JP2002060514A - プリプレグの製造方法 - Google Patents

プリプレグの製造方法

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JP2002060514A
JP2002060514A JP2000247251A JP2000247251A JP2002060514A JP 2002060514 A JP2002060514 A JP 2002060514A JP 2000247251 A JP2000247251 A JP 2000247251A JP 2000247251 A JP2000247251 A JP 2000247251A JP 2002060514 A JP2002060514 A JP 2002060514A
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resin
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Nobuyuki Ikeguchi
信之 池口
Masahiro Shimoda
正寛 下田
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無機充填剤を配合した樹脂組成物
を使用して、充填剤の沈降がなく、高充填剤量でも銅箔
の接着力の良好なプリプレグを得る。 【解決手段】 熱可塑性フィルムの片面に、熱硬化性樹
脂中に絶縁性無機充填剤粉体を10〜99重量%配合してな
る樹脂組成物を塗布、乾燥してBステージとした樹脂組
成物層を作成し、これを繊維布基材の両面に樹脂組成物
層が基材側を向くように配置し、基材に接着させること
を特徴とするプリプレグの製造方法、及び樹脂組成物
は、好適には、(a)多官能性シアン酸エステル化合物100
重量部に対し、(b)室温で液状のエポキシ樹脂を50〜10.
000重量部、(a+b)成分100重量部に対し熱硬化触媒0.005
〜10重量部配合した熱硬化性樹脂と、比誘電率が室温で
50以上、BET比表面積0.30〜1.00m2/gの絶縁性無機充填
剤を10〜99重量%配合したものである。 【効果】 高無機充填量でも沈降がなく、均
一なプリプレグを作成でき、樹脂組成物と基材との付着
が良好である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、比誘電率の高いB
ステージのプリプレグ、及びそれから作成されたプリン
ト配線板に関する。特に炭酸ガスレーザーで孔あけして
得られたプリント配線板は、高密度の小型プリント配線
板として、半導体チップを搭載し、小型、軽量の新規な
半導体プラスチックパッケージ用、遅延素子用等として
の使用に適している。
【0002】
【従来の技術】近年、ますます小型、薄型、軽量化する
電子機器において、高密度の多層プリント配線板が使用
されるようになってきている。このプリント配線板は、
熱放散性等を向上させるため無機充填剤を多量に添加す
るケースが見られるが、多量に添加した場合、銅箔との
密着力に劣る、無機充填剤の分散性等に劣る等の欠点が
見られた。又、ガラス布基材を用いてプリプレグを作成
する場合、樹脂組成物中の無機充填剤の量が多すぎる場
合、含浸、乾燥すると、ガラス布基材表層の樹脂組成物
の付着が困難であり、不均一となって、プリプレグが作
成できず、加えて無機充填剤は比重が大きく、ワニスに
分散させると沈降するために多量に添加した事例が見あ
たらない。このため従来の提案においては、具体的には
無機充填剤添加量は75重量%が限度であった。更に、
無機充填剤を多く配合すると、得られた銅張積層板は脆
く、銅箔を接着させた場合、接着力は極めて低くプリン
ト配線板としての実用性に乏しいものであった。無機充
填剤量が少ない場合でも、不織布に含浸、乾燥した場
合、不織布の隙間に均一に無機充填剤含有樹脂組成物が
付着せず、積層成形時に樹脂流れが多く、積層板の場所
による均一性が良好でないものができていた。加えて、
高密度プリント配線板とした時に、耐熱性、耐マイグレ
ーション性、吸湿後の電気絶縁性等も問題となってい
た。更に、特開平9-12742号公報では、ガラス布基材を
使用せずに、熱硬化性樹脂に比誘電率50以上の無機粉末
を混合して得られた高誘電率フィルムを提案している。
この場合、フィルム状にするために、樹脂の粘度が高
く、無機充填剤の添加量は60重量%程度が上限である。
これを用いて得られた銅張板は曲げ強度等の機械的強度
に問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の問題
点を解決した、無機充填剤を80重量%以上配合しても
基材との付着が良好で、これを用いて作製された銅張板
は銅箔の接着力が高く、機械的強度が強く、そのプリン
ト配線板は耐熱性、耐プレッシャークッカー性、吸湿後
の電気絶縁性等に優れている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱可塑性フィ
ルムの片面に、熱硬化性樹脂中に絶縁性無機充填剤粉体
を10〜99重量%配合してなる樹脂組成物を塗布、乾燥し
てBステージとした樹脂組成物層を作成し、これを繊維
布基材の両面に樹脂組成物層が基材側を向くように配置
し、基材に接着させることを特徴とするプリプレグの製
造方法を提供する。本発明において好ましくは、熱硬化
性樹脂として、(a)多官能性シアン酸エステル化合物、
該シアン酸エステルプレポリマー100重量部に対して、
(b)室温で液状のエポキシ樹脂50〜10,000重量部を配合
し、この(a+b)100重量部に対して、熱硬化触媒0.005〜1
0重量部を配合してなるものを必須成分とし、これに、
BET比表面積が0.30〜1.00m2/g、平均粒子径4〜30μm
の絶縁性無機充填剤粉末を10〜99重量%、好適には80
〜99重量%となるように均一混合して作成したプリプ
レグが提供される。さらに、本発明により得られたプリ
プレグを使用した銅張積層板はは、銅箔接着力に優れ、
強度が強く、さらにこの銅張板を使用したプリント配線
板は高耐熱性で、耐マイグレーション性、吸湿後の電気
絶縁性に優れたものを得ることができた。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明は、熱可塑性フィルムの片
面に、絶縁性無機充填剤を熱硬化性樹脂中に10〜99重量
%配合し、Bステージとした熱硬化性樹脂組成物層を設
け、繊維布基材の両側に樹脂組成物層を内側として配置
し、加熱、加圧下に中央の基材に付着させてプリプレグ
とする製造方法である。本発明の製造方法で得られたプ
リプレグを銅張板に加工し、孔あけ、回路形成してプリ
ント配線板の製造に提供される。
【0006】無機充填剤を多量、特に80重量%以上熱硬
化性樹脂中に添加すると、従来のプリプレグの製造方法
では基材への付着が不均一となり、良好なプリプレグが
得られなかった。またこれを用いて積層成形して得られ
た銅張積層板は、銅箔接着力が低くなる等の欠点が生じ
る。そのために、従来の提案では無機充填剤を多量に添
加した銅張積層板の製造は困難であった。
【0007】本発明では、特に比誘電率20以上で、且つ
銅箔接着力の保持された銅張積層板及びそれを用いたプ
リント配線板を作成するために、好適には無機充填剤の
平均粒子径が4〜30μm、BET比表面積0.30〜1.00m2/g
である一般に公知の絶縁性無機充填剤を使用する。無
機充填剤として特に限定はないが、チタン酸バリウム系
セラミック、チタン酸鉛系セラミック、チタン酸カルシ
ウム系セラミック、チタン酸ストロンチウム系セラミッ
ク、チタン酸マグネシウム系セラミック、チタン酸ビス
マス系セラミック、ジルコン酸鉛系セラミック等が好適
に使用され、これらの少なくとも1種以上を含有する
か、及び/又はこれらの1種以上を焼結した後に粉砕し
た粉末を配合する。これらは組成的には、その成分単独
系、又は他の少量の添加物を含む系で、主成分の結晶構
造が保持されているものである。これらは単独或いは2
種以上組み合わせて使用される。
【0008】樹脂としては特に限定はしない。例えば、
多官能性シアン酸エステル樹脂、多官能性マレイミド樹
脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、二重結合付加ポリ
フェニレンオキサイド樹脂等一般に公知の熱硬化性樹脂
が用いられる。これらは1種或いは2種以上が組み合わ
せて使用される。この中でも、耐マイグレーション性、
耐熱性、吸湿後の耐熱性等の点から、多官能性シアン酸
エステル樹脂が好適に使用される。使用量としては、好
適には(a)多官能性シアン酸エステル化合物、該シアン
酸エステルプレポリマー 100重量部に対し、(b)室温で
液状のエポキシ樹脂を50〜10,000重量部配合し、この(a
+b)成分100重量部に対し、熱硬化触媒0.005〜10重量部
配合した樹脂組成物を必須成分とした熱硬化性樹脂組成
物を用いる。
【0009】本発明で使用される多官能性シアン酸エス
テル化合物とは、分子内に2個以上のシアナト基を有す
る化合物である。具体的に例示すると、1,3-又は1,4-ジ
シアナトベンゼン、1,3,5-トリシアナトベンゼン、1,3
-、1,4-、1,6-、1,8-、2,6-又は2,7-ジシアナトナフタ
レン、1,3,6-トリシアナトナフタレン、4,4-ジシアナト
ビフェニル、ビス(4-ジシアナトフェニル)メタン、2,2-
ビス(4-シアナトフェニル)プロパン、2,2-ビス(3,5-ジ
ブロモー4-シアナトフェニル)プロパン、ビス(4-シアナ
トフェニル)エーテル、ビス(4-シアナトフェニル)チオ
エーテル、ビス(4-シアナトフェニル)スルホン、トリス
(4-シアナトフェニル)ホスファイト、トリス(4-シアナ
トフェニル)ホスフェート、およびノボラックとハロゲ
ン化シアンとの反応により得られるシアネート類などで
ある。
【0010】これらのほかに特公昭41-1928、同43-1846
8、同44-4791、同45-11712、同46-41112、同47-26853及
び特開昭51-63149号公報等に記載の多官能性シアン酸エ
ステル化合物類も用いられ得る。また、これら多官能性
シアン酸エステル化合物のシアナト基の三量化によって
形成されるトリアジン環を有する分子量400〜6,000のプ
レポリマーが使用される。このプレポリマーは、上記の
多官能性シアン酸エステルモノマーを、例えば鉱酸、ル
イス酸等の酸類;ナトリウムアルコラート等、第三級ア
ミン類等の塩基;炭酸ナトリウム等の塩類等を触媒とし
て重合させることにより得られる。このプレポリマー中
には一部未反応のモノマーも含まれており、モノマーと
プレポリマーとの混合物の形態をしており、このような
原料は本発明の用途に好適に使用される。一般には可溶
な有機溶剤に溶解させて使用する。
【0011】室温で液状のエポキシ樹脂としては、一般
に公知のものが使用可能である。具体的には、ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹
脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ポリエーテ
ルポリオールのジグリシジル化物、酸無水物のエポキシ
化物、脂環式エポキシ樹脂等が単独或いは2種以上組み
合わせて使用される。使用量は、多官能性シアン酸エス
テル化合物、該シアン酸エステルプレポリマー 100重量
部に対し、50〜10,000重量部、好ましくは100〜5,000重
量部である。
【0012】本発明の熱硬化性樹脂組成物には、組成物
本来の特性が損なわれない範囲で、所望に応じて種々の
添加物を配合することができる。これらの添加物として
は、不飽和ポリエステル等の重合性二重結合含有モノマ
ー類及びそのプレポリマー類;ポリブタジエン、エポキ
シ化ブタジエン、マレイン化ブタジエン、ブタジエン-
アクリロニトリル共重合体、ポリクロロプレン、ブタジ
エン-スチレン共重合体、ポリイソプレン、ブチルゴ
ム、フッ素ゴム、天然ゴム等の低分子量液状〜高分子量
のelasticなゴム類;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リブテン、ポリ-4-メチルペンテン、ポリスチレン、AS
樹脂、ABS樹脂、MBS樹脂、スチレン-イソプレンゴム、
ポリエチレン-プロピレン共重合体、4-フッ化エチレン-
6-フッ化エチレン共重合体類;ポリカーボネート、ポリ
フェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエステル、ポ
リフェニレンサルファイド等の高分子量プレポリマー若
しくはオリゴマー;ポリウレタン等が例示され、適宜使
用される。また、その他、公知の無機、有機の充填剤、
染料、顔料、増粘剤、滑剤、消泡剤、分散剤、レベリン
グ剤、光増感剤、難燃剤、光沢剤、重合禁止剤、チキソ
性付与剤等の各種添加剤が、所望に応じて適宜組み合わ
せて用いられる。必要により、反応基を有する化合物は
硬化剤、触媒が適宜配合される。
【0013】熱硬化性樹脂組成物は、それ自体は加熱に
より硬化するが硬化速度が遅く、作業性、経済性等に劣
る場合には、使用した熱硬化性樹脂に対して公知の熱硬
化触媒を用い得る。使用量は、熱硬化性樹脂100重量部
に対し、0.005〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部で
ある。
【0014】本発明の各成分を均一に混練する方法は、
一般に公知の方法が使用され得る。例えば、各成分を配
合後、三本ロールにて、室温或いは加熱下に混練する
か、ボールミル、ライカイ機、ホモミキサー等、一般に
公知のものが使用される。また、溶剤を添加して加工法
に合う粘度として使用する。
【0015】また、基材としては、有機、無機繊維布基
材を使用する。種類については特に限定はないが、有機
繊維布としては、好適には液晶ポリエステル繊維、ポリ
ベンザゾール繊維、全芳香族ポリアミド繊維などの不織
布、織布が使用される。特に、メカニカルドリル、炭酸
ガスレーザー等の孔あけの点からは、液晶ポリエステル
不織布が好適に使用される。不織布とする場合、繊維同
士をつなぐためにバインダーを付着させるか、重合度の
低い繊維と重合度の高い繊維を混抄し、300℃位の温度
で重合度の低い繊維を加熱溶融させてバインダー代わり
に使用した特開平11-255908号公報開示の不織布などが
使用できる。バインダーの量は特に限定しないが、不織
布の強度を維持するためには、好適には3〜8重量%付
着させる。
【0016】無機繊維布としては、一般の断面が円形状
のガラス繊維織布、不織布、更には比誘電率が好適には
50以上、さらに好適には比誘電率500以上のセラミッ
ク繊維織布、不織布を用いる。円形のガラス繊維布を使
用すると、厚さが薄くできない、無機充填剤を多量に使
用した場合に含浸性が悪い等の欠点が生じることが有
り、好ましくは、断面扁平な形状のガラス繊維で、その
断面の長径/短径で表す扁平率が3.1/1〜5/1であり、換
算繊維直径が5〜17μmである扁平ガラス繊維を90重量%
以上含み、厚さが100μm、好ましくは50μm以下である
ガラス繊維不織布を基材で用いる。換算繊維直径とは、
繊維断面積から算出した直径を意味する。無機充填剤を
多量に用いる場合、樹脂組成物を付着させるためには不
織布が好ましい。
【0017】繊維布基材の両面に樹脂層を形成してプリ
プレグを作成する方法は、絶縁性無機充填剤を樹脂組成
物に添加して、必要により溶剤を加えてワニスとしたも
のを、熱可塑性フィルムの片面にナイフコーティング等
で塗布し、加熱、乾燥してBステージ樹脂シートとし、
これを繊維布基材の両面に、樹脂層が基材側を向くよう
に配置し、Bステージ状態を損なうことなく加熱、加圧
ロール等で圧着し、一体化してBステージプリプレグと
する。この樹脂層は、厚みにより1層以上を形成する。
【0018】本発明のプリプレグは、少なくとも片面に
銅箔、好ましくは電解銅箔を配置し、加熱、加圧下に積
層成形して銅張積層板とする。この銅箔は特に限定しな
いが、好適には厚さ3〜35μmの電解銅箔が使用される。
本発明で使用する銅張板の積層成形条件は,一般には温
度150〜250℃、圧力5〜50kgf/cm2、時間は1〜5時間であ
る。又、真空下に積層成形するのが好ましい。
【0019】本発明の製造方法で得られた銅張板は、メ
カニカルドリルで孔あけ可能であるが、無機充填剤が多
い場合にはドリル摩耗等が大きいため、レーザーでの孔
あけが好適である。又孔径80〜180μmの孔を形成
するためには、加工速度等の点からは炭酸ガスレーザー
が好適である。
【0020】孔あけ方法は特に限定しないが、孔あけ補
助層を銅張積層板の上に配置し、直接高エネルギーの炭
酸ガスレーザーを照射することにより、貫通孔及び/又
はブラインドビア孔の形成が容易にできる。貫通孔及び
/又はブラインドビア孔をあけた場合、孔周辺には銅箔
バリが残存する。これは研磨等で除去することも可能で
あるが、バリが残存する可能性が大きく、バリを溶解さ
せると同時に、好適には銅箔表層の銅箔を平面的に厚さ
方向の一部を薬液にて、残存厚さ2〜7μm、好適には3〜
5μmになるまでエッチング除去する。ついで銅メッキを
施した後、この表裏面に回路形成を行い、プリント配線
板とする。多層板とする場合、このプリント配線板の少
なくとも片面に回路形成し、銅表面処理を行い、その両
面にプリプレグ及び銅箔を配置し、積層成形して得られ
る多層銅張板を用いて、好適には最後に内外層銅箔を接
続するように表裏を貫通する孔及び/又はブラインドビ
ア孔を形成し、孔部に発生した銅箔バリを溶解除去する
と同時に表層の銅箔の一部を薬液にてエッチング除去し
て薄くした後、スルーホールメッキ、ブラインドビア孔
銅メッキ、表裏の回路形成後、必要によりメッキレジス
トで被覆し、貴金属メッキを行い、プリント配線板とす
る。
【0021】孔あけに関しては、エキシマレーザー、YA
Gレーザー、炭酸ガスレーザー、メカニカルドリル等、
一般に公知の孔あけ方法が使用できるが、孔径80〜1
80μmの孔をあける場合、孔あけ速度等の点から、炭
酸ガスレ−ザーを使用するのが好ましい。もちろん、各
孔あけ方法の併用も可能である。
【0022】孔径20μm以上、180μm以下の貫通孔及び
/又はブラインドビア孔は、一般にレーザーで形成す
る。孔径20μm以上、80μm未満の孔は、エキシマレーザ
ー、YAGレーザーが好ましいが、80μm以上で180μm以下
の孔径のものは、銅箔表面に酸化金属処理又は薬液処理
を施すか、或いは融点900℃以上で、且つ結合エネルギ
ーが300kJ/mol 以上の金属化合物粉、カーボン粉、又は
金属粉の1種或いは2種以上を3〜97容積%を含む塗
料、或いはこれをシート状としたものを、好適には、総
厚み30〜200μmの厚みで銅箔表面上に配置し、炭酸ガス
レーザーの出力が、好ましくは20〜60mJから選ばれるエ
ネルギーの炭酸ガスレーザーを直接照射して貫通孔及び
/又はブラインドビア孔を形成する。又、孔あけにおい
ては、銅箔のシャイニー面にニッケル金属処理、又はニ
ッケル合金処理を施して孔あけ補助層とした銅箔を使用
し、この上から、好ましくは10〜60mJの炭酸ガスレ
ーザーを直接照射することにより貫通孔及び/又はブラ
インドビア孔を形成することができる。更には、銅箔表
面に薬液処理(例えばCZ処理、メック<株>)を施して同
様に孔を形成できる。加工後、銅箔の表面は機械的研磨
でバリをとることもできるが、完全にバリを取るために
は、孔部に張り出した銅箔バリもエッチング除去すると
同時に好適には銅箔の両表面を厚さ方向に平面的にエッ
チングし、もとの銅箔を平面的にエッチング除去するこ
とが好ましい。これにより、銅箔が薄くなるために、そ
の後の金属メッキでメッキアップして得られた表裏銅箔
の細線の回路形成において、ショートやパターン切れ等
の不良の発生もなく、高密度のプリント配線板を作成す
ることができる。この表裏銅箔のエッチングによる薄銅
化の時に、孔内部に露出した内層銅箔表面に付着する樹
脂層を、好適には少なくとも気相処理してから、エッチ
ング除去する。孔内部は、銅メッキで50容積%以上充填
することも可能である。また、最後の貫通孔の場合、表
層の銅箔と孔内部の銅箔の接続を行うことにより、接続
信頼性の極めて優れた孔が得られる。加えて、加工速度
はドリルであける場合に比べて格段に速く、生産性も良
好で、経済性にも優れているものが得られた。また、孔
径180μmを越える孔をあける場合、好適にはメカニカル
ドリルであける。
【0023】本発明で使用する補助材料の中の、融点90
0℃以上で、且つ、結合エネルギー300kJ/mol以上の金属
化合物としては、一般に公知のものが使用できる。具体
的には、酸化物としては、酸化チタン等のチタニア類、
酸化マグネシウム等のマグネシア類、酸化鉄等の鉄酸化
物、酸化ニッケル等のニッケル酸化物、二酸化マンガ
ン、酸化亜鉛等の亜鉛酸化物、二酸化珪素、酸化アルミ
ニウム、希土類酸化物、酸化コバルト等のコバルト酸化
物、酸化錫等のスズ酸化物、酸化タングステン等のタン
グステン酸化物、等が挙げられる。非酸化物としては、
炭化珪素、炭化タングステン、窒化硼素、窒化珪素、窒
化チタン、窒化アルミニウム、硫酸バリウム、希土類酸
硫化物等、一般に公知のものが挙げられる。更に、その
酸化金属粉の混合物である各種ガラス類が挙げられる。
又、カーボン粉が挙げられる。更に銀、アルミニウム、
ビスマス、コバルト、銅、鉄、マグネシウム、マンガ
ン、モリブデン、ニッケル、パラジウム、アンチモン、
ケイ素、錫、チタン、バナジウム、タングステン、亜鉛
等の単体、或いはそれらの合金の金属粉が使用される。
これらは一種或いは二種以上が組み合わせて使用され
る。平均粒子径は、特に限定しないが、1μm以下が好ま
しい。
【0024】炭酸ガスレーザーの照射で分子が解離する
か、溶融して飛散するために、金属が孔壁等に付着し
て、半導体チップ、孔壁密着性等に悪影響を及ぼさない
ようなものが好ましい。Na,K,Clイオン等は、特
に半導体の信頼性に悪影響を及ぼすため、これらの成分
を含むものは好適でない。配合量は、3〜97容積%、好
適には5〜95容積%が使用され、好適には水溶性樹脂に
配合され、均一に分散される。
【0025】補助材料の水溶性樹脂としては、特に制限
はしないが、混練して銅箔表面に塗布、乾燥した場合、
或いはシート状とした場合、剥離欠落しないものを選択
する。例えばポリビニルアルコール、ポリエステル、ポ
リエーテル、澱粉等、一般に公知のものが使用される。
金属化合物粉、カーボン粉、又は金属粉と樹脂からなる
組成物を作成する方法は、特に限定しないが、ニーダー
等で無溶剤にて高温で練り、熱可塑性フィルム上にシー
ト状に押し出して付着する方法、水に水溶性樹脂を溶解
させ、これに上記粉体を加え、均一に攪拌混合して、こ
れを用い、塗料として熱可塑性フィルム上に塗布、乾燥
して膜を形成する方法等、一般に公知の方法が使用でき
る。厚みは、特に限定はしないが、一般には総厚み30〜
200μmで使用する。
【0026】裏面は、貫通孔を形成した時に、炭酸ガス
レーザーのテーブルの損傷を避けるために裏面には金属
板の上に水溶性樹脂を付着させたバックアップシートを
使用するのが好ましい。
【0027】補助材料は銅箔面上に塗膜として塗布する
か、熱可塑性フィルム上に塗布してシートとする。シー
トを銅箔面に加熱、加圧下にラミネートする場合、補助
材料、バックアップシートともに塗布樹脂層を銅箔面に
向け、ロールにて、温度は一般に40〜150℃、好ましく
は60〜120℃で、線圧は一般に1〜20kgf/cm、好ましくは
2〜10kgf/cmの圧力でラミネートし、樹脂層を溶融させ
て銅箔面と密着させる。温度の選択は使用する水溶性樹
脂の融点で異なり、又、線圧、ラミネート速度によって
も異なるが、一般には、水溶性樹脂の融点より5〜20℃
高い温度でラミネートする。又、室温で密着させる場
合、塗布樹脂層表面3μm以下を、ラミネート前に水分で
湿らせて、水溶性樹脂を少し溶解させ、同様の圧力でラ
ミネートする。水分で湿らせる方法は特に限定しない
が、例えばロールで水分を塗膜樹脂面に連続的に塗布す
るようにし、その後、連続して銅張積層板の表面にラミ
ネートする方法、水分をスプレー式に連続して塗膜表面
に吹き付け、その後、連続して銅張積層板の表面にラミ
ネートする方法等が使用し得る。
【0028】炭酸ガスレーザーを、好適には出力10〜
60mJ 照射して孔を形成した場合、孔周辺はバリが発
生する。これは、薄い銅箔を張った両面銅張積層板で
は、特に問題でなく、銅箔面に残存した樹脂を気相或い
は液相処理を行って除去し、孔内部のそのまま銅メッキ
を行なって孔内部の50%以上を銅メッキし、同時に表層
もメッキして銅箔厚みを18μm以下とすることが可能で
ある。しかしながら、好適には、孔部にエッチング液を
吹き付けるか吸引して通し、張り出した銅箔バリを溶解
除去すると同時に表層の銅箔の残存厚みが2〜7μm、好
適には3〜5μmとなるようにエッチングし、銅メッキを
行う。この場合、機械研磨よりは薬液によるエッチング
の方が、孔部のバリ除去、研磨による寸法変化の大きく
なるのを避ける等の点から好適である。
【0029】本発明の孔部に発生した銅のバリをエッチ
ング除去する方法としては、特に限定しないが、例え
ば、特開平02-22887、同02-22896、同02-25089、同02-2
5090、同02-59337、同02-60189、同02-166789、同03-25
995、同03-60183、同03-94491、同04-199592、同04-263
488号公報で開示された、薬品で金属表面を溶解除去す
る方法(SUEP法と呼ぶ)による。エッチング速度
は、一般には0.02〜1.0μm/秒 で行う。
【0030】炭酸ガスレーザーは、赤外線波長域にある
9.3〜10.6μmの波長が一般に使用される。エキシマレー
ザーは波長248〜308nm、YAGレーザーは波長351〜355 n
mが一般に使用されるが、限定されるものではない。加
工速度は炭酸ガスレーザーが格段に速く、経済的であ
る。
【0031】貫通孔及び/又はブラインドビア孔をあけ
る場合、最初から最後まで10〜60mJから選ばれるエネル
ギーを照射する方法、途中でエネルギーを変えて孔あけ
する方法等が使用できる。表層の銅箔を除去する場合、
より高いエネルギーを選ぶことにより、照射ショット数
が少なく、効率が良い。中間の樹脂層を加工する場合、
必ずしも高出力が必要ではなく、基材及び樹脂により適
宜選択できる。例えば出力5〜35mJ から選ぶことも可能
である。もちろん、最後まで高出力で加工することもで
きる。孔内部に内層銅箔がある場合、ない場合で加工条
件を変化させることが可能である。
【0032】炭酸ガスレーザーで加工された孔内部の内
層銅箔には1μm程度の樹脂層が残存する場合が殆どであ
る。また、メカニカルドリルで孔あけした場合、スミア
が残る可能性があり、この樹脂層を除去することによ
り、さらなる銅メッキと内外層の銅との接続信頼性が良
くなる。樹脂層を除去するためには、デスミア処理等の
一般に公知の処理が可能であるが、液が小径の孔内部に
到達しない場合、内層の銅箔表面に残存する樹脂層の除
去残が発生し、銅メッキとの接続不良になる場合があ
る。従って、より好適には、まず気相で孔内部を処理し
て樹脂の残存層を完全に除去し、次いで孔内部を、好ま
しくは超音波を併用して湿潤処理する。
【0033】気相処理としては一般に公知の処理が使用
可能であるが、例えばプラズマ処理、低紫外線処理等が
挙げられる。プラズマは、高周波電源により分子を部分
的に励起し、電離させた低温プラズマを用いる。これ
は、イオンの衝撃を利用した高速の処理、ラジカル種に
よる穏やかな処理が一般には使用され、処理ガスとし
て、反応性ガス、不活性ガスが使用される。反応性ガス
としては、主に酸素が使用され、化学的に表面処理をす
る。不活性ガスとしては、主にアルゴンガスを使用す
る。このアルゴンガス等を使用し、物理的な表面処理を
行う。物理的な処理は、イオンの衝撃を利用して表面を
クリーニングする。低紫外線は、波長が短い領域の紫外
線であり、波長として、184.9nm、253.7nm がピークの
短波長域の波長を照射し、樹脂層を分解除去する。その
後、樹脂表面が疎水化される場合が多いため、特に小径
孔の場合、超音波を併用して湿潤処理を行い、その後銅
メッキを行うことが好ましい。湿潤処理としては、特に
限定しないが、例えば過マンガン酸カリ水溶液、ソフト
エッチング用水溶液等によるものが挙げられる。
【0034】孔内部は、必ずしも銅メッキで50容積%以
上充填しなくても電気的導通はとれるが、好適には50容
積%以上、更に好ましくは90容積%以上充填する。
【0035】
【実施例】以下に実施例、比較例で本発明を具体的に説
明する。尚、特に断らない限り、『部』は重量部を表
す。
【0036】実施例1〜5 2,2-ビス(4-シアナトフェニル)プロパンモノマー(成分
Aー1)を1,000部150℃に熔融させ、撹拌しながら4時間
反応させ、平均分子量1,900のプレポリマー(成分Aー
2)を得た。室温で液状のエポキシ樹脂として、ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂(商品名:エピコート828、油化
シェルエポキシ<株>製、成分B-1)、ビスフェノールF
型エポキシ樹脂(商品名:EXA830LVP、大日本インキ化
学工業<株>製、成分B-2)、ノボラック型エポキシ樹脂
(商品名:DEN431、ダウケミカル<株>製、成分B-3)、ク
レゾールノボラック型エポキシ樹脂(商品名:ESCN220
F、住友化学工業<株>製、成分B-4)を配合し、熱硬化触
媒てしてアセチルアセトン鉄(成分C-1)、2-エチル-4-
メチルイミダゾール(成分C-2)、更に添加剤として、
エポキシシランカップリング剤(商品名:A-187、日本ユ
ニカ<株>製、成分D-1)、ジシアンジアミド(成分E-1)
を配合してワニスとした。絶縁性無機充填剤として、チ
タン酸バリウム系セラミック(室温での1MHzでの比誘電
率:2,010、BET比表面積0.41m2/g、成分F-1とす
る)、チタン酸ビスマス系セラミック(室温での比誘電
率:733、BET比表面積0.52m2/g、成分F-2とする)、
チタン酸バリウム-錫酸カルシウム系セラミック(室温
での比誘電率:5,020、BET比表面積0.45m2/g、成分F
-3とする)、二酸化チタン系セラミック(室温での比誘
電率30、BET比表面積0.92m2/g、成分F-4とする)を
用いて表1のように配合し、ホモミキサーで10分間均一
に撹拌混合し、粘度の高いものはメチルエチルケトンを
少量添加して塗布するのに適正な粘ちょうな粘度とし、
無機充填剤の沈降が極めて遅いワニスとした。このワニ
スを厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィ
ルムの片面に連続して厚さ40〜50μmとなるように塗
布、乾燥して、170℃、20kgf/cm2、5分での樹脂流れが1
〜20mmとなるようにBステージ化した樹脂シートZを作
成した。
【0037】このワニスを、繊維径が13μm、長さが16m
mの液晶ポリエステル繊維を、ポリエチレンオキサイド
分散溶液中に分散し、目付量が30g/m2となるように抄造
した不織布にエポキシ樹脂エマルジョン及びシランカッ
プリング剤を用いた接着剤溶液を作り、これを6重量%
付着させて150℃で乾燥して得られた不織布G、扁平比4
/1、面積比92%、換算繊維径10μm、長さが13μmの高扁
平ガラス繊維を同様にバインダー、シランカップリング
剤を付着させて得た、目付量15g/m2の不織布H、繊維径
11μm、長さ14μm、比誘電率1,320のセラミック繊維を
同様にして作成した不織布Iの両面に、樹脂層が基材側
を向くように配置し、100℃、5kgf/cmのロールでラミネ
ートして一体化し、Bステージプリプレグとした後、53
0x530mmに切断した。このBステージプリプレグのPETフ
ィルムを剥離し、これを3枚用い、この両面に12μmの一
般の電解銅箔(JTC-LP、<株>ジャパンエナージー製)を
配置し、 200℃、20kgf/cm2、30mmHg以下の真空下で2時
間積層成形し、両面銅張積層板を得た。
【0038】一方、酸化金属粉として黒色酸化銅粉(平
均粒子径:0.8μm)800部に、ポリビニルアルコール粉
体を水に溶解したワニスに加え、均一に攪拌混合した。
これを厚さ50μmのPETフィルム片面上に、厚さ30μmと
なるように塗布し、110℃で30分間乾燥して、金属化合
物粉含有量45容積%の補助材料Pを作成した。又厚さ50
μmのアルミニウム箔の片面にこのワニスを厚さ20μmと
なるように塗布、乾燥してバックアップシートQを作成
した。上記両面銅張積層板の上側に上記補助材料P、下
側に上記バックアップシートQを、樹脂面が銅箔側を向
くように配置し、100℃、5kgf/cmでラミネートしてか
ら、孔径100μmの孔を20mm角内に144個直接炭酸ガスレ
ーザーで、出力30mJで4ショット照射して、70ブロック
(合計10080個)の貫通孔をあけ、SUEP処理を行
い、表層の銅箔を厚さ3μmになるまでエッチングすると
ともに、孔周辺のバリをも溶解除去した。銅メッキを15
μm付着させた。表裏を既存の方法にて回路(ライン/ス
ペース=50/50μm)、ハンダボール用ランド等を形成
し、少なくとも半導体チップ搭載部、パッド部、ハンダ
ボールパッド部を除いてメッキレジストで被覆し、ニッ
ケル、金メッキを施し、プリント配線板を作成した。評
価結果を表2及び表3に示す。
【0039】比較例1、2 エポキシ樹脂(商品名:エピコート5045、油化シェルエ
ポキシ<株>製)2,000部、ジシアンジアミド70部、2ーエ
チルイミダゾール2部をメチルエチルケトンとジメチル
ホルムアミドの混合溶剤に溶解し、攪拌混合して均一分
散してワニスGを得た(この固形を成分B-5とする)。こ
れにチタン酸バリウム系セラミック(粒子径0.5〜4μm、
平均粒子径1.3μm、BET比表面積1.29m2/g、比誘
電率2,010、F-5とする)を表1に示すように添加し、溶
剤を添加して均一混練してこれを厚さ50μmのガラス織
布Jに含浸、乾燥して、Bステージプリプレグを作成し
た。この場合、樹脂量が80重量%以上の場合、ガラス織
布の表面でムラ、割れが生じた。塗布が良好な箇所を選
び、この両面に12μmの電解銅箔を配置し、190℃、20kg
f/cm2、30mmHg以下の真空下で2時間積層成形して両面
銅張積層板を作成した。この銅張積層板にメカニカルド
リルで孔径 100μmの貫通孔を形成した。SUEP処理を
行わず、通常の銅メッキを10μm付着させた。これを用
いて、プリント配線板を作成した。評価結果を表2及び
表3に示す。
【0040】比較例3 比較例1のワニスGに二酸化チタン系セラック粉体(BE
T比表面積1.60m2/g、比誘電率25、成分F-6とす
る)を加え、これを攪拌機にて良く攪拌混合してからガ
ラス織布Jに含浸、乾燥してプリプレグとしたが、これ
も無機充填剤量が多いために、塗りムラ、割れが生じた
が、塗りの良好な箇所を選び、これを4枚使用し、その
両側に12μmの電解銅箔を置き、比較例1と同様に積層
成形して銅張積層板とした。同様にメカニカルドリルで
孔あけし、プリント配線板とした。評価結果を表2及び
表3に示す。
【0041】比較例4 比較例3の無機充填剤添加ワニスを用い、これを厚さ12
μmの電解銅箔に連続的に塗布、乾燥してBステージの
樹脂付き銅箔を作成した。これを2枚用い、向きあわせ
にして同様に積層成形し、両面銅張積層板を作成し、同
様にプリント配線板とした。この評価結果を表2及び表
3に示す。
【0042】 表1 配合 成 分 実 施 例 比 較 例 1 2 3 4 5 1 2 3 4 A-1 15 20 25 A-2 13 20 20 60 B-1 5 10 B-2 22 10 15 20 10 B-3 50 45 40 35 10 B-4 45 10 B-5 100 100 100 100 C-1 0.08 0.10 0.11 0.12 C-2 0.5 0.1 0.5 D-1 2 2 2 2 2 2 2 2 2 E-1 5 F-1 400 800 F-2 900 F-3 400 100 F-4 100 F-5 100 600 F-6 900 900 無機充填剤粒子径幅(μm) 3-41 3-40 3-42 5-38 0.5-35 5-38 0.5-5 1-5 1-5 平均粒子径(μm) 10 6 12 20 10 20 1.3 2.1 2.1 使用基材 G ○ ○ H ○ ○ ○ ー I ○ J ○ ○
【0043】 表2 項 目 実 施 例 比 較 例 1 2 3 4 5 1 2 3 4 成形後のボイド 無し 無し 無し 無し 無し 無し 少し ボイ 無し 有り ド大 銅箔接着力kgf/cm(12μm) 0.99 0.71 0.88 0.95 0.70 0.95 0.11 ー 0.21 PCT(121℃・203kP2hrs.)処理後の半田耐熱性(260℃・30sec.浸せき)※ A A A A A A B C A パターン切れ及びショート(個) 0/200 0/200 0/200 0/200 0/200 54/200 84/200 126/200 53/200 ガラス転移温度(℃) 191 211 225 175 234 137 137 138 137 スルーホール・ヒートサイクル試験(%) 150 サイクル 1.8 2.1 1.4 2.9 1.5 2.3 - - 33.6 注:※A:異常なし、B:膨れ少し発生、C:膨れ大
【0044】 表3 項 目 実 施 例 比 較 例 1 2 3 4 5 1 2 3 4 比誘電率(1MHz) 25 19 55 7 37 6.7 ー ー 8.1 プレッシャークッカ処理後の絶縁抵抗値(Ω) 常 態 ー 5x1014 ー 4x1014 ー 4x1014 ー ー ー 200hrs. 3x1010 3x109 <108 耐マイグレーション性(Ω) 常 態 ー 5x1013 ー 3x1013 ー 7x1013 200hrs. 6x1011 3x1010 5x109 500hrs. 9x1010 8x108 <108 曲げ強度(kgf/cm2) 9 11 13 16 15 − − − 2 充填剤含有量(重量%) 79.8 89.7 79.6 49.6 89.8 47.0 82.4 85.5 88.9
【0045】<測定方法> 1)積層成形後のボイド 積層成形した銅箔をエッチング除去し、目視にてボイド
を確認した。 2)銅箔接着力 JIS C6481に準じて測定した。 3)PCT(プレッシャークッカー;121℃・203kPa、2hrs.)
処理後の半田耐熱性 処理後に260℃の半田中に30sec.浸せきしてから異常の
有無を観察した。 4)回路パターン切れ、及びショート、 実施例、比較例でライン/スペース=50/50μmの櫛形パ
ターンを作成した後、拡大鏡でエッチング後の200パタ
ーンを目視にて観察し、パターン切れ、及びショートし
ているパターンの合計を分子に示した。 5)ガラス転移温度 JIS C6481のDMA法にて測定した。 6)スルーホール・ヒートサイクル試験 各スルーホール孔にランド径250μmを作成し、900孔を
表裏交互につなぎ、1サイクルが、260℃・シリコンオイ
ル・浸せき30秒→室温・5分 で、150サイクルまで実施
し、抵抗値の変化率の最大値を示した。 7)プレッシャークッカー処理後の絶縁抵抗値 端子間(ライン/スペース=50/50μm)の櫛形パターン
を作成し、この上に、それぞれ使用したプリプレグを1
枚配置し、積層成形したものを、121℃・203kPa にて所
定時間処理した後、25℃・6%RH で2時間後処理を行
い、500VDCで60秒印加後、端子間の絶縁抵抗値を測定し
た。 8)耐マイグレーション性 上記6)の試験片を85℃・85%RHで所定時間50VDC印加し
て端子間の絶縁抵抗値を測定した。 9)比誘電率 LCRメーターにて測定し、計算にて算出した。 10)曲げ強度 支点間距離20mm、幅20mmで測定した。 11)無機充填剤含有量 プリプレグとしたものを500g取り、基材重量を引き、こ
れを焼却して無機充填剤含有量を算出した。
【0046】
【発明の効果】繊維布基材を用い、この両面に好適には
BET比表面積が0.30〜1.00m2/gの絶縁性無機充填剤を
熱硬化性樹脂組成物、好適には、(a)多官能性シアン酸
エステルモノマー、該シアン酸エステルプレポリマー10
0重量部に対し、(b)室温で液状のエポキシ樹脂を50〜1
0,000重量部配合し、この(a+b)成分100重量部に対し、
熱硬化触媒を0.005〜10重量部配合した樹脂成分に10〜9
9重量%、好ましくは85〜95重量%となるように均一に
混合して得られる樹脂組成物を熱可塑性フィルムの片面
に接着させてBステージとした樹脂層を、加熱、加圧下
に付着させて作成したプリプレグは、無機充填剤の沈降
が極めて少なく、均一な樹脂組成物層を形成できる。、
このプリプレグを用いて銅張積層板にし、プリント配線
板としたものは、銅箔との密着性や強度に優れ、耐熱
性、吸湿後の電気絶縁性等に優れたものが得られた。更
に比誘電率は20以上のものが得ることができ、コンデン
サ等として有用なものが作成できた。又、補助層を銅張
積層板の上に使用することにより、高エネルギーの炭酸
ガスレーザーを照射して直接小径の孔をあけることが可
能であり、高密度のプリント配線板を得ることができ
た。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 67:00 B29K 67:00 79:00 79:00 105:08 105:08 B29L 31:34 B29L 31:34 Fターム(参考) 4F072 AA01 AA04 AA05 AA06 AA07 AB05 AB09 AB15 AB27 AB28 AB29 AD23 AE02 AG03 AG13 AG16 AH02 AH22 AH44 AJ04 AK05 AK14 AL13 4F204 AA25 AA36 AA39 AB13 AB16 AG03 AH36 FA06 FA16 FA18 FB01 FB13 FB24 FE06 FF05 FF49 FG02 FG08 FG09 FH06 FH27 FN11 FN15 FN17 FQ01 FQ15 FW06 FW24 FW33 4J002 CD01W CD05W CD06W CM05X DE186 FD016 FD14X GF00 GQ00 4J036 AA01 AB10 AD08 AF06 DC32 FA01 FA02 FA06 FB14 GA17 JA08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性フィルムの片面に、熱硬化性樹
    脂中に絶縁性無機充填剤粉体を10〜99重量%配合してな
    る樹脂組成物を塗布、乾燥してBステージとした樹脂組
    成物層を作成し、これを繊維布基材の両面に樹脂組成物
    層が基材側を向くように配置し、基材に接着させること
    を特徴とするプリプレグの製造方法。
  2. 【請求項2】 該熱硬化性樹脂が、(a)多官能性シアン
    酸エステルモノマー、該シアン酸エステルプレポリマー
    100重量部に対し、(b)室温で液状のエポキシ樹脂50〜1
    0,000重量部を配合し、この(a+b)100重量部に対し、熱
    硬化触媒0.005〜10重量部を配合した樹脂組成物を必須
    成分とすることを特徴とする請求項1記載のプリプレグ
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 該樹脂組成物が、平均粒子径4〜30μm、
    BET比表面積0.30〜1.00m2/gである絶縁性無機充填剤
    粉体を熱硬化性樹脂中に80〜99重量%配合したものであ
    ることを特徴とする請求項1又は2記載のプリプレグの
    製造方法。
  4. 【請求項4】 該繊維布基材が、液晶ポリエステル繊維
    不織布であることを特徴とする請求項1、2又は3記載
    のプリプレグの製造方法。
  5. 【請求項5】 該繊維布基材が、断面扁平なガラス繊維
    で、その断面の長径/短径で表す扁平率が3.1/1〜5/1で
    あり、断面積がガラス繊維断面に外接する長方形の面積
    の90〜98%であり、換算繊維直径が5〜17μmである扁平
    ガラス繊維を90重量%以上含み、厚さが100μm以下のガ
    ラス繊維不織布であることを特徴とする請求項1,2又
    は3記載のプリプレグの製造方法。
  6. 【請求項6】 該繊維布基材が、厚さ50μm以下のガ
    ラス織布であることを特徴とする請求項1、4又は5記
    載のプリプレグの製造方法。
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