JP2001288690A

JP2001288690A - 柔軟性印刷用紙

Info

Publication number: JP2001288690A
Application number: JP2000096200A
Authority: JP
Inventors: Yukiko Ryu; 由紀子龍; Takashi Ochi; 隆越智; Hideki Fujiwara; 秀樹藤原; Reiji Ohashi; 玲二大橋
Original assignee: Nippon Paper Industries Co Ltd; Jujo Paper Co Ltd
Current assignee: Nippon Paper Industries Co Ltd; Jujo Paper Co Ltd
Priority date: 2000-03-31
Filing date: 2000-03-31
Publication date: 2001-10-19

Abstract

(57)【要約】【課題】強度を維持しつつ、低密度で柔軟性に優れる
印刷用紙を提供する。【解決手段】低密度填料を含有した紙に尿素を含む表
面処理剤を塗工または含浸する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は低密度かつ柔軟性を
持った印刷用紙に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年の活字離れを反映して、急激にコミ
ック本やペーパーバックが普及してきた。これに伴ない
紙にも軽量化や柔軟性の付与が求められている。紙の軽
量化とは、紙の厚さを維持した上での軽量化、すなわち
低密度化（嵩高化）のことを指す。環境保護が叫ばれて
いる現在、森林資源から製造される製紙用パルプを有効
に活用する上でも紙の軽量化は避けて通れない問題であ
る。また、柔軟性付与とは、紙の厚さを維持した上で紙
の曲げこわさ、すなわち本を開いた時に自然に閉じる事
なく、開いた状態を充分に保つことのできる紙のしなや
かさのことを指す。

【０００３】紙の低密度化の方法としては架橋パルプを
用いる方法（特開平4-185792号公報等）や合成繊維との
混抄による方法（特開平3-269199号公報等）、発泡性粒
子を用いる方法（特開平5-230798号公報、特開平11-200
282号公報等）、パルプ間に無機物等の充填物を満たす
方法（特開平3-269199号公報等）などがある。しかしな
がら、架橋パルプや合成繊維等の使用は紙のリサイクル
を不可能にしてしまう。また、パルプ間に発泡性粒子を
用いる方法や上記公報に開示された充填物を満たす方法
では紙力が著しく低下すると同時に添加量を増加させる
と印刷時の粉落ちなどの問題も生じる。

【０００４】また、紙の低密度化方法として、嵩高剤を
用いる方法（WO98/03730号公報、特開平11-200283号公
報、特開平11-200284号公報、特開平11-200285号公報、
特開平11-269799号公報等）も報告されている。これら
の方法では紙力を維持させつつ低密度な紙が得られてい
るが、紙の柔軟性発現には充分でない。

【０００５】一方、紙の柔軟性は、繊維の種類、紙の密
度、紙の水分等多くの因子が繊維に関与して発現するも
のと考えられている。家庭用の紙製品、たとえばトイレ
ットペーパー、ティッシュペーパーなどは、その用途上
適度な柔らかさが要求されるため、これまでに多くの柔
軟剤が開発されており、グリセリン、パラフィン乳化
物、転化糖などが知られている。これらの柔軟剤も添加
量を増加させると紙力の低下を招き、印刷時の紙切れな
どのトラブルの原因となる。

【０００６】低密度化薬品や柔軟剤の添加による紙力や
表面強度の低下を防ぐことを目的として、澱粉等の水溶
性高分子を塗布することも考えられるが、充分な強度を
得るためには多くの塗布量を必要とし、目的とする低密
度化、柔軟化効果の発現が妨げられ、好ましくない。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、強度
を低下させることなく低密度でかつ柔軟性に優れる印刷
用紙を提供することである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、嵩比重0.3ｇ／ｍ
ｌ以下の低密度填料及び尿素を含有させることにより低
密度でかつ柔軟性に優れ、さらに紙力の低下が小さい紙
が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。

【００１０】本発明で使用する低密度填料の嵩比重（見
かけ密度；静置法）は0.3ｇ／ｍｌ以下であることを必
須とする。これより嵩比重が大きいと使用するパルプに
関わらず密度が増加してしまう。本発明の低密度填料と
しては、無定形シリカ、無定形シリケートが好ましい。
無定形シリカは合成非晶質シリカの一種で、ホワイトカ
ーボン、含水ケイ酸とも呼ばれ、代表的な製法として
は、ケイ酸ナトリウム（水ガラス）と硫酸を反応させ、
粒径5〜20μｍ程度の凝集体（ＳｉＯ₂・ｎＨ₂Ｏ）とし
て製造される。また、上記の反応時に他の無機化合物、
例えば硫酸アルミニウムをケイ酸ナトリウムと反応させ
ることによる含水ケイ酸アルミニウム化合物などのケイ
酸塩を無定形シリケートと称し、その組成により、含水
ケイ酸アルミニウム、含水ケイ酸アルミニウムソーダ、
含水ケイ酸カルシウム、含水ケイ酸マグネシウムなどが
ある。

【００１１】無定形シリカ、無定形シリケートは、製紙
用填料としては、通常新聞用紙の摩擦係数向上剤、印刷
不透明度向上剤として少量（3重量％以下）配合されて
いる。上述したように無定形シリカ、無定型シリケート
は代表的な製造方法としてはケイ酸ナトリウムに硫酸を
添加することにより製造され、一次粒子がその表面にあ
る多数の水酸基により、水素結合しながら次第に凝集し
て三次元構造体（二次粒子）になった構造をしていると
考えられている。このように、凝集体であるがゆえに細
孔を多く有するので、低密度であると考えられる。本発
明者らは無定形シリカ、無定形シリケートが上述したよ
うな二次凝集体であるがゆえの細孔量の多さに起因する
嵩高性に着目した。

【００１２】本発明で使用する尿素はパルプ繊維間に入
り込み、繊維間水素結合を阻害することにより紙に柔軟
性を付与するものである。尿素の添加方法としては、抄
紙時に紙料中に添加する内添法、抄紙後に塗工または含
浸する外添法が考えられ、どちらも柔軟効果を得ること
が出来るが、特に外添法では歩留まりが高いためより高
い柔軟効果を得られる。

【００１３】低密度填料を添加することによって低密度
化は可能であるが、柔軟化についての効果が必ずしも十
分ではなく、紙力も低下する。一方、尿素のみを添加し
た場合、添加量を増加させるに伴って柔軟効果は高くな
るが、紙の密度低下はほとんど見られず、添加量を増加
させるとむしろ紙の密度が上昇するので、低密度化と柔
軟化を両立させることは困難である。

【００１４】そこで、紙の強度、密度および柔軟性の改
善について検討した結果、低密度填料と尿素とを組み合
わせて使用することにより、紙の強度を実用上充分な程
度に保ちつつ、より効果的に低密度かつ柔軟性の改善さ
れた紙を製造できることを見出した。

【００１５】前述したように尿素を含有させる方法とし
ては、塗工または含浸による外添法が好ましい。従っ
て、本発明の柔軟性印刷用紙を得るための好ましい態様
は、通常の抄紙工程において低密度填料を添加（いわゆ
る内添）した後、尿素を塗工または含浸すればよい。尿
素を塗工または含浸するには、通常の塗工方法を使用す
ることができ、２ロールサイズプレスコーター、ゲート
ロールコーター、ブレードメタリングコーター、ロッド
メタリングコーター等使用すればよい。

【００１６】また、尿素を塗工または含浸によって紙に
含有させる際に尿素の紙への浸透を促進するために浸透
助剤を尿素とともに使用することが好ましい。浸透助剤
としては、通常の非イオン系界面活性剤である、エチレ
ンオキサイド重合物、プロピレンオキサイド重合物、エ
チレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合物など
が挙げられるが、尿素の紙への浸透を促進することが可
能であればこのような薬品に限定されることはない。浸
透助剤は尿素に対して0.1重量％以上10重量％以下の範
囲で用いることが好ましい。

【００１７】低密度填料の添加量は、紙重量当たり1重
量％以上20重量％以下の範囲が好ましく、特に4重量％
以上15重量％以下の範囲が好ましい。低密度填料の添加
量が1重量％未満では低密度化効果が充分ではなく、添
加量が20重量％を超えると紙力の低下が著しくなる。ま
た、所望の低密度化が得られる範囲で、低密度填料以外
の填料を含有させてもよい。填料としては一般に使用さ
れているものを使用することができ、特に限定されるも
のではないが、例えばクレー、焼成クレー、ケイソウ
土、タルク、カオリン、焼成カオリン、デラミカオリ
ン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、炭酸マ
グネシウム、炭酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、
酸化ケイ素、非晶質シリカ、水酸化アルミニウム、水酸
化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛などの
無機填料、尿素−ホルマリン樹脂、ポリスチレン樹脂、
フェノール樹脂、微小中空粒子などの有機填料を、単独
または適宜2種類以上を組み合わせて使用される。

【００１８】尿素の添加量は、対パルプ当たり0.1重量
％以上20重量％以下の範囲が好ましく、特に1重量％以
上10重量％以下の範囲が好ましい。添加量が0.1重量％
未満であると柔軟効果は充分でなく、20重量％を超える
と柔軟効果に比較して強度低下が大きくなるとともに、
密度の増加も招くため好ましくない。

【００１９】低密度填料と尿素を併用することにより、
低密度かつ柔軟で強度の低下が小さい紙が製造できる理
由は明らかでないが、低密度填料が繊維間の距離を増大
させて低密度化効果を発現する一方、尿素はセルロース
の直接的な繊維間水素結合を切断して柔軟にしつつ、水
素結合を形成し得るため間接的に架橋して強度を保持す
るためと考えられ、両者は併用することで複雑な相互作
用により効果を発揮していると推察される。

【００２０】本発明の柔軟性印刷用紙は、各種パルプか
ら通常の製紙工程によって製造される。原料パルプに
は、化学パルプ（針葉樹の晒または未晒クラフトパル
プ、広葉樹の晒または未晒クラフトパルプ等）、機械パ
ルプ（グランドパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミ
サーモメカニカルパルプ等）、脱墨パルプなどを単独ま
たは任意の割合で混合して使用することができる。

【００２１】本発明の低密度化薬品と尿素および浸透助
剤とを含有する紙を得るには、通常の抄紙工程に低密度
化薬品を添加（いわゆる内添）した後、尿素および浸透
助剤を塗工（いわゆる外添）すれば良い。低密度化薬品
を添加する場所は、パルプスラリーと均一に混合できる
所であれば特に限定されるものではない。

【００２２】本発明の柔軟性印刷用紙を製造する際にお
いて、低密度化及び柔軟性に影響を与えない範囲で、従
来から使用されている各種のノニオン性、カチオン性、
アニオン性の歩留まり向上剤、濾水度向上剤、紙力向上
剤、内添サイズ剤等の製紙用内添助剤を必要に応じて適
宜選択して使用してもよい。

【００２３】製紙用内添助剤としては、硫酸バンド、塩
化アルミニウム、アルミン酸ソーダ、塩基性塩化アルミ
ニウム、塩基性ポリ水酸化アルミニウム等の塩基性アル
ミニウム化合物；アルミナゾル等の水溶性アルミニウム
化合物；硫酸第一鉄、硫酸第二鉄等の多価金属化合物、
澱粉、加工澱粉、ポリアクリルアミド、尿素樹脂、メラ
ミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミ
ド、ポリアミン樹脂、ポリアミン、ポリエチレンイミ
ン、植物ガム、ポリビニルアルコール、ラテックス、ポ
リエチレンオキサイド等の水溶性高分子、親水性架橋ポ
リマー粒子分散物及びこれらの誘導体あるいは変成物等
の各種化合物が例示でき、これらの物質は前記製紙用内
添助剤としての機能のいくつかを同時に有するものであ
る。

【００２４】次に、内添サイズ剤としての機能が著しい
ものとしては、アルキルケテンダイマー系化合物、アル
ケニル無水コハク酸系化合物、スチレン−アクリル系化
合物、高級脂肪酸系化合物、石油樹脂系サイズ剤やロジ
ン系サイズ剤が挙げられる。

【００２５】さらに、染料、蛍光増白剤、ｐＨ調整剤、
消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール
剤等の製紙用助剤も用途に応じて適宜添加してもよい。
なお、本発明の柔軟性印刷用紙の製造方法は、その抄紙
方法がたとえば抄紙ｐＨが4.5付近である酸性抄紙によ
るものか、あるいは炭酸カルシウム等のアルカリ性填料
を主成分として含み、抄紙ｐＨが約6の弱酸性〜約9の弱
アルカリ性で行なう所謂中性抄紙によるものか等につい
ては特に限定されず、全ての抄紙方法によって得られる
紙を対象とする。また、抄紙機も長網抄紙機、ツインワ
イヤー機、ヤンキー抄紙機等を適宜使用できる。

【００２６】また、所望の低密度化及び柔軟性が得られ
る範囲で、表面強度やサイズ性を改善するために表面処
理剤を塗工してもよい。表面処理剤としては、澱粉、加
工澱粉、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、
カルボキシメチルセルロース、スチレン／アクリル酸共
重合体、スチレン／アクリル酸／アクリル酸エステル共
重合体、スチレン／マレイン酸共重合体、スチレン／ブ
タジエン共重合体等が例示される。その他、防滑剤、防
腐剤、消泡剤、粘度調整剤、染料などの助剤を併用する
こともできる。表面処理剤の塗工の際に、尿素、浸透助
剤を同時に塗工してもよい。

【００２７】本発明の柔軟性印刷用紙は、オフセット印
刷用紙として好適であり、その他にも凸版印刷用紙、グ
ラビア印刷用紙、電子写真用紙として使用することが可
能である。また、塗工紙、インクジェット記録用紙、感
熱記録紙、感圧記録紙等の原紙にも使用することができ
る。

【００２８】

【実施例】以下に、本発明を実施例により詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例
および比較例で製造した紙について、低密度化の程度は
密度で、柔軟性はクラーク剛度、紙力は引裂強さ及び表
面強度で評価した。測定方法は下記に従った。

【００２９】密度：ＪＩＳＰ８１１８に従って測定
した。

【００３０】引裂強さ：ＪＩＳＰ８１１６に従っ
て、抄紙幅方向について測定した。

【００３１】クラーク剛度：ＪＩＳＰ８１４３に従
って、抄紙幅方向について測定した。

【００３２】表面強度：オフセット印刷機としてローラ
ンドＲ２０２０Ｂ枚葉オフセット印刷機を使用し、イン
キは紅（商品名：ＴＹハイプラスＬＺ、東洋インキ
（株）製）、墨（商品名：ＴＹハイプラスＬＺ、東洋イ
ンキ（株）製）の2色を用い、印刷速度6000部／時間
で、ベタ部印刷濃度が墨1.1、および紅1.0になるように
印刷を行ない、4000部印刷した後のブランケットへの粉
落ちの状態、印刷品質を目視評価した。ブランケットの
粉落ちの状態、ブランケットへの粉落ちによると思われ
る印刷品質低下が比較例１レベルであれば○、やや悪け
れば△とした。

【００３３】［実施例１］パルプ分としてＬＢＫＰ（ろ
水度ＣＳＦ350ｍｌ）を使用した。填料として炭酸カ
ルシウム（嵩比重0.37ｇ／ｍｌ）を紙重量当たり15重量
％、及び低密度填料として無定形シリカ（嵩比重0.25ｇ
／ｍｌ）を紙重量当たり10重量％、中性サイズ剤として
アルキルケテンダイマー（商品名：ＡＳ−２６３、日本
ＰＭＣ製）を紙重量当たり0.2重量％となるように添加
して紙料を調製し、テスト抄紙機により抄速50ｍ／分で
抄紙して紙厚130μｍ、坪量70ｇ／ｍ²の原紙を得た。次
に、この原紙に対して、尿素50重量部、塗工用澱粉（商
品名：ＳＫ−２０、日本コーンスターチ製）100重量部
から成る固形分濃度19重量％の水溶液を２ロールサイズ
プレス機にて塗工量6.0ｇ／ｍ²となるように塗工し、柔
軟性印刷用紙を製造した。得られた柔軟性印刷用紙の密
度、クラーク剛度、引裂強さ、表面強度を測定し、結果
を表１に示した。

【００３４】［実施例２］尿素100重量部、塗工用澱粉1
00重量部から成る固形分濃度25重量％の水溶液を２ロー
ルサイズプレス機にて塗工量8.0ｇ／ｍ²となるように塗
工した以外は、実施例１と同様に柔軟性印刷用紙を製造
し、密度、クラーク剛度、引裂強さ、表面強度を測定
し、結果を表１に示した。

【００３５】［実施例３］尿素50重量部、浸透助剤（商
品名：マイネックスＳＯ、明成化学製）2.5重量部、塗
工用澱粉100重量部から成る固形分濃度14.3重量％の水
溶液を２ロールサイズプレス機にて塗工量6.0ｇ／ｍ²と
なるように塗工した以外は、実施例１と同様に柔軟性印
刷用紙を製造し、密度、クラーク剛度、引裂強さ、表面
強度を測定し、結果を表１に示した。

【００３６】［実施例４］填料として炭酸カルシウム
（嵩比重0.37ｇ／ｍｌ）を紙重量当たり15重量％、低密
度填料として無定形シリケート（含水ケイ酸アルミニウ
ムソーダ、嵩比重0.25ｇ／ｍｌ）を紙重量当たり10重量
％となるように紙料に添加した以外は、実施例１と同様
に柔軟性印刷用紙を製造し、密度、クラーク剛度、引裂
強さ、表面強度を測定し、結果を表１に示した。

【００３７】[比較例１]塗工用澱粉のみから成る固形分
濃度13重量％の水溶液を２ロールサイズプレス機にて塗
工量4.0ｇ／ｍ²となるように塗工した以外は、実施例１
と同様に印刷用紙を製造し、密度、クラーク剛度、引裂
強さ、表面強度を測定し、結果を表１に示した。

【００３８】［比較例２］填料として炭酸カルシウム
（嵩比重0.37ｇ／ｍｌ）を紙重量当たり25重量％となる
ように紙料に添加した以外は、実施例１と同様に印刷用
紙を製造し、密度、クラーク剛度、引裂強さ、表面強度
を測定し、結果を表１に示した。

【００３９】［比較例３］填料として炭酸カルシウム
（嵩比重0.37ｇ／ｍｌ）を紙重量当たり25重量％となる
ように紙料に添加し、塗工用澱粉のみから成る固形分濃
度13重量％の水溶液を２ロールサイズプレス機にて塗工
量４.0ｇ／ｍ²となるように塗工した以外は、実施例１
と同様に印刷用紙を製造し、密度、クラーク剛度、引裂
強さ、表面強度を測定し、結果を表１に示した。

【００４０】

【表１】表１に示したように、低密度填料を含有する紙に尿素を
塗布した実施例１〜４は低密度填料と尿素を含有せず紙
に澱粉のみを塗布した比較例３と比較すると、引裂強さ
及び表面強度のいずれもが低下しないで、密度及びクラ
ーク剛度が低下し、低密度で柔軟性のある紙が得られて
いた。また、低密度填料を含有しない紙に尿素を塗工し
た比較例２は、低密度化が不十分で、クラーク剛度もほ
とんど低下していない。さらに、尿素を含有せず、低密
度填料を含有した紙に澱粉のみを塗工した比較例３は、
密度は低下するものの、クラーク剛度の低下は不十分で
あって、引裂強さも低下したものであった。

【００４１】実施例１、２より尿素の塗工量が増加する
とともに、クラーク剛度が低下するのが明白である。実
施例１と実施例３の比較により、浸透助剤添加によって
尿素の紙への浸透性が向上するので、同一塗工量を得る
ためには塗工液の固形分濃度を低下することができる。
このように、低密度化薬品を含有した紙に尿素を塗工す
ることにより、紙の強度を維持しながら紙の低密度化や
柔軟化を達成できる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者藤原秀樹東京都北区王子５丁目21番１号日本製紙株式会社中央研究所内 (72)発明者大橋玲二東京都北区王子５丁目21番１号日本製紙株式会社中央研究所内Ｆターム(参考） 4L055 AG35 AH01 AH50 BE08 BE10 EA25 FA16 GA15

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】嵩比重0.3ｇ／ｍｌ以下の低密度填料及
び尿素を含有することを特徴とする柔軟性印刷用紙。
【請求項２】嵩比重0.3ｇ／ｍｌ以下の低密度填料を
対紙重量当たり1重量％以上15重量％以下、かつ尿素を
対パルプ当たり0.1重量％以上20重量％以下含有するこ
とを特徴とする請求項１記載の柔軟性印刷用紙。
【請求項３】嵩比重0.3ｇ／ｍｌ以下の低密度填料を
含有する紙に尿素と浸透助剤を含む表面処理剤を塗工ま
たは含浸により含有せしめたことを特徴とする請求項1
または２記載の柔軟性印刷用紙。