JP4153287B2 - 磁気テープおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気テープ巻き位置制御方法に関する。詳しくは磁気テープの整巻き性の向上と繰り返し走行後も巻き乱れの少ない磁気テープおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術における製品化されている磁気テープは、非磁性支持体上に磁性層やバック層等を塗布し、乾燥工程、カレンダ工程等を経た、所謂ジャンボロールから送り出された幅の広い磁気シートをスリッターにて裁断し、この裁断した磁気テープを巻回したパンケーキから所定の長さ分の磁気テープをリールハブに巻き付けて作成される。このパンケーキから所定長さの磁気テープを磁気カートリッジに組み込むリールハブに巻き付けるには専用の装置、即ち、磁気テープ巻き取り機(ワインダーという)を使用する。この時、テープをリールフランジの片側に寄せて巻き面が平らになるように巻く(整巻きする)ことが重要である。これは外観上の問題もさることながら、輸送時のテープのエッジ折れ防止、繰り返し走行時の低エラーレートの確保の点で非常に重要である。
【0003】
このため、従来よりリールに整巻きするためにさまざまな工夫がなされている。例えば、▲1▼磁気テープを巻き込む部分にローラを当てながら巻回する手法であるタッチロール方式、▲2▼磁気テープを巻き込む部分にベルトを当てながら巻回する手法であるタッチベルト方式、▲3▼磁気テープを巻き込むリールハブの部分にエアを噴射させながら巻回する手法であるエアジエット方式、▲4▼巻き込む磁気テープを一定方向に磁化させて巻回する手法であるマグネット方式、▲5▼テーパ状のガイドローラによって巻き込む方向を一定方向に偏りさせながら巻回する手法であるテーパーガイドローラー方式などの方法が一般に用いられている。しかし、これらの方法は、いずれも巻き位置制御方法としては充分ではなく、いくつかの方式を組み合わせることで制御している。これに対して、磁気テープの巻き取り時に幅方向に温度差を付与し、温度の低い方に偏らせて整巻きを行うようにする方法(特許文献1)が提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−40337号公報(第2頁−3頁、第2図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記で説明した従来技術の▲1▼〜▲5▼に示した各種の方法や、特許文献1の方法はいずれもパンケーキからリールハブに巻き取る時の巻き位置制御方法であり、このようにして整巻きされたとしても、ドライブで走行させると、整巻き効果が失われ、1層の飛び出しや巻き乱れが発生してしまう欠点があった。
【0006】
本発明は、上記従来技術の欠点を解決するためになされたものであり、ドライブで走行させても整巻き性が失われない磁気テープを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明者らが鋭意検討した結果、非磁性支持体上の一方の面に、強磁性粉末を含む磁性層と他方の面に非磁性粉末を含むバック層を有する磁気テープの巻き取り時に、低張力下(張力2〜50g/cm)で該磁気テープの幅方向に温度差を付与し、温度の高い側に前記非磁性支持体のガラス転移温度(Tg)より高い温度を付与し、半永久的な熱収縮を生じさせることで収縮した側に偏らせて整巻きを行うようにすると、ドライブで走行させても整巻き性が失われない磁気テープを提供できることを見出し、本発明をなすに至った。さらに、前記磁気テープのカーバチャーを0.5〜2.0mmの範囲に設定することで、繰り返し走行時のエッジダメージが低減できるので好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の磁気テープは、非磁性支持体上の一方の面に、強磁性粉末を含む磁性層と他方の面に非磁性粉末を含むバック層を有する磁気テープの巻き取り時に、低張力下(張力2〜50g/cm)で該磁気テープの幅方向に温度差を付与し、温度の高い側に前記非磁性支持体のガラス転移温度(Tg)より高い温度を付与し、半永久的な熱収縮を生じさせることで収縮した側に偏らせて整巻きを行うようにしたことを特徴としている。前述した特許文献1では、類似の方法が提案されているが、特許文献1では、温度差を付与し、温度の低い方に偏らせて整巻きを行うようにしている、また、温度差は温度差のある加熱手段により行うと開示されているだけで、温度条件は開示されていない。一般的に磁気テープの伸張、収縮は、非磁性支持体のそれに依存し、非磁性支持体のTg付近までは、温度膨張しTgを越えると配向された分子配列が緩和するために収縮する。このことから、特許文献1では温度条件は開示されていないが、記述の内容からはTg以下の温度範囲で加熱するものと考えられる。また、Tgより低い温度範囲での加熱であるため、伸張、収縮は可逆的であり温度が下がれば伸張した部分は、元の長さに戻る。したがって、巻き取り時に一時的にテープの片側を一時的に伸張させてリールに整巻きさせても、後にドライブで走行させると、その時は元の長さに戻っているので、整巻き性は保持されない。
【0009】
これに対し、本発明は磁気テープの幅方向に温度差を付与する際に、低張力下(張力2〜50g/cm)で温度の高い側には非磁性支持体のTgより高い温度を付与するために、テープエッジの片側は収縮する。そして、温度が下がればテープは収縮したまま半永久的に固定されるので、後にドライブで走行させた場合でも整巻き性が保持される。
【0010】
このように、磁気テープの幅方向に温度差を付与させても、特許文献1では温度の低いほうに偏らせて巻くのに対し、本発明では温度の高いほうに偏らせて巻くというようにまったく逆の現象を利用しており、また、後にドライブで走行させる場合でも特許文献1では整巻き性は保持されないのに対し、本発明で整巻き性の保持が可能であるというように発明の構成要素、効果ともにまったく異なるものである。
【0011】
以下、本発明に係る巻き位置制御方法について詳述する。
パンケーキから所定の長さ分の磁気テープをリールハブに巻き換える時に、テープの走行経路の一部に低張力部分を設け、その部分にさらに磁気テープの幅方向に温度差を付与する装置を取り付ける。温度差の付与は加熱手段により行うが、加熱手段は接触、非接触のいずれであってもよい。例えばヒーターによる直接加熱や各種ランプ照射による加熱、レーザー照射による加熱により行うことができる。また、加熱は磁気テープの磁性層側、バックコート層側からのどちらか一方、または両方からのいずれであってもよい。通常、どちらか一方からの加熱で効果は発現する。加熱により非磁性支持体のTgより高い温度を付与することが好ましく、Tg+10℃より高い温度がより好ましい。温度の上限はTg+60℃が好ましく、Tg+40℃がより好ましい。この範囲が好ましいのは、加熱温度がTg未満であれば、収縮が起こらないので、巻き位置制御が行えず、Tg+60℃を越えると必要以上に磁気テープが収縮したり、支持体が軟らかくなり過ぎて不要な変形を起こしたりするからである。低張力部分は、加熱された磁気テープが再びTg未満の温度にさがるまでの長さがあることが好ましい。
【0012】
低張力下(張力2〜50g/cm)で非磁性支持体のTg以上の高い温度を付与すると磁気テープは、温度を付与された側のエッジが収縮し、その幅方向にわずかに湾曲しカーバチャーを持つようになる。そして、リールハブに巻き取るときに収縮したエッジの側に偏って巻かれるようになる。カーバチャー量はテープ1m当たり0.5〜2mmであることが好ましく、0.8〜1.8mmであることがより好ましい。この範囲が好ましいのは、カーバチャー量が0.5mm未満であると巻き位置制御効果がなく、2mmを越えると走行時にエッジが痛みやすいからである。
【0013】
次に、本発明の磁気記録媒体の構成要素についてさらに詳述する。
<厚さ構成>
本発明では、磁気テープの全厚は2.5〜15μm以下の範囲が好ましい。磁性層と非磁性支持体との間に非磁性粉末を含む非磁性の下塗層を設けてもよい。このような構成にすると薄層で平滑な磁性層が得られ、短波長記録特性が向上するので好ましい。磁性層の厚さは0.01〜4.0μmの範囲が好ましい。非磁性支持体の厚さは2.0〜12.0μmの範囲が好ましい。バックコート層の厚さは0.2〜0.8μmの範囲が好ましい。
【0014】
<磁性粉>
磁気記録媒体における出力特性やS/N特性を改善するために、磁性層中に含ませる磁性粉の平均粒子径は、10〜300nmの範囲にあるのが好ましく、15〜200nmの範囲がより好ましい。この範囲が好ましいのは、平均粒子径が10nm未満では、粒子の表面エネルギーが大きくなって分散が困難になり、平均粒子径が300nmを越えるとノイズが大きくなるためである。磁性粉としては、強磁性鉄系金属磁性粉や窒化鉄磁性粉,板状の六方晶Ba−フエライト磁性粉等が好ましい。
【0015】
強磁性鉄系金属磁性粉には、Mn 、Zn 、Ni 、Cu 、Co などの遷移金属を合金として含ませてもよい。その中でも、Co 、Ni が好ましく、とくにCo は飽和磁化を最も向上できるので、好ましい。上記の遷移金属元素の量としては、鉄に対して、5〜50 原子%とするのが好ましく、10〜30 原子%とするのがより好ましい。また、イツトリウム、イツテルビウム、セシウム、プラセオジウム、サマリウム、ランタン、ユ―ロピウム、ネオジウム、テルビウムなどから選ばれる少なくとも1 種の希土類元素を含ませても良い。その中でも、ネオジウムとサマリウム、テルビウム、イツトリウムを用いたときに、高い保磁力が得られ好ましい。希土類元素の量は鉄に対して0.2〜20 原子%、好ましくは0.3〜15 原子%、より好ましくは0.5〜10 原子%である。
【0016】
強磁性鉄系金属磁性粉にホウ素を含ませてもよい。ホウ素を含ませることにより、平均粒子径が50nm以下の粒状ないし楕円状の超微粒子が得られる。また同ホウ素の量は、磁性粉末全体中、鉄に対して0.5〜30 原子%、好ましくは1〜25 原子%、より好ましくは2〜20 原子%である。上記両原子%は、蛍光X 線分析により測定される値である(参考文献:特開2001−181754号公報)。
【0017】
窒化鉄磁性粉は,公知のものを用いることができ,形状は針状の他に球状や立方体形状などの不定形のものを用いることができる。粒子径や比表面積については磁気記録用の磁性粉としての要求特性をクリアするためには,限定した磁性粉末の製造条件とすることが必要である(参考特許:特開2000-277311号公報)。
【0018】
強磁性鉄系金属磁性粉および窒化鉄磁性粉の保磁力は、80〜320kA/mが好ましく、飽和磁化量は、80〜200Am2 /kg(80〜200emu/g)が好ましく、100〜180Am2 /kg(100〜180emu/g)がより好ましい。
【0019】
強磁性鉄系金属磁性粉および窒化鉄磁性粉の平均粒子径としては、10〜300nmが好ましく、15〜200nmがより好ましい。この範囲が好ましいのは、平均粒子径が10nm未満となると、保磁力が低下したり、粒子の表面エネルギーが増大するため塗料中での分散が困難になったり、平均粒子径が300nmより大きいと、粒子の大きさに基づく粒子ノイズが大きくなるためである。また、この強磁性粉末のBET比表面積は、35m2 /g以上が好ましく、40m2 /g以上がより好ましく、50m2 /g以上が最も好ましい。通常100m2 /g以下である。
【0020】
六方晶Ba−フエライト磁性粉の保磁力は、120〜320kA/mが好ましく、飽和磁化量は、40〜70Am2 /kg(40〜70emu/g)が好ましい。なお、これらの強磁性粉末の磁気特性は、いずれも試料振動形磁束計で外部磁場1273.3kA/m(16kOe)での測定値をいうものである。また,粒径(板面方向の大きさ)は10〜50nmが好ましく、10〜30nmがより好ましく、10〜20nmがさらに好ましい。粒径が10nm未満となると、粒子の表面エネルギーが増大するため塗料中への分散が困難になり、50nmを越えると、粒子の大きさに基づく粒子ノイズが大きくなる。なお、上記の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)にて撮影した写真から各粒子の最大径(針状粉では長軸径、板状粉では板径)を実測し、100個の平均値により求めたものである。また、板状比(板径/板厚)は2〜10が好ましく、2〜5がより好ましく、2〜4がさらに好ましい。また、六方晶Ba−フエライト磁性粉のBET比表面積は、1〜100m2 /gが好ましく用いられる。
【0021】
一般的に、磁気記録媒体の磁性塗料を製造するにあたって、少なくともバッチ式混練機、連続式2軸混練機等で磁性塗料成分を練りこむ混練工程、サンドミル等の微小メデイア回転型分散装置による分散工程、そして必要に応じ、これらの工程の前後に混合工程が設けられる。
【0022】
<非磁性支持体>
非磁性支持体の厚さは,用途によって異なるが,好ましくは、2.0〜12.0μmのものが使用される。より好ましくは2.5〜10.0μm,最も好ましくは3.0〜8.0μmである。この範囲の厚さの非磁性支持体が使用されるのは,2.0μm未満では製膜が難しく,またテープ強度が小さくなり,12.0μmを越えるとテープ全厚が大きくなり,テープ1巻当りの記録容量が小さくなるためである。
【0023】
本発明に用いる非磁性支持体の長手方向のヤング率は,6.8GPa(700kg/mm2 )以上が好ましく,8.8GPa(900kg/mm2 )以上がより好ましい。非磁性支持体の長手方向のヤング率が6.8GPa(700kg/mm2 )以上がよいのは,長手方向のヤング率6.8GPa(700kg/mm2 )未満では,テープ走行が不安定になるためである。また,ヘリキャルスキャンタイプでは,長手方向のヤング率/幅方向のヤング率は,0.60〜0.80の特異的範囲が好ましく、0.65〜0.75の範囲がより好ましい。長手方向のヤング率/幅方向のヤング率が,0.60〜0.80の特異的範囲がよいのは,0.60未満または0.80を越えると,メカニズムは現在のところ不明であるが,磁気ヘッドのトラックの入り側から出側間の出力のばらつき(フラットネス)が大きくなるためである。このばらつきは長手方向のヤング率/幅方向のヤング率が0.70付近で最小になる。さらに、リニアレコーディングタイプでは,長手方向のヤング率/幅方向のヤング率は,理由は明らかではないが、0.70〜1.30が好ましい。このような特性を満足する樹脂フィルムには二軸延伸のポリエチレンテレフタレートフィルム(Tg=70℃),ポリエチレンナフタレートフィルム(Tg=113℃),芳香族ポリアミドフイルム(Tg=280℃),芳香族ポリイミドフィルム(Tg>400℃)等がある。本発明では、加熱による非磁性支持体の熱収縮を利用するので、非磁性支持体としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが好ましい。
【0024】
<下塗層>
下塗層の厚さは、0.2〜2.2μmの範囲であることが好ましい。この範囲が好ましいのは、0.2未満では、磁性層への潤滑剤の供給が不十分になったり、磁性層の平滑化効果が小さくなるためである。
【0025】
下塗層には、導電性改良の目的でカーボンブラック、テープ剛性の制御を目的に酸化鉄を添加する。下塗層が、下塗層中の全無機粉体の重量を基準にして、粒径10〜100nmのカーボンブラックを15〜35重量%、平均軸長0.05〜0.20μm、短軸長5〜200nmの非磁性の酸化鉄を35〜83重量%含有させると、ウエット・オン・ウエットで、その上に形成し、遠赤外線乾燥した磁性層の厚さむらが小さくなるので好ましい。なお、非磁性酸化鉄は通常針状であるが、粒状または無定形の非磁性酸化鉄を使用する場合には粒径5〜200nmの酸化鉄が好ましい。
【0026】
下塗層には、カーボンブラックや非磁性の酸化鉄を添加するのが好ましい。下塗層に添加するカーボンブラック(CB)としては、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック等を使用できる。粒子径が5〜200nmのものが使用されるが、粒径10〜100nmのものが好ましい。この範囲が好ましいのは、カーボンブラックがストラクチャーを持っているため、粒径が10nm以下になるとCBの分散が難しく、100nm以上では平滑性が悪くなるためである。CB添加量は、CBの粒子径によって異なるが、当該下塗層中の全無機粉体の重量を基準にして、15〜35重量%が好ましい。この範囲が好ましいのは、15重量%未満では導電性向上効果が乏しく、35重量%を越えると効果が飽和するためである。粒径15〜80nmのCBを15〜35重量%使用するのがより好ましく、粒径20〜50nmのCBを20〜30重量%用いるのがさらに好ましい。このような粒径・量のカーボンブラックを添加することにより電気抵抗が低減され、静電ノイズの発生やテープ走行むらが小さくなると共に、遠赤外線乾燥した磁性層の厚さむらが小さくなる。
【0027】
また、下塗層に添加する非磁性の酸化鉄としては、針状の場合、平均軸長0.05〜0.20μm、短軸長5〜200nmのものが好ましく、粒状または無定形のものでは、粒径5〜200nmが好ましい。なお、針状のものが磁性層の配向がよくなるのでより好ましい。添加量は、35〜83重量%が好ましい。この範囲の粒径(針状の場合は短軸長)が好ましいのは、粒径5nm未満では均一分散が難しく、200nmを越えると下塗層と磁性層の界面の凹凸が増加するためである。この範囲の添加量が好ましいのは、35重量%未満では塗膜強度向上効果が小さく、83重量%を越えると反って塗膜強度が低下するためである。また、前記下塗層と磁性層からなる塗布層のヤング率を検討した結果、塗布層のヤング率にも最適範囲があり、塗布層のヤング率が非磁性支持体の長手方向と幅方向におけるヤング率の平均値を40〜100%の範囲にすると、テープの耐久性が大きく、且つテープ−ヘッド間のタッチがよくなり、磁気ヘッドのトラックの入り側から出側間の出力のばらつき(フラットネス)が小さくなることを見出した。50〜100%の範囲がより好ましく、60〜90%の範囲がさらに好ましい。この範囲が好ましいのは40%未満では塗布膜の耐久性が小さくなり、100%を越えるとテープ−ヘッド間のタッチが悪くなるためである。なお、下塗層と磁性層からなる塗布層のヤング率の制御には、カレンダ条件による制御法を用いる。
【0028】
さらに、下塗層のヤング率は、磁性層のヤング率の80〜99%が好ましい。下塗層のヤング率が磁性層のそれより低い方がよいのは、下塗層が一種のクッションの作用をするためである。
【0029】
<潤滑剤>
下塗層には全粉体に対して0.5〜4.0重量%の高級脂肪酸を含有させ、0.2〜3.0重量%の高級脂肪酸のエステルを含有させると、ヘッドとの摩擦係数が小さくなるので好ましい。この範囲の高級脂肪酸添加が好ましいのは、0.5重量%未満では、摩擦係数低減効果が小さく、4.0重量%を越えると下塗層が可塑化してしまい強靭性が失われる。また、この範囲の高級脂肪酸のエステル添加が好ましいのは、0.5重量%未満では、摩擦係数低減効果が小さく、3.0重量%を越えると磁性層への移入量が多すぎるため、テープとヘッドが貼り付く等の副作用があるためである。
【0030】
磁性層には強磁性粉末に対して0.5〜4.0重量%の高級脂肪酸を含有させ、0.5〜3.0重量%の脂肪酸アミドを含有させ、0.2〜3.0重量%の高級脂肪酸のエステルを含有させると、テープ走行時の摩擦係数が小さくなるので好ましい。この範囲の高級脂肪酸添加が好ましいのは、0.5重量%未満では、摩擦係数低減効果が小さく、4.0重量%を越えると磁性層が可塑化してしまい強靭性が失われる。この範囲の脂肪酸アミドが好ましいのは、0.2重量%未満ではヘッド/磁性層界面での直接接触が起りやすく焼付き防止効果が小さく、3.0重量%を越えるとブリードアウトしてしまいドロップアウトなどの欠陥が発生する。脂肪酸アミドとしてはパルミチン酸、ステアリン酸等のアミドが使用可能である。また、上記範囲の高級脂肪酸のエステル添加が好ましいのは、0.2重量%未満では摩擦係数低減効果が小さく、3.0重量%を越えるとヘッドに貼り付く等の副作用があるためである。なお、磁性層の潤滑剤と下塗層の潤滑剤の相互移動を排除するものではない。
【0031】
<磁性層>
磁性層(下塗層の場合も同様)に用いるバインダ樹脂としては、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル−ビニルアルコール共重合樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合樹脂、塩化ビニル−水酸基含有アルキルアクリレート共重合樹脂、ニトロセルロース樹脂などのセルロース系樹脂の中から選ばれる少なくとも1種とポリウレタン樹脂とを組み合わせたものが挙げられる。中でも、塩化ビニル−水酸基含有アルキルアクリレート共重合樹脂とポリウレタン樹脂を併用するのが好ましい。ポリウレタン樹脂には、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリエステルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹脂、ポリエステルポリカーボネートポリウレタン樹脂などがある。
【0032】
官能基として−COOH、−SO3 M、−OSO3 M、−P=O(OM)3 、−O−P=O(OM)2 [Mは水素原子、アルカリ金属塩基又はアミン塩]、−OH、−NR' R''、−N+ R''' R''''R''''' [R' 、R''、R''' 、R''''、R''''' は水素または炭化水素基]、エポキシ基を有する高分子からなるウレタン樹脂等の樹脂が使用される。このような樹脂を使用するのは、上述のように磁性粉等の分散性が向上するためである。2種以上の樹脂を併用する場合には、官能基の極性を一致させるのが好ましく、中でも−SO3 M基どうしの組み合わせが好ましい。
【0033】
これらの樹脂は、強磁性粉末100重量部に対して、7〜50重量部、好ましくは10〜35重量部の範囲で用いられる。特に、塩化ビニル系樹脂5〜30重量部と、ポリウレタン樹脂2〜20重量部とを、複合して用いるのが最も好ましい。
【0034】
これらの樹脂とともに、樹脂中に含まれる官能基などと結合させて架橋する熱硬化性の架橋剤を併用するのが望ましい。この架橋剤としては、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどや、これらのイソシアネート類とトリメチロールプロパンなどの水酸基を複数個有するものとの反応生成物、上記イソシアネート類の縮合生成物などの各種のポリイソシアネートが好ましい。これらの架橋剤は、樹脂100重量部に対して、通常10〜50重量部の割合で用いられる。より好ましくは15〜35重量部である。
【0035】
また、磁性層には従来公知の研磨材を添加することができるが、これらの研磨材としては、α−アルミナ、β−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、人造ダイアモンド、窒化珪素、炭化珪素、チタンカーバイド、酸化チタン、二酸化珪素、窒化ホウ素、など主としてモース硬度6以上のものが単独または組み合わせで使用されるが、これらの中でもアルミナは高硬度で少量の添加量でヘッドクリーニング効果に優れるため特に好ましい。研磨材の粒径としては、厚みが0.01〜0.1μmと薄い磁性層では、通常平均粒径で0.002〜0.15μmとすることが好ましく、粒径0.005〜0.10μmがより好ましい。添加量は強磁性粉末に対して5〜20重量%が好ましい。より好ましくは8〜18重量%である。
【0036】
さらに、本発明の磁性層には導電性向上と表面潤滑性向上を目的に従来公知のカーボンブラック(CB)を添加することができるが、これらのカーボンブラックとしては、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック等を使用できる。粒子径が5〜200nmのものが使用されるが、粒径10〜100nmのものが好ましい。この範囲が好ましいのは、粒径が5nm以下になるとカーボンブラックの分散が難しく、200nm以上では多量のカーボンブラックを添加することが必要になり、何れの場合も表面が粗くなり、出力低下の原因になるためである。添加量は強磁性粉末に対して0.2〜5重量%が好ましい。より好ましくは0.5〜4重量%である。
【0037】
<バックコート層>
本発明の磁気記録媒体を構成する非磁性支持体の他方の面(磁性層が形成されている面とは反対側の面)には、走行性の向上等を目的としてバックコート層を設けることができる。バックコート層の厚さは0.2〜0.8μmが好ましい。この範囲が良いのは、0.2μm未満では、走行性向上効果が不充分で、0.8μmを越えるとテープ全厚が厚くなり、1巻当たりの記憶容量が小さくなるためである。カーボンブラック(CB)としては、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック、等を使用できる。通常、小粒径カーボンブラックと大粒径カーボンブラックを使用する。小粒径カーボンブラックには、粒子径が5〜200nmのものが使用されるが、粒径10〜100nmのものがより好ましい。この範囲がより好ましいのは、粒径が10nm以下になるとカーボンブラックの分散が難しく、粒径が100nm以上では多量のカーボンブラックを添加することが必要になり、何れの場合も表面が粗くなり、磁性層への裏移り(エンボス)原因になるためである。大粒径カーボンブラックとして、小粒径カーボンブラックの5〜15重量%、粒径300〜400nmの大粒径カーボンブラックを使用すると、表面も粗くならず、走行性向上効果も大きくなる。小粒径カーボンブラックと大粒径カーボンブラック合計の添加量は無機粉体重量を基準にして60〜98重量%が好ましく、70〜95重量%がより好ましい。表面粗さRaは3〜8nmが好ましく、4〜7nmがより好ましい。
【0038】
また、バックコート層には、強度向上を目的に、粒子径が0.1〜0.6μmの酸化鉄を添加するのが好ましく、0.2〜0.5μmがより好ましい。添加量は無機粉体重量を基準にして2〜40重量%が好ましく、5〜30重量%がより好ましい。また、粒径が0.1〜0.6μmのアルミナを全無機粉体重量を基準にして0.5〜5重量%添加すると、さらにバックコート層の強度が向上する。
【0039】
バックコート層に用いるバインダ樹脂としては、前述した磁性層や下塗層に用いるバインダ樹脂と同じものを使用できるが、これらの中でも摩擦係数を低減し走行性を向上させるため、セルロース系樹脂とポリウレタン系樹脂とを複合して併用することが好ましい。結合剤の含有量は、通常、前記カーボンブラックと前記無機非磁性粉末との合計量100重量部に対して40〜150重量部、好ましくは50〜120重量部、より好ましくは60〜110重量部、さらに好ましくは70〜110重量部である。前記範囲が好ましいのは、50重量部未満では、バックコート層の強度が不十分であり、120重量部を越えると摩擦係数が高くなりやすいためである。セルロース系樹脂を30〜70重量部、ポリウレタン系樹脂を20〜50重量部使用することが好ましい。また、さらに結合剤を硬化するために、ポリイソシアネート化合物などの架橋剤を用いることが好ましい。
【0040】
バックコート層には、前述した磁性層や下塗層に用いる架橋剤と同様の架橋剤を使用する。架橋剤の量は、結合剤100重量部に対して、通常、10〜50重量部の割合で用いられ、好ましくは10〜35重量部、より好ましくは10〜30重量部である。前記範囲が好ましいのは、10重量部未満ではバックコート層の塗膜強度が弱くなりやすく、35重量部を越えるとSUSに対する動摩擦係数が大きくなるためである。
【0041】
【実施例】
以下に実施例によって本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例、比較例の部は重量部を示す。
実施例1:
≪下塗塗料成分≫
(1)
・針状酸化鉄(平均軸長:100nm) 68部
・粒状アルミナ粉末(粒径:80nm) 8部
・カーボンブラック(粒子径:25nm) 24部
・ステアリン酸 2.0部
・塩化ビニル−ヒドロキシプロピルアクリレート共重合体共重合体 8.8部
(含有−SO3 Na基:0.7×10-4当量/g)
・ポリエステルポリウレタン樹脂 4.4部
(Tg:40℃、含有−SO3 Na基:1×10-4当量/g)
・シクロヘキサノン 25部
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 10部
(2)
・ステアリン酸ブチル 1部
・シクロヘキサノン 70部
・メチルエチルケトン 50部
・トルエン 20部
(3)
・ポリイソシアネート 2.5部
・シクロヘキサノン 10部
・メチルエチルケトン 15部
・トルエン 10部
【0042】
≪磁性塗料成分≫
(1)混練工程
・強磁性鉄系金属磁性粉 100部
(Co/Fe:20at%、
Al/(Fe+Co):4.7wt%、
Y/(Fe+Co):2.3at%、
σs:138Am2/kg (138emu/g)、
Hc:150kA/m (1885Oe)、
平均粒子径:100nm)
・塩化ビニル−ヒドロキシプロピルアクリレート共重合体 14部
(含有−SO3 Na基:0.7×10-4当量/g)
・ポリエステルポリウレタン樹脂(PU) 5部
(含有−SO3 Na基:0.7×10-4当量/g)
・板状アルミナ(平均粒径:50nm) 10部
・板状ITO(平均粒径:40nm) 5部
・メチルアシッドホスフェート(MAP) 2部
・テトラヒドロフラン(THF) 20部
・メチルエチルケトン/シクロヘキサノン(MEK/A) 9部
(2)希釈工程
・パルミチン酸アミド(PA) 1.5部
・ステアリン酸n−ブチル(SB) 1部
・メチルエチルケトン/シクロヘキサノン(MEK/A) 350部
(3)配合工程
・ポリイソシアネート 1.5部
・メチルエチルケトン/シクロヘキサノン(MEK/A) 29部
【0043】
上記の下塗塗料成分において(1)を回分式ニーダで混練したのち、(2)を加えて攪拌の後サンドミルで滞留時間を60分として分散処理を行い、これに(3)を加え攪拌・濾過した後、下塗層用塗料とした。
【0044】
これとは別に、上記の磁性塗料の成分において(1)混連工程成分を予め高速混合しておき、その混合粉末を連続式2軸混練機で混練し、さらに(2)希釈工程成分を加え連続式2軸混練機で少なくとも2段階以上に分けて希釈を行い、サンドミルで滞留時間を45分として分散し、これに(3)配合工程成分を加え攪拌・濾過後、磁性塗料とした。
【0045】
上記の下塗塗料を、ポリエチレンテレフタレートフイルム(厚さ6.0μm、MD=7.2GPa、MD/TD=0.62、商品名:ルミラー、東レ製)からなる非磁性支持体(ベースフィルム)上に、乾燥、カレンダ後の厚さが2.0μmとなるように塗布し、この下塗層上に、さらに上記の磁性塗料を磁場配向処理、乾燥、カレンダー処理後の磁性層の厚さが0.25μmとなるようにウエット・オン・ウエットで塗布し、磁場配向処理後、ドライヤおよび遠赤外線を用いて乾燥し、磁気シートを得た。なお、磁場配向処理は、ドライヤ前にN−N対抗磁石(5kG)を設置し、ドライヤ内で塗膜の指蝕乾燥位置の手前側75cmからN−N対抗磁石(5kG)を2基50cm間隔で設置して行った。塗布速度は100m/分とした。
【0046】
≪バックコート層用塗料成分≫
・カーボンブラック(粒径:25nm) 80部
・カーボンブラック(粒径:0.35μm) 10部
・粒状酸化鉄(粒径:50nm) 10部
・ニトロセルロース 45部
・ポリウレタン樹脂(SO3 Na基含有) 30部
・シクロヘキサノン 260部
・トルエン 260部
・メチルエチルケトン 525部
【0047】
上記バックコート層用塗料成分をサンドミルで滞留時間45分として分散した後、ポリイソシアネート15部を加えてバックコート層用塗料を調整し濾過後、上記で作製した磁気シートの磁性層の反対面に、乾燥、カレンダ後の厚みが0.5μmとなるように塗布し、乾燥した。
【0048】
このようにして得られた磁気シートを金属ロールからなる7段カレンダで、温度100℃、線圧200kg/cmの条件で鏡面化処理した。1/2インチ幅に裁断し、これを200m/分で走行させながら磁性層表面をラッピングテープ研磨、ブレード研磨そして表面拭き取りの後処理を行い、磁気テープを作製した。この時、ラッピングテープにはK10000、ブレードには超硬刃、表面拭き取りには東レ製トレシー(商品名)を用い、走行張力30gで処理を行った。
【0049】
この磁気テープを、張力20gで10m/sで走行させながらバックコート層側から、集光用リフレクターを有する出力350Wハロゲン光源を用いてスポット径を10φに絞り、片方のエッジ部が照射スポットの中心になるように照射することにより磁気テープの幅方向に温度差を付与して、片方のエッジを半永久的に収縮させてリールハブに巻き取った。この時の、照射スポットの中心部の磁気テープ表面の温度をファイバー型赤外放射温度計(FTZ6型 ジャパンセンサー(株)製)で測定したところ95℃であった。その後、バックコート層にサーボ信号を書き込んだ後、カートリッジに組み込み、コンピュータ用テープを作製した。
【0050】
実施例2:
ハロゲン光の照射時の磁気テープの走行速度を15m/sにした以外は、実施例1と同様にしてコンピュータテープを作製した。この時の、照射スポットの中心部の磁気テープ表面の温度は80℃であった。
【0051】
実施例3:
ハロゲン光の照射時の磁気テープの走行速度を8m/sにした以外は、実施例1と同様にしてコンピュータテープを作製した。この時の、照射スポットの中心部の磁気テープ表面の温度は106℃であった。
【0052】
比較例1:
ハロゲン光の照射をしなかった以外は、実施例1と同様にしてコンピュータテープを作製した。
【0053】
比較例2:
ハロゲン光の照射時の磁気テープの走行速度を20m/sにし、片方のエッジを一時的に伸張させた状態でリールハブに巻き取った以外は、実施例1と同様にしてコンピュータテープを作製した。この時の、照射スポットの中心部の磁気テープ表面の温度は65℃であった。
【0054】
コンピュータテープの評価は以下のように行った。
<カーバチャー>
カートリッジに組み込んだ磁気テープから切り出した、1mの長さの磁気テープを水平面上にそのバックコート層表面が接触するように置き、該テープの両端部の各々の中心同士を結んだ直線と磁気テープの湾曲の最高点(テープの中心)との最短距離(mm)を測定した。この操作を10個のサンプルについて行い、その平均値で表した。
【0055】
<整巻き性>
リールハブに巻き取られたテープの状態を目視で観察し、テープ巻き面がほとんど平面で一層飛び出しもない状態を○、巻き面が一部巻き乱れ(平面でない)ているか、または一層飛び出しがある状態を△、巻き面が全体的に巻き乱れている状態を×で表した。初回と300時間連続走行後に測定した。
【0056】
<エッジ変形>
300時間連続走行後のエッジ面を光学顕微鏡で観察し擦れによる変形がほとんど見られない場合を○、大きな変形が見られる場合を△、大きな変形が見られ、かつ目視でエッジがめくれるように変形している場合を×で表した。
【0057】
<エラーレート>
カンタム社製DLT7000ドライブを使用して、室温環境下で全長かつ全トラックを300時間連続で走行させ、ドライブが出力するエラー情報をRS−232Cインターフェース経由で読みとり評価した。
【0058】
【表1】
【0059】
表1から明らかなように、エッジの片側に加熱処理を行い、半永久的な収縮を施した本発明の実施例1〜3に係るコンピュータテープは、整巻き性が良好で、また、半永久的なカーバチャーを持たせているので走行後の整巻き性も変化しない。また、カーバチャーをより好ましい範囲に設定すると走行後のエッジ変形もないのでエラーレートが増加しない。一方、従来技術を用いた比較例1〜2に係るコンピュータテープは整巻き性が悪く、また、一時的にエッジの片側を伸張させたテープは初期の整巻き性は良好なものの走行後の整巻き性は悪くエラーレートは増加する。
【0060】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、初期の整巻き性とともに、走行後の整巻き性も優れた信頼性の高い磁気テープが得られる。
Claims (2)
- 非磁性支持体上の一方の面に、強磁性粉末を含む磁性層と他方の面に非磁性粉末を含むバック層を有する磁気テープの巻き取り時に、低張力下(張力2〜50g/cm)で該磁気テープの幅方向に温度差を付与し、温度の高い側に前記非磁性支持体のガラス転移温度(Tg)より高い温度を付与し、半永久的な熱収縮を生じさせることで収縮した側に偏らせて整巻きを行うようにしたことを特徴とする巻き位置制御方法。
- 前記磁気テープのカーバチャーが0.5〜2.0mmであることを特徴とする請求項1に記載の巻き位置制御方法を用いた磁気テープ。
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