JP2626989B2 - 形状記憶合金装置 - Google Patents

形状記憶合金装置

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JP2626989B2 JP6061188A JP6061188A JP2626989B2 JP 2626989 B2 JP2626989 B2 JP 2626989B2 JP 6061188 A JP6061188 A JP 6061188A JP 6061188 A JP6061188 A JP 6061188A JP 2626989 B2 JP2626989 B2 JP 2626989B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、一対の形状記憶合金の形状回復力をそれぞ
れ駆動力として2方向に作用させることにより2方向の
動作を行う形状記憶合金装置に関する。
〔従来の技術〕
第10図は従来のこの種の形状記憶合金装置を示す。1,
2はコイル状とされた形状記憶合金であり、一端部同士
を結合されるとともに(3はこれらの形状記憶合金1,2
の結合点を示す)、他端部をそれぞれ固定されている。
各形状記憶合金1,2は収縮した形状を記憶しており、形
状記憶合金1を加熱すれば、該合金1が記憶している形
状に戻ろうとして収縮するとともに形状記憶合金2は伸
ばされ、結合点3が図上左方に移動する。また、形状記
憶合金2を加熱すれば、該合金2が記憶している形状に
戻ろうとして収縮するとともに形状記憶合金1は伸ばさ
れ、結合点3が図上右方に移動する。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、前記従来の形状記憶合金装置において
は、両方の形状記憶合金1,2の形状回復力がそれぞれ相
手の形状記憶合金に作用する構成となっていたので、一
方の形状記憶合金が十分冷却しないうちに他方の形状記
憶合金を加熱すると、両方の形状記憶合金1,2が互いに
同時に形状回復力を作用させ合い、形状記憶合金が永久
変形してしまい、装置が正常に動作しなくなるという欠
点があった。
本発明は、前記問題点を解決するためになされたもの
で、一方の形状記憶合金が十分冷却しないうちに他方の
形状記憶合金を加熱しても、両方の形状記憶合金が互い
に同時に形状回復力を作用させ合って永久変形してしま
うことのない形状記憶合金装置を提供することを目的と
する。
〔課題を解決するための手段〕
本発明による形状記憶合金装置は、第一の可動部と、
第二の可動部と、前記第一の可動部を第一の向きに付勢
する第一のバネ手段と、前記第二の可動部を第二の向き
に付勢する第二のバネ手段と、形状回復力を前記第一の
可動部に前記第一の向きと反対向きに使用するように前
記第一の可動部に連係された第一の形状記憶合金と、形
状回復力を前記第二の可動部に前記第二の向きと反対向
きに作用するように前記第二の可動部に連係された第二
の形状記憶合金とを有してなり、 前記第一の可動部と第二の可動部とは、前記第一およ
び第二の形状記憶合金の形状回復力はそれぞれ他方の形
状記憶合金に作用されないが、前記第一および第二のバ
ネ手段のバネ力が該第一および第二の可動部を連動させ
ようとするような態様で互いに連係されているものであ
る。
〔作用〕
本発明においては、第一の形状記憶合金を所定温度以
上に加熱すると、該合金は形状記憶効果により形状回復
力を発生し、第一のバネに抗して第一の可動部を第一の
向きと反対向きに移動させる。そして、このとき、第二
の形状記憶合金が十分冷却していれば、該第二の形状記
憶合金は第二のバネの力により変形を受けるので、第二
の可動部は第一の可動部と連動して移動する。また、第
二の形状記憶合金が十分冷却していず、まだ第二のバネ
に抗する形状回復力を発生しているときは、第一の可動
部と第二の可動部とは連動しない。しかし、第二の形状
記憶合金がある温度まで冷却し、形状回復力を失った時
点で、該合金は第二のバネの力により変形を受けるた
め、第二の可動部は第一の可動部の位置に対応する位置
に移動する。
同様にして、第二の形状記憶合金を所定温度以上に加
熱すると、該合金は形状記憶効果により形状回復力を発
生し、第二のバネに抗して第二の可動部を第二の向きと
反対向きに移動させる。そして、このとき、第一の形状
記憶合金が十分冷却していれば、該第一の形状記憶合金
は第一のバネの力により変形を受けるので、第一の可動
部は第二の可動部を連動して移動する。また、第一の形
状記憶合金が十分冷却していず、まだ第二のバネに抗す
る形状回復力を発生しているときは、第一の可動部は第
二の可動部と連動して移動しない。しかし、第一の形状
記憶合金がある温度まで冷却し、形状回復力を失った時
点で、該合金は第一のバネの力により変形を受けるた
め、第一の可動部は第二の可動部の位置に対応する位置
に移動する。
本発明においては、一方の形状記憶合金の形状回復力
が他方の形状記憶合金に作用しないので、両方の形状記
憶合金が互いに同時に形状回復力を作用させ合い、永久
変形してしまう虞がない。
〔実施例〕
以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて説明す
る。
第1〜4図は本発明の一実施例を示す。この実施例に
おいて、4,5は互いの位置関係を固定された固定部材で
ある。6は第一の形状記憶合金、7は第二の形状記憶合
金であり、これらの形状記憶合金はともにTi−Ni合金か
らなり、ワイヤ状とされている。前記第一の形状記憶合
金6の一端部は固定部材4に、該合金6の他端部はL字
型の第一の可動部8の一端部8aにそれぞれ取り付けられ
ている。また、前記第二の形状記憶合金7の一端部は固
定部材5に、該合金7の他端部はL字型の第二の可動部
9の一端部9aにそれぞれ取り付けられている。
10は固定部材4,5間に固定設置されている固定部材で
あり、この固定部材10と第一の可動部8の一端部8aとの
間には引張りコイルバネからなる第一のバネ11が、固定
部材10と第二の可動部9の一端部9aとの間には引張りコ
イルバネからなる第二のバネ12がそれぞれ介装されてい
る。前記形状記憶合金6,7およびバネ11,12は一直線上に
配置されており、第一のバネ11は第一の可動部8を図上
右向き(第一の向きA)に、第二のバネ12は第二の可動
部材9を図上左向き(第二の向きB)にそれぞれ付勢し
ている。
また、前記可動部8,9の他端部8b,9bは、常時はバネ1
1,12の力により互いに押圧されている。
第4図は本実施例における電気的接続関係を示し、第
一および第二の形状記憶合金6,7はスイッチング手段13
を介して電源14に接続されている。なお、前記電源14
は、図では直流電源として示してあるが、交流電源であ
っても、パルス電源であってもよい。
次に、本実施例の作動を説明する、 第1図は、第一および第二の形状記憶合金6,7がとも
にスイッチング手段13により電源14から遮断されていて
冷却している状態を示す。この状態では、これらの形状
記憶合金6,7は形状回復力を発生しておらず、該合金6,7
はバネ11,12の力により伸び変形を受けている。そし
て、可動部8,9の端部8b,9bの接触点は、バネ11,12の力
および形状記憶合金6,7の引張り応力が平衡する中央位
置にある。
この状態からスイッチング手段13により電源14から第
二の形状記憶合金7に通電し、該合金7をジュール熱に
より所定温度以上に加熱すると、形状記憶効果により、
該合金7は記憶している長さに戻ろうとして第二のバネ
12を抗して収縮し、第2図のように第二の可動部9を図
上右方に移動させる。また、これにより、第一の形状記
憶合金6は第一のバネ11の力によりさらに伸び変形を受
け、第一の可動部8は第二の可動部9に追随して右方に
移動する。
次に、スイッチング手段13により第二の形状記憶合金
7への通電を停止するとともに、第一の形状記憶合金6
に通電し、第一の形状記憶合金6を加熱すると、形状記
憶効果により、第一の形状記憶合金6は記憶している長
さに戻ろうとして第一のバネ11に抗して収縮し、第3図
のように第一の可動部8を図上左方に移動させる。ま
た、このとき、第二の形状記憶合金7が十分冷却してい
れば、該合金7は第3図のように第二のバネ12の力によ
り伸び変形を受け、第二の可動部9は第一の可動部8に
追随して左方に移動する。
また、第二の形状記憶合金7が十分冷却していず、第
二のバネ12に抗する形状回復力を発生しているときは、
第一の可動部8と第二の可動部9とは離間する。しか
し、第二の形状記憶合金7がある温度まで冷却し、形状
回復力を失った時点で、該合金7は第二のバネ12の力に
より伸び変形を受け、第二の可動部9は第一の可動部8
に接触するまで左方に移動する。
このようにして本装置では、一対の形状記憶合金6,7
の形状回復力をそれぞれ駆動力として2方向の動作を行
うことができ、しかも両方の形状記憶合金6,7が互いに
同時に形状回復力を作用させ合い、永久変形してしまう
虞がない。
第5〜7図は本発明の他の実施例を示す。この実施例
において、固定部材16には第一の可動部17および第二の
可動部18がそれぞれ支点19,20を中心として回動可能に
支持されている。前記固定部材16に固定されたバネ支持
部材21と第一の可動部17との間には第一のバネ22が、該
バネ支持部材21と第二の可動部18との間には第二のバネ
23がそれぞれ介装されている。そして、第一のバネ22は
第一の可動部17を図上時計方向(第一の向きA)に、第
二のバネ23は第二の可動部18を図上反時計方向(第二の
向きB)にそれぞれ付勢し、常時は第一の可動部17の先
端部17aと第二の可動部18の先端部18aとが互いに押圧さ
れるようにしている。
24,25は第一および第二の可動部17,18の両側に固定設
置された固定部材であ。26は第一の形状記憶合金、27は
第二の形状記憶合金であり、これらの形状記憶合金はと
もにTi−Ni合金からなり、ワイヤ状とされている。前記
第一の形状記憶合金26の一端部は固定部材24に、該合金
26の他端部は第一の可動部17にそれぞれ取り付けられて
いる。また、前記第二の形状記憶合金27の一端部は固定
部材25に、該合金27の他端部は第二の可動部18にそれぞ
れ取り付けられている。
次に、本実施例の作動を説明する。
第5図は、第一および第二の形状記憶合金26,27がと
もに冷却している状態を示し、この状態では、これらの
形状記憶合金26,27は形状回復力を発生しておらず、該
合金26,27はバネ22,23の力により伸び変形を受けてい
る。そして、可動部17,18の先端部17a,18aの接触点は、
バネ22,23の力および形状記憶合金26,27の引張り応力が
平衡する中央位置にある。
この状態から第二の形状記憶合金27に通電し、該合金
27を加熱すると、形状記憶効果により第6図のように該
合金27は記憶している長さに戻ろうとして第二のバネ23
に抗して収縮し、第二の可動部18を図上時計方向に回動
させる。また、これに伴い、第一の形状記憶合金26は第
一のバネ22の力によりさらに伸び変形を受け、第一の可
動部17は第二の可動部18に追随して時計方向に回動す
る。
次に、第一の形状記憶合金26に通電して加熱すると、
形状記憶効果により第7図のように該合金26は記憶して
いる長さに戻ろうとして第一のバネ22に抗して収縮し、
第一の可動部17を図上反時計方向に回動させる。また、
このとき、第二の形状記憶合金27が十分冷却していれ
ば、該合金27は第二のバネ23の力により伸び変形を受
け、第二の可動部18は第7図のように第一の可動部17に
追随して反時計方向に回動する。また、第二の形状記憶
合金27が十分冷却していず、第二のバネ23に抗する形状
回復力を発生しているときは、第一の可動部17と第二の
可動部18とは離間する。しかし、第二の形状記憶合金27
がある温度まで冷却し、形状回復力を失った時点で、該
合金27は第二のバネ23の力により伸び変形を受け、第二
の可動部18は第一の可動部17に接触するまで反時計方向
に回動する。
このように本実施例においても、一対の形状記憶合金
26,27の形状回復力をそれぞれ駆動力として2方向に動
作を行わせることができ、しかも両方の形状記憶合金2
6,27が互いに同時に形状回復力を作用させ合い、永久変
形してしまう虞がない。
第8図および9図は本発明のさらに他の実施例を示
す。この実施例において、第一のスイッチ31Aおよび第
二のスイッチ31Bは同一構造のマイクロスイッチであ
り、次のような従来公知の構成を有している。
合成樹脂製のケース32には、細長い薄い金属板からな
る常閉端子33および常開端子34が該ケース32の内外に突
出するように鋳込まれている(なお、第8図および第9
図は、ケース32から蓋を取り去った状態でスイッチ31A,
31Bを示している)。前記常閉端子33のケース32内側の
端部には常閉固定接点35、また常開端子34のケース32内
側の端部には常開固定接点36がそれぞれ固定されてい
る。
また、前記ケース32には、細長い薄い金属板からなる
共通端子37が常閉端子33および常開接点34の間において
該ケース32の内外に突出するように鋳込まれている。そ
して、この共通端子37のケース32内側の端部付近の両面
には可動接点38a,38bが固定されており、これらの可動
接点38a,38bはそれぞれ常閉固定接点35、常開固定接点3
6に対向されている。
前記ケース32にはアクチュエータ部39が一体的に設け
られている(本実施例においては、第一のスイッチ31A
のアクチュエータ部39が本発明における第一の可動部、
第二のスイッチ31Bのアクチュエータ部39が本発明にお
ける第二の可動部を構成する)。このアクチュエータ部
39とケース32との接続部39aは可撓性を持つように薄肉
とされており、これによりアクチュエータ部39はケース
32に対して該接続部39aを中心として回動可能となって
いる。このアクチュエータ部39の先端部付近には板バネ
40の一端部が回動可能に結合されており、該板バネ40の
他端部は共通端子37のケース32内側の端部に回動可能に
接合されている。そして、前記板バネ40は弓状に湾曲さ
れている。
前記第一のスイッチ31Aにおいて、板バネ40(この板
バネ40は本発明における第一のバネを構成する)はアク
チュエータ部39を図上時計方向(第一の向きA)に付勢
している。これにより、アクチュエータ部39に所定以上
の外力が作用していないときは、アクチュエータ部39は
板バネ40の力により第8図に示される時計方向側位置
(第二の位置)に偏倚されてその位置で安定状態になっ
ており、このとき板バネ40の力により可動接点38aが常
閉固定接点35に接触されている。そして、この状態から
アクチュエータ部39に所定以上の外力が作用すると、板
バネ40に抗してアクチュエータ部39が第9図に示される
反時計方向側位置(第一の位置)に回動され、今度は共
通端子37に対して板バネ40の力がそれまでと逆側に作用
するようになり、共通端子37を逆側に撓ませて可動接点
38aを常閉固定接点35から離間させるとともに可動接点3
8bを常開固定接点36に接触させるようになる。
全く同様にして、前記第二のスイッチ31Bにおいて、
板バネ40(この板バネ40は本発明における第二のバネを
構成する)はアクチュエータ部39を図上時計方向(第二
の向きB)に付勢している。これにより、アクチュエー
タ部39に所定以上の外力が作用していないときは、アク
チュエータ部39は板バネ40の力により第9図に示される
時計方向側位置(第四の位置)に偏倚されてその位置で
安定状態になっており、このとき板バネ40の力により可
動接点38aが常閉固定接点35に接触されている。そし
て、この状態からアクチュエータ部39に所定以上の外力
が作用すると、板バネ40に抗してアクチュエータ部39が
第8図に示される反時計方向側位置(第三の位置)に回
動され、今度は共通端子37に対して板バネ40の力がそれ
までと逆側に作用するようになり、共通端子37を逆側に
撓ませて可動接点38aを常閉固定接点35から離間させる
とともに可動接点38bを常開固定接点36に接触させるよ
うになる。
前記第一のスイッチ31Aのアクチュエータ部39と第二
のスイッチ31Bのアクチュエータ部39とは常時は互いに
押圧されるように配置されており、バネ22,23のバネ特
性は、一方のスイッチのアクチュエータ部39が、時計方
向側位置(第二の位置または第四の位置)にあるとき
は、該アクチュエータ部39が他方のスイッチのアクチュ
エータ部39を押して反時計方向側位置(第三の位置また
は第一の位置)に偏倚させるような特性になっている。
前記第一のスイッチ31Aのアクチュエータ部39にはTi
−Ni合金からなるワイヤ状の第一の形状記憶合金41Aの
一端部が取り付けられており、この形状記憶合金41Aの
他端部はケース32に対し位置関係を固定された固定部材
42Aに取り付けられている。他方、前記第二のスイッチ3
1Bのアクチュエータ部39にはTi−Ni合金からなるワイヤ
状の第二の形状記憶合金41Bの一端部が取り付けられて
おり、この形状記憶合金41Bの他端部はケース32に対し
位置関係を固定された固定部材42Bに取り付けられてい
る。
ここで、第一の形状記憶合金41Aは、反時計方向側位
置における第一のスイッチ31Aのアクチュエータ部39の
合金取付部と固定部材42Aとの間の距離と等しいかまた
はそれより若干短い長さを記憶している。同様にして第
二の形状記憶合金41Bは、反時計方向側位置における第
二のスイッチ31Bのアクチュエータ部39の合金取付部と
固定部材42Bとの間の距離と等しいかまたはそれより若
干短い長さを記憶している。
次に、本実施例の作動を説明する。
いま、初期状態においては、第8図のように第一のマ
イクロスイッチ31Aのアクチュエータ部39は時計方向側
位置、第二のスイッチ31Bのアクチュエータ部39は反時
計方向側位置にそれぞれ偏倚されているものとする。こ
の初期状態から第一の形状記憶合金41Aに通電し、該合
金41Aを加熱すると、形状記憶効果により、該合金41Aは
記憶している長さに戻ろうとして収縮し、第9図のよう
に第一のスイッチ31Aのアクチュエータ部39を反時計方
向位置に回動させる。これにより、第一のスイッチ31A
の可動接点38aが常閉固定接点35から離間し、可動接点3
8bが常開固定接点36に接触される。
また、同時に第二のスイッチ31Bのアクチュエータ部3
9は、第一のスイッチ31Aのアクチュエータ部39から押さ
れなくなるので、該第二のスイッチ31Bの板バネ40の力
により第9図のように時計方向側位置に回動される。こ
れにより、第二のスイッチ31Bの可動接点38bが常開固定
接点36から離間し、可動接点38aが常閉固定接点35に接
触される。
そして、その後、第一の形状記憶合金41Aに対する通
電が停止されると、該合金41Aは形状回復力を失い、第
一のスイッチ31Aのアクチュエータ部39を引張らなくな
るが、第一および第二のスイッチ31A,31Bの板バネ40の
特性により第一および第二のスイッチ31A,31Bは第9図
の状態を維持し続ける。
次に、この第9図の状態から第二の形状記憶合金41B
に通電し、該合金41Bを加熱すると、形状記憶効果によ
り、該合金41Bは記憶している長さに戻ろうとして収縮
し、第二のスイッチ31Bのアクチュエータ部39を第8図
に示される反時計方向側位置に回動させる。これによ
り、第二のスイッチ31Bの可動接点38aが常閉固定接点35
から離間し、可動接点38bが常開固定接点36に接触され
る。
また、同時に第一のスイッチ31Aのアクチュエータ部3
9は、第二のスイッチ31Bのアクチュエータ部39から押さ
れなくなる。したがって、このとき第一の形状記憶合金
41Aが十分冷却していれば、板バネ40の力により第一の
スイッチ31Aのアクチュエータ部39は第8図に示される
時計方向位置に回動され、第一の形状記憶合金41Aはそ
の分だけ伸び変形を受ける。そしてこれにより、第一の
スイッチ31Aの可動接点38bが常開固定接点36から離間
し、可動接点38aが常閉固定接点35に接触される。
また、第一の形状記憶合金41Aが十分冷却していず、
まだ形状回復力を発生しているときは、第一のスイッチ
31Aのアクチュエータ部39はすぐには第8図に示される
時計方向側位置まで回動されないが、第一の形状記憶合
金41Aが十分冷却し形状回復力を失った時点で該位置ま
で回動される。
そして、その後、第二の形状記憶合金41Bに対する通
電が停止されると、該合金41Bは形状回復力を失い、第
二のスイッチ31Bのアクチュエータ部39を引張らなくな
るが、第一および第二のスイッチ31A,31Bの板バネ40の
特性により第一および第二のスイッチ31A,31Bは第8図
の状態を維持し続ける。
以下、各形状記憶合金41A,41Bに対し通電がなされる
度に同様の動作が繰り返し行われ、本装置は第8図の状
態または9図の状態になる。
このように本実施例の装置は、第8図の状態および9
図の状態の2つの安定状態を持ち、各形状記憶合金41A,
41Bの形状回復力をそれぞれ駆動力として前記2つの安
定状態間で2方向の動作を行うことができる。そして、
前記各実施例の場合と同様に各形状記憶合金41A,41Bの
形状回復力はそれぞれ他方の形状記憶合金に作用しない
から、一方の形状記憶合金が冷却しないうちに他方の形
状記憶合金が冷却されても、両方の形状記憶合金41A,41
B同士が互いに同時に形状回復力を作用させ合うことは
ない。
〔発明の効果〕
以上のように本発明による形状記憶合金装置は、一対
の形状記憶合金の形状回復力をそれぞれ駆動力として2
方向の動作を行わせることができ、しかも両方の形状記
憶合金2が互いに同時に形状回復力を作用させ合い、永
久変形してしまう虞がないという優れた効果を得られる
ものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による形状記憶合金装置の第一実施例に
おける機械的構成を示す正面図、第2図は他の動作状態
における前記第一実施例の機械的構成を示す正面図、第
3図はさらに他の動作状態における前記第一実施例の機
械的構成を示す正面図、第4図は前記第一実施例におけ
る電気的接続関係を示す回路構成図、第5図は本発明の
第二実施例を示す正面図、第6図は他の動作状態におけ
る前記第二実施例を示す正面図、第7図はさらに他の動
作状態における前記第二実施例を示す正面図、第8図は
本発明の第三実施例を示す正面図、第9図は他の状態に
おける前記第三実施例を示す正面図、第10図は従来の形
状記憶合金装置を示す正面図である。 6……第一の形状記憶合金、7……第二の形状記憶合
金、8……第一の可動部、9……第二の可動部、11……
第一のバネ、12……第二のバネ、17……第一の可動部、
18……第二の可動部、22……第一のバネ、23……第二の
バネ、26……第一の形状記憶合金、27……第二の形状記
憶合金、35……常閉固定接点、36……常開固定接点、38
a,38b……可動接点、39……アクチュエータ部、40……
板バネ、41A,41B……形状記憶合金。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第一の可動部と、第二の可動部と、前記第
    一の可動部を第一の向きに付勢する第一のバネ手段と、
    前記第二の可動部を第二の向きに付勢する第二のバネ手
    段と、形状回復力を前記第一の可動部に前記第一の向き
    と反対向きに作用するように前記第一の可動部に連係さ
    れた第一の形状記憶合金と、形状回復力を前記第二の可
    動部に前記第二の向きと反対向きに作用するように前記
    第二の可動部に連係された第二の形状記憶合金とを有し
    てなり、 前記第一の可動部と第二の可動部とは、前記第一および
    第二の形状記憶合金の形状回復力はそれぞれ他方の形状
    記憶合金に作用されないが、前記第一および第二のバネ
    手段のバネ力が該第一および第二の可動部を連動させよ
    うとするような態様で互いに連係されていることを特徴
    とする形状記憶合金装置。
  2. 【請求項2】第一の可動部と第二の可動部とは、第一お
    よび第二のバネ手段のバネ力により互いに押圧されるよ
    うに配設されている請求項1記載の形状記憶合金装置。
  3. 【請求項3】前記第一の可動部は第一の位置と第二の位
    置との間、前記第二の可動部は第三の位置と第四の位置
    との間をそれぞれ可動であり、 前記第一の向きは前記第一の位置から前記第二の位置に
    向かう向きであり、 前記第二の向きは前記第三の位置から第四の位置に向か
    う向きであり、 前記第一および第二のバネ手段は、前記第一の可動部が
    前記第一の位置にあるときは前記第二の可動部は前記第
    四の位置に位置され、前記第一の可動部が前記第二の位
    置にあるときは前記第二の可動部は前記第三の位置に位
    置されることとなるようなバネ特性を有する請求項1ま
    たは2記載の形状記憶合金装置。
  4. 【請求項4】第一および第二の可動部の位置変化に対応
    して開閉する接点を有する請求項1、2または3記載の
    形状記憶合金装置。
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