JP4780274B2 - 製紙用表面サイズ剤及び塗工紙 - Google Patents

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Description

本発明は製紙用表面サイズ剤を塗工して得られるオフセット印刷用紙に関する。より詳細には、用紙のサイズ効果(吸水抵抗性)の向上は勿論、オフセット印刷(特に新聞用オフセット印刷)に適応するべく極短時間における印刷用紙の水に対する接触角を高めることができ、しかもゲートロール塗工方式に適した製紙用表面サイズ剤を塗工して得られるオフセット印刷用紙に関する。
種々ある紙の印刷方法の中でもオフセット印刷方式は画質に優れ、高速印刷が可能であり、また少量〜大量印刷に対応できることから近年の高度情報化社会に適した印刷方式として急速に普及している。例えば、指定時間内に指定部数をカラー印刷する必要がある新聞印刷の8割以上が、従来の凸版印刷方式からオフセット印刷方式へ移行している。
オフセット印刷では印刷の際にインキと共に水(湿し水)が用紙表面に供給されるため、印刷用紙表面のサイズ効果が特に重要視される。サイズ効果が不足すると印刷面におけるインキの吸収ムラにより所謂カスレが生じたり、用紙の吸水により紙の伸びや切れが発生することがある。特に印刷対象が新聞用紙の場合には、主原料である古紙に含まれる微細繊維が紙粉となって印刷機器を汚し、紙面の品質が低下する。また、オフセット印刷は非常に高速で行われるため、印刷用紙表面のサイズ効果は極短時間〔具体的には湿し水が印刷版面に付着してからブランケット〜用紙表面に接触するまでの瞬時(0.1秒以下)〕で発現しなければならない。なお、このような極短時間における用紙のサイズ効果(以下、瞬時サイズ効果という)は、印刷用紙表面に水滴を滴下した直後の用紙に対する水滴の接触角を測定することによりある程度予測することが可能である。すなわち、接触角の数値が高いほど瞬時サイズ効果に優れることが予想される。
このようにオフセット印刷では紙表面の耐水性が特に重要となるため、用いる印刷用紙は通常表面サイジングが施されている。ここに表面サイジングとは、抄紙工程の乾燥途中に紙表面へサイズ剤を直接塗工する方法であり、サイズプレス塗工法、カレンダー塗工法、ゲートロール塗工法等の種々の方法が知られている。これらの中でも紙層表面に高濃度のサイズ液をフィルム状に転写するゲートロール塗工方式によれば紙表面の改質が特に容易となり、しかも切れやしわの発生が殆ど無い紙を生産性良く製造できるため、当該方式は近年の抄紙機の多くに導入されている。特に新聞用紙用の抄紙機の場合には、その全てに当該方式が採用されている。
上記したオフセット印刷事情や抄紙事情を考慮すると、オフセット印刷用紙(特に新聞用紙)の表面サイジングに用いるサイズ剤としては、用紙に一般的なサイズ効果を付与するのみならず、用紙に水が接触した直後から優れた瞬時サイズ効果を発現でき、しかもこれらのサイズ効果を現行抄紙系で主流であるゲートロール塗工方式によって実現し得るものであることが求められる。しかし、これまでに種々の製紙用表面サイズ剤が提案されているが(例えば特許文献1または2を参照)、かかる要請に応えるものは殆ど無い。
例えば特許文献1に記載されているアルケニルコハク酸塩水溶液を用いた製紙用表面サイズ剤によれば、オフセット印刷において一定のサイズ効果を得ることができるが、このものは抄紙時に用いられる硫酸バンドに由来する酸性物質やサイズ液調整に用いる河川水・市水に由来する多価金属塩の存在下で不安定であり、不溶物を形成することから、ゲートロール塗工時にマシン汚れやサイズ液のガムアップといった操業上のトラブルを生じやすい。
また、例えば特許文献2に記載されているα−オレフィンとα,β−不飽和ポリカルボン酸とからなる共重合体中和塩を用いた製紙用表面サイズ剤には前記した安定性の問題は無いが、このものはもともとサイズプレス塗工方式のように低濃度の塗工液を紙内部まで浸透させることでサイズ効果が発現するように設計されていることから、現在抄紙系で主流であるゲートロール塗工方式に適用しても十分なサイズが得られにくい。また、当該サイズ剤で表面サイジングした印刷用紙に水滴を滴下した直後の水の接触角は小さく、オフセット印刷時において前記瞬時サイズ効果が得られ難いことが予想される。
特開昭52−46111号公報 特開平3−14698号公報
本発明者はかかる現状に鑑み、用紙の一般的なサイズ効果はもとより、オフセット印刷(特に新聞用オフセット印刷)に要求される瞬時サイズ効果を発現でき、かつゲートロール塗工方式に適した(即ち、酸や多価金属の存在下で不溶物が殆ど発生せず、しかも当該方式で優れたサイズ効果を発揮する)製紙用表面サイズ剤を提供するために、鋭意検討を重ねた。その結果、特定の共重合体と特定の置換コハク酸とを併用することにより、当該課題を解決し得ることを見出し、本発明であるオフセット印刷用紙を完成するに至った。
即ち本発明は、ゲートロール塗工方式によるオフセット印刷用紙の表面サイジングに用いるサイズ剤であって、2,4,4−トリメチル−1−ペンテンおよび炭素数6〜30の直鎖状α−オレフィン、ならびにα,β−不飽和ポリカルボン酸を主構成成分としてなる共重合体中和塩(A)と、アルキル基又はアルケニル基を有する置換コハク酸中和塩(B)とを、固形分重量比〔(A)/(B)〕が95/5〜10/90となるよう混合してな製紙用表面サイズ剤を塗工して得られるオフセット印刷用紙に関する。
本発明によれば、用紙の一般的なサイズ効果はもとより、オフセット印刷(特に新聞用オフセット印刷)に要求される瞬時サイズ効果を発現でき、かつゲートロール塗工方式に適した(即ち、酸や多価金属の存在下で不溶物が殆ど発生せず、しかも当該方式で優れたサイズ効果を発揮する)製紙用表面サイズ剤を提供することができる。
まず、本発明に係る製紙用表面サイズ剤を構成する2,4,4−トリメチル−1−ペンテンおよび炭素数6〜30の直鎖状α−オレフィン、ならびにα,β−不飽和ポリカルボン酸を主構成成分としてなる共重合体中和塩(A)(以下、成分(A)という)につき説明する。当該2,4,4−トリメチル−1−ペンテンは、イソブチレンの2量体であるジイソブチレンと通常呼ばれるものであり、α型(2,4,4−トリメチル−1−ペンテン)およびβ型(2,4,4−トリメチル−2−ペンテン)の2種類の混合物として入手できる。本発明においてはかかる混合物として使用可能であるが、好ましくはα型のもののみを用いる。α型の化合物は、成分(A)の重合終了後にβ型のものを公知の方法で留去すれば容易に収得できる。
また、炭素数6〜30の直鎖状α−オレフィンとしては、具体的には、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、1−ドコセン、1−テトラコセン、1−オクタコセン、1−トリアコンテン等を例示しうる。炭素数が6未満ではサイズ効果が十分でなくなる傾向にあり、また炭素数30を越えると得られる成分(A)の水に対する溶解性が低下する傾向にある。
前記2,4,4−トリメチル−1−ペンテンおよび前記炭素数6〜30の直鎖状α−オレフィン両者の組成モル比(前者/後者)が、9/1〜1/9程度となるよう、好ましくは8/2〜2/8となるように用いるのが良い。
α,β−不飽和ポリカルボン酸としてはマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等のジカルボン酸類を例示でき、これらのうち好ましいのはマレイン酸およびイタコン酸である。また、該ジカルボン酸は半エステルとして用いてもよく、その場合、半エステル化物は用いるα,β−不飽和ポリカルボン酸のうち20%程度を用いればよい。
前記半エステルを形成する1価アルコ−ルとしては炭素数4〜24程度のもの、具体的にはブタノ−ル、イソブタノール、ペンタノ−ル、ヘキサノ−ル、シクロヘキサノ−ル、オクタノ−ル、2-エチルヘキサノ−ル、デカノ−ル、ヘキサデカノ−ル、オクタデカノ−ル、エイコサノ−ルなどの脂肪族1価アルコ−ル、ベンジルアルコ−ルなどの芳香族1価アルコ−ル、およびこれらの2種以上の混合物を挙げることができる。なお、1価アルコ−ルの炭素数を4〜24程度としたのはサイズ効果を考慮してのことである。
前記α,β−不飽和ポリカルボン酸と中和塩を形成する物質としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属、アンモニア水、炭素数1〜12の脂肪族アミン、アルカノ−ルアミン等を挙げることができる。これら物質のうち特に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水が好ましい。これらの物質としては1種を単独で、あるいは2種以上を併用してもよい。なお、α,β−不飽和ポリカルボン酸の中和塩は完全中和塩、部分中和塩のいずれであってもよい。また、α,β−不飽和ポリカルボン酸のカルボキシル基の一部を例えばメチルアミンのような塩基性物質でアミド変性してもよい。アミド変性することにより系の発泡を抑制でき、またサイズ効果、酸等に対する安定性を向上させることが出来る。
前記2,4,4−トリメチル−1−ペンテンおよび前記炭素数6〜30の直鎖状α−オレフィン、前記α,β−不飽和ポリカルボン酸の使用モル比は、得られる共重合体中において、前者/後者の使用モル比が30/70〜99/1程度、好ましくは50/50〜95/5とされる。当該組成割合を逸脱する場合にはサイズ効果が不十分になる傾向にある。
なお、成分(A)の構成成分として、前記2,4,4−トリメチル−1−ペンテン、前記炭素数6〜30の直鎖状α−オレフィンおよび前記α,β−不飽和ポリカルボン酸の他にも、本発明の目的を逸脱しない範囲において、各種公知の不飽和モノマーを用いることができる。そのようなものとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレートや、(メタ)アクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル等が挙げられる。これらの使用量は、成分(A)を構成する全単量体使用量に対して30モル%未満、好ましくは20モル%未満である。かかる使用量を超えるとサイズ効果が不十分となる傾向にある。
成分(A)は、前記前記2,4,4−トリメチル−1−ペンテン、前記炭素数6〜30の直鎖状α−オレフィンと、前記α,β−不飽和ポリカルボン酸と、必要に応じて前記した不飽和モノマーとを適当な重合開始剤の存在下に、通常80〜140℃程度の反応温度で2〜12時間程度重合反応させることによって得ることができる。重合方法は特に制限されず、バルク重合、溶液重合等の公知方法を適宜採用しうる。なお、溶液重合の場合には、溶媒としてベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン等の低級ケトン、酢酸エチル、クロロホルム、ジメチルホルムアミド等を単独でまたは適宜組合せて選択して使用することができる。
前記重合開始剤の種類は特に制限されず、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルワレロニトリル、t-ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサエート、その他レドックス触媒系などを使用できる。また重合に際しては、メルカプタン類、第二級アルコ−ル類等の連鎖移動剤を用いてもよい。
こうして得られる成分(A)の数平均分子量は通常1000〜1000000程度、好ましくは2000〜100000である。分子量が1000未満の場合にはサイズ効果が不十分となる傾向にあり、1000000を越える場合には共重合体溶液の粘度が大きくなり過ぎ、作業性が低下する傾向にある。なお、成分(A)の粘度は25℃において通常100〜5000mPa・s程度である。
次に、アルキル又はアルケニル置換コハク酸中和塩(B)(以下、成分(B)という)について説明する。成分(B)としては従来サイズ剤として公知のアルキル又はアルケニル置換コハク酸の塩を使用できる。具体的には炭素数8以上、好ましくは炭素数12〜20程度のアルキル基又はアルケニル基を有する置換コハク酸のアルカリ金属、アンモニア又は有機アミン類の塩を使用できる。かかる成分(B)は、一般的には2位以内の内部に二重結合が存在するいわゆる内部オレフィンを多く含んだα−オレフィン類に無水マレイン酸を公知の方法により付加反応させて得られるいわゆる内部置換コハク酸無水物を、相当するアルカリ金属水酸化物又は炭酸塩、アンモニア水、アミン類等で鹸化することにより容易に得ることができる。
本発明に係る表面サイズ剤組成物は前記成分(A)と成分(B)とを混合してなるものであるが、その混合比率は固形分重量比で(A)/(B)が9〜10/90好ましくは70/30〜30/70である。成分(A)が当該比率より多い場合にはサイズ効果が不十分となる傾向にあり、成分(B)が当該比率より多い場合には、実用上の悪影響はないが、サイズ液の使用時に不溶物がやや析出することがある。
本発明に係る表面サイズ剤を得るには、別々に調製した成分(A)と成分(B)を単に混合すればよ
本発明に係る製紙用表面サイズ剤には、本発明の奏する前記効果を阻害しない限りにおいて、澱粉誘導体、水溶性セルロース誘導体、PVA、植物ガム類、アルギン酸塩、ポリアクリルアミド系ポリマー類、ロジン系樹脂、石油系樹脂、ポリアミド系樹脂、脂肪酸誘導体等の表面加工剤を適量併用することができる。また、表面サイズ剤塗工時の泡立ちを低減させるべく予め内添消泡剤を添加したり、各種の防腐剤を用いてもよい。
本発明に係る製紙用表面サイズ剤は、特にゲートロール塗工方式において優れたサイズ効果を発揮する。また本サイズ剤は酸や多価金属の存在下で不溶物を殆ど形成しないため、マシン汚れやガムアップ等の操業上のトラブルが殆ど生じない。なお、これらのことは本サイズ剤のサイズプレス塗工やカレンダー塗工といった他の表面サイジング方式への適用を妨げるものではない。
また、本発明に係る製紙用表面サイズ剤が適用されるオフセット印刷用紙の種類は特に制限されず、例えばPPC用紙、インクジェット又はトナープリンター用紙、感熱紙等の情報用紙、感圧紙、筆記用紙、コート原紙、書籍用紙等の上質紙、中質紙、中質コート原紙、包装用紙、クラフト紙、ライナー、板紙、石膏ボード原紙、新聞用紙等に適用可能であるが、本発明に係る製紙用表面サイズ剤によれば特に古紙を原料に用いる新聞用紙において好適なサイズ効果が得られる。
また、上記各用紙をなす原紙の種類も特に制限されず、パルプの種類、填料、内添サイズ剤、抄紙時のpH、紙力増強剤、リテンションエイド等により本発明の効果は殆ど影響を受けない。例えば、酸性条件下で抄紙された上質紙原紙、コート紙原紙、アルキルケテンダイマーあるいはアルケニル無水コハク酸などをあらかじめ内添サイズした中性抄紙、上質紙原紙、コート紙原紙、ライナーなどの原紙を用いることができる。また回収古紙を含有する原紙も好適に使用できる。
上記した各種紙への本発明に係る製紙用表面サイズ剤の塗布量は、通常0.001〜5g/m(固形分)程度、好ましくは0.005〜1g/m(固形分)である。
以下、実施例および比較例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、各例中、部および%は特記しない限りすべて重量基準である。
[成分(A)の調整]
調製例1
撹拌機、冷却管、滴下ロ−ト、窒素導入管および温度計を備えたフラスコに、無水マレイン酸50部(50モル%)およびトルエン70部を仕込み、撹拌窒素気流下に110℃まで昇温した。滴下ロートにジイソブチレン(2,4,4−トリメチル−1−ペンテンの含有率75%)40部および、炭素数16と18の内部不飽和α−オレフィンの混合物30部とを仕込み、また別の滴下ロートにt−ブチルパーオキシベンゾエート3部およびトルエン20部を仕込んだ。これらを滴下ロートから約1.5時間を要してフラスコに滴下し、還流下に約2時間保温した。その後、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサエート1部およびトルエン10部を約30分を要して滴下し、さらに同温度で1時間保温した。次いで減圧下にトルエンを留去し、重合物を水酸化ナトリウム15部、所定量の水および28%アンモニア水40部で中和することにより共重合体水溶液を得た(以下、(A−1)とする)。このものの外観は黄色透明であり、不揮発分(NV)は25%、pHは9.0
、25℃の粘度は900mPa・sであった。
調製例2〜
調製例1において、使用単量体の種類、使用量を表1に示すように変化させた他は同様にして反応を行ない各種共重合体水溶液(A−2)〜(A−)を得た。表1にこれらの各恒数を示す。
Figure 0004780274
表中;
DIB=ジイソブチレン
C168=炭素数16と18の内部不飽和α−オレフィンの混合物
BA=ブチルアクリレート
MAn=無水マレイン酸
MAn−IBA=無水マレイン酸の70%をイソブチルアルコールでエステル化したエステル化物
[成分(B)の調
調製例

炭素数が16で、かつ5位以内の位置に二重結合を有する直鎖状内部オレフィンに無水マレイン酸を付加して得たアルケニルコハク酸無水物100部に、苛性ソーダ33.6部を水210部に溶解した溶液を加えて80〜90℃に加温し、酸無水物を溶解させた後、これを冷却し、更に水で希釈して濃度35%のアルケニルコハク酸ナトリウム塩水溶液を得た(以下、(B−1)とする)。
調製例

炭素数が18で、かつ5位以内の位置に二重結合を有する直鎖状内部オレフィンを用いた以外は調製例5と同様の方法に従い、濃度35%のアルケニルコハク酸ナトリウム塩水溶液を得た(以下、(B−2)とする)。
実施例1
調製例1で得た(A−1)と調製例5で得た(B−1)を固形分比で前者/後者が95/5となるように混合し、次いで得られた混合物に澱粉(商品名「王子エースA」、王子コーンスターチ(株)製)を添加し、水で希釈して、(A−1)と(B−1)の合計固形分濃度が約0.6%、澱粉の濃度が約8%となる製紙用表面サイズ液を得た。
実施例2〜1、比較例1〜
成分(A)と成分(B)を表2に示すように混合し、水で希釈することによって、前記同様、成分(A)と成分(B)の合計固形分濃度(比較例については成分(A)もしくは成分(B)のみの固形分濃度)が0.6%、澱粉の濃度が8%である製紙用表面サイズ液を得た。
[表面サイズ液の性能評価]
[塗工紙の調製]
1μlドロップサイズ度が5秒、坪量45g/mの中性新聞紙を原紙に用い、ゲートロールテストコーター(エスエムテー(株)製、PM−9002GC型)を用いて液温を40℃に調整した前記各製紙用表面サイズ液を該原紙に塗工し、回転ドライヤーにて105℃の温度下に1分間これを乾燥した。なお、原紙への表面サイズ液の付着量は固形分換算で約0.045g/m、澱粉の付着量は約0.6g/mである。
[ドロップサイズ度の測定]
乾燥した直後の前記塗工紙に純水(1μl)を滴下し、液滴が塗工紙へ完全に吸収されるまでの時間(秒)を測定した。数値が高いほど用紙の耐水性(吸水抵抗性)が高いことを意味し、オフセット印刷において用紙の吸水による断紙やしわの発生が少なくなることが予想される。
[接触角の測定]
乾燥した直後の前記塗工紙に純水(1μl)を滴下し、0.1秒後の水滴の塗工紙に対する接触角を接触角測定装置(商品名DAT1100:FIBRO社(株)製)で測定した。なお、0.1秒後における測定としたのはオフセット印刷においては印刷用紙が湿し水に接触する時間が殆ど瞬時であることを考慮してのことであり、接触角の値が大きいほど極短時間におけるサイズ効果が優れる、換言すれば高速のオフセット新聞印刷に適したサイズ効果(瞬時サイズ効果)が得られることが予想される。
[表面サイズ液の安定性試験]
実施例1で得た表面サイズ液を有効成分の固形分が0.1%となるように、また酸化澱粉が固形分で5%となるように調整し、得られた液に硫酸バンドを固形分換算で0.005%となるよう添加し、更に塩化カルシウムを加えて硬度10dH°に調整してなる試験溶液を調製した。次いで、流量50l/分のマグネット式循環ポンプを付した内容績2000mlの容器を用意し、液温を50℃にした前記試験溶液を容器の底より1000ml取り入れ、上部より落差をつけて落下させる方式で系を1時間循環した。その後系を目視し、不溶物の発生を観察した。目視により不溶物が全く認められない場合を「析出物なし」とし、不溶物が漸く確認出来る場合を「析出物少量あり」とし、多量の不溶物を明瞭に確認できる場合を「析出物あり」と表記する。実施例2〜1、比較例1〜に用いた表面サイズ液についても同様に試験溶液を調製し、安定性試験を行った。結果を表2に示す。析出物が発生しない、あるいは少量析出する程度の場合にはゲートロール塗工方式において不溶物が発生せず、マシンの汚れやガムアップが殆ど生じないことが予想される。
Figure 0004780274

Claims (5)

  1. ゲートロール塗工方式によるオフセット印刷用紙の表面サイジングに用いるサイズ剤であって、2,4,4−トリメチル−1−ペンテンおよび炭素数6〜30の直鎖状α−オレフィン、ならびにα,β−不飽和ポリカルボン酸を主構成成分としてなる共重合体中和塩(A)と、アルキル基又はアルケニル基を有する置換コハク酸中和塩(B)とを、固形分重量比〔(A)/(B)〕が95/5〜10/90となるよう混合してな製紙用表面サイズ剤を塗工して得られるオフセット印刷用紙
  2. 前記2,4,4−トリメチル−1−ペンテンと前記炭素数6〜30の直鎖状α−オレフィンの組成モル比(前者/後者)が、9/1〜1/9である、請求項1に記載のオフセット印刷用紙
  3. (A)のα,β−不飽和ポリカルボン酸が無水マレイン酸である請求項1または2に記載のオフセット印刷用紙
  4. (A)と(B)がいずれも水溶液である、請求項1〜3のいずれかに記載のオフセット印刷用紙
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のオフセット印刷用紙からなる新聞用紙。
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