JP4715979B2 - プリプレグの製造方法及びそれを用いたプリント配線板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、比誘電率の高いプリプレグの製造方法、及びそれを用いた銅張板に炭酸ガスレーザーで孔あけして得られたプリント配線板に関する。特に炭酸ガスレーザーで孔あけして得られたプリント配線板は、高密度の小型プリント配線板として、半導体チップを搭載し、小型、軽量の新規な半導体プラスチックパッケージ用、アンプ用等への使用に適している。
【0002】
【従来の技術】
近年、ますます小型、薄型、軽量化する電子機器において、高密度の多層プリント配線板が使用されるようになってきている。このプリント配線板の内外層に高比誘電率の層を設け、この層をコンデンサとして使用し、実装密度を向上させることができる。多層板の内層、外層や基板に高比誘電率の層を設けるには、特開昭55-57212号、特開昭61-136281号、特開昭61-167547、特開昭62-19451、特公平5-415号公報に示されるような、エポキシ樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド樹脂等に、例えばチタン酸バリウム等の高比誘電率無機粉体を配合し、これをガラス布等の繊維基材に含浸、乾燥して得られたシートを複数枚重ね、最外層に銅箔を配置し、積層成形して高比誘電率銅張積層板を作成することが提案されてきた。このガラス布基材を用いてプリプレグを作成する場合、樹脂組成物中の無機充填剤の量が80重量%と多すぎる場合、含浸、乾燥したときに、ガラス布基材表層への樹脂組成物の付着が困難となり、また付着しても不均一となって、プリプレグが作成できない。加えて無機充填剤は比重が大きく、ワニスに分散させると沈降するために80重量%以上に多量に添加した事例は見あたらない。しかも各提案の実施例では、比誘電率が10〜20程度のものしか得られていない。そのために、静電容量の大きなコンデンサを形成できず、コンデンサ機能を付与した積層板としては使用できなかった。
【0003】
一方、一般の熱硬化性樹脂と高比誘電率無機粉体からなる樹脂組成物を用いたものでも、無機充填剤を80重量%以上に多く使用した場合、得られた銅張積層板は脆く、更には銅箔を接着させた場合、銅箔との接着力は極めて低くプリント配線板としたものは使用が困難であった。
更に、特開平9-12742号公報に示されるように、ガラス布基材を使用せずに、熱硬化性樹脂と比誘電率50以上の無機粉体を混合して得られた高比誘電率フィルムは、フィルム状とするために、樹脂の粘度が高く、無機充填材の添加量は60重量%程度が上限の限界である。更に得られた銅張積層板の比誘電率は、10前後と小さく、20以上の比誘電率のものは得る実施例は見られない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上の問題点を解決した、銅箔の接着力が高く、強度が強く、且つ比誘電率が10以上、好適には20以上と大きく、通常のガラス布基材熱硬化性樹脂プリプレグと同様に加工可能な、高比誘電率を有するプリプレグの製造方法、及び該プリプレグから得られた銅張板に小径の孔を炭酸ガスレーザーで孔あけした高密度プリント配線板の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、熱可塑性フィルムの片面に、熱硬化性樹脂と、該樹脂に対し80〜99重量%の比誘電率が室温で50以上の絶縁性無機充填剤粉体とを配合した樹脂組成物を塗布、乾燥してBステージとした樹脂組成物層を作成し、これを繊維布基材の両面に樹脂層が基材側を向くように配置し、基材に接着させることを特徴とするプリプレグの製造方法を提供する。
本発明において、熱硬化性樹脂として、(a)多官能性シアン酸エステル化合物、該シアン酸エステルプレポリマー100重量部に対して、(b)室温で液状のエポキシ樹脂50〜10,000重量部を配合し、この(a+b)100重量部に対して、熱硬化触媒0.005〜10重量部を配合してなるものを必須成分とする樹脂組成物に、比誘電率が室温で50以上、好適には500以上で、比表面積が好ましくは0.30〜1.00m2/g 、平均粒子径4〜30μmの絶縁性無機充填剤粉体を80〜99重量%、好適には85〜95重量%となるように均一混合して作成した、好適には比誘電率20以上の高比誘電率プリプレグの製造方法を提供する。
さらに本発明は、上記製造方法により得られたプリプレグを使用して作成した銅張板の表面に炭酸ガスレーザー孔あけ補助層を形成し、この上から炭酸ガスレーザーを直接照射して貫通孔及び/又はブラインドビア孔を形成して作成されるプリント配線板を提供する。
本発明のプリプレグ製造方法により得られた銅張板を用いたプリント配線板は、銅箔接着力に優れ、強度が強く、高耐熱性で、高比誘電率であって、接続信頼性に優れたプリント配線板を得ることができた。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明は、繊維布基材の両側に比誘電率50以上の絶縁性無機充填剤を80〜99重量%配合した熱硬化性樹脂組成物層を熱可塑性フィルムの片面に付着させたシートを配置し、加熱、加圧下に中央の基材に付着させてプリプレグとする製造方法、及び該製造方法により得られたプリプレグを銅張板に加工し、これに孔あけ、回路形成等を行ったプリント配線板に関する。
【0007】
無機充填剤粉体を多量、特に80重量%以上添加すると、銅箔接着力が低くなる等の欠点が生じる。そのため、従来の提案では無機充填剤粉体を多量に添加した銅張積層板は開発されていない。本発明では、特に比誘電率20以上で、且つ銅箔接着力の保持された銅張積層板及びそれを用いたプリント配線板を作成するために、比誘電率が50以上の無機充填剤粉体、好適には比誘電率500以上の粉体、ウイスカが使用される。さらに好適には、無機充填剤粉体の平均粒子径は4〜30μm、比表面積0.30〜1.00m2/gであるものが使用される。本発明の絶縁性無機充填剤は、特に限定はないが、プリント配線板の比誘電率を高くするためには、チタン酸化合物系セラミックが好ましい。具体的には、チタン酸バリウム系セラミック、チタン酸ストロンチウム系セラミック、チタン酸鉛系セラミック、チタン酸マグネシウム系セラミック、チタン酸ビスマス系セラミック、チタン酸カルシウム系セラミック、ジルコン酸鉛系セラミック等が挙げられる。これらは組成的には、その成分単独系、又は他の少量の添加物を含む系で、主成分の結晶構造が保持されているものであればよい。これらは単独或いは2種以上組み合わせて使用される。又、これらの無機粉体及び/又はこれらの1種以上を焼結した後に粉砕した粉体を使用する。さらにこれらの無機充填剤の針状のもの、例えばウイスカも単独使用又は併用できる。充填剤量が80重量%以上の場合には、粉体と併用するのがよい。
【0008】
樹脂としては特に限定はしない。例えば、多官能性シアン酸エステル樹脂、多官能性マレイミド樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、二重結合付加ポリフェニレンオキサイド樹脂等一般に公知の熱硬化性樹脂が用いられる。これらは1種或いは2種以上が組み合わせて使用される。この中でも、耐マイグレーション性、耐熱性、吸湿後の耐熱性等の点から、多官能性シアン酸エステル樹脂が好適に使用される。使用量としては、好適には(a)多官能性シアン酸エステル化合物、該シアン酸エステルプレポリマー 100重量部に対し、(b)室温で液状のエポキシ樹脂を50〜10,000重量部配合し、この(a+b)成分100重量部に対し、熱硬化触媒0.005〜10重量部配合した樹脂組成物を必須成分とした熱硬化性樹脂組成物を用いる。
【0009】
本発明で使用される多官能性シアン酸エステル化合物とは、分子内に2個以上のシアナト基を有する化合物である。具体的に例示すると、1,3-又は1,4-ジシアナトベンゼン、1,3,5-トリシアナトベンゼン、1,3-、1,4-、1,6-、1,8-、2,6-又は2,7-ジシアナトナフタレン、1,3,6-トリシアナトナフタレン、4,4-ジシアナトビフェニル、ビス(4-ジシアナトフェニル)メタン、2,2-ビス(4-シアナトフェニル)プロパン、2,2-ビス(3,5-ジブロモー4-シアナトフェニル)プロパン、ビス(4-シアナトフェニル)エーテル、ビス(4-シアナトフェニル)チオエーテル、ビス(4-シアナトフェニル)スルホン、トリス(4-シアナトフェニル)ホスファイト、トリス(4-シアナトフェニル)ホスフェート、およびノボラックとハロゲン化シアンとの反応により得られるシアネート類などである。
【0010】
これらのほかに特公昭41-1928、同43-18468、同44-4791、同45-11712、同46-41112、同47-26853及び特開昭51-63149号公報等に記載の多官能性シアン酸エステル化合物類も用いられ得る。また、これら多官能性シアン酸エステル化合物のシアナト基の三量化によって形成されるトリアジン環を有する分子量400〜6,000 のプレポリマーが使用される。このプレポリマーは、上記の多官能性シアン酸エステルモノマーを、例えば鉱酸、ルイス酸等の酸類;ナトリウムアルコラート等、第三級アミン類等の塩基;炭酸ナトリウム等の塩類等を触媒として重合させることにより得られる。このプレポリマー中には一部未反応のモノマーも含まれており、モノマーとプレポリマーとの混合物の形態をしており、このような原料は本発明の用途に好適に使用される。一般には可溶な有機溶剤に溶解させて使用する。
【0011】
室温で液状のエポキシ樹脂としては、一般に公知のものが使用可能である。具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ポリエーテルポリオールのジグリシジル化物、酸無水物のエポキシ化物、脂環式エポキシ樹脂等が単独或いは2種以上組み合わせて使用される。使用量は、多官能性シアン酸エステル化合物、該シアン酸エステルプレポリマー 100重量部に対し、50〜10,000重量部、好ましくは100〜5,000重量部である。
【0012】
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、組成物本来の特性が損なわれない範囲で、所望に応じて種々の添加物を配合することができる。これらの添加物としては、不飽和ポリエステル等の重合性二重結合含有モノマー類及びそのプレポリマー類;ポリブタジエン、エポキシ化ブタジエン、マレイン化ブタジエン、ブタジエン-アクリロニトリル共重合体、ポリクロロプレン、ブタジエン-スチレン共重合体、ポリイソプレン、ブチルゴム、フッ素ゴム、天然ゴム等の低分子量液状〜高分子量のelasticなゴム類;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ-4-メチルペンテン、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、MBS樹脂、スチレン-イソプレンゴム、ポリエチレン-プロピレン共重合体、4-フッ化エチレン-6-フッ化エチレン共重合体類;ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド等の高分子量プレポリマー若しくはオリゴマー;ポリウレタン等が例示され、適宜使用される。また、その他、公知の無機、有機の充填剤、染料、顔料、増粘剤、滑剤、消泡剤、分散剤、レベリング剤、光増感剤、難燃剤、光沢剤、重合禁止剤、チキソ性付与剤等の各種添加剤が、所望に応じて適宜組み合わせて用いられる。必要により、反応基を有する化合物は硬化剤、触媒が適宜配合される。
【0013】
熱硬化性樹脂組成物は、それ自体は加熱により硬化するが硬化速度が遅く、作業性、経済性等に劣る場合には、使用した熱硬化性樹脂に対して公知の熱硬化触媒を用い得る。使用量は、熱硬化性樹脂100重量部に対し、0.005〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量%である。
【0014】
本発明の各成分を均一に混練する方法は、一般に公知の方法が使用され得る。例えば、各成分を配合後、三本ロールにて、室温或いは加温下に混練するか、ボールミル、ライカイ機等、一般に公知のものが使用される。配合によっては無溶剤で混練できるが、溶剤を添加して加工法に合う粘度として使用する。
【0015】
また、基材としては、有機、無機繊維布基材を使用する。種類については特に限定はないが、有機繊維布としては、好適には液晶ポリエステル繊維、ポリベンザゾール繊維、全芳香族ポリアミド繊維などの不織布、織布が使用される。特に、メカニカルドリル、炭酸ガスレーザー等の孔あけの点からは、液晶ポリエステル不織布が好適に使用される。不織布とする場合、繊維同士をつなぐためにバインダーを付着させるか、パルプと繊維を混抄し、300℃位の温度でパルプを加熱溶融させてバインダー代わりに使用した特開平11-255908の不織布などが使用できる。バインダーを使用する場合、その量は特に限定しないが、不織布の強度を維持するためには、好適には3〜8重量%付着させる。
無機繊維布としては、一般の断面が円形状のガラス繊維織布、不織布、更には比誘電率が50以上のセラミック繊維織布、不織布を用い得る。円形のガラス繊維布を使用すると、厚さが薄くできない、無機充填剤を多量に使用した場合に含浸性が悪い等の欠点が生じることが有り、好ましくは、断面扁平な形状のガラス繊維で、その断面の長径/短径で表す扁平率が3.1/1〜5/1 であり、換算繊維径が5〜17μmである扁平ガラス繊維を90重量%以上含み、厚さが100μm、好ましくは50μm以下であるガラス繊維不織布を基材として用いる。繊維の比誘電率は高い方が好ましく、好適にはHガラス(比誘電率11)等が使用される。又セラミック繊維は、比誘電率が50以上、好ましくは500以上の布を使用する。
【0016】
基材の両面に樹脂層を形成してプリプレグを作成する方法は、絶縁性無機充填剤を樹脂組成物に添加して、必要により溶剤を加えてワニスとしたものを、熱可塑性フィルムの片面にナイフコーティング等で塗布し、加熱、乾燥してBステージ樹脂シートとし、これを基材の両面に、樹脂層が基材側を向くように配置し、加熱、加圧ロール等で圧着し、一体化したBステージプリプレグとする。この樹脂層は、厚みにより1層以上を形成する。又、無溶剤樹脂組成物に無機充填剤を配合してライカイ機等で混練し、これを押し出しながら基材両面に直接付着させるか、熱可塑性フィルムの片面に付着させて、これを基材の両面に配置して加熱、加圧下に熱圧着させる方法等が使用可能である。
【0017】
本発明のプリプレグは、少なくとも片面に銅箔、好ましくは電解銅箔を配置し、加熱、加圧下に積層成形して銅張積層板とする。この銅箔は特に限定しないが、好適には厚さ3〜35μmの電解銅箔が使用される。本発明で使用する銅張板の積層成形条件は,一般には温度150〜250℃、圧力5〜50kgf/cm2、時間は1〜5時間である。又、真空下に積層成形するのが好ましい。もちろん、銅箔を使用せずに積層成形して積層板を作成し、スパッタリング等の一般に公知の方法で銅を付着できる。しかしながら、作業性、密着性等の点からは、直接銅箔を使用して積層成形するのが好ましい。
【0018】
本発明の製造方法で得られたプリプレグを使用した銅張板は、メカニカルドリルで孔あけ可能であるが、無機充填剤が多い場合にはドリル摩耗等が大きいため、レーザーでの孔あけが好適である。銅張板に貫通孔及び/又はブラインドビア孔をあける場合、孔径180μmを越える孔は貫通孔をメカニカルドリルであけるのが好ましい。又孔径20μm以上で、180μm以下の貫通孔及び/又はブラインドビア孔は、レ−ザーであけるのが好ましい。20μm以上で80μm未満の貫通孔及び/又はブラインドビア孔はエキシマレーザー、YAGレーザーで孔あけするのが好ましい。更に、80μm以上で180mμ以下の貫通孔及び/又はブラインドビア孔は、銅箔表面に薬液処理を施すか、融点900℃以上で、且つ結合エネルギー300kJ/mol 以上の金属化合物粉、カーボン粉、又は金属粉の1種或いは2種以上を配合した樹脂組成物よりなる補助材料を銅箔表面に配置するか、銅箔のシャイニー面にニッケル金属層又はニッケル合金層を形成した孔あけ補助層を用いるのが好ましい。孔あけ補助層の上から直接炭酸ガスレーザーを直接照射して、孔あけを行う。もちろん、その他の一般に公知の孔あけ方法も使用可能である。
【0019】
本発明で使用する補助材料の中の、融点900℃以上で、且つ、結合エネルギー300kJ/mol 以上の金属化合物としては、一般に公知のものが使用できる。具体的には、酸化物としては、酸化チタン等のチタニア類、酸化マグネシウム等のマグネシア類、酸化鉄等の鉄酸化物、酸化ニッケル等のニッケル酸化物、二酸化マンガン、酸化亜鉛等の亜鉛酸化物、二酸化珪素、酸化アルミニウム、希土類酸化物、酸化コバルト等のコバルト酸化物、酸化錫等のスズ酸化物、酸化タングステン等のタングステン酸化物、等が挙げられる。非酸化物としては、炭化珪素、炭化タングステン、窒化硼素、窒化珪素、窒化チタン、窒化アルミニウム、硫酸バリウム、希土類酸硫化物等、一般に公知のものが挙げられる。その他、カーボンも使用できる。更に、その酸化金属粉の混合物である各種ガラス類が挙げられる。又、カーボン粉が挙げられ、更に銀、アルミニウム、ビスマス、コバルト、銅、鉄、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ニッケル、パラジウム、アンチモン、ケイ素、錫、チタン、バナジウム、タングステン、亜鉛等の単体、或いはそれらの合金の金属粉が使用される。これらは一種或いは二種以上が組み合わせて使用される。平均粒子径は、特に限定しないが、1μm以下が好ましい。
【0020】
炭酸ガスレーザーの照射で分子が解離するか、溶融して飛散するために、金属が孔壁等に付着して、半導体チップ、孔壁密着性等に悪影響を及ぼさないようなものが好ましい。Na,K,Clイオン等は、特に半導体の信頼性に悪影響を及ぼすため、これらの成分を含むものは好適でない。配合量は、3〜97vol%、好適には5〜95vol%が使用され、好適には水溶性樹脂に配合され、均一に分散される。
補助材料に使用される水溶性樹脂としては、特に制限はしないが、混練して銅箔表面に塗布、乾燥した場合、或いはシート状とした場合、剥離欠落しないものを選択する。例えばポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリエーテル、澱粉等、一般に公知のものが使用される。
【0021】
金属化合物粉、カーボン粉、又は金属粉と樹脂からなる組成物を作成する方法は、特に限定しないが、ニーダー等で無溶剤にて高温で練り、熱可塑性フィルム上にシート状に押し出して付着する方法、水に水溶性樹脂を溶解させ、これに上記粉体を加え、均一に攪拌混合して、これを用い、塗料として熱可塑性フィルム上に塗布、乾燥して膜を形成する方法等、一般に公知の方法が使用できる。厚みは、特に限定はしないが、一般には総厚み30〜200μmで使用する。
【0022】
それ以外に銅箔表面に薬液処理を施してから同様に孔あけすることが可能である。この処理としては、特に限定はしないが、例えばCZ処理(メック社)等が好適に使用できる。
【0023】
裏面は、貫通孔を形成する時に生ずる炭酸ガスレーザーテーブルの損傷を避けるために裏面には金属板の上に水溶性樹脂を付着させたバックアップシートを使用するのが好ましい。
【0024】
補助材料は銅箔面上に塗膜として塗布するか、熱可塑性フィルム上に塗布してシートとする。シートを銅箔面に加熱、加圧下にラミネートする場合、補助材料、バックアップシートともに塗布樹脂層を銅箔面に向け、ロールにて、温度は一般に40〜150℃、好ましくは60〜120℃で、線圧は一般に1〜20kgf/cm、好ましくは2〜10kgf/cmの圧力でラミネートし、樹脂層を溶融させて銅箔面と密着させる。温度の選択は使用する水溶性樹脂の融点で異なり、又、線圧、ラミネート速度によっても異なるが、一般には、水溶性樹脂の融点より5〜20℃高い温度でラミネートする。又、室温で密着させる場合、塗布樹脂層表面3μm以下を、ラミネート前に水分で湿らせて、水溶性樹脂を少し溶解させ、同様の圧力でラミネートする。水分で湿らせる方法は特に限定しないが、例えばロールで水分を塗膜樹脂面に連続的に塗布するようにし、その後、連続して銅張積層板の表面にラミネートする方法、水分をスプレー式に連続して塗膜表面に吹き付け、その後、連続して銅張積層板の表面にラミネートする方法等が使用し得る。
【0025】
炭酸ガスレーザーを、好適には出力5〜60mJ 照射して孔を形成した場合、孔周辺には銅箔バリが発生する。これは、薄い銅箔を張った両面銅張積層板では、特に問題でなく、銅箔面に残存した樹脂を気相或いは液相処理を行って除去し、孔内部にそのまま銅メッキを行なって孔内部の50容積%以上を銅メッキし、同時に表層もメッキして銅箔厚みを18μm以下とすることが可能である。しかしながら、好適には、孔部にエッチング液を吹き付けるか吸引して通し、張り出した銅箔バリを溶解除去すると同時に表層の銅箔の残存厚みが2〜7μm、好適には3〜5μmとなるようにエッチングし、銅メッキを行う。この場合、機械研磨よりは薬液によるエッチングの方が、孔部のバリ除去、研磨による寸法変化等の点から好適である。銅メッキを施した後、この表裏面に回路形成を行いプリント配線板とする。多層積層板とする場合、このプリント配線板の少なくとも片面に銅表面処理を施した後、プリプレグ及び銅箔を配置し、積層成形をして得られる多層銅張板を用いて、好適には最後に内外層銅箔を接続するように表裏を貫通する孔及び/又はブラインドビア孔を形成し、表裏の銅箔の一部を薬液にてエッチング除去する。スルーホールメッキ、ブラインドビア孔銅メッキ、表裏の回路形成後、必要によりメッキレジストで被覆し、貴金属メッキを行い、プリント配線板とする。
【0026】
本発明の孔部に発生した銅のバリをエッチング除去する方法としては、特に限定しないが、例えば、特開平02-22887、同02-22896、同02-25089、同02-25090、同02-59337、同02-60189、同02-166789、同03-25995、同03-60183、同03-94491、同04-199592、同04-263488号公報で開示された、薬品で金属表面を溶解除去する方法(SUEP法と呼ぶ)による。エッチング速度は、一般には0.02〜1.0μm/秒で行う。
【0027】
炭酸ガスレーザーは、赤外線波長域にある9.3〜10.6μmの波長が一般に使用される。出力は、好ましくは、5〜60mJ/パルス にて銅箔を加工し、孔をあける。エキシマレーザーは波長248〜308nm、YAGレーザーは波長351〜355 nmが一般に使用されるが、限定されるものではない。加工速度は炭酸ガスレーザーが格段に速く、経済的である。また炭酸ガスレーザーによる孔あけ加工速度は、ドリルであける場合よりも速く経済的である。
【0028】
貫通孔及び/又はブラインドビア孔をあける場合、最初から最後まで5〜60mJから選ばれるエネルギーを照射する方法、途中でエネルギーを変えて孔あけする方法等が使用できる。表層の銅箔を除去する場合、より高い、例えば20〜60mJのエネルギーを選ぶことにより、照射ショット数が少なくて済み、効率が良い。中間の樹脂層を加工する場合、必ずしも高出力が必要ではなく、基材及び樹脂により適宜選択できる。例えば出力5〜35mJ から選ぶことも可能である。もちろん、最後まで高出力で加工することもできる。孔内部に内層銅箔がある場合、ない場合で加工条件を変化させることが可能である。
【0029】
炭酸ガスレーザーで加工された孔内部の内層銅箔には1μm程度の樹脂層が残存する場合が殆どである。また、メカニカルドリルで孔あけした場合、スミアが残る可能性があり、この樹脂層を除去することにより、さらなる銅メッキと内外層の銅との接続信頼性が良くなる。樹脂層を除去するためには、デスミア処理等の一般に公知の処理が可能であるが、液が小径の孔内部に到達しない場合、内層の銅箔表面に残存する樹脂層の除去残が発生し、銅メッキとの接続不良になる場合がある。従って、より好適には、まず気相で孔内部を処理して樹脂の残存層を完全に除去し、次いで孔内部を、好ましくは超音波を併用して湿潤処理する。
【0030】
気相処理としては一般に公知の処理が使用可能であるが、例えばプラズマ処理、低圧紫外線処理等が挙げられる。プラズマは、高周波電源により分子を部分的に励起し、電離させた低温プラズマを用いる。これは、イオンの衝撃を利用した高速の処理、ラジカル種による穏やかな処理が一般には使用され、処理ガスとして、反応性ガス、不活性ガスが使用される。反応性ガスとしては、主に酸素が使用され、化学的に表面処理をする。不活性ガスとしては、主にアルゴンガスを使用する。このアルゴンガス等を使用し、物理的な表面処理を行う。物理的な処理は、イオンの衝撃を利用して表面をクリーニングする。低紫外線は、波長が短い領域の紫外線であり、波長として、184.9nm、253.7nm がピークの短波長域の波長を照射し、樹脂層を分解除去する。その後、樹脂表面が疎水化される場合が多いため、特に小径孔の場合、超音波を併用して湿潤処理を行い、その後銅メッキを行うことが好ましい。湿潤処理としては、特に限定しないが、例えば過マンガン酸カリ水溶液、ソフトエッチング用水溶液等によるものが挙げられる。
【0031】
孔内部は、必ずしも銅メッキで充填しなくても電気的導通はとれるが、好適には50容積%以上、更に好ましくは90容積%以上充填する。しかしながら、メッキ時間を長くして孔内部を充填すると作業性が悪く、孔充填に適したパルスメッキ用添加剤(日本リロナール<株>製)を用いた工法等が好適に使用される。
【0032】
【実施例】
以下に実施例、比較例で本発明を具体的に説明する。尚、特に断らない限り、『部』は重量部を表す。
【0033】
実施例1〜4、参考例1
2,2-ビス(4-シアナトフェニル)プロパンモノマー(成分Aー1)を1,000部150℃に熔融させ、撹拌しながら4時間反応させ、平均分子量1,900のプレポリマー(成分Aー2)を得た。室温で液状のエポキシ樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名::エピコート828、油化シェルエポキシ<株>製、成分B-1)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(商品名:EXA830LVP、大日本インキ化学工業<株>製、成分B-2)、ノボラック型エポキシ樹脂(商品名:DEN431、ダウケミカル<株>製、成分B-3)、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(商品名:ESCN220F、住友化学工業<株>製、成分B-4)を配合し、熱硬化触媒てしてアセチルアセトン鉄(成分C-1)、2-エチル-4-メチルイミダゾール(成分C-2)、更に添加剤として、エポキシシランカップリング剤(商品名:A-187、日本ユニカ<株>製、成分D-1)、ジシアンジアミド(成分E-1)を配合してワニスとした。絶縁性無機充填剤として、チタン酸バリウム系セラミック(室温での1MHzでの比誘電率:2,010、比表面積0.41m2/g、成分F-1とする)、チタン酸ビスマス系セラミック(室温での比誘電率:733、比表面積0.52m2/g、成分F-2とする)、チタン酸バリウム-錫酸カルシウム系セラミック(室温での比誘電率:5,020、比表面積0.45m2/g、成分F-3とする)、チタン酸鉛系セラミック(室温での比誘電率1,700、比表面積0.90m2/g、成分F-4とする)を用いて表1のように配合し、ライカイ機で10分間均一に混練し、粘度の高いものはメチルエチルケトンを少量添加して塗布するのに適正な粘度としてワニスとした。このワニスを厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの片面に連続して厚さ40〜50μmとなるように塗布、乾燥して、170℃、20kgf/cm2 、5分での樹脂流れが1〜20mmとなるようにBステージ化した樹脂シートZを作成した。
【0034】
繊維径が13μm、長さが16mmの液晶ポリエステル繊維を、ポリエチレンオキサイド分散溶液中に分散し、目付量が30g/m2となるように抄造した不織布にエポキシ樹脂エマルジョン及びシランカップリング剤を用いた接着剤溶液を作り、これを6重量%付着させて150°Cで乾燥して得られた不織布G、扁平比4/1、面積比92%、換算繊維径10μm、長さが13μmの高扁平ガラス繊維を同様にバインダー、シランカップリング剤を付着させて得た、目付量15g/m2の不織布H、繊維径11μm、長さ14μm、比誘電率1,320のセラミック繊維を同様にして作成した不織布Iの両面に、前記樹脂シートZを樹脂層が基材側を向くように配置し、、100℃、5kgf/cmのロールでラミネートして一体化し、Bステージプリプレグとした後、530×530mmに切断した。
【0035】
このBステージプリプレグのPETフィルムを剥離し、これを3枚用い、この両面に12μmの一般の電解銅箔(JTC-LP、<株>ジャパンエナージー製)を配置し、200℃、30kgf/cm2、30mmHg以下の真空下で2時間積層成形し、両面銅張積層板を得た。一方、酸化金属粉として黒色酸化銅粉(平均粒子径:0.8μm)800部に、ポリビニルアルコール粉体を水に溶解したワニスに加え、均一に攪拌混合した。これを厚さ50μmのPETフィルム片面上に、厚さ30μmとなるように塗布し、110℃で30分間乾燥して、金属化合物粉含有量45vol%の補助材料Pを作成した。又厚さ50μmのアルミニウム箔の片面にこのワニスを厚さ20μmとなるように塗布、乾燥してバックアップシートQを作成した。上記両面銅張積層板の上側に上記補助材料P、下側に上記バックアップシートQを、樹脂面が銅箔側を向くように配置し、100℃、5kgf/cmでラミネートしてから、孔径100μmの孔を20mm角内に144個直接炭酸ガスレーザーで、出力30mJで4ショット照射して、70ブロック(合計10080孔)の貫通孔をあけ、SUEP処理を行い、表層の銅箔を3μmになるまでエッチングするとともに、孔周辺のバリをも溶解除去した後、銅メッキを15μm付着させた。表裏を既存の方法にて回路(ライン/スペース=50/50μm)、ハンダボール用ランド等を形成し、少なくとも半導体チップ搭載部、ボンディングパッド部、ハンダボールランド部を除いてメッキレジストで被覆し、ニッケル、金メッキを施し、プリント配線板を作成した。評価結果を表2に示す。
【0036】
比較例1
エポキシ樹脂(商品名:エピコート5045、油化シェルエポキシ<株>製)2,000部、ジシアンジアミド70部、2ーエチルイミダゾール2部をメチルエチルケトンとジメチルホルムアミドの混合溶剤に溶解し、攪拌混合して均一分散してワニスGを得た(この固形を成分B-5とする)。これにチタン酸ビスマス系セラミック(粒子径0.5〜5μm、平均粒子径1.3μm、比表面積1.29m2/g、比誘電率730、F-5とする)を表1に示すように添加して均一混練してこれを厚さ50μmのガラス織布Jに含浸、乾燥して、Bステージプリプレグを作成した。この場合、樹脂量が多いためにガラス織布の表面でムラ、割れが生じた。塗布が良好な箇所を選び、この両面に12μmの電解銅箔を配置し、190℃、30kgf/cm2、30mmHg以下の真空下で2時間積層成形して両面銅張積層板を作成した。
この銅張積層板にメカニカルドリルで孔径 200μmの貫通孔を形成した。SUEP処理を行わず、通常の銅メッキを15μm付着させた。これを用いて、プリント配線板を作成した。評価結果を表2に示す。
【0037】
比較例2
比較例1のワニスGに二酸化チタン系セラック粉体(比表面積1.26m2/g、比誘電率25、成分F-6とする)を90重量%となるように加え、これを攪拌機にて良く攪拌混合してからガラス織布Jに含浸、乾燥してプリプレグとしたが、これも無機充填剤量が多いため、塗りムラ、割れが生じたが、塗りの良好な箇所を選び、これを4枚使用し、その両側に12μmの電解銅箔を置き、比較例1と同様に積層成形して銅張積層板とした。同様にメカニカルドリルで孔あけし、プリント配線板とした。評価結果を表2に示す。
【0038】
比較例3
比較例2のワニスを厚さ12μmの電解銅箔に連続的に塗布、乾燥して厚さ60μmのBステージ樹脂付銅箔を作成した。これを2枚樹脂が向き合うように配置し、190℃、30kgf/cm2、30mmHg以下の真空下で2時間成形して両面銅張板を作成した。この銅張板にメカニカルドリルで孔径200μmの貫通孔をあけ、SUEP処理を行わずに、通常の銅メッキを15μm付着させた。これを用いて、プリント配線板を作成した。評価結果を表2に示す。
【0039】
表1 配合
成 分 実 施 例 比 較 例
1 2 参考例1 3 4 1 2 3
A-1 15 20 25
A-2 13 20 20 60
B-1 5 10
B-2 22 10 15 20 10
B-3 50 45 40 15 10
B-4 65 10
B-5 100 100 100
C-1 0.08 0.10 0.11 0.12
C-2 0.5 0.1 0.5
D-1 2 2 2 2 2 2 2 2
E-1 5
F-1 400 600
F-2 900
F-3 100
F-4 900 700
F-5 400
F-6 900 900
無機充填粒子径幅(μm)
3-41 3-40 3-42 5-38 3-41 0.5-5 1-5 1-5
平均粒子径(μm)
10 6 12 20 12 1.3 2.1 2.1
使用基材 無し
G ○ ○
H ○
I ○
J ○ ○ ○
【0040】
表2 項 目 実 施 例 比 較 例
1 2 参考例1 3 4 1 2 3
成形後のボイド 無し 無し 無し 無し 無し 少し ボイド 無し
有り 大
銅箔接着力(12μm)kgf/cm
0.99 0.71 1.05 0.87 0.61 0.48 ー 0.22
PCT(121℃・203kP 2hrs.)処理後の半田耐熱性(260℃・30sec.浸せき)
異 常 無 し 膨れ少 膨れ 異常
し発生 大 無し
パターン切れ及びショート(個)
0/200 0/200 0/200 0/200 0/200 64/200 60/200 58/200
ガラス転移温度(℃)
191 211 227 184 233 137 138 138
スルーホール・ヒートサイクル試験(%)
150 サイクル 1.8 2.1 1.5 1.9 1.6 8.8 15.1 35.9
比誘電率(1MHz) 25 19 29 97 46 11 ー 7.8
プレッシャークッカ処理後の絶縁抵抗値(Ω)
常 態 ー 5x1014 ー 4x1014 ー 6x1014 ー ー
200hrs. 3x1010 2x1010 < 108
耐マイグレーション性(Ω)
常 態 ー 5x1013 ー 3x1013 ー 6x1013 ー ー
200hrs. 6x1011 7x1014 3x109
500hrs. 9x1010 6x1010 < 108
曲げ強度(kgf/cm2)
9 11 15 20 14 ー ー 2
【0041】
<測定方法>
1)積層成形後のボイド
積層成形した銅箔をエッチング除去し、目視にてボイドを確認した。
2)銅箔接着力
JIS C6481に準じて測定した。
3)PCT(プレッシャークッカー;121℃・203kPa、2hrs.)処理後の半田耐熱性
処理後に260℃の半田中に30sec.浸せきしてから異常の有無を観察した。
4)回路パターン切れ、及びショート、
実施例、比較例で孔のあいていない板を同様に作成し、ライン/スペース=50/50μmの櫛形パターンを作成した後、拡大鏡でエッチング後の200パターンを目視にて観察し、パターン切れ、及びショートしているパターンの合計を分子に示した。
5)ガラス転移温度
DMA法にて測定した。
6)スルーホール・ヒートサイクル試験
各スルーホール孔にランド径300μmを作成し、900孔を表裏交互につなぎ、1サイクルが、260℃・ハンダ・浸せき30秒→室温・5分 で、150サイクルまで実施し、抵抗値の変化率の最大値を示した。
7)プレッシャークッカー処理後の絶縁抵抗値
端子間(ライン/スペース=50/50μm)の櫛形パターンを作成し、この上に、それぞれ使用したプリプレグを配置し、積層成形したものを、121℃・203kPa にて所定時間処理した後、25℃・60%RH で2時間後処理を行い、500VDCを印加して端子間の絶縁抵抗値を測定した。
8)耐マイグレーション性
上記6)の試験片を85℃・85%RH、50VDC印加して端子間の絶縁抵抗値を測定した。
9)比誘電率
LCRメーターにて測定し、計算にて算出した。
10)曲げ強度
支点間距離20mm、幅20mmで測定した。
【0042】
【発明の効果】
繊維布基材を用い、この両面に比誘電率50以上、好適には500以上で、好適には比表面積が0.30〜1.00m2/gの絶縁性無機充填剤を熱硬化性樹脂組成物、好適には、(a)多官能性シアン酸エステルモノマー、該シアン酸エステルプレポリマー100重量部に対し、(b)室温で液状のエポキシ樹脂を50〜10,000重量部配合し、この(a+b)成分100重量部に対し、熱硬化触媒を0.005〜10重量部配合した樹脂成分に10〜99重量%、好ましくは85〜95重量%となるように均一に混合して得られる高比誘電率樹脂組成物を付着させて作成したプリプレグを用い、これを銅張積層板にし、プリント配線板としたものは、銅箔との密着性や強度に優れ、耐熱性、吸湿後の電気絶縁性等に優れ、比誘電率は20以上のものが得られ、コンデンサ等として有用なものが作成できた。又、補助層を銅張積層板の上に使用することにより、高エネルギーの炭酸ガスレーザーを照射して直接小径の孔をあけることが可能であり、高密度のプリント配線板を得ることができた。
Claims (7)
- 熱可塑性フィルムの片面に、熱硬化性樹脂組成物中に80〜99重量%の比誘電率が室温で50以上の絶縁性無機充填剤粉体を配合した樹脂組成物を塗布、乾燥してBステージとした樹脂組成物層を作成し、これを繊維布基材の両面に樹脂層が基材側を向くように配置し、基材に接着させることを特徴とするプリプレグの製造方法。
- 該熱硬化性樹脂組成物が、(a)多官能性シアン酸エステルモノマー、該シアン酸エステルプレポリマー100重量部に対し、(b)室温で液状のエポキシ樹脂50〜10,000重量部を配合し、この(a+b)100重量部に対し、熱硬化触媒0.005〜10重量部を配合した樹脂組成物を必須成分としたものに、比誘電率が50以上の絶縁性無機充填剤粉体を80〜99重量%配合することを特徴とする請求項1記載のプリプレグの製造方法。
- 該絶縁性無機充填剤粉体が、チタン酸バリウム系セラミック、チタン酸ストロンチウム系セラミック、チタン酸鉛系セラミック、チタン酸カルシウム系セラミック、チタン酸ビスマス系セラミック、ジルコン酸鉛系セラミックを少なくとも1種以上含有してなる無機粉体及び/又はこれらの1種以上を焼結した後に粉砕した粉体であることを特徴とする請求項1又は2記載のプリプレグの製造方法。
- 該繊維布が、液晶ポリエステル繊維不織布であることを特徴とする請求項1、2又は3のいずれかに記載のプリプレグの製造方法。
- 該繊維布が、比誘電率50以上の無機繊維不織布であることを特徴とする請求項1,2,3又は4のいずれかに記載のプリプレグの製造方法。
- 該請求項1〜5のいずれかに記載のプリプレグ製造方法により得られたプリプレグを使用して作成した銅張板の表面に炭酸ガスレーザー孔あけ補助層を形成し、この上から炭酸ガスレーザーを直接照射して貫通孔及び/又はブラインドビア孔を形成して作成されることを特徴とするプリント配線板。
- 炭酸ガスレーザーで孔あけ後、薬液にて孔部に発生した銅箔バリを溶解除去するとともに、表層の銅箔を平面的に一部溶解除去して得られる銅張板を用いることを特徴とする請求項6記載のプリント配線板。
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