JP2001288691A - 柔軟性印刷用紙 - Google Patents

柔軟性印刷用紙

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JP2001288691A JP2000096220A JP2000096220A JP2001288691A JP 2001288691 A JP2001288691 A JP 2001288691A JP 2000096220 A JP2000096220 A JP 2000096220A JP 2000096220 A JP2000096220 A JP 2000096220A JP 2001288691 A JP2001288691 A JP 2001288691A
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Yukiko Ryu
由紀子 龍
Takashi Ochi
隆 越智
Hideki Fujiwara
秀樹 藤原
Reiji Ohashi
玲二 大橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強度を維持しつつ柔軟性を持った紙を提供す
る。 【解決手段】 低密度化薬品を含有した紙に尿素を含む
表面処理剤を塗工または含浸する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は低密度かつ柔軟性に
優れる印刷用紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の活字離れを反映して、急激にコミ
ック本やペーパーバックが普及してきた。これに伴ない
紙にも軽量化や柔軟性の付与が求められている。紙の軽
量化とは、紙の厚さを維持した上での軽量化、すなわち
低密度化(嵩高化)のことを指す。環境保護が叫ばれて
いる現在、森林資源から製造される製紙用パルプを有効
に活用する上でも紙の軽量化は避けて通れない問題であ
る。また、柔軟性付与とは、紙の厚さを維持した上で紙
の曲げこわさ、すなわち本を開いた時に自然に閉じる事
なく、開いた状態を充分に保つことのできる紙のしなや
かさのことを指す。
【0003】紙の低密度化の方法としては架橋パルプを
用いる方法(特開平4-185792号公報等)や合成繊維との
混抄による方法(特開平3-269199号公報等)、発泡性粒
子を用いる方法(特開平5-230798号公報、特開平11-200
282号公報等)、パルプ間に無機物等の充填物を満たす
方法(特開平3-269199号公報等)などがある。しかしな
がら、架橋パルプや合成繊維等の使用は紙のリサイクル
を不可能にしてしまう。また、パルプ間に発泡性粒子を
用いる方法や充填物を満たす方法では紙力が著しく低下
すると同時に添加量を増加させると印刷時の粉落ちなど
の問題も生じる。
【0004】また、紙の低密度化方法として、嵩高剤を
用いる方法(WO98/03730号公報、特開平11-200283号公
報、特開平11-200284号公報、特開平11-200285号公報、
特開平11-269799号公報等)も報告されている。これら
の方法では紙力を維持させつつ低密度な紙が得られてい
るが、紙の柔軟性発現には充分でない。
【0005】一方、紙の柔軟性は、繊維の種類、紙の密
度、紙の水分等多くの因子が繊維に関与して発現するも
のと考えられている。家庭用の紙製品、たとえばトイレ
ットペーパー、ティッシュペーパーなどは、その用途上
適度な柔らかさが要求されるため、これまでに多くの柔
軟剤が開発されており、グリセリン、パラフィン乳化
物、転化糖などが知られている。これらの柔軟剤も添加
量を増加させると紙力の低下を招き、印刷時の紙切れな
どのトラブルの原因となる。
【0006】低密度化薬品や柔軟剤の添加による紙力や
表面強度の低下を防ぐことを目的として、澱粉等の水溶
性高分子を塗布することも考えられるが、充分な強度を
得るためには多くの塗布量を必要とし、目的とする低密
度化、柔軟化効果の発現が妨げられ、好ましくない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、強度
を低下させることなく低密度でかつ柔軟性に優れる印刷
用紙を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、低密度化薬品及び
尿素を含有させることにより低密度でかつ柔軟性に優
れ、さらに紙力の低下が小さい紙が得られることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
【0010】本発明の低密度化薬品とは、紙料中に添加
して抄紙することによって紙の密度が低下する機能を有
する薬品であって、JIS P8209に従って作成し
た手抄紙の密度の測定により決定することができる。低
密度化薬品としては、分子内に疎水基と親水基の両方を
有するもの、例えば、高級アルコールのエチレンオキサ
イド付加物、高級アルコールのプロピレンオキサイド付
加物、高級アルコールのブチレンオキサイド付加物、多
価アルコールと脂肪酸のエステル化合物等のノニオン界
面活性剤、あるいは脂肪族ポリアミドアミンなどを例示
することができるが、低密度化が可能であればこのよう
な薬品に限定されることはない。現在販売されている薬
品の中で低密度化薬品として機能する代表的なものは、
BASF社のスルゾールVL、Bayer社のバイボリ
ュームPリキッド、三晶(株)のリアクトペイクといっ
た薬品である。低密度化の機構については明らかでな
く、また、低密度化薬品として上市されている薬品の組
成は同一ではないが、いずれにしても抄紙時にパルプ繊
維に定着し、パルプ繊維間の結合距離を増加させること
により、紙にした場合に低密度化が達成されると考えら
れる。低密度化薬品を紙に含有させるためには、通常の
抄紙工程で低密度化薬品を添加(いわゆる内添)すれば
よく、添加する場所はパルプスラリーと均一に混合でき
る所であれば特に限定されるものではない。
【0011】本発明で使用する尿素はパルプ繊維間に入
り込み、繊維間水素結合を阻害することにより紙に柔軟
性を付与するものである。尿素の添加方法としては、抄
紙時に紙料中に添加する内添法、抄紙後に紙に塗工また
は含浸する外添法が考えられ、どちらも柔軟効果を得る
ことが出来るが、特に外添法では歩留まりが高いためよ
り高い柔軟効果を得られる。
【0012】前述したように低密度化薬品はパルプ繊維
間の結合を阻害する機能を持つため、一般に紙の柔軟性
を向上させるが、同時に紙の強度が低下する傾向があ
り、紙の強度を維持しつつ柔軟性を増大させるのは困難
である。一方、尿素のみを添加した場合、添加量を増加
させるに伴って柔軟効果は高くなるが、添加量を増加さ
せると紙の密度が上昇するので、低密度化と柔軟化を両
立させることが困難である。
【0013】そこで、紙の強度、密度および柔軟性の改
善について検討した結果、低密度化薬品と尿素とをバラ
ンスよく組み合わせて使用することにより、紙の強度を
低下させること無く、より効果的に低密度かつ柔軟性の
改善された紙を製造できることを見出した。
【0014】前述したように尿素を含有させる方法とし
ては、塗工または含浸による外添法が好ましい。従っ
て、本発明の柔軟性印刷用紙を得るための好ましい態様
は、通常の抄紙工程において低密度化薬品を添加(いわ
ゆる内添)した後、尿素を塗工または含浸すれば良い。
尿素を塗工または含浸するには、通常の塗工方法を使用
することができ、2ロールサイズプレスコーター、ゲー
トロールコーター、ブレードメタリングコーター、ロッ
ドメタリングコーターを使用すればよい。
【0015】また、尿素を塗工または含浸によって紙に
含有させる際に尿素の紙への浸透を促進するために浸透
助剤を尿素とともに使用することが好ましい。浸透助剤
としては、通常の非イオン系界面活性剤、エチレンオキ
サイド重合物、プロピレンオキサイド重合物、エチレン
オキサイド−プロピレンオキサイド共重合物などが挙げ
られるが、尿素の紙への浸透を促進することが可能であ
ればこのような薬品に限定されることはない。浸透助剤
は尿素に対して0.1重量%以上10重量%以下の範囲で用
いることが好ましい。
【0016】低密度化薬品の添加量は、対パルプ当たり
0.1重量%以上2.0重量%以下の範囲が好ましく、特に0.
2重量%以上1.0重量%以下の範囲が好ましい。添加量が
0.1重量%未満であると低密度化効果は充分でなく、2.0
重量%を超えると低密度化効果に比較して強度低下が大
きくなるため好ましくない。
【0017】尿素の添加量は、対パルプ当たり0.1重量
%以上20重量%以下の範囲が好ましく、特に1.0重量%
以上10重量%以下の範囲が好ましい。添加量が0.1重量
%未満であると柔軟効果は充分でなく、20重量%を超え
ると柔軟効果に比較して強度低下が大きくなるととも
に、かえって密度の増加も招くため好ましくない。
【0018】低密度化薬品と尿素を併用することによ
り、低密度かつ柔軟で強度の低下が小さい紙が製造でき
る理由は明らかでないが、疎水基を持つ低密度化薬品が
繊維間水素結合を完全に切断して低密度化効果を発現す
る。一方、尿素はセルロースの直接的な繊維間水素結合
を切断して柔軟にしつつ、水素結合を形成し得るため間
接的に架橋して強度を保持するためと考えられる。
【0019】本発明の柔軟性印刷用紙は、各種パルプか
ら通常の製紙工程によって製造される。原料パルプに
は、化学パルプ(針葉樹の晒または未晒クラフトパル
プ、広葉樹の晒または未晒クラフトパルプ等)、機械パ
ルプ(グランドパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミ
サーモメカニカルパルプ等)、脱墨パルプなどを単独ま
たは任意の割合で混合して使用することができる。
【0020】本発明の柔軟性印刷用紙は填料を含有させ
てもよい。填料としては一般に使用されているものを使
用することができ、特に限定されるものではないが、例
えばクレー、焼成クレー、ケイソウ土、タルク、カオリ
ン、焼成カオリン、デラミカオリン、重質炭酸カルシウ
ム、軽質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリ
ウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、非晶質シ
リカ、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化
マグネシウム、水酸化亜鉛などの無機填料、尿素−ホル
マリン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、微小
中空粒子などの有機填料を、単独または適宜2種類以上
を組み合わせて使用することができる。
【0021】本発明の柔軟性印刷用紙を製造する際、所
望の低密度化及び柔軟性が得られる範囲で、従来から使
用されている各種のノニオン性、カチオン性、アニオン
性の歩留まり向上剤、濾水度向上剤、紙力向上剤、内添
サイズ剤等の製紙用内添助剤を必要に応じて適宜選択し
て使用してもよい。
【0022】製紙用内添助剤としては、硫酸バンド、塩
化アルミニウム、アルミン酸ソーダ、塩基性塩化アルミ
ニウム、塩基性ポリ水酸化アルミニウム等の塩基性アル
ミニウム化合物;アルミナゾル等の水溶性アルミニウム
化合物、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄等の多価金属化合物、
澱粉、加工澱粉、ポリアクリルアミド、尿素樹脂、メラ
ミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミ
ド、ポリアミン樹脂、ポリアミン、ポリエチレンイミ
ン、植物ガム、ポリビニルアルコール、ラテックス、ポ
リエチレンオキサイド等の水溶性高分子、親水性架橋ポ
リマー粒子分散物およびこれらの誘導体あるいは変成物
等の各種化合物が例示でき、これらの物質は前記製紙用
内添徐剤としての機能のいくつかを同時に有するもので
ある。
【0023】次に、内添サイズ剤としての機能が著しい
ものとしては、アルキルケテンダイマー系化合物、アル
ケニル無水コハク酸系化合物、スチレン−アクリル系化
合物、高級脂肪酸系化合物、石油樹脂系サイズ剤やロジ
ン系サイズ剤が挙げられる。
【0024】さらに、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、
消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール
剤等の製紙用助剤も用途に応じて適宜添加してもよい。
なお、本発明の柔軟性印刷用紙の製造方法は、その抄紙
方法が抄紙pHが4.5付近である酸性抄紙によるもの
か、あるいは炭酸カルシウム等のアルカリ性填料を主成
分として含み、抄紙pHが約6の弱酸性〜約9の弱アルカ
リ性で行なう所謂中性抄紙によるものか等については特
に限定されず、全ての抄紙方法によって得られる紙を対
象とする。また、抄紙機も長網抄紙機、ツインワイヤー
機、ヤンキー抄紙機等を適宜使用できる。
【0025】また、所望の低密度化及び柔軟性が得られ
る範囲で、表面強度やサイズ性を改善するために表面処
理剤を塗工してもよい。表面処理剤としては、澱粉、加
工澱粉、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、
カルボキシメチルセルロース、スチレン/アクリル酸共
重合体、スチレン/アクリル酸/アクリル酸エステル共
重合体、スチレン/マレイン酸共重合体、スチレン/ブ
タジエン共重合体等が例示される。その他、防滑剤、防
腐剤、消泡剤、粘度調整剤、染料などの助剤を併用する
こともできる。表面処理剤の塗工の際に、尿素、浸透助
剤を同時に塗工してもよい。
【0026】本発明の柔軟性印刷用紙は、オフセット印
刷用紙として好適であり、その他にも凸版印刷用紙、グ
ラビア印刷用紙、電子写真用紙として使用することが可
能である。また、塗工紙、インクジェット記録用紙、感
熱記録紙、感圧記録紙等の原紙にも使用することができ
る。
【0027】
【実施例】以下に、本発明を実施例により詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例
および比較例で製造した紙について、低密度化の程度は
密度で、柔軟性はクラーク剛度、紙力は引裂強さ及び表
面強度で評価した。測定方法は下記に従った。
【0028】密度:JIS P 8118に従って測定
した。
【0029】引裂強さ:JIS P 8116に従っ
て、抄紙幅方向について測定した。
【0030】クラーク剛度:JIS P 8143に従
って、抄紙幅方向について測定した。
【0031】表面強度:オフセット印刷機としてローラ
ンドR2020B枚葉オフセット印刷機を使用し、イン
キは紅(商品名:TYハイプラスLZ、東洋インキ
(株)製)、墨(商品名:TYハイプラスLZ、東洋イ
ンキ(株)製)の2色を用い、印刷速度6000部/時間
で、ベタ部印刷濃度が墨1.1、および紅1.0になるように
印刷を行ない、4000部印刷した後のブランケットへの粉
落ちの状態、印刷品質を目視評価した。ブランケットの
粉落ちの状態、ブランケットへの粉落ちによると思われ
る印刷品質低下が比較例1レベルであれば○、やや悪け
れば△とした。
【0032】[実施例1]パルプ分としてLBKP(ろ
水度 CSF350ml)を使用した。低密度化薬品(商
品名:スルゾールVL、BASF社製)を対パルプ0.6
重量%、填料として炭酸カルシウムを紙重量当たり25重
量%、中性サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(商
品名:AS−263、日本PMC製)を紙重量当たり0.
2重量%となるように添加して紙料を調製し、テスト抄
紙機により抄速50m/分で抄紙して紙厚120μm、坪量7
7g/m2の原紙を得た。次に、この原紙に対して、尿素
50重量部、塗工用澱粉(商品名:SK−20、日本コー
ンスターチ製)100重量部から成る固形分濃度19重量%
の水溶液を2ロールサイズプレス機にて塗工量7.0g/
2となるように塗工し、柔軟性印刷用紙を製造した。
得られた柔軟性印刷用紙の密度、クラーク剛度、引裂強
さ、表面強度を測定し、結果を表1に示した。
【0033】[実施例2]尿素100重量部、塗工用澱粉1
00重量部からなる固形分濃度25重量%の水溶液を、原紙
に2ロールサイズプレス機にて塗工量9.0g/m2となる
ように塗工した以外は、実施例1と同様に柔軟性印刷用
紙を製造し、密度、クラーク剛度、引裂強さ、表面強度
を測定し、結果を表1に示した。
【0034】[実施例3]尿素150重量部、塗工用澱粉1
00重量部からなる固形分濃度30重量%の水溶液を、原紙
に2ロールサイズプレス機にて塗工量11.0g/m2とな
るように塗工した以外は、実施例1と同様に柔軟性印刷
用紙を製造し、密度、クラーク剛度、引裂強さ、表面強
度を測定し、結果を表1に示した。
【0035】[実施例4]尿素50重量部、浸透助剤(商
品名:マイネックスSO、明成化学製)2.5重量部、及
び塗工用澱粉100重量部からなる固形分濃度15.0重量%
の水溶液を、原紙に2ロールサイズプレス機にて塗工量
7.1g/m2となるように塗工した以外は、実施例1と同
様に柔軟性印刷用紙を製造し、密度、クラーク剛度、引
裂強さ、表面強度を測定し、結果を表1に示した。
【0036】[比較例1]塗工用澱粉のみからなる固形
分濃度13重量%の水溶液を、原紙に2ロールサイズプレ
ス機にて塗工量4.6g/m2となるように塗工した以外
は、実施例1と同様に印刷用紙を製造し、密度、クラー
ク剛度、引裂強さ、表面強度を測定し、結果を表1に示
した。
【0037】[比較例2]塗工用澱粉100重量部のみか
らなる固形分濃度11重量%の水溶液を、原紙に2ロール
サイズプレス機にて塗工量3.4g/m2となるように塗工
した以外は、実施例1と同様に印刷用紙を製造し、クラ
ーク剛度、引裂強さ、表面強度を測定し、結果を表1に
示した。
【0038】[比較例3]パルプ分としてLBKP(ろ
水度 CSF350ml)を使用した。填料として炭酸カ
ルシウムを紙重量当たり25重量%、中性サイズ剤として
アルキルケテンダイマーを紙重量当たり0.2重量%とな
るように添加して紙料を調製し、テスト抄紙機により抄
速50m/分で抄紙して紙厚108μm(坪量77g/m2)の
原紙を得た。次に、この原紙に対して尿素50重量部、塗
工用澱粉100重量部からなる固形分濃度26.6重量%の水
溶液を、原紙に2ロールサイズプレス機にて塗工量7.0
g/m2となるように塗工して印刷用紙を製造した。得
られた印刷用紙の密度、クラーク剛度、引裂強さ、表面
強度を測定し、結果を表1に示した。
【0039】[比較例4]塗工用澱粉100重量部からな
る固形分濃度14.5重量%の水溶液を、原紙に2ロールサ
イズプレス機にて塗工量4.5g/m2となるように塗工し
た以外は、比較例3と同様に印刷用紙を製造し、密度、
クラーク剛度、引裂強さ、表面強度を測定し、結果を表
1に示した。
【0040】
【表1】 表1に示したように、低密度化薬品と尿素を併用した実
施例1〜4は、低密度化薬品を含有する紙に澱粉のみを
塗工した比較例1及び2、低密度化薬品を含有しない紙
に澱粉のみを塗工した比較例4と比較して、引裂強さ及
び表面強度のいずれもが低下しないで、クラーク剛度が
低下していることが明白である。また、低密度化薬品を
含有しない紙に澱粉と尿素を塗工した比較例3は、クラ
ーク剛度は低下するものの、密度が上昇してしまう。
【0041】実施例1〜3より尿素の塗工量が増加する
と共に、クラーク剛度が低下するのが明白である。実施
例1と実施例4の比較により、浸透助剤の添加によって
尿素紙への浸透性が向上するので、尿素の塗工量を同一
にした時クラーク剛度はより低下し、塗工液の固形分濃
度を低下できるので塗工性も改善される。このように、
低密度化薬品を含有する紙に尿素を塗工することによ
り、紙の強度を維持しながら紙の低密度化及び柔軟化を
達成できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤原 秀樹 東京都北区王子5丁目21番1号 日本製紙 株式会社中央研究所内 (72)発明者 大橋 玲二 東京都北区王子5丁目21番1号 日本製紙 株式会社中央研究所内 Fターム(参考) 4L055 AG35 AH50 BE08 BE10 FA16 GA15

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低密度化薬品及び尿素を含有することを
    特徴とする柔軟性印刷用紙。
  2. 【請求項2】 低密度化薬品を対パルプ当たり0.1重量
    %以上2.0重量%以下の範囲で添加し、かつ尿素を対パ
    ルプ当たり0.1重量%以上20重量%以下の範囲で添加す
    ることを特徴とする請求項1記載の柔軟性印刷用紙。
  3. 【請求項3】 低密度化薬品を含有する紙に尿素と浸透
    助剤を含む表面処理剤を塗工または含浸することを特徴
    とする請求項1または2記載の柔軟性印刷用紙。
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Cited By (3)

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