JP2002265644A - 高充填剤量プリプレグ及びプリント配線板 - Google Patents

高充填剤量プリプレグ及びプリント配線板

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JP2002265644A
JP2002265644A JP2001074224A JP2001074224A JP2002265644A JP 2002265644 A JP2002265644 A JP 2002265644A JP 2001074224 A JP2001074224 A JP 2001074224A JP 2001074224 A JP2001074224 A JP 2001074224A JP 2002265644 A JP2002265644 A JP 2002265644A
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prepreg
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weight
resin
inorganic filler
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JP2001074224A
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English (en)
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Nobuyuki Ikeguchi
信之 池口
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Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 無機充填剤を配合した樹脂組成物において、
高充填剤量でも銅箔の接着力の良好なプリプレグ及びそ
れを用いた強度の良好な高密度のプリント配線板を得
る。 【解決手段】 繊維布基材を用い、これに無機充填剤を1
0〜79重量%配合した熱硬化性樹脂組成物を含浸、乾燥さ
せてプリプレグとし、この両面に、熱可塑性フィルムの
片面に熱硬化性樹脂として、好適には(a)多官能性シア
ン酸エステル化合物100重量部に対し、(b)室温で液状の
エポキシ樹脂を50〜10.000重量部配合し、(a+b)成分100
重量部に対し、熱硬化触媒0.005〜10重量部を必須成分
とした樹脂組成物に、比表面積0.30〜1.00m2/gの絶縁性
無機充填剤を80〜99重量%,好適には81〜95重量%となる
ように均一配合してなる組成物を付着してBステージと
したものを、樹脂がプリプレグ側を向くように配置し、
付着させてプリプレグを作成し、これを使用して高密度
のプリント配線板とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基材に無機充填剤10〜
79重量%配合した熱硬化性樹脂組成物を含浸、乾燥して
Bステージとした上に無機充填剤量を80〜99重量%表層
に使用した、基材片面2層からなるBステージのプリプ
レグ、及びそれを用いたプリント配線板に関し、特に炭
酸ガスレーザーで孔あけして得られたプリント配線板
は、高密度の小型プリント配線板として、半導体チップ
を搭載し、小型、軽量の新規な半導体プラスチックパッ
ケージ用、遅延素子用途、コンデンサ用途等に主に使用
される。
【0002】
【従来の技術】近年、ますます小型、薄型、軽量化する
電子機器において、高密度の多層プリント配線板が使用
されるようになってきている。このプリント配線板は、
高比誘電率化、熱放散性向上等の理由で無機充填剤を樹
脂組成物に多量に添加してプリプレグを作成し、これを
用いて銅張積層板とし、プリント配線板とするケースが
見られる。ガラス布基材等の一般に公知の基材を用いて
プリプレグを作成する場合、樹脂組成物中の無機充填剤
の量が80重量%、更には85重量%と多すぎる場合、基材に
含浸、乾燥すると、基材表層に樹脂組成物の付着が困難
であり、割れ等が生じて良好なプリプレグが作成できな
かった。
【0003】加えて無機充填剤は比重が大きく、ワニス
に分散させると沈降するために80重量%と多量に添加す
る場合には平均粒子径は1〜3μm程度の微小粒子径のも
のを使用していたが、基材に含浸、乾燥する場合、ワニ
スの濃度は濃いと基材に付着困難なために溶剤でかなり
の低粘度になるまで薄めるので、粒子が小さくても含浸
中に沈降量が多く、基材に付着した時の樹脂組成物中の
無機充填剤量の含有量にバラツキが発生していた。且つ
このプリプレグを使用して銅箔を接着させて銅張積層板
とした場合、接着力は極めて低くプリント配線板とした
ものは使用が困難であった。そのために、今まで銅張積
層板とする場合には、銅箔の接着力等を保持するために
無機充填剤量を80重量%以上使用した樹脂組成物を基材
に含浸、乾燥して得られたプリプレグを使用したものは
見られなかった。
【0004】更に、特開平9-12742に示されるように、
ガラス布基材を使用せずに、熱硬化性樹脂と誘電率50以
上の無機粉末を混合して得られた高誘電率フィルムは、
フィルム状にするために、樹脂の粘度が高く、無機充填
剤の添加量は60重量%程度が上限の限界である。
【0005】基材に無機充填剤を付着させる製造法とし
て、基材を連続的に横方向に流し、片面に無機充填剤入
りワニスをナイフコーティング等で塗り、乾燥してBス
テージとした後、その反対面にも同様にワニスを塗り、
乾燥してBステージとしてプリプレグを作製する方法が
あるが、これは表裏の樹脂組成物層の厚みバラツキ、B
ステージ度の違い等を生じ、安定したものが作製できな
かった。
【0006】樹脂としては、多量に無機充填剤を添加す
る場合、樹脂が室温で固形のものの割合が多いと、プリ
プレグとした場合、樹脂組成物が脆く、取り扱いが困難
であった。更に高密度のプリント配線板とした場合に
は、耐マイグレーション性、吸湿後の電気絶縁性等が問
題となっていた。
【0007】また、メカニカルドリルで孔径180μm以下
の小径の孔をあけると、加工速度が遅く、更に孔壁間距
離が狭いとガラス繊維の割れによって、銅メッキの染み
込みがあり、耐マイグレーション性等の信頼性に劣り、
信頼性の高いプリント配線板を作製できなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の問題
点を解決した、無機充填剤を80重量%以上となるように
多量に添加しても、得られたプリプレグは基材の表裏に
付着した樹脂組成物層は、厚さのバラツキが殆どなく、
無機充填剤の含有量もバラツキが殆ど無く、柔軟性があ
り、積層成形した銅張積層板は銅箔の接着力が高く、機
械的強度が強く、且つ炭酸ガスレーザーによる高速の小
径孔あけ性に優れ、孔の信頼性の良好なプリント配線板
用基材補強熱硬化性樹脂プリプレグ及びその銅張板を用
いたプリント配線板を得る。
【0009】
【発明が解決するための手段】本発明は、繊維布を基材
に使用し、これに絶縁性無機充填剤を10〜79重量%配合
した熱硬化性樹脂組成物を含浸、乾燥させてBステージ
にしたプリプレグの両側に、絶縁性無機充填剤を80〜99
重量%熱硬化性樹脂中に配合した熱硬化性樹脂組成物を
熱可塑性フィルムの片面に付着させてBステージ樹脂付
着フィルムを作成し、これをプリプレグの両面に配置し
て、好適には加熱、加圧下に樹脂層を溶解し中央のプリ
プレグに付着させてプリプレグを作成する。この場合、
Bステージ樹脂組成物層の厚さのバラツキは極めて少な
く、無機充填剤量の含有量バラツキも殆ど無く、均質な
プリプレグが製造できる。
【0010】又、少なくとも熱可塑性フィルムに付着さ
せる熱硬化性樹脂として、好適には、(a)多官能性シア
ン酸エステル化合物、該シアン酸エステルプレポリマー
100重量部に対して、(b)室温で液状のエポキシ樹脂50〜
10,000重量部を配合し、この(a+b)100重量部に対して、
熱硬化触媒0.005〜10重量部を配合してなるものを必須
成分とする樹脂組成物を使用することにより、プリプレ
グとした場合の樹脂組成物層の脆さがなく、柔軟性に富
み、作業性の優れたものが得られる。更に、これを用い
たプリント配線板は耐熱性、耐マイグレーション性、吸
湿後の電気絶縁性に優れ、信頼性の良好なものが得られ
た。
【0011】無機充填剤として、特に、比表面積が0.30
〜1.00m2/g 、平均粒子径4〜30μmの絶縁性無機充填剤
粉末を80〜99重量%、好適には81〜95重量%となるように
均一混合して作成したBステージ樹脂付きシートを表層
に使用して中央のBステージプリプレグの両面に付着さ
せ、一体化してプリプレグとし、これを用いて銅張積層
板とすることにより、銅箔との接着力に優れたものが得
られた。この場合、中央に使用するプリプレグは、加熱
硬化したCステージのものも使用可能である。加えて、
基材補強されているために、基材補強のない、同様に無
機充填剤量を多量に配合して作製した銅張板に比べ、機
械的強度が強く、プリント配線板とする作業性に優れた
ものが得られた。
【0012】加工においては、炭酸ガスレーザーによる
銅張積層板への直接照射による孔径80〜180μmの小径孔
あけを行うことにより、高速で貫通孔及び/又はブライ
ンドビア孔を形成でき、孔形状に優れ、孔信頼性に優れ
たプリント配線板を得ることができた。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は、繊維布基材を用い、こ
れに縁性無機充填剤を10〜79重量%、好適には20〜75重
量%配合した熱硬化性樹脂組成物層を含浸、乾燥させてB
ステージのプリプレグとし、この両面に、絶縁性無機充
填剤を80〜99重量%配合した熱硬化性樹脂組成物を熱可
塑性フィルムの片面に付着させてBステージとしたもの
を、樹脂側が上記プリプレグ側を向くように配置し、加
熱、加圧下に中央の基材に付着させてプリプレグとし、
これを用いて銅張板とし、孔あけ、銅メッキ、回路形成
等を行い、プリント配線板とする。
【0014】無機充填剤を多量、特に80重量%以上添加
してプリプレグを作製する試みがなされてきた。この方
法として、熱硬化性樹脂を溶解したワニス中に無機充填
剤を配合し、均一に分散して、これを基材に連続的に含
浸、乾燥して作製する方法がある。この方法は、無機充
填剤が重いために塗布中に沈降し、無機充填剤の付着量
の低下、バラツキを生じ、更にBステージとする時に加
熱するために、基材表面に付着した無機充填剤の重さの
ために表層樹脂組成物層が加熱途中で落下する等の現象
を生じ、均一なプリプレグを作製できない。また、横向
きに基材を連続して流しながら片面にワニスをナイフコ
ーティングで塗る方法もあるが、前述の通り、欠点があ
る。
【0015】本発明の作製方法によって作製されたプリ
プレグは、表裏ともに均一な樹脂組成物層厚さを有し、
樹脂組成物中の無機充填剤のバラツキが殆ど無く、均質
なものとなる。本発明は、まず熱硬化性樹脂に無機充填
剤を10〜79重量%好適には20〜75重量%配合したワニスを
調整し、これに基材を連続的に含浸、乾燥させてプリプ
レグとする。この樹脂組成物は基材に均一に付着する
が、この付着樹脂組成物表面を平滑、均一にするため
に、塗布段階で一般に公知のスクイズロール、コンマロ
ール等で樹脂表面を擦って製造するのが好ましい。この
Bステージ樹脂組成物層は、基材の凹凸にもよるが、基
材表面から1〜10μm程度となるように付着させる。一
方、熱可塑性フィルムの片面に、熱硬化性樹脂組成物に
無機充填剤を80〜99重量%、好適には81〜95重量%配合し
た樹脂組成物を塗布、乾燥してBステージ樹脂付きフィ
ルムとする。この樹脂層の厚さは±1μmの精度で樹脂
層を形成できるために厚さ精度は非常に優れている。こ
れを上記プリプレグの両面に樹脂層がプリプレグ側を向
くように配置し、付着させることにより、基材両側の樹
脂層のバラツキは非常に少ないものが得られる。付着さ
せる方法は特に限定しないが、好適には、加熱ロールで
加圧下に連続的にラミネートして一体化する。加熱ロー
ルの温度は、一般には70〜120℃であり、圧力は一般に1
〜20kgf/cmである。
【0016】この2度付着の方法で得られたプリプレグ
は、1度目の塗布で繊維布の空隙、凹凸を埋め、全体を
平滑なシート状とし、その上にBステージ樹脂シートの
樹脂層を付着させることにより、厚さの均一なものが得
られる。
【0017】本発明では、銅箔接着力の保持された銅張
積層板及びそれを用いたプリント配線板を作成するため
に、好適には無機充填剤の平均粒子径が4〜30μm、好適
には5〜20μm、且つBET法による比表面積が0.30〜1.00m
2 /g、好適には0.35〜0.90m2/g のものを使用する。こ
の無機充填剤は一般に公知の絶縁性無機充填剤を使用で
きる。具体的には、シリカ、ウオラストナイト、タル
ク、焼成タルク、酸化チタン、合成雲母、チタン酸バリ
ウム系セラミック、チタン酸鉛系セラミック、チタン酸
カルシウム系セラミック、チタン酸ストロンチウム系セ
ラミック、チタン酸マグネシウム系セラミック、チタン
酸ビスマス系セラミック、ジルコン酸鉛系セラミック等
が好適に使用され、これらの少なくとも1種以上を含有
するか、及び/又はこれらの1種以上を焼結した後に粉
砕した粉末を配合する。これらの粉末は、所望の比誘電
率とするために1種以上が適宜混合して使用され得る。
また、基材に付着する場合に使用する無機充填剤と熱可
塑性フィルムに付着させる樹脂組成物に配合する無機充
填剤は同一のものでも、異なるものでも良い。比誘電率
を20以上と高くするためには、少なくとも、外部に使用
する熱硬化性樹脂組成物中の無機充填剤は、比誘電率を
500以上、好ましくは2000以上のものを使用する。もち
ろん針状の無機充填剤を併用することも可能である。
【0018】樹脂としては特に限定はしない。例えば、
多官能性シアン酸エステル樹脂、多官能性マレイミド樹
脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、二重結合付加ポリ
フェニレンオキサイド樹脂等一般に公知の熱硬化性樹脂
が用いられる。これらは1種或いは2種以上が組み合わ
せて使用される。この中でも、耐マイグレーション性、
耐熱性、吸湿後の耐熱性等の点から、多官能性シアン酸
エステル樹脂が好適に使用される。
【0019】また 、プリプレグとした場合の脆さを防
ぎ、柔軟性を出すために、好適には、液状のエポキシ樹
脂を配合する。使用量としては、好適には(a)多官能性
シアン酸エステル化合物、該シアン酸エステルプレポリ
マー 100重量部に対し、(b)室温で液状のエポキシ樹脂
を50〜10,000重量部配合し、この(a+b)成分100重量部に
対し、熱硬化触媒0.005〜10重量部配合した樹脂組成物
を必須成分とした熱硬化性樹脂組成物を用いる。
【0020】本発明で使用される多官能性シアン酸エス
テル化合物とは、分子内に2個以上のシアナト基を有す
る化合物である。具体的に例示すると、1,3-又は1,4-ジ
シアナトベンゼン、1,3,5-トリシアナトベンゼン、1,3
-、1,4-、1,6-、1,8-、2,6-又は2,7-ジシアナトナフタ
レン、1,3,6-トリシアナトナフタレン、4,4-ジシアナト
ビフェニル、ビス(4-ジシアナトフェニル)メタン、2,2-
ビス(4-シアナトフェニル)プロパン、2,2-ビス(3,5-ジ
ブロモー4-シアナトフェニル)プロパン、ビス(4-シアナ
トフェニル)エーテル、ビス(4-シアナトフェニル)チオ
エーテル、ビス(4-シアナトフェニル)スルホン、トリス
(4-シアナトフェニル)ホスファイト、トリス(4-シアナ
トフェニル)ホスフェート、およびノボラックとハロゲ
ン化シアンとの反応により得られるシアネート類などで
ある。
【0021】これらのほかに特公昭41-1928、同43-1846
8、同44-4791、同45-11712、同46-41112、同47-26853及
び特開昭51-63149等に記載の多官能性シアン酸エステル
化合物類も用いら得る。また、これら多官能性シアン酸
エステル化合物のシアナト基の三量化によって形成され
るトリアジン環を有する分子量400〜6,000 のプレポリ
マーが使用される。このプレポリマーは、上記の多官能
性シアン酸エステルモノマーを、例えば鉱酸、ルイス酸
等の酸類;ナトリウムアルコラート等、第三級アミン類
等の塩基;炭酸ナトリウム等の塩類等を触媒として重合
させることにより得られる。このプレポリマー中には一
部未反応のモノマーも含まれており、モノマーとプレポ
リマーとの混合物の形態をしており、このような原料は
本発明の用途に好適に使用される。一般には可溶な有機
溶剤に溶解させて使用する。
【0022】室温で液状のエポキシ樹脂としては、一般
に公知のものが使用可能である。具体的には、ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹
脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ポリエーテ
ルポリオールのジグリシジル化物、酸無水物のエポキシ
化物、脂環式エポキシ樹脂等が単独或いは2種以上組み
合わせて使用される。もちろん、分子内に臭素やリンが
結合した公知のエポキシ樹脂も併用できる。使用量は、
多官能性シアン酸エステル化合物、該シアン酸エステル
プレポリマー 100重量部に対し、50〜10,000重量部、好
ましくは100〜5,000重量部である。
【0023】本発明の熱硬化性樹脂組成物には、組成物
本来の特性が損なわれない範囲で、所望に応じて種々の
添加物を配合することができる。これらの添加物として
は、不飽和ポリエステル等の重合性二重結合含有モノマ
ー類及びそのプレポリマー類;ポリブタジエン、エポキ
シ化ブタジエン、マレイン化ブタジエン、ブタジエン-
アクリロニトリル共重合体、ポリクロロプレン、ブタジ
エン-スチレン共重合体、ポリイソプレン、ブチルゴ
ム、フッ素ゴム、天然ゴム等の低分子量液状〜高分子量
のelasticなゴム類;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リブテン、ポリ-4-メチルペンテン、ポリスチレン、AS
樹脂、ABS樹脂、MBS樹脂、スチレン-イソプレンゴム、
ポリエチレン-プロピレン共重合体、4-フッ化エチレン-
6-フッ化エチレン共重合体類;ポリカーボネート、ポリ
フェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエステル、ポ
リフェニレンサルファイド等の高分子量プレポリマー若
しくはオリゴマー;ポリウレタン等が例示され、適宜使
用される。また、その他、公知の無機、有機の充填剤、
染料、顔料、増粘剤、滑剤、消泡剤、分散剤、レベリン
グ剤、光増感剤、難燃剤、光沢剤、重合禁止剤、チキソ
性付与剤等の各種添加剤が、所望に応じて適宜組み合わ
せて用いられる。
【0024】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、公知の熱
硬化触媒を用いる。使用量は、熱硬化性樹脂100重量部
に対し、0.005〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部で
ある。本発明の各成分を均一に混練する方法は、一般に
公知の方法が使用され得る。例えば、各成分を配合後、
三本ロールにて、室温或いは加熱下に混練するか、ホモ
ミキサー等で混合する。粘度は適正になるように溶剤を
添加しても良い。
【0025】また、基材としては、有機、無機繊維布基
材を使用する。種類については特に限定はないが、有機
繊維布としては、好適には液晶ポリエステル繊維、ポリ
ベンザゾール繊維、全芳香族ポリアミド繊維などの不織
布、織布が使用される。特に、孔あけの点からは、液晶
ポリエステル不織布が好適に使用される。不織布とする
場合、繊維同士をつなぐためにバインダーを付着させる
か、重合度の低い繊維と重合度の高い繊維を混抄し、重
合度の低い繊維を300℃位の温度で加熱溶融させてバイ
ンダー代わりに使用した特開平11-255908の不織布など
が使用できる。バインダーを使用する場合、その量は特
に限定しないが、不織布の強度を維持するためには、好
適には3〜8重量%付着させる。無機繊維布としては、
一般の断面が円形状、または偏平状のガラス繊維織布、
不織布、更には比誘電率が好適には50以上のセラミック
繊維織布、不織布を用いる。厚さが100μm、好ましくは
50μm以下であるガラス繊維不織布を好適に用いる。又
セラミック繊維は、誘電率が50以上、好ましくは500以
上の布を使用する。
【0026】本発明のプリプレグは、そのまま銅箔を使
用しないで積層し、その後スパッタリング等で銅を付着
させる方法、少なくとも片面に銅箔、好ましくは電解銅
箔を配置し、加熱、加圧下に積層成形して銅張積層板と
する方法等で銅張積層板とする。作業性、銅箔接着力の
点からは、銅箔を直接配置して積層成形するのが好まし
い。使用する銅箔は特に限定しないが、好適には厚さ3
〜35μmの電解銅箔が使用される。
【0027】本発明で使用する銅張板の積層成形条件
は,一般には温度150〜250℃、圧力5〜50kgf/cm2 、時間
は1〜5時間である。又、真空下に積層成形するのが好ま
しい。本発明で得られた銅張板に貫通孔及び/又はブラ
インドビア孔をあける場合、孔径180μmを越える孔は貫
通孔をメカニカルドリルであけるのが好ましい。又20μ
m以上で、180μm以下の貫通孔及び/又はブラインドビ
ア孔は、レ−ザーであけるのが好ましい。20μm以上で8
0μm未満の貫通孔及び/又はブラインドビア孔はエキシ
マレーザー、YAGレーザーで孔あけするのが好ましい。
更に、80μm以上で180mμ以下の貫通孔及び/又はブライ
ンドビア孔は、銅箔表面に薬液処理を施すか、融点900
℃以上で、且つ化合物の原子の総結合エネルギー300kJ/
mol 以上の金属化合物粉、カーボン粉、又は金属粉の1
種或いは2種以上を配合した樹脂組成物よりなる補助材
料を配置するか、銅箔のシャイニー面にコバルトやニッ
ケル金属層又はこれらの合金層を形成した上から直接炭
酸ガスレーザーを直接照射して、孔あけを行うのが好ま
しい。もちろん、その他の一般に公知の孔あけ方法も使
用可能である。
【0028】本発明で使用する補助材料の中の、融点90
0℃以上で、且つ、総結合エネルギー300kJ/mol 以上の
金属化合物としては、一般に公知のものが使用できる。
具体的には、酸化物としては、酸化チタン等のチタニア
類、酸化マグネシウム等のマグネシア類、酸化鉄等の鉄
酸化物、酸化ニッケル等のニッケル酸化物、二酸化マン
ガン、酸化亜鉛等の亜鉛酸化物、二酸化珪素、酸化アル
ミニウム、希土類酸化物、酸化コバルト等のコバルト酸
化物、酸化錫等のスズ酸化物、酸化タングステン等のタ
ングステン酸化物、等が挙げられる。非酸化物として
は、炭化珪素、炭化タングステン、窒化硼素、窒化珪
素、窒化チタン、窒化アルミニウム、硫酸バリウム、希
土類酸硫化物等、一般に公知のものが挙げられる。その
他、カーボンも使用できる。更に、その酸化金属粉の混
合物である各種ガラス類が挙げられる。又、カーボン粉
が挙げられ、更に銀、アルミニウム、ビスマス、コバル
ト、銅、鉄、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ニ
ッケル、パラジウム、アンチモン、ケイ素、錫、チタ
ン、バナジウム、タングステン、亜鉛等の単体、或いは
それらの合金の金属粉が使用される。これらは一種或い
は二種以上が組み合わせて使用される。平均粒子径は、
特に限定しないが、1μm以下が好ましい。
【0029】炭酸ガスレーザーの照射で分子が解離する
か、溶融して飛散するために、金属が孔壁等に付着し
て、半導体チップ、孔壁密着性等に悪影響を及ぼさない
ようなものが好ましい。Na,K,Clイオン等は、特
に半導体の信頼性に悪影響を及ぼすため、これらの成分
を含むものは好適でない。配合量は、3〜97vol%、好適
には5〜95vol%が使用され、好適には水溶性樹脂に配合
され、均一に分散される。
【0030】補助材料の水溶性樹脂としては、特に制限
はしないが、混練して銅箔表面に塗布、乾燥した場合、
或いはシート状とした場合、剥離欠落しないものを選択
する。例えばポリビニルアルコール、ポリエステル、ポ
リエーテル、澱粉等、一般に公知のものが使用される。
金属化合物粉、カーボン粉、又は金属粉と樹脂からなる
組成物を作成する方法は、特に限定しないが、ニーダー
等で無溶剤にて高温で練り、熱可塑性フィルム上にシー
ト状に押し出して付着する方法、水に水溶性樹脂を溶解
させ、これに上記粉体を加え、均一に攪拌混合して、こ
れを用い、塗料として熱可塑性フィルム上に塗布、乾燥
して膜を形成する方法等、一般に公知の方法が使用でき
る。厚みは、特に限定はしないが、一般には総厚み30〜
200μmで使用する。
【0031】それ以外に銅箔表面に薬液処理を施してか
ら同様に孔あけすることが可能である。この処理として
は、特に限定はしないが、例えばメック社で市販してい
る薬液による処理(処理名:CZ処理)等が好適に使用でき
る。裏面は、貫通孔を形成した時に、炭酸ガスレーザー
のテーブルの損傷を避けるために金属板の上に水溶性樹
脂を付着させたバックアップシートを使用するのが好ま
しい。
【0032】補助材料は銅箔面上に塗膜として塗布する
か、熱可塑性フィルム上に塗布してシートとする。シー
トを銅箔面に加熱、加圧下にラミネートする場合、補助
材料、バックアップシートともに塗布樹脂層を銅箔面に
向け、ロールにて、温度は一般に40〜150℃、好ましく
は60〜120℃で、線圧は一般に1〜20kgf/cm、好ましくは
2〜10kgf/cmの圧力でラミネートし、樹脂層を溶融させ
て銅箔面と密着させる。温度の選択は使用する水溶性樹
脂の融点で異なり、又、線圧、ラミネート速度によって
も異なるが、一般には、水溶性樹脂の融点より5〜20℃
高い温度でラミネートする。本発明の銅箔は、シャイニ
ー面がコバルト又はニッケル金属処理、ニッケル合金処
理(コバルト、亜鉛、鉄等との一般に公知の合金処理)
されたものが好適に使用される。
【0033】炭酸ガスレーザーを、好適には出力5〜60m
J 照射して孔径80〜180μmの孔を形成した場合、孔周辺
はバリが発生する。これは、薄い銅箔を張った両面銅張
積層板では、特に問題でなく、銅箔面に残存した樹脂を
気相或いは液相処理を行って除去し、孔内部のそのまま
銅メッキを行なって孔内部の50%以上を銅メッキし、同
時に表層もメッキして銅箔厚みを18μm以下とすること
が可能である。しかしながら、好適には、孔部にエッチ
ング液を吹き付けるか吸引して通し、張り出した銅箔バ
リを溶解除去すると同時に表層の銅箔の厚みが2〜7μ
m、好適には3〜5μmとなるようにエッチングし、銅メッ
キを行う。この場合、機械研磨よりは薬液によるエッチ
ングの方が、孔部のバリ除去、研磨による寸法変化等の
点から好適である。
【0034】本発明の孔部に発生した銅のバリをエッチ
ング除去する方法としては、特に限定しないが、例え
ば、特開平02-22887、同02-22896、同02-25089、同02-2
5090、同02-59337、同02-60189、同02-166789、同03-25
995、同03-60183、同03-94491、同04-199592、同04-263
488で開示された、薬品で金属表面を溶解除去する方法
(SUEP法: Surface Uniform Etching Process 法)に
よる。エッチング速度は、一般には0.02〜1.0μm/秒 で
行う。
【0035】孔をあける炭酸ガスレーザーは、赤外線波
長域にある9.3〜10.6μmの波長が一般に使用される。エ
キシマレーザーは波長248〜308nm、YAGレーザーは波長
351〜355 nmが一般に使用されるが、限定されるもので
はない。加工速度は炭酸ガスレーザーが格段に速く、経
済的である。
【0036】
【実施例】以下に実施例、比較例で本発明を具体的に説
明する。尚、特に断らない限り、『部』は重量部を表
す。 実施例1〜5 2,2-ビス(4-シアナトフェニル)プロパンモノマー(成分
Aー1)を1,000部150℃に熔融させ、撹拌しながら4時間
反応させ、平均分子量1,900のプレポリマー(成分Aー
2)を得た。室温で液状のエポキシ樹脂として、ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂(商品名::エピコート828、ジ
ャパンエポキシレジン<株>製、成分B-1)、ビスフェノ
ールF型エポキシ樹脂(商品名:EXA830LVP、大日本イ
ンキ化学工業<株>製、成分B-2)、ノボラック型エポキ
シ樹脂(商品名:DEN431、ダウケミカル<株>製、成分B-
3)、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(商品名:ESC
N220F、住友化学工業<株>製、成分B-4)、Br化フェノ
ールノボラック型エポキシ樹脂(商品名:BREN-S,日本
化薬<株>製、成分B-5)を配合し、熱硬化触媒としてア
セチルアセトン鉄(成分C-1)、2-エチル-4-メチルイミ
ダゾール(成分C-2)、更に添加剤として、エポキシシ
ランカップリング剤(商品名:A-187、日本ユニカ<株>
製、成分D-1)、ジシアンジアミド(成分E-1)を配合し
てワニスとした。絶縁性無機充填剤として、チタン酸バ
リウム系セラミック(室温での1MHzでの比誘電率:2,01
0、比表面積0.41m2/g、成分F-1とする)、チタン酸ビス
マス系セラミック(室温での比誘電率:733、比表面積
0.52m2/g、成分F-2とする)、チタン酸バリウム-錫酸カ
ルシウム系セラミック(室温での比誘電率:5,020、比
表面積0.45m2/g、成分F-3とする)、二酸化チタン系セ
ラミック(室温での比誘電率30、比表面積0.92m2/g、成
分F-4とする)を用いて表1のように配合し、ホモミキ
サーで10分間均一に混練し、粘度の高いものはメチルエ
チルケトンを少量添加して塗布するのに適正な粘ちょう
な粘度とし、無機充填剤の沈降が極めて遅いワニスとし
た。このワニスを、基材、及び厚さ50μmのポリエチレ
ンテレフタレート(PET)フィルムの片面に連続して厚さ4
0〜50μmとなるように塗布、乾燥して、170℃、20kgf/c
m2 、5分での樹脂流れが2〜20mmとなるようにBステー
ジ化した樹脂シートZを作成した。
【0037】基材として、繊維径が13μm、長さが16mm
の液晶ポリエステル繊維を、ポリエチレンオキサイド分
散溶液中に分散し、目付量が30g/m2となるように抄造し
た不織布にエポキシ樹脂エマルジョン及びシランカップ
リング剤を用いた接着剤溶液を作り、これを6重量%付着
させて150°Cで乾燥して得られた不織布G、扁平比4/
1、面積比92%、換算繊維径10μm、長さが13μmの高扁平
ガラス繊維を同様にバインダー、シランカップリング剤
を付着させて得た、目付量15g/m2の不織布H、繊維径11
μm、長さ14μm、比誘電率1,320のセラミック繊維を同
様にして作成した不織布I、厚さ20μm、重量17g/m2のガ
ラス織布Jに含浸、乾燥してBステージとした。
【0038】これらのプリプレグの両面に、樹脂シート
Zを樹脂層がプリプレグ側を向くように配置し、、100
℃、5kgf/cmのロールでラミネートして一体化し、Bス
テージプリプレグとした後、530x530mmに切断した。こ
のBステージプリプレグのPETフィルムを剥離し、これ
を3枚用い、この両面に12μmの一般の電解銅箔(JTC-L
P、<株>ジャパンエナージー製)を配置し、 200℃、20k
gf/cm2、30mmHg以下の真空下で2時間積層成形し、両面
銅張積層板を得た。
【0039】一方、酸化金属粉として黒色酸化銅粉(平
均粒子径:0.8μm)800部に、ポリビニルアルコール粉
体を水に溶解したワニスに加え、均一に攪拌混合した。
これを厚さ50μmのPETフィルム片面上に、樹脂組成物固
形分の厚さ30μmとなるように塗布し、110℃で30分間
乾燥して、金属化合物粉含有量45vol%の補助材料Pを
作成した。又厚さ50μmのアルミニウム箔の片面にこの
ワニスを樹脂組成物固形分の厚さ20μmとなるように塗
布し、同様に乾燥してバックアップシートQを作成し
た。上記両面銅張積層板の上側に上記補助材料P、下側
に上記バックアップシートQを、樹脂面が銅箔側を向く
ように配置し、100℃、5kgf/cmでラミネートしてから、
孔径100μmの孔を20mm角内に144個直接炭酸ガスレーザ
ーで、出力30mJで4ショット照射して、70ブロックの貫
通孔をあけ、SUEP処理を行い、銅箔バリを溶解する
とともに表層の銅箔を3μmになるまで溶解除去した。銅
メッキを15μm付着させ、表裏を既存の方法にて回路(ラ
イン/スペース=50/50μm)、ハンダボール用ランド等を
形成し、少なくとも半導体チップ搭載部、ボンディング
パッド部、ハンダボールパッド部を除いてメッキレジス
トで被覆しプリント配線板を作成した。評価結果を表2
に示す。
【0040】比較例1 実施例5において、ワニスNo.の無機充填剤量のワニ
スを使用し、メチルエチルケトンを少し加えて粘度を落
とし、その他は全て同一で、連続的に含浸、乾燥して同
一プリプレグ厚みになるようにプリプレグを作製しよう
としたが、付着した樹脂組成物層は垂れが生じ、割れも
発生し、不均一であった。
【0041】比較例2 実施例1のワニスを使用し、基材Hを横方向に流しな
がら、基材Hの表面に乾燥後の樹脂層厚さ50μmとなる
ようにワニスをナイフコーティングで塗布し、連続的
に横型乾燥機に入れて乾燥してBステージとしたが、不
織布の隙間から樹脂が落ち、所々に空隙が見られた。こ
れを巻き取り、反対面に同様に塗布、乾燥したが、空隙
は完全に埋まらず、隙間のあるプリプレグしかできなか
った。これを3枚用いて、実施例1と同様に積層成形し
たが、ボイドが多く発生し、特性を測定できなかった。
【0042】比較例3 実施例2において、多官能性シアン酸エステル成分(A-
1,2)及びエポキシ樹脂成分(B-3)の代わりにBr化エポ
キシ樹脂(商品名:エピコート5045、ジャパンエポキシ
レジン<株>製)75部、その他は同じにして、ジシアンジ
アミド3.5部、2ーエチルイミダゾール0.1部をメチルエ
チルケトンとジメチルホルムアミドの混合溶剤に溶解
し、攪拌混合して均一分散してワニスMを得た(この固
形を成分B-6とする)。これを用い、無機充填剤として
実施例2のF-2を、固形成分B-6を100部に対して実施例
2と同一の900部配合し、基材Jに比較例2と同様にナ
イフコーティングで片方ずつ2回ワニスを塗布、乾燥し
てBステージのプリプレグを作製した。この場合、無機
充填材料が90重量%で、且つ樹脂も室温で固形のため、
樹脂組成物層は脆く、裏面を塗布している時に最初のB
ステージ化した表面の樹脂組成物の一部が剥落した。ま
た、ガラス不織布ほど繊維間の隙間は多くないが、一部
樹脂組成物が空隙を埋めきれず、隙間があるプリプレグ
となった。これより、この塗工方法では良好なプリプレ
グが得られないことが判明した。このプリプレグの樹脂
剥落がなく、空隙も少ない箇所を取り、これを3枚重
ね、その両側に12μmの電解銅箔を配置し、180℃、30kg
f/cm2、30mmHg以下の真空下で2時間積層成形し、銅張
積層板を作製した。これを用いて同様にプリント配線板
とした。この評価結果を表2に示す。
【0043】比較例4 実施例1において、チタン酸バリウム系セラミックとし
て、粒子径幅0.5〜5μm、平均粒子径1.3μm、比表面積B
ET値1.29m2/g、比誘電率2,010(F-5とする)を実施例1
のワニスの配合で入れ、溶剤を添加して均一混練して
これをガラス不織布Hに、比較例2,3と同様にナイフ
コーティングで塗布し、乾燥して、Bステージプリプレ
グを作成した。この場合も塗布、乾燥するとガラス織布
の隙間の箇所に少し空隙が発生した。塗布が良好な箇所
を選び、これを4枚使用し、この両面に12μmの電解銅箔
を配置し、実施例1と同一の条件で積層成形した。190
℃、20kgf/cm2 、30mmHg以下の真空下で2時間積層成形
して両面銅張積層板を作成した。
【0044】この銅張積層板は、銅箔接着力が極めて弱
く、プリント配線板作成中に銅箔が剥離する箇所が見ら
れた。実施例1と同様に炭酸ガスレーザーで孔あけを行
い、薬液で銅箔バリを溶解除去すると同時に、表層の銅
箔を3μmまで垂直方向に溶解し、銅メッキを15μm付着
させ、これを用いて同様にプリント配線板を作成した。
評価結果を表2に示す。
【0045】比較例5 実施例2の無機充填剤の入っていないワニスに二酸化チ
タン系セラミック粉体(比表面積BET値1.45m2/g、比誘
電率30、成分F-6とする)を加え、これをホモミキサー攪
拌機にて良く攪拌混合してからガラス織布Jに含浸、乾
燥してプリプレグとした。これは無機充填剤量が70重量
%と少なく、良好なプリプレグとなった。これを4枚使用
し、その両側に3μmの銅キャリア付き電解銅箔を配置
し、比較例3と同一条件で積層成形し、両面銅張積層板
とした後、キャリアの銅箔を剥離し、上に100μmのアル
ミニウム箔、下側に厚さ1.6mmの紙フェノール積層板を
置き、メカニカルドリルで100μmの貫通孔をあけ、銅メ
ッキを15μm付着させて、同様にプリント配線板とし
た。評価結果を表2に示す。
【0046】比較例6 実施例3の無機充填剤添加したワニスを用いて得た実
施例3のプリプレグを用い、これを3枚使用し、両側に1
2μmの銅箔を配置し、同様に積層成形し、両面銅張積層
板を作成した。これを用い、比較例5と同様にメカニカ
ルドリルで100μmの孔をあけた。この場合、孔部の銅箔
バリは殆ど無かった。薬液で銅箔の厚さを薄くしたが、
銅箔の垂直方向は1.7μm溶解し、残存厚さは約10μmで
あった。これ以上表層の銅箔を溶解すると孔部の銅箔も
水平方向に溶解除去され、銅メッキした時に孔部の銅箔
が不足し、信頼性が劣るため、これ以上は薬液で溶解せ
ず、銅メッキを全体に15μm付着させ、同様にプリント
配線板とした。この評価結果を表2に示す。この場合、
表層の銅箔厚みは25μm位となり、実施例の3μmまで表
層の銅箔を溶解してから15μmの銅メッキを付着させた
場合に比べ、細密回路のショート又はパターン切れが発
生し易い。
【0047】比較例7 実施例5のワニスを使用し、これを厚さ12μmの電解
銅箔のマット面の上に塗布、乾燥を繰り返し、厚さ350
μmの樹脂組成物層とした。この樹脂組成物の上に12 μ
mの電解銅箔を置き、200℃、30kgf/cm2、30mmHg以下の
真空下で積層成形して両面銅張積層板とした。これを用
い、実施例と同様に炭酸ガスレーザーで同様に貫通孔あ
けし、孔部に発生した銅箔バリを薬液で溶解除去すると
ともに、銅箔を厚さ方向に垂直に銅箔残厚さ3μmまで溶
解し、銅メッキを15μm付着させ、同様にプリント配線
板とした。評価結果を表2に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】<測定方法> 1)積層成形後のボイド 積層成形した銅張積層板の銅箔をエッチング除去し、目
視にてボイドを確認した。 2)銅箔接着力 JIS C6481に準じて銅張積層板の銅箔の接着力を測定し
た。 3)ガラス転移温度 JIS C6481のDMA法にて測定した。 4)誘電率 LCR メーターにて測定し、計算にて算出した。 5)引張強度 JIS C6481に準じて測定した。 6)貫通孔あけ メカニカルドリル、炭酸ガスレーザー孔あけで、孔径10
0μmの孔を900孔/ブロックとして70ブロック(孔計63,
000孔)貫通孔をあけるに要した時間を測定した。メカ
ニカルドリル(孔あけB)、炭酸ガスレーザー孔あけ(孔あ
けA)共に1枚重ねである。 7)回路パターン切れ、及びショート、 実施例、比較例で、ライン/スペース=50/50μmの櫛形
パターンを作成した後、拡大鏡でエッチング後の200パ
ターンを目視にて観察し、パターン切れ、及びショート
しているパターンの合計を分子に示した。これは炭酸ガ
スレーザーで孔あけした場合、孔周辺に銅箔バリが発生
するため、薬液によるSUEP処理を行い、銅箔のバリを除
去するとともに、表層の銅箔の厚さを3〜5μmとし、そ
の後銅メッキを15μm全体に施すと表層の銅厚が18-20μ
mとなり、これを用いてライン/スペースが50/50μmの
細密パターンを作成すると、銅箔回路間が接続する(シ
ョート)か又はパターン切れが生じない。もし表層の銅
箔厚さを薬液で溶解して薄くしない場合、銅メッキを15
μm付着させると、12μm銅箔の場合、総厚27μmとなる
ために、一般のエッチングによる細密パターン作成にお
いてはパターン切れ、ショート(接続)が多くなる。 8)スルーホール・ヒートサイクル試験 板厚を0.3〜0.4mmのものをそれぞれ作成し、各実施例、
比較例と同じように孔あけを行い、薬液処理を行い、銅
メッキした各スルーホールにランド径300μmを作成し、
900孔を表裏交互につなぎ、1サイクルが、260℃・シリ
コンオイル・浸せき30秒→室温・5分で、150サイクルま
で実施し、抵抗値の変化率の最大値を示した。 9)プレッシャークッカー処理後の絶縁抵抗値 端子間(ライン/スペース=50/50μm)の櫛形パターン
を作成し、この上に、それぞれ使用したプリプレグを1
枚配置し、積層成形したものを、121℃・203kPaにて所
定時間処理した後、25℃・60%RH で2時間後処理を行
い、500VDCを60秒印加して充電後、端子間の絶縁抵抗値
を測定した。 10)耐マイグレーション性 上記6)の試験片を85℃・85%RHの雰囲気下で50VDCを常時
印加して端子間の絶縁抵抗値を測定した。 11)HAST測定 孔径100μmの銅メッキされた貫通孔をそれぞれ表裏交互
に1個ずつつなぎ、このつないだもの2組が孔壁間150
μmで平行になるようにして、合計100セット作製し、13
0℃、85%RH、1.8VDCにて所定時間処理後に取り出し、平
行に配列した貫通孔間の絶縁抵抗値を、500VDC、60秒引
加して充電後、測定した。 12)1次塗布、2次塗布 ・1次塗布:基材にワニスNo.、、、、のワ
ニスを、各基材に含浸、乾燥して Bステージのプリプレ
グとする。樹脂のゲル化時間は60〜120秒(at170℃)と
し、樹脂組成物付着は各基材の繊維の空隙を埋める程度
とし、基材の表裏から1-10μm厚めに付着させる。 ・2次塗布:、、、のワニスを厚さ50μmのポ
リエチレンテレフタレートフィルムの片面に塗布、乾燥
し、樹脂組成物層厚さ40-50μm、ゲル化時間30-100秒(a
t170℃)とし、Bステージ樹脂付きフィルムを作成しこ
れを1次塗布で得られたプリプレグの両面に、樹脂組成
物層がプリプレグ側を向くように配置し、100℃の加熱
ロールで連続的に5kgf/cmにてラミネートして一体化
し、プリプレグとした。 13)比表面積 BET法にて測定した。 14)平均粒子径 レーザー回折法で測定した。
【0051】
【発明の効果】熱硬化性樹脂組成物に絶縁性無機充填剤
を10〜79重量%配合した樹脂組成物を繊維布基材に付着
してBステージとしたプリプレグの両面に、熱可塑性フ
ィルムの片面に熱硬化性樹脂中に絶縁性無機充填剤を80
〜99重量%配合してなる樹脂組成物を付着させてBステ
ージとした樹脂組成物層が該プリプレグ側を向くように
配置して接着させ、一体化して基材入りプリプレグとす
ることにより、無機充填剤の含有量のきわめて多い良好
な基材入りプリプレグを製造できた。更に、少なくとも
熱可塑性フィルムの片面に付着させる無機充填剤とし
て、比誘電率50以上、好適には500以上、比表面積が好
適には0.30〜1.00m2/g、且つ平均粒子径が4〜30μmのも
のを使用することにより、銅箔との密着力に優れた銅張
板が得られた。更に熱硬化性樹脂組成物として、好適に
は、(a)多官能性シアン酸エステルモノマー、該シアン
酸エステルプレポリマー100重量部に対し、(b)室温で液
状のエポキシ樹脂を50〜10,000重量部配合し、この(a+
b)成分100重量部に対し、熱硬化触媒を0.005〜10重量部
配合した樹脂成分を必須成分として使用することによ
り、耐熱性、吸湿後の電気絶縁性等に優れたものが得ら
れた。加えて比誘電率は20以上のものが得ることがで
き、コンデンサ等として有用なものが作成できた。又、
孔あけ補助層を銅張積層板の上に使用することにより、
高エネルギーの炭酸ガスレーザーを照射して直接小径の
孔をあけることが可能であり、高密度のプリント配線板
を得ることができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08G 59/40 C08G 59/40 C08K 3/00 C08K 3/00 9/00 9/00 C08L 63/00 C08L 63/00 101/00 101/00 H05K 1/03 610 H05K 1/03 610L 610R 3/00 3/00 N 3/26 3/26 F Fターム(参考) 4F072 AA02 AA07 AB05 AB29 AD25 AD26 AD28 AE06 AF02 AF06 AF26 AF32 AG03 AG16 AG19 AH02 AK05 AL13 4F100 AA00B AA00D AA01C AA34B AA34D AK01A AK01E AK24B AK24D AK42 AK43 AK53B AK53D AL05B AL05C AL05D BA05 BA06 CA23B CA23C CA23D DH01C GB43 JB13B JB13C JB13D JB16A JB16E JD20B JD20D JG04 JG04B JG04D JG05 JJ03 YY00B YY00C YY00D 4J002 BG09W BH02W CC04X CD00W CD02W CD05W CD06W CD10W CH07W CM02X CM04W DE136 DE186 DJ006 DJ016 DJ046 DJ056 DM006 ET007 FB016 FD016 GQ01 4J036 AB07 AC12 AD08 AF06 AG03 DC32 DC40 FA05 FA06 GA17 JA08 KA01 5E343 AA02 AA07 AA13 AA17 BB24 BB67 EE02 EE12 GG11 GG14

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性樹脂組成物中に絶縁性無機充填
    剤を10〜79重量%配合した樹脂組成物を基材に付着して
    Bステージ化したプリプレグの両面に、熱可塑性フィル
    ムの片面に熱硬化性樹脂中に絶縁性無機充填剤粉体を80
    〜99重量%配合してなる樹脂組成物を付着してBステー
    ジとした樹脂組成物層を、樹脂層がプリプレグ側を向く
    ように配置して接着させて一体化することを特徴とする
    高充填剤量プリプレグ。
  2. 【請求項2】 該熱硬化性樹脂の、少なくとも熱可塑性
    フィルム上に形成した樹脂組成物が、(a)多官能性シア
    ン酸エステルモノマー、該シアン酸エステルプレポリマ
    ー100重量部に対し、(b)室温で液状のエポキシ樹脂50〜
    10,000重量部を配合し、この(a+b)100重量部に対し、熱
    硬化触媒0.005〜10重量部を配合した樹脂組成物を必須
    成分とするものである請求項1記載の高充填剤量プリプ
    レグ。
  3. 【請求項3】 少なくとも、熱可塑性フィルム片面上に
    付着する樹脂組成物の該絶縁性無機充填剤粉末が、チタ
    ン酸バリウム系セラミック、チタン酸ストロンチウム系
    セラミック、チタン酸鉛系セラミック、チタン酸カルシ
    ウム系セラミック、チタン酸ビスマス系セラミック、ジ
    ルコン酸鉛系セラミックの少なくとも1種以上を含有し
    てなる無機粉末及び/又はこれらの1種以上を焼結した
    後に粉砕した粉末である請求項1又は2記載の高誘電率
    高充填剤量プリプレグ。
  4. 【請求項4】 少なくとも、熱可塑性フィルム片面上に
    形成する樹脂組成物層の該絶縁性無機充填剤の平均粒子
    径が、4〜30μmで、BET法による比表面積が0.30〜1.00m
    2/g の範囲のものを80〜99重量%配合してなる請求項
    1、2又は3記載の高充填剤量プリプレグ。
  5. 【請求項5】 該請求項1,2又は3記載のプリプレグ
    を使用して作成した銅張板の表面に炭酸ガスレーザー孔
    あけ補助層を形成し、この上から炭酸ガスレーザーを直
    接照射して貫通孔及び/又はブラインドビア孔を形成し
    て作製されることを特徴とするプリント配線板。
  6. 【請求項6】 炭酸ガスレーザーで孔あけ後、薬液にて
    孔部に発生した銅箔バリを溶解除去するとともに、表層
    の銅箔の一部を厚さ方向に対し垂直な面を平面的に溶解
    して得られる該銅張板を用いることを特徴とする請求項
    5記載のプリント配線板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109762304A (zh) * 2019-01-17 2019-05-17 湖北天运消音防振新材料有限公司 一种汽车内饰用吸音、隔热棉及其制备方法
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