなように、本実施例における第一および第二の形状記憶合金9,11、第一および第二のばね25,26、中間部材18に並びに操作端部材6の機能は、前記図5〜9の第一実施例におけるそれらと全く同じであるので、本実施例は前記第一実施例と全く同様に作動する。
【0038】
なお、本実施例のように形状記憶合金9,11を線材状または帯状とし、中間部材18および操作端部材6に巻き掛けて使用する場合、形状記憶合金9,11の曲げ変形に対する形状回復力は小さいので、中間部材18および操作端部材6に巻き掛けられている部分は、加熱時も曲げ変形したままとなり、形状回復はもっぱら長さに関してのみ行われる。したがって、形状記憶合金9,11は必ずしも本実施例の場合のように真直ぐな形状を記憶していなくてもよく、例えば湾曲した形状を記憶していてもよい。
【0039】
図18〜21は本発明の第四実施例を示す。前記各実施例は、回転動作を行うアクチュエータの例であるが、本実施例は直線的動作を行うリニア型アクチュエータの例である。この実施例において、本体1には中間部材18が左右方向に移動可能に支持されている(この実施例の説明において、左、右とは図18〜21上において言うものとする)。前記本体1の左端部と中間部材18の中央部との間にはコイル状に巻かれた第一の形状記憶合金9が介装されている。前記本体1の右端部と中間部材18の中央下部との間には、非形状記憶合金材料により構成された圧縮コイルばねからなる第一のばね25が介装されており、このばね25は中間部材18を左方(本実施例における第二の方向)に付勢している。前記中間部材18には操作端部材6が左右方向に移動可能に支持されている。前記中間部材18の左端部と操作端部材6との間には、コイル状に巻かれた第二の形状記憶合金11が介装されている。前記中間部材18の右端部と操作端部材6との間には非形状記憶合金材料により構成された圧縮コイルばねからなる第二のばね26が介装されており、このばね26は中間部材18を右方(本実施例における第一の方向)に付勢している。前記第一および第二の形状記憶合金9,11はそれぞれ図20に示されるような長い形状を記憶している。また、第二のばね26および第二の形状記憶合金11が中間部材18と操作端部材6との間に介装されていることにより、中間部材18が左方または右方に移動すると、第二の形状記憶合金11の状態が変化しない限り、操作端部材6は同方向に移動するようになっている。
【0040】
次に、本実施例の作動を説明する。図18は、第一および第二の形状記憶合金9,11がいずれも冷却している状態を示している。この場合、第一のばね25の力により第一の形状記憶合金9がマクロ的に見て圧縮変形を受けていて(真の意味では、曲げおよびねじり変形を受けている)、中間部材18が本体1に対し一点鎖線で示している中立位置に位置しているとともに、第二のばね26の力により第二の形状記憶合金11もマクロ的に見て圧縮変形を受けていて、操作端部材6も本体1に対し中立位置に位置している。
【0041】
次に、第一の形状記憶合金9を加熱すると、図19のように、該形状記憶合金9が記憶している形状に戻ろうとして長くなって行くので、中間部材18が第一のばね25を圧縮しながら右方に移動され、それにつれて操作端部材6も右に移動される。これにより、中間部材18および操作端部材6はそれぞれ中立位置より右方に位置した状態となる。
【0042】
次に、図19の状態から、第一の形状記憶合金9が冷却しないうちに、第二の形状記憶合金11を加熱すると、図20のように、まだ第一の形状記憶合金9が形状回復力を発生して長くなっている状態のうちに、第二の形状記憶合金11も記憶している形状に戻ろうとして長くなって行くので、中間部材18は中立位置より右方に位置した状態に維持されたまま、操作端部材6が第二のばね26を圧縮しながら中立位置へと左方に移動されて行く。
【0043】
また、その後、第一の形状記憶合金9が形状回復力を失うにつれ、該形状記憶合金9は第一のばね25の力によりマクロ的に見て圧縮変形されるので、図21のように、中間部材18が中立位置にまで左方に移動されて行くので、それにつれて操作端部材6も中立位置よりさらに左方まで移動して行く。
【0044】
逆に、このアクチュエータが図21の状態にあるときから、第二の形状記憶合金11が冷却しないうちに、第一の形状記憶合金9を加熱した場合は、このアクチュエータは図20の状態を経て図19の状態となり、操作端部材6は中立位置より右方に移動した状態となる。
【0045】
本実施例においても、第一および第二の形状記憶合金9,11が同時に形状回復力を発生している状態になっても、操作端部材6が第一のばね25または第二のばね26を変形させながら動くようになっているので、第一および第二の形状記憶合金9,11が形状回復力を互いにそのまま作用させ合うことはなく、両方の形状記憶合金9,11はいずれも第一のばね25または第二のばね26ばねの力以上の力を作用されることはない。
【0046】
なお、このアクチュエータが図19のように操作端部材6が中立位置より右方に位置している状態から、第一の形状記憶合金9に対する加熱を停止し、該形状記憶合金を十分冷却させてから第二の形状記憶合金11を加熱した場合には、アクチュエータは図18の状態を経て図21の操作端部材6が中立位置より右方に位置している状態になる。逆に、図21の状態から、第二の形状記憶合金11に対する加熱を停止し、該形状記憶合金を十分冷却させてから第二の形状記憶合金11を加熱した場合には、アクチュエータは図18の状態を経て図19の状態になる。
【0047】
また、本実施例では第一および第二の形状記憶合金9,11が長い形状記憶しており、第一および第二のばね25,26が圧縮ばねとされているが、第一および第二の形状記憶合金9,11が短い形状を記憶しており、第一および第二のばね25,26が引っ張りばねとされる構成としても、同様の作用効果を得ることができる(ただし、各形状記憶合金9,11を加熱したときの、操作端部材6の運動方向が反対になる)。
【0048】
図22〜26は、本発明の第五実施例を示す。この実施例において、操作端部材6はプーリー部6aと、このプーリー部6aに対してそれぞれ固定されたアーム部6bおよび回転軸22とを有してなる。前記アーム部6bはプーリー部6aの中心部から径方向に延びており、前記回転軸22はプーリー部6aの中心部に設けられている。前記回転軸22は本体1に回転可能に支持されている。前記本体1には、スライド部材50が操作端部材6の右方において、回転軸22を通る水平線上を左右方向に移動可能に支持されている(この実施例の説明において、水平、上下左右、時計方向および反時計方向とは図22〜26上において言うものとする)。
【0049】
前記操作端部材6のプーリー部6aの外周部には線状または帯状の第一の形状記憶合金9の左端部が取り付けられており、この形状記憶合金9の右端部はスライド部材50の下端部に取り付けられている。前記第一の形状記憶合金9の左端部付近は操作端部材6のプーリー部6aに巻き掛けられている。前記操作端部材6のプーリー部6aの外周部には、第一の形状記憶合金9の取付位置と同一箇所において、線状または帯状の第二の形状記憶合金11の左端部が取り付けられており、この形状記憶合金11の右端部はスライド部材50の上端部に取り付けられている。前記第二の形状記憶合金11の左端部付近は第二の形状記憶合金11より上方において操作端部材6のプーリー部6aに巻き掛けられている。各形状記憶合金9,11は、直線状で図22の状態より短い形状を記憶している。前記スライド部材50の左端部と本体1に固定されたばね受け40との間には非形状記憶合金材料からなる圧縮コイルばね41が介装されており、このばね41はスライド部材50を右方、すなわちスライド部材50を操作端部材6から遠ざける方向に付勢している。
【0050】
前記本体1にはリミットスイッチ42を構成する板ばね材43,44の下端部が取り付けられている。これらの板ばね材43,44の上端部にはそれぞれ接点45,46が取り付けられている。前記板ばね材43,44は、自由な状態では、図26のように左方に湾曲した形状をなしていて、接点45,46は互いに離間するようになっているが、スライド部材50が所定以上操作端部材6に近づくまでは、図22〜25のようにスライド部材50に右方に押されており、それにより接点45,46は互いに接触されている。前記接点45は板ばね材43を介して第一の形状記憶合金9および第二の形状記憶合金11の左端に電気的に接続されている。第一の形状記憶合金9の右端は操作スイッチ27の第一の固定接点27aに電気的に接続されている。第二の形状記憶合金11の右端は操作スイッチ27の第二の固定接点27bに電気的に接続されている。前記操作スイッチ27の可動接点27cは電源28の一方の極に電気的に接続されている。前記電源28の他方の極はばね材44を介して接点46に電気的に接続されている。
【0051】
次に、本実施例の作動を説明する。図22は、操作スイッチ27の可動接点27cが第一および第二の固定接点27a,27bのいずれにも接触されておらず、第一および第二の形状記憶合金9,11がいずれも冷却している状態を示しており、この場合、スライド部材50がばね41の力により最右方位置である初期位置(図22の位置)に偏倚されていて、第一および第二の形状記憶合金9,11はともに伸び変形している。また、操作端部材6は中立位置にある。
【0052】
次に、図23のように、操作スイッチ27の可動接点27cを第一の固定接点27a側に切り替え、電源28からリミットスイッチ42の接点45,46を介して第一の形状記憶合金9に通電すると、第一の形状記憶合金9が所定温度範囲まで加熱され、該形状記憶合金9が記憶している形状の長さに戻ろうとして短くなる一方、第二の形状記憶合金11はより大きく伸び変形するので、操作端部材6は反時計方向(本実施例における第一の方向)に回転され、中立位置より反時計方向に回転した状態となる。なお、このとき、スライド部材50は初期位置に止まっている。
【0053】
次に、図23の状態から、操作スイッチ27の可動接点27cを第二の固定接点27b側に直ちに切り替え、電源28からリミットスイッチ42の接点45,46を介して第二の形状記憶合金11に通電することにより、第一の形状記憶合金9が冷却しないうちに、第二の形状記憶合金11を加熱すると、図24のように、第一の形状記憶合金9が形状回復力を発生して短くなっている状態のまま、第二の形状記憶合金11も記憶している形状の長さに戻ろうとして短くなるので、スライド部材50がばね41を圧縮しながら左方に移動され、操作端部材6は時計方向(本実施例における第二の方向)に回転されて行く。
【0054】
また、その後、第一の形状記憶合金9が形状回復力を失うにつれ、図25のように該形状記憶合金9は伸び変形するので、ばね41の力によりスライド部材50は初期位置に復帰し、操作端部材6はさらに時計方向に回転され、中立位置より時計方向に回転した状態となる。
【0055】
逆に、このアクチュエータが図25の状態にあるときから、第二の形状記憶合金11が冷却しないうちに、第一の形状記憶合金9を加熱した場合は、このアクチュエータは図24の状態を経て図23の状態となり、操作端部材6は中立位置より反時計方向に回転した状態となる。
【0056】
このように、本実施例においても、第一および第二の形状記憶合金9,11の両方が形状回復力を発生している状態になった場合は、ばね41が変形されることにより操作端部材6が時計方向または反時計方向に回転され、両方の形状記憶合金9,11が形状回復力を互いにそのまま作用しないようにするので、第一および第二の形状記憶合金9,11のうちの一方が冷却しないうちに他方を加熱することができるため、動作方向の切替時に無駄な時間がなく、動作方向切替時の応答性を向上させることができる。
【0057】
また、本実施例では、第一および第二の形状記憶合金9,11の両方が形状回復力を発生していて、それらの力が過大になり、スライド部材50が所定以上操作端部材6に近づいたときは、図26のように、板ばね材43,44が左方に湾曲して接点45,46が互いに離間し、操作スイッチ27により選択されていた形状記憶合金9または11に対する通電が強制的に停止される。このため、過負荷荷重や過熱状態が防止される。
【0058】
また、このアクチュエータが図23のように操作端部材6が中立位置より反時計方向に位置しているとき、第一の形状記憶合金9に対する加熱を停止し、該形状記憶合金9を十分冷却させてから第二の形状記憶合金11を加熱した場合には、アクチュエータは図22の状態を経て図25のように操作端部材6が中立位置より時計方向に位置している状態になる。逆に、このアクチュエータが図25の状態にあるとき、第二の形状記憶合金11に対する加熱を停止し、該形状記憶合金11を十分冷却させてから第一の形状記憶合金9を加熱した場合には、アクチュエータは図22の状態を経て図23の状態になる。
【0059】
なお、前記第一実施例および第五実施例においては、第一および第二の形状記憶合金9,11を通電により加熱するものとしているが、本発明においては、伝導加熱、対流や環境温度による加熱、赤外線やレーザーによる加熱等の他の種の加熱方式によって第一および第二の形状記憶合金を加熱してもよい。
【0060】
また、本発明においては、第一および第二の形状記憶合金の基本的形態並びに変形および形状回復の態様は、前記各実施例のようなものに限られることはない。
【0061】
さらに、前記各実施例では、第一および第二のばね25,26並びにばね40はコイルばねとされているが、本発明におけるばねは、コイルばね以外の形式のばね、ゴム等のエラストマーからなるゴム弾性を利用したばね、気体を利用したばね等の他の種のばねであってもよい。
【0062】
【発明の効果】
以上のように本発明によるアクチュエータは、両方の形状記憶合金が同時に形状回復力を発生している状態になっても、両方の形状記憶合金が形状回復力を互いにそのまま作用させ合うことがないので、動作方向の切替時にそれまで加熱されていた形状記憶合金の冷却時間を特に設ける必要がなく、動作方向切替時の応答性を向上させることができるとともに、制御も容易になる等の優れた効果を得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の差動型形状記憶合金アクチュエータの一例において一方の形状記憶合金のみが加熱されている状態を示す正面図である。
【図2】前記従来の差動型形状記憶合金アクチュエータにおいて両方の形状記憶合金が冷却している状態を示す正面図である。
【図3】前記従来の差動型形状記憶合金アクチュエータの動作を示すタイムチャートである。
【図4】従来の単安定形状記憶合金アクチュエータの一例において形状記憶合金が冷却している状態を示す正面図である。
【図5】前記従来の単安定形状記憶合金アクチュエータにおいて形状記憶合金が加熱されている状態を示す正面図である。
【図6】本発明による形状記憶合金アクチュエータの第一実施例において両方の形状記憶合金が冷却している状態を示す正面図である。
【図7】前記第一実施例において第一の形状記憶合金のみが形状回復している状態を示す正面図である。
【図8】前記第一実施例において両方の形状記憶合金が形状回復している状態を示す正面図である。
【図9】前記第一実施例において第二の形状記憶合金のみが形状回復している状態を示す正面図である。
【図10】前記第一実施例の動作を示すタイムチャートである。
【図11】本発明による形状記憶合金アクチュエータの第二実施例において第一の形状記憶合金のみが形状回復している状態を示す正面図である。
【図12】図11に対応する左側面図である。
【図13】図11に対応する右側面図である。
【図14】前記第二実施例において両方の形状記憶合金が形状回復している状態を示す正面図である。
【図15】前記第二実施例において第二の形状記憶合金のみが形状回復している状態を示す正面図である。
【図16】前記第二実施例において両方の形状記憶合金が冷却している状態を示す正面図である。
【図17】本発明による形状記憶合金アクチュエータの第三実施例を示す正面図である。
【図18】本発明による形状記憶合金アクチュエータの第四実施例において両方の形状記憶合金が冷却している状態を示す正面図である。
【図19】前記第四実施例において第一の形状記憶合金のみが形状回復している状態を示す正面図である。
【図20】前記第四実施例において両方の形状記憶合金が形状回復している状態を示す正面図である。
【図21】前記第四実施例において第二の形状記憶合金のみが形状回復している状態を示す正面図である。
【図22】本発明による形状記憶合金アクチュエータの第五実施例において両方の形状記憶合金が冷却している状態を示す正面図である。
【図23】前記第五実施例において第一の形状記憶合金のみが形状回復している状態を示す正面図である。
【図24】前記第五実施例において両方の形状記憶合金が形状回復している状態を示す正面図である。
【図25】前記第五実施例において第二の形状記憶合金のみが形状回復している状態を示す正面図である。
【図26】前記第五実施例において第一および第二の形状記憶合金の両方が形状回復力を発生していて、それらの力が過大になったときのリミットスイッチ付近の状態を示す正面図である。
【符号の説明】
6 操作端部材
9 第一の形状記憶合金
11 第二の形状記憶合金
18 中間部材
25 第一のばね
26 第二のばね
41 ばね
42 リミットスイッチ
50 スライド部材
Claims (8)
- 第一の方向およびこの第一の方向と反対の第二の方向に動くことができる操作端部材と、形状回復力を発生したとき、前記操作端部材を前記第一の方向に動かすように前記操作端部材に連係された第一の形状記憶合金と、形状回復力を発生したとき、前記操作端部材を前記第二の方向に動かすように前記操作端部材に連係された第二の形状記憶合金と、前記操作端部材に連係されたばねとを有してなり、
前記操作端部材と前記ばねとは、前記第一の形状記憶合金が形状回復力を発生していることにより前記操作端部材が所定の中立位置より前記第一の方向に動かされている際に、前記第二の形状記憶合金も形状回復力を発生したときは、前記ばねが変形されることにより前記操作端部材が前記第二の方向に動き、その結果、前記第一および第二の形状記憶合金が形状回復力を互いにそのまま作用し合わないこととなり、前記第二の形状記憶合金が形状回復力を発生していることにより前記操作端部材が所定の中立位置より前記第二の方向に動かされている際に、前記第一の形状記憶合金も形状回復力を発生したときは、前記ばねが変形されることにより前記操作端部材が前記第一の方向に動き、その結果、前記第一および第二の形状記憶合金が形状回復力を互いにそのまま作用し合わないこととなるように連係されている形状記憶合金アクチュエータ。 - 第一の方向およびこの第一の方向と反対の第二の方向に動くことができる操作端部材と、形状回復力を発生したとき、前記操作端部材を前記第一の方向に動かすように前記操作端部材に連係された第一の形状記憶合金と、形状回復力を発生したとき、前記操作端部材を前記第二の方向に動かすように前記操作端部材に連係された第二の形状記憶合金と、前記操作端部材に連係された第一および第二のばねとを有してなり、
前記操作端部材と前記第一のばねとは、前記第二の形状記憶合金が形状回復力を発生していることにより前記操作端部材が所定の中立位置より前記第二の方向に動かされている際に、前記第一の形状記憶合金も形状回復力を発生したときは、前記第一のばねが変形されることにより前記操作端部材が前記第一の方向に動き、その結果、前記第一および第二の形状記憶合金が形状回復力を互いにそのまま作用し合わないこととなるように連係されており、前記操作端部材と前記第二のばねとは、前記第一の形状記憶合金が形状回復力を発生していることにより前記操作端部材が所定の中立位置より前記第一の方向に動かされている際に、前記第二の形状記憶合金も形状回復力を発生したときは、前記第二のばねが変形されることにより前記操作端部材が前記第二の方向に動き、その結果、前記第一および第二の形状記憶合金が形状回復力を互いにそのまま作用し合わないこととなるように連係されている形状記憶合金アクチュエータ。 - 第一の方向およびこの第一の方向と反対の第二の方向に動くことができる中間部材と、この中間部材を前記第二の方向に付勢する第一のばねと、前記中間部材が前記第二の方向に動かされると、この中間部材の動きに対応して変形されるように前記中間部材に連係された第一の形状記憶合金と、前記第一の方向および前記第二の方向に動くことができる操作端部材と、前記中間部材と前記操作端部材との間に介装され、前記操作端部材を前記第一の方向に付勢する第二のばねと、前記中間部材と前記操作端部材との間に介装され、前記操作端部材が前記第一の方向に動かされると、この操作端部材の動きに対応して変形されるように前記操作端部材に連係された第二の形状記憶合金とを有してなり、
前記第二の形状記憶合金が形状回復力を発生していることにより前記操作端部材が所定の中立位置より前記第二の方向に動かされている際に、前記第一の形状記憶合金も形状回復力を発生したときは、前記第一のばねが変形されることにより前記操作端部材が前記第一の方向に動き、その結果、前記第一および第二の形状記憶合金が形状回復力を互いにそのまま作用し合わないこととなり、前記第一の形状記憶合金が形状回復力を発生していることにより前記操作端部材が所定の中立位置より前記第一の方向に動かされている際に、前記第二の形状記憶合金も形状回復力を発生したときは、前記第二のばねが変形されるこ とにより前記操作端部材が前記第二の方向に動き、その結果、前記第一および第二の形状記憶合金が形状回復力を互いにそのまま作用し合わないこととなるようにされている形状記憶合金アクチュエータ。 - 第一および第二の方向は回転方向である請求項1,2または3記載の形状記憶合金アクチュエータ。
- 第一および第二の方向は直線方向である請求項1,2または3記載の形状記憶合金アクチュエータ。
- 第一の方向およびこの第一の方向と反対の第二の方向に回転可能な操作端部材と、直線方向に移動可能なスライド部材と、前記操作端部材に一端部を取り付けられるとともに該一端部付近を前記操作端部材に巻き掛けられ、他端部を前記スライド部材に取り付けられた線材状または帯状の第一の形状記憶合金と、前記操作端部材に一端部を取り付けられるとともに該一端部付近を前記操作端部材に巻き掛けられ、他端部を前記スライド部材に取り付けられた線材状または帯状の第二の形状記憶合金と、前記スライド部材を前記操作端部材から遠ざからせ、前記第一および第二の形状記憶合金を伸び変形させることとなる方向に付勢するばねとを有してなり、
前記第二の形状記憶合金が冷却しているとき、前記第一の形状記憶合金が加熱されて記憶している長さに戻ろうとすると、前記第二の形状記憶合金が伸び変形して前記操作端部材が前記第一の方向に回転される一方、前記第一の形状記憶合金が冷却しているとき、前記第二の形状記憶合金が記憶している長さに戻ろうとすると、前記第一の形状記憶合金が伸び変形して前記操作端部材が前記第二の方向に回転される関係になっている請求項1記載の形状記憶合金アクチュエータ。 - 前記スライド部材が所定以上前記操作端部材に近づいたとき、前記第一および第二の形状記憶合金に対する加熱を強制的に停止させる手段を設けた請求項6記載の形状記憶合金アクチュエータ。
- 前記スライド部材が所定以上前記操作端部材に近づいたとき、前記第一および第二の形状記憶合金に対する加熱を強制的に停止させる手段は、前記第一および第二の形状記憶合金に対する通電を停止させるリミットスイッチである請求項7記載の形状記憶合金アクチュエータ。
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