JP4446225B2 - 製紙用表面サイズ剤及び塗工紙 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は製紙用表面サイズ剤、及び当該製紙用表面サイズ剤を表面に塗工してなる塗工紙に関する。より詳細には、紙に優れたインクジェット適性を付与し得る製紙用表面サイズ剤、及び当該製紙用表面サイズ剤を表面に塗工してなる塗工紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、各種原紙の表面サイズ度を向上するために、種々の表面サイズ剤が開発されており、たとえばスチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体、スチレン−マレイン酸系共重合体、オレフィン−マレイン酸系共重合体などの共重合体と、澱粉とを混合した表面サイズ剤が賞用されてきている。
【0003】
ところで、インクジェット記録方式は低騒音、低ランニングコスト、高速記録、多色化対応等の諸特性に優れるものであり、しかもシリカなどのコート層を設けた専用紙のみならず普通紙(PPC用紙等)へも印刷ができるため、近年急速に普及している。かかる状況下、表面サイズ剤は、従来の要求性能に加えてインクジェット印刷適性が不可欠となっており、特に一般のPPC用紙に印刷した場合でも高画質(インクの沈込による裏抜け、印字濃度の低下がない)で、フェザリングやにじみを生じ難いなどの、高度のインクジェット印刷適性が求められている。
【0004】
インクジェット印刷適性を改良せんとして、例えばスチレン系共重合体を主成分とする表面サイズ剤(例えば、特許文献1を参照)が提案されているが、未だ満足しうるものではない。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−95282号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来のスチレン系共重合体を主成分としてなる表面サイズ剤と比較して、一般的な表面サイズ剤としての要求性能のみならず、高度のインクジェット印刷適性(特に高い印字濃度と良好な耐フェザリング性)を発現し得る製紙用表面サイズ剤、及び当該製紙用表面サイズ剤を表面に塗工してなる塗工紙を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記した従来技術の課題を解決するべく、特に普通紙(PPC用紙等)の表面に塗工する表面サイズ剤について鋭意検討を重ねた結果、スチレン系モノマーを構成成分とする共重合体を有効成分とする表面サイズ剤に、特定構造のジグリセリン誘導体を配合することにより、前記課題を悉く解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち本発明は、スチレン系共重合体(A)、および一般式(1):
【0009】
【化2】
[一般式(1)中、R1〜R4 は一般式(2):−(X1O)nH(一般式(2)中、X1は炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルキレン基を示し、nは4〜40の整数を示す。)で示され、同一また相異なっていてもよい。]で表されるジグリセリン誘導体(B)を含有する製紙用サイズ剤、及び当該製紙用表面サイズ剤を表面に塗工してなる塗工紙に関する。
【0010】
[一般式(1)中、R1〜R4は水素原子、一般式(2): −(X1O)nH(一般式(2)中、X1は炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルキレン基を示し、nは4〜40の整数を示す。)、または一般式(3): −CO−X2(一般式(3)中、X2は炭素数1〜20の直鎖状、環状または分岐状のアルキル基を示す。)で示され、同一または相異なっていてもよい。]で表されるジグリセリン誘導体(B)を含有する製紙用表面サイズ剤に関する。また本発明は、当該製紙用表面サイズ剤を表面に塗工してなる塗工紙に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
まず、スチレン系共重合体(A)について説明する。当該共重合体(A)はスチレン系モノマーと、これと共重合するイオン性モノマーから構成され、当該スチレン系モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
【0012】
また、スチレン系モノマーと共重合するイオン性モノマーとしては、各種公知のアニオン性モノマーやカチオン性モノマーを例示できる。該アニオン性モノマーとしては、分子内にアニオン性官能基またはその塩を有するものであれば特に制限なく使用でき、例えば(メタ)アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸、ムコン酸等のジカルボン酸または該無水物、およびこれらと各種アルコールとからなる半エステル;ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のスルホン酸基含有不飽和単量体;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート等のリン酸基含有不和単量体;および、これらのナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、有機塩基類の塩等があげられる。なお、当該半エステルの置換基としては、炭素数が1〜18程度の直鎖または分岐鎖のアルキル基を例示でき、たとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、パルミチル基、ステアリル基等があげられる。その他のエステル置換基としては、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基等のヒドロキシアルキル基、さらにはベンジル基、アリル基等があげられる。これらエステル置換基の中でも、得られるスチレン系共重合体(A)の造膜温度が低下した際に塗工中に粘着物が発生し易い等の理由があることから、炭素数は1〜12程度のアルキル基が好ましい。上記アニオン性モノマーの中では、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸中和塩、マレイン酸、マレイン酸中和塩、マレイン酸モノエステル、マレイン酸モノエステル中和塩からなる群より選ばれる少なくとも1種が、スチレン系モノマーとの共重合性に優れるため好ましい。
【0013】
また、前記カチオン性モノマーとしては、例えばN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド等を例示できる。
【0014】
なお、スチレン系共重合体(A)としては、当該分子中にスチレン系モノマー単位を通常20〜80重量%程度、好ましくは40〜60重量%含有しており、かつ、当該分子中にアルカリ金属塩、アンモニア塩あるいは有機アミン類塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の中和塩単位を有するものが、水溶化が容易であるため好ましい。
【0015】
なお、得られるスチレン系共重合体(A)が本発明の目的を逸脱せず、しかもその効果を保持しうる限度において、前記スチレン系モノマーおよびイオン性モノマーのほかに、必要に応じてその他の重合性モノマーを使用できる。当該重合性モノマーとしては、(メタ)アクリルエステル、アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、炭素数6〜22のα−オレフィン、炭素数1〜22のアルキルビニルエーテル、ビニルピロリドン等のノニオン性不飽和モノマー等を挙げることができる。
【0016】
スチレン系共重合体(A)は各種公知の重合法で製造することができる。具体的には、適当な加熱装置と攪拌機を備えた反応容器に、スチレン系モノマー、イオン性モノマー、および必要に応じて用いる重合性モノマーを所定量づつ仕込み、ついで当該容器に水、有機溶剤および各種公知の乳化剤を仕込み、これらモノマーを乳化・溶解させる。更に公知の重合開始剤を加え、20〜120℃程度に加熱し、攪拌下に2〜12時間程度かけて乳化重合させればよい。
【0017】
前記有機溶剤としては、エチルアルコール、プロピルアルコール等のアルコール類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン等の低級ケトン類;酢酸エチル、クロロホルム、ジメチルホルムアイド等が例示できる。しかし、環境負荷や作業衛生に鑑みれば、これらの有機溶剤を減圧蒸留等により留去するのが望ましい。
【0018】
前記重合開始剤としては各種公知のものを特に制限なく使用でき、具体例としては、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の無機過酸化物;ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド等の有機過酸化物;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレイト等のアゾ系化合物等が例示できる。なお、重合開始剤がラジカル重合開始剤の場合は亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム等の還元剤を併用して反応系をレドックス系としてもよく、また重合に際して重合度(分子量)を調節して所望の粘度とするためにN−ドデシルメルカプタン、N−オクチルメルカプタン、ターシャリードデシルメルカプタン、N−オクタデシルメルカプタン、N−ヘキサデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン系連鎖移動剤、ならびに2−メルカプトベンゾチアゾール、ブロムトリクロルメタン、α−メチルスチレンダイマー等の連鎖移動剤を使用することもできる。その使用量は、スチレン系共重合体(A)を構成する各単量体全量に対し通常0.01〜5重量%程度が好適である。
【0019】
こうして得られる水溶性のスチレン系共重合体(A)は、通常固形分が10〜30重量%程度、また当該固形分濃度範囲における粘度が10〜5,000mPa・s(25℃)程度、pHが8.0〜9.5程度である。また分子量については特に制限されないが、通常は重量平均分子量で1,000〜1,000,000程度、好ましくは2,000〜100,000の範囲とされる。当該分子量が1,000未満の場合には十分なサイズ効果が得られないため印字濃度の低下を招く傾向にあり、一方1,000,000を超える場合には粘度が過渡に大きくなり塗工作業性が低下する傾向にある。
【0020】
次に、ジグリセリン誘導体(B)について説明する。本発明に係る製紙用表面サイズ剤はスチレン系共重合体(A)にジグリセリン誘導体(B)を配合したものを主成分とすることを特徴としており、当該構成を採用することによってインクジェット印刷時に高い印字濃度及び優れた耐フェザリング性を付与し得るものである。なお、本発明においては、ジグリセリン誘導体(B)はスチレン系共重合体(A)を製造した後に配合しうることはもとよりであるが、スチレン系共重合体(A)の製造中の反応系内に存在させてもよい。
【0021】
本発明で使用するジグリセリン誘導体(B)は、ジグリセリンに酸化プロピレンを付加重合して得られるポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル、または、ジグリセリンに酸化エチレンを付加重合して得られるポリオキシエチレンジグリセリルエーテルである。
【0022】
なお、当該ジグリセリン誘導体(B)の分子量は、R1〜R4の種類によっても異なるが、通常は平均分子量が300〜3000程度である。
【0025】
該ジグリセリン誘導体(B)としては、R1〜R4の全てが前記一般式(2)であり、特に一般式(2)中のX1が分岐したものが相当する。特にX1が炭素数3の分岐アルキル鎖(メチル基が分岐した酸化エチレン鎖)のものであって、付加モル数nが1〜6程度のものが印字濃度の向上および耐フェザリング性が特に優れるため好ましく、当該効果はnの値が小さいほど顕著となる。なお市販品としては例えば、SC−P400、SC−P750、SC−P1000、SC−P1200、SC−P1600(いずれも阪本薬品工業(株)製)などを例示できる。
【0026】
また、該ジグリセリン誘導体(B)としては、R1〜R4の全てが前記一般式(1)であり、特に一般式(2)中のX1が直鎖のものが相当する。特にX1が炭素数2の直鎖アルキル鎖(酸化エチレン基)のものであって、付加モル数nが1〜10程度のものが印字濃度の向上および耐フェザリング性が特に優れるため好ましく、当該効果はnの値が小さいほど顕著となる。なお市販品としては例えば、SC−E450、SC−E750、SC−E1000、SC−E1500、SC−E2000(いずれも阪本薬品工業(株)製)などを例示できる。
【0027】
本発明では、スチレン系共重合体(A)とジグリセリン誘導体(B)の使用割合は得られる表面サイズ剤のサイズ性能やインクジェット印刷適性を考慮して、適宜に決定されるが、通常は、スチレン系共重合体(A)100重量部(固形分換算)に対して、ジグリセリン誘導体(B)を5〜80重量%程度(固形分換算)、好ましくは10〜60重量%となるようにするのがよい。かかる数値範囲を逸脱する場合は、印字濃度や耐フェザリング性の改善効果が不十分となる傾向にある。
【0028】
本発明の製紙用表面サイズ剤は、通常、固形分濃度が15〜30重量%、固形分濃度が25重量%における粘度(ブルックフィールド回転粘度計:25℃)が10〜500000mPa・s、pHが8.0〜10.0に調整され、実用に供される。
【0029】
本発明の製紙用表面サイズ剤は、含浸法、サイズプレス法、ゲートロール法、バーコーター法、カレンダー法、スプレー法等の従来公知の塗工方法にて実用に供される。またその塗布量は、通常は固形分換算で0.001〜5g/m2、好ましくは0.005〜1g/m2 である。
【0030】
本発明の製紙用表面サイズ剤は、前記のようにスチレン系共重合体(A)とジグリセリン誘導体(B)を主成分とするものであるが、他の成分として通常紙力増強剤として併用される酸化澱粉、リン酸エステル化澱粉、酵素変性澱粉、およびカチオン化澱粉などの澱粉類;カルボキシメチルセルロース等のセルロース類;ポリビニルアルコール類、ポリアクリルアミド類、アルギン酸ソーダ等の水溶性高分子などを添加できる。また、必要に応じて他の各種公知のサイズ剤、エマルジョン型サイズ剤、防滑剤、防腐剤、防錆剤、pH調整剤、消泡剤、増粘剤、充填剤、酸化防止剤、耐水化剤、造膜助剤、顔料、染料等を添加することができる。
【0031】
本発明に係る塗工紙は、前記製紙用表面サイズ剤をPPC用紙、インクジェット又はトナープリンター用紙、感熱紙等の情報用紙だけでなく、感圧紙、筆記用紙、コート原紙、書籍用紙等の上質紙、中質紙、中質コート原紙、包装用紙、クラフト紙、ライナー、板紙、石膏ボード原紙、新聞用紙等に前記塗工方法で塗工したものであり、特にインクジェット印刷方式に適した印刷用紙である。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、スチレン系共重合体単独を有効成分として用いてなる従来の表面サイズ剤と比較して、良好なインクジェット適性、特に高い印字濃度と良好な耐フェザリング性を発現し得る製紙用表面サイズ剤、及び当該製紙用表面サイズ剤を塗工してなる塗工紙を提供することができる。
【0033】
【実施例】
以下、製造例、ならびに実施例および比較例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、各例中、部および%は特記しない限りすべて重量基準である。
【0034】
製造例1
<スチレン系共重合体(A)の製造:A−1>
撹拌器、還流冷却管、窒素導入管付きの反応器に、窒素を導入しながら水100部およびイソプロピルアルコール75部を加え、撹拌しながら加熱し温度を80℃まで上昇させた。これにスチレン45部およびアクリル酸55部を混合した単量体混合液と、過硫酸アンモニウム5部を水120部に溶解した重合開始剤水溶液を3時間で全量滴下させた後に2時間熟成させ反応を完結させた。その後、イソプロピルアルコールを留去し、冷却後28%アンモニア水溶液46.4部(アクリル酸に対して100モル%)を加え、水で希釈し共重合体の濃度が20%になるように調整し、25℃の粘度が1100mPa・sであるスチレン系共重合体A−1の水溶液を得た。
【0035】
製造例2
<スチレン系共重合体(A)の製造:A−2>
攪拌機、冷却管、滴下ロート、窒素導入管および温度計を備えたフラスコにイソプロピルアルコール42.9部、スチレン70部、ジメチルアミノエチルメタクリレート30部、および2,2′-アゾビスイソブチロニトリル2.5部を仕込み攪拌しながら加熱し温度を80℃まで上昇し5時間保温した。ついで、酢酸11.5部と水300部とを加え、エピクロルヒドリン17.8部を加えて4級化した。しかるのち、イソプロピルアルコールを留去し、冷却後、水で希釈し共重合体の濃度が20%になるように調整し、25℃の粘度が100mPa・sであるスチレン系共重合体A−2の水溶液を得た。
【0036】
<サイズ剤の調整>
前記方法で得られた共重合体A−1、A−2の水溶液と、表1に示すジグリセリン誘導体(B)とを表1に示す割合で混合し、更に澱粉(商品名「王子エースA」、王子コーンスターチ(株)製)を表1に示す値となるよう加え、実施例1〜6、比較例1〜5に係る製紙用表面サイズ剤を調整した。
【0037】
【表1】
【0038】
SC−P400:ジグリセリンに酸化プロピレンを付加重合して得られるポリオキシプロピレンジグリセリルエーテルであって、付加モル数が平均4のもの
SC−P750:ジグリセリンに酸化プロピレンを付加重合して得られるポリオキシプロピレンジグリセリルエーテルであって、付加モル数が平均9のもの
SC−P1000:ジグリセリンに酸化プロピレンを付加重合して得られるポリオキシプロピレンジグリセリルエーテルであって、付加モル数が平均14のもの
【0039】
<印刷用紙の作成>
対パルプ添加率で炭酸カルシウム20%、アルケニル無水コハク酸系サイズ剤(荒川化学工業(株)製、商品名「サイズパインSA 850」)0.1%、硫酸バンド0.5%、カチオン化澱粉0.4%、アニオン系歩留剤(荒川化学工業(株)製、商品名「KW−504」)0.01%の内添薬品を使用してなり、かつステキヒトサイズ度22秒の中性PPC原紙(秤量65g/m2)に各サイズ剤をバーコーター(No.3、液温40℃)を用いて、サイズ剤塗工量が表1となるように塗工した。次いで、各塗工紙を循環式乾燥機に入れ105℃で1分間乾燥を行い、塗工紙を得た。
【0040】
<ステキヒトサイズ>
前記サイズ処理をした塗工紙について、JIS P−8122に準拠して、ステキヒトサイズ度(秒)を測定した。結果を表2に示す。
【0041】
<ペン書きサイズ度>
前記サイズ処理をした塗工紙についてJ.Tappi No.12に準拠して、ペン書きサイズ度を測定した。数字が大きいほど良好なサイズ度を表す。結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】
<インクジェット適性評価(印字濃度)>
印字濃度の評価は、前記サイズ処理をした塗工紙に、キャノン(株)製インクジェットプリンターBJC−420Jを用いてモノクロ・カラーでベタ印刷することで行った。結果を表2に示す。また、キャノン(株)製インクジェットプリンターBJ−300Jを用いてモノクロでベタ印刷をすることで行った。印字濃度は反射濃度計(商品名グレダグD186、グレダグマクベス(株)製)を用いて測定した。数値が大きいほど印字濃度が高いことを示す。結果を3、4に示す。
【0044】
<インクジェット適性評価(フェザリング試験)>
フェザリングの評価は、前記サイズ処理をした塗工紙に、キャノン(株)製インクジェットプリンターBJC−420Jを用いてモノクロ・カラーで直交する線幅一定の直線及び文字を印字し、目視にて直線及び文字の外縁のにじみを目視評価することで行った。フェザリングの全くないものを6とし、インクがにじんでしまって文字の判別がつかないものを1とした。結果を表3に示す。また、同じく前記サイズ処理をした塗工紙に、キャノン(株)製インクジェットプリンターBJ−300Jを用いてモノクロで直交する線幅一定の直線及び文字を印字し、同様の方法でフェザリングの評価を行った。結果を表4に示す。
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
Claims (5)
- スチレン系共重合体(A)100重量部に対しジグリセリン誘導体(B)が5〜80重量部含有されてなる請求項1に記載の製紙用表面サイズ剤。
- スチレン系共重合体(A)が、スチレンとアニオン性モノマーとからなるものである請求項1または2に記載の製紙用表面サイズ剤。
- インクジェット用印刷に適用する請求項1〜3のいずれかに記載の製紙用表面サイズ剤。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の製紙用表面サイズ剤を表面に塗工してなる塗工紙。
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