JP4780332B2 - 風味の改善されたこんにゃく製品及びその製造方法 - Google Patents
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Description
(1)こんにゃくいもを茹で、粒が残らない程度にミキサ−等でらいかいする。
(2)ボ−ルに移し粘性がでるまで混合する。
(3)しばらく放置した後、炭酸ナトリウム又は水酸化カルシウムを加え均一に混ざるように良くねり混ぜる。
(4)適度な大きさに丸めて沸騰水中で煮る。
(5)冷水で長時間アク抜きをしてこんにゃく製品とする。
すなわち、こんにゃく精粉に、還元糖を添加する〔特許文献1〕、〔特許文献2〕、アルコ−ルで処理をして純度を高くする〔特許文献3〕、海水を酸・アルカリ処理する〔特許文献4〕、有機酸塩類を添加する〔特許文献5〕等の各種方法が提案されている。
また、こんにゃく臭は、調理時に煮たり炊いたりすることにより大部分は飛散するが、長期の保存中や流通段階で目立たないように抑制することが大きな課題となっており、こんにゃく臭の無臭化技術の開発が待たれている。
[1]こんにゃく製品の製造方法において、こんにゃく精粉100重量部に、5〜800μmに粉砕した竹粉体1〜150重量部を加配・混合して製造することを特徴とする風味の改善されたこんにゃく製品の製造方法。
[2]こんにゃくいも100重量部に、5〜800μmに粉砕した竹粉体1〜50重量部加えて製造することを特徴とする風味の改善されたこんにゃく製品の製造方法。
[3]竹粉体が、ササの粉体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の風味の改善されたこんにゃく製品の製造方法。
[4]こんにゃく精粉100重量部に、5〜800μmの竹粉体1〜150重量部が加配・混合されて製造された風味の改善されたこんにゃく製品。
[5]こんにゃくいも100重量部に、5〜800μmの竹粉体1〜50重量部が加配・混合されて製造された風味の改善されたこんにゃく製品。
[6]竹粉体が、ササの粉体であることを特徴とする請求項4又は5に記載の風味の改善されたこんにゃく製品。
その理由は、まだ解明されていないが、竹を物理的に粉砕し、微細粒子とした竹粉体をこんにゃく精粉に加え、こんにゃく製品を製造すると、凝固剤である石灰とこんにゃく精粉の反応により生じるこんにゃく臭が竹粉体に吸着又はマスクされるものと考えられる。
さらに、タケ科ササ属のササ(笹)の茎、地下茎又は葉を用いることもできる。
ササとしては、オカメザサ、クマザサ、カムロザサ、アズマザサ、ミヤコザサ、チマキザサなどが挙げられ、好ましくはオカメザサが挙げられる。
竹類、特にササは優れた殺菌、防腐、脱臭作用を有しており、保存性にも優れている。
生竹あるいは収穫後乾燥状態にあるものであっても粉砕できる。例えばモウソウチクの場合は、洗浄乾燥後、(例えば、前記の竹粉製造機「KO−II」)を使用し、150μm程度まで粉砕する。さらに回転刃を切り替えて25μmまで粉砕する。その後微粉砕装置(例えば、株式会社奈良機械製作所製の「自由粉砕機」、ホソカワミクロン株式会社製の「ロ−トブレックス粉砕機」、増幸産業株式会社製の「ス−パ−マスコロイダ−」等)を使用して、25μm以下の粉砕物とすることができる。粉砕後の竹粉体中の水分は、必要に応じて乾燥処理して、20%以下に調整することが望ましい。こんにゃく臭の脱臭のためには、粉砕物の粒径は5〜800μmが適している。
精粉あるいはこんにゃくいもへの竹粉の添加時期は、炭酸ナトリウム又は水酸化カルシウムを添加する前であれば、どの段階でも良い。精粉の場合は最初から精粉とともに水に加えても良く、こんにゃくいもの場合は、ミキサ−に同時に加えて混合しても良い。
こんにゃくいもの場合は、生いも100重量部に対して竹粉体は1〜50重量部添加する。
1重量部未満であればこんにゃく臭が残存することがある。50重量部を超えるとゴワゴワして食感が悪くなる。10〜20重量部が適当であり、15重量部前後が最適である。
こんにゃく精粉30gと、水900mlと、炭酸ナトリウム3.5gとの組み合わせ物を6体(A〜Fグル−プ)用意した(表1)。各体に、モウソウチクを粉砕して調整した平均粒径20μmの粉体を0g(A)、3g(B)、6g(C)、10g(D)、30g(E)及び45g(F)を添加し、以下の製造方法でそれぞれこんにゃく製品試作品を製造した。
製造方法
第1工程:ボ−ルに水700mlを入れ、精粉と竹粉体をかたまりができないように、パラパラ入れる。
第2工程:かたまりが出来ないように5〜7分間かき混ぜる。
第3工程:約1時間放置する。
第4工程:あらかじめ200mlのぬるま湯に炭酸ナトリウム溶液を溶かし、加えて均一に混ざるように良くねり混ぜる。
第5工程:1個あたり180g位の重量にして両手で丸める。
第6工程:沸騰した湯で30〜40分間煮る。
第7工程:冷水につけて10時間 アク抜きをする。
分 析
上記、第1工程〜第7工程によって製造された各試作品の官能評価、及びトリメチルアミンの分析を行った。
官能評価は山口県産業技術センタ−食品技術部の研究員5名で実施した。
こんにゃく臭の有無と試作品を食した感想をAをコントロ−ルとして聞いた(表2)。
トリメチルアミンの分析は、試料を3%トリクロロ酢酸で抽出し、希釈ろ過したものを、キャピラリ−電気泳動式分析装置(大塚電子株式会社製・CAPI−3300)を用いて行った(表3)。
製造方法
第1工程:85℃以上で30分〜1時間こんにゃくいもを茹でる。
第2工程:茹でたこんにゃくいもに、竹粉体を加え、粒が残らないように数分間ミキサ−にかけ、さらにボ−ルに移しかなり抵抗があるようになるまで混ぜる。
第3工程:30〜1時間位放置する。
第4工程:炭酸ナトリウム5g(あらかじめ200mlのぬるま湯に溶かしておく)を加え均一に混ざるように良くねり混ぜる。
第5工程:1個あたり180g位の重量にして両手で丸める。
第6工程:沸騰した湯で30〜40分煮る。
第7工程:冷水につけて10時間 アク抜きをする。
分 析
各試作品(G〜K)のトリメチルアミンの分析を行った(表5)。
原料配合を表6に、製品中のトリメチルアミン含有量の分析結果を表7に示した。
Claims (6)
- こんにゃく製品の製造方法において、こんにゃく精粉100重量部に、5〜800μmに粉砕した竹粉体1〜150重量部を加配・混合して製造することを特徴とする風味の改善されたこんにゃく製品の製造方法。
- こんにゃくいも100重量部に、5〜800μmに粉砕した竹粉体1〜50重量部を加えて製造することを特徴とする風味の改善されたこんにゃく製品の製造方法。
- 竹粉体が、ササの粉体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の風味の改善されたこんにゃく製品の製造方法。
- こんにゃく精粉100重量部に、5〜800μmの竹粉体1〜150重量部が加配・混合されて製造された風味の改善されたこんにゃく製品。
- こんにゃくいも100重量部に、5〜800μmの竹粉体1〜50重量部が加配・混合されて製造された風味の改善されたこんにゃく製品。
- 竹粉体が、ササの粉体であることを特徴とする請求項4又は5に記載の風味の改善されたこんにゃく製品。
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