JP4791127B2 - 収納室付き建物 - Google Patents
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Description
まず、特許文献1記載の発明のように部屋内の天井部分を傾斜させた場合では、部屋内から傾斜部分を見た際に天井が下がり圧迫感を感じる。そして、開口部を設ける場合においても、傾斜部分を避けて設けた場合は低い位置に設けることになり、傾斜部分に設ける場合は、取り付け部分が傾斜しているため雨仕舞いが複雑になり雨漏れが起こり易くなる。また、傾斜部分を収納室とする場合も多いが、天井面が傾斜しているため天井近くには矩形の物を収納しにくく、使いにくい収納室になっている。そして、建築基準法では1400mm以下の天井高さで、下階床面積の1/2までの収納室は延べ床面積に算入しなくてもよいが、傾斜部分では1400mmを越える部分もできるため延べ床面積に算入する必要がある。
次に、図6(c)のように部屋を削り下屋とした場合は、部屋の天井高さは一定となり、特許文献1記載の発明の部屋の場合に比べ使いやすい部屋形状にはなるが、実質的に下屋分だけ部屋が狭くなってしまうため狭い部屋となってしまう。また下屋部分が屋根としての機能しかなく床面積が有効に利用されていない。
このことから、部屋天井面と収納室の屋根上面との間には高低差があり、この高低差の部分を利用して、部屋と収納室の境界部分の壁面で収納室の屋根面より上方の部分に開口部が設けられている。
また、部屋と収納室の境界部分で収納室の屋根面より上方の壁面部分に開口部が設けられることにより、部屋内の収納室を設けた壁面側であっても、開口部より採光を行うことができる。特に、壁面上方に開口部が設けられるため部屋内の広範囲に光を採り入れることができる。また、壁面上方に開口部が設けられるため隣地の窓ラインとずれるため隣地からの視線が緩和される。また、開口部を開閉可能にし、部屋内の他の壁面にも開口部を設けることで、部屋内に風道を確保でき部屋内の効率的な換気を行うことができる。
また、収納室は、天井面が略水平であるため矩形の物も収納しやすく、収納室が部屋とは独立して設けられているため、例えば部屋にタンスを設置した場合のように部屋の壁面から突出することがなく見栄えのよい部屋となる。また、収納室の天井高さが1400mm以下であるため、直下階の床面積の1/2以下の面積までの床面積については、建築基準法上の延べ床面積に算入する必要がなく、建物の実質的な床面積を大きくすることができる。
前面道路側に収納室を設けるとは、建築基準法上の道路に対し、建物のいわゆる道路斜線の影響が大きい側に収納室を設けるものである。
請求項6記載の発明によれば、収納室が建物の前面道路側に設けられるため、建築基準法のいわゆる道路斜線規制に対応した建物とすることができる。収納室が道路側にあるため道路からの騒音等も緩和することができる。また、収納室の直上部の屋根と、部屋部分の屋根の高さが異なるため、屋根ラインの高低差が生まれ、圧迫感が緩和され道路からの外観にも表情がでる。
請求項7記載の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の収納室付き建物であって、前記収納室が部屋と部屋の間に設けられていることを特徴とするものである。
また、部屋と収納室の境界部分で収納室の屋根面より上方の壁面部分に開口部が設けられることにより、部屋内の収納室を設けた壁面側であっても、開口部より採光を行うことができる。特に、壁面上方に開口部が設けられるため部屋内の広範囲に光を採り入れることができる。また、壁面上方に開口部が設けられるため隣地の窓ラインとずれるため隣地からの視線が緩和される。また、開口部を開閉可能にし、部屋内の他の壁面にも開口部を設けることで、部屋内に風道を確保でき部屋内の効率的な換気を行うことができる。
また、収納室は、天井面が略水平であるため矩形の物も収納しやすく、収納室が部屋とは独立して設けられているため、例えば部屋にタンスを設置した場合のように部屋の壁面から突出することがなく見栄えのよい部屋となる。また、収納室の天井高さを1400mm以下とすると、直下階の床面積の1/2以下の面積までの床面積については、建築基準法上の延べ床面積に算入する必要がなく、建物の実質的な床面積を大きくすることができる。
請求項7記載の収納室付き建物によれば、部屋と部屋の間に挟まれた屋外に面していない壁面側であっても、部屋と収納室の境界部分で収納室の屋根面より上方の壁面部分に設けられた開口部から採光を行うことができる。
収納室付き建物A1は、柱および梁で箱型に構成された建物ユニットを複数個組み合わせることにより構成された2階建てのユニット建物である。1階部分は標準の天井高さの建物ユニットB1により構成され、2階部分は標準の天井高さの建物ユニットB1と天井高さの低い建物ユニットB2を組み合わせることにより、本発明の建物A1を構成している。建物ユニットB1及び建物ユニットB2は供に4本の柱が設けられ、その柱上部には天井梁が設けられ、柱下端には床梁が設けられた構成になっている。建物ユニットB1の天井高さは2400mm、建物ユニットB2の天井高さは1400mmとなっている。
収納室41〜43の直上部は屋根8になっており、折版屋根で構成され約1/100の緩勾配である陸屋根構造になっている。
そして、寝室31と収納室41の境界部分には出入りを行うための2700mm幅の引き違い戸6が設けられている。
また、収納室の天井高さが1400mm以下としたため、直下階の床面積の1/2以下までの床面積については、建築基準法上の延べ床面積に算入する必要がない。
収納室付き建物A2は、柱および梁で箱型に構成された建物ユニットを複数個組み合わせることにより構成された2階建てのユニット建物である。1階部分は標準の天井高さの建物ユニットB1で構成され、2階部分は標準の天井高さの建物ユニットB1と天井高さの低い建物ユニットB2を組み合わせることにより、本発明の建物A2を構成している。建物ユニットB1は、4本の柱が設けられ、その柱上部には天井梁が設けられ、柱下端には床梁が設けられた構成になっている。建物ユニットB2は、4本の柱が設けられ、その柱上部には天井梁が設けられ、柱下端には床梁が設けられていない構成になっている。建物ユニットB1の天井高さは2400mm、建物ユニットB2の天井高さは1400mmとなっている。
そして、寝室231と収納室241の境界部分には出入りを行うための引き違い戸が設けられている。
収納室付き建物A3は、柱および梁で箱型に構成された建物ユニットを複数個組み合わせることにより構成されたユニット建物である。収納室付き建物A3は、標準の天井高さの建物ユニットB1と天井高さの低い建物ユニットB2を組み合わせることにより構成されている。建物ユニットB1及び建物ユニットB2は4本の柱が設けられ、その柱上部には天井梁が設けられ、柱下端には床梁が設けられた構成になっている。建物ユニットB1の天井高さは2400mm、建物ユニットB2の天井高さは1400mmとなっている。また、収納室付き建物A3の屋根構造は折版屋根であり、約1/100の緩勾配の陸屋根構造になっている。
寝室331と収納室341、及び寝室332と収納室342の境界部分には出入りを行うための1800mm幅の引き違い戸が設けられている。
寝室331及び寝室332の天井面と、収納室341及び収納室342との屋根上面84との間には高低差があり、この高低差の部分を利用して寝室331と収納室341の境界部分の壁面で収納室341の屋根上面83より上方の部分には窓351、寝室332と収納室342の境界部分の壁面で収納室342の屋根上面84より上方の部分には窓352が設けられている。この窓351及び窓352は開閉可能な構成となっている。
また、収納室341及び収納室342が、寝室331及び寝室332とは独立した構成であり、境界部分に引き違い戸が設けられているので、壁面から突出したりすることがなく、寝室331及び寝室332内が見栄えのよい空間となる。
なお、同じような効果をだすために、寝室内にタンスを設けてその上部に開口部を設ける構成も考えられるが、この構成ではタンス上部にほこりがたまりやすく、且つタンスがあるため開口部から十分な採光を確保することができない。更に、本実施例のように外部に面しない壁面では構成することもできない。
また、収納室の天井高さを1400mm以下としたため、直下階の床面積の1/2以下までの床面積については、建築基準法上の延べ床面積に算入する必要がない。
B1 標準天井高さの建物ユニット
B2 天井高さの低い建物ユニット
1、 和室
2、22 リビング・ダイニング
31、32、33 寝室
231、232、233 寝室
331、332 寝室
41、42、43 収納室
341、342 収納室
5、25、351、352 窓(開口部)
6 建具
7、27、37 風道
8、82、83、84 屋根
Claims (7)
- 建物内に天井高さが略2100mm以上の部屋が設けられ、その部屋に隣接して天井高さが略800mm以上略1400mm以下で天井面が略水平になされた収納室が設けられ、前記収納室の直上部には屋根が設けられ、前記屋根が、略2/10以下の緩勾配の屋根構造になっており、前記部屋と前記収納室との境界部分の壁面で前記収納室の屋根面より上方の部分に開口部が設けられていることを特徴とする収納室付き建物。
- 前記収納室が建物の北側部分に設けられていることを特徴とする請求項1記載の収納室付き建物。
- 前記部屋の南側壁面に第2の窓が設けられていることを特徴とする請求項2記載の収納室付き建物。
- 柱および梁で箱型に構成された建物ユニットを複数個組み合わせることにより請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の収納室付き建物が構成され、前記収納室が他の建物ユニットよりも天井高さの低い建物ユニットにより構成されていることを特徴とする収納室付き建物。
- 前記天井高さの低い建物ユニット部分に階段室が設けられていることを特徴とする請求項4記載の収納室付き建物。
- 前記収納室が建物の前面道路側に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の収納室付き建物。
- 前記収納室が部屋と部屋の間に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の収納室付き建物。
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