JP4748621B2 - 磁気テープの巻き取り方法 - Google Patents

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本発明は、磁気テープの巻き取り方法に関する。
本発明に係る磁気テープの巻き取り方法は、低張力条件(張力0.02〜0.49N/cm)下で、磁気テープの幅方向の一側に前記非磁性支持体のガラス転移温度よりも高い温度を付与することにより、半永久的な熱収縮を生じさせて、磁気テープにカーバチャを付与したのちに、該磁気テープをハブに巻き取って、所謂パンケーキと称されるロール体とするものであるが、磁気テープに対して上記のような熱収縮処理を施すこと自体は、本出願人による特許文献1に記載されていて公知である。また、本発明では、テープリールへの巻き取る作業を、熱収縮を生じた幅方向の一側をフランジに押し付けながら行うが、このことも特許文献1に記載されていて公知である。なお、ここでカーバチャとは、磁気テープの湾曲の度合いを示すもので、水平で平らな平面上に磁気テープを自然に平らに置いたときのテープエッジの両端を結ぶ基準線からテープエッジまでの最大距離をいう(磁気メディア技術マニュアルNo.6「磁気メデイアの特性・性能」1993年3月 社団法人 日本磁気メディア工業会 刊 P.23 参照)。
特開2004−158070号公報
特許文献1のように、熱収縮処理により磁気テープに半永久的な熱収縮を生じさせたのち、該熱収縮を生じた幅方向の一側をフランジに押し付けながら、該磁気テープをテープリールで巻き取るようにしてあると、磁気テープの整巻き性を良好に確保できるので、エラーレートの低減化に貢献できる。つまり、磁気テープに所定のカーバチャ量を与えてあると、データの読み取りや書き込みなどのテープ走行時におけるテープリールによる巻き取り動作時に、所謂テープの一層飛び出しなどの巻き乱れが生じ難く、したがって、テープの幅方向のエッジ部の損傷に由来するエラーレートの増加を効果的に抑えることができる。
上記特許文献1の問題は、上記のような熱収縮処理を行った場合でも、その後の保存用のロール体を作製する際の巻き取り張力が大きすぎると、当該巻き取り張力に由来する残留応力によって、熱収縮させた部分が伸びてしまい、所定のカーバチャ量を確実に与えることが困難なことにある。すなわち、上記特許文献1には、磁気テープにカーバチャを付与する際の熱収縮条件(温度、張力)については開示されているが、その後の保存用のロール体とするときの巻き取り条件については一切開示されていない。このため、通常の巻き取り条件(張力:0.7〜2.0N/cm)でロール体を作製すると、当該巻き取り張力に由来する残留応力により、熱収縮させた部分が伸びて、ロール体の各巻き位置部分でカーバチャ量のばらつきが生じやすく、その結果該ロール体から磁気テープを切り出してテープリールに巻き取ってテープカートリッジのような最終製品形態とすると、ロール体の巻き位置によっては整巻き効果が良好に得られず、エラーレートが増加することが避けられない。特に、ロール体の外周部分に係るカーバチャ量が、残留応力の影響を受けて減じやすく、当該外周部位から切り出された磁気テープの整巻き効果が損なわれやすい。このことは、磁気テープの歩留まり、および信頼性が低下することを意味する。
本発明の目的は、ロール体の全域にわたって、磁気テープの整巻き効果が損なわれることがなく、したがって、磁気テープの歩留まりと信頼性の向上に貢献できる、新規な磁気テープの巻き取り方法を提供することを目的とする。
本発明は、非磁性支持体と、該非磁性支持体の一方の面に設けられた磁性層と、該非磁性支持体の他方の面に設けられたバック層とを有する磁気テープを、フランジを有するテープリールに巻き取る方法を対象とする。この巻き取り方法は、0.02〜0.49N/cmの張力条件下で、該磁気テープの幅方向の一側に前記非磁性支持体のガラス転移温度よりも高い温度を付与することにより、該幅方向の一側に半永久的な熱収縮を生じさせて、該磁気テープにカーバチャを付与する熱収縮工程と、磁気テープをハブの外周面に巻き取ってロール体とするハブ巻き工程と、前記ロール体から、前記熱収縮を生じた幅方向の一側を前記フランジに押し付けながら、前記磁気テープをテープリールに巻き取る整巻き工程とを含む。そして、前記ハブ巻き工程において、巻き取り後のロール体の最外周に、該ハブ巻き工程の際に加えられた張力以上の締め付け力を与えるようにしてあることを特徴とする。かかる締め付け力の付与は、0.49N/cm以下の張力条件でハブ巻きされたロール体に対して行うことがより好ましい。
前記ハブ巻き工程の際に加えられる前記締め付け力を、1.0N/cm以上とする。
発明のごとく、ハブ巻き工程において、巻き取り後のロール体の最外周に、該ハブ巻き工程の際に加えられた張力以上の締め付け力を与えてから保存を行うようにしてあると、巻き取り張力に起因する残留応力をキャンセルできるので、残留応力によって、熱収縮させた部分が伸ばされて、カーバチャ量が減ずることを効果的に防ぐことができる。これにて、ロール体の全域にわたって均一なカーバチャ量を付与でき、ロール体の全域から切り出された磁気テープに対して、巻き乱れのない整巻き効果を良好に確保できる。
締め付け力がこの範囲であるのが好ましいのは、締め付け力が巻き取り張力未満であると、テープの巻き取り張力による残留応力をキャンセルすることができず、熱収縮させた部分が延びてしまい、所定のカーバチャが得られず整巻き効果が低下するからである。締め付け力が巻き取り張力以上であると、カーバチャの低減がなく整巻き効果が得られて好ましいが、締め付け力が過大に大きくなると巻きシワが入ったり外周部が変形したりする場合があるため、通常5N/cm以下であることが好ましい。
巻き取り後の巻回体の最外周に締め付け力を加える方法としては、巻き取りの最後に磁気テープとは別の厚手の丈夫なフィルムを前記の範囲の張力で巻きつける方法、前記の範囲の張力が発生するように設計されたゴムなどのベルトをかぶせる方法、前記ロール体の外周形状と同様の形状に仕上げられた2ピース以上の締め付け可能なベルト治具で締め付けるなど、従来公知の締め付け方法を用いることができる。
磁気テープのカーバチャ量は、1.0mm以上あるとカートリッジリールに巻き取った時、整巻き効果が発現するので、カーバチャ量は1.0mm以上に設定することが好ましい(図3参照)。カーバチャ量が2.5mmを越えるとカートリッジリールへの当たりが強くなり過ぎて、エッジが損傷したり却って整巻き性が悪くなったりしてエラーレートが悪くなる。以上のことから、磁気テープのカーバチャは1.0〜2.5mmが好ましく、1.3〜2.2mmがより好ましく、1.5〜2.0mmが最も好ましい。
本発明の巻き取り方法は、あらゆる厚さ寸法の磁気テープに用いることができるが、整巻き状態でないと飛び出したエッジが折れやすく、エラーレートの上昇の原因になる、比較的薄手(全厚さ10μm以下)のテープに対して特に好適に採用できる。
本発明の巻き取り方法を適用できる磁気テープとしては、非磁性支持体材料としてポリエチレンテレフタレートフイルム(Tg=70℃),ポリエチレンナフタレートフィルム(Tg=113℃),芳香族ポリアミドフイルム(Tg=280℃),芳香族ポリイミドフィルム(Tg>400℃)等を用いたものがあるが、加熱収縮が比較的容易に行えるポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートを用いた磁気テープに、特に良好に適用できる。
巻き取り張力と、ロール体の各位置でのカーバチャとの関係を示す図 巻き取り張力に対する、締め付け張力とロール体の各位置でのカーバチャとの関係を示す図 カーバチャと走行後のリードエラーレートとの関係を示す図
以下の実施例によって本発明を詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下において実施例、比較例の部は重量部を示す。
(実施例1)
《下塗塗料成分》
(1)
・針状酸化鉄(粒径:100nm) 68部
・粒状アルミナ粉末(粒径:80nm) 8部
・カーボンブラック(平均粒径:25nm) 24部
・ステアリン酸 2.0部
・塩化ビニル−ヒドロキシプロピルアクリレート共重合体共重合体 8.8部
(含有−SO3 Na基:0.7×10-4当量/g)
・ポリエステルポリウレタン樹脂 4.4部
(Tg:40℃、含有−SO3 Na基:1×10-4当量/g)
・シクロヘキサノン 25部
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 10部
(2)
・ステアリン酸ブチル 1部
・シクロヘキサノン 70部
・メチルエチルケトン 50部
・トルエン 20部
(3)
・ポリイソシアネート 2.5部
・シクロヘキサノン 10部
・メチルエチルケトン 15部
・トルエン 10部
《磁性塗料成分》
(1)混練工程
・強磁性鉄系金属磁性粉 100部
(Co/Fe:20at%、
Al/(Fe+Co):4.7wt%、
Y/(Fe+Co):2.3at%、
σs:138Am2 /kg(138emu/g)、
Hc:150kA/m(1885Oe)、
平均粒子径:100nm)
・塩化ビニル−ヒドロキシプロピルアクリレート共重合体 14部
(含有−SO3 Na基:0.7×10-4当量/g)
・ポリエステルポリウレタン樹脂(PU) 5部
(含有−SO3 Na基:0.7×10-4当量/g)
・板状アルミナ(平均粒径:50nm) 10部
・板状ITO(平均粒径:40nm) 5部
・メチルアシッドホスフェート(MAP) 2部
・テトラヒドロフラン(THF) 20部
・メチルエチルケトン/シクロヘキサノン(MEK/A) 9部
(2)希釈工程
・パルミチン酸アミド(PA) 1.5部
・ステアリン酸n−ブチル(SB) 1部
・メチルエチルケトン/シクロヘキサノン(MEK/A) 350部
(3)配合工程
・ポリイソシアネート 1.5部
・メチルエチルケトン/シクロヘキサノン(MEK/A) 29部
上記の下塗塗料成分において(1)を回分式ニーダで混練したのち、(2)を加えて攪拌の後サンドミルで滞留時間を60分として分散処理を行い、これに(3)を加え攪拌・濾過した後、下塗層用塗料とした。
これとは別に、上記の磁性塗料の成分において(1)混練工程成分を予め高速混合しておき、その混合粉末を連続式2軸混練機で混練し、さらに(2)希釈工程成分を加え連続式2軸混練機で少なくとも2段階以上に分けて希釈を行い、サンドミルで滞留時間を45分として分散し、これに(3)配合工程成分を加え攪拌・濾過後、磁性塗料とした。
上記の下塗塗料を、ポリエチレンテレフタレートフイルム(厚さ6.0μm、MD=7.2GPa、MD/TD=0.62、商品名:ルミラー、東レ社製)からなる非磁性支持体(ベースフィルム)上に、乾燥、カレンダ後の厚さが2.0μmとなるように塗布し、この下塗層上に、さらに上記の磁性塗料を磁場配向処理、乾燥、カレンダ処理後の磁性層の厚さが0.25μmとなるようにウエット・オン・ウエットで塗布し、磁場配向処理後、ドライヤおよび遠赤外線を用いて乾燥し、磁気シートを得た。なお、磁場配向処理は、ドライヤ前にN−N対抗磁石(5kG)を設置し、ドライヤ内で塗膜の指蝕乾燥位置の手前側75cmからN−N対抗磁石(5kG)を2基50cm間隔で設置して行った。塗布速度は100m/分とした。
《バックコート層用塗料成分》
・カーボンブラック(粒径:25nm) 80部
・カーボンブラック(粒径:0.35μm) 10部
・粒状酸化鉄(粒径:50nm) 10部
・ニトロセルロース 45部
・ポリウレタン樹脂(SO3 Na基含有) 30部
・シクロヘキサノン 260部
・トルエン 260部
・メチルエチルケトン 525部
上記バックコート層用塗料成分をサンドミルで滞留時間45分として分散した後、ポリイソシアネート15部を加えてバックコート層用塗料を調整し濾過後、上記で作製した磁気シートの磁性層の反対面に、乾燥、カレンダ後の厚みが0.5μmとなるように塗布し、乾燥した。
このようにして得られた磁気シートを金属ロールからなる7段カレンダで、温度100℃、線圧196kN/mの条件で鏡面化処理した。1/2インチ幅に裁断し、これを200m/分で走行させながら磁性層表面をラッピングテープ研磨、ブレード研磨そして表面拭き取りの後処理を行い、長さ9000mの磁気テープロール体を作製した。この時、ラッピングテープにはK10000、ブレードには超硬刃、表面拭き取りには東レ社製トレシー(商品名)を用い、走行張力0.12N/cmで処理を行った。
この磁気テープロール体を、張力0.08N/cmで10m/sで走行させながらバックコート層側から、集光用リフレクターを有する出力350Wハロゲン光源を用いてスポット径を10φに絞り、片方のエッジ部が照射スポットの中心になるように照射し、熱収縮処理を行った。この時の、照射スポットの中心部の磁気テープ表面の温度をファイバー型赤外放射温度計(FTZ6型 ジャパンセンサー社製)で測定したところ95℃であった。その後、バックコート層にレーザスポットによりサーボ信号を書き込み、0.20N/cmの張力にてハブに巻き取った(ハブ巻き工程)。巻き取り後のロール体を室温にて24時間放置した。試料磁気テープロール体の外周部から所定長のテープをテープリールに巻き取ったのち(整巻き工程)、これをカートリッジケースに組み込んでコンピュータデータのバックアップ用のテープカートリッジを作製した。
(実施例2)
熱処理後の巻き取り張力を、巻き始めは0.20N/cm、巻き終わりは0.04N/cmとなるように連続的に変化させてハブ巻きを行った以外は、実施例1と同様にして、ロール体とテープカートリッジを作製した。
(実施例3)
磁気テープを巻き取った上にさらに、同幅で厚さ32μmのポリエチレンテレフタレートフイルムを0.5N/cmの張力にて100m巻き付けて、巻き取り後のロール体を室温にて24時間放置した以外は、実施例1と同様にして、ロール体とテープカートリッジを作製した。
(比較例1)
熱処理後の巻き取り張力を0.50N/cmにして巻き取り(ハブ巻き)を行った以外は、実施例1と同様にして、ロール体とテープカートリッジを作製した。
(比較例2)
熱処理後の巻き取り張力を1.0N/cmにして巻き取りを行い(ハブ巻き)、さらに同幅で厚さ32μmのポリエチレンテレフタレートフイルムを0.80N/cmの張力にて100m巻き付けて、巻き取り後のロール体を室温にて24時間放置した以外は、実施例1と同様にして、ロール体とテープカートリッジを作製した。
評価の方法は、以下のように行った。
(カーバチャ量)
試料磁気テープのロール体の巻き始めからの各m位置から切り出した、1mの長さの磁気テープを水平面上にそのバックコート層表面が接触するように置き、テープエッジの両端を結ぶ直線を基準線とし、この基準線からテープエッジまでの最大距離(mm)を測定した。この操作をロール体の各特定の位置から切り出した10個のサンプルについて行い、その平均値をカーバチャ量とした。
(整巻き性)
テープリールに巻き取られたテープの状態を目視で観察し、テープ巻き面がほとんど平面で一層飛び出しもない状態を○、巻き面が一部巻き乱れ(平面でない)ているか、または一層飛び出しがある状態を△、巻き面が全体的に巻き乱れている状態を×で表した。初回と300時間連続走行後に測定した。
(エラーレート)
カンタム社製DLT7000ドライブを使用して、室温環境下で全長かつ全トラックを300時間連続で走行させ、ドライブが出力するエラー情報をRS−232Cインターフェース経由で読み取り、記録容量1MB当たりのエラー数として評価した。試験結果を表1に示す。
Figure 0004748621
表1から明らかなように、エッジの片側に加熱処理を行い、半永久的な収縮を施し、さらに本発明の条件で巻き取りを行い、もしくは巻き取り後に、巻き取り張力以上の張力で締め付ける工程を設けている実施例1〜3に係るコンピュータテープは、ロール体の比較的外周付近であっても、適度なカーバチャを有しているので、整巻き性が良好で、また、半永久的なカーバチャを持たせているので走行後の整巻き性も良好である。また、カーバチャをより好ましい範囲に設定すると走行後のエラーレートも小さい。一方、従来技術を用いた比較例1および、本発明の範囲を逸脱する比較例2に係るコンピュータテープは好ましいカーバチャの範囲から外れているので、整巻き性が悪くエラーレートが増加することがわかる。
次に、図1から図3を用いて、本発明の各種数値の臨界的意義等を明らかにする。まず、図1に、巻き取り張力とロール体の各位置でのカーバチャとの関係を示す。ここでは実施例1を基本形態として、巻き取り張力を変化させた。
図1から明らかなように、ハブ巻き時の巻き取り張力が0.49N/cm以下では、ロール体の外周付近まで、テープのカーバチャ量が1cm以上あり、良好な整巻き性が得られる。巻き取り張力が0.49N/cmを越えるとロール体の外周付近のカーバチャが1cm以下となり整巻き効果が不十分となることがわかる。なお、通常の巻き取り張力範囲である1N/cmで巻き取った場合には、十分な整巻き効果が得られるカーバチャ量(1cm以上)を有するロール体の領域が、内周の半分以下になってしまい、不適である。
なお、図1の傾向から巻き取り張力は小さければ小さいほどロール体の外周部のカーバチャ量の低減が小さく好ましいことがわかるが、巻き取り張力が小さすぎると安定して長尺のロール体が巻き取ることが困難になるため、本実験では巻き取り張力の下限値は0.04N/cmに設定した。
図2に巻き取り張力に対する、締め付け張力とロール体の各位置でのカーバチャとの関係を示す。ここでは比較例2を基本形態として締め付け張力を変化させた。図2から明らかなように、締め付け張力が、巻き取り張力に相当する1.0N/cm未満ではロール体の外周付近のカーバチャが1cm以下となり整巻き効果が不十分となる。締め付け張力が、巻き取り張力に相当する1.0N/cm以上になると、ロール体の外周付近でもテープのカーバチャが1cm以上となり、十分な整巻き効果を得ることができる。
図3にカーバチャと走行後のリードエラーレートとの関係を示す。ここではカーバチャの異なる種々の磁気テープを走行させて、各々の磁気テープのリードエラーレートを測定した。その結果、図3から明らかなように、カーバチャが1cm以下になると、整巻き効果が低下してエッジダメージが大きくなり、その結果、エラーレートが増加することが確認できた。
本発明に係る実施例においては、熱収縮工程後のハブ巻き工程において、0.49N/cm以下の低張力条件下で巻き取りを行うようにしたので、ロール体形態での保存時において磁気テープに作用する巻き取り張力に由来する残留応力を可及的に小さくできる。これにて、特にロール体の外周部分に係る磁気テープでは不可避であった、残留応力によって、熱収縮させた部分が伸ばされて、カーバチャ量が減ずることを効果的に防ぐことができるので、ロール体の全域にわたって均一なカーバチャ量を付与でき、しかるにロール体の全域から切り出された磁気テープに対して、巻き乱れのない整巻き効果を良好に確保できる。以上より、ロール体から廃棄される磁気テープ量を少なくできるので、磁気テープの歩留まりの向上を図ることができる。また、巻き乱れにより磁気テープの幅方向のエッジ部が損傷することに起因するエラーレートの増加を効果的に抑えることができるので、磁気テープの信頼性向上を図ることができる。
ハブ巻き工程における張力条件を0.49N/cm以下としたのは、0.49N/cmを超えると、残留応力によって、熱収縮させた部分が伸ばされて、所定のカーバチャ量が得られず、ロール体の全域にわたる磁気テープの整巻き効果が良好に得られないことによる。また、本発明の趣旨からは、巻き取り張力は小さければ小さいほど好ましいが、あまり小さすぎるとハブに磁気テープがうまく巻回できなかったり、巻き取り速度が遅くなったりするため、0.02N/cm以上が好ましい。このように低張力でハブに巻き取るためには、巻き取り張力を上記の範囲内でコントロールしたり(例えば、巻き始めの張力を大きく設定し、巻きが大きくなるにつれて張力が小さくなるような設定にする)、エンドレスベルトを押し当てながら巻き取るなど、従来公知の低張力に対応した巻き取り方法を採用することができる。

Claims (2)

  1. 非磁性支持体と、該非磁性支持体の一方の面に設けられた磁性層と、該非磁性支持体の他方の面に設けられたバック層とを有する磁気テープを、フランジを有するテープリールに巻き取る方法であって、
    0.02〜0.49N/cmの張力条件下で、該磁気テープの幅方向の一側に前記非磁性支持体のガラス転移温度よりも高い温度を付与することにより、該幅方向の一側に半永久的な熱収縮を生じさせて、該磁気テープにカーバチャを付与する熱収縮工程と、
    磁気テープをハブの外周面に巻き取ってロール体とするハブ巻き工程と、
    前記ロール体から、前記熱収縮を生じた幅方向の一側を前記フランジに押し付けながら、前記磁気テープをテープリールに巻き取る整巻き工程とを含み、
    前記ハブ巻き工程において、巻き取り後のロール体の最外周に、該ハブ巻き工程の際に加えられた張力以上の締め付け力を与えるようにしてあることを特徴とする磁気テープの巻き取り方法。
  2. 前記ハブ巻き工程の際に加えられる前記締め付け力が、1.0N/cm以上である請求項1に記載の磁気テープの巻き取り方法。
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