JP4748364B2 - ポジ型感光性樹脂組成物、パターンの製造方法及び電子部品 - Google Patents
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Description
(式中、X1及びX2は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子又はCR2であり、前記2個のRは水素原子、ハロゲン、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を示し、X3はCH=CHまたはCH2−CH2を示し、Arは酸性基を有するアリール基を示し、nは2〜10000の正数を示し、pは0〜3の整数を示す。)
まず、本発明によるポジ型感光性樹脂組成物について説明する。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、脂環構造と鎖状構造を同時に主鎖に有し、側鎖に酸性基を有するアリール基とイミド基を有するアルカリ水溶液可溶性のポリマー(A)と、光により酸を発生する化合物(B)と、及び溶剤(C)とを含有してなるポジ型感光性樹脂組成物である。
以下、ポジ型感光性樹脂組成物に含有される各成分について説明する。
ポジ型感光性樹脂組成物の(A)成分は、まず、脂環構造と鎖状構造を同時に主鎖に有する。(A)成分が有する脂環構造は2価の環状脂肪族基であり、単環、縮環いずれでもよく、また、一部が置換されていてもよい。環を構成する炭素数は概ね3〜20が好ましく、耐熱性の観点で3〜10がより好ましい。(A)成分が有する鎖状構造は2価の鎖状脂肪族基であり、一部が置換されていてもよく、また、直鎖状でも分枝鎖状でもよい。鎖状構造を構成する炭素数は概ね1〜10が好ましく、耐熱性と可とう性の両立を考慮して2〜6がより好ましい。なお、本発明において、脂環構造と鎖状構造の配列は主鎖に同時に有している範囲で、ランダムでも交互でもブロックでもよい。
(式中、X1及びX2は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子又はCR2であり、前記2個のRは水素原子、ハロゲン、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を示し、X3はCH=CHまたはCH2−CH2を示し、Arは酸性基を有するアリール基を示し、nは2〜10000の正数を示し、pは0〜3の整数を示す。)
(式中、X1及びX2は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子又はCR2であり、前記2個のRは水素原子、ハロゲン、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を示し、Arは酸性基を有するアリール基を示し、pは0〜3の整数を示す。)
(式中、X1及びX2は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子又はCR2であり、前記2個のRは水素原子、ハロゲン、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を示し、pは0〜3の整数を示す。)
本発明に使用される(B)成分である光により酸を発生する化合物は、感光剤であり、酸を発生させ、光の照射部のアルカリ水溶液への可溶性を増大させる機能を有するものである。その種類としては、o−キノンジアジド化合物、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩などが挙げられ、特に制限はないが、o−キノンジアジド化合物が、感度が高いので、好ましいものとして挙げられる。
本発明に使用される(C)成分である溶剤としては、γ−ブチロラクトン、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸ベンジル、n−ブチルアセテート、エトキシエチルプロピオネート、3−メチルメトキシプロピオネート、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリルアミド、テトラメチレンスルホン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。これらの溶剤は単独で又は2種以上併用して用いることができる。また、(C)成分である溶剤の配合量は特に制限はないが、一般に組成物中溶剤の割合が20〜90重量%となるように調整されることが好ましい。
先に示した本発明のポジ型感光性樹脂組成物において、(A)〜(C)成分に加え、架橋剤(D)、具体的に好ましいものとしてフェノール性水酸基を有する化合物、エポキシ基を有する化合物やビニレン基と反応する官能基を有する化合物を用いることができる。本発明の架橋剤の分子量に制限はないが、分子量が大きくなると露光部の溶解促進効果が小さくなるので、一般に分子量が1,500以下であることが好ましい。
(式中、Xはその両側の2つのベンゼン環を繋ぐ単なる結合(即ちXとしては何もなし)又は2価の有機基を示し、R1〜R4は各々独立に水素原子又は一価の有機基を示し、s及びtは各々独立に1〜3の整数であり、u及びvは各々独立に0〜4の整数である。)
(式中、個々のX’は、各々独立に、その両側を繋ぐ単なる結合(即ちX’としては何もなし)、アルキレン基(例えば炭素原子数が1〜10のもの)、アルキリデン基(例えば炭素数が2〜10のもの)、それらの水素原子の一部又は全部をハロゲン原子で置換した基、スルホン基、カルボニル基、エーテル結合、チオエーテル結合、アミド結合等から選択されるものであり、R’’は水素原子、ヒドロキシ基、アルキル基又はハロアルキル基であり、複数存在する場合は互いに同一でも異なっていてもよく、gは1〜10の整数である。)
先に示した本発明のポジ型感光性樹脂組成物において、(A)〜(C)成分、さらに必要に応じて加える(D)成分に加え、溶解促進剤(E)を用いることができる。この(E)成分はアルカリ水溶液に対する溶解性を向上させ、感度や解像性が向上する点で好ましい。
本発明において、熱潜在酸発生剤は加熱により酸を発生する化合物であり、熱潜在酸発生剤から発生する酸としては、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸のようなアリールスルホン酸、カンファースルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸のようなパーフルオロアルキルスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ブタンスルホン酸のようなアルキルスルホン酸が望ましい。熱潜在酸発生剤の配合量は、(A)成分100重量部に対して0.1〜30重量部が好ましく、0.2〜20重量部がより好ましく、0.5〜10重量部がさらに好ましい。
本発明において、溶解阻害剤は、(A)成分のアルカリ水溶液に対する溶解性を阻害する化合物であり、ポジ型感光性樹脂組成物に含有させることができる。具体的には、ジフェニルヨードニウムニトラート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムニトラート、ジフェニルヨードニウムブロミド、ジフェニルヨードニウムクロリド、ジフェニルヨードニウムヨージド等である。これらは、残膜厚や現像時間をコントロールするのに役立つ。上記成分の配合量は、感度と現像時間の許容幅の点から、(A)成分100重量部に対して0.01〜20重量部が好ましく、0.01〜15重量部がより好ましく、0.05〜10重量部がさらに好ましい。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、硬化膜の基板との接着性を高めるために、有機シラン化合物、アルミキレート化合物等のカップリング剤を含むことができる。有機シラン化合物としては、例えば、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、尿素プロピルトリエトキシシラン、メチルフェニルシランジオール、エチルフェニルシランジオール、n−プロピルフェニルシランジオール、イソプロピルフェニルシランジオール、n−ブチルフェニルシランジオール、イソブチルフェニルシランジオール、tert−ブチルフェニルシランジオール、ジフェニルシランジオール、エチルメチルフェニルシラノール、n−プロピルメチルフェニルシラノール、イソプロピルメチルフェニルシラノール、n−ブチルメチルフェニルシラノール、イソブチルメチルフェニルシラノール、tert−ブチルメチルフェニルシラノール、エチルn−プロピルフェニルシラノール、エチルイソプロピルフェニルシラノール、n−ブチルエチルフェニルシラノール、イソブチルエチルフェニルシラノール、tert−ブチルエチルフェニルシラノール、メチルジフェニルシラノール、エチルジフェニルシラノール、n−プロピルジフェニルシラノール、イソプロピルジフェニルシラノール、n−ブチルジフェニルシラノール、イソブチルジフェニルシラノール、tert−ブチルジフェニルシラノール、フェニルシラントリオール、1,4−ビス(トリヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(メチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(エチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(プロピルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ブチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジメチルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジエチルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジプロピルドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジブチルヒドロキシシリル)ベンゼン等が挙げられる。これらのカップリング剤を用いる場合は、(A)成分100重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましく、0.5〜10重量部がより好ましい。
また、本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、塗布性、例えばストリエーション(膜厚のムラ)を防いだり、現像性を向上させるために、適当な界面活性剤あるいはレベリング剤を添加することができる。このような界面活性剤あるいはレベリング剤としては、例えば、ポリオキシエチレンウラリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル等があり、市販品としては、メガファックスF171、F173、R−08(大日本インキ化学工業株式会社製商品名)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム株式会社商品名)、オルガノシロキサンポリマーKP341、KBM303、KBM403、KBM803(信越化学工業株式会社製商品名)等が挙げられる。
また、本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、ポリマー(A)成分に存在する炭素−炭素二重結合(ビニレン基)が酸化して性能が変化することを防ぐ目的で、適当な酸化防止剤を添加することができる。このような酸化防止剤としては、例えば、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−4−(4,6−ビス−オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール、4,4−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]、2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ジラリウル3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネート、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト等が挙げられる。
次に、本発明によるパターンの製造方法について説明する。本発明のパターンの製造方法は、上述したポジ型感光性樹脂組成物を支持基板上に塗布して乾燥する工程と、前記乾燥工程により得られた感光性樹脂膜を露光する工程と、前記露光後の感光性樹脂膜を、アルカリ水溶液を用いて現像する工程と、及び前記現像後の感光性樹脂膜を加熱処理する工程とを含む。以下、各工程について説明する。
まず、ポジ型感光性樹脂組成物を支持基板上に塗布し乾燥する工程では、ガラス基板、半導体、金属酸化物絶縁体(例えばTiO2、SiO2等)、窒化ケイ素などの支持基板上に、上述したポジ型感光性樹脂組成物を、スピンナーなどを用いて回転塗布した後、この支持基板をホットプレート、オーブンなどを用いて乾燥する。これにより、支持基板上にポジ型感光性樹脂組成物の被膜が形成される。
次に、露光工程では、支持基板上で被膜となった感光性樹脂組成物に、マスクを介して紫外線、可視光線、放射線などの活性光線を照射する。本発明において、感光性樹脂組成物のアルカリ水溶液可溶性のポリマーは、i線に対する透明性が高いので、i線の照射を好適に用いることができる。なお、露光後、必要に応じて露光後加熱(PEB)を行ってから、現像工程に進むこともできる。露光後加熱の温度は70℃〜140℃、露光後加熱の時間は1分〜5分が好ましい。
現像工程では、活性光線が露光した感光性樹脂組成物の露光部を、現像液で除去することによりパターンが得られる。現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)などのアルカリ水溶液が好ましいものとして挙げられる。これらの水溶液の塩基濃度は、0.1〜10重量%とすることが好ましい。さらに、上記現像液にアルコール類や界面活性剤を添加して使用することもできる。これらはそれぞれ、現像液100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重量部の範囲で配合することができる。
次いで、加熱処理工程では、現像後得られたパターンを加熱処理することにより、樹脂のパターンを形成することができる。加熱処理工程における加熱温度は、250℃以下、望ましくは、225℃以下であり、より望ましくは、140〜200℃の範囲である。
パターンの製造方法の加熱処理工程における加熱処理としては、通常の窒素置換されたオーブンを用いる以外に、マイクロ波硬化装置や周波数可変マイクロ波硬化装置を用いることもできる。これらを用いることにより、基板やデバイスの温度を例えば200℃以下に保ったままで、感光性樹脂組成物膜のみを効果的に加熱することが可能である。
次に、本発明によるパターンの製造方法の一例として、半導体装置の製造工程を図面に基づいて説明する。図1〜図5は、多層配線構造を有する半導体装置の製造工程を説明する概略断面図である。これらの図1〜図5において、回路素子(図示しない)を有するSi基板等の半導体基板1は、回路素子の所定部分を除いてシリコン酸化膜等の保護膜2で被覆され、露出した回路素子上に第1導体層3が形成されている。半導体基板1上にスピンコート法等でポリイミド樹脂等の層間絶縁膜4が成膜される(図1)。
次に、本発明による電子部品について説明する。本発明による電子部品は、ポジ型感光性樹脂組成物を用いて上記パターンの製造方法によって形成されるパターンを有する。ここで、電子部品としては、半導体装置や多層配線板、各種電子デバイス等を含む。また、上記パターンは、具体的には、半導体装置の表面保護膜や層間絶縁膜、多層配線板の層間絶縁膜等の形成に使用することができる。本発明による電子部品は、前記組成物を用いて形成される表面保護膜や層間絶縁膜を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとることができる。
また、本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、応力緩和性、接着性等にも優れるため、近年開発された各種構造のパッケージにおける各種の構造材としても使用することができる。図6、図7にそのような半導体装置の一例の断面構造を示す。
endo−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物100gを、窒素気流下、200℃で6時間加熱して異性化させた。反応物を120℃に冷却し、トルエン100mlを加えた後、室温まで冷却すると淡黄色の結晶が析出した。結晶をろ過し乾燥させ、exo−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物85gを得た。
攪拌機、温度計、還流管、及び、ディーンシュターク型水分受器を備えた0.5リットルのフラスコ中に、4−アミノフェノール14.9gとexo−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物20.5gを加え、N−メチルピロリドン150gに溶解させた。この溶液を80℃に加熱し、30分間反応させた。次に、トルエン75mlを加え、160℃で3時間加熱後、さらに180℃に昇温してトルエンを留去した。反応液を冷却し、反応生成物は1Lの水に投入し、析出物を回収、純水で洗浄した後、減圧乾燥してexo−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシ−N−(4−ヒドロキシフェニル)イミド29.0gを得た。
参考合成例2の4−アミノフェノールを4−アミノ安息香酸にかえて同様に、exo−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシ−N−(4−カルボキシフェニル)イミドを得た。
攪拌機、温度計、及び、還流管を備えた0.5リットルのフラスコ中に、窒素気流下で1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−(イミダゾリジニリデン)(ジクロロフェニルメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム0.66gを加え、γ−ブチロラクトンとテトラヒドロフランの混合液(1:1)200mlに溶解させる。この溶液にexo−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシ−N−(4−ヒドロキシフェニル)イミド20.0g(モノマー:触媒=100:1(モル比))を加え、窒素気流下30℃で2時間かく拌した。次に、エチルビニルエーテル7mlを加え、さらに室温(20℃〜25℃)で30分間かく拌した。反応生成物は1Lの水に投入し、析出物を回収、純水で洗浄した後、減圧乾燥してポリマーを得た(以下、ポリマーA1とする)。ポリマーA1のGPC法標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は36,500、分散度は1.3であった。
実施例1で得たポリマーA1(10.0g)、5%−Pd/アルミナ(2.0g)、および、THF(200ml)を1Lオートクレーブに加え、さらに水素ガス(50kg/cm2(5MPa))を導入した後、加圧下140℃で6時間かく拌した。反応液を窒素ガスを導入しながら冷却し、反応液をろ過した。ろ液は1Lの水に投入し、析出物を回収、純水で洗浄した後、減圧乾燥してポリマーを得た(以下、ポリマーA2とする)。ポリマーA2のGPC法標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は33,000、分散度は1.4であった。
exo−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシ−N−(4−ヒドロキシフェニル)イミド20.0gの代わりに、exo−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシ−N−(4−カルボキシフェニル)イミド22.2gを用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリマーA3を得た。ポリマーA3のGPC法標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は37,800、分散度は1.5であった。
配合
合成例1〜3におけるアルカリ水溶液可溶性のポリマー[(A)成分]100重量部に対し、o−キノンジアジト化合物(B)、溶剤(C)、架橋剤(D)を表1に示した所定量にて配合し、さらに接着助剤として尿素プロピルトリエトキシシランの50重量%メタノール溶液5重量部を配合した。この溶液を3μm孔のフッ素樹脂フィルタを用いて加圧ろ過して、ポジ型感光性ポリアミドイミド樹脂組成物の溶液(M1〜M7)を得た。
前記ポジ型感光性樹脂組成物の溶液(M1〜M7)をシリコン基板上にスピンコートして、120℃で3分間加熱し、膜厚11〜13μmの塗膜を形成した。その後、i線ステッパー(キャノン製FPA−3000iW)を用いて、マスクを介してi線(365nm)での縮小投影露光を行った。露光後、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)の2.38重量%水溶液にて現像を行い、残膜厚が初期膜厚の70〜90%程度となるように現像を行った。その後、水でリンスしパターン形成に必要な最小露光量と解像度を求めた。結果を表2に記す。
さらに、前記ポジ型感光性樹脂組成物の溶液(M1〜M7)をシリコン基板上にスピンコートして、120℃で3分間加熱し、膜厚約15μmの塗膜を形成した。その後、樹脂M1〜M7の塗膜をプロキシミティ露光機(キャノン製PLA−600FA)を用いて、マスクを介してi線(365nm)で露光を行った。露光後、TMAHの2.38重量%水溶液にて現像を行い、10mm幅の矩形パターンを得た。その後、前記塗膜を以下の方法で加熱処理(硬化)した。
硬化は以下の方法で行い、膜厚約10μmの硬化膜を得た。
(i)縦型拡散炉(光洋サーモシステム(株)製μ−TF)を用い、窒素中、温度200℃(昇温時間1.5時間)で1時間、塗膜を加熱処理した
(ii)縦型拡散炉(光洋サーモシステム(株)製μ−TF)を用い、窒素中、温度250℃(昇温時間1.5時間)で1時間、塗膜を加熱処理した
(iii)周波数可変型マイクロ波硬化炉(ラムダテクノロジー社製Microcure2100)を用い、マイクロ波出力450W、マイクロ波周波数5.9〜7.0GHz、温度180℃(昇温時間5分間)、2時間加熱処理した。
なお、硬化前後の膜厚の収縮率((1−硬化後の膜厚/硬化前の膜厚)×100[%])を表3に示す。
上記の方法で硬化した膜厚約10μmの硬化膜をシリコン基板から剥離し、剥離膜のガラス転移温度(Tg)をセイコーインスツルメンツ社製TMA/SS600で測定した。なお、試料の幅は2mm、膜厚は9〜11μmであり、チャック間は10mmとする。また、荷重は10gで、昇温速度は5℃/分である。また、剥離膜の平均破断伸度(EL)を島津製作所製オートグラフAGS−H100Nによって測定した。なお、試料の幅は10mm、膜厚は9〜11μmであり、チャック間は20mmとする。引っ張り速度は5mm/分で、測定温度は室温(20℃〜25℃)程度とする。ここでは、同一条件で得た硬化膜について5本以上の測定値の平均を「平均破断伸度(EL)」とする。硬化条件、Tg、及び、ELを表3に示す。
攪拌機、温度計、及び、還流管を備えた0.5リットルのフラスコ中に、窒素気流下でexo−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシ−N−(4−カルボキシフェニル)イミド5.55gを加え、クロロベンゼン100mlに溶解させた。さらに、非特許文献2および特許文献6に記載のパラジウム触媒のクロロベンゼン溶液をモノマー:触媒=50:1(モル比)になるように加え、室温で24時間かく拌した。反応生成物の分子量をGPCで測定したところ、重合体(高分子量体)の生成は確認できなかった。
参考合成例2の4−アミノフェノールをアニリンにかえて同様に、exo−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシ−N−フェニルイミドを得た。
攪拌機、温度計、及び、還流管を備えた0.5リットルのフラスコ中に、窒素気流下でexo−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシ−N−フェニルイミド5.00gを加え、クロロベンゼン100mlに溶解させた。さらに、比較反応例で用いたパラジウム触媒(非特許文献2および特許文献6に記載)のクロロベンゼン溶液をモノマー:触媒=50:1(モル比)になるように加え、室温で24時間かく拌した。反応生成物は500mlのメタノール中に投入し、析出物を回収、メタノールで洗浄した後、減圧乾燥してポリマーを得た(以下、ポリマーαとする)。ポリマーαのGPC法標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は21,000、分散度は1.3であった。
比較合成例におけるポリマー[(A)成分]100重量部に対し、o−キノンジアジト化合物(B)として上記化学式(VII)のB1、溶剤(C)としてγ−ブチロラクトン/プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート=90/10(重量比)(C1)を表1に示すように配合した。さらに接着助剤として尿素プロピルトリエトキシシランの50重量%メタノール溶液5重量部を配合した。この溶液を3μm孔のフッ素樹脂フィルタを用いて加圧ろ過して、ポジ型感光性樹脂組成物の溶液(M8)を得た。配合量を表1に併記した。続いて、実施例1〜7と同様に感光特性を調べ、その結果を表2に併記した。さらに、以下に述べる方法で硬化膜を作成し、実施例1〜7と同様に物性を測定し、その結果を表3に併記した。
前記M8をシリコン基板上にスピンコートして、120℃で3分間加熱し、膜厚約11μmの塗膜を形成した。これを縦型拡散炉(光洋サーモシステム(株)製μ−TF)を用い、窒素中、温度200℃(昇温時間1.5時間)で1時間加熱処理して(実施例における硬化条件iと同じ)膜厚約10μmの硬化膜を得た。得られた硬化膜を基板から剥離し、所定の大きさに切断して物性測定に供した。
本発明のアルカリ水溶液可溶性のポリマーは、ルテニウムカルベン触媒を用いた開環メタセシス重合で合成できるため、モノマーの酸性基(フェノール性水酸基やカルボキシル基)を予め保護する必要がない(合成例1および3参照)。一方、比較反応例で示したとおり、カルボキシル基を有するノルボルネン誘導体の配位重合(オレフィンの重合)を、Pd錯体を触媒にして試みたが、触媒が失活したため重合反応が進行しなかった。なお、酸性基を有さないノルボルネン誘導体を用いた場合、Pd触媒による配位重合が進行し、ポリマー(α)を得ることができた(比較合成例参照)。
2 保護膜
3 第1導体層
4 層間絶縁膜層
5 感光樹脂層(感光性樹脂層)
6A、6B、6C、6D 窓
7 第2導体層
8 表面保護膜層
11 層間絶縁層
12 Al配線層
13 絶縁層
14 表面保護膜層
15 パッド部
16 再配線層
17 導電性ボール
18 コア
19 カバーコート層
20 バリアメタル
21 カラー
22 アンダーフィル
23 シリコンチップ
24 接続部
Claims (15)
- 脂環構造と鎖状構造を同時に主鎖に有し、側鎖に酸性基を有するアリール基とイミド基を有するアルカリ水溶液可溶性のポリマー(A)と、光により酸を発生する化合物(B)と、及び溶剤(C)とを含有してなるポジ型感光性樹脂組成物であり、前記(A)成分が下記一般式(1)で示されることを特徴とする請求項1に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- 前記(A)成分はルテニウムカルベン触媒を用いた開環メタセシス重合体であることを特徴とする請求項1から請求項3のうち、いずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- 上記一般式(II)で示されるモノマーはexo異性体であることを特徴とする請求項2から請求項4のうち、いずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- 前記ポジ型感光性樹脂組成物が、前記(A)成分100重量部に対して、前記(B)成分5〜100重量部を配合してなることを特徴とする請求項1から請求項5のうち、いずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- 前記(B)成分が、o−キノンジアジド化合物であることを特徴とする請求項1から請求項6のうち、いずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- 前記ポジ型感光性樹脂組成物が、さらに架橋剤(D)を含むことを特徴とする請求項1から請求項7のうち、いずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- 前記ポジ型感光性樹脂組成物が、さらに溶解促進剤(E)を含むことを特徴とする請求項1から請求項8のうち、いずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- 前記架橋剤(D)がフェノール性水酸基を有する化合物であることを特徴とする請求項8に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- 前記溶解促進剤(E)がフェノール性水酸基を有する化合物であることを特徴とする請求項9に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- 前記架橋剤(D)が炭素−炭素二重結合と反応性を有する化合物であることを特徴とする請求項8に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- 請求項1から請求項12のうち、いずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物を支持基板上に塗布し乾燥する工程と、前記乾燥工程により得られた感光性樹脂膜を露光する工程と、前記露光後の感光性樹脂膜をアルカリ水溶液を用いて現像する工程と、及び前記現像後の感光性樹脂膜を加熱処理する工程とを含むことを特徴とするパターンの製造方法。
- 前記現像後の感光性樹脂膜を加熱処理する工程において、加熱温度が200℃以下であることを特徴とする請求項13に記載のパターンの製造方法。
- 請求項13又は14に記載のパターンの製造方法により製造されるパターンの層を有してなる電子デバイスを有する電子部品であって、前記電子デバイス中に前記パターンの層を、層間絶縁膜層又は表面保護膜層として有することを特徴とする電子部品。
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