JP4773355B2 - ニオブ酸化物及び酸素が低減したニオブ酸化物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ニオブおよび他のバルブ金属ならびにそれらの酸化物に関し、特に酸化二オブおよびに関する。本発明は特に、少なくとも部分的に酸化ニオブを還元する方法、さらに酸素が低減した酸化ニオブおよび他のバルブ金属酸化物に関する。本発明は、たとえばキャパシター、焼成アノード体等の製造に有用な、ニオブ酸化物および他のバルブ金属酸化物に関する。さらに、本発明は、ニオブ酸化物粒子および他のバルブ金属酸化物粒子の製造方法に関する。本発明は、さらに、ニオブ、ニオブ粉末、その水素化物形態、ならびにそれから製造される電解キャパシターに関する。さらに詳しくは、本発明は種々の用途に適したニオブ粉末、ニオブ水素化物を形成するためにニオブもしくはニオブ水素化物原料を調製する方法に関する。
ニオブ粉末のような金属粉末のハンドリングを改良するための努力が継続してなされている。特に、たとえば0.1〜200μmの粒径をもつ微細粉末は取り扱いが困難であるがわかっているので、微細な金属粒子を凝集し、もしくは粒状化する方法が開発されてきている。微細な金属粒子を凝集する方法の開発に加えて、流動特性および/または他の望ましい特性、たとえば電気的特性、が維持もしくは改善されるような態様で、そのような粉末を凝集するための努力もなされてきた。キャパシターを製造するのに適した金属粉末の開発は、優れたキャパシターの製造に最も役立つ金属粉末に必要とされる特性を得ようとするキャパシター製造者および金属粉末加工業者の双方による努力から生じる。このような特性は表面積、純度、加圧成形性、未焼成強度、収縮、流動性および安定性を含む。
固体電解キャパシターおよび特にバルブ金属キャパシターは、電子回路の小型化の主要な貢献者である。 現下の電子装置および電子回路の低減したサイズおよび比較的高い周波数に加えて、もっと高いキャパシタンスおよびもっと低い等価直列抵抗(ESR)をもつキャパシターに対する要求が大きくなっている。バルブ金属粉末を金属の真密度の半分より小さくアノード導線とともに圧縮してペレットを形成し、そのペレットを焼成し多孔質体(たとえばアノード)を形成し、ついで適切な電解質に含浸することにより、その多孔質体を陽極化して多孔質体上に連続的な絶縁酸化物皮膜を形成する、ことにより、バルブ金属キャパシターアノードが製造されるのが通常である。ついで、陽極化された多孔質体はカソード材料に含浸され、均一なカソード被覆を形成し、たとえば、はんだ付けによりカソード導線に接続され、そして樹脂ケーシングに封入される。
酸素を低減されたバルブ金属酸化物、すなわち一酸化二オブ(NbO)、TaO、等のようなバルブ金属亜酸化物、が、高い絶縁安定性、低い漏れ電流、および低い燃焼性のような、独特の特性の利点を与える、実行可能な固体電解キャパシター材料として最近認識されている。これらの利点は比較的低コストと相まって、バルブ金属亜酸化物を電解キャパシター材料としてバルブ金属に代わって魅力的で経済的なものにする。亜酸化ニオブの従来の製造法は化学量論的割合の五酸化二オブ(NbO)粉末と金属ニオブ粉末の混合物を、真空下の熱処理によりNbOに転換することを含む。しかし、これらの方法は、不十分な反応を生じさせうる可能性があり、NbO内に散在しNbOから分離が困難である、NbOのような最適でない材料が生じうる。したがって、陽極化された多孔質体を形成するのに用いられる粉末材料中に半導体材料が存在する可能性を除去するのが有利である。
キャパシターアノードのESRはキャパシターの形成に用いられる一次粒子の凝集に関連することが仮定される。一次粒子の凝集は、一次粒子を凝集させて凝集体(凝集体は比較的小さい一次粒子のクラスターとして説明されうる)を形成する際に達成される一次粒子間の結合の量と質に関連しうる。このように、キャパシターアノードのESRは陽極化された多孔質体を形成するのに用いられる一次粉末粒子の熱凝集から生じる粗面化により低減しうる。しかし、粒子の粗面化は表面積を低減する緻密化(低減したキャパシターキャパシタンス)を伴う傾向にある。したがって、高いキャパシタンス(すなわち、高い容量効率)と低いESRの両方を有するバルブ金属キャパシターの製造を可能にする、大きい表面積、適切な凝集強度および均一な多孔度を有する凝集粒子の製造は、従来法によって製造されるキャパシターグレードの粉末を用いてはかなり困難である。
さらに、バルブ金属亜酸化物粉末調製する従来の方法は、比較的粗い、凸凹の表面組織を有する粉末粒子を製造するのが通常である。粗い粒子表面は、バルブ金属亜酸化物粉末からキャパシターの形成の間にはるかに多い有機材料を保有しやすい。残留有機物は最終キャパシターに高含量の残留炭素をもたらし、キャパシターの高いDC漏れを起こす。
タンタルのようなキャパシター材料に関する要望は増加し続けており、産業的な要求を満たすために、タンタルに代わる材料が重要になってきている。産業的に認識されているように、ニオブはタンタルに代わる材料の1つであるが、ニオブはタンタルと同じ電気的性質を有するものではないので、完全にタンタルに代わるものではない。従ってニオブに関する更なる研究が今日でも行われている。
タンタルを代替する、もうひとつの材料は、酸素を低減させた酸化ニオブ、言い換えるとNbO等のような亜酸化ニオブである。酸素が低減した酸化ニオブは、キャパシターアノードの製造に使用できる他の材料を提供するものとしてかなりの将来性を示す。産業的な要望を更に満たすために、好ましくは、酸素が減少した酸化ニオブの複数の性質、例えば酸素が低減した酸化ニオブの破砕強度が改良されるべきであり、また酸素が低減した酸化ニオブの製造においてもたらされる汚染物質の量を減少させる努力がなされるべきである。また、ニオブを粉砕して特定の粒度にするときにもたらされる汚染物質の濃度を減少させるために、酸浸出が一般に使用されている。この酸浸出は製造工程を複雑化し、且つ製造工程にかかる費用を増加させる。更に、酸素が低減した酸化ニオブの流動性を更に改良して、産業的な基準をより良好に満たすようにすることができる。たとえば、酸素が低減した酸化ニオブ粉末の焼成粉砕強度は、酸素が低減した現下の酸化ニオブで通常低い、望ましい特性である。しかし、この特性を改良しようとする努力において、表面積、細孔構造、粒径分布、流動特性、等の他の特性が影響されうる。このように、BET表面積、キャパシタンス能力、粒径,等とともに、望ましい焼成破砕強度および未焼成強度を含む、特性の優れたバランスを与えるような、方法ならびに製品を提供する必要性が産業界にある。
金属粉末は多孔質体に形成され、焼成されるとき、適切な表面積を備えるべきである。金属キャパシターのCV/gは金属粉末ペレットを焼成することにより製造される焼成多孔質体の比表面積に関しうる。金属粉末の比表面積は焼成多孔質体で達成されうる最大CV/gに貢献しうる。
粉末の純度も、重要な考慮すべきことである。金属および非金属の汚染物は金属キャパシターにおける絶縁酸化物皮膜を劣化させやすい。高い焼成温度はいくつかの揮発性汚染物を除去するのに役立つが、高温は、多孔質体を収縮させ、比表面積および得られるキャパシターのキャパシタンスを低減させる。焼成条件、すなわち収縮、下で、比表面積の損失を最小にすることは、高いCV/g金属キャパシターを製造するのに役立つ。
金属粉末の流動性および未焼成強度(プレスされた未焼成粉末ペレットの機械的強度)も効率的な製造を与えるためにキャパシター製造者に重要な特性である。凝集された金属粉末の流動性は自動ペレットプレスの適切な操作に重要でありうる。十分な未焼成強度は、過度の破損なしにプレス製品、たとえばペレット、の比較的良好な取り扱いおよび輸送を可能にする。
ここで用いられる「ペレット」という用語は、金属粒子もしくはその酸化物からなる多孔質体である。未焼成強度はペレットの未焼成機械的強度の程度である。「加圧成形性」pressability)という用語は金属粉末がプレスされてペレットになる能力をいう。金属粉末もしくはその酸化物は、その形状を保持するペレットを形成し、重大な損傷なしに通常の処理/製造条件に耐えるのに十分な未焼成強度を有し、良好な加圧成形性を持つ。
比較的微細な粒径の金属粉末もしくはその酸化物の望ましい特性は、安定性である。金属粉末の安定性は、たとえば酸素もしくは酸化物層で粒子の表面不動態化により達成されうる。表面不動態化は別の不動態化工程で達成されるのが通常である。
したがって、微細な粉末の問題に向けられるだけでなく、良好な流動特性および改良された細孔分布のような望ましい性質を有する、凝集した金属粒子を導くために、ニオブ粉末のような微細な金属粒子を提供する必要性は存在する。
優れたニオブ材料を開発し、高いキャパシタンス(CV/g)および低いDC漏れにより特徴付けられる高性能キャパシターに形成されうるキャパシターグレードの金属材料を製造するニオブ調製法を改良しようとする、さらなる努力が続けられている。製造されるキャパシターの特性に影響しうるキャパシターグレード材料の形態ならびに他の観察しうるもしくは測定しうる微細構造特性の例は、一次粒径(D50)、粒(granule)径、流動性、純度、丸さの度合い、比表面積(BET),粒径分布(たとえば、D10、D50、およびD90)、スコット密度、加圧成形性、破砕強度、多孔度、安定性、ドーパント含量、合金含量等を含む。
酸素が低減したニオブ金属酸化物、すなわち一酸化二オブ(NbO)等のようなニオブ亜酸化物は、高い絶縁安定性、低い漏れ電流および低燃焼性のような独特の特性を提供する、実行可能な固体電解キャパシター材料として最近認識されている。これらの利点は、比較的低コストであるのとあいまって、電解キャパシター材料として、タンタルに代えてニオブ亜酸化物を魅力的で経済的なものにする。従来のニオブ亜酸化物の製造方法は、Nb25と従来酸素ゲッターとして作用する金属ニオブとの化学量論的割合の混合物を真空下に熱処理してニオブ亜酸化物に変換することを含むのが通常である。金属ニオブの高価格のために比較的高価であることに加えて、金属ニオブを用いる還元法は、高CV/gのような特性を得るために、酸素を低減した最終製品(たとえばNbO)の形態および微細構造を制御するのに、重要な課題を投げかける。
最終製品の形態の限られた制御に加えて、金属ニオブ以外の固体ゲッター材料、たとえばタンタルもしくはマグネシウム、を用いる、従来のニオブ亜酸化物の製法は、他の難点を有する。たとえば、最終ニオブ亜酸化物製品は、ニオブ亜酸化物とともに混合されている未反応もしくは残留ゲッター材料および/または酸化されたゲッター材料により、還元プロセスにおいて汚染されている。ゲッター材料がホモジナイズ、ブレンド、混合等により原料ニオブ酸化物と物理的に接触するとき、汚染の可能性が増加する。さらに、従来の還元反応で使用されるゲッター材料は、高い原子量と酸素が反応しうる比較的低い表面積を与える粒子を与えるのが通常である。このように、現在用いられているゲッター材料は所定量の原料ニオブ酸化物を還元するために大量が存在しなければならない。その結果、酸素が低減した酸化ニオブの汚染度合は、酸化ニオブに対するゲッター材料の比が高いので、比較的大きい。たとえば、ニオブ亜酸化物をふるい分けもしくは酸浸出して、ニオブ亜酸化物から汚染物を除去することによる最終製品の調製は、もっと困難となり、もっと多くの廃棄物が産出される。
したがって、ニオブ酸化物を還元するために金属ニオブを用いることを含む現行法により製造されるニオブ亜酸化物よりも低価格で製造しうる、NbOのような酸素が低減したニオブ酸化物に対する必要性が存在する。従来の還元法を用いて現在可能である方法よりも、酸素が低減した最終製品の形態、微細構造および/または粒度分布をもっと制御しうる方法についての、さらなる必要性が存在する。さらに、反応工程において酸素が低減したニオブ酸化物の汚染が従来の方法に比べて、ニオブ酸化物に対するゲッター材料の比が比較的小さいことにより最小化される、ニオブ酸化物の還元方法に対する必要性はなお存在する。また、優れた形態を持つニオブ亜酸化物から製造され、高キャパシタンスおよび低DC漏れのような優れた特性を有するキャパシターが必要とされている。キャパシターグレード材料として用いられるバルブ金属酸化物粒子の表面積、凝集強さ、多孔度、破砕強度、その他の性質を適切に制御し、しかもキャパシターグレード材料中の半導体バルブ金属酸化物の存在を最小化する、バルブ金属焼成体の製造に有用な一次および凝集バルブ金属酸化物粒子を製造する方法に対する必要性は、なお存在する。
したがって、上述の難点の1つ以上を克服する必要性が存在する。
したがって、本発明の特徴は、多孔質で、複数もしくは1の峰の(multi-modal or unimodal)構造、または延長されたショルダーを持ち、1つの態様の構造、を有する酸素が低減したニオブ酸化物を提供することである。
本発明のもう1つの特徴は、改良された焼成破砕強度、多孔度、未焼成強度および流動特性を有する、酸素が低減したニオブ酸化物を提供することである。
本発明のさらなる特徴は、酸素が低減したニオブ酸化物から製造される、低いDC漏れを有する高キャパシタンスキャパシターを提供することである。
さらに、本発明の特徴は、熱処理を含む方法によって、キャパシターグレードのバルブ金属酸化物粒子の多孔度およびBET表面積を制御する方法を提供することである。
本発明のもう1つの特徴は、粒子の望ましい含浸性を損なわないで、粒子の有用な粗面化を作り出すバルブ金属酸化物の製造方法を提供することである。
本発明のもう1つの特徴は、優れた電気特性を有する完成したニオブ酸化物(もしくは他のバルブ金属亜酸化物)粉末を形成するために脱酸素されうる、五酸化ニオブ粒子ならびに他のバルブ金属酸化物粒子を製造する方法を提供することである。
本発明のさらなる特徴は、バルブ金属酸化物を熱的に凝集する方法を提供することであり、そこでは粒子の粒径は、粒子のBET表面積を実質的に低下させないで、維持もしくは増加される。
本発明のなおもう1つの特徴は、後反応熱処理された、酸素が低減したバルブ金属酸化物を提供することであり、そこでは粒子は低減したBET表面積を有し、キャパシター作製時に有機物質を保持しにくい特徴を有する。
本発明のさらなる特徴は、有用なニオブ粉末もしくはその水素化された形態を製造する方法を提供することであり、それらはキャパシター用途および酸素が低減したニオブ亜酸化物の形成を含む種々の使用のための、有用な粒状物を好適に形成しうる。
本発明のもう1つの特徴は、種々の有用な特性をもつ、粒状物の形態であってもよいニオブ粉末を提供することである。
さらに、本発明の特徴は高いキャパシタンスおよび/または低い漏れのような種々の有用な電気的性質を有するキャパシターアノードを提供することである。
本発明のさらなる特徴は、容積比に高い接近しうる表面積を有する、酸素ゲッター材料を用いてニオブ酸化物を少くとも部分的に還元する方法を提供することである。
本発明のもう1つの特徴は、安価なゲッター材料を使用し、ニオブ酸化物に対するゲッター材料の比を低下させ、および/またはゲッター材料およびその酸化物によるニオブ酸化物の汚染の程度を制限することにより、酸素が低減したニオブ酸化物の製造コストを低下させることである。
さらに本発明の目的はニオブ酸化物の酸素低減の間に反応条件を制御して所望の形態を有するニオブ亜酸化物を製造することである。
本発明のさらに付加的な特徴および利点は、一部は次の説明で述べられ、一部はその説明から明らかであり、あるいは本発明の実施によりわかりうる。本発明の目的および他の利点は詳細な説明および請求項で特に指摘される構成および組合わせにより理解されよう。
これらの、そして他の利点を達成するために、そして本発明の目的に一致して、以下のように、本発明はニオブ酸化物を少くとも部分的に還元する方法に関する。その方法は、ニオブ粉末と原料ニオブ酸化物を一緒に混合して粉末混合物を形成すること;その粉末混合物を真空下に熱処理して熱処理粉末を形成すること;ならびに原料ニオブ酸化物からニオブ粉末への酸素原子の移動を可能にする雰囲気中で熱処理粉末を反応させることを含み、ここでその反応は酸素が低減したニオブ酸化物を形成するのに十分な時間と温度で行なわれる。
好適には、ニオブ粉末および原料ニオブ酸化物は共粉砕により一緒に混合される。好ましくは、共粉砕は、硬い凝集物を強力に壊し、原料酸化ニオブ酸化物とニオブ粉末の一次粒子に粒子を好適にもどすのに用いられる。あるいは、粉末混合物を熱処理する前に、粉末混合物は多数の粒状物を形成するように粒状化される。
さらに、本発明は原料物質の熱処理を含むニオブ酸化物の少くとも部分的な還元法を含み、そこでは粒子のネッキングにより特徴づけられる粒子間の物質移動を生じさせる。
さらに本発明はニオブ酸化物を少くとも部分的に還元する方法に関し、そこでは出発原料の1つもしくは両方を別々に、もしくは混合物として、および/または酸素が低減したニオブ酸化物、を粒状化することを含む。
さらに、本発明は、焼成破砕強度が少くとも35ポンド(約15.9kg)であるバルブ金属亜酸化物粉末に関する。
また、本発明は、ふるいサイズと実質的に独立しているのが好ましい、粒状物強度を有するバルブ金属亜酸化物粉末に関する。さらに本発明はキャパシター形成に望ましい未焼成破砕強度を有するバルブ金属亜酸化物粉末に関する。
さらに、本発明は1峰(mono-modal)の対数微分圧入ピーク(log differential intrusion peak)が0.5と0.8μmの間に形成するような細孔分布を有するバルブ金属亜酸化物粉末に関し、その対数微分圧入ピークは0.1mL/gで0.3〜1.1μmの幅を有し、そして1峰の対数微分圧入ピークは0.6mL/gより大きい高さを有する。
また、本発明は1峰対数微分圧入ピークが存在するような多孔度(porosity)分布を有するバルブ金属亜酸化物粉末に関し、そこでは1峰対数差動ピークは1.3μm(もしくは未満)〜10μm(もしくは、より大きい)にわたるショルダーを有し、そのショルダーの高さは0.1mL/g未満である。
さらに、本発明は1峰対数微分圧入ピークがショルダーとともに存在するような細孔(pore size)分布を有するバルブ金属亜酸化物粉末に関し、そこではショルダーは1〜10μmで測定される累積容積を有し、その比は1〜7.5である。
さらに、本発明はショルダーのある一峰対数微分圧入ピークを形成するような細孔分布を有するバルブ金属亜酸化物粉末に関し、そこではショルダーは約1μmで4〜13%の合計多孔度、および/または10μm未満で1〜4%の合計多孔度を有する。
さらに、本発明は約0.4μmで1峰の対数微分圧入ピークを形成するような細孔分布を有するバルブ金属亜酸化物粉末に関し、そこで対数微分圧入ピークは0.1mL/gで0.2〜0.6μmの幅を有し、対数微分圧入ピークは0.5mL/gより大きい高さを有する。
さらに本発明はバルブ金属亜酸化物材料における多孔度を制御する方法に関し、粒状物を形成すること、そして所望の多孔度を得るために粒状物のサイズを調節することを含む。たとえば、粒径分布は、約0.4mL/gから約0.75mL/gの、調節しうる対数微分圧入ピーク高さを有しうる対数微分圧入ピークを形成するように達成されうる。これはたとえばふるいサイズおよび/または予熱処理の変動により調節されうる。
さらに本発明はバルブ金属酸化物粒子の製造方法に関する。その方法は真空下もしくは不活性条件下に原料バルブ金属酸化物を熱処理して凝集粒子を形成し、続いて凝集粒子を解凝集することを含む。
さらに本発明は優れた含浸特性を有するニオブ酸化物および他のバルブ金属酸化物に関する。
また、本発明はバルブ金属酸化物粒子から製造される低DC漏れを有する高キャパシタンスキャパシターに関する。
さらに本発明は、破砕強度、流動性、多孔度および/または他の性質は維持するが、そのBET表面積を減少する、酸素が低減したバルブ金属酸化物の後反応熱処理に関する。
また、本発明はニオブ粉末、たとえば表面が不動態化されたニオブ粉末、もしくはその水素化物形態の製造方法に関する。その方法は、第1粉砕媒体を用いて第1粉砕されたニオブもしくはニオブ水素化物粉末を形成する、ニオブもしくはニオブ水素化物原料の第1粉砕(たとえば湿式粉砕);ならびに第1粉砕の後に第2粉砕媒体を用いて、好ましくは表面を不動態化されたニオブもしくはニオブ水素化物粉末(好ましくは酸素含量が少くとも1,000ppmである)を形成する、第1粉砕されたニオブもしくはニオブ水素化物粉末の第2粉砕(たとえば湿式粉砕)、を含み、ここで第1粉砕媒体は、第2もしくはその後の粉砕媒体のサイズよりも大きいサイズを有する。
さらに本発明は、粒状物の形態であってもよい、ニオブもしくはニオブ水素化物粉末に関し、それは望ましい一次粒径、BET表面積、流動速度、酸素含量、高キャパシタンス能、2峰細孔分布、低い金属不純物、もしくはそれらの組合わせ、を有する。
さらに、本発明はニオブ酸化物を少くとも部分的に還元する方法に関する。その方法は、ゲッター材料の存在下に、そして原料ニオブ酸化物からゲッター材料への酸素原子の移動を可能にする雰囲気で、酸素が低減したニオブ酸化物を形成するのに十分な時間と温度で、原料ニオブ酸化物を熱処理することを含むのが通常である。好適には、ゲッター材料はスポンジチタンである。
さらに本発明は種々の有用な特性をもつキャパシターグレードのニオブ亜酸化物に関する。
また、本発明は、優れた形態を有するニオブ亜酸化物から製造される、高キャパシタンスおよび低DC漏れのような優れた特性を有するキャパシターに関する。
前述の一般的な説明および下記の詳細な説明は典型的で説明的なものにすぎず、請求項に規定される本発明のさらなる説明を提供するものであることが理解されるべきである。
添付の図面は本願に組入れられ、その一部を構成し、本発明の態様例を示し、そして詳細な説明とともに本発明の原理を説明するのに役立つ。
本発明の目的のために、酸素が低減したニオブ酸化物であるある、好適な粉末が、典型的な目的のために、まず説明される。本発明の範囲は酸素が低減したバルブ金属酸化物に関し、たとえば酸素が低減したタンタル酸化物、酸素が低減したアルミニウム酸化物、酸素が低減したチタン酸化物、酸素が低減したジルコニウム酸化物、およびそれらの合金が挙げられることが理解されるべきである。本発明の目的のために、出発原料バルブ金属酸化物は周期律表4,5および6族(IUPACの定義)の金属、アルミニウム、ビスマス、アンチモンおよびこれらの合金ならびにそれらの組合わせ、の少くとも1つの金属酸化物でありうるが、これらに限定されない。通常、バルブ金属酸化物の合金は、合金酸化物中に主な金属としてバルブ金属を有する。原料バルブ金属酸化物の具体例はNb25,Ta25およびAl23を含むが、これらに限定されない。さらに、本発明の目的のために、酸素が低減したニオブ酸化物は「ニオブ亜酸化物」(“niobium sub-oxides”)の用語と互換可能に使用され、同一の意味を有する。同様に、酸素が低減したバルブ金属酸化物は「バルブ金属亜酸化物」(“valve metal sub-oxides”)と同一の意味を有する。
本発明による、酸素が低減したニオブ酸化物の製造方法は、ニオブ粉末と原料ニオブ酸化物を一緒に混合して粉末混合物を形成する;好ましくは不活性もしくは真空条件下で粉末混合物を熱処理して熱処理粉末を形成する;そして酸素が低減したニオブ酸化物を形成するのに十分な時間と温度で、ニオブ酸化物からニオブ粉末に酸素原子を移動させるのを可能にする雰囲気で熱処理粉末を反応させること、の段階を含むのが通常である。その方法は、さらに、原料ニオブ酸化物を、ニオブ粉末を、原料ニオブ酸化物およびニオブ粉末の両方を混合前に別々に、もしくは粉体混合物のまま、または酸素が低減したニオブ酸化物を形成後に、粒状化してもよい。好適には、ニオブ粉末および原料ニオブ酸化物は、それらが互いによく混合された、本質的に一次粒子であるように、好ましくは高エネルギーもしくは強力な粉砕を用いて、共粉砕により一緒に混合される。さらに、好ましくは共粉砕される混合物は熱処理の前に粒状化されるのが好適である。
本発明によりバルブ金属酸化物粒子を製造するもう1つの方法は、原料バルブ金属酸化物もしくは酸素が低減したバルブ金属酸化物を熱処理して、一次および/または凝集バルブ金属酸化物粒子を形成することを含むのが通常である。その方法は、真空もしくは不活性条件下で原料バルブ金属酸化物を熱処理し、ついで凝集粒子を解凝集することを含むのが好適である。
本発明によるニオブ粉末、たとえば表面を不動態化したニオブ粉末もしくはその水素化物形態の製造方法は、湿式もしくは乾式粉砕のような粉砕を含み、それはニオブもしくは金属ニオブ水素化物の多段階粉砕工程もしくは段階的粉砕を含み、表面不動態化ニオブもしくはニオブ水素化物粉末を形成する。段階的な粉砕においては少くとも2段階の粉砕があり、そこでは第1段階において、粉砕媒体の径は第2および次の粉砕段階において使用される粉砕媒体の径よりも大きい。ニオブもしくは金属ニオブ水素化物の段階的粉砕は、ニオブもしくはニオブ水素化物粉末の比較的狭い粒径分布範囲および/または比較的小さな平均粒径を含む、種々の有用な特性をもたらす。加えて、ニオブもしくは金属ニオブ水素化物の段階的粉砕の間の表面不動態化は、他の方法により調製されるのと同等のサイズの粒子のために必要となりうる、付加的な不動態化工程の必要性を除去する。本発明の目的のために、材料はニオブ、ニオブ水素化物(たとえばNbH)、ニオブのドープされた形態(たとえば、Nb窒化物)、等でありうる。「ニオブ」粉末が次に詳細に説明されるが、上述の他の粉末もこの方法およびニオブ水素化物粉末(これに限定されない)を含む本発明のいかなる部分にも、同等に適用されることが理解される。
種々の工程がニオブ粉末、たとえば表面不動態化ニオブ粉末、を形成する方法に組入れられ得る、一般的に、本発明はニオブ原料の粒径を低減することを含みうる。加えて、いかなる予備的もしくは中間的もしくは最終粉砕工程も、ここに記載される粉砕工程に付加して用いられうる。たとえば、ジェット粉砕がどの点においても使用されうる。
本発明の一態様によれば、粉砕方法は好適には湿式粉砕方法である。湿式粉砕において、金属ニオブは水性溶液、好ましくは水、の存在下に粉砕媒体を用いて粉砕される。湿式粉砕法のために適した比の一例は、水300mLに対しニオブ粉末800gである。粉砕媒体は粉砕機の残りの容積を占めうる。適切な例は、媒体1ガロンに対し、水1,600mL、Nb粉末5,000gであり、各成分についてそれらの±1〜20%としうる。
本発明の目的のために、ニオブ粉末の表面不動態化はニオブ粉末表面にニオブ酸化物を形成することにより特徴づけられうる。ニオブ原料もしくは第1粉砕されたニオブ粉末(その両方を、以後金属ニオブという)の湿式粉砕は、たとえば次式の反応により示される、金属ニオブの水との反応からニオブ粉末の表面不動態化を生じうる。
2Nb+5H2O → Nb25+5H2 (式1)
式1に示されうるように、水の存在下での金属ニオブ湿式粉砕は金属ニオブ上に五酸化ニオブのようなニオブ酸化物層を生じさせうる。さらに詳しくは、本発明のニオブ粉末調製方法はニオブ原料とともに水性溶液の使用を含み、本発明の粉砕ニオブ粉末を形成する。
好適には、本発明のニオブ粉末は少くとも約1,000ppmの酸素含有量を有し、さらに好ましくは少くとも約5,000ppm、さらにもっと好ましくは少くとも約15,000ppm、もっと好ましくは少くとも約22,000ppm、そして最も好ましくは少くとも約28,000ppmである。もっと高い酸素含有量も、特に少くとも3回の湿式粉砕を用いて、可能であり、たとえば約28,000ppm〜約70,000ppmもしくはそれより多い。1つの態様において、表面不動態化ニオブは後述するように熱処理に際して、NbO0.17〜NbO0.55のようなニオブ亜酸化物を形成するために用いられうる。これは任意である。その表面不動態化ニオブ粉末の酸素含量は表面不動態化ニオブ粉末もしくは粒子のBET表面積に関連しうる。好適には、比較的大きいBET表面積は、ニオブ粉末の表面不動態化に対応する表面ニオブ粉末の比較的大きい酸素含量により特徴づけられる。特定レベルの酸素含量は表面不動態化を増加させることにより、または従来の脱酸素法により酸素含量を減少させることにより達成されうる。
ニオブ原料を調製する際に、一つの態様において、ニオブインゴットは、インゴットを粉末形態の原料に破砕する目的で金属ニオブをぜい化するために水素化プロセスに供され得、それはついで約5〜約425μmの大きさでありうる、均一な粒径分布を得るためにふるいにかけるのが好適である。所望であれば、ニオブ粉末は所望の粒径と均一な粒径分布を得るために2回以上、破砕機に供されうる。この時点でニオブ水素化物はニオブ水素化物として維持され得、またはニオブ非水素化物、ニオブ窒化物等のような、他の形態のニオブに変換されうる。
本発明に使用されうるニオブ原料は、いかなる形状もしくはサイズであってもよい。好適には、ニオブ原料は、粉末もしくは多数の粒子の形態である。使用されうる粉末の種類の例は、フレーク状、角張ったもの、こぶのあるもの、球状、およびその混合物もしくはそれらの変形物を含むが、これらに限定されない。好適には、ニオブ原料は粉末の形態であり、ニオブ粉末の表面の不動態化をもっと効果的に導く。このような好ましいニオブ原料の例は、約60/100〜約100/325メッシュ、および約60/100〜約200/325メッシュのメッシュサイズを有するニオブ粉末を含む。もう一つの範囲のサイズは−40メッシュ〜約+325メッシュ、もしくは−325メッシュのサイズである。
好適には、本発明で使用されるニオブ原料は高純度金属ニオブであり、粉砕プロセスの間の、他の不純物の導入を最小にする。したがって、ニオブ原料における金属ニオブは好適には少くとも約98%の純度、そしてさらに好適には少くとも約99%の純度を有する。さらに、不純物が存在しないか、または、ガスを除いてたとえば約500ppm未満、そして好ましくは100ppm未満の無視しうる量がニオブ原料に存在する、のが好ましい。
1つの粉砕法において、金属ニオブは粉砕され得、金属ニオブと接触に至るすべての表面はニオブ、その合金、その酸化物、その窒化物、ドープされたニオブ(たとえば、窒素、酸素、硫黄、リン、ホウ素、イットリウム等のようなドーパント)、もしくはこれらのいずれかで被覆された物質である。このプロセスにおいて、ニオブ粉末を形成する金属ニオブの粉砕は、金属ニオブと接触するに至るすべての表面がニオブである粉砕機内で生じるのが好ましい。すなわち、粉砕機内で用いられる粉砕機、アームおよび粉砕媒体のすべての接触表面がニオブ表面を有するのが好適である。粉砕機および粉砕媒体の接触領域のニオブ表面は、粉砕媒体および粉砕機内部表面を金属ニオブで被覆することにより得られることができ、または金属ニオブ板が粉砕機内に配置されうる(たとえば溶接される)。ボールのような粉砕媒体はニオブで被覆され得、または全体をニオブで製造されうる。粉砕機の全接触表面および粉砕媒体をニオブで製造することにより、金属ニオブへの汚染量は著しく低下し、そして好ましくは酸浸出が不要で、好ましくは避けられるような程度まで低下する。酸洗は気まぐれで、製造ロット毎に汚染程度が変動するので、これは特に有益である。
好適には、粉砕機および粉砕媒体の接触表面上に存在するニオブの量は、粉砕処理の間に、ニオブでない下にある表面が金属ニオブと接触しないような十分な程度である。粉砕機および研磨媒体の接触表面上のニオブコーティングの厚さ(たとえば約1mm以下から約100mm以上)は粉砕が製造ロット毎に繰返して行われうるのに十分な量であるのが好ましい。好適には、金属ニオブの粉砕は湿式粉砕で行われ、ニオブ粉末の比較的均一な粒径分布が得られる。湿式粉砕において、用いられる液体は水、アルコール等のような水性でありうる。好ましくは、用いられる液体は水である。好適には、粉砕は金属ニオブ粒径を約0.5μm以下〜約10μmの範囲、そしてもっと好ましくは約0.5μm以下〜約5μmの範囲に、減少させれば十分である。あるいは、乾式粉砕(たとえば、ジェット粉砕)が、粉砕段階の1つ以上もしくは全部で使用されうる。
本発明の一態様において、金属ニオブの段階的な粉砕は所望の粒径分布サイズを達成する。たとえば、第1粉砕されたニオブ粉末の粒径分布サイズは、第1粉砕されたニオブ粉末の平均粒径もしくはD50が約3〜約4μmとなるのが好適である。好ましくは、第1粉砕されたニオブ粉末の分布サイズは、D10値が約2μm未満、そして好ましくは約1.5μm〜約1.9μmであり、D90値が約10μm未満、そして好ましくは約5μm〜約8μmである。さらに、2度粉砕されたニオブ粉末の粒径分布サイズは、好ましくはニオブ粉末の平均粒径もしくはD50が約0.5μm以下〜約3μm、そしてもっと好ましくは約2μm〜約1μm以下である。D10値は約2μm未満であり、好ましくは約0.1μm以下〜約1.3μm、そしてD90値は約4μm未満、そして好ましくは約1.8μm以下〜約3.8μmである。さらに、3度粉砕されたニオブ粉末の粒径分布は、好ましくはニオブ粉末の平均粒径もしくはD50が約0.5μm以下〜約1.5μm、そしてもっと好ましくは約0.75μm〜約0.9μmもしくは約1μmである。D10値は約1μmであり、そして好ましくは約0.1μm以下〜約0.75μm、そしてD90値は約3μm未満、そして好ましくは約1μm以下〜約2μmである。
酸素が低減したニオブ酸化物もしくはニオブ亜酸化物はいかなる形態であってもよく、好ましくは相互に結合し、もしくは細胞状の形態を有する。ニオブ亜酸化物はいかなる形状もしくはサイズであってもよい。好適には、ニオブ亜酸化物は粉末もしくは多数の粒子、の形態である。可能な種類の粉末の例は、フレーク状、角張ったもの、こぶのあるもの、球状、および混合物、またはそれらの変形物であるが、これらに限定されない。好適なニオブ亜酸化物粉末の例は約60/100〜約100/325メッシュ、および約60/100〜約200/325メッシュのメッシュサイズを有するものを含む。もう1つの範囲のサイズは−40メッシュ〜約+325メッシュ、または−325メッシュのサイズである。好ましくは、ニオブ亜酸化物粉末は、約0.25〜約5μmのD50、および約1〜約8m2/gのBET表面積を有する。ニオブ亜酸化物は、D10,D90もしくはその両方がD50の約30%以内にあるような粒径分布を有するのが好ましい。ニオブ亜酸化物は約0.5〜約2.5g/ccのみかけ密度を有するのが好ましい。ニオブ亜酸化物は約0.01〜約100μmの細孔を有する多孔質構造を有するのが好適である。ニオブ亜酸化物は約10〜約90%の細孔容積を有するのが好適である。ニオブ亜酸化物は一峰の、もしくは多峰の細孔分布、そしてもっと好ましくは二峰の細孔分布、を有するのが好ましい。ニオブ亜酸化物は上述のように製造されうる。ニオブ亜酸化物は、上述の方法で測定して約100mg/s〜約2,000mg/s以上、そしてもっと好ましくは少くとも約200mg/s、のような優れた流動性を有するのが好適である。ニオブ亜酸化物は改質剤、添加剤もしくはドーパント(窒素、ケイ素、リン、ホウ素、炭素、イオウ、イットリウムもしくはそれらの組合わせを含むが、これらに限定されない)を含みうる。ニオブ亜酸化物は窒素化され得、および/または窒化物層を含みうる。ニオブ亜酸化物はキャパシターアノードに形成されたときに、少くとも10,000CV/gのキャパシタンスが可能であることが好ましい。
本発明の一態様において、金属ニオブの段階的粉砕は好適には所望の粒子BET表面積を達成する。一次粒子は約1μm以下、たとえば0.5μmでありうる。本発明のニオブ粉末は高比表面積を有しうる。さらに、本発明のニオブ粉末は、好適なBET表面積を有することで特徴づけられうる。たとえば、第1粉砕されたニオブ粉末のBET表面積は約1〜約2m2/gであるのが好ましい。さらに、2度粉砕されたニオブ粉末の粒子BET表面積は約2〜約8m2/gであるのが好ましく、さらに好ましくは約3〜約4.5m2/g以上である。5m2/g超、および8m2/g超の、比較的高いBET表面積がここで述べる2以上の粉砕段階で得ることができる。
本発明の一態様において、ニオブ原料の第1粉砕、第1粉砕されたニオブ粉末の第2粉砕、および/またはそれに続く粉砕段階はボール粉砕を含む。第1粉砕、第2粉砕、および/またはそれに続く粉砕段階は、たとえば約350rpm以上で運転される1S粉砕機のようなアトライター(Attritor)粉砕機内で行なわれる。他の運転rpmも使用されうる。他の粉砕機サイズも使用されうる。粉砕が終了すると、ついで混合物は、米国特許第6,416,730号;および第6,322,912号明細書に記載されているような熱処理に供されうるが、これらの記載は引用によりすべてここに組み入れられる。
金属ニオブの粉砕は変動するボール径で粉砕することにより逐次達成されうる。たとえば、第1粉砕は3/16インチ(約0.48cm)径の媒体(たとえばNb球状媒体)を使用し得、第2粉砕は1/16インチ(約0.16cm)径媒体(たとえばNb球状媒体)、等を使用しうる。段階的な粉砕の使用は所望の粒径および粒径分布を得るのに要求される時間を劇的に短縮する。金属ニオブの粉砕は異なる粉砕機もしくは同一の粉砕機内で段階的に行なわれうる。好適な態様において、比較的速い粉砕は、製品径に対する大きいボール径比を用いることによりプロセスにおいて早期に達成される。粉砕される製品量が増加すると、ボール径は、製品に対するボールの比を増加させるために減少され得、そしてそれにより製品がぶつかって粉砕されるチャンスが増加する。好適には、金属ニオブのサイズはボール径のサイズの1/10程度の大きさであってもよい。このボールに対する金属メタルの比は、ボールに対する金属ニオブの比の大きさが約1/1000〜約1/500まで、もっと好ましくはボールに対する金属ニオブの比が約1/200まで、使用されうる。ついで、ボール径はボール径に対する金属ニオブの比が約1/10であるように変更されうる。このプロセスは最初の原料が約5μm〜約1μmに達するまで継続され得、そしてさらにサブミクロン粒子を製造するのに用いられうる。粉砕ボールは比較的小さな粉砕ボールよりも速く比較的大きなニオブ粒子を粉砕する傾向がある。したがって、比較的多くの時間を要し、幅広い分布を作り出すであろう非常に小さいボール径の粉砕ボールを第2粉砕工程で用いるよりも、ボール径は、なお数多いがボール径に対する金属ニオブの比が1/10を守るが、比較的大きいものを利用するように続いて選択される。一例として、詳しくは、第1段階粉砕はこのプロセスで最大の径の粉砕媒体、たとえば3/16インチ径のニオブ球状媒体、を使用しうる。ニオブもしくはニオブ水素化物原料は、たとえばアトライター粉砕機内で、好ましくは水のような液体の存在下で粉砕される。この段階の粉砕のための典型的な粉砕時間は約30分間〜約6時間、そしてもっと好ましくは約3時間である。第1段の粉砕の終りに、平均粒径は好ましくは約3〜約4μmである。BETで測定される表面積はおよそ1〜2m2/gである。ついで、第2段粉砕で、第1段階粉砕からの材料は1/16インチ径ニオブ球状媒体を用いてアトライター粉砕機のような粉砕機内に置かれる。粉砕は、たとえば約30分間〜約24時間以上実施され、そしてもっと好ましくは約6時間〜約20時間であり、平均粒径約0.5〜約3μm、そしてもっと好ましくは約1〜約2μmを有し、BETによる表面積が約2〜約8m2/g、そしてもっと好ましくは約2.5〜約4m2/gである、ニオブもしくはニオブ水素化物粒子を製造する。ついで、第3段階粉砕において、1/32インチ(約0.08cm)ニオブ媒体が第2段階粉砕から得られる材料を粉砕するのに用いられうる。この粉砕段階は、たとえば約30分間〜約24時間以上、もっと好ましくは約20時間、実施され得、平均粒径サイズが約0.1〜約1μm、そしてもっと好ましくは約0.5〜1μmであり、BET表面積が約4〜約10m2/g、そしてもっと好ましくは約5〜約7m2/gである非常に微細なニオブもしくはニオブ水素化物粒子を製造する。3段階もしくは3段階より多い粉砕が使用されるとき、粉砕時間は同一の粒径および表面積を達成するのに劇的に短縮されうる。たとえば、5.5m2/gの表面積をもつ粉末を粉砕するために、表9の「微細」粒子として示されている、2つの段階の粉砕から得られる粉末は、合計粉砕時間が約29時間で所望のBET表面積まで粉砕され得、または表9に「超微細」粉末として示されている原料を用いるとき(そして、このように比較的長く粉砕されている)、合計粉砕時間でおよそ43時間を要する。
本発明の段階的な粉砕の態様において、次第に小さな径を用いる、2つもしくはそれより多い段階の粉砕が用いられる。換言すると、ニオブ原料の第1粉砕において、粉砕媒体の径は第2粉砕で用いられる粉砕媒体の径よりも大きい。さらに、もし2つより多い段階が用いられると、好適には、続く各粉砕段は前の粉砕段階よりも小さい径を有する粉砕媒体を用いる。2つよりも多い粉砕段階は、最終製品の所望の粒径に依存して用いられうる。本発明の目的のために、少くとも2段階もしくは3段階の粉砕が、望ましい結果、すなわち約0.5μm〜約5μmの粒径を有する製品を達成する。サブミクロンはこの方法を用いて得られうる。
段階的な粉砕を用いて、全粉砕時間は、同一の粉砕媒体を用いて1段階のみの粉砕に比べて、少くとも10%短縮され得、そしてもっと好ましくは少くとも15%、そしてなお好ましくは少くとも50%短縮され得る。
好適な態様において、それぞれ次の粉砕段階において、ボール径は前の粉砕段階のボール径よりも小さい。比較的小さいボール径はもっと均一な粉砕を可能にするので、上述のプロセスは金属ニオブのもっと均一な粉砕を可能にする。本発明の、この好適な方法を使用する利点は、その方法が、ニオブの好適なサイズ、たとえば約1μm以下〜約5μm、を達成する全粉砕時間を短縮することである。短縮された粉砕時間は製造コストおよび汚染物への金属ニオブの露出量を低減する。さらに、汚染物を低減するために、各粉砕機および粉砕媒体は金属ニオブで作製され、もしくは金属ニオブで内張りされうる。
いかなる温度も粉砕に使用され得、たとえば0℃〜100℃以上である。本発明の目的のために、本出願で記載されるいかなる粉砕工程も、米国特許第6,402,066号明細書に記載されるように、加熱下に実施され得、それは引用により全体をここに組入れられる。さらに、他の添加剤が粉砕工程で添加され得、たとえばバインダー、潤滑剤、界面活性剤、分散剤、溶媒等である。
本発明のもう一つの態様において、所望のキャパシターグレードのニオブ粉末を形成するために、出発原料を熱処理に供する前に、粉砕されたニオブ粉末は粒状化もしくは凝集されうる。粒状化には数多くの方法がある。たとえば、湿った材料の湿式ふるい分けもしくはドラム凝集が用いられうる。他の凝集法の例は、傾斜皿凝集(tilted dish agglomeration)を含み、新たな粉末が加えられ、ある角度に設定された回転パンを含み、微細な水スプレーが、任意にはバインダーとともに、その上に用いられる。凝集物は球状塊を形成し、最終的にはパンから捕集器に回収される。もう一つの例はドラム凝集であり、かなり急速回転し、リフターを有する大きなドラムにニオブ粉末を添加することを含む。注がれる粒子はペレットと接触され、一緒に軽くハンマーでたたかれる。もう一つの例は圧密機であり、2つのロールの間に粉末を押し付け、かつリサイクルする装置であって、板状物(slabs)を形成し、ついで粉砕され、ふるいセットに供給される。もう一つの例はピンペレタイザーである。
上述のように、粒状化は乾式もしくは湿式で行なわれうる。使用しうる液体は水、水性液体、アルコール、有機液体等でありうる。ふるい分けに関して、粒状化は所望の粒状物サイズ(たとえば、40メッシュ未満)よりも大きい目開きを有する20メッシュのような、ふるいに粉末を通すことにより行ないうる。大部分の粒状化物は、目開きおよび若干の微細物(たとえば50μm未満)よりも小さいサイズを有する。この方法は高表面積(たとえば1.5m2/gより大きい)を有する粉末に特によく働く。さらに、粒状化は、たとえば振動、混合等によって、ニオブを水中で撹拌することによっても達成されうる。もう一つの方法は、湿った粒子の回転運動を与え、球状の粒状化物を形成するものである。粉末中の水分含量、一次粒径、回転速度、媒体の大きさおよび回転時間は最終粒状化物径を制御するために使用されうる。典型的な水分含量は全成分の質量の50wt%未満、そしてもっと好ましくは30wt%未満であり、滞留時間は好ましくは1時間未満であり、50μmより大きいサイズ(平均)の粒状化物を形成する。材料を分級するためのふるい分け操作は、最終製品から過度に大きいか小さい粒状物を除去するために使用されうる。大きく、微細な粒状物はリサイクルされ、再び供給原料として使用されうる。上述のように、水分含量は凝集に使用される全材料の約5wt%〜約40wt%、もっと好ましくは約10wt%〜30wt%、の量のような、いかなる量であってもよい。回転運動が用いられるとき、粒状化の際の回転速度はタンブラーのサイズに応じていかなる回転速度であってもよい。たとえば小さなラボ用タンブラーでは、回転速度は約30〜約60rpm、そしてもっと好ましくは約40〜約50rpmである。粒状化される材料の量はいかなる量であってもよく、もちろん粒状化に用いられる装置のサイズに依存する。好ましくは、媒体(たとえば1/16インチ(約0.16cm)〜1/2インチ(約1.27cm))は、粒状化の際に用いられ、ニオブ粉末を形成する同一の金属から作られた媒体ボールが挙げられる。媒体はいかなる量で存在してもよく、たとえば約1〜約20vol%、または約5〜10vol%である。もし湿式粒状化が用いられると、液体は、所望の粒状物サイズが得られるまで、たとえば遅い連続速度もしくはスプレーのような、いかなる速度で添加されてもよい。粒状化後に、もし液体が使用されると、ついで粉末はいかなる乾燥法を用いても乾燥され得、たとえば比較的低温での真空炉もしくは対流炉による乾燥が挙げられる。たとえば、乾燥は約85〜約100℃の温度で約15〜60分以上、行なわれうる。ついで粒状化物はふるい分けにより分級されうる。ふるい分け操作は乾燥工程の前もしくは後のいずれかに実施されうる。このふるい分けによりいかなるサイズでも得られるが、たとえば−40メッシュ(−425μm)もしくは−50メッシュ(−300μm)が挙げられる。ふるい分けは所望の粒径分布に基いて粗および微細粒状化物の除去を可能にする。
本発明の粒状化方法は、3mm径オリフィスを用いるASTM B213で測定して、約100〜約1000mg/s、そしてもっと好ましくは約280〜約320mg/sのような優れた流動性を有する粒状化物を形成するのが好適である。本発明の一態様において、本発明は粒状形態のニオブ粉末に関する。好ましくは粒状化物は約30〜約1000μmのサイズをもつ。本発明のニオブ粉末は微細孔表面を有し得、そしてスポンジ様構造を有しうる。さらに、本発明のニオブ粉末はおよそ50%の多孔度を有する多孔構造を有しうる。粒状化物が約1〜約2m2/gのBET表面積を有するとき、約5,000〜約15,000ppmの酸素含量と約3〜約4μmの平均粒径;粒状化物が約2〜約3m2/gのBET表面積を有するとき、約15,000〜約22,000ppmの酸素含量と約2〜約3μmの平均粒径;粒状物が約3〜約4.5m2/gのBET表面積を有するとき、約22,000〜約28,000ppmの酸素含量と約1〜約2μmの平均粒径;そしてBET表面積が少くとも約4.5m2/gのとき、少くとも約28,000ppmの酸素含量と約1μm未満の平均粒径、を粒状化物は有する。
本発明の粒状化製品は、粉末のかさ密度、流動性、未焼成強度、および加圧成型性に関して、優れた物性を与えるのが好適である。好ましくは、本発明のプレスされ焼成された粒状化物は約0.1〜約10μmのような、2峰もしくは多峰の細孔分布を有する。好ましくは、本発明のプレスされた粒状化物は焼成の際に約1〜約12%の径収縮がある。好ましくは、本発明の粒状化物は、Fe/Ni/Crの合計量が約100ppm未満、もっと好ましくは50ppm未満、なお好ましくは30ppm未満、たとえば約5ppm〜約50ppm、または約5ppm〜約25ppmである。好ましくは、本発明の粒状化物は約2.4〜約3.5g/ccの加圧成形性を有するが、ここで加圧成形性はハンドリング性の目的で圧縮された圧密体の完全さ(integrity)を維持することを含む。本発明の粒状化方法で、調製時に物理的性質を維持しながら、微細粉末の所望の微細構造と電気的特性を維持しうる。
たとえば粉砕後もしくは粒状化後に、ニオブ粉末は、もし1つより多くの処理が用いられると、同一もしくは異なる温度で、不活性ガスもしくは真空熱処理のような、1つもしくはそれより多くの熱処理に供されてもよい。熱処理の温度および時間は種々の因子に依存しうる。熱処理はニオブ粉末の融点より低い、いかなる温度でも行ないうる。通常、ニオブ粉末の熱処理は約500℃以下〜約1900℃の温度であるが、他の温度は約800℃〜約950℃、たとえば約850℃であり得、約5〜約100分間、もっと好ましくは約30〜約60分間の温度である。さらに、熱処理プロセスの間に、一定の熱処理温度は全熱処理プロセスの間に使用され得、または温度の変動もしくは温度段階が使用されうる。これらの工程の変動が工業的選択に合うように使用されうる。本願を考慮した日常的なテストは、ニオブ粉末の所望の特性を得るために、熱処理の時間と温度を容易に制御することを当業者に可能にする。もし1つより多い熱処理が使用されると、同一の炉が使用され得、そして1つの運転で達成され得、そして冷却が回避されうる。たとえば、熱処理は700℃で2時間実施され得、そして2時間、直接に1000℃に昇温するか、または直接に500℃に降温しうる。さらに、ニオブ粉末のN2含量の調節に作用するためにN2が使用されうる。熱処理が完結し、所望のニオブ粉末が得られると、ついで粉末はバルブ金属からアノードを形成する従来法を用いてアノードにプレスされうる。本発明において、ニオブ粉末は著しく改良された流動性ならびに破砕強度を有し、さらに非常に低い漏れ、のような有益なキャパシターアノード特性をもたらす低不純物量を有する。
原料ニオブ酸化物は少くとも1つの金属ニオブ酸化物および/またはその合金でありうる。原料ニオブ酸化物の具体的な例はNb25である。本発明で用いられる原料ニオブ酸化物はいかなる形状もしくはサイズであってもよい。好ましくはニオブ酸化物は粉末もしくは多数の粒子の形態である。本発明の目的のために、原料バルブ金属酸化物および/または酸素が低減したバルブ金属粒子は、元素周期律表のIV,VおよびVI族(IUPACによる)の金属、アルミニウム、ビスマス、アンチモン、およびその合金、ならびにそれらの組合せ、の少くとも1つの酸化物でありうる。好適には、原料バルブ金属酸化物は、タンタル、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、ニオブ、および/またはそれらの合金の酸化物、そして最も好ましくはニオブ酸化物、もしくはその合金である。通常、バルブ金属酸化物の合金は、合金酸化物に存在する主たる金属としてバルブ金属を有する。原料バルブ金属酸化物の具体的な例はNb25,Ta25およびAl23を含むが、これらに限定されない。さらに、原料バルブ金属酸化物はTaOもしくはNbOのようなバルブ金属亜酸化物であってもよい。原料バルブ金属酸化物は、低級酸化物として半導体であり、そして高絶縁性を有する高級酸化物へ変換され、有用な電気特性を有するバルブ金属酸化物でありうる。酸化物の混合物もしくは組合わせも使用されうる。使用しうる粉末の種類の例は、フレーク状、角張ったもの、こぶのあるもの、球状、およびそれらの混合物もしくは変形物を含むが、これらに限定されない。好ましくは、原料酸化ニオブは、酸素が低減したニオブ酸化物にもっと効果的に導く粉末の形態である。このような好ましい原料ニオブ酸化物粉末の例は、約60/100〜約100/325メッシュ、そして約60/100〜約200/325メッシュのメッシュサイズを有するものを含む。もう1つのサイズの範囲は、−40メッシュ〜約+325メッシュ、もしくは−325メッシュのサイズである。好適には、原料ニオブ酸化物粉末は約0.1〜約5μmの一次粒径(D50)および約1〜約15m2/gのBET表面積を有する。
本発明の原料バルブ金属酸化物、凝集粒子、および最終製品(すなわち、バルブ金属酸化物粒子)は、いかなる形状もしくはサイズであってもよい。原料バルブ金属酸化物、凝集粒子、および/または最終製品(集合的に「粉末」)は、たとえば、粉末もしくは多数の粒子の形態でありうる。使用され、もしくは形成されうる粉末の種類の例は、フレーク状、角張ったもの、球状、繊維状、こぶのあるもの、それらの混合物もしくは変形物を含むが、これらに限定されない。このような好適なバルブ金属酸化物粉末の例は約60/100〜約100/325、および約60/100〜約200/325メッシュのメッシュサイズを有するものを含む。もう1つのサイズ範囲は約−40メッシュ〜約325メッシュである。好適には約0.25〜約5μmの一次粒径(D50)および/または約1〜約8m2/gのBET表面積を有する。粉末は約0.2〜約1.5g/ccの見かけ密度を有するのが好適である。粉末は約0.1〜約100μmの細孔を有する多孔質微細構造(細孔のサイズ、数および/または全細孔値による)を含むのが好ましい。粉末は約10〜約90%の細孔容積を有するのが好ましい。粉末は一峰もしくは多峰の細孔分布、そしてもっと好ましくは二峰の細孔分布、を有しうる。バルブ金属酸化物の多孔度についての測定は、たとえば米国特許第6,576,038号および6,479,012号明細書、ならびに公開米国出願第2003/0115985および2002/0033072号に記載されるように実施され得、これらは引用によりここに組入れられる。粉末は好ましくは優れた流動性を有し、たとえば3mm径オリフィスを用いるASTM B213により測定で、たとえば約100〜約500mg/s以上、そしてもっと好ましくは少くとも約200mg/sである。粉末は改質剤もしくは添加物もしくはドーパント(窒素、ケイ素、リン、ホウ素、炭素、イオウ、イットリウムもしくはそれらの組合わせを含む)を含みうる。粉末は窒素化され、および/または窒化物層を含みうる。好適には、粉末は、キャパシターアノードに形成されたときに、少くとも40,000CV/gのキャパシタンスとなりうる。さらに、上述の数多くの有益な特性、たとえばD50、BET表面積、流動性、酸素含量、電気特性等に関して、本発明の目的のために、粉末はこれらの特性の少くとも1つ、または、これらの特性の2つ以上、またはこれらの特性のすべて、を有しうることが理解されるべきである。特性のいかなる組合わせも可能である。
原料ニオブ酸化物は、揮発成分の除去まで、1000℃で仮焼することにより調製されうる。その酸化物はふるい分けにより分級されうる。ニオブ酸化物の予熱処理は酸化物粒子中の調節された多孔度を創り出すために使用されうる。予熱処理は約600〜約1400℃の温度でありうる。
ニオブ粉末は本発明の目的のためにゲッター材料として作用し、特定の原料ニオブ酸化物を酸素が低減したニオブ酸化物に還元しうる。ニオブ粉末は本発明の最終製品、すなわち酸素が低減したニオブ酸化物、の一部になるのが好適である。本発明の目的のためにニオブ粉末は、ニオブ酸化物中の酸素を少くとも部分的に除去もしくは還元しうる、いかなるニオブ粉末であってもよい。このように、ニオブ粉末は他の成分をもつ金属ニオブの混合物を含む、合金もしくは材料であってもよい。好適には、排他的でなければ、ニオブ粉末は主として金属ニオブである。金属ニオブの純度は重要ではないが、熱処理および反応プロセスの間に、とりわけ、他の不純物の導入を避けるために、高純度金属ニオブはニオブ粉末を含むのが好適である。したがって、ニオブ粉末中の金属ニオブは、好ましくは純度が少くとも約98%、そしてもっと好ましくは少くとも約99%である。
ニオブは、いかなる形状もしくはサイズであってもよい。たとえば、ニオブは還元されるべき原料酸化ニオブを含むトレイの形状であってもよく、または粒子もしくは粉末サイズであってもよい。好適には、ニオブはニオブ酸化物を還元するために最も効率的な表面積を有するように粉末の形態である。このように、ニオブ粉末は、フレーク状、角張ったもの、こぶのあるもの、球状およびそれらの混合物もしくは変形物であってもよい。好適には、ニオブ粉末は約0.5〜約5μmの一次粒径(D50)、および約1〜約15m2/gのBET表面積を有する。
通常、米国特許第6,416,730;6,391,275;および6,322,912号明細書;米国特許出願第09/533,430(2000年3月23日出願);米国仮特許出願第60/100,629(1998年9月16日出願);60/229,668(2000年9月1日出願);ならびに60/246,042(2000年11月6日出願)に記載されているような材料、方法および種々の操作パラメータが本発明に使用され得、これらはすべて引用によりここに組入れられる。
酸素が低減したニオブ酸化物は、原料ニオブ酸化物に比べて金属酸化物中の比較的低い酸素含有量を有するいかなるニオブ酸化物であってもよい。典型的な低減したニオブ酸化物はNbO,NbO0.7,NbO1.1,NbO2、および存在する他の酸化物を有するか有しない、それらの組合わせ、を含む。通常、本発明の低減したニオブ酸化物は酸素に対するニオブの原子比が約1:2.5未満、そして好ましくは1:2以下、もしくは1:1.5未満、そしてもっと好ましくは1:1.1,1:1もしくは1:0.7である。あるいは、低減したニオブ酸化物は式Nbxy(ここで、Nbはニオブ、xは2以下、およびyは2.5x未満)を有するのが好適である。さらに好適には、xは1、yは2未満、たとえば1.1,1.0,0.7等である。好ましくは、本発明のニオブ亜酸化物は、NbO、もしくは酸素が低減したNbO、またはNbOおよび金属ニオブもしくは酸素含量に富む金属ニオブを含む凝集物、である。NbOと異なり、NbO2はその抵抗特性により望ましくないが、一方NbOは非常に導電性である。したがって、NbO、もしくは酸素が低減したNbO、もしくは金属ニオブとのNbOの混合物から形成されたキャパシターアノードは本発明の目的のために望ましく、好適である。
本発明の酸素が低減したニオブ酸化物、および好ましくはNbOもしくはその変形物の製造において、水素(もしくは他のキャリアガス)がキャリアガスとして用いられるのが好ましく、そこでは酸素が原料酸化ニオブ、たとえばNb25からNbに、キャリアとしてH2ガスの使用により、移行される。好適な反応スキームは次のとおりである。
2
Nb25+3Nb → 5NbO (式2)
式2に示されうるように、ゲッター材料として金属ニオブを用いて、原料ニオブ酸化物とともにゲッター材料は好適にはNbOである本発明の最終製品を生じさせうる。詳しくは、本発明のニオブ亜酸化物の調製には少くとも2つのプロセスが含まれるのが通常である。1つのプロセスはゲッター材料、すなわち金属ニオブの調製を含み、もう1つのプロセスは原料ニオブ酸化物とともに金属ニオブの使用を含み、本発明のニオブ亜酸化物を形成する。
金属ニオブの調製において、インゴットを破砕して粉末にする目的のために金属ニオブを硬化させるために、ニオブインゴットが水素化プロセスに供され得、ついで粉末は、好適には約5〜約425μmサイズである均一な粒径分布を得るためにふるい分けに供される。必要であれば、粉末は、所望の均一な粒径分布を得るために破砕機に2度以上供されうる。ついで、粉末は好適には約0.5〜約5μmサイズの粒径を得るために粉砕に供されうる。このプロセスにおいて、ニオブゲッター粉末(もしくはニオブ水素化物粉末)を得るために金属ニオブ(もしくは水素化された金属ニオブ)の粉砕が粉砕機内で実施されるが、ニオブ(もしくはニオブ水素化物)と接触する粉砕機の全表面はニオブである。すなわち、粉砕で用いられる粉砕機、アームおよび粉砕媒体の全接触表面は、ニオブ表面を有するのが好ましい。粉砕機および粉砕媒体の接触領域のニオブ表面は、粉砕媒体および粉砕機内表面を金属ニオブで被覆することにより達成し得、または金属ニオブのプレートが粉砕機に配置される(たとえば溶接)。ボールのような粉砕媒体はニオブで被覆され得、または完全にニオブで製造されうる。粉砕機および粉砕媒体の全接触表面をニオブで製造することにより、ニオブゲッター材料への汚染量が著しく減少し、そして酸浸出が不要であり、そして好ましくは避けられるような程度に減少するのが好適である。酸浸出は一定せずロット毎に汚染程度が変動しうるので、これは特に有益である。好ましくは、粉砕機および粉砕媒体の接触表面に存在するニオブ量は、粉砕工程で、下にある非ニオブ表面がニオブゲット材料と接触しないような十分な量である。好適には、粉砕機および粉砕媒体の接触表面のニオブ厚さは、繰り返される粉砕がロット毎に行なわれるのに十分な厚さである。
好適には、ニオブゲッター粉末の粉砕は湿式粉砕で行なわれ、ゲッター材料の比較的均一な粒径分布サイズをもたらす。湿式粉砕において、使用される液体は水性もしくは非水性のどちらでもよく、たとえば水、アルコール等が挙げられる。好適には、粉砕は約0.5〜約10μm、もっと好適には約1〜約5μmの範囲に、サイズを縮小する。
同様に、本発明において、原料ニオブ酸化物は、もっと均一な粒径分布(たとえばゲッター粉末について述べたようなサイズ範囲)を得るために、粉砕(たとえば湿式粉砕)に供されうる。通常、ニオブゲッター粉末に比べて、原料ニオブ酸化物の同様な粒径分布サイズを得るのに必要な粉砕時間は、比較的少ない。好適には、原料ニオブ酸化物の粉砕、もっと好ましくは湿式粉砕は、ニオブゲッター粉末に関して使用される同様な粉砕装置で行なわれる。すなわち、好適には、粉砕機、アームおよび粉砕媒体の接触表面は、原料ニオブ酸化物の汚染を再び避けるために金属ニオブである。好ましくは、粉砕はニオブゲッター粉末に実質的に類似するサイズに原料ニオブ酸化物のサイズを減少させるのに十分である。ある意味で、原料ニオブ酸化物は粉砕により解凝集される。
本発明の好適な態様において、ニオブゲッター材料および原料ニオブ酸化物の粉砕、そして好ましくは湿式粉砕は、その2つの成分が同様の粒径分布サイズを有する程度まで粉砕される。同様の粒径分布サイズを有する利点は、酸素が低減した原料ニオブ酸化物の改良された反応時間および形成時間をもたらすことである。すなわち、2つの成分のサイズが類似しているとき、ニオブゲッター粉末は原料ニオブ酸化物から比較的均一に酸素原子を受取り、そして同様に原料ニオブ酸化物は比較的容易に還元される。このように、酸素が低減したニオブ酸化物である最終製品は、比較的均一であり、最終製品の一部として、変換されたニオブゲッター粉末ならびに酸素が低減された原料ニオブ酸化物を含む。さらに反応速度は原料ニオブ酸化物から取り出して、そしてニオブゲッター粉末に移すべき、酸素に対する比較的短い距離により増加される。さらに、この比較的短い距離はもっと安定な製品を生じる最終製品内の酸素成分を最小にする。反応動力学を改良することにより、反応の処理温度は、NbOのような好適な、酸素を低減したニオブ酸化物の形成にもっと有利な温度に低下されうる。
ニオブ粉末および原料ニオブ酸化物の湿式粉砕は一緒に行ないうる。詳しくは、ニオブ粉末および原料ニオブ酸化物の湿式粉砕は同時に行なうことができ、そこでは両方の材料は上述のように粉砕機に導入され、均一な粉末混合物ならびに均一な粒径を得る目的で、粉砕機内で一緒に均一に混合される。任意には、ニオブ粉末がまず導入され、たとえば特に目的とする約1〜約10μmに、ある時間単独で粉砕され、ついで原料ニオブ酸化物が同一粉砕機に導入され、そして粉砕は存在する両方の材料とともに継続され、両方の粒子の目的とする一次粒子が得られ、好ましくは約0.1〜約10μm、そしてもっと好ましくは約0.25〜約5μmである。あるいは、ニオブ粉末および原料ニオブ酸化物は初めから終了まで一緒に共粉砕される。好適な態様において、粉砕は粉砕機のサイズに依存して、約100〜300rpm以上で操作される1S,5S、もしくは30S粉砕機のようなアトライター粉砕機中で行なわれる。粉砕が完了すると、粉末混合物は、ついで粒状化および/または熱処理に供される。共粉砕プロセスの1つの利点は粒子の協調が各相、すなわち原料ニオブ酸化物相と金属ニオブもしくは金属ニオブ水素化物相、で調節されることである。共粉砕工程の間、2つの相は好ましくは強く粉砕され、たとえばアトライターにより水もしくは適切な液体(水性もしくは非水性)中で粉砕され、原料ニオブ酸化物もしくは金属ニオブ相中に形成された硬い凝集物を好ましくは破壊し、そしてこれらの各相を好ましくはそれぞれの一次粒子にする。このサイズ縮小を生じることにより、その一次粒子の密接な混合物が各相間で得られる。2つの相を一次粒子サイズの規模で結合することにより、金属ニオブ(もしくはニオブ水素化物)は原料ニオブ酸化物粒子間で焼成を拘束する強固なネットワークを形成しうる。あるいは、好適な態様において、粒子の協調(たとえば、金属ニオブもしくは金属ニオブ水素化物粒子は原料ニオブ酸化物粒子により囲まれているか、その逆である)は同等の熱処理温度で比較的微細な微細構造を保持する。このことは望ましい電気的および物理的特性を維持しながら比較的高いキャパシタンス能力値を可能にする。
ニオブゲッター粉末、原料ニオブ酸化物、および/または最終製品の粉砕は種々のボール径で粉砕して逐次行なわれうる。すなわち、たとえばニオブ粉末の粉砕は異なる粉砕機もしくは同一粉砕機で段階的に行ないうるが、それぞれの場合、それぞれ次の粉砕工程で比較的小さいボール径を用いる。このことは成分の比較的均一な粉砕を可能にする。比較的小さな径のボールは比較的均一な粉砕を可能にするからである。この段階的な粉砕は本発明で使用される成分のいかなる粉砕にも適用され得、目的サイズを得るための全粉砕時間を短縮させる。粉砕時間の短縮で、材料が汚染の可能性のあるように露出される時間の長さも短縮される。さらに、全製造コストも減少する。湿式粉砕の適切な比の例は水300mLに対して粉末800gである。粉砕機の残りの容積は粉砕媒体により占められる。いかなる粉砕においても、乾式粉砕が湿式粉砕の代わりに用いられ得、そして不活性雰囲気が用いられうる。
原料バルブ金属酸化物および/または酸素が減少したバルブ金属酸化物の熱処理は、ニオブおよびタンタルのような金属の熱処理に一般的に用いられる熱処理装置もしくは炉内で達成されうる。たとえば、熱処理は、レトルト、真空チャンバー、真空炉もしくは真空キルンのようないかなる反応システムもしくは反応器内で実施されうる。これらは、たとえば米国特許第6,380,517;6,271,501;および6,105,272号に記載されており、これらは引用により全体をここに組入れられる。原料バルブ金属酸化物の熱処理は、凝集粒子を形成し、そしてさらに凝集粒子に存在する多孔質マトリックスを促進するのに十分な温度と時間で行なわれるのが好ましい。熱処理は粒子を一緒に凝集させるが粒子を溶融しないのに十分な温度で行なわれうる。熱処理はいかなる熱サイクルであってもよく、そして仮焼、焼成、アニーリングもしくはそれらの組合わせを含むが、これらに限定されない。熱処理は熱処理された粉末の調節された多孔度を作り出すために使用されうる。
一つの態様によれば、熱処理は原料バルブ金属酸化物の融点温度の少くとも80%である温度で行なうのが好適である。好ましくは、熱処理はバルブ金属酸化物の融点温度の約80〜99%の温度で行なわれる。たとえば、それぞれ約1,810℃および約1,510℃の融点を有するNbOおよびNb25について、熱処理は好ましくは約1,200℃〜約1,800℃の温度で行ないうる。熱処理は凝集粒子の粗面化を生じさせるのに十分な温度で行なうのが好ましい。さらに熱処理は凝集粒子の細孔分布を原料バルブ金属酸化物の細孔分布よりも少くとも10%大きくするのに十分な温度で行なうのが好ましい。熱処理は粉末粒子の緻密化もしくは収縮を生じさせ、そして粉末粒子のBET表面積の減少を生じさせる温度で行なわれうる。好ましくは熱処理は粉末のBET表面積の調節された収縮を達成させる。
熱処理は真空もしくは不活性条件下で行なうのが好ましい。たとえば熱処理は、約1×10-5〜約1000torr(約1.33×10 −3 〜1.33×10 Pa)の雰囲気で行なうのが好適である。不活性ガスは熱処理が行なわれる雰囲気に存在しても存在してなくてもよい。たとえば、雰囲気は水素雰囲気でありうる。熱処理温度および熱処理時間は原料バルブ金属酸化物の種類のような種々のファクターに依存しうる。熱処理の間、一定の温度が全熱処理プロセスの間に用いられ得るし、または温度変動もしくは段階的温度も用いられうる。本発明を考慮して日常的なテストは、本発明により形成されるバルブ金属酸化物粒子において適切な、もしくは所望の特性を得るために熱処理の時間、雰囲気および温度を当業者が容易に制御するのを可能にする。任意に、多段熱処理が、本発明のいかなる粉末についても実施されうる。
原料バルブ金属酸化物の熱処理は乾式もしくは湿式条件下で達成されうる。湿式条件下で、揮発性もしくは蒸発性液体は、固体を液体と単に混合する方法を含む従来法で原料バルブ金属酸化物、と混合、もしくは、添加されうる。たとえば、簡単な撹拌が、磨砕混合機(mixer-muller)のような混合と粉砕のもっと複雑な方法と同様に使用されうる。あるいは、液体は、混合もしくは撹拌して、もしくは、しないで、金属粒子を含む容器の頂部に簡単に注がれうる。揮発性もしくは蒸発性液体はこれらの性質を持つものであればいかなるものでもよい。その例は、水、水含有液体、アルコール、非水性液体、水性液体、芳香族含有液体、アルカン含有液体、等を含むが、これらに限定されない。好適には、揮発性もしくは蒸発性液体は事実上水性であり、そしてもっと好ましくは水であり、そして最も好ましくは脱イオン水である。高温で粉末の凝集動力学を制御するのに役立つ元素もしくは化学品は所望の割合で水に添加されうる。凝集粒子はケーキに凝集されうる。凝集粒子を形成するための原料バルブ金属酸化物の熱処理は、たとえば米国特許第6,576,038および6,479,012号明細書に記載される(それぞれは引用によりここに組入れられる)ような、金属粒子を凝集する方法により達成されうる。
原料バルブ金属酸化物粉末の熱処理は、凝集粒子を形成するために粉末の熱凝集を生じさせるのに十分な温度と時間で行なわれるのが好適である。凝集粒子は一緒に融合され得、および/または粒子のネッキングにより特徴づけられうる、粉末の個々の粒子間で物質移動を示しうる。好ましくは熱処理は、凝集およびそれに続く任意の処理の際に、多孔質微細構造、多峰、好ましくは二峰の細孔分布、および優れた破砕強度、を有する最終製品を形成する、凝集粒子を形成する。「二峰」(“bimodal”)という用語は2つの態様を有する分布、すなわち隣り合う値よりも著しく多い2つの異なった値の範囲の存在、を示す。
凝集粒子は硬および/または軟凝集物でありうる。軟凝集物は比較的硬い表面での衝撃により容易に崩壊されうる凝集物を示す。さらに、軟凝集物が壊れるとき、粉末はむしろ容易に一次粒子の組織にもどる。さらに、軟凝集物が形成されるとき、一次粒子はSEM法により容易に確認されうる。すなわち、一次粒子が互いにネッキングすることは通常なく、そして一次粒子は凝集後でさえ維持されうる。さらに、原料バルブ金属酸化物の熱処理は、硬凝集物の形成をもたらす。熱処理後でさえ一次粒子は処理前の形状を本質的に維持し、および/または隣接粒子のネッキングを本質的に示しうる。本質的に、一次粒子は、所望の凝集性を達成しながら、互いに接触しても、その構造的形状および完全性を維持しうる。さらに、凝集粒子は一緒に融合し得、個々の一次粒子は区別がつかない。本発明の軟および硬凝集粒子は、凝集粒子全体で好適な細孔分布を創り出し、きわめて有益である。
一態様によれば、凝集粒子は解凝集に供されてバルブ金属酸化物粒子を形成する。解凝集は、凝集粒子を解凝集させて、その一次粒子サイズ以下に、および/または原料バルブ金属酸化物の粒径より大きい粒径を有する一次粒子のクラスターにするのに十分でありうる。解凝集は凝集粒子のサイズを小さくするいかなる方法によっても達成されうる。たとえば、解凝集は破砕、ジェット粉砕、アトライター粉砕、ボール粉砕、分級、もしくはそれらの組合わせにより達成されうる。好ましくは、解凝集は多段階粉砕を含む。好ましくは、解凝集は粉体に実質的な量の混入物を導入しない。粉砕は、たとえば米国出願第60/471,650号(2003年5月19日出願)に記載されるように、乾式もしくは湿式粉砕のいずれでもよく、それは引用によりすべてここに組入れられる。粉砕は1つ以上の加熱サイクルを含んでいてもよい。粉砕は凝集粒子のBET表面積を増加もしくは減少させうる。好ましくは、解凝集はそれから得られるバルブ金属酸化物粒子に凝集粒子のBET表面積よりも少くとも10%大きいBET表面積を有するようにさせるのに十分である。任意には、凝集粒子および/または他の粒子は、多工程の解凝集、たとえば2以上の多段階粉砕、に供されうる。
本発明の一態様によれば、熱処理は、原料バルブ金属酸化物の融点温度の約40〜約78%の温度以下で行なわれる。たとえば、NbOもしくは五酸化ニオブについて、適切な熱処理温度は約600〜約1400℃でありうる。あるいは熱処理は実質的に上述のように達成されうる。この態様により形成される凝集粒子は、原料バルブ金属酸化物の細孔分布より少くとも1%大きい細孔径、ならびに原料バルブ金属酸化物のBET表面積の少くとも40%のBET表面積を有するのが好ましい。すなわち、この態様により形成される凝集粒子は解凝集段階が不要であるように、BET表面積の実質的な損失なしに所望の多孔度を好適に保持する。
本発明の一態様によれば、バルブ金属酸化物を少くとも部分的に還元する方法は、ゲッター材料の存在下に、原料バルブ金属酸化物からゲッター材料への酸素原子の移動を可能にする雰囲気で、原料バルブ金属酸化物を第1熱処理に供して、第1のBET表面積を有する、酸素が低減したバルブ金属酸化物を形成すること、ついで還元されたバルブ金属酸化物を真空もしくは不活性条件下に第2熱処理に供して第2のBET表面積を有する、熱処理された酸素が低減したバルブ金属酸化物を形成させることを含み、そこで第2のBET表面積は第1のBET表面積よりも小さい。本発明のもう1つの態様によれば、バルブ金属酸化物粒子の製造法は酸素が低減したバルブ金属酸化物を供給すること、および真空もしくは不活性条件下に酸素が低減したバルブ金属酸化物を熱処理して、酸素が低減したバルブ金属酸化物のBET表面積より小さいBET表面積を有する、熱処理された、酸素が低減したバルブ金属酸化物を形成することを含む。たとえば、熱処理された、酸素が低減したバルブ金属酸化物のBET表面積は、酸化が低減したバルブ金属酸化物のBET表面積の約90%未満、約80%未満、約70%未満、もしくは約60%未満でありうる。たとえば、酸素が低減したバルブ金属酸化物は少くとも約2m2/g、そして好ましくは少くとも約3m2/gのBET表面積を有しうるが、一方熱処理された、酸素が低減したバルブ金属酸化物は約2m2/g未満、そして好ましくは約1.5m2/g未満のBET表面積を有しうる。加えて、熱処理された、酸素が低減したバルブ金属酸化物は、酸素が低減したバルブ金属酸化物の表面よりももっと平滑であるのが好ましい。たとえば、熱処理された、酸素が低減したバルブ金属酸化物の表面は突出点および/またはかどおよび/または輪郭が少ない。
上述の態様において、熱処理はバルブ金属酸化物粒子のBET表面積を減少させるけれども、好適にはバルブ金属酸化物粒子の、1つ以上の物性(たとえば流動性、多孔度、キャパシタンス、破砕強度等)は実質的に維持される。すなわち、本発明は熱処理された粒子の形態の制御をもっと可能にする、制御された熱処理に関する。たとえば、熱処理された、酸素が低減したバルブ金属酸化物は、酸素が低減したバルブ金属酸化物の破砕強度の少くとも約70%、少くとも約80%、そして好ましくは少くとも90%以上の破砕強度を有しうる。もう1つの例として、熱処理された、酸素が低減したバルブ金属酸化物は、キャパシターに形成されたときに酸素が低減したバルブ金属酸化物が可能なキャパシタンスの少くとも約70%、少くとも約80%、そして好ましくは少くとも約90以上、のキャパシタンスを有するキャパシターに形成されうる。もう1つの例として、熱処理された、酵素が低減したバルブ金属酸化物は、酸素が低減したバルブ金属酸化物の多孔度の少くとも約70%、少くとも約80%、そして好ましくは少くとも約90%以上の多孔度を有しうる。熱処理された粒子は上記の特性の1,2,3もしくはそれより多くを有しうる。
本発明のもう1つの態様において、金属亜酸化物粉末の後熱処理が用いられる。この後熱処理は金属亜酸化物粉末が如何に得られたかにかかわりなくいかなる金属亜酸化物粉末にも使用されうる。後熱処理は金属亜酸化物粉末を製造する上述の方法を考慮して調製される金属亜酸化物粉末について最も有益である。後熱処理は金属亜酸化物粉末について最も有用であり、そのままの(loose)形態、凝集形態、プレスされた形態等の金属亜酸化物粉末について使用されうる。
この態様において、金属亜酸化物粉末は、粉末のBET表面積を通常減少させ、そして金属亜酸化物粉末のキャパシタンス能力を減少させる、後熱処理に供される。好適な態様において、後熱処理は約800℃〜約1300℃の温度で行なわれる。この後熱処理は後熱処理の所望量に依存して、数分間(たとえば約5分〜約60分)から数時間(たとえば、約1時間〜48時間以上)続きうる。好ましくは、後熱処理は真空もしくは不活性条件下で行われうる。たとえば、後熱処理は、炉もしくは他の加熱装置内で達成されうる。上述の範囲の上もしくは下の他の温度も使用されうる。
理論に縛られることを望むものではないが、1つの態様において、後熱処理は非常に小さなブリスター(ふくれ)もしくはクラック、たとえばナノスケールのクラックを含みうる金属亜酸化物を処理するのを可能にし、そこでは後熱処理はこれらのナノスケールのクラックを減少もしくは除去するのに役立つ。これらのクラックの除去、もしくは少くとも後熱処理の使用は、金属亜酸化物粉末を取り、そしてそれをバインダーもしくは潤滑剤と混合することを可能にし、そこではこのアノード/バインダー混合物を一緒にプレスして得られるアノードがついで焼成される。脱潤滑剤(delubing)(もしくは、バインダーを除去する他の手段)に際して、ナノスケールのクラックもしくはブリスターもしくは他の物理的理由の存在は、キャパシターの一成分としてアノードの形成に有害なバインダーの完全な、もしくはほとんど完全な、プレスアノードからの除去を、妨げる。このように、後熱処理は、好ましくはブリスターもしくはナノスケールクラックを減少もしくは除去するか、または脱潤滑剤後に重大な量のバインダーの保持を妨げるように粉末を処理するのに役立つ。したがって、本発明の1つの態様において、後熱処理は脱潤滑剤後にプレスアノード中のバインダーの重大な保持を減少もしくは防止するのに十分な温度と時間で行なわれる。
後熱処理で、金属亜酸化物粉末のBET表面積は減少するのが通常である。1つの態様において、BET表面積は、後熱処理の量ならびに金属亜酸化物粉末の出発BET表面積に依存して、少くとも1%減少し、そして少くとも5%減少し得、または少くとも10%減少しうる。BET表面積が後熱処理により減少するかどうかにかかわらず、粉末のキャパシタンス能力は25%より多くは減少しない。すなわち、後熱処理を受けていない金属亜酸化物粉末を取り、上述の後熱処理を受けた同一粉末と比較すると、キャパシタンス能力は25%より多くは減少せず、そして好ましくは10%より多くは減少せず、そしてもっと好ましくは5%より多くは減少していない。キャパシタンス能力は粉末が次の条件でプレスアノードに形成されたときに可能なキャパシタンスである:1400℃で10分間焼成。30Vの形成電圧。10Vの印加DCバイアス電圧。2.8g/ccのプレス密度。
上記の条件でプレスアノードを形成し、キャパシタンスを測定すると、キャパシタンスは後熱処理を受けないで同一条件で形成されたアノードの25%以内であろう。
1つの態様において、金属亜酸化物粉末は次の特性の1つ以上を有しうる。
a)粉末のBET表面積(「BET」):約1.4〜約2.5m2/g
b)粉末のスコット密度(「Scott」):約19〜約28g/in3
c)capacitance @ 10Vb(「CV/g」):69,000−83,000μFV/g
d)CV/g×BET×Scott:1.12×1011−3.55×1011CV/(m*g)
e)CV/g×1/BET×Scott:3.2×1010−10.1×1010(CV*g)/m5
f)CV/g×1/BET×1/Scott:1.62×10-2−5.11×10-2(CV*m/g)
g)CV/g×1/BET:33,000−57,000CV/m2
h)CV/g×Scott:1.10×106−2.20×106CV/in3
金属亜酸化物粉末、好ましくはニオブ亜酸化物粉末、は上に示される少くとも2,3,4,5,6,7もしくは8つすべての特性を有する。好適には、粉末は少くともa)〜c)、ならびにd)〜h)の少くとも1,2,3,4もしくは5つすべてを有する。
ゲッター材料の存在下で、そして原料バルブ金属酸化物からゲッター材料に酸素原子の移動を可能にする雰囲下で、原料バルブ金属酸化物を熱処理することは、バルブ金属酸化物を少くとも部分的に還元するために従来法により達成されうる。たとえば、本発明の酸素が低減したニオブ酸化物、好ましくはNbOもしくはその変形物、を製造する際に、水素ガス(もしくは他のキャリアガス)がキャリアとして使用されるのが好ましく、そこでは酸素は原料ニオブ酸化物、たとえばNb25、からNbに、キャリアとしてのH2ガスの使用により移動される。好適な反応スキームは次のとおりである:
2
Nb25+3Nb → 5NbO (式3)
式3からわかるように、ゲッター材料として金属ニオブを用いると、原料ニオブ酸化物とともにゲッター材料は、本発明の酸素が低減したバルブ金属酸化物、ここではNbO、になりうる。他の酸素に活性な材料は酸素ゲッター材料として使用され得、たとえばタンタル、マグネシウム、もしくはそれらの水素化物、ならびにニオブ水素化物である。第1の熱処理は、たとえば約800〜約1000℃の温度でありうる。他の温度も可能である。第1の熱処理は、たとえば約1×10-5〜約1000torr(約1.33×10 −3 〜1.33×10 Pa)の雰囲気で行なわれうる。その雰囲気は好ましくは水素雰囲気である。他の雰囲気も可能である。
酸素が低減したバルブ金属酸化物は、上述のような、いかなる酸素が低減したバルブ金属酸化物であってもよく、たとえばニオブ亜酸化物および/またはタンタル亜酸化物である。酸素が低減したバルブ金属亜酸化物の熱処理は、上述のようにして達成しえ、好ましくは約1000〜約1200℃の温度である。酸素が低減したバルブ金属酸化物の熱処理は約1×10-5〜約1000torrの雰囲下で行なうのが好ましい。他の雰囲気も可能であり、たとえば約10torr(約1.33×10 Pa)〜約1000torr、約100torr(約1.33×10 Pa)〜約1000torr、または約300torr(約4×10 Pa)〜約1000torrである。
種々のプロセス工程が、本発明の上述の工程の1つ以上の前、間および/または後に、本発明の粉末の1つ以上について実施されうる。たとえば、比較的高級なバルブ金属酸化物、たとえば五酸化ニオブ、が原料バルブ金属酸化物として使用されるとき、本発明により形成される五酸化ニオブ粒子は公知の方法により脱酸素されて、酸素が低減したニオブ亜酸化物とされうる。もう1つの例として、本発明の粉末および/または酸素ゲッター材料は、たとえば米国特許出願第60/450,536号(2003年2月26日出願)に記載されるように、いかなる段階でも粒状化され得、その記載はすべて引用によりここに組入れられる。バルブ金属酸化物および/またはバルブ金属酸化物−ゲッター材料混合物は、米国仮出願第60/471,649号(2003年5月19日出願)に記載されるように予熱処理され得、その記載はすべて引用によりここに組入れられる。一般的に、次の文献に記載されている、材料、プロセスおよび種々の操作パラメータは、本発明において使用され得、それぞれは引用によりすべてここに組入れられる。米国特許第6,563,695;6,527,937;6,517,645;6,462,934;6,432,161;6,420,043;6,416,730;6,402,066;6,391,275;6,338,832;6,338,816;6,322,912;6,312,642;6,231,689;6,165,623;6,071,486;6,051,044;6,051,326;5,993,513;5,986,877、5,954,856;5,580,516;5,284,531;5,261,942;5,242,481;5,234,491;5,171,379;4,960,471;4,722,756;4,684,399;および4,645,533号、ならびに公開米国特許出願第2003/0115985;2003/0082097;2003/0057304;2003/0037847;2003/0026756;2003/0003044;2002/0172861;2002/0135973;2002/0072475;2002/0028175;2002/0026965;および2001/0036056号。
本発明の種々のバルブ金属粒子は、本発明のニオブ亜酸化物を用いるキャパシターアノードの形成から得られる電気特性によりさらに特徴づけられうる。一般的に、本発明のバルブ金属酸化物粒子は、バルブ金属酸化物粒子をアノードにプレスし、プレスされた粉末を適切な温度で焼成し、ついでアノードを陽極化して電解キャパシターアノードを製造し、つづいて電気特性を試験することにより、電気特性が試験されうる。
したがって本発明のもう1つの態様は、本発明のバルブ金属酸化物粒子から形成されるキャパシター用アノードに関する。本発明のキャパシターは、たとえば次の文献に記載される方法により形成され得、それぞれはすべて引用によりここに組入れられる。米国特許第6,576,099;6,576,038;6,563,695;6,562,097;6,527,937;6,479,012;6,462,934;6,420,043;6,416,730、6,375,704;6,373,685、6,338,816;6,322,912;6,165,623;6,051,044;5,986,877、5,580,367;5,448,447;5,412,533;5,306,462;5,245,514;5,217,526;5,211,741;4,805,704;および4,940,490号、ならびに公開米国特許出願第2003/0115985;2003/0026756;2003/0003044;2002/0179753;2002/0152842;2002/0135973;2002/0124687;2002/0104404;2002/0088507;2002/0072475;2002/0069724;2002/0050185;2002/0028175;および2001/0048582号。
キャパシターは、自動車の電子機器、携帯電話、コンピューター、たとえばモニター、マザーボード等、コンシューマー電子機器、たとえばTVおよびCRT、プリンター/コピー機、電源、モデム、ノート型コンピューター、ならびにディスクドライブ等、のような最終用途で使用しうる。アノードは金属アノードの作製に用いられるのと同様のプロセスでバルブ金属酸化物粒子から製造され得、すなわち多孔質ペレットを埋込まれた導線もしくは他のコネクターとともにプレスし、ついで任意に焼成し、さらに陽極化する。導線コネクターは陽極化の前にいつでも埋込まれるか附着されうる。本発明のバルブ金属酸化物粒子で製造されるアノードは、約1,000CV/g以下〜約400,000CV/g以上のキャパシタンスを有し得、そして他のキャパシタンス範囲は約20,000〜約300,000CV/gまたは約62,000〜約200,000CV/g、そして好ましくは約40,000〜約400,000CV/gでありうる。本発明のキャパシターアノードの形成において、焼成温度は所望の特性を有するキャパシターアノードを可能にするように用いられうる。その焼成温度は使用される特定のバルブ金属酸化物に基づく。たとえば、ニオブ亜酸化物については、焼成温度は約1,200〜約1,750℃が好ましく、もっと好ましくは約1,200〜約1,400℃、そして最も好ましくは約1,300〜約1,400℃である。
本発明のニオブ酸化物から形成されるアノードは好ましくは約30V、そして約6V〜約80V以上、の電圧(Vf)で形成される。ニオブ亜酸化物粒子が使用されるとき、好ましくは形成電圧は約6〜約50V、そしてもっと好ましくは約10〜約40Vである。バルブ金属酸化物粒子は高形成電圧で優れた低DC漏れを与える。さらに、本発明のバルブ金属酸化物から形成されるアノードは好ましくは約5nA/CV未満のDC漏れ、たとえば約5nA/CV〜約0.05nA/CV、を含む。
本発明は上述のように、多くの利点を含み、高キャパシタンスおよび低DC漏れにより特徴づけられる高性能キャパシターに形成されうるキャパシターグレード金属材料を製造する、優れたキャパシターグレード材料および製造法を含む。得られるキャパシターの性能特性を向上させる、本発明のキャパシターグレード材料の形態および他の観察しうるもしくは測定しうる微細構造の特性の例は、制御された一次粒径、高流動性、高純度、高BET表面積、均一な粒径分布、スコット密度、加圧成型性、破砕強度、微細多孔度、安定性、ドーパント含量等を含む。本発明の凝集粒子を解凝集することにより形成されるバルブ金属酸化物粒子は有利な特性を有し、高BET表面積ならびに閉ざされた細孔および微細孔の最小割合をもつ均一な多孔度を含む。
比較的高い表面積のアノードを得るための1つの選択は、比較的多量のバルブ金属酸化物粉末をプレスして焼成前に多孔質ペレットを形成することである。しかし、この方法には制限がある。なぜなら所定のペレットサイズに圧密されうる粉末の量には固有の制限があるからである。本発明のバルブ金属酸化物粉末は高い比表面積を有し、アノード形成での使用はペレットを製造するのに使用されるバルブ金属酸化物粉末の量を増加させるのに好適である。本発明の高表面積粉末を用いることにより、キャパシターサイズは、減少し得、一方で同一レベルのキャパシタンスを得る。キャパシターのESR値は、ESRが増加するにつれて、熱発生も増加する電子回路の増加した速度に伴う熱発生の大きさに関連する。このように、パーソナルコンピューターのCPUおよび電源回路に用いられるキャパシターは、低ESRを有するのが好ましい。高性能キャパシターアノードの形成において、バルブ金属焼成体上に均一なカソード材料被覆を形成するのが有利である。酸化マンガンはそのカソード材料被覆に一般的に使用される。酸化マンガンからなるカソード材料被覆を形成する際に、硝酸マンガンが焼成体に含浸され、ついで硝酸マンガンを加熱および熱分解する。バルブ金属焼成体上にカソード材料被覆を均一に形成するために、閉じた細孔および微細孔を最小割合で有し、均一な多孔度をもつバルブ金属焼成体を用いるのが好適であり、それは本発明のバルブ金属酸化物粒の使用により可能である。
本発明の1つの態様において、原料材料を熱処理に供する前に、原料材料の1つもしくは両方、すなわち原料ニオブ酸化物および/またはニオブ粉末、または両方を含む粉末混合物、は粒状化もしくは凝集されうる。この粒状化もしくは凝集は、材料が一緒に共粉砕されるとき、特に有用である。粒状化は数多くの方法により行なわれうる。たとえば、湿った材料の湿式ふるい分けもしくはドラム凝集が使用されうる。凝集法の1例は傾斜皿凝集法を含み、そこでは、新たな粉末が添加され、そして微細な水スプレーが、任意にバインダーとともに使用されるような、角度に配置された回転パンを含む。凝集体は球状的として形成され、ついにパンからころがって捕集器に集められる。もう1つの例は乾式ドラム凝集であり、粉末を取り、そしてかなり急速に回転し、リフターを有する大ドラムにそれを添加することを含む。注がれる粒子はペレットと接触され、一緒に軽くハンマーでたたかれる。粒状化物は水中で粉末を、振動、混合等により撹拌して形成されうる。粒状化物は真空乾燥、ついでふるい分けにより形成されうる。粒状化物は水の存在下に粉末を回転させることにより形成されうる。もう1つの例は圧密機であり、それは粉末をプレスし2つのロール間をリサイクルし、そして板状物(スラブ)を作り、ついで粉砕し、ふるい分け設備に送られる装置である。もう1つの例はピンペレタイザーである。粒状化は、たとえば米国特許出願公開第2002/0033072号に記載されるように、達成され得、引用によりすべてここに組入れられる。
上述のように、粒状化は乾式もしくは湿式で行ないうる。使用される液体は、水、水性液体、アルコール、有機液体、等でありうる。ふるい分けに関して、粒状化は粉末を所望の粒状化物径(たとえば、40メッシュ未満)よりも大きい目開きを有する20メッシュのようなふるいを通過させることにより行ないうる。ふるい分けは、たとえば20メッシュ以下(20メッシュ〜200メッシュ以下)のようないかなるふるいサイズでも行ないうる。大部分の粒状化物は目開きより小さいサイズを有し、そして少しの微細物(たとえば50μm未満)である。この方法は、高表面積(たとえば、1.5m2/gより大きい)をもつ粉末について特に有効である。もう1つの方法は、湿った粒子に回転運動を与えて球状粒状化物を形成する。粉末の水分含量、一次粒子径、回転速度、媒体サイズおよび回転時間は最終的な粒状化物サイズを制御するのに使用されうる。通常の水含有量は全成分の50wt%未満、もっと好ましくは30wt%未満であり、滞留時間は50μmより大きいサイズ(平均)の粒状化物を形成するために1時間未満である。さらに、材料を分級するためのふるい分け操作は、最終製品から極端に大きいか小さい粒状化物を除去するために使用されうる。大きく、そして微細な粒状化物はリサイクルされ、再び供給原料として使用されうる。上述のように、水含有量は凝集に使用される全材料の約5wt%〜40wt%のようないかなる量であってもよく、そしてもっと好ましくは約10wt%〜約30wt%である。回転運動が使用されるとき、粒状化時の回転速度はタンブラーの大きさに依存していかなる回転速度が用いられてもよい。小さなラボ用タンブラーについて、回転速度は約30〜約60rpm、もっと好ましくは約40〜約50rpmでありうる。粒状化される材料の量はいかなる量であってもよく、もちろん粒状化に用いられる装置のサイズに依存する。好適には、媒体(たとえば1/16インチ(約0.16cm)〜1/2インチ(約1.27cm))がさらに粒状化時に用いられ得、たとえばニオブで製造され、または被覆された媒体ボールである。媒体はいかなる量で存在していてもよく、たとえば約1〜約20vol%、または約5〜10vol%である。湿式粒状化が使用されると、液体は、所望の粒状化物径が得られるまで、遅い連続速度またはスプレーとして、のようないかなる速度で添加されてもよい。粒状化後に、もし液体が使用されていると、粉末は比較的低温で、真空炉もしくは対流炉での乾燥のような乾燥法を用いて、乾燥されうる。たとえば乾燥は約85〜約100℃の温度で、約15分以下〜約60分以上の時間、行なわれうる。ついで、粒状化物は粒状化物をふるい分けすることにより分級されうる。ふるい分け操作は乾燥工程の前もしくは後に実施されうる。このふるい分けによりいかなるサイズでも得られるが、その例は−40メッシュ(−425μm)、−50メッシュ(−300μm)、−100メッシュ(−150μm)、−140メッシュ(−106μm)等である。ふるい分けは所望の粒径にもとづいて粗および微細粒子の除去を可能にする。
まだ達成されていなければ、ニオブゲッター粉末は、好ましくはNb25である原料ニオブ酸化物と混合され、粉末混合物を形成する。その粉末混合物は、たとえば不活性もしくは真空条件下で熱処理に供され得、そこでは粉末混合物の融点より低い温度であり、好ましくは約600〜約1,600℃の温度であり、好ましくは不活性もしくは真空条件下である。粉末混合物が供される熱処理は、ニオブもしくはタンタルのような金属の熱処理に通常用いられる熱処理装置もしくは炉内で実施されうる。好適な態様において熱処理および続く反応は粉末を除去することなく、同一装置を用いて実施される。たとえば、粉末混合物の熱処理後に、粉末混合物は冷却され得、そして反応プロセスは下記のとおり始めうる。1つ以上の熱処理が実施され得、多段熱処理工程も異なる温度で、間に冷却を入れないで実施され得る。多段熱処理工程に関し、任意には、他の工程を熱処理工程の間に実施でき、たとえば1つ以上の熱処理工程の間に1度以上のふるい分けを実施しうるか、それに限定されない。
粉末混合物の真空下での熱処理は、粒子のネッキングにより特徴づけられうる、粉末混合物の粒子間での物質移動を生じさせるのに十分な温度と時間であるのが好適である。真空下での熱処理は、多孔質の微細構造(平均細孔および/または全細孔容積による)、1峰もしくは多峰細孔分布(たとえば2峰細孔分布)、および優れた破砕強度を有する最終製品(たとえば酸素が低減したニオブ酸化物)を、続く反応の際に形成する、熱処理された粉末を形成するのが好適である。図1は、プレスされ、種々の熱処理温度で焼成された粉末の細孔分布のグラフである。グラフは熱処理された粉末に関する2峰細孔分布を熱処理していない粉末の1峰細孔分布とを示す。「2峰」は2つの態様をもつ分布(すなわち、隣りの値よりも著しく度々である、2つの異なる値の範囲の存在)を意味する。図2はプレスされ種々の熱処理温度で焼成された粉末についての、累積細孔容積を示す。グラフは、熱処理された粉末の、熱処理されていない粉末に対する増加した多孔度を示す。「1峰」は、1つの態様をもつ分布(すなわち、隣りの値よりも著しく度々である1つの異なる値の範囲の存在)を意味する。「1つのショルダーもしくは延びたショルダーを有する、1峰対数微分圧入ピーク」は、1つの態様をもつ分布(すなわち、隣り値よりも著しく度々である1つの異なる値の範囲の存在、そして対数微分圧入ピークの1つの側の値はもう1つの側のピークの値よりも頻度が高く、たとえば図3に示されるように、ショルダーを形成している)を意味する。
図3は本発明の焼成粉末の細孔分布のグラフであり、そこでは、黒い線で示される粉末は上述のように共粉砕された、酸素が低減したニオブ酸化物を示し、灰色の線は酸素が低減したニオブ酸化物を示し、共粉砕なしに原料ニオブ酸化物を金属ニオブもしくは金属ニオブ水素化物に混合した混合物を形成されている。各場合において、材料は1,380℃で、10分間焼成された。図3からわかるように、共粉砕された本発明のニオブ亜酸化物は、延びたショルダーもしくは2峰対数微分圧入ピークなしに、1峰細孔分布を与えた。図4も対数微分圧入のために比較的小さいスケールを用いて、熱処理された粉末についての細孔分布を示す。異なる細孔分布は、種々のニオブ酸化物粉末に関してみられる。図4において、同一の粉末が図3のように示される。図5において、細孔分布を示すグラフが再び示され、そこでは黒の実線および黒の破線は1380℃で10分間、プレス密度2.8g/ccで焼成、プレスされたニオブ亜酸化物粉末を示す。試料は再び本質的に1峰細孔分布を示すが、灰色の線で示される試料は共粉砕なしで調製され、原料成分を組み合わせたにすぎない。ここでわかるように、2峰分布が得られた。図5に示される同一の粉末試料は図6に示されるが、対数微分圧入についてはもっと小さいスケールである。図5の説明は図6にも該当する。
熱処理された粉末は、さらに熱処理もしくは反応に供されるのが好ましく、たとえば約50〜約900torr(約6.6×10 〜約1.1×10 Pa)の圧力で水素の存在下、約800〜約900℃の温度で実施されるのが好ましい。好適には、反応は、ニオブ粉末および原料ニオブ酸化物を酸素が低減したニオブ酸化物である最終製品、たとえばNbO,NbO0.7,NbO1.1もしくはそれらの組合わせ、に完全変換する、上記の反応を達成するのに十分な時間で実施される。このように、このプロセスで、ニオブ粉末ならびに原料ニオブ酸化物は最終製品となる。
粉末混合物が供される反応は、ニオブおよびタンタルのような金属の熱処理に通常用いられる熱処理装置もしくは炉内で実施されうる。原料ニオブ酸化物およびニオブ粉末を含む粉末混合物の反応は酸素が低減したニオブ酸化物を形成するのに十分な温度と時間で実施される。反応の温度と時間は、種々のファクター、たとえばニオブ酸化物の還元量、ニオブ粉末の量、ニオブ粉末の種類ならびに原料ニオブ酸化物の種類に依存しうる。通常、ニオブ酸化物の反応は約750℃以下〜約1,900℃以上、そして好ましくは約800〜約900℃、そしてもっと好ましくは約850℃の温度である。反応は約5分〜約4時間の時間であり得、もっと好ましくは約1〜約3時間である。本発明を考慮した日常的なテストは、ニオブ酸化物の適切なもしくは望ましい還元を得るために、当業者が反応プロセスの時間および温度を容易に制御することを可能にする。
上述のように、好ましくは不活性もしくは真空条件下での熱処理後に、1次反応はニオブ酸化物からニオブ粉末に酸素原子が移動するのを可能にする雰囲気で行なわれる。好ましくは、反応は好ましくは水素だけである水素含有雰囲気で行なわれる。他のガスも、水素と反応しない限り、水素とともに存在し得、たとえば不活性ガスである。好適には、水素雰囲気は約10〜約2,000torr(約1.33×10 〜2.66×10 Pa)、そしてもっと好適には約100〜約1,000torrの圧力で、反応時に存在する。H2とArのような不活性ガスとの混合物が使用されうる。さらに、N2中のH2も、最終製品のN2含有量を調節するために使用されうる。
反応プロセスの間、一定の熱処理温度が全反応プロセスの間、使用され得、または温動の変動もしくは段階的温度が使用されうる。たとえば、水素は最初1,000℃で、ついで温度を1,250℃、30分間に、さらに温度を1,000℃に低下させ、H2ガスの除去までそこに保持する。H2もしくは他の雰囲気が除去された後に、炉温は低下されうる。これらの段階の変形も産業の選択に合うように使用されうる。任意には、水素の使用は、たとえば、1400℃以上のような高温の反応温度を用い、原料材料の均一な混合で、避けられうる。
本発明のニオブ亜酸化物粉末の種々の物理および化学的ならびに電気的特性に関する検討が以下に説明される。本発明のニオブ亜酸化物粉末は、ここに説明される特性の1つ以上、もしくはその組合わせを有する。これらの特性についての検討は、単に便宜のためであり、本発明のニオブ亜酸化物が有しうる特性の組合わせを意味するものではない。
反応が完結し、所望の酸素が低減したニオブ酸化物が得られると、ついで粉末は、バルブ金属からアノードを形成する従来法を用いてアノードにプレスされうる。本発明において、酸素が低減したニオブ酸化物は著しく改良された流動特性ならびに破砕強度を有し、そしてさらに低い不純物(たとえば、Fe,NiおよびCr)を有し、これらは非常に低い漏れのような有利なキャパシターアノード特性をもたらす。
本発明の酸素が低減したニオブ酸化物は、一つの態様において、粒状化されもしくは粒状形態でありうる。これらの粒状化物は球状形状でありうるが、他の形状も可能である。さらに、球状および他の形状の組合わせで存在しうる。酸素が低減したニオブ酸化物は、好ましくは粒状形態であり、3mm径オリフィスを用いるASTM B213により測定して、約100〜約1000mg/s以上、もしくは約300〜約700mg/s、そしてもっと好ましくは少くとも約300mg/sの、優れた流動特性を有する。本発明の1つの態様において、本発明は好適には約30〜約1000μm、そして好ましくは約30〜約300μmのサイズを有する粒状化物を含む、酸素が低減したバルブ金属酸化物に関する。上述のように、1つの態様において、本発明のプレスされ焼成された、酸素が低減したニオブ酸化物は、粒状形態を含み、他の特性とは独立して、2峰の細孔分布を有しうる。すなわち、プレスされ焼成された、酸素が低減したニオブ酸化物粒状化物が測定されたとき、たとえばグラフに示されるように、少くとも2つの主な、もしくは1次的な対数微分圧入ピークが一次細孔分布について検出される。好ましくは、細孔分布は約0.1〜約10μmである。2峰細孔分布は、適切なキャパシターもしくはその一部を形成する対電極含浸に特に有益である。細孔容積に関して、本発明のプレスされ焼成された、酸素が低減したニオブ酸化物は、優れた細孔容積を有する。あるいは、プレスされ焼成された粒状化物は約0.1〜約10μmの1峰細孔分布、または約0.1〜約10μmの分布を有する1峰対数微分圧入ピークの片側にショルダー(たとえば延びたショルダー)を有する1峰細孔分布を有しうる。たとえば、多孔度に関して、本発明の1態様のニオブ亜酸化物は、プレス密度2.8cc/gでプレスされ、そして1380℃で10分間焼成されたときに、0.4μmで1峰対数微分圧入ピーク、そして0.1mL/gで幅0.2〜0.6μmをもつ1峰対数微分圧入ピーク、をもつ細孔分布を有し、その1峰対数微分圧入ピークは高さが0.5mL/gより大きい。これらの種々の数が測定について、たとえば図面に示される。もう1つの例として、本発明のニオブ亜酸化物は、0.5〜0.8μmに位置する1峰対数微分圧入ピーク、そして0.1mL/gで幅0.3〜1.1μmをもつ細孔分布を有し得、そしてその1峰対数微分圧入ピーク高さは好ましくは0.6mL/gより大きい。もう1つの例として、本発明のニオブ亜酸化物は、細孔分布を有し得、そこでは1峰対数微分圧入ピークはショルダーをもち、たとえば1.3μm以下〜10μm以上に延び、ショルダーの高さは0.1mL/gである。1つの態様において、細孔分布に存在しうるショルダーは1〜10μmに位置される累積容積比を有し得、その比は1〜7.5である。もう1つの態様において、細孔分布からのショルダーは1μmを超える細孔で4〜13%の全多孔度を有し得、および/または10μm未満の細孔サイズで1〜4%の全多孔度を有しうる。プレスされ焼成された粒状化物は約0.1〜約0.30mL/gの全細孔容積を有しうる。
本発明の粒状製品は、かさ密度、流動性、未焼成強度および粉末の加圧成形状に関し、優れた物性を与えるのが好適である。本発明の粒状化法について、形成プロセスの際にその物性を保持しながら、微細な粉末の所望の微細構造および電気特性を維持しうる。
酸素が低減したニオブ酸化物粒状化物は、プレスされ焼成されるときに、約1〜約12%のように、非常に有利な径収縮を有するのが好ましい。さらに、酸素が低減したニオブ酸化物粒状化物は、プレスされ焼成され、粒状体を形成すると、約0.5〜約4.0m2/gのBET表面積を有するのが好ましい。他のBET表面積も可能である。本発明のニオブ粒状化物は約2.4〜約3.5g/ccのプレス密度でプレスされるのが好適であり、十分な破砕強度を与える。
本発明の酸素が低減したニオブ酸化物は、1つの態様において、少くとも35lbs.(約15.9kg)の焼成破砕強度を有しうる。1つの態様において、焼成破砕強度は20lbs.(約9.06kg)以上、たとえば25lbs.(約11.3kg)以上、たとえば25lbs.〜75lbs.(約33.9kg)でありうる。焼成破砕強度は、酸素が低減したニオブ酸化物もしくは他のバルブ金属酸化物が1,380℃で10分間焼成され、プレス密度2.8、アノード径0.197インチ(約0.5cm)、アノード高さ0.208インチ(約0.53cm)で導線が存在しない、ものに基づく。
1つの態様において、酸素が低減したニオブ酸化物もしくはバルブ金属亜酸化物粉末は、実質的にふるいサイズとは独立した粒状化物強度を有しうる。粒状化物強度を試験する1つの方法はD50(NU)/D50(120S−U)比に基づき、ここでNUは「超音波なし」、そしてS−Uは「120秒の超音波」を意味する。この試験は、超音波が120秒間あてた時の粒状化物の強度を測定し、超音波をあてないときの粒状化物の強度と比較する。この試験を行なうことにより、粒状に成形したときの酸素が低減したニオブ酸化物もしくはバルブ金属亜酸化物粉末の粒状化物の強度を容易に測定しうる。この試験を用いるとき、本発明の種々の酸素が低減したバルブ金属亜酸化物の粒状化物強度は粒状化物のサイズにかかわらず優れた。一貫した粒状化物強度を示す。たとえば図7に示されるように、金属亜酸化物粉末の粒状化強度は非常に異常な、種々のふるいサイズにわたって驚くほど一致していた。もっと重要なことに、この粒状化物強度が種々のふるいサイズにわたって維持されても、キャパシタンスおよびDC漏れのような、残りの電気特性も維持される。このように、本発明は、種々のキャパシター製造者の仕様にきわめて望ましいふるいサイズにもかかわらず、優れた一致した粒状化物強度を与える、手段ならびに粉末を提供する。加えて、少くとも1つの態様において、本発明は、約1.0〜約3.5、そしてもっと好ましくは約1〜約3のD50(NU)/D50(120S−U)比を有する、酸素が低減したニオブ酸化物もしくはバルブ金属亜酸化物粉末に関し、そこではこの粒状化物強度は実質的に粒状化物サイズに実質的に独立しており、そして好ましくはこの粒状化物強度は−40メッシュ〜約−140メッシュの粒状化物サイズに実質的に独立している。本発明の目的のために、実質的に独立していることの例は、粒状化物強度D50比は±3より多くは変わらず、もっと好ましくは±2以下、そしてもっと好ましくは±1以下である。さらに、任意には、酸素が低減したニオブ酸化物は1lb.以上、もっと好ましくは1.6lbs.〜6lbs.以上の未焼成破砕強度を有しうる。ある態様において、未焼成破砕強度は6lbs.以上でありうる。
さらに、本発明はバルブ金属亜酸化物材料の多孔度を制御する方法に関し、粒状化物を形成し、所望の多孔度を得るために粒状化物サイズを調節することを含む。たとえば、さらに、本発明は、バルブ金属亜酸化物材における多孔度を制御する方法に関し、粒状化物を形成し、所望の多孔度を得るために粒状化物サイズを調節することを含む。たとえば、粉末は約0.4mL/g〜約0.75mL/gの調節しうるピーク高さを有しうる対数微分圧入ピークを形成する細孔分布を有するように調製されうる。たとえば、これはふるいサイズおよび/または予熱処理の変動により調節されうる。さらに対数微分圧入ピーク高さは約0.5mL/g〜約0.6mL/gに変化させうる。対数微分圧入ピークはショルダーを有する、もしくは有さない1峰対数微分圧入ピークであり得、または多峰分布の部分であってもよい。
さらに、上述のように、酸素が低減したニオブ酸化物、たとえば酸素が低減したニオブ酸化物粒状化物、は低いFe,Ni,Cr,Cのような、低い金属不純物、および他の低い金属不純物を有するのが好適である。好ましくは、これらの不純物は、ガスを除いて、500ppm未満、そしてもっと好ましくは100ppm未満、そしてなお好ましくは50ppm未満である。さらに、酸素が低減したニオブ酸化物は約100〜約80,000ppmN2もしくは〜130,000ppmN2、の窒素を含有しうる。適切な範囲は約31,000〜約130,000ppmN2、そして約50,000〜約80,000ppmN2である。
本発明の酸素が低減したニオブ酸化物は種々の有益な特性を有する。酸素が低減したニオブ酸化物は約0.1μm〜約5μmの一次粒径(D50)を有しうる。好ましくは一次粒径は約0.5μm〜約5μmである。他の適切な範囲も可能である。本発明の酸素が低減したニオブ酸化物は、微細構造表面および粒状化物のようなスポンジ様構造を有するのが好ましい。本発明の酸素が低減したニオブ酸化物は高い比表面積、および/または約0.1〜約10μmの細孔を有する多孔質構造、ならびに50%以上の全多孔度を有しうる。さらに酸素が低減したニオブ酸化物は種々のBET表面積を有しうる。BET表面積は一次粒径に関連する。適切なBET表面積は少くとも0.5m2/gであるが、これに限定されない。他の範囲は約1m2/g〜約15m2/g以上のBET表面積を含む。他の適切なBE範囲も可能である。本発明の酸素が低減したニオブ酸化物は約0.5〜約10.0m2/g、もっと好ましくは約0.5〜2.0m2/g、そしてなお好ましくは約1.0〜約1.5m2/gのBET表面積を有することに特徴づけられうる。酸素が低減したニオブ酸化物の粉末の好適なみかけ密度は約2.0g/cc未満、もっと好ましくは1.5g/cc未満、そしてさらに好ましくは約0.5〜約1.5g/ccである。
本発明の種々の酸素が低減したニオブ酸化物は、本発明の酸素が低減したニオブ酸化物を用いたキャパシターアノードの形成から得られる電気特性によりさらに特徴づけられうる。通常、本発明酸素が低減したニオブ酸化物は、酸素が低減したニオブ酸化物の粉末をアノードにプレスし、適切な温度でプレスされた粉末を焼成し、ついでアノードを陽極化して、ついで電気特性を試験されうる電解キャパシターアノードを製造することにより、電気特性が試験されうる。
したがって、本発明のもう1つの態様は本発明の酸素が低減したニオブ酸化物から形成されるキャパシター用アノードに関する。アノードは、金属アノードの作製に用いられているのと同様の方法で、すなわち埋込まれた導線もしくは他のコネクターとともに多孔質ペレットをプレスし、ついで任意に焼成し、陽極化することにより、酸素が低減したニオブ酸化物の粉末形態から製造されうる。導線コネクターは陽極化の前にいつでも埋込まれ、もしくは附着されうる。本発明の酸素が低減したニオブ酸化物から製造されたアノードは1,000CV/g以下〜約400,000CV/g以上のキャパシタンスを有し得、そしてキャパシタンスの他の範囲は約20,000〜約300,000CV/g、または約62,000〜約200,000CV/g、および好ましくは約40,000〜約400,000CV/gである。さらなる例として、本発明の酸素が低減したニオブ酸化物から製造されるアノードは10Vバイアスで約55,000〜約175,000のキャパシタンスを有しうる。本発明のキャパシターの形成において、焼成温度は所望の特性を有するキャパシターアノードの形成を可能にするように使用されうる。焼成温度は使用される酸素が低減したニオブ酸化物に基づく。好適には、焼成温度は、約1,200〜約1,750℃、そしてもっと好ましくは約1,200〜約1,400℃、そして最も好ましくは約1,300〜約1,400℃である。
本発明のキャパシターアノードの形成における焼成温度は種々の温度で達成されうる。たとえば、焼成温度は約800℃以下〜約1,750℃以上で実施されうる。比較的低い温度が約900℃以下〜約1,100℃のオーダーで用いられるとき、焼成はキャパシタンスを与えるキャパシターアノードを生じるのに十分な時間実施されうる。比較的低い焼成温度が本発明のキャパシターアノードを形成するのに使用されるとき、その焼成時間は、通常キャパシタンスを形成するのに用いられる一般的な時間よりも長いのが好適である。たとえば、焼成時間は約1時間〜約10時間以上(たとえば1日以上)である。もっと具体的な例として、焼成時間は1時間〜5時間、または約2時間〜約4時間でありうる。低焼成温度での、これらの長い焼成時間はキャパシターアノードに、受入れられるキャパシタンス、ならびに約0.5nA/CV未満のような低DC漏れを好適に生じさせる。加えて、これらの比較的低い焼成温度では収縮が少なく、もっと望ましい細孔構造を生じさせる。たとえば、本発明のアノードを用いる、比較的低い焼成温度で、細孔の数は比較的多く、そしてこれらの細孔の径は比較的大きく、電気用途にこれらのキャパシターアノードを用いて、非常に有益な性質を生じさせる。たとえば、細孔の数および細孔のサイズに関して、これらの改良された特性は、キャパシター製造プロセスにわたって最大のキャパシタンス保持を達成させる。したがって、本発明の種々の好適な態様が用いられるとき(たとえば上述の粉砕の選択ならびに比較的低い焼成温度)、大部分の改良された特性が、ここに述べる粉末および得られるキャパシターアノードに関して、達成される。通常、キャパシタンス、低DC漏れおよび他の特性のような望ましい性質を達成する目的のために、焼成温度が低ければ低いほど、焼成時間は長い。このように、焼成温度が約800℃のオーダー程度であれば、焼成時間は1,100℃以上の焼成温度に比べて、はるかに長いであろう。上述のとおりで例に示すように、焼成時間は得られるキャパシターアノードの所望の性質に依存して種々の異なる時間でありうる。
本発明のニオブ酸化物から形成されるアノードは、約30Vの電圧(Vf)、そして好ましくは約6〜約80V以上で形成される。酸素が低減したニオブ酸化物が使用されるとき、好ましくは形成電圧は約6〜約50V、そしてもっと好ましくは約10〜約40Vである。本発明のニオブ酸化物により達成されるDC漏れは高形成電圧で優れた低い漏れを提供する。さらに、本発明の酸素が低減した酸化ニオブから形成されたアノードは約5.0nA/CVより低いDC漏れを有するのが好適である。本発明の1つの態様において、本発明の酸素が低減したニオブ酸化物から形成されるアノードは約5.0nA/CV〜約0.50nA/CVのDC漏れを有する。
粒状形態もしくは非粒状形態の酸素が低減された酸化ニオブは有益な電気特性を有する。たとえば、本発明の酸素が低減した酸化ニオブがプレスされ焼成されるとき、有益なキャパシタンスおよび/または低い漏れ特性が示される。もっと詳しくは、本発明の酸素が低減したニオブ酸化物が1380℃の温度で10分間焼成され、30Vで90℃の形成温度で形成されるとき、そこでは粒状化物は2.8g/ccでプレスされ、焼成された酸素が低下したニオブ酸化物粒状化物は約40,000〜約300,000CV/gのキャパシタンスを示し、および/または0.5nA/CV未満の漏れ電流を有する。他のキャパシタンスおよび低い漏れ値も焼成条件、焼成時間、形成電圧等に依存して可能である。
本発明の粒状化物形態を含む、酸素が低減したニオブ酸化物は、ここで述べる方法の一つ以上を含みうる従来のキャパシター形成法を用いてキャパシタンスアノードのようなキャパシター部品に形成されうる。このように、本発明の1態様は本発明の酸素が低減したニオブ酸化物を含むキャパシターアノードであり、アノードおよびキャパシターの残りの態様、たとえば絶縁層等を有する。
さらに、上述の数多くの有用な性質、たとえば一次粒径(D50)、BET表面積、流動特性、電気特性、に関して、本発明の目的のために、酸素が低減したニオブ酸化物はこれらの特性の少くとも1つ、またはこれらの特性の2つ以上、またはこれらの特性のすべてを有しうることを理解することは重要である。いかなる特性の組合せも可能である。
たとえば、本発明の酸素が低減したニオブ酸化物は、約0.1〜約5μmの一次粒径、および粒状化されたら約30〜約1,000μmの粒状化物径、を有しうる。これらの酸素が低減したニオブ酸化物は約1〜約15m2/gのBET表面積、および任意に少くとも約300mg/sの流速を有しうる。
次の段落は1つの好適な態様に関する。他の態様も可能である。示されるように、酸素が低減した酸化ニオブの一次粒子は球状または本質的に球状の形状を有する。さらに、本発明の酸素が低減したニオブ酸化物の粒状化物は、球状もしくは実質的に球状の形状を有する。本発明の粉末が粒状化されるが焼成されないとき、凝集物は本質的に軟凝集物である。すなわち、これらの凝集物は硬い表面にあたると容易に崩壊しうる。さらに、軟凝集物が壊れるとき、粉末は容易に一次粒子組織にもどる。さらに軟凝集物が形成されるとき、一次粒子はSEM法で容易に確認されうる。すなわち、一次粒子は通常互いにネッキングせず、本質的に球状であるその形状は粒状化のときでさえ維持される。さらに、粒状化物が焼成されて焼成体を形成するとき、これは硬凝集物を生じる。重要なことに、焼成後でさえも、球状一次粒子は本質的に球状の形状を維持し、隣接粒子との粒子のネッキングがある。基本的に、一次粒子は、互いに接触しても、その構造的形状と完全さを維持する。これは焼成体全体に好ましい細孔分布を創り出す点で非常に有益である。粒状化物の焼成体はSEM分析下でさえも、本質的にその一次粒子形状を維持する。これらの好適な性質は、酸素が低減したニオブ酸化物がNbO,NbO0.7および/またはNbO1.1であるときに特に好適である。
本発明の上述の好適なプロセスから形成される、酸素が低減したニオブ酸化物は、キャパシターアノードを形成するために十分な量のバインダーと一緒にされうる。好適には、用いられるバインダーの量はキャパシターアノードの質量にもとづいて約1wt%〜約5wt%である。適切なバインダーは、PEGおよびQ−Pacを含むが、これらに限定されない。他の適切なバインダーは、先に引用した出願の1つに記載されている。
本発明のニオブ酸化物から形成されるアノードに関して、酸素が低減したニオブ酸化物粉末は、プレス時にニオブ酸化物粉末をアノードに形成しうるのに十分な量のバインダーおよび/または潤滑剤溶液と任意に混合されうる。粉末中のバインダーおよび/または潤滑剤の量は組合わされた成分の質量%にもとづいて、約1〜約20wt%でありうる。ニオブ酸化物粉末をバインダーおよび/または潤滑剤溶液と混合した後に、バインダー/潤滑剤溶液の一部として存在しうる溶媒は蒸発もしくは他の乾燥法により除去される。もし存在すると溶媒が除去され、ついでニオブ酸化物粉末は、好ましくはタンタル、ニオブもしくはアノードに埋め込まれた他の導線とともに、アノード形状にプレスされる。種々のプレス密度が使用されうるが、好ましくはプレス密度は約2〜約4g/cc、そしてもっと好ましくは約2.4〜約3.5g/ccである。これらの範囲は、プレスされた圧密体がハンドリング目的のために構造的完全性を維持することを意味する、加圧成形性に影響しうる。アノードにプレスされると、脱バインダーもしくは脱潤滑工程はプレスされたアノードに存在するバインダーおよび/または潤滑剤を除去するために実施される。バインダーおよび/または潤滑剤の除去には、数多くの方法があり、たとえば約250〜約1200℃の温度で真空炉にアノードを入れて、バインダーおよび/または潤滑剤を熱的に分解することを含みうる。さらに、バインダーおよび/または潤滑剤は他の工程、たとえば存在しうるバインダーおよび/または潤滑剤を溶解および/または可溶化、または除去する適切な溶媒中でくり返し洗浄することにより、除去されうる。脱バインダー/脱潤滑剤工程が行なわれると、ついでアノードは約900〜約1900℃のような、適切な焼成温度で真空もしくは不活性雰囲下で焼成される。得られたアノードは、適切な本体および/または導線の引張強度ならびに低炭素残留分を有するのが好ましい。本発明の酸素が低減したニオブ酸化物を用いる、本発明のアノードは、アノードに形成されるタンタルおよびニオブ粉末に比べ多くの利点を有する。アノードの形成においてプレス性能を改良するために使用される多くの有機バインダーおよび/または潤滑剤は、脱バインダーもしくは脱潤滑剤および焼成後に存在する高炭素残留分をもたらす。その炭素残留分の全除去は、炭素が金属と炭化物を形成するので、きわめて困難である。炭素/炭化物の存在は、欠陥のある絶縁体の形成、そして望ましくない製品をもたらす。本発明のアノードでは、アノードの微細環境は酸素に富む。したがって、アノードが高温で焼成されると、アノード中の炭素残留分は酸素との反応後に、一酸化炭素として蒸発しうる。このように、本発明のアノードは「自己洗浄」性を有し、タンタルもしくはニオブから形成される他のアノードとは全く異なる。したがって、本発明のアノードは加工処理およびハンドリング中に有機不純物に高い許容性を有し、そして改良された粉末流動性、改良されたアノード未焼成強度等を含む、改良された加工処理性のためにバインダーおよび/または潤滑剤を含む広い範囲の炭化水素を使用しうる。したがって、本発明で使用されうるバインダーおよび/または潤滑剤は、有機バインダーおよび有機潤滑剤ならびに高含量の炭化水素を含むバインダーおよび潤滑剤を含む。本発明のプレスされたアノードの形成に使用されうる適切なバインダーの例は、PAC Polymers, Inc., Greenville, DEから入手しうる「QPAC−40」のようなポリ(プロピレンカーボネート);Glyptal Inc., Chelsea, MAから入手しうる「GLYPTAL 1202」のようなアルキド樹脂溶液;Union Carbide, Houston, Texasから入手しうる「CARBOWAX」のようなポリエチレングリコール類;ポリビニルアルコール類;ステアリン酸類等を含むが、これらに限定されない。バインダーおよび/または潤滑剤の方法および追加例は、次のような文献に記載されており、これらは本発明に使用され得、引用によりすべてここに組入れられる。WO 98/30348;WO 00/45472;WO 00/44068;WO 00/28559;WO 00/46818;WO 00/19469;WO 00/14755;WO 00/14139;およびWO 00/12783;ならびに米国特許第6,072,694;6,056,899;および6,001,281号明細書。
酸素が低減したニオブ酸化物が形成されると、上述のように、粒子は上述の量でバインターと混合され、ついで圧密化されうる。ついで、圧密化された粒子は、約100μm〜約500μm、そしてもっと好ましくは約100μm〜約300μmの粒径分布を形成するのに十分に破砕されうる。これらの粒子は当業者に知られている従来方法を用いて、アノードにプレスされ、アノード製造のために焼成されうる。実施例に示すように、本発明の酸素が低減したニオブ粉末の破砕強度は従前の酸素が低減したニオブ酸化物に比べて著しく改良され、さらに著しく低い漏れを有する。
破砕強度および他の性質は、本発明の上述の好適な方法から形成されたニオブ粉末を取り、それを十分な量のバインダーと一緒にしてキャパシターアノードを形成することにより達成されうる。バインダーの使用は任意である。好ましくは、使用されるバインダーの量はキャパシターアノードの質量に基づいて約1wt%〜約5wt%である。適切なバインダーはPEGおよびQ−Pacを含むが、これらに限定されない。他の適切なバインダーは先に引用した出願の1つに記載されている。本発明の酸素が低減したニオブ酸化物の流動性は、実施例に示す表面不動態化ニオブ粉末の不純物含量と同様に改良されているのが好適である。
上述のように、ニオブ粉末が形成されると、粒子は上述の量でバインダーと混合され、ついで任意に圧密化されうる。所望ならば粒子は、約100μm〜約500μm、そしてもっと好ましくは約100μm〜約300μmの粒径分布を形成するのに十分に破砕されうる。ついでこれらの粒子は当業者に知られている従来法を用いて、アノードにプレスされ、アノード製造のために焼成されうる。実施例に示すように、本発明の酸素が低減したニオブ粉末の破砕強度は従前の酸素が低減したニオブ酸化物に比べて著しく改良され、さらに著しく低い漏れを有する。
さらに、本発明は、キャパシターの表面にニオブ酸化物皮膜を有する本発明によるキャパシターに関する。好適には、その皮膜は五酸化ニオブ皮膜である。本発明のキャパシターはたとえば米国特許第6,527,937;6,462,934;6,420,043;6,375,704;6,338,816;6,322,912;6,616,623;6,051,044;5,580,367;5,448,447;5,412,533;5,306,462;5,245,514;5,217,526;5,211,741;4,805,704;および4,940,490号明細書に記載される方法により形成され得、これらは引用によりすべてここに組入れられる。たとえば、ポリマーもしくはMnO2のような電解質で含浸されて、形成されうる。一例として、ある本発明の酸素が低減したニオブ酸化物はポリマー電解質とともにもっと有用であり得、または他の本発明の酸素が低減したニオブ酸化物はMnO2と一緒が好ましい。たとえば、本発明の酸素が低減したニオブ酸化物が、1150℃以下の反応の前に熱処理を用いて形成されうる1峰多孔度曲線を有するとき、これらの酸素が低減したニオブ酸化物はポリマー電解質とともに用いるのが、その高キャパシタンス、比較的高い焼成破砕強度および1峰多孔度曲線から、もっと好適である。さらに、たとえば10μm以上まで延びたショルダーを有する多孔度曲線を有する、他の酸素が低減したニオブ酸化物もMnO2で含浸するのにもっと有用でありうる。たとえば、これらの酸素が低減したニオブ酸化物は約1300℃以上のような反応の前に比較的高い熱処理温度で形成されうる。
あるいは、本発明のニオブは原料ニオブとして使用され、原料ニオブ酸化物、たとえばNb25と混合され、酸素が低減したニオブ酸化物を形成し得る。これらは米国特許第6,416,730;6,391,275;および6,322,912号;ならびに米国特許出願第09/533,430(2000年3月23日出願);米国仮特許出願第60/100,629(1998年9月16日出願);60/229,668(2000年9月1日出願);および60/246,042(2000年11月6日出願)に記載されており、これらは引用により、ここにすべて組入れられる。
好適には、本発明の粒状化物は、粒状化物がVf 40Vで1125℃の温度で10分間焼成されたときに、35,000〜300,000 CV/gのキャパシタンスおよび約0.2〜約2nA/CVの漏れ電流を有する。本発明のニオブは約1050℃〜1300℃のような異なる温度範囲で焼成されうる。好適な形成電圧は約20V〜約40Vである。
本発明のニオブ粉末は、種々の有益な特性を有する。ニオブ粉末は1μm未満(0.75μm〜約0.9μm)〜約5μmの一次粒径(D50)を有しうる。好ましくは、一次粒径は約1μm〜約4μmである。他の適切な範囲は約2μm〜約3μm、約3μm〜約4μm、1μm未満もしくは約1μm〜約2μm等を含む。
本発明のニオブ粉末は、1つの態様において、粒状化物形態でありうる。粒状化物径は約30μm〜約1,000μmのような種々の値でありうる。これらの粒状化物は球状の形状を有しうるが、他の形状も可能である。さらに形状と他の形状の組合わせも存在しうる。さらにニオブ粉末は酸素含有量を有する。その酸素含有量は少なくとも1,000ppmである。好適な範囲は5,000ppm〜約28,000ppm以上を含む。好ましくはこれらの酸素含有量はニオブ粉末の一次粒子に関連する。ニオブ粉末についての適切な酸素含有量範囲は、約5,000ppm〜約28,000ppm、約15,000ppm〜約22,000ppm、約22,000ppm〜約28,000ppm、約35,000ppm〜約55,000ppm、そして約5,000ppm〜約15,000ppmを含むが、これらに限定されない。
さらに、ニオブ粉末は種々のBET表面積を有しうる。BET表面積は一次粒子に関連する。適切なBET表面積は0.5m2/g以上を含むが、これに限定されない。他の範囲は約1m2/g〜約4.5m2/g以上、約1m2/g〜約2m2/g、約2m2/g〜約3m2/g、約3m2/g〜約4.5m2/g、約5m2/g〜約7m2/g、およびこれらのBET表面積の間の種々の範囲、のBET表面積を含む。
上述のように、ニオブ粒子は、前述のように流動性試験を用いて300mg/sより大きい、有用な流動特性を有しうる。
粒状形態もしくは非粒状形態の酸化二オブ粉末は有益な電気特性を有する。たとえば、本発明の酸化二オブ粒状化物が,プレスされ焼成されるとき、有益なキャパシタンスおよび/または低い漏れ特性が示される。もっと詳しくは、本発明のニオブ酸化物粒状化物が約1050℃〜約1250℃の温度で10分間焼成され、40Vで形成されるとき、そこでは粒状化物は2.8g/ccでプレスされ、焼成されたニオブ酸化物粒状化物は約35,000〜約300,000CV/gのキャパシタンスを示し、および/または約0.2〜約2nA/CV未満の漏れ電流を有する。他のキャパシタンスおよび低い漏れ値も、焼成条件、焼成時間、形成電圧等に依存して可能である。
さらに、本発明のニオブ粒状化物は、他の特性と独立して2峰細孔分布を有するのが好ましい。すなわち、プレスされ焼成されたNb粒状化物の細孔分布が測定されるとき、グラフに示されるように、少なくとも2つのピークが主な細孔分布に関して検出される。好ましくは、その細孔分布は約0.1〜約10μmである。この2峰細孔分布は適切なキャパシターもしくはその一部を形成する対電極含浸に特に有益である。
ニオブ粒状化物は、好適にはプレスされ焼成されると、約1〜約12%のような、きわめて有益な劇的な収縮を有する。さらに、Nb粒状化物は、プレスされ、焼成されて粒状化物体を形成すると、約0.5〜約4m2/gのBET表面積を有する。他のBET表面積も可能である。本発明のニオブ粒状化物は好適には約2.4〜約3.5g/ccのプレス密度でプレスされうる。
さらに、ニオブ、たとえばニオブ粒状化物は、低い金属および他の不純物、たとえば低いFe、Ni、Cr、Cおよび他の金属不純物を有するのが好ましい。好ましくは、これらの不純物はガスを除いて、500ppm未満、100ppm未満である。
本発明のニオブ粒状化物を含むニオブ粉末は、上述の1つ以上の方法を含みうる、従来のキャパシター形成法を用いて、キャパシターアノードのようなキャパシター部品に形成されうる。このように、本発明の1態様は本発明のニオブ粉末を含むキャパシターアノードであり、アノードおよびキャパシター、たとえば絶縁層等の、残りの態様を有する。
さらに、上述の数多くの有用な性質、たとえば一次粒径(D50)、BET表面積、流動特性、酸素含有量、電気特性等に関して、本発明の目的のために、ニオブ粉末はこれらの特性の少なくとも1つ、またはこれらの特性の2つ以上,またはこれらの特性の全てを有しうることを理解することは重要である。いかなる特性の組合わせも可能である。
たとえば、本発明のニオブ粉末は約3〜約4μmの一次粒径(D50)、ならびに粒状化されると、約30〜約1,000μmの粒状化物径を有しうる。さらに、これらのニオブ粉末は、約1〜約2m2/gのBET表面積、ならびに任意に約5,000ppm〜約15,000ppmの酸素含有量を有しうる。もう1つの態様において、ニオブ粉末は約2〜約3μmの一次粒径(D50)、ならびに粒状化されると、約30〜約1,000μmの粒状化物径を有しうる。さらに、これらのニオブ粉末は、約2〜約3m2/gのBET表面積、ならびに任意に約5,000ppm〜約22,000ppm、そしてもっと好適には約15,000ppm〜約22,000ppmの酸素含有量を有しうる。
もう1つの態様において、ニオブ粉末は約1μm〜約2μmの一次粒径(D50)、ならびに粒状化されると、約30〜約1,000μmの粒状化物径を有しうる。さらに、これらのニオブ粉末は、約3〜約4.5m2/gのBET表面積、ならびに任意に約5,000ppm〜約28,000ppm以上、そして好ましくは約22,000ppm〜約28,000ppmの酸素含有量を有しうる。
もう1つの態様において、本発明のニオブ粉末は約1μm未満の一次粒径(D50)、ならびに粒状化されると、約30〜約1,000μmの粒状化物径を有しうる。さらに、これらのニオブ粉末は、4.5m2/gより大きいBET表面積、ならびに任意に約5,000ppm〜約28,000ppm以上、そしてもっと好ましくは8,000ppmの酸素含有量を有しうる。
次の段落は1つの好適な態様に関する。示されるように、ニオブ粉末の一次粒子は、好ましくは球状または本質的に球状の形状を有する。さらに、本発明のニオブ粒化物は、球状もしくは実質的に球状の形状を有する。本発明の粉末が粒状化されるか焼成されないとき、凝集物は実質的に軟凝集物である。すなわち、これらの凝集物は硬い表面にあたると容易に崩壊しうる。さらに軟凝集物が壊れるとき、粉末は容易に一次粒子組織にもどる。さらに軟凝集物が形成されるとき、一次粒子はSEM法で容易に確認されうる。すなわち、一次粒子は通常互いにネッキングせず、本質的に球状であるその形状は粒状化のときでさえ維持される。さらに、粒状化物が熱処理および/または焼成されるとき、これは硬凝集物を生じる。重要なことに、焼成後でさえも、球状一次粒子は本質的に球状の形状を維持し、隣接粒子との粒子のネッキングがある。基本的に、一次粒子は、互いに接触しても、その構造的形状と完全さを維持する。これは焼成体全体に好ましい細孔分布を創り出す点で非常に有益である。粒状化物の焼成体はSEM分析下でさえも、本質的にその一次粒子形状を維持する。
本発明の1つの態様において、本発明によりニオブ酸化物を少なくとも部分的に還元する方法は、ゲッター材料の存在下で、原料ニオブ酸化物からゲッター材料への酸素原子の移動を可能にする雰囲気で、酸素が低減したニオブ酸化物を形成するのに十分な時間と温度で、原料ニオブ酸化物を熱処理することを含み、ここでゲッター材料はチタンを含む。好ましくは、ゲッター材料はスポンジチタンである。
本発明の目的のために、「形態」(”morphology”)という用語は、本発明の原料ニオブ酸化物、中間ニオブ酸化物もしくはニオブ亜酸化物の形状、微細構造、状態および/または他の観察しうるもしくは観察できない特性をいう。好ましくは、形態は所望により、走査型電子顕微鏡(SEM)もしくはマイクログラフを用いて視覚的検査により測定されうる。他の特性は、この分野で知られ、一般に用いられる方法により測定されうる。
詳しくは、本発明で用いられる原料ニオブ酸化物は、金属ニオブおよび/またはその合金の少なくとも1つの酸化物でありうる。原料ニオブ酸化物の具体的な例はNb2O5である。原料ニオブ酸化物はいかなる形態でもよく、好ましくは相互に結合し、もしくは細胞状の形態である。原料ニオブ酸化物はいかなる形状もしくはサイズでもよい。好ましくは原料ニオブ酸化物は、粉末もしくは多数の粒子の形状である。使用されうる粉末の種類の例は、フレーク状、角張った、こぶのある,球状、それらの混合物もしくは変形物を含むが、これらに限定されない。好適には、原料ニオブ酸化物は粉末の形態であり、ニオブ亜酸化物にもっと効果的に導く。このような好ましいニオブ原料の例は、約60/100〜100/325メッシュ、および60/100〜200/325メッシュのメッシュサイズを有するものを含む。もう1つの範囲のサイズは−40メッシュ〜約+325メッシュ、もしくは−325メッシュのサイズである。好適には、原料ニオブ酸化物は約0.25〜約5μmの平均一次粒径(D50)、および少なくとも0.5m2/g、たとえば約1〜約8m2/gのBET表面積を有する。好ましくは原料ニオブ酸化物はD10 、D90もしくは両方がD50の30%以内である粒径分布を有する。原料ニオブ酸化物は約0.3〜約2.0g/ccの見かけ密度を有するのが好適である。原料ニオブ酸化物は約0.1〜約100μmの細孔を有する多孔質微細構造(平均細孔、細孔の数および/または全細孔容積による)を含むのが好ましい。原料ニオブ酸化物は約10〜約90%の細孔容積を有するのが好ましい。原料ニオブ酸化物は一峰もしくは多峰の細孔分布、そして好ましくは二峰の細孔分布、有しうる。原料ニオブ酸化物の多孔度についての測定は、たとえば6,576,038号および6,479,012号明細書、ならびに公開米国出願2003/0115985および2002/0033072号に記載されるように実施され得、これらは引用によりここに組入れられる。原料ニオブ酸化物は好ましくは優れた流動性を有し、たとえば3mm径オリフィスを用いるASTM B213による測定で、たとえば約100〜約2,000mg/s以上、そしてもっと好ましくは少なくとも200mg/sである。原料ニオブ酸化物は改質剤もしくは添加物もしくはドーパント(窒素、ケイ素、リン、ホウ素、炭素、イオウ、イットリウムもしくはそれらの組合わせを含む)を含みうる。原料ニオブ酸化物は 窒素化され、および/または窒化物層を含みうる。
本発明を実施するのに用いられる酸素活性もしくはゲッター材料はチタンを含む固体もしくは非固体材料であり得、原料ニオブ酸化物を酸素が低減したニオブ酸化物もしくはニオブ亜酸化物に還元することができる。ゲッター材料は原料ニオブ酸化物からの酸素原子の除去を促進するチタンを含む、いかなる材料でもよい。好ましくはゲッター材料は、原料ニオブ酸化物よりも酸素に対する親和性が大きい、酸素活性チタン材料である。好ましくは、ゲッター材料はチタン含有物質であり、原料ニオブ酸化物を、プロセスにおいて原料ニオブ酸化物の形態を実質的に変えることなく、少なくとも部分的に還元しうる。ゲッター材料は、商業的に入手しうるチタン材料および/または公知の方法で調製されるチタン材料でありうる。
本発明の目的のためにゲッター材料は、ニオブ酸化物中の酸素を少なくとも部分的に除去もしくは還元しうる金属チタンを含むいかなる材料でもよい。このように、ゲッター材料は、合金(たとえばTi−Zr)、または金属チタンと他の成分の混合物を含む材料でありうる。好ましくは、ゲッター材料は主として、金属チタンであるが、限定されない。ゲッター材料の純度は重要ではないが、ゲッター材料は熱処理時に望ましくない不純物の導入を避けるために高純度チタンを含むのが好適である。したがって、ゲッター材料中の金属チタンは好ましくは少なくとも約98%の純度、そしてもっと好ましくは99%の純度を有する。好適にはDC漏れに影響する不純物、たとえば鉄、ニッケル、クロムおよび炭素は100ppm未満である。
ゲッター材料はいかなるサイズ、形状もしくは状態、たとえばシート、スポンジもしくは粉末材料であってもよい。好適にはゲッター材料はニオブ酸化物を還元するために優れた表面積を有する形状である。たとえば、ゲッター材料は原料ニオブ酸化物を入れるトレーの形状でもよく、または粒子もしくは粉末サイズでもよい。ゲッター材料はフレーク状、球状、角張った、こぶのある、およびそれらの混合物もしくは変形でもよい。たとえばふるい分けもしくは酸浸出によりニオブ亜酸化物から容易に分離されうる、約0.1〜約10mmの粒径をもつ粗粒材料である。最も好ましくは、ゲッター材料はスポンジ金属チタンである。スポンジチタンは商業的に入手しうるスポンジチタン、および/または、たとえば米国特許6,226,173号明細書に記載される公知の方法により製造されるスポンジチタンでありうる。その記載は引用により、すべてここに組入れられる。
好ましくは、スポンジチタンは、還元プロセスにおいて効率的な物質移動動力学に導く形態を有し、所定量の原料酸化ニオブを還元するのに必要な比較的少量のゲッター材料を生じさせる。好ましくは、スポンジチタンは、原料ニオブ酸化物唐の酸素原子と容易に反応する特徴を有する形態を有する。たとえば、好ましくは、スポンジチタンは容積に対する高いアクセス可能な表面積比を有する。好ましくは、スポンジチタンは約0.01〜約2m2/g、そしてもっとも好ましくは約0.01〜約0.1m2/gのBET表面積を有する。もう1つの例として、スポンジチタンは好ましくは、多くのアクセス可能(すなわち閉じていない)な、大きな細孔を有する微細多孔質構造(平均細孔、細孔の数および/または全細孔容積)を有する。好適には、スポンジチタンは約10〜約100,000nmの細孔を有する。好ましくはスポンジチタンは約10〜約80%の細孔容積を有する。好ましくはスポンジチタンは高表面積ならびに容易にアクセスしうる開いた多孔度を有する。
通常、十分な量のゲッター材料が熱処理されるニオブ酸化物を少なくとも部分的に還元するために存在する。さらに、ゲッター材料の量はニオブ酸化物に望まれる還元量に依存する。たとえば、ニオブ酸化物において少しの還元が望まれるなら、ゲッター材料は化学量的な量で存在する。同様に、ニオブ酸化物がその酸素の存在に関して実質的還元されるべきであれば、ゲッター材料は化学量論的な量の約2から5倍の量で存在する。通常、ゲッター材料の量(たとえば100%チタンであるゲッター材料にもとづき)は、原料ニオブ酸化物に対するゲッター材料の比が約1.5〜2.0に対し、約0.25〜0.50で存在しうる。好ましくはゲッター材料および原料ニオブ酸化物は約1:4未満のwt.比で存在する。
好適な、Nb25のNbOへの還元の例は一般に次のように表されうる:
2Nb25+3Ti=4NbO+3TiO2 (式4)
式4からわかるように、還元反応は、好ましくは、原料ニオブ酸化物、たとえば五酸化ニオブ、からゲッター材料、たとえばスポンジチタン、への酸素原子の移動を含み、所望のニオブ亜酸化物および酸化チタンを生成する。ニオブ亜酸化物は、原料ニオブ酸化物に比べて金属酸化物中の比較的低い酸素含有量を有するいかなるニオブ酸化物であってもよい。ニオブ亜酸化物は完全に酸化されたニオブに対する化学量論的量よりも少ない酸素含有量を有しうる。典型的なニオブ亜酸化物はNbO,NbO0.7、NbO1.1、NbO2、および存在する他の酸化物を有するか有しない、それらの組合わせ、を含む。通常、ニオブ亜酸化物は酸素に対するニオブの原子比が約1:2.5未満、そして好ましくは1:2以下、もしくは1:1.5未満、そしてもっと好ましくは1:1.1、1:1もしくは1:0.7である。すなわち、ニオブ亜酸化物は式Nbxy(ここでNbはニオブ、Xは2以下、およびyは2.5x未満)を有するのが好適である。さらに好適にはxは1、yは2未満、たとえば1:1、1.0、0.7等である。好ましくは本発明のニオブ亜酸化物は、NbO、もしくは酸素が低減したNbO、またはNbOおよび金属ニオブもしくは酸素含量に富む金属ニオブを含む凝集物、である。NbOと異なり、NbO2はその抵抗特性により望ましくないが、一方NbOは非常に導電性である。したがって、NbO、もしくは酸素が低減したNbOもしくは金属ニオブとのNbOの混合物から形成されたキャパシターアノードは本発明の目的のために望ましく、好適である。
1つの態様によれば、本発明の還元方法は最終製品、すなわちニオブ亜酸化物の形態、微細構造、粒径分布等の望ましい制御を提供する。好ましくは、原料ニオブ酸化物およびニオブ亜酸化物は実質的に類似の形態を有し、そしてもっと好ましくは区別しえない形態を有する。好ましくは、ニオブ酸化物は還元プロセスをとおして固相のままである。好ましくは原料二オブ酸化物は細胞状もしくは多孔質の微細構造を有し、そしてニオブ亜酸化物も細胞状もしくは多孔質の微細構造を有する。
原料二オブ酸化物の熱処理は、ニオブおよびタンタルのような金属の熱処理に一般的に用いられる熱処理装置もしくは炉内で達成されうる。たとえば、熱処理は、レトルト、真空チャンバー、真空炉もしくは真空キルンのようないかなる反応システムもしくは反応器内で実施されうる。これらは、たとえば米国特許6,380,517;および6,105,272号に記載されており、これらは引用により全体をここに組入れられる.ゲッター材料の存在下で原料二オブ酸化物の熱処理は二オブ亜酸化物を形成するのに十分な温度と時間で行なわれる。熱処理の温度と時間は、二オブ酸化物の還元量、ゲッター材料の量と種類、ならびに原料二オブ酸化物の種類のような種々のファクターに依存しうる。通常、二オブ酸化物の熱処理は約800℃以下〜約1900℃、もっと好ましくは約800℃〜約1400℃、そして最も好ましくは約800〜約1100℃の温度で、約5〜約60分、そしてもっと好ましくは約30〜約120分の時間で行ないうる。
ゲッター材料は原料二オブ酸化物と物理的に接触する必要はないが、好ましくは酸化二オブに近接して配置されるのが好ましい。ゲッター材料は、熱処理の前もしくは間に、原料二オブ酸化物といっしょに混合されうる。反応プロセスで形成される酸化チタンおよび残留チタンは、ふるい分け法、および/またはフッ化水素酸、HClもしくは硝酸溶液中での浸出、たとえば酸浸出により、酸素が低減した二オブ酸化物から実質的に除去されうる。
熱処理は二オブ酸化物からゲッター材料に酸素原子の移動を可能にする雰囲気(たとえば水素雰囲気)で好適に達成され、そして好ましくは約900〜約1100℃の温度である。好ましくは、雰囲気は真空下、または不活性雰囲気である。水素およびアルゴンのようなガスもありうるが、雰囲気に存在する必要はない。好ましくは、雰囲気は熱処理時に存在し、約×10-5〜約2000torr、そして最も好ましくは約100〜約930 torrの圧力である。反応プロセスの間、一定の熱処理温度が全反応プロセスの間、用いられうるし、温度変動もしくは段階的温度も使用されうる。たとえば、雰囲気は900℃、ついで1000℃に30分間昇温し、1000℃に温度を低下させ、そこで雰囲気の除去まで保持される。雰囲気炉温は降下されうる。上述の工程の変動も産業の選択に合わせて使用されうる。本発明を考慮した日常のテストは、当業者がニオブ酸化物の適切もしくは所望の還元を得るために熱処理の時間および温度を容易に制御することを可能にする。
一般的に、材料、プロセス、および操作パラメータは次の文献に記載されており、本発明に使用され得、そしてそれぞれは引用によりすべてここに組入れられる:
6,563,695;6,527,937;6,517,645;6,462,934;6,432,161;6,420,043;6,416,730;6,402,066;6,391,275;6,338,832;6,338,816;6,322,912;6,312,642;6,231,689;6,165,623;6,071,486;6,051,044;6,051,326;5,993,513;5,986,877,5,954,856;5,580,516;5,284,531;5,261,942;5,242,481;5,234,491;5,171,379;4,960,471;4,772,756;4,684,399; および4,645,533号ならびに公開米国特許出願第2003/0115985;2003/0082097;2003/0057304;2003/0037847;2003/0026756;2003/0003044;2002/0172861;2002/0135973;2002/0072475;2002/0028175;2002/0026965および2001/0036056.
本発明の種々のニオブ亜酸化物は本発明のニオブ亜酸化物を用いたキャパシターアノードから得られる電気特性によりさらに特徴づけられうる。通常、本発明のニオブ亜酸化物は、ニオブ亜酸化物の粉末をプレスしてアノードにし、プレスされた粉末を適切な温度で焼成し、ついでアノードを陽極化して電解キャパシターアノードを製造し、ついで電気特性を試験されうる。
したがって、本発明のもう1つの態様は本発明のニオブ亜酸化物から形成されたキャパシターアノードに関する。本発明のキャパシターは、たとえば次の文献に記載される方法により形成されうる:
米国特許第6,576,099;6,576,038;6,563,695;6,562,097;6,527,937;6,479,012;6,462,934;6,429,043;6,416730;6,375,704;6,373,685;6,338,816;6,322,912;6,165,623;6,051,044;5986,877;5,580,367;5,448,447;5,412,533;5,306,462;5,245,514;5,217,526;5,211,741;4,805,704;および4,940,490号ならびに公開米国特許出願第2003/0115985;2003/0026756;2003/0003044;2002/0179753;2002/0152842;2002/0135973;2002/0124687;2002/0104404;2002/0088507;2002/0072475;2002/0069724;2002/0050185;2002/0028175および2001/0048582号そして、これらは引用によりすべてここに組入れられる。
キャパシターは自動車の電子機器、携帯電話、コンピューター、たとえばモニター、マザーボード等、コンシューマー電子機器、たとえばTVおよびCRT、/コピー機、電源、モデム、ノート型コンピューター、ならびにディスクドライブ等、のような最終用途で使用しうる。アノードは金属アノードの作製に用いられるのと同様のプロセスでニオブ亜酸化物粉末形態から製造され得、すなわち多孔質ペレットを埋め込まれた導線もしくは他のコネクターとともにプレスし、ついで任意に焼成し、さらに陽極化する。導線コネクターは陽性化の前にいつでも埋め込まれるか附着されうる。本発明のニオブ亜酸化物で製造されるアノードは、約1,000CV/g以下〜約400,000CV/g以上のキャパシタンスを有し得、そして他のキャパシタンス範囲は約2,000〜約300,000CV/gまたは約62,000〜約200,000CV/g,そして好ましくは約40,000〜約400,000CV/gでありうる。本発明のキャパシターアノードの形成において、焼成温度は所望の特性を有するキャパシターアノードを可能にするように用いられうる。その焼成温度は使用されるニオブ亜酸化物に基づく。好ましくは焼成温度は約1,200〜約1,750℃、もっと好ましくは約1,200〜約1,400℃、そして最も好ましくは約1,300〜約1,400℃である。
本発明のキャパシターアノードの形成における焼成温度は種々の温度で達成されうる。たとえば、焼成温度は約800℃以下〜約1,750℃以上で実施されうる。比較的低い温度が約900℃以下〜約1,100℃のオーダーで用いられるとき、焼成はキャパシタンスを与えるキャパシターアノードを生じるのに十分な時間実施されうる。比較的低い焼成温度が本発明のキャパシターアノードを形成するのに使用されるとき、その焼成時間は、通常キャパシタンスを形成するのに用いられる一般的な時間よりも長いのが好適である。たとえば、焼成時間は約1時間〜約10時間以上(たとえば1日以上)である。もっと具体的な例として、焼成時間は1時間〜5時間、または約2時間〜約4時間でありうる。低焼成温度での、これらの長い焼成時間はキャパシターアノードに、受け入れられるキャパシタンス、ならびに約0.5nA/CV未満のような低DC漏れを好適に生じさせる。加えて、これらの比較的低い焼成温度では収縮が少なく、もっと望ましい細孔構造を生じさせる。たとえば、本発明のアノードを用いる、比較的低い焼成温度で、細孔の数は比較的多く、そしてこれらの細孔の径は比較的大きく、電気用途にこれらのキャパシターアノードを用いて、非常に有益な性質を生じさせる。たとえば、細孔の数および細孔のサイズに関して、これらの改良された特性は、キャパシター製造プロセスにわたって最大のキャパシタンス保持を達成させる。したがって、本発明の種々の好適な態様が用いられるとき(たとえば上述の粉砕の選択ならびに比較的低い焼成温度)、大部分の改良された特性が、ここに述べる粉末および得られるキャパシターアノードに関して、達成される。キャパシタンス、低DC漏れおよび他の特性のような望ましい性質を達成する目的のために、焼成温度が低ければ低いほど、焼成時間は長い。このように、焼成温度が約800℃のオーダー程度であれば、焼成時間は1,100℃以上の焼成温度に比べて、はるかに長いであろう。上述のとおり、例に示すように、焼成時間は得られるキャパシターアノードの所望の性質に依存して種々の異なる時間でありうる。
本発明のニオブ酸化物から形成されるアノードは、好ましくは約6〜約80Vの電圧(Vf),そして好ましくは約10〜40Vで形成される。ニオブ亜酸化物が使用されるとき、好ましくは形成電圧は約6〜約80V、そしてもっと好ましくは約10〜約Vである。本発明のニオブ亜酸化物荷より達成されるDC漏れは高形成電圧で優れた低い漏れを提供する。さらに、本発明の二オブ亜酸化物から形成されたアノードは約5.0nA/CVより低いDC漏れを有するのが好適である。本発明の1つの態様において、本発明の二オブ亜酸化物から形成されるアノードは約5.0nA/CV〜0.1A/CvのDC漏れを有する。
本発明は米国特許第6,322,912号明細書に記載されるような、他のバルブ金属亜酸化物に適用されうる。これらは、引用によりここにすべて組入れられる。
上述の態様は1つの好適な材料としてニオブを用いて説明されたが本発明はたとえば米国特許第6,322,912号に記載されるような他のバルブ金属およびその水素化物形態に同等に適用しうる。これらは、引用によりここにすべて組入れられる。
粉末、粒状化物、プレスおよび/または焼成物、およびそのアノードは真空パックを用いて、酸素透過性が1cc/100in2/日未満、そしてもっと好ましくは0.01cc/100in2/24時間未満、であるように、パッケージ化されうる。Fres-Co System(米国)の袋が、Fres-Co 真空パッケージング機械もしくは他の類似のパッケージング装置とともに任意に使用されうる。
本発明のキャパシターは自動車の電子機器、携帯電話、コンピューター、たとえばモニター、マザーボード等、コンシューマー電子機器、たとえばTVおよびCRT、/コピー機、電源、モデム、ノート型コンピューター、ならびにディスクドライブ等、のような最終用途で使用しうる。
本発明は次の例によりさらに詳しく説明されるが、これらは本発明の典型例を示すものである。
例1
本発明の態様により、BET表面積4.1m2/gを有するニオブ粉末(200g)とBET表面積1.3m2/gを有する原料ニオブ酸化物、すなわち五酸化ニオブ(161g)が一緒に混合され、粉末混合物を形成した。ついで、粉末混合物は粒状化され、粒状化径約−40メッシュにふるい分けされた。粒状粉末混合物は真空熱処理炉に入れられ、約700℃で約2時間、真空下で加熱された。ついで、水素ガスが約960torr(約1.2×10 Pa)の圧力に炉内に導入された。ついで、炉内の温度は約850℃に昇温され、約1時間保持された。形成後に、酸素が低減したニオブ酸化物は、表1に示す特性について試験された。さらに3つの試験がニオブ粉末および原料二オブ酸化物のさらに3つの試験ロットについてなされ、そこでは上述の方法がそれぞれ900,1100、および1300℃の熱処理温度で繰り返された。これらの試験において、真空下の熱処理後に、粉末混合物は850℃未満に冷却され、ついで水素ガスが炉に導入された。3つの試験で形成された酸素が低減したニオブ酸化物は第1の試験の最終製品についてと同一の特性に関して試験され、その結果は表1に示される。さらに表1は、真空下の熱処理工程が省略された、酸素が低減したニオブ酸化物の、観察された性質を含む。5つの試験で形成された、プレスされ焼成され、酸素が低減したニオブ酸化物の細孔分布および累積細孔容積がさらに測定され、それぞれ図1および図2に示される。表1および図1〜2に示される特定の性質に加えて、酸素が低減したニオブ酸化物は比較的低いプレス密度でプレスされ得、なお受け入れられる粉砕強度を維持していることが観察された。
Figure 0004773355
例2
本発明の態様により、BET表面積3.9m2/gを有するニオブ水素化物粉末(20g)とBET表面積3.9m2/gを有する原料ニオブ酸化物、すなわち五酸化ニオブ(16.1g)が一緒に混合され、粉末混合物を形成した。ついで、粉末混合物は3/16インチNb媒体を用いて2時間、水中でアトライター粉砕(共粉砕)された。粉末スラリーは、120℃で乾燥され、乾燥粉末を50メッシュふるいにかけ粒状化された。ついで、粒状粉末混合物は真空熱処理炉に入れられ、約1100℃で約2時間、加熱された。ついで、温度は約850℃に昇温され、水素ガスが約960torrの圧力に炉内に導入され、約1時間保持された。形成後に、酸素が低減したニオブ酸化物が、表2に示す特性について試験された。さらに水素化ニオブおよび五酸化ニオブの試料ロットがアトライター粉砕工程なしに上述のように混合された。粉末混合物は上述のように粒状化され、熱処理された。このように形成された、酸素が低減したニオブ酸化物は同様に試験され、その結果は表2に示される。2.8/ccでプレスされ焼成され、酸素が低減したニオブ酸化物の細孔分布および累積細孔容積は図3および図4に示される。
Figure 0004773355
例3
本発明の態様により、BET表面積3.9m2/gを有するニオブ水素化物粉末(400g)とBET表面積3.9m2/gを有する原料ニオブ酸化物、すなわち五酸化ニオブ(322g)が一緒に混合され、粉末混合物を形成した。ついで、粉末混合物は3/16インチNb媒体を用いて2時間、水中でアトライター粉砕(共粉砕)された。粉末スラリーは、120℃で乾燥され、乾燥粉末を50メッシュふるいにかけ粒状化された。さらに、粉末は70メッシュ、100メッシュ、および140メッシュふるいにかけられた。適切なふるいを通過した試料が捕集された。ついで、粒状粉末混合物は真空熱処理炉に入れられ、約1400℃で約2時間、加熱された。ついで、温度は約850℃に昇温され、水素ガスが約960torrの圧力に炉内に導入され、約1時間保持された。形成後に、酸素が低減したニオブ酸化物粉末が、表3に示す特性について試験された。異なるメッシュサイズでふるいわけされた、焼成され、酸素が低減したニオブ酸化物の細孔分布および累積細孔容積は図5および図6に示される。表3ならびに図5および6で実施された試験に加えて、粒状化物は高度の強度を有することが観察された。熱処理された粒状化物は、超音波プローブの音波処理をして、または無しに、粒径測定に供された。2分間の音波処理ありと無しのD50値比が測定され、図7にプロットされた。図7に示すように、粒状化された試料は2以下の比を有し、粒状化物強度は粒状化物径と独立していた。
Figure 0004773355
例4
本発明の態様により、BET表面積3.9m2/gを有するニオブ水素化物粉末(140g)とBET表面積3.9m2/gを有する原料ニオブ酸化物、すなわち五酸化ニオブ(91.5g)が一緒に混合され、粉末混合物を形成した。ついで、粉末混合物は3/16インチNb媒体を用いて2時間、水中でアトライター粉砕(共粉砕)された。粉末スラリーは、120℃で乾燥され、乾燥粉末を50メッシュふるいにかけ粒状化された。さらに、粉末は70メッシュおよび100メッシュでふるいわけされ、適切なふるいを通過した試料が捕集された。ついで、粒状粉末混合物は真空熱処理炉に入れられ、約1400℃で約2時間、加熱された。ついで、温度は約850℃に昇温され、水素ガスが約960torrの圧力に炉内に導入され、約1時間保持された。形成後に、酸素が低減したニオブ酸化物粉末が、表4に示す特性について試験された。
Figure 0004773355
例5
例4の試料がさらに2つの異なる温度で焼成され、表5に示す特性について試験された。
Figure 0004773355
例6
本発明の態様により、BET表面積3.9m2/gを有するニオブ水素化物粉末(20g)とBET表面積3.9m2/gを有する原料ニオブ酸化物、すなわち五酸化ニオブ(16.1g)が一緒に混合され、粉末混合物を形成した。ついで、粉末混合物は3/16インチ(約0.48cm)Nb媒体を用いて2時間、水中でアトライター粉砕(共粉砕)された。粉末スラリーは、120℃で乾燥され、乾燥粉末を100メッシュふるいにかけ粒状化された。ついで、粒状粉末混合物は真空熱処理炉に入れられ、約1400℃で約2時間、加熱された。ついで、温度は約850℃に昇温され、水素ガスが約960torrの圧力に炉内に導入され、約1時間保持された。形成後に、酸素が低減したニオブ酸化物が、表6に示す特性について試験された。さらに水素化ニオブおよび五酸化ニオブの試料ロットがアトライター粉砕工程なしに上述のように混合された。粉末混合物は上述のように粒状化され、1100℃で熱処理され、ついで水素中で反応された。このように形成された、酸素が低減したニオブ酸化物は同様に試験され、その結果は表6に示される。2.8/ccでプレスされ焼成され、酸素が低減したニオブ酸化物の細孔分布および累積細孔容積は図8および図9に示される。
Figure 0004773355
例7
五酸化ニオブの4つの試料が別々のるつぼ内に置かれ、真空熱処理炉に入れられた。炉は1torr(約1.33×10 Pa)の圧力が真空に排気された。アルゴンが炉内に導入された(0.11torr)(約1.46×10 Pa)。炉内温度は1450℃まで昇温され、60分間保持された。この時点で、アルゴンが炉内に再び導入され、そして炉は50℃の温度まで冷却された。熱処理された試料は、ついで大気まで炉内圧力の増加により空気で不動態化された。
凝集化された五酸化ニオブの試料がアトライター粉砕を用いて解凝集された。凝集されたNb25100gが1Lの水と混合され、3/16インチ(約0.48cm)媒体が添加されスラリーを形成した。スラリーは20,30および10分間の別々の操作で粉砕され、それぞれは350rpmで粉砕が実施された。4つの10分間の350rpmで実施された。4つの10分間の付加的粉砕が350rpmで実施された。3/16インチ(約0.48cm)の媒体がスラリーから除去され、1/16インチ(約0.16cm)の媒体が添加された。ついで、数個の20分間粉砕が200rpmの粉砕でなされた。
図10および11は走査型電子顕微鏡(SEM)の使用により得られた顕微鏡写真であり、それぞれ500倍および2000倍で取られた本発明の五酸化ニオブ粒子を示す。図12は本発明により製造された種々のニオブ亜酸化物アノードのポロシメーターの比較である。
例8
本発明の態様により、ニオブ供給原料は−40メッシュにふるいわけされた、精製、破砕ニオブ水素化物であった。その供給原料は所望サイズの粉砕物を得るためにアトライター粉砕機で粉砕された。粉砕機自体はNbで内張りされ、Nbアームで装備されて混入物を最小とした。粉砕は3/16インチNbボールを撹拌し、ついで40メッシュNb粉末を添加してスラリーを形成することにより行なわれた。粉砕は45rpmで3〜6時間、実施され、第1粉砕されたニオブ粉末のサイズを3〜4μmに小さくし、BET表面積約1.5m2/g、および酸素含有量約10,000ppmであった。
この実施例で調製された第1粉砕金属ニオブは粉砕機から取り出され、ふるいを用いて3/16インチ粉砕媒体から分離された。1/16インチ(約0.16cm)Nb媒体が粉砕機内に置かれ、そしてスラリーは粉砕機にもどされた。ついで粉砕機は比較的小さい媒体で450rpmで、さらに4〜8時間、操作され、粒径2〜3μm, BET表面積約1.5m2/g、BET表面積約2.6m2/g、および酸素含有量約20,000ppmの表面不動態化二オブ粉末を得た。
調製された第1粉砕金属ニオブは粉砕機から取り出され、ふるいを用いて3/16インチ(約0.48cm)粉砕媒体から分離された。1/16インチ(約0.16cm)Nb媒体が粉砕機内に置かれ、そしてスラリーは粉砕機にもどされた。ついで粉砕機約450rpmで、さらに15〜24時間、操作され、粒径1〜2μm, BET表面積約4.0m2/g、および酸素含有量約27,000ppmの表面不動態化にオブ粉末を得た。
得られたニオブ粉末の粒径分布が、それぞれ粗粉砕、微細粉砕、および超微細粉砕として図13に示される。結果はさらに表7に示される。
Figure 0004773355
粉砕されたスラリーはデカンテーションにより過剰の水を除去し、100℃の真空炉に入れて乾燥した。粉末は乾燥した後に、球状粒状化物を製造するために20メッシュふるいでふるいわけされた。40メッシュふるいを用いた、さらなるふるい分け工程が425μm未満のサイズである粒状化物を調製するために用いられた。ついで粒状化物を調製するために用いられた。ついで粒状化物は真空熱処理炉に入れられ、真空下に600〜1000℃および/またはこれらの熱処理温度の組合わせ、に加熱された。熱処理された粉末はASTMB213で300mg/sより大きい流動値を有していた。熱処理された粒状化粉末はついでプレスされ、1125℃で焼成された。40Vで形成後、Nb試料(微細および超微細)は表8に示される試験のために試験された。
Figure 0004773355
例9
この例において、例8が、表9に示されることを除き、また粉砕の余分な段階がいくつかの試料について行なわれたことを除いて、繰り返された。このように、この例では第1段粉砕は2段の粉砕および3段の粉砕と比較され、そこでは第2および第3段階は表9に示されるように変動した粉砕時間を有していた。得られるニオブ水素化物の種々の物性パラメータも表9に示される。
Figure 0004773355
図15は1/32インチ媒体についての粉砕時間に対するBET表面積の比較を示す。供給原料の種々の意味は表9に示される。加えて、図14は例9により粉砕された種々の粉末についての粒径分布を示す。例に示されるように、粉砕された粉末は変動する酸素含有量を有していた。これらの例において、すべての粉末は不動態化された粉末に関していくつかのレベルの酸素を有していた。したがって粉砕された粉末は表面に五酸化二オブの薄いシェル(たとえば8mm厚さ)をもつニオブ水素化物であった。加熱により水素を除去した後でさえ、たとえば五酸化二オブシェルをもつ金属ニオブがなお存在する。
他の本発明の態様は、本発明の明細書を考慮し、さらにはここに開示された本発明の実施から、当業者に明らかであろう。本発明の詳細な説明および例は典型的なものであるにすぎず、本発明の真の範囲および精神は請求項およびその均等物に示されるとおりである。
プレス成形、焼成された酸素が低減した種々のニオブ酸化物粉末の細孔分布のグラフ。 プレス成形、焼成された、酸素が低減した種々のニオブ酸化物粉末の累積細孔容積のグラフ。 プレス成形、焼成された、酸素が低減した種々のニオブ酸化物粉末の細孔分布および累積細孔容積のグラフ。 プレス成形、焼成された、酸素が低減した種々のニオブ酸化物粉末の細孔分布および累積細孔容積のグラフ。 プレス成形、焼成された、酸素が低減した種々のニオブ酸化物粉末の細孔分布および累積細孔容積のグラフ。 プレス成形、焼成された、酸素が低減した種々のニオブ酸化物粉末の細孔分布および累積細孔容積のグラフ。 種々のメッシュのふるいサイズで、酸素が低減した種々のニオブ酸化物粉末の粒状物強度を示すグラフ。 プレス成形、焼成された、酸素が低減した種々のニオブ酸化物粉末の細孔分布および累積細孔容積のグラフ。 プレス成形、焼成された、酸素が低減した種々のニオブ酸化物粉末の細孔分布および累積細孔容積のグラフ。 本発明の凝集五酸化二オブ粒子のSEM写真(500倍)。 本発明の凝集五酸化二オブ粒子のSEM写真(2000倍)。 本発明により製造されたニオブ亜酸化物アノードのポロシメータによるグラフ。 1段粉砕ならびに異なる粉砕時間での2もしくは3段粉砕に対する粒径分布のグラフ。 1段粉砕ならびに異なる粉砕時間での2もしくは3段粉砕に対する粒径分布のグラフ。 NbH粉末について、BET表面積対粉砕時間(1/32インチ媒体)のグラフ。

Claims (12)

  1. 酸素が低減したニオブ酸化物粒状化物であって、プレスされ焼成された後に、0.1〜0μmの多峰細孔分布を有する、酸素が低減したニオブ酸化物から形成され、かつ、次の特性a)〜i)を有する、酸素が低減したニオブ酸化物粒状化物:
    a) 酸素が低減したニオブ酸化物粒状化物が、1〜8m2/gのBET表面積を有する;
    b) 30VのVで電解キャパシターアノードに形成され、1380℃で10分間焼成されたときに、該酸素が低減したニオブ酸化物が40,000〜300,000のCV/gのキャパシタンス、ならびに0.5nA/CV未満のDC 漏れを有する;
    c) 該酸素が低減したニオブ酸化物が少なくとも300mg/sの流動性を有する;
    d) 該粒状化物が30〜1,000μmのD50サイズを有する;
    e) 該粒状化物が0.1〜5μmの一次粒径を有する;
    f) 該粒状化物が、プレスされた後に、0.1〜0.25mL/gの細孔容積を有する;
    g) 該粒状化物が、2.8g/ccでプレスされ、1380℃で10分間、焼成された後に、0.1〜10%の径収縮を有する;
    h) 該粒状化物が、2.4〜3.5g/ccの加圧成形性を有する;ならびに
    i) 該粒状化物が、100ppm未満のFe/Ni/Crの合計量を有する。
  2. 酸素が低減したニオブ酸化物が、次の特性の少くとも1つを有するニオブ亜酸化物である請求項1に記載の酸素が低減したニオブ酸化物粒状化物;
    a) 粉末のBET表面積(「BET」):1.42.52/g
    b) 粉末のスコット密度(「スコット」):1928g/in3
    c) キャパシタンス(10Vb)(「CV/g」):69,000〜83,000μFV/g
    d) CV/g×BET×スコット:1.12×1011−3.55×1011CV/(m*g)
    e) CV/g×1/BET×スコット:3.2×1010−10.1×1010(CV*g)/m5
    f) CV/g×1/BET×1/スコット:1.62×10-2−5.11×10-2(CV*m)/g
    g) CV/g×1/BET:33,000−57,000CV/m2
    h) CV/g×スコット:1.10×106−2.20×106CV/in3
    ここで、該ニオブ亜酸化物は少くとも特性a) 〜c) およびd) 〜h) の少なくとも1つを有する。
  3. 酸素が低減したニオブ酸化物がニオブ亜酸化物であって、少なくとも35 lbsの焼成破砕強度を有し、D50(NU)/D50(120S-U)比で測定して、1.03.5の粒状化物強度を有する請求項1に記載の酸素が低減したニオブ酸化物粒状化物。
  4. 酸素が低減したニオブ酸化物がニオブ亜酸化物であって、0.4mL/g〜0.75mL/gの調節しうる対数微分圧入ピーク高さを持つ細孔分布を有する請求項1に記載の酸素が低減したニオブ酸化物粒状化物。
  5. 酸素が低減したニオブ酸化物がニオブ亜酸化物であって、プレスされ焼成されたときに、0.4μmで1峰の対数微分圧入ピークを持つ細孔分布を有し、該ピークは0.1mL/gで0.2〜0.6μmの幅を有し、該ピークは0.5mL/gより大きい高さを有する、請求項1に記載の酸素が低減したニオブ酸化物粒状化物。
  6. 酸素が低減したニオブ酸化物がニオブ亜酸化物であって、プレスされ焼成されたときに、0.5〜0.8μmに位置される、1峰の対数微分圧入ピークを持つ細孔分布を有し、該ピークは0.1mL/gで0.3〜1.1μmの幅を有し、該ピークは0.6mL/gより大きい高さを有する、請求項1に記載の酸素が低減したニオブ酸化物粒状化物。
  7. 酸素が低減したニオブ酸化物がニオブ亜酸化物であって、プレスされ焼成されたときに、1峰の対数微分圧入ピークが存在し、ピークは0.3μm以下〜10μm以上に延びるショルダーを有し、そのショルダーの高さは0.1mL/g未満である細孔分布を有する請求項1に記載の酸素が低減したニオブ酸化物粒状化物。
  8. 酸素が低減したニオブ酸化物がニオブ亜酸化物であって、プレスされ焼成されたときに、1峰の対数微分圧入ピークが存在し、ピークは0.3μm以下〜10μm以上に延びるショルダーを有し、そのショルダーの高さは0.1mL/g未満である細孔分布を有するプレスされ焼成されたときに、1μmと10μmの間に累積容積比を有するショルダーを含み、該比が1〜7.5であるような細孔分布を有する請求項1に記載の酸素が低減したニオブ酸化物粒状化物。
  9. 酸素が低減したニオブ酸化物がニオブ亜酸化物であって、プレスされ焼成されたときに、1μmを超えて4〜13%の全多孔度を有するショルダーを含む細孔分布を有する、請求項1に記載の酸素が低減したニオブ酸化物粒状化物。
  10. 酸素が低減したニオブ酸化物がニオブ亜酸化物であって、プレスされ焼成されたときに、1〜4%の全多孔度および10μm未満の細孔を有するショルダーを含む細孔分布を有する、請求項1に記載の酸素が低減したニオブ酸化物粒状化物。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の粒状化物を含むキャパシターアノード。
  12. ニオブ粉末および原料ニオブ酸化物を一緒に混合して粉末混合物を形成すること;
    該粉末混合物を真空もしくは不活性条件下で熱処理し、熱処理された粉末を形成すること;ならびに
    該熱処理された粉末を、該原料ニオブ酸化物から該ニオブ粉末への酸素原子移動を可能にする雰囲気で反応させ、該反応は酸素が低減したニオブ酸化物を形成するのに十分な温度と時間で行われること、を含み、
    該ニオブ粉末は0.1〜5μmの一次粒径を有し、そして該ニオブ粉末は1〜15m2/gのBET表面積を有する、
    酸素が低減したニオブ酸化物粒状化物を形成するためにニオブ酸化物を少なくとも部分的に還元する請求項1〜10のいずれか1項に記載の粒状化物を製造する方法。
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