JP2008008117A - 採光収納構造部分を備える建物 - Google Patents

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Abstract

【課題】建物の奥部に十分な採光を得ることができると共に、建物内部の空間を効率良く利用して、大きなスペースの収納空間を確保することのできる採光収納構造部分を備える建物を提供する。
【解決手段】 屋外に面した外壁14から建物の奥部に並べて配置された中2階居室部15とL字状階段部16と吹抜け部17とからなる採光収納構造部分13を備える建物10であって、中2階居室部15が、床下部分に0.5階層分の高さの収納庫18を配置して1.5階層分の高さで設けられると共に、屋外に面した外壁14に採光窓19を有している。L字状階段部16は、1階と中2階との間の下部階段16aと、中2階と2階との間の上部階段16bとからなり、吹抜け部17は、少なくともL字状階段部16の下部階段16a及び上部階段16bによって2辺を囲まれるこれらの内側の矩形形状部分に設けられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、採光及び収納を効率良く行うことのできる採光収納構造部分を備える建物に関する。
屋外に面する外壁から離れた建物の奥部に光を効果的に採光できるようにする構造として、建物の内部に吹き抜け部を設けると共に、これの天端部分に天窓を配置したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、床面に高低差を設けて天井高に差を設けた室を下階に配置し、これらの天井高の差に応じて室間の床面に高低差を設けた室を上階に配置し、高床面室の床面から屋根裏までの空間を蔵型収納空間として、デッドスペースであった吹抜けの上部空間を有効利用するようにした蔵型収納付き建物も開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−193294号公報 特開平6−323010号公報
一方、屋外に面する外壁から離れて設けた吹抜けの上部空間を収納部として利用しようとすると、天窓からの採光が遮断されて建物の奥部に十分な採光が得られなくなる。また、近年、生活に使用する日用品や家具類等の物品の種類も多種多様となってきており、例えば季節に応じてこれらの物品を交換しながら使用する機会も多いことから、建物内部の空間を効率良く利用して、建物に大きなスペースの収納空間を確保することが要望されている。
本発明は、このような従来の課題に着目してなされたものであり、建物の奥部に十分な採光を得ることができると共に、建物内部の空間を効率良く利用して、大きなスペースの収納空間を確保することのできる採光収納構造部分を備える建物を提供することを目的とする。
本発明は、屋外に面した外壁から建物の奥部に並べて配置された中2階居室部とL字状階段部と吹抜け部とからなる採光収納構造部分を備える建物であって、前記中2階居室部が、床下部分に0.5階層分の高さの収納庫を配置して1.5階層分の高さで設けられると共に、屋外に面した外壁に採光窓を有しており、前記L字状階段部は、前記中2階居室部の前記屋外に面した外壁とは反対側の縁部に沿って設けられた1階と中2階との間の下部階段と、前記中2階居室部の前記屋外に面した外壁と垂直な側縁部の延長線に沿って設けられた中2階と2階との間の上部階段とからなり、 前記吹抜け部は、少なくとも前記L字状階段部の下部階段及び上部階段によって2辺を囲まれるこれらの内側の矩形形状部分に設けられることを特徴とする採光収納構造部を備える建物を提供することにより、上記目的を達成したものである。
ここで、上記記載における0.5階層分の高さは、一般に230〜400cm程度の高さを有する1階層分の高さの中間部分に位置する高さを略称するものであり、1階層分の高さの1/2の高さの他、1階層分の高さの40〜75%程度の高さを含むものである。また上記記載における1.5階層分の高さは、一般に230〜400cm程度の高さを有する1階層分の高さに、これの略半分程度の高さを加えて、1階層分の高さと2階層分の高さの中間部分に位置する高さを略称するものであり、1階層分の高さの1.5倍の高さの他、1階層分の高さの1.40〜1.75倍程度の高さを含むものである。
そして、本発明の採光収納構造部分を備える建物は、前記吹抜け部の前記奥部側に隣接して、1階居室部が設けられていることが好ましい。
また、本発明の採光収納構造部を備える建物は、前記吹抜け部が1階の床面から1.5階層分の高さで設けられ、前記吹抜け部の上方に、上階部分から出し入れ可能な第2収納庫が設けられていることが好ましい。
本発明の採光収納構造部分を備える建物によれば、上記屋外に面した外壁から建物の奥部に並べて配置された中2階居室部とL字状階段部と吹抜け部とからなる採光収納構造部分を備えることにより、中2階居室部の屋外に面した外壁に設けられた採光窓から入射した光は、建物の奥部に向けて段階的に床面が低くなった中2階居室部、L字状階段部の下部階段、及び吹抜け部を介して、吹抜け部の奥まで届きやすくなり、これによって、吹抜け部の天端部分に天窓が設けられていなくても、屋外に面する外壁から離れた建物の奥部に十分な採光を得ることが可能になる。また中2階居室部の床下部分の0.5階層分の高さの収納庫によって、十分な大きさの収納空間を確保することが可能になる。
また、前記吹抜け部の前記奥部側に隣接して、1階居室部を設けておくことにより、当該1階居室部に中2階居室部の採光窓から入射した光を至らせて、明るい雰囲気の1階居室部を形成することが可能になる。
さらに、前記吹抜け部を1階の床面から1.5階層分の高さで設け、前記吹抜け部の上方に、上階部分から出し入れ可能な第2収納庫を設けておくことにより、上階部分から利用し易い収納空間を確保することが可能になる。
本発明の採光収納構造部分を備える建物によれば、建物の奥部に十分な採光を得ることができると共に、建物内部の空間を効率良く利用して、大きなスペースの収納空間を確保することができる。
本発明の好ましい一実施形態に係る採光収納構造部分を備える建物10は、図1示すように、例えば北側が道路11に面した敷地12に建築される住宅建築物として採用されたものである。すなわち、本実施形態では、建物10が建築される敷地12は、南北方向に縦長の矩形形状を有しており、その東側及び西側に隣接する敷地や、南東側、南側、南西側に隣接する敷地にも建物が建築されている。したがって、本実施形態の建物10は、特に南側に隣接する敷地に建築された建物に遮られて、太陽光からの光を採光し難くなっているので、後述する採光収納構造部分13を設けて、図2に示すように、屋外に面した南側の外壁14から建物10の奥部に十分な採光が得られるようにすると共に、建物内部の空間を効率良く利用して、大きなスペースの収納空間を確保できるようにするものである。
そして、本実施形態の建物10は、図2〜図4に示すように、屋外に面した南側の外壁14から建物10の奥部に並べて配置された中2階居室部15とL字状階段部16と吹抜け部17とからなる採光収納構造部分13を備える住宅建築物であって、中2階居室部15は、床下部分に0.5階層分の高さの収納庫18を配置して1.5階層分の高さで設けられると共に、屋外に面した外壁14に採光窓19を有している。またL字状階段部16は、中2階居室部15の屋外に面した外壁14とは反対側の北側縁部15aに沿って設けられた1階と中2階との間の下部階段16aと、中2階居室部15の屋外に面した外壁14と垂直な側縁部15bの延長線に沿って設けられた中2階と2階との間の上部階段16bとからなり、吹抜け部17は、少なくともL字状階段部16の下部階段16a及び上部階段16bによって2辺を囲まれるこれらの内側の矩形形状部分に設けられている。
本実施形態の建物10の1階部分には、その北東の角部分に玄関20が設けられており、玄関20の南側には、玄関ホールを兼ねる廊下21が東西方向に延設して設けられている(図3(a)参照)。廊下21の北側には、玄関20の西側に隣接して洗面脱衣所22及び北西の角部分に配設されるバスルーム23が設けられている。廊下21の西側端部には、バスルーム23の南側に隣接して、トイレ24が設けられている。
廊下21及びトイレ24の南側には、西側に配置されたキッチン25と、東側に配置されたダイニング26とからなるダイニングキッチンが設けられている。ダイニング26は、後述する採光収納構造部分13の吹抜け部17の、建物10の奥部側に隣接する1階居室部を構成している。ダイニングキッチンの南側には、キッチン25に隣接して和室27が、ダイニング26に隣接して中2階居室部15であるリビングが設けられている。
リビング15は、その床面の高さが、1階部分の床面であるダイニング26の床面よりも0.5階層分高くなっており、その床下部分には、中2階居室部15であるリビングの略全域に亘る広さの収納庫18が、0.5階層分の高さで設けられている(図2参照)。収納庫18の周囲には、中2階居室部15の床面と、和室27やダイニング26の床面との間の段差開口部を閉塞するようにして周壁28が設けられており、この周壁28には、和室27やダイニング26との間で収納物品の搬入、搬出を行う収納用出入口が、適宜の位置に、例えば開閉扉によって開閉可能に設けられている。収納庫18を囲う外壁14,29には、窓30が適宜の位置に設けられている。
また、リビング15の屋外に面した南側の外壁14には、相当に大きさの採光窓19が設けられ、太陽光を効果的に屋内に取り込めるようになっていると共に、東側の外壁29にも、適宜の位置に窓31が設けられている(図3(a)参照)。
さらに、リビング15の北側には、南側の外壁14とは反対側の北側縁部15aに沿って、1階と中2階との間の下部階段16aが設けられていると共に、南側の外壁14と垂直な東側の外壁29に隣接する側縁部15bの延長線に沿って、中2階と2階との間の上部階段16bが設けられている。下部階段16aと上部階段16bは、中2階居室部15の北東角部に配置された踊り場部16cを挟んで平面形状が直角に折れ曲がったL字状階段部16を形成する。下部階段16aの両側に配置された、中2階居室部15の北側縁部15aに沿って設けられた手摺32aと、下部階段16aの北側縁部に沿って設けられた手摺32bとは、いずれも透光性材料によって構成されていて、採光収納構造部分13によって採光窓19から吹抜け部17に至る光を遮らないようになっている。
さらにまた、本実施形態では、L字状階段部16の下部階段16aの北側の、下部階段16a及び上部階段16bによって2辺を囲まれるこれらの内側の矩形形状部分は、下部階段16aの直上部分も含めて、吹抜け部17となっている。吹抜け部17は、ダイニング26の南側部分に重なるように配置され、ダイニング26の床面から2階部分の天井面に至る、2階層分の高さで設けられている。
そして、本実施形態では、L字状階段部16の上部階段16bを介して中2階居室部15から昇降可能な建物10の2階部分(上階部分)には、上部階段16bの北側に隣接して、2階ホールを兼ねる廊下33が、東西方向に延設すると共に、西側端部で南側に折れ曲がって設けられている(図3(b)参照)。廊下33の北側には、第1寝室34が、2階部分の北東部分に配置されて設けられており、第1寝室34の西側には、第2寝室35が、2階部分の北西部分に配置されて設けられている。第1寝室34の上方には、ロフト36が設けられている(図2参照)。
また、廊下33南側には、クローゼット37付きの第3寝室38が、2階部分の南西部分に配置されて設けられている。第3寝室38の北側のクローゼット37と第2寝室35との間には、トイレ39が、廊下33の西側端部に配置して設けられている(図3(b)参照)。第3寝室38の南側には、バルコニー40が設けられている。
さらにまた、本実施形態では、廊下33の南側及び第3寝室38の東側に位置する2階部分の南東部分は、中2階居室部15、L字状階段部16、及び吹抜け部17からなる採光収納構造部分13の吹抜け部分となっている。また廊下33の当該吹抜け部分に面した縁部には、透光性材料によって形成された落下防止用の手摺41が設けられている。
そして、上述の構成を備える本実施形態の建物10によれば、図4に示すような屋外に面した南側の外壁14から建物10の奥部に並べて配置された、中2階居室部15とL字状階段部16と吹抜け部17とからなる採光収納構造部分13を備えているので、建物10の奥部に十分な採光を得ることが可能になると共に、建物内部の空間を効率良く利用して、大きなスペースの収納空間を確保することが可能になる。
すなわち、本実施形態によれば、中2階居室部15が、床下部分に0.5階層分の高さの収納庫18を配置して1.5階層分の高さで設けられていると共に、屋外に面した外壁14に採光窓19を有しており、L字状階段部16は、中2階居室部15の屋外に面した外壁14とは反対側の縁部15aに沿って設けられた1階と中2階との間の下部階段16aと、中2階居室部15の屋外に面した外壁14と垂直な側縁部15bの延長線に沿って設けられた中2階と2階との間の上部階段16bとからなり、吹抜け部17は、少なくともL字状階段部16の下部階段16a及び上部階段16bによって2辺を囲まれるこれらの内側の矩形形状部分に設けられているので、図2に示すように、中2階居室部15の屋外に面した外壁14に設けられた採光窓19から入射した光は、建物10の奥部に向けて段階的に床面が低くなった中2階居室部15、L字状階段部16の下部階段16a、及び吹抜け部17を介して、吹抜け部17の奥まで届きやすくなり、これによって、吹抜け部17の天端部分に天窓が設けられていなくても、屋外に面する外壁14から離れた建物14の奥部に十分な採光を得ることが可能になる。また中2階居室部15の床下部分の略全域に亘る0.5階層分の高さの収納庫18によって、十分な大きさの収納空間を確保することが可能になる。
また、吹抜け部17の建物14の奥部側に隣接して、ダイニング26が1階居室部として設けられているので、このダイニング26に中2階居室部15の採光窓19から入射した光を効果的に至らせて、明るい雰囲気のダイニング26を形成することが可能になる。
図5は、本発明の他の実施形態に係る採光収納構造部分を備える建物10’を示すものである。図5の建物10’は、上記実施形態の建物10と略同様の構成を備える他、吹抜け部17が1階の床面から1.5階層分の高さで設けられており、吹抜け部17の上方を床板42a及び壁板42b,42cで区画して、2階部分(上階部分)から出し入れ可能な第2収納庫43が設けられている。吹抜け部17の上方に第2収納庫43を設けておくことにより、採光窓19から吹抜け部17に至る光を遮ることなく、2階部分から利用し易い収納空間を確保することが可能になる。また、第2収納庫43は、その天井部を2階の屋根裏部分44に食い込ませて設けることにより、より大きな収納空間を確保することが可能になる。
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、本発明の建物は、南北方向に縦長の矩形形状の敷地に建築する必要は必ずしも無く、採光収納構造部分は、中2階居室部の屋外に面した外壁を南側に向けて配置したものである必要は必ずしも無い。中2階居室部の外壁を南側以外の例えば西側やその他の方向に向けて配置し、中2階居室部から建物の奥部に向けてL字状階段部と吹抜け部を配置したものであっても良い。また、吹抜け部の奥部側に隣接して配置される1階居室部は、ダイニングである必要は必ずしも無く、例えば障子戸で仕切った和室等のその他の居室部であっても良い。さらに、中2階居室部とL字状階段部と吹抜け部とからなる図4に示すような採光収納構造部分は、中2階居室部の外壁を屋外に面して配置した状態で、建物の任意の位置に配設することができ、3階建て以上の建物において、例えば2階部分を1階部分として、2階よりも上方のフロアに設けることもできる。
本発明の好ましい一実施形態に係る採光収納構造部分を備える建物が建築される敷地を説明する略示平面図である。 本発明の好ましい一実施形態に係る採光収納構造部分を備える建物の構成を説明する、図3(a),(b)のA−Aに沿った略示断面図である。 本発明の好ましい一実施形態に係る採光収納構造部分を備える建物の構成を説明する、(a)は1階部分の間取り図、(b)は2階部分の間取り図である。 採光収納構造部分の略示平面図である。 本発明の好ましい他の実施形態に係る採光収納構造部分を備える建物の構成を説明する、図3(a),(b)のA−Aに沿った略示断面図である。
符号の説明
10,10’ 採光収納構造部分を備える建物
13 採光収納構造部分
14 屋外に面した南側の外壁
15 中2階居室部(リビング)
15a 中2階居室部の北側縁部
15b 中2階居室部の側縁部
16 L字状階段部
16a 下部階段
16b 上部階段
16c 踊り場部
17 吹抜け部
18 収納庫
19 採光窓
26 ダイニング(1階居室部)
32a,32b,41 透光性材料からなる手摺
43 第2収納庫

Claims (3)

  1. 屋外に面した外壁から建物の奥部に並べて配置された中2階居室部とL字状階段部と吹抜け部とからなる採光収納構造部分を備える建物であって、
    前記中2階居室部が、床下部分に0.5階層分の高さの収納庫を配置して1.5階層分の高さで設けられると共に、屋外に面した外壁に採光窓を有しており、
    前記L字状階段部は、前記中2階居室部の前記屋外に面した外壁とは反対側の縁部に沿って設けられた1階と中2階との間の下部階段と、前記中2階居室部の前記屋外に面した外壁と垂直な側縁部の延長線に沿って設けられた中2階と2階との間の上部階段とからなり、
    前記吹抜け部は、少なくとも前記L字状階段部の下部階段及び上部階段によって2辺を囲まれるこれらの内側の矩形形状部分に設けられることを特徴とする採光収納構造部分を備える建物。
  2. 前記吹抜け部の前記奥部側に隣接して、1階居室部が設けられる請求項1に記載の採光収納構造部分を備える建物。
  3. 前記吹抜け部が1階の床面から1.5階層分の高さで設けられ、前記吹抜け部の上方に、上階部分から出し入れ可能な第2収納庫が設けられる請求項1又は2に記載の採光収納構造部分を備える建物。
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