JP2002046216A - 基材補強bステージ樹脂付き銅箔の製造方法 - Google Patents

基材補強bステージ樹脂付き銅箔の製造方法

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JP2002046216A
JP2002046216A JP2000235137A JP2000235137A JP2002046216A JP 2002046216 A JP2002046216 A JP 2002046216A JP 2000235137 A JP2000235137 A JP 2000235137A JP 2000235137 A JP2000235137 A JP 2000235137A JP 2002046216 A JP2002046216 A JP 2002046216A
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resin
resin composition
stage
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JP2000235137A
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Nobuyuki Ikeguchi
信之 池口
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無機充填剤を配合した樹脂組成物
において、充填剤の沈降がなく、高充填剤量でも銅箔の
接着力の良好な基材補強Bステージ樹脂付き銅箔の製造
方法を得る。 【解決手段】 熱可塑性フィルムの片面に、熱硬
化性樹脂中に絶縁性無機充填剤粉体を10〜99重量%配合
してなる樹脂組成物を塗布、乾燥してBステージとした
樹脂組成物層を作成し、更に銅箔のマット面に該樹脂組
成物を塗布、乾燥してBステージとした樹脂組成物層付
き銅箔を作成し、それぞれのBステージ樹脂組成物層が
繊維布基材の両面に基材側を向くように配置し、加熱、
加圧下に基材及び銅箔を接着させて一体化することから
なる基材補強Bステージ樹脂付き銅箔の製造方法。 【効果】 高無機充填量でも沈降がなく、均
一なBステージ樹脂付き銅箔を作成でき、これを用いた
耐熱性、吸湿後の電気特性、銅箔との接着性、強度等に
優れた高比誘電率のプリント配線板を作成できた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絶縁性無機充填剤
の配合された、特に充填剤配合量の多い樹脂組成物を用
いたBステージ樹脂付き銅箔の製造法に関する。本発明
の製造法により得られた銅箔を用いたプリント配線板
は、高比誘電率であり、特に炭酸ガスレーザーで孔あけ
して得られたプリント配線板は、高密度の小型プリント
配線板として、半導体チップを搭載し、小型、軽量の新
規な半導体プラスチックパッケージ用、遅延素子用等へ
の使用に適している。
【0002】
【従来の技術】近年、ますます小型、薄型、軽量化する
電子機器において、高密度の多層プリント配線板が使用
されるようになってきている。このプリント配線板は、
熱放散性等を向上させるため、あるいは高比誘電率にす
るために無機充填剤を多量に添加する提案が試みられて
いる。しかしながら、80重量%以上と多量に添加した
場合、銅箔との密着力に劣る、無機充填剤の分散性等に
劣る等の欠点が見られた。又、ガラス布基材等の素材を
用いてプリプレグを作成する場合、樹脂組成物中の無機
充填剤の量が多すぎると、連続的にワニスを含浸、乾燥
した場合、ガラス布基材等の素材表層への樹脂組成物の
付着が不均一となって、樹脂層の割れ、ムラが生じて良
好なプリプレグが作成できない。また、無機充填剤は比
重が大きく、ワニスに分散させると沈降するために多量
に添加した事例が見あたらない。このため、各提案にお
いて実際に試みられている無機充填剤添加量は75重量
%程度が限度であった。更に、無機充填剤を多く使用し
た場合、得られた銅張積層板は脆く、更には銅箔を接着
させた場合、接着力は極めて低くプリント配線板として
の使用は困難であった。無機充填剤量が少ない場合で
も、不織布に含浸、乾燥した場合、不織布の隙間に均一
に無機充填剤含有樹脂組成物が付着せず、積層成形時に
樹脂流れが多く、積層板の場所により均一性が良好でな
いものができていた。
【0003】更に、特開平9-12742号公報に示されるよ
うに、ガラス布基材を使用せずに、熱硬化性樹脂と誘電
率50以上の無機粉末を混合して得られた高誘電率フィル
ムは、フィルム状にするために、樹脂の粘度が高く、無
機充填材の添加量は60重量%程度が上限の限界である。
樹脂付き銅箔を作成する場合、銅箔に連続的に樹脂組成
物層を付着させ、加熱乾燥してBステージ化するが、得
られた樹脂付き銅箔は基材が含まれておらず、積層成形
した場合の全体の強度が弱く、携帯電話用プリント配線
板には今一歩であり、又、積層成形時の寸法収縮が大き
く、高密度のプリント配線板には使用困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の問題
点を解決した、無機充填剤量が多くても樹脂組成物と銅
箔との接着力が高く、寸法収縮が小さく、強度が強く、
且つ炭酸ガスレーザー孔あけ性に優れ、孔の接続信頼性
の良好なプリント配線板を作成できる基材補強Bステー
ジ熱硬化性樹脂付き銅箔の製造方法に関する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、絶縁性無機充
填剤を10〜99重量%熱硬化性樹脂中に配合した熱硬化性
樹脂組成物を熱可塑性フィルムの片面に塗布、乾燥して
Bステージとした樹脂組成物層付着フィルムを作成し、
更に銅箔のマット面に該樹脂組成物を塗布、乾燥してB
ステージとした樹脂組成物層付き銅箔を作成し、それぞ
れのBステージ樹脂組成物層が繊維布基材の両面に基材
側を向くように配置し、加熱、加圧下にラミネートして
樹脂層を溶解し中央の繊維布に付着させて作成する基材
補強Bステージ樹脂付き銅箔の製造方法を提供する。
又、熱硬化性樹脂組成物としては、(a)多官能性シアン
酸エステル化合物、該シアン酸エステルプレポリマー10
0重量部に対して、(b)室温で液状のエポキシ樹脂50〜1
0,000重量部を配合し、この(a+b)100重量部に対して、
熱硬化触媒0.005〜10重量部を配合してなるものを必須
成分とする樹脂組成物が好ましく使用される。絶縁性無
機充填剤粉末としては、好ましくは比誘電率が50以上、
更に好ましくは500以上で、BET比表面積が0.30〜1.0
0m2/g、平均粒子径4〜30μmであるものが好ましく使用
される。この絶縁性無機充填剤粉末を樹脂組成物中に10
〜99重量%、好適には85〜95重量%となるように均一混合
し、これを使用して、好適には比誘電率20以上の基材補
強高比誘電率樹脂付き銅箔を作成する。本発明の製造方
法により得られた樹脂付き銅箔は、積層成形時の寸法収
縮が小さく、銅箔接着力に優れ、強度が強く、高耐熱性
で、高比誘電率である。さらに炭酸ガスレーザーによる
小径孔あけ性に優れており、孔接続信頼性に優れたプリ
ント配線板を得ることができた。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、図1に示すように、絶
縁性無機充填剤を10〜99重量%配合した熱硬化性樹脂組
成物層bを熱可塑性フィルムdの片面に付着させてBステ
ージ化したもの、及び銅箔aのマット面に該樹脂組成物b
を塗布、乾燥してBステージ化したものを繊維基材cの
両面にそれぞれ配置し、加熱、加圧下に中央の基材に付
着させる基材補強Bステージ樹脂付き銅箔(図1(2))
の製造方法である。この樹脂付き銅箔を用いて銅張板と
し、孔あけ、回路形成してプリント配線板とする。
【0007】無機充填剤を多量、特に80重量%以上添加
すると、銅箔接着力が低くなる等の欠点が生じる。その
ために、従来の試みでは無機充填剤を多量に添加した銅
張積層板は開発されていない。本発明では、特に比誘電
率20以上で、且つ銅箔接着力に優れた銅張積層板及びそ
れを用いたプリント配線板を作成するために、好適には
無機充填剤の平均粒子径が4〜30μm、BET比表面積0.
30〜1.00m2/g である一般に公知の絶縁性無機充填剤を
使用する。具体的には、タルク、焼成タルク、ウオラス
トナイト、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、合成雲
母、チタン酸バリウム系セラミック、チタン酸鉛系セラ
ミック、チタン酸カルシウム系セラミック、チタン酸ス
トロンチウム系セラミック、チタン酸マグネシウム系セ
ラミック、チタン酸ビスマス系セラミック、ジルコン酸
鉛系セラミック等が好適に使用され、これらの少なくと
も1種以上を含有するか、及び/又はこれらの1種以上
を焼結した後に粉砕した粉末を配合する。又、比誘電率
50以上、好ましくは500以上の無機充填剤を使用するこ
とにより、比誘電率20以上の銅張積層板を作成できる。
具体的には、チタン酸バリウム系セラミック、チタン酸
ストロンチウム系セラミック、チタン酸鉛系セラミッ
ク、チタン酸マグネシウム系セラミック、チタン酸ビス
マス系セラミック、チタン酸カルシウム系セラミック、
ジルコン酸鉛系セラミック等が挙げられる。これらは組
成的には、その成分単独系、又は他の少量の添加物を含
む系で、主成分の結晶構造が保持されているものであ
る。これらは単独或いは2種以上組み合わせて使用され
る。又、これらの無機粉末及び/又はこれらの1種以上
を焼結した後に粉砕した粉末も使用される。さらに針状
の無機充填剤も併用することにより、曲げ強度等の機械
的強度も向上できる。
【0008】樹脂としては特に限定はしない。例えば、
多官能性シアン酸エステル樹脂、多官能性マレイミド樹
脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、二重結合付加ポリ
フェニレンオキサイド樹脂等一般に公知の熱硬化性樹脂
が用いられる。これらは1種或いは2種以上が組み合わ
せて使用される。この中でも、耐マイグレーション性、
耐熱性、吸湿後の耐熱性等の点から、多官能性シアン酸
エステル樹脂が好適に使用される。加えて、液状のエポ
キシ樹脂を配合することにより、樹脂組成物層の脆さを
改善でき、柔軟性を向上できる。(a)多官能性シアン酸
エステル化合物、該シアン酸エステルプレポリマー 100
重量部に対し、(b)室温で液状のエポキシ樹脂を50〜10,
000重量部配合し、この(a+b)成分100重量部に対し、熱
硬化触媒0.005〜10重量部配合した樹脂組成物を必須成
分とした熱硬化性樹脂組成物を用いるのが好適である。
【0009】本発明で使用される多官能性シアン酸エス
テル化合物とは、分子内に2個以上のシアナト基を有す
る化合物である。具体的に例示すると、1,3-又は1,4-ジ
シアナトベンゼン、1,3,5-トリシアナトベンゼン、1,3
-、1,4-、1,6-、1,8-、2,6-又は2,7-ジシアナトナフタ
レン、1,3,6-トリシアナトナフタレン、4,4-ジシアナト
ビフェニル、ビス(4-ジシアナトフェニル)メタン、2,2-
ビス(4-シアナトフェニル)プロパン、2,2-ビス(3,5-ジ
ブロモー4-シアナトフェニル)プロパン、ビス(4-シアナ
トフェニル)エーテル、ビス(4-シアナトフェニル)チオ
エーテル、ビス(4-シアナトフェニル)スルホン、トリス
(4-シアナトフェニル)ホスファイト、トリス(4-シアナ
トフェニル)ホスフェート、およびノボラックとハロゲ
ン化シアンとの反応により得られるシアネート類などで
ある。
【0010】これらのほかに特公昭41-1928、同43-1846
8、同44-4791、同45-11712、同46-41112、同47-26853及
び特開昭51-63149号公報等に記載の多官能性シアン酸エ
ステル化合物類も用いられ得る。また、これら多官能性
シアン酸エステル化合物のシアナト基の三量化によって
形成されるトリアジン環を有する分子量400〜6,000のプ
レポリマーが使用される。このプレポリマーは、上記の
多官能性シアン酸エステルモノマーを、例えば鉱酸、ル
イス酸等の酸類;ナトリウムアルコラート等、第三級ア
ミン類等の塩基;炭酸ナトリウム等の塩類等を触媒とし
て重合させることにより得られる。このプレポリマー中
には一部未反応のモノマーも含まれており、モノマーと
プレポリマーとの混合物の形態をしており、このような
原料は本発明の用途に好適に使用される。一般には可溶
な有機溶剤に溶解させて使用する。
【0011】室温で液状のエポキシ樹脂としては、一般
に公知のものが使用可能である。具体的には、ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹
脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ポリエーテ
ルポリオールのジグリシジル化物、酸無水物のエポキシ
化物、脂環式エポキシ樹脂等が単独或いは2種以上組み
合わせて使用される。使用量は、多官能性シアン酸エス
テル化合物、該シアン酸エステルプレポリマー 100重量
部に対し、50〜10,000重量部、好ましくは100〜5,000重
量部である。
【0012】本発明の熱硬化性樹脂組成物には、組成物
本来の特性が損なわれない範囲で、所望に応じて種々の
添加物を配合することができる。これらの添加物として
は、不飽和ポリエステル等の重合性二重結合含有モノマ
ー類及びそのプレポリマー類;ポリブタジエン、エポキ
シ化ブタジエン、マレイン化ブタジエン、ブタジエン-
アクリロニトリル共重合体、ポリクロロプレン、ブタジ
エン-スチレン共重合体、ポリイソプレン、ブチルゴ
ム、フッ素ゴム、天然ゴム等の低分子量液状〜高分子量
のelasticなゴム類;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リブテン、ポリ-4-メチルペンテン、ポリスチレン、AS
樹脂、ABS樹脂、MBS樹脂、スチレン-イソプレンゴム、
ポリエチレン-プロピレン共重合体、4-フッ化エチレン-
6-フッ化エチレン共重合体類;ポリカーボネート、ポリ
フェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエステル、ポ
リフェニレンサルファイド等の高分子量プレポリマー若
しくはオリゴマー;ポリウレタン等が例示され、適宜使
用される。また、その他、公知の無機、有機の充填剤、
染料、顔料、増粘剤、滑剤、消泡剤、分散剤、レベリン
グ剤、光増感剤、難燃剤、光沢剤、重合禁止剤、チキソ
性付与剤等の各種添加剤が、所望に応じて適宜組み合わ
せて用いられる。必要により、反応基を有する化合物は
硬化剤、触媒が適宜配合される。
【0013】熱硬化性樹脂組成物は、それ自体は加熱に
より硬化するが硬化速度が遅く、作業性、経済性等に劣
る場合には、使用した熱硬化性樹脂に対して公知の熱硬
化触媒を用い得る。使用量は、熱硬化性樹脂100重量部
に対し、0.005〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量%で
ある。
【0014】本発明の各成分を均一に混練する方法は、
一般に公知の方法が使用され得る。例えば、各成分を配
合後、三本ロールにて、室温或いは加熱下に混練する
か、ボールミル、ライカイ機、ホモミキサー等、一般に
公知のものが使用される。また、溶剤を添加して加工法
に合う粘度として使用する。
【0015】基材としては、有機、無機繊維布基材を使
用する。種類については特に限定はないが、有機繊維布
としては、好適には液晶ポリエステル繊維、ポリベンザ
ゾール繊維、全芳香族ポリアミド繊維などの不織布、織
布が使用される。特に、メカニカルドリル、炭酸ガスレ
ーザー等の孔あけの点からは、液晶ポリエステル不織布
が好適に使用される。不織布とする場合、繊維同士をつ
なぐためにバインダーを付着させるか、パルプと繊維を
混抄し、300℃位の温度でパルプを加熱溶融させてバイ
ンダー代わりに使用した特開平11-255908の不織布など
が使用できる。バインダーの量は特に限定しないが、不
織布の強度を維持するためには、好適には3〜8重量%
付着させる。
【0016】無機繊維布としては、一般の断面が円形状
のガラス繊維織布、不織布、更にはセラミック繊維織
布、不織布、好適には比誘電率50以上の不織布を用い
る。円形のガラス繊維布を使用すると、厚さが薄くでき
ない、無機充填剤を多量に使用した場合に含浸性が悪い
等の欠点が生じることが有り、好ましくは、断面扁平な
形状のガラス繊維で、その断面の長径/短径で表す扁平
率が3.1/1〜5/1 であり、換算繊維径が5〜17μmである
扁平ガラス繊維を90重量%以上含み、厚さが100μm、好
ましくは50μm以下であるガラス繊維不織布を基材とし
て用いる。又セラミック繊維は、比誘電率が50以上、好
ましくは500以上の布を使用する。無機充填剤を多量に
用いる場合、含浸性の点からは、不織布が好ましい。
【0017】基材の両面に樹脂層を形成してプリプレグ
を作成する方法は、絶縁性無機充填剤を樹脂組成物に添
加して、必要により溶剤を加えてワニスとしたものを、
熱可塑性フィルムの片面あるいは銅箔のマット面にナイ
フコーティング等で塗布し、加熱、乾燥してBステージ
樹脂シートとし、これらを基材の両面に、樹脂層が基材
側を向くように配置し、加熱、加圧ロール等で圧着し、
一体化した基材補強Bステージ樹脂付き銅箔とする。
【0018】本発明のプリプレグは、このまま加熱硬化
するか、内層板の両面にこの基材補強Bステージ銅箔
を、離型フィルムとして使用している熱可塑性フィルム
を剥離して配置し、加熱、加圧下に積層成形して銅張積
層板とし、プリント配線板とする。この銅箔は特に限定
しないが、好適には厚さ3〜35μmの電解銅箔が使用され
る。本発明で使用する銅張板の積層成形条件は,一般に
は温度150〜250℃、圧力5〜50kgf/cm2、時間は1〜5時間
である。又、真空下に積層成形するのが好ましい。
【0019】この基材補強Bステージ樹脂付き銅箔を使
用して得られた銅張板は、メカニカルドリルで孔あけ可
能であるが、無機充填剤が多い場合にはドリル摩耗等が
多きいため、レーザーでの孔あけが好適である。又孔径
80μm以上で180μm以下の孔を形成するためには、
加工速度等の点からは炭酸ガスレーザーが好適である。
【0020】孔あけ方法は特に限定しないが、孔あけ補
助層を銅張積層板の上に配置し、直接高エネルギーの炭
酸ガスレーザーを照射することにより、貫通孔及び/又
はブラインドビア孔の形成が容易にできる。貫通孔及び
/又はブラインドビア孔をあけた場合、孔周辺には銅箔
バリが残存する。これは研磨等で除去することも可能で
あるが、バリが残存する可能性が大きい。このため好適
には、孔周辺に発生した銅箔バリ及び銅箔表層の銅箔を
厚さ方向に一部を残存厚さ2〜7μm、好適には3〜5μmに
なるまで薬液にてエッチング除去し、銅メッキを施した
後、この表裏面に回路形成を行い、プリント配線板とす
る。多層積層板とする場合、このプリント配線板の少な
くとも片面に銅表面処理、プリプレグ及び銅箔を配置
し、積層成形をして得られる多層銅張板を用いて、好適
には最後に内外層銅箔を接続するように表裏を貫通する
孔及び/又はブラインドビア孔を形成し、表裏の銅箔の
一部を薬液にてエッチング除去し、スルーホールメッ
キ、ブラインドビア孔銅メッキ、表裏の回路形成後、必
要によりメッキレジストで被覆し、貴金属メッキを行
い、プリント配線板とする。
【0021】銅箔の両表面を平面的にエッチングし、も
との金属箔を厚さ方向に一部エッチング除去することに
より、孔部に張り出した銅箔バリもエッチング除去する
ことが好ましい。この場合、銅箔が薄くなるために、そ
の後の金属メッキでメッキアップして得られた表裏銅箔
の細線の回路形成において、ショートやパターン切れ等
の不良の発生もなく、高密度のプリント配線板を作成す
ることができる。この表裏銅箔のエッチングによる薄銅
化の時に、孔内部に露出した内層銅箔表面に付着する樹
脂層を、好適には少なくとも気相処理してから、エッチ
ング除去する。孔内部は、銅メッキで50容積%以上充填
することも可能である。また、最後の貫通孔の場合、表
層の銅箔と孔内部の銅箔の接続を行うことにより、接続
信頼性の極めて優れた孔が得られる。
【0022】孔あけに関しては、エキシマレーザー、YA
Gレーザー、炭酸ガスレーザー、メカニカルドリル等、
一般に公知の孔あけ方法が使用できるが、作業性、孔あ
け速度等の点から、炭酸ガスレ−ザーを使用するのが好
ましい。もちろん、各孔あけ方法の併用も可能である。
【0023】孔径20μm以上、180μm以下の貫通孔及び
/又はブラインドビア孔は、一般にレーザーで形成す
る。孔径20μm以上、80μm未満の孔は、エキシマレーザ
ー、YAGレーザーが好ましいが、80μm以上で180μm以下
の孔径のものは、銅箔表面に酸化金属処理又は薬液処理
を施すか、或いは融点900℃以上で、且つ結合エネルギ
ーが300kJ/mol 以上の金属化合物粉、カーボン粉、又は
金属粉の1種或いは2種以上を3〜97vol%を含む補助材
料を塗料或いはこれをシート状としたものを、好適に
は、総厚み30〜200μmの厚みで銅箔表面上に配置し、炭
酸ガスレーザーの出力が、好ましくは20〜60mJから選ば
れるエネルギーの炭酸ガスレーザーを直接照射して貫通
孔及び/又はブラインドビア孔を形成する。又、孔あけ
においては、銅箔のシャイニー面にニッケル金属処理、
又はニッケル合金処理を施して孔あけ補助層とした銅箔
を使用し、この上から、好ましくは5〜60mJの炭酸ガス
レーザーを直接照射することにより貫通孔及び/又はブ
ラインドビア孔を形成することができる。更には、銅箔
表面に薬液処理(例えばCZ処理、メック<株>)を施して
同様に孔を形成できる。また、孔径180μmを越える孔を
あける場合、好適にはメカニカルドリルであける。加工
速度はドリルであける場合に比べて格段に速く、生産性
も良好で、経済性にも優れているものが得られた。
【0024】本発明で使用する補助材料の中の、融点90
0℃以上で、且つ、結合エネルギー300kJ/mol以上の金属
化合物としては、一般に公知のものが使用できる。具体
的には、酸化物としては、酸化チタン等のチタニア類、
酸化マグネシウム等のマグネシア類、酸化鉄等の鉄酸化
物、酸化ニッケル等のニッケル酸化物、二酸化マンガ
ン、酸化亜鉛等の亜鉛酸化物、二酸化珪素、酸化アルミ
ニウム、希土類酸化物、酸化コバルト等のコバルト酸化
物、酸化錫等のスズ酸化物、酸化タングステン等のタン
グステン酸化物、等が挙げられる。非酸化物としては、
炭化珪素、炭化タングステン、窒化硼素、窒化珪素、窒
化チタン、窒化アルミニウム、硫酸バリウム、希土類酸
硫化物等、一般に公知のものが挙げられる。その他、カ
ーボンも使用できる。更に、その酸化金属粉の混合物で
ある各種ガラス類が挙げられる。又、カーボン粉が挙げ
られ、更に銀、アルミニウム、ビスマス、コバルト、
銅、鉄、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ニッケ
ル、パラジウム、アンチモン、ケイ素、錫、チタン、バ
ナジウム、タングステン、亜鉛等の単体、或いはそれら
の合金の金属粉が使用される。これらは一種或いは二種
以上が組み合わせて使用される。平均粒子径は、特に限
定しないが、1μm以下が好ましい。
【0025】炭酸ガスレーザーの照射で分子が解離する
か、溶融して飛散するために、金属が孔壁等に付着し
て、半導体チップ、孔壁密着性等に悪影響を及ぼさない
ようなものが好ましい。Na,K,Clイオン等は、特
に半導体の信頼性に悪影響を及ぼすため、これらの成分
を含むものは好適でない。配合量は、3〜97vol%、好適
には5〜95vol%が使用され、好適には水溶性樹脂に配合
され、均一に分散される。
【0026】補助材料の水溶性樹脂としては、特に制限
はしないが、混練して銅箔表面に塗布、乾燥した場合、
或いはシート状とした場合、剥離欠落しないものを選択
する。例えばポリビニルアルコール、ポリエステル、ポ
リエーテル、澱粉等、一般に公知のものが使用される。
【0027】金属化合物粉、カーボン粉、又は金属粉と
樹脂からなる組成物を作成する方法は、特に限定しない
が、ニーダー等で無溶剤にて高温で練り、熱可塑性フィ
ルム上にシート状に押し出して付着する方法、水に水溶
性樹脂を溶解させ、これに上記粉体を加え、均一に攪拌
混合して、これを用い、塗料として熱可塑性フィルム上
に塗布、乾燥して膜を形成する方法等、一般に公知の方
法が使用できる。厚みは、特に限定はしないが、一般に
は総厚み30〜200μmで使用する。
【0028】裏面は、貫通孔を形成した時に、炭酸ガス
レーザーのテーブルの損傷を避けるために裏面には金属
板の上に水溶性樹脂を付着させたバックアップシートを
使用するのが好ましい。
【0029】補助材料は銅箔面上に塗膜として塗布する
か、熱可塑性フィルム上に塗布してシートとする。シー
トを銅箔面に加熱、加圧下にラミネートする場合、補助
材料、バックアップシートともに塗布樹脂層を銅箔面に
向け、ロールにて、温度は一般に40〜150℃、好ましく
は60〜120℃で、線圧は一般に1〜20kgf/cm、好ましくは
1〜10kgf/cmの圧力でラミネートし、樹脂層を溶融させ
て銅箔面と密着させる。温度の選択は使用する水溶性樹
脂の融点で異なり、又、線圧、ラミネート速度によって
も異なるが、一般には、水溶性樹脂の融点より5〜20℃
高い温度でラミネートする。又、室温で密着させる場
合、塗布樹脂層表面3μm以下を、ラミネート前に水分で
湿らせて、水溶性樹脂を少し溶解させ、同様の圧力でラ
ミネートする。水分で湿らせる方法は特に限定しない
が、例えばロールで水分を塗膜樹脂面に連続的に塗布す
るようにし、その後、連続して銅張積層板の表面にラミ
ネートする方法、水分をスプレー式に連続して塗膜表面
に吹き付け、その後、連続して銅張積層板の表面にラミ
ネートする方法等が使用し得る。
【0030】炭酸ガスレーザーを、好適には出力5〜60m
Jで照射して孔を形成した場合、孔周辺はバリが発生す
る。これは、薄い銅箔を張った両面銅張積層板では、特
に問題でなく、銅箔面に残存した樹脂を気相或いは液相
処理を行って除去し、孔内部にそのまま銅メッキを行な
って孔内部の50容積%以上を銅メッキし、同時に表層も
メッキして銅箔厚みを18μm以下とすることが可能であ
る。しかしながら、好適には、孔部にエッチング液を吹
き付けるか吸引して通し、張り出した銅箔バリを溶解除
去すると同時に表層の銅箔の厚みが2〜7μm、好適には3
〜5μmとなるようにエッチングし、銅メッキを行う。こ
の場合、機械研磨よりは薬液によるエッチングの方が、
孔部のバリ除去、研磨による寸法変化等の点から好適で
ある。
【0031】本発明の孔部に発生した銅のバリをエッチ
ング除去する方法としては、特に限定しないが、例え
ば、特開平02-22887、同02-22896、同02-25089、同02-2
5090、同02-59337、同02-60189、同02-166789、同03-25
995、同03-60183、同03-94491、同04-199592、同04-263
488号公報で開示された、薬品で金属表面を溶解除去す
る方法(SUEP法と呼ぶ)による。エッチング速度
は、一般には0.02〜1.0μm/秒で行う。
【0032】炭酸ガスレーザーは、赤外線波長域にある
9.3〜10.6μmの波長が一般に使用される。出力 は好ま
しくは、20〜60mJ/パルス にて銅箔を加工し、孔をあけ
る。エキシマレーザーは波長248〜308nm、YAGレーザー
は波長351〜355 nmが一般に使用されるが、限定される
ものではない。加工速度は炭酸ガスレーザーが格段に速
く、経済的である。
【0033】貫通孔及び/又はブラインドビア孔をあけ
る場合、最初から最後まで10〜60mJから選ばれるエネル
ギーを照射する方法、途中でエネルギーを変えて孔あけ
する方法等が使用できる。表層の銅箔を除去する場合、
より高いエネルギーを選ぶことにより、照射ショット数
が少なく、効率が良い。中間の樹脂層を加工する場合、
必ずしも高出力が必要ではなく、基材及び樹脂により適
宜選択できる。例えば途中で出力を下げて孔あけするこ
とも可能である。もちろん、最後まで高出力で加工する
こともできる。孔内部に内層銅箔がある場合、ない場合
で加工条件を変化させることが可能である。
【0034】炭酸ガスレーザーで加工された孔内部の内
層銅箔には1μm程度の樹脂層が残存する場合が殆どであ
る。また、メカニカルドリルで孔あけした場合、スミア
が残る可能性があり、この樹脂層を除去することによ
り、さらなる銅メッキと内外層の銅との接続信頼性が良
くなる。樹脂層を除去するためには、デスミア処理等の
一般に公知の処理が可能であるが、液が小径の孔内部に
到達しない場合、内層の銅箔表面に残存する樹脂層の除
去残が発生し、銅メッキとの接続不良になる場合があ
る。従って、より好適には、まず気相で孔内部を処理し
て樹脂の残存層を完全に除去し、次いで孔内部を、好ま
しくは超音波を併用して湿潤処理する。
【0035】気相処理としては一般に公知の処理が使用
可能であるが、例えばプラズマ処理、低圧紫外線処理等
が挙げられる。プラズマは、高周波電源により分子を部
分的に励起し、電離させた低温プラズマを用いる。これ
は、イオンの衝撃を利用した高速の処理、ラジカル種に
よる穏やかな処理が一般には使用され、処理ガスとし
て、反応性ガス、不活性ガスが使用される。反応性ガス
としては、主に酸素が使用され、化学的に表面処理をす
る。不活性ガスとしては、主にアルゴンガスを使用す
る。このアルゴンガス等を使用し、物理的な表面処理を
行う。物理的な処理は、イオンの衝撃を利用して表面を
クリーニングする。低紫外線は、波長が短い領域の紫外
線であり、波長として、184.9nm、253.7nm がピークの
短波長域の波長を照射し、樹脂層を分解除去する。その
後、樹脂表面が疎水化される場合が多いため、特に小径
孔の場合、超音波を併用して湿潤処理を行い、その後銅
メッキを行うことが好ましい。湿潤処理としては、特に
限定しないが、例えば過マンガン酸カリ水溶液、ソフト
エッチング用水溶液等によるものが挙げられる。
【0036】孔内部は、必ずしも銅メッキで50容積%以
上充填しなくても電気的導通はとれるが、好適には50容
積%、更に好ましくは90容積%以上充填する。しかしなが
ら、メッキ時間を長くして孔内部を充填すると作業性が
悪く、孔充填に適したパルスメッキ用添加剤(日本リロ
ナール<株>製)を用いた工法等が好適に使用される。
【0037】
【実施例】以下に実施例、比較例で本発明を具体的に説
明する。尚、特に断らない限り、『部』は重量部を表
す。
【0038】実施例1〜5 2,2-ビス(4-シアナトフェニル)プロパンモノマー(成分
Aー1)を1,000部150℃に熔融させ、撹拌しながら4時間
反応させ、平均分子量1,900のプレポリマー(成分Aー
2)を得た。室温で液状のエポキシ樹脂として、ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂(商品名::エピコート828、油
化シェルエポキシ<株>製、成分B-1)、ビスフェノール
F型エポキシ樹脂(商品名:EXA830LVP、大日本インキ
化学工業<株>製、成分B-2)、ノボラック型エポキシ樹
脂(商品名:DEN431、ダウケミカル<株>製、成分B-3)、
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(商品名:ESCN220
F、住友化学工業<株>製、成分B-4)を配合し、熱硬化触
媒てしてアセチルアセトン鉄(成分C-1)、2-エチル-4-
メチルイミダゾール(成分C-2)、更に添加剤として、
エポキシシランカップリング剤(商品名:A-187、日本ユ
ニカ<株>製、成分D-1)、ジシアンジアミド(成分E-1)
を配合してワニスとした。絶縁性無機充填剤として、チ
タン酸バリウム系セラミック(室温での1MHzでの誘電
率:2,010、BET比表面積0.41m2/g、成分F-1とす
る)、チタン酸ビスマス系セラミック(室温での比誘電
率:733、BET比表面積0.52m2/g、成分F-2とする)、
チタン酸バリウム-錫酸カルシウム系セラミック(室温
での比誘電率:5,020、BET比表面積0.45m2/g、成分F
-3とする)、二酸化チタン系セラミック(室温での比誘
電率30、BET比表面積0.92m2/g、成分F-4とする)を
用いて表1のように配合し、ライカイ機で10分間均一に
混練し、粘度の高いものはメチルエチルケトンを少量添
加して塗布するのに適正な粘ちょうな粘度とし、無機充
填剤の沈降が極めて遅いワニスとした。このワニスを厚
さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、
及びニッケル合金処理が12μmの電解銅箔のシャイニー
面に施された銅箔(<株>ジャパンエナージー製、LD箔)
に連続して厚さ40〜50μmとなるように塗布、乾燥し
て、170℃、20kgf/cm2、5分での樹脂流れが5〜20mmと
なるようにBステージ化した樹脂シートZ及び樹脂付き
銅箔Yを作成した。
【0039】この樹脂シート及び樹脂付き銅箔を、繊維
径が13μm、長さが16mmの液晶ポリエステル繊維を、ポ
リエチレンオキサイド分散溶液中に分散し、目付量が30
g/m2となるように抄造した不織布にエポキシ樹脂エマル
ジョン及びシランカップリング剤を用いた接着剤溶液を
作り、これを6重量%付着させて150°Cで乾燥して得られ
た不織布G、扁平比4/1、面積比92%、換算繊維径10μ
m、長さが13μmの高扁平ガラス繊維を同様にバインダ
ー、シランカップリング剤を付着させて得た、目付量15
g/m2の不織布H、繊維径11μm、長さ14μm、比誘電率1,
320のセラミック繊維を同様にして作成した不織布I、厚
さ20μm、重量17g/m2のガラス織布Jの両面に、樹
脂シートZ及び樹脂付き銅箔Yをそれぞれ樹脂層が基材側
を向くように配置し、100℃、5kgf/cmのロールでラミネ
ートして一体化し、基材補強Bステージ樹脂付き銅箔と
した後、530x530mmに切断した。これを2枚向き合わせ
て200℃、30kgf/cm2、30mmHg以下の条件で積層
成形して両面銅張板を作成した。
【0040】このBステージ樹脂付き銅箔のPETフィル
ムを剥離し、これを厚さ0.2mm、銅箔12μmの両面板(三
菱瓦斯化学社製、商品名:CCL-HL830)に回路を形成
し、黒色酸化銅処理を銅箔に施した内層板の両面に、樹
脂層が内層板側を向くように配置し、 200℃、30kgf/
cm2、30mmHg以下の真空下で2時間積層成形し、多層銅張
積層板を得た。
【0041】一方、酸化金属粉として黒色酸化銅粉(平
均粒子径:0.8μm)800部に、ポリビニルアルコール粉
体を水に溶解したワニスに加え、均一に攪拌混合した。
これを厚さ50μmのアルミニウム箔の片面上に、厚さ20
μmとなるように塗布し、110℃で30分間乾燥して、金
属化合物粉含有量45vol%のバックアップシートQを作成
した。上記両面銅張積層板の下側に上記バックアップシ
ートQを、樹脂面が銅箔側を向くように配置し、孔径100
μmの孔を20mm角内に144個直接炭酸ガスレーザーで、出
力10mJで4ショット照射して、70ブロックの貫通孔をあ
け、SUEP処理を行い、表層の銅箔を3μmになるまでエッ
チングするとともに、孔周辺のバリをも溶解除去した。
銅メッキを15μm付着させた。表裏を既存の方法にて回
路(ライン/スペース=50/50μm)、ソルダーボール用ラ
ンド等を形成し、少なくとも半導体チップ搭載部、パッ
ド部、ハンダボールパッド部を除いてメッキレジストで
被覆し、ニッケル、金メッキを施し、プリント配線板を
作成した。評価結果を表2に示す。
【0042】比較例1 エポキシ樹脂(商品名:エピコート5045、油化シェルエ
ポキシ<株>製)2,000部、ジシアンジアミド70部、2ーエ
チルイミダゾール2部をメチルエチルケトンとジメチル
ホルムアミドの混合溶剤に溶解し、攪拌混合して均一分
散してワニスGを得た(この固形を成分B-5とする)。こ
れに二酸化チタン系セラック粉体(BET比表面積1.26m
2/g,、比誘電率25、成分F-5とする)を加え、これをホ
モミキサーにて良く攪拌混合してから厚さ12μmの電解
銅箔に連続的に塗布、乾燥してBステージの樹脂付き銅
箔を作成した。これを2枚用い、樹脂側が内側を向くよ
うにして実施例1のCCL-HL830 0.2mmの内層板の両面に
配置し、180℃、30kgf/cm 2、30mmHg以下の真空下で積
層成形し、多層板を作成した。またBステージ樹脂付き
銅箔を2枚使用し、樹脂を向き合わせて実施例1と同一
条件で積層成形して両面銅張積層板を得た。この評価結
果を表2に示す。
【0043】比較例2 比較例1と同様の方法で、ワニスGと二酸化チタン粉末
の混合系を作った後、メチルエチルケトンにて固形分60
重量%となるように薄め、ガラス布Jに連続的に含浸、
乾燥してプリプレグとしたが、無機充填剤量が多く、塗
りむら、樹脂の割れが生じ良好なプリプレグは得られな
かった。塗りの良好な所を選び、これを8枚使用し、そ
の両側に12μmの電解銅箔を重ねて、比較例1と同一
条件で積層成形し、両面銅張積層板としたが、ボイドが
多く物性測定は不可能であった。
【0044】 表1 配合 成 分 実 施 例 比較例 1 2 3 4 5 1 2 A-1 15 20 25 A-2 13 20 20 60 B-1 5 10 B-2 22 10 15 20 10 B-3 50 45 40 15 10 B-4 65 10 B-5 100 100 C-1 0.08 0.10 0.11 0.12 C-2 0.5 0.1 0.5 D-1 2 2 2 2 2 2 2 E-1 5 F-1 400 800 F-2 900 F-3 70 F-4 900 F-5 100 900 900 無機充填剤粒子径幅 (μm) 3-41 3-40 3- 42 5-38 0.5-35 1-5 1-5 平均粒子径(μm) 10 6 12 20 10 2.1 2.1 使用基材 無し G ○ ○ H ○ I ○ J ○ ○
【0045】 表2 項 目 実 施 例 比較例 1 2 3 4 5 1 2 成形後のボイド 無し 無し 無し 無し 無し 無し ボイド 状 銅箔接着力 kgf/cm(12μm) 0.76 0.69 1.13 0.72 0.59 0.17 ー PCT(121℃・203kP 2hrs.)処理後の半田耐熱性(260℃・30sec.浸せき) 異 常 無 し 一部膨れ 発生 ガラス転移温度(℃) 138 ー スルーホール・ヒートサイクル試験(%) 150 サイクル 1.8 2.0 1.4 1.7 1.5 2.6 ー 比誘電率(1MHz) 25 19 20 8 37 8 ー プレッシャークッカ処理後の絶縁抵抗値(Ω) 常 態 ー 5x1014 ー ー 4x1014 6x1014 ー 200hrs. 3x1010 2x1010 < 108 耐マイグレーション性(Ω) 常 態 ー 5x1013 ー ー 3x1013 5x1014 ー 200hrs. 6x1011 ー 7x1011 6x108 ー 500hrs. 9x1010 ー 6x1010 <108 ー 曲げ強度(kgf/cm2) 7 11 14 16 10 2 ー 充填剤含有量(重量%) 79.8 89.7 41.1 89.8 89.8 87.9 81.3 寸法収縮率(%) タテ方向 -0.032 -0.031 -0.029 -0.020 -0.030 -0.055 ー ヨコ方向 -0.040 -0.035 -0.028 -0.019 -0.035 -0.060 ー
【0046】<測定方法> 1)積層成形後のボイド 積層成形した銅張積層板の銅箔をエッチング除去し、目
視にてボイドを確認した。 2)銅箔接着力 JIS C6481に準じて銅張積層板の銅箔の接着力を測定し
た。 3)ガラス転移温度 JIS C6481のDMA法にて測定した。 4)比誘電率 LCRメーターにて測定し、計算にて算出した。 5)曲げ強度 支点間距離20mm、試験片の幅20mmで測定した。 6)スルーホール・ヒートサイクル試験 板厚を約0.3mmのものをそれぞれ作成し、各実施例、比
較例と同じように孔あけを行い、SUEP、銅メッキした各
スルーホールにランド径300μmを作成し、900孔を表裏
交互につなぎ、1サイクルが、260℃・シリコンオイル・
浸せき30秒→室温・5分で、150サイクルまで実施し、抵
抗値の変化率の最大値を示した。 7)プレッシャークッカー処理後の絶縁抵抗値 端子間(ライン/スペース=50/50μm)の櫛形パターン
を作成し、この上に、それぞれ使用したプリプレグを1
枚配置し、積層成形したものを、121℃・203kPa にて所
定時間処理した後、25℃・60%RHで2時間後処理を行い、
500VDCを60秒印加して充電後、端子間の絶縁抵抗値を測
定した。 8)耐マイグレーション性 上記6)の試験片を85℃・85%RHの雰囲気下で50VDCを常時
印加して端子間の絶縁抵抗値を測定した。 9)曲げ強度 支点間距離20mm、幅20mmで測定した。 10)無機充填剤含有量 プリプレグとしたものを500g取り、これを焼却して
基材重量を引き無機充填剤付着重量を算出した。 11)寸法収縮率 内層板として、三菱瓦斯化学(株)製”CL-HL830”厚さ
0.2mmの12μm銅箔両面板に回路を50%銅残とな
るように形成し、黒色酸化銅処理を施した後、樹脂付き
12μm銅箔を両面に各1枚配置し、実施例、比較例そ
れぞれの条件で積層成形し、内層板の寸法変化率を測定
した。
【0047】
【発明の効果】本発明は、熱硬化性樹脂中に絶縁性無機
充填剤粉体を10〜99重量%、好ましくは85〜95重量%とな
るように均一に混合して得られる樹脂組成物を熱可塑性
フィルムの片面に接着させてBステージとした樹脂層、
及び銅箔の片面にBステージの該樹脂層を繊維布基材の
両面にそれぞれ配置し、加熱、加圧下に付着させて一体
化して基材補強Bステージ樹脂付き銅箔の製造方法を提
供する。本発明によれば、無機充填剤の沈降が極めて少
なく、均一な樹脂組成物層を形成でき、これを用いて銅
張積層板、ついでプリント配線板としたものは、銅箔と
の密着性や強度に優れ、耐熱性、吸湿後の電気絶縁性等
に優れたものが得られた。更に比誘電率は20以上のもの
が得ることができ、コンデンサ等として有用なものが作
成できた。又、補助層を銅張積層板の上に使用すること
により、高エネルギーの炭酸ガスレーザーを照射して直
接小径の孔をあけることが可能であり、高密度のプリン
ト配線板を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】Bステージ樹脂シート及びBステージ樹脂付き
銅箔を用いた樹脂付き銅箔の製造工程図である。
【符号の説明】
a 銅箔 b 無機充填剤入り熱硬化性樹脂層 c 基材 d 離型フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 1/03 610 H05K 1/03 610L 610R 610T 3/00 3/00 R // B29K 63:00 B29K 63:00 105:16 105:16 105:22 105:22 Fターム(参考) 4F072 AB05 AB09 AB15 AB28 AB29 AD22 AD23 AE01 AF01 AG22 AK05 AK14 AL13 4F100 AA01B AA01D AA01H AB16C AB17C AB31C AB33C AH03H AH06H AK01A AK01B AK01D AK41B AK41D AK42B AK42D AK53B AK53D AK54 AL05B AL05D BA04 BA07 BA10B BA10C CA23 DE01B DE01D DG15C DG15D EH46 EH461 EH71C EJ17 EJ173 EJ42 EJ423 EJ462 EJ86 EJ861 EJ862 GB43 JB13B JB13D JB16A JG04B JG04D JL04 JL10B JL10D JL11 YY00B YY00D 4F204 AA36 AA39 AB16 AB25 AC06 AD03 AD08 AD16 AH36 EA03 EB02 EB11 EB22 EB24 EE02 EE06 EE11 EF05 EK10 EK13 EK17 EW06 4J036 AD08 AF06 AG03 AG06 DA04 DC32 FA01 FB08 FB14 JA08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性フィルムの片面に、熱硬化性樹
    脂中に絶縁性無機充填剤粉体を10〜99重量%配合してな
    る樹脂組成物を塗布、乾燥してBステージとした樹脂組
    成物層を作成し、更に銅箔のマット面に該樹脂組成物を
    塗布、乾燥してBステージとした樹脂組成物層付き銅箔
    を作成し、それぞれのBステージ樹脂組成物層が繊維布
    基材の両面に基材側を向くように配置し、加熱、加圧下
    に基材及び銅箔を接着させて一体化することを特徴とす
    る基材補強Bステージ樹脂付き銅箔の製造方法。
  2. 【請求項2】 該熱硬化性樹脂が、(a)多官能性シアン
    酸エステルモノマー、該シアン酸エステルプレポリマー
    100重量部に対し、(b)室温で液状のエポキシ樹脂50〜1
    0,000重量部を配合し、この(a+b)100重量部に対し、熱
    硬化触媒0.005〜10重量部を配合した樹脂組成物を必須
    成分とする請求項1記載の基材補強Bステージ樹脂付き
    銅箔の製造方法。
  3. 【請求項3】 樹脂組成物が、平均粒子径が4〜30μm、
    BET比表面積が0.30〜1.00m2/gである絶縁性無機充填
    剤を80〜95重量%配合したものである請求項1又は
    2記載の基材補強Bステージ樹脂付き銅箔の製造方法。
  4. 【請求項4】 該絶縁性無機充填剤の比誘電率が50以上
    である請求項1,2又は3記載の基材補強Bステージ樹
    脂付き銅箔の製造方法。
  5. 【請求項5】 該基材補強Bステージ樹脂付き銅箔の銅
    箔のシャイニー面が、ニッケル金属処理又はニッケル合
    金処理をされていることを特徴とする請求項1、2、3
    又は4記載の基材補強Bステージ樹脂付き銅箔の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 該繊維布が、芳香族ポリエステル繊維不
    織布である請求項1、2、3、4又5は記載の基材補強
    Bステージ樹脂付き銅箔の製造方法。
  7. 【請求項7】 該繊維布が、断面扁平なガラス繊維で、
    その断面の長径/短径で表す扁平率が3.1/1〜5/1 であ
    り、断面積が、そのガラス繊維断面に外接する長方形の
    面積の90〜98%であり、換算繊維直径が5〜17μmである
    扁平ガラス繊維を90重量%以上含み、厚さが100μm以下
    のガラス繊維不織布である請求項1,2,3、4又は5
    記載の基材補強Bステージ樹脂付き銅箔の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104448705A (zh) * 2014-11-20 2015-03-25 绵阳润缘电工材料有限公司 一种纳米材料改性的dmd柔软复合材料的制备方法

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CN104448705A (zh) * 2014-11-20 2015-03-25 绵阳润缘电工材料有限公司 一种纳米材料改性的dmd柔软复合材料的制备方法

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