JP2001156460A - ビルドアップ多層プリント配線板 - Google Patents

ビルドアップ多層プリント配線板

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JP2001156460A
JP2001156460A JP33908899A JP33908899A JP2001156460A JP 2001156460 A JP2001156460 A JP 2001156460A JP 33908899 A JP33908899 A JP 33908899A JP 33908899 A JP33908899 A JP 33908899A JP 2001156460 A JP2001156460 A JP 2001156460A
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wiring board
copper foil
glass fiber
copper
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JP33908899A
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Morio Take
杜夫 岳
Nobuyuki Ikeguchi
信之 池口
Mitsuru Nozaki
充 野崎
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 均質で、表面平滑性に優れ、かつ
微細回路の形成に適している高密度多層プリント配線板
を提供する。。 【解決手段】 内層板としてガラス織布基材銅張
積層板bに回路を形成し、必要により銅箔表面処理を行
ったプリント配線板の外側に、少なくとも1層以上の、
断面が扁平な形状のガラス繊維で、その断面の長径/短
径で表す扁平率が3.1/1〜5/1であり、断面積がそのガラ
ス繊維断面に外接する長方形の面積の90〜98%であり、
換算繊維直径が5〜17μmである扁平ガラス繊維を90重量
%以上含み、かつ厚さが100μm以下のガラス繊維不織布
基材熱硬化性樹脂組成物層dを形成した。 【効果】 表面平滑性に優れ、炭酸ガスレーザ
ーでの孔あけ性に優れ、微細回路の形成に適した多層プ
リント配線板を作成できた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なガラス不織
布を使用したビルドアップ多層プリント配線板に関す
る。さらに詳しくは小径の孔を有し、表面に細密回路を
形成できる高密度のプリント配線板に関する。この高密
度のプリント配線板は、小型の新規な半導体プラスチッ
クパッケージ用等に主に使用される。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体プラスチックパッケージ等
に用いられる高密度のガラス布基材多層プリント配線板
は、ガラス織布を使用していた。このガラス織布多層プ
リント配線板は、小径の孔を炭酸ガスレーザーで孔あけ
する場合、ガラス織布と樹脂層との孔あけに対する難易
性の違いから、孔壁の凹凸が大きく、信頼性に関し問題
があった。その上ガラス織布により生ずる表面凹凸は微
細回路形成という点から不都合なものであった。また、
従来、扁平なガラス不織布をビルドアップ材料として使
用した例はなかった。従来はスルーホール用の貫通孔を
ドリルであけていた。近年、ますますドリルの径は小径
となり、孔径が150μm以下となってきており、このよう
な小径の孔をあける場合、ドリル径が細いため、孔あけ
時にドリルが曲がる、折れる、加工速度が遅い等の欠点
があり、生産性、信頼性等に問題のあるものであった。
また、表裏の銅箔にあらかじめネガフィルムを使用して
所定の方法で同じ大きさの孔をあけておき、更には内層
の銅箔にも同様の孔を予めエッチングで形成したものを
配置しておき、炭酸ガスレーザーで表裏を貫通するスル
ーホール用孔を形成しようとすると、内層銅箔の位置ズ
レ、上下の孔の位置にズレを生じ、接続不良、及び表裏
のランドが形成できない等の欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の欠点
を大幅に改善した新規な構成のビルドアップ多層プリン
ト配線板の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、断面が扁平な
形状のガラス繊維で、その断面の長径/短径で表す扁平
率が3.1/1〜5/1であり、断面積がそのガラス繊維断面に
外接する長方形の面積の90〜98%であり、換算繊維直径
が5〜17μmである扁平ガラス繊維を90重量%以上含み、
且つ厚さが100μm以下となる不織布としたものを用
い、それに熱硬化性樹脂組成物を付着させたものを、ガ
ラス繊維織布基材銅張積層板で作成した内層板の表面に
形成した形態のビルドアップ多層プリント配線板を提供
する。本発明の多層プリント配線板は、炭酸ガスレーザ
ーなどで孔あけしたブランドビア孔の孔形状が良好で、
均質であり、かつ信頼性に優れている。また、本発明の
ガラス繊維不織布には、ガラス繊維同士をつなぐための
バインダー樹脂を、好適には3〜8重量%付着させるこ
とにより、引っ張り強度等に優れたものが得られる。本
発明のガラス繊維不織布、さらにこれを用いることによ
り、表面平滑度に優れたものが得られる。加えて熱硬化
性樹脂に絶縁性無機充填剤を10〜80重量%配合すること
により、孔あけされた孔壁の均質度を更に向上させるこ
とができる。
【0005】孔あけにおいては、好適には炭酸ガスレー
ザーで孔あけを行うが、この場合、あらかじめ孔をあけ
る箇所の銅箔をエッチング除去し、低エネルギーの炭酸
ガスレーザーエネルギーを照射してブラインドビア孔を
形成することも可能である。しかし好ましくは、銅張多
層板の銅箔の上に孔あけ用補助層を形成し、この上から
銅箔を加工するに十分なエネルギーの炭酸ガスレーザー
を直接照射して、貫通孔及び/又はブラインドビア孔を
形成し、これを用いて高密度プリント配線板を作成す
る。この孔あけ方法は、作業性に優れ、内層の寸法収縮
にも自動的に補正がなされ、加工速度がメカニカルドリ
リングに比べて格段に速く、得られた小径孔の接続信頼
性にも優れており、従来の孔あけ方法は大幅に改善され
る。更に高密度の回路を形成するために、孔周辺に発生
した銅箔バリを溶解除去すると同時に表裏の銅箔の厚さ
の一部を溶解除去することより、その後の銅メッキでの
銅箔厚さが薄く保持でき、高密度のプリント配線板を作
成することができる。銅張多層板に使用する熱硬化性樹
脂としては、好適には、多官能性シアン酸エステル化合
物、該シアン酸エステルプレポリマーを必須成分とする
樹脂組成物を使用することにより、得られた多層プリン
ト配線板は、吸湿後の耐熱性、耐マイグレーション性、
耐熱性などに優れている。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、断面が扁平な形状のガ
ラス繊維で、その断面の長径/短径で表す扁平率が、3.
1/1〜5/1であり、断面積が、そのガラス繊維に外接する
長方形の面積の90〜98%であり、換算繊維径が5〜17μm
である扁平ガラス繊維を90重量%以上含み、好適にはバ
インダーの量が3〜8重量%であるガラス繊維不織布基材
熱硬化性樹脂組成物層を、ガラス織布基材熱硬化性樹脂
銅張積層板を使用した内層板の上に形成した形態のビル
ドアップ多層プリント配線板とする。本発明において、
換算繊維直径とは、偏平ガラス繊維断面積を円形に換算
した時の直径を意味する。
【0007】本発明での扁平ガラス繊維とは、扁平率が
3.1/1〜5/1、好ましくは3.5/1〜4.5/1である。扁平率が
上記範囲の下限未満であると、短径が大きいので不織布
の厚さを薄くし、積層板中のガラス繊維含有率を上げる
効果が十分でなく、扁平率が上限より大きいと扁平ガラ
ス繊維の製造は困難であり、更にワニスの樹脂が含浸す
る速度も遅くなり、含浸不良となりやすい。
【0008】更に、本発明で用いる扁平ガラス繊維は、
その断面積が、そのガラス繊維の断面に外接する長方形
の面積の90〜98%のものである。即ち、殆どが長方形の
形状である。本発明で用いるガラス繊維不織布は、この
繊維を用いて、好適にはバインダー3〜8重量%を含むよ
うに抄紙して製造する。このようにして製造された不織
布は、繊維は平らな面を上下にして重なり合い、厚さは
薄くでき、プリプレグとした時の表面平滑性に優れたも
のが得られる。
【0009】本発明で使用する扁平ガラス繊維の組成
は、Eガラス、Tガラス、Dガラスなど、扁平ガラスとし
て作成可能なものが使用可能である。本発明のガラス繊
維不織布は、扁平ガラス繊維単独で使用するか、あるい
は一部円形断面のガラス繊維を使用したものであっても
よい。本発明においては、ガラス不織布に熱硬化性樹脂
組成物よりなるワニスを含浸、乾燥してBステージのプ
リプレグを作成し、ビルドアップ用として使用する。樹
脂含有量は特に制限はなく、積層成形した時に内層板の
回路間を埋め込み、その上の銅箔との絶縁を十分確保で
きれば良い。一般には樹脂量60〜90重量%とする。
【0010】本発明のガラス織布を内層板に使用し、特
殊の不織布基材よりなるプリプレグを積層材料にして作
成したビルドアッププリント配線板は、貫通孔及び/又
はブラインドビア孔を形成する方式として一般に公知の
方法が使用できる。例えばレーザーによる孔あけ、メカ
ニカルドリルによる孔あけなどが挙げられる。孔あけは
特に限定はないが、好適には孔径20μm以上〜80μm
未満ではエキシマレーザー、YAGレーザーが使用され、
孔径が80μm以上〜150μm以下では炭酸ガスレーザーが
好適に使用され、孔径150μmを超える孔はメカニカ
ルドリリングが使用される。
【0011】特に炭酸ガスレーザーによるブラインドビ
ア孔あけにおいては、従来の表層の銅箔を予めエッチン
グ除去してから低エネルギーの炭酸ガスレ−ザーエネル
ギーを照射する方法も使用できるが、パターン形成のフ
ィルムの寸法精度などが問題となり、微細な回路を形成
することが困難である。そのために、好適には、銅箔の
表面を酸化金属処理又は薬液による処理を施すか、多層
銅張板の上に、補助層として融点900℃以上で、且つ結
合エネルギー300kJ/mol 以上の金属化合物粉、カーボン
粉或いは金属粉と有機物、好ましくは水溶性の樹脂組成
物と混合した塗料を、塗布して塗膜とするか、熱可塑性
フィルムの片面に、総厚み30〜200μmとなるように樹脂
組成物を付着させて得られる孔あけ用補助シートを配置
し、好適には銅箔面にラミネートして接着させて、補助
層の上から炭酸ガスレーザーを直接照射し、銅箔を加工
除去することにより、貫通孔及び/又はブラインドビア
孔を形成できる。
【0012】孔あけ後、表裏及び内層の銅箔のバリが発
生するため、エッチング液を吹き付けるか吸引して、孔
部に発生した銅箔のバリを溶解除去する。同時に銅箔が
厚い場合は、表裏の銅箔を厚さ方向に一部溶解除去し、
好適には厚さ2〜7μm、更に好適には3〜5μmとする。
銅箔が最初から薄い場合、表裏に形成した補助層をその
ままにしてバリだけをエッチング除去し、その後補助層
を除去する。そして、定法にて全体を銅メッキし、回路
形成等を行ってプリント配線板を作成する。
【0013】本発明で使用する銅張板は、少なくとも3
層以上の銅の層が存在する銅張多層板であり、内層板は
ガラス織布基材銅張板を使用して回路を形成し、必要に
より表面処理を施して、少なくともその片面に扁平ガラ
ス繊維基材熱硬化性樹脂プリプレグを配置し、その外側
に銅箔を置き、加熱、加圧、好ましくは真空下に積層成
形する。又、高密度の回路を作成する場合、表層の銅箔
は、最初から薄いものを使用するか、厚い銅箔を積層成
形しておいて、その後表層の銅箔をエッチング液で2〜
7μmまで薄くしたものを使用できる。最初から薄い銅箔
を使用する場合、銅、アルミニウム等のキャリア付き銅
箔が主に使用される。
【0014】本発明のレーザー孔あけ用補助層は、孔あ
け時に銅張多層板の上に接着させて使用するのが好まし
い。一般には、融点900℃以上で、且つ結合エネルギー
が300kJ/mol 以上の金属化合物粉の1種或いは2種以上
を含む樹脂組成物、好適には水溶性樹脂組成物を塗布、
乾燥して塗膜とするか、熱可塑性フィルムに該樹脂組成
物を塗布して乾燥し、シート状として使用する。銅張多
層板の上にシートを、樹脂付着した面を銅箔側に向け、
加熱、加圧下にラミネートするか、或いは樹脂表層面3
μm以下を水分で事前に湿らした後、室温にて加圧下に
表裏にラミネートすることにより、銅箔表面との密着性
が良好となり、孔形状の良好なものが得られる。
【0015】本発明で使用される銅張板の熱硬化性樹脂
組成物の樹脂としては、一般に公知の熱硬化性樹脂が使
用される。具体的には、エポキシ樹脂、多官能性シアン
酸エステル樹脂、 多官能性マレイミドーシアン酸エス
テル樹脂、多官能性マレイミド樹脂、不飽和基含有ポリ
フェニレンエーテル樹脂等が挙げられ、1種或いは2種類
以上が組み合わせて使用される。出力の高い炭酸ガスレ
ーザー照射による加工でのスルーホール形状の点から
は、ガラス転移温度が150℃以上の熱硬化性樹脂組成物
が好ましく、耐湿性、耐マイグレーション性、吸湿後の
電気的特性等の点から多官能性シアン酸エステル樹脂組
成物が好適である。
【0016】本発明の好適な熱硬化性樹脂分である多官
能性シアン酸エステル化合物とは、分子内に2個以上の
シアナト基を有する化合物である。具体的に例示する
と、1,3-又は1,4-ジシアナトベンゼン、1,3,5-トリシア
ナトベンゼン、1,3-、1,4-、1,6-、1,8-、2,6-又は2,7-
ジシアナトナフタレン、1,3,6-トリシアナトナフタレ
ン、4,4-ジシアナトビフェニル、ビス(4-ジシアナトフ
ェニル)メタン、2,2-ビス(4-シアナトフェニル)プロパ
ン、2,2-ビス(3,5-ジブロモー4-シアナトフェニル)プロ
パン、ビス(4-シアナトフェニル)エーテル、ビス(4-シ
アナトフェニル)チオエーテル、ビス(4-シアナトフェニ
ル)スルホン、トリス(4-シアナトフェニル)ホスファイ
ト、トリス(4-シアナトフェニル)ホスフェート、および
ノボラックとハロゲン化シアンとの反応により得られる
シアネート類などである。
【0017】これらのほかに特公昭41-1928、同43-1846
8、同44-4791、同45-11712、同46-41112、同47-26853及
び特開昭51-63149等に記載の多官能性シアン酸エステル
化合物類も用いら得る。また、これら多官能性シアン酸
エステル化合物のシアナト基の三量化によって形成され
るトリアジン環を有する分子量400〜6,000 のプレポリ
マーが使用される。このプレポリマーは、上記の多官能
性シアン酸エステルモノマーを、例えば鉱酸、ルイス酸
等の酸類;ナトリウムアルコラート等、第三級アミン類
等の塩基;炭酸ナトリウム等の塩類等を触媒として重合
させることにより得られる。このプレポリマー中には一
部未反応のモノマーも含まれており、モノマーとプレポ
リマーとの混合物の形態をしており、このような原料は
本発明の用途に好適に使用される。一般には可溶な有機
溶剤に溶解させて使用する。
【0018】エポキシ樹脂としては、一般に公知のもの
が使用できる。具体的には、液状或いは固形のビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹
脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール
ノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂;ブタ
ジエン、ペンタジエン、ビニルシクロヘキセン、ジシク
ロペンチルエーテル等の二重結合をエポキシ化したポリ
エポキシ化合物類;ポリオール、水酸基含有シリコン樹
脂類とエポハロヒドリンとの反応によって得られるポリ
グリシジル化合物類等が挙げられる。これらは1種或い
は2種類以上が組み合わせて使用され得る。ポリイミド
樹脂としては、一般に公知のものが使用され得る。具体
的には、多官能性マレイミド類とポリアミン類との反応
物、特公昭57-005406 に記載の末端三重結合のポリイミ
ド類が挙げられる。これらの熱硬化性樹脂は、単独でも
使用されるが、特性のバランスを考え、適宜組み合わせ
て使用するのが良い。
【0019】本発明の熱硬化性樹脂組成物には、組成物
本来の特性が損なわれない範囲で、所望に応じて種々の
添加物を配合することができる。これらの添加物として
は、不飽和ポリエステル等の重合性二重結合含有モノマ
ー類及びそのプレポリマー類;ポリブタジエン、エポキ
シ化ブタジエン、マレイン化ブタジエン、ブタジエン-
アクリロニトリル共重合体、ポリクロロプレン、ブタジ
エン-スチレン共重合体、ポリイソプレン、ブチルゴ
ム、フッ素ゴム、天然ゴム等の低分子量液状〜高分子量
のelasticなゴム類;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リブテン、ポリ-4-メチルペンテン、ポリスチレン、AS
樹脂、ABS樹脂、MBS樹脂、スチレン-イソプレンゴム、
ポリエチレン-プロピレン共重合体、4-フッ化エチレン-
6-フッ化エチレン共重合体類;ポリカーボネート、ポリ
フェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエステル、ポ
リフェニレンサルファイド等の高分子量プレポリマー若
しくはオリゴマー;ポリウレタン等が例示され、適宜使
用される。また、その他、公知の有機の充填剤、染料、
顔料、増粘剤、滑剤、消泡剤、分散剤、レベリング剤、
光増感剤、難燃剤、光沢剤、重合禁止剤、チキソ性付与
剤等の各種添加剤が、所望に応じて適宜組み合わせて用
いられる。必要により、反応基を有する化合物は硬化
剤、触媒が適宜配合される。
【0020】本発明に使用する銅張板は、熱硬化性樹脂
組成物の中に、好適には絶縁性無機充填剤を配合したも
のを使用する。一般に公知のものが使用できる。具体的
には、天然シリカ、焼成シリカ、アモルファスシリカ等
のシリカ類;ホワイトカーボン、チタンホワイト、アエ
ロジル、クレー、タルク、焼成タルク、ウオラストナイ
ト、天然マイカ、合成マイカ、カオリン、マグネシア、
アルミナ、パーライト、水酸化アルミニム、水酸化マグ
ネシウムなどが挙げられ、1種或いは2種以上組み合わ
せて使用される。配合量は、全熱硬化性樹脂組成物中の
10〜80重量%、好適には20〜70重量%である。これらは炭
酸ガスレーザーによる孔あけ時の、孔壁の樹脂組成物層
の均質剤として有効である。粒子径は、好適には1μm以
下が使用される。
【0021】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、それ自体
は加熱により硬化するが硬化速度が遅く、作業性、経済
性等に劣るため使用した熱硬化性樹脂に対して公知の熱
硬化触媒を用い得る。使用量は、熱硬化性樹脂100重量
部に対して0.005〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部
である。
【0022】本発明で使用する補助層の中の、融点900
℃以上で、且つ、結合エネルギー300kJ/mol以上の金属
化合物としては、一般に公知のものが使用できる。具体
的には、酸化物としては、酸化チタン等のチタニア類、
酸化マグネシウム等のマグネシア類、酸化ニッケル等の
ニッケル酸化物、二酸化マンガン、酸化亜鉛等の亜鉛酸
化物、二酸化珪素、酸化アルミニウム、希土類酸化物、
酸化コバルト等のコバルト酸化物、酸化錫等のスズ酸化
物、酸化タングステン等のタングステン酸化物、等が挙
げられる。非酸化物としては、窒化硼素、窒化珪素、窒
化チタン、窒化アルミニウム、硫酸バリウム、希土類酸
硫化物等、一般に公知のものが挙げられる。その他、酸
化金属粉の混合物である各種ガラス粉が挙げられる。カ
ーボン粉、及び銀、銅、鉄、ニッケルなどの金属粉も使
用でき、これらは1種或いは2種以上が組み合わせて使
用される。平均粒子径は、特に限定しないが、1μm以下
が好ましい。
【0023】炭酸ガスレーザーの照射で分子が解離する
か、溶融して飛散するために、金属が孔壁等に付着し
て、半導体チップ、孔壁密着性等に悪影響を及ぼさない
ようなものが好ましい。Na,K,Clイオン等は、特
に半導体の信頼性に悪影響を及ぼすため、これらの成分
を含むものは好適でない。配合量は、3〜97vol%、好適
には5〜95vol%が使用され、樹脂に配合され、均一に分
散される。
【0024】補助層の樹脂としては、特に限定はなく、
一般に公知のものが使用できるが、孔あけ加工後に除去
した場合、銅箔表面に付着することがあり、水溶性樹脂
が好ましい。具体的には、水溶性のポリエステル樹脂、
ポリエーテル樹脂、ポリビニルアルコール、澱粉等が使
用される。この場合も上記の種々の添加剤が添加可能で
ある。
【0025】金属化合物粉と樹脂からなる組成物を作成
する方法、及びシート状にする方法は特に限定しない
が、ニーダー等で無溶剤にて高温で練り、熱可塑性フィ
ルム上にシート状に押し出して付着する方法、酸性樹脂
を溶剤に溶解させ、これに上記粉体を加え、均一に攪拌
混合して、これを用い、塗料として銅箔面に塗布、乾燥
して塗膜とするか、熱可塑性フィルム上に塗布、乾燥し
て膜を形成する方法等、一般に公知の方法が使用でき
る。厚みは、特に限定はしないが、塗布する場合、塗膜
の厚みは好適には30〜100μmとし、フィルムに塗布して
フィルム付き塗膜とする場合には、好適には総厚み30〜
200μmとなるようにする。
【0026】銅箔面に加熱、加圧下にラミネートする場
合、塗布樹脂層を銅箔面に向け、ロールにて、温度は一
般に40〜150℃、好ましくは60〜120℃で、線圧は一般に
0.5〜20kg、好ましくは1〜10kgの圧力でラミネート
し、樹脂層を溶融させて銅箔面と密着させる。温度の選
択は使用する水溶性樹脂の融点で異なり、又、線圧、ラ
ミネート速度によっても異なるが、一般には、樹脂の融
点より5〜20℃高い温度でラミネートする。
【0027】酸化金属処理としては、特に限定はない
が、例えば黒色酸化銅処理、MM処理(MacDermid社)な
どが挙げられる。又、薬液処理としては、CZ処理(メッ
ク社)など一般に公知の処理が挙げられる。
【0028】基材補強銅張板は、まず一般のガラス繊維
織布補強基材に熱硬化性樹脂組成物を含浸、乾燥させて
Bステージとし、プリプレグを作成する。次に、このプ
リプレグを所定枚数重ね、少なくとも片面に銅箔を配置
して、加熱、加圧下に積層成形し、銅張積層板とし、内
層板用として使用する。更にはこれを内層板として用い
て少なくとも片面に1層以上の偏平ガラス繊維不織布基
材プリプレグを配置し、その外側に銅箔を置いて作成し
た多層板も使用できる。外層の銅箔の厚みは、好適には
3〜12μm、内層は9〜35μmである。銅箔の種類は特
に限定しないが、内層には両面粗化箔の電解銅箔が使用
できる。内外層ともに電解銅箔が好ましい。
【0029】孔部に発生した銅箔バリをエッチング除去
する方法としては、特に限定しないが、例えば、特開平
02-22887、同02-22896、同02-25089、同02-25090、同02
-59337、同02-60189、同02-166789、同03-25995、同03-
60183、同03-94491、同04-199592、同04-263488号公報
で開示された、薬品で金属表面を溶解除去する方法(S
UEP法と呼ぶ)による。エッチング速度は、一般には
0.02〜1.0μm/秒 で行う。また、内層の銅箔バリをエッ
チング除去する場合、エッチング液の吹き付け角度、圧
力を適宜選択する。吸引してバリを除去する方法も使用
し得る。
【0030】炭酸ガスレーザーのエネルギーは、出力は
特に限定しないが、好適には20〜60mJ/パルスから選ば
れた高出力のエネルギーの炭酸ガスレーザー光を補助層
の上から必要パルス(ショット)直接照射して銅箔を加
工して孔あけを行う。
【0031】炭酸ガスレーザーは、赤外線波長域にある
9.3〜10.6μmの波長が一般に使用される。貫通孔及び/
又はブラインドビア孔をあける場合、最初から最後まで
20〜60mJ/パルス から選ばれるエネルギーを照射する方
法、銅箔を加工後、エネルギーを上げるか、下げて絶縁
層を加工する方法等、いずれの方法でも加工可能であ
る。
【0032】銅張板の裏面には、孔が貫通した場合のレ
ーザーによるレーザーマシーンのテーブルの損傷を防ぐ
ために、単に金属板を配置することも可能であるが、好
ましくは、金属板の表面の少なくとも一部を接着させた
樹脂層を銅張板の裏面銅箔と接着させて配置し、貫通孔
をあける。表裏の銅箔が薄い場合、孔あけ後に表裏の補
助層を残したまま、エッチング液で孔周辺に発生した銅
箔バリを溶解除去する。又、表裏の銅箔の厚い場合に
は、貫通孔あけ後に先に樹脂層を溶解除去し、それから
エッチング液を全体に吹き付けるか吸引して表裏銅箔を
平面的に一部溶解除去するとともに内層の銅箔バリを除
去し、表層の銅箔の厚みを2〜7μmとすることにより、
その後銅メッキアップした回路形成において、細密回路
を形成でき、高密度のプリント配線板を作成することが
できる。表面の汚れ、異物除去の完全さを考慮すると、
後者が好ましい。ビア孔形成の場合も同様である。
【0033】加工された孔内部の表層、内層銅箔の樹脂
が接着していた面には1μm程度の樹脂層が銅箔表面に
残存する場合が殆どである。この樹脂層を、エッチング
前にデスミア処理等の一般に公知の処理で事前に除去す
ることが好ましい。しかし、エッチング液が小径の孔内
部に到達しない場合、ブラインドビア孔底部となる内層
の銅箔表面に残存する樹脂層の除去残が発生し、内層銅
箔とブラインドビア孔壁部の銅メッキとの接続が不良に
なる場合がある。従って、より好適には、まず気相で銅
箔バリ部に残存する樹脂を完全に除去し、次いで孔内部
及び表裏の銅箔バリをエッチング除去するのがよい。気
相処理としては一般に公知の処理が使用可能であるが、
例えばプラズマ処理、低圧紫外線処理等が挙げられる。
プラズマは、高周波電源により分子を部分的に励起し、
電離させた低温プラズマを用いる。これは、イオンの衝
撃を利用した高速の処理、ラジカル種による穏やかな処
理が一般には使用され、処理ガスとして、反応性ガス、
不活性ガスが使用される。反応性ガスとしては、主に酸
素が使用され、化学的に表面処理をする。不活性ガスと
しては、主にアルゴンガスを使用する。このアルゴンガ
ス等を使用し、物理的な表面処理を行う。物理的な処理
は、イオンの衝撃を利用して表面をクリーニングする。
低紫外線は、波長が短い領域の紫外線であり、波長とし
て、184.9nm、253.7nm がピークの短波長域の波長を照
射し、樹脂層を分解除去する。
【0034】孔径の小さい20〜80μmの孔は、エキ
シマレーザー、YAGレーザーで孔あけするのがよい。波
長は特に限定しないが、銅箔を加工できる波長、エネル
ギーを選択して使用する。孔内部は、通常の銅メッキを
施すことも可能であるが、また銅メッキで孔内部を一
部、好適には80容積%以上充填することもできる。
【0035】
【実施例】以下に実施例、比較例で本発明を具体的に説
明する。尚、特に断らない限り、部及び%は重量部、重
量%を表す。
【0036】実施例1 2,2-ビス(4-シアナトフェニル)プロパン900部、ビス(4-
マレイミドフェニル)メタン100部を150℃に溶融させ、
撹拌しながら4時間反応させ、プレポリマーを得た。こ
れをメチルエチルケトンとジメチルホルムアミドの混合
溶剤に溶解した。これにビスフェノールA型エポキシ樹
脂(商品名:エピコート1001、油化シェルエポキシ<株>
製)400部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(商品
名:ESCN-220F、住友化学工業<株>製)600部を加え、均
一に溶解混合した。更に触媒としてオクチル酸亜鉛0.4
部を加え、溶解混合し、これに無機充填剤(商品名:焼成
タルク、平均粒子径0.9μm)2000部、及び黒色顔料8部を
加え、均一撹拌混合してワニスAを得た。このワニスを
通常の平均直径10μmの断面円形のガラス繊維を使用
した厚さ100μmのガラス織布に含浸し150℃で乾燥し
て、ゲル化時間(at170℃)120秒、ガラスの含有量が50重
量%のプリプレグBを作成した。また厚さ62μm、扁平比
すなわち長径/短径が4/1、面積比が92%で、換算繊維直
径が10μm、長さが13mmの高扁平ガラス繊維をポリエチ
レンオキサイド分散溶液中にて分散し、目付量が20g/m2
となるように抄造した不織布にエポキシ樹脂エマルジ
ョン及びシランカップリング剤としてエポキシシランカ
ップリング剤を用いた接着剤溶液を作り、バインダーと
して4重量%付着させ、150℃で乾燥して不織布を得た。
これを用いて上記ワニスAを含浸、乾燥して樹脂量81重
量%付着し、ゲル化時間86秒のプリプレグCを作成した。
【0037】厚さ12μmの電解銅箔を、上記プリプレグ
B 2枚の上下に配置し、200℃、20kgf/cm2、30mmHg以下
の真空下で2時間積層成形し、両面銅張積層板Dを得
た。内層回路を形成し、その表面にCZ処理(メック社)を
行い、その両側にプリプレグCを各1枚づつ配置し、そ
の両外側に厚さ12μmの電解銅箔を配置し、20℃、2
0kgf/cm2,30mm/Hg以下の真空下で積層成形して4層
板Eを得た。
【0038】一方、金属化合物粉としてMgO(54%)、SiO2
(46%)からなる混合物粉(平均粒子径:0.9μm)800部
に、水溶性ポリエステル樹脂を水とメタノールの混合溶
剤に溶解したワニスに加え、均一に攪拌混合してワニス
Fを得た。これを厚さ50μmのポリエチレンテレフタレー
トの片面に厚さ20μmとなるように塗布し、110℃で30
分間乾燥して、金属化合物含有量70vol%の補助材料
層を作成し、補助材料Gを得た。また、裏面には、上記
ワニスFを厚み50μmのアルミニウム箔の片面に塗布し、
同様に乾燥して、厚さ20μmの塗膜を有するバックアッ
プシートHを作成した。補助材料Gを4層板Eの表面に配置
し、更にバックアップシートHを裏面に、樹脂層を銅箔
側に向くように配置し、100℃、2kgfの線圧で銅張多層
板の両面にラミネートした。この上から、炭酸ガスレー
ザーマシーンで、径100μmの孔を50mm角内に900個直接
炭酸ガスレーザーで、出力25mJ/パルス でまず1ショツ
ト、次に出力を10mJ/パルス にして1ショット、最後に3
0mJ/パルス にて1ショット照射して、孔径100μmのブラ
インドビア孔をあけた。また、30mJ/パルスで1ショッ
ト、25mJ/パルス で5ショット照射して孔径120μmの貫
通孔をあけた。
【0039】表裏層の補助材料層を剥離し、SUEP液
を高速で吹き付けて、表裏及び内層のバリを溶解除去す
ると同時に、表層の銅箔を4μmまで溶解した。デスミア
処理後、銅メッキを15μm付着させた後、既存の方法に
て回路(ライン/スペース=50/50μm)を作成した。この
表裏に回路を形成し、CZ処理を施した後、同様にプリプ
レグCを各1枚置き、その外側に12μmの電解銅箔を置
き、同様に積層成形して6層板とした。この表裏に同様
に孔あけ補助材料を配置し、ラミネートして接着してか
ら、同様の条件で炭酸ガスレーザーのパルス発振でブラ
インドビア孔をあけ、貫通孔をあけた。その後、表裏の
補助材料を剥離し、SUEPで表裏の厚さを4μmまで溶解除
去すると同時に銅箔バリをも溶解除去した。表面にボン
ディングパッド、裏面にはハンダボール用パッド等の回
路を形成し、少なくとも半導体チップ搭載部、ボンディ
ング用パッド部、ハンダボールパッド部を除いてメッキ
レジストで被覆し、ニッケル、金メッキを施し、プリン
ト配線板を作成した。このプリント配線板の評価結果を
表1及び表2に示す。
【0040】実施例2 エポキシ樹脂(商品名:エピコート1001、油化シェルエ
ポキシ<株>製> 300部、及びエポキシ樹脂(商品名:ESC
N220F、住友化学工業<株>製)700部、ジシアンジアミド
35部、2-エチル-4-メチルイミダゾール1部をメチルエチ
ルケトンとジメチルホルムアミドの混合溶剤に溶解し、
均一に攪拌混合してワニスIとした。これを通常の平均
直径10μmの断面円形のガラス繊維を使用した厚さ10
0μmのガラス織布に含浸、乾燥してゲル化時間170秒、
ガラス布の含有量43重量%のプリプレグJを作成した。ま
た、扁平率すなわち長径/短径が1/4、面積比94%、換算
繊維直径10μm、繊維径13μmの繊維(図1)を使用
して、実施例1と同様に抄造し、バインダーが固形分7
重量%となるように含浸させ、同様に乾燥して目付量が2
1g/m2の不織布を得た。このガラス繊維不織布を使用
し、ワニスIを含浸、乾燥して,ゲル化時間110秒、樹脂
量78重量%のプリプレグKを得た。
【0041】上記プリプレグJを2枚使用し、上下に12μ
mの電解銅箔を置き、190℃、20kgf/cm2、30mmHgで積層
成形し、両面銅張積層板Lを得た(図2(1))。この板
の表裏に回路を形成し、この両面にMM処理(MacDermid
社)を施し、その外側に上記プリプレグKを各1枚置き、
その外側に35μm銅箔キャリア付きの3μmの電解銅箔を
重ね、実施例1と同様の条件で積層成形してから35μm
銅箔キャリアを剥離し、4層板Mを作成した(図2
(2))。この両面に、酸価100mgKOH/g の透明なアクリ
ル酸エステル酸性樹脂に実施例1の金属化合物を配合し
たものを塗布し、120℃で20分乾燥して厚み30μm、金属
化合物の30vol%の塗膜を形成した。この裏面に厚さ50
μmのアルミニウム箔を置き、実施例1と同じ炭酸ガス
レーザー機器で30mJ/パルス にて1ショット、28mJ/パル
スにて4ショット照射し、孔径120μmの貫通孔、及び20m
J/パルスにて1ショット、10mJ/パルス にて1ショッ
ト、更に30mJ/パルス にて1ショット照射して孔径100μ
mのブラインドビア孔をあけた(図2(3))。表裏の補
助樹脂層を残し、孔周辺に残存した銅箔バリを酸性エッ
チング液で溶解除去し、その後表裏の補助層をアルカリ
性水溶液で溶解除去した。過マンガン酸カリウム水溶液
にてデスミア処理を行なって(図2(4))、同様に銅メ
ッキを行い、ハンダボールを接着し、同様にプリント配
線板とした(図3(5)(図3(6))。評価結果を表1
及び表2に示す。
【0042】比較例1 実施例1の銅張板を用い、表面に何も付着せずに炭酸ガ
スレーザーで実施例1と同様の条件で孔あけを行なった
が、孔はあかなかった。
【0043】比較例2 実施例2において、銅箔表面に黒のマジックで炭酸ガス
レーザーを照射する箇所を塗り、実施例2と同様の条件
で孔あけを実施したが孔はあかなかった。
【0044】比較例3 扁平比が4/1で面積比が75%の楕円近似断面を有し、換算
繊維径が10μm、長さが13mmのガラス繊維を使用し、接
着剤溶液を、バインダーの固形分が8%となるように含浸
させる以外は、実施例2と同一の条件でプリプレグNを作
成した。これを用いて実施例1同様の条件で積層成形
し、同様に孔あけを行ない、プリント配線板とした。
尚、SUEPは実施しなかった。評価結果を表1及び表2に
示す。
【0045】比較例4 エポキシ樹脂としてエピコート5045を1000部使用した他
は実施例2と同一配合でワニスNを作成した。ガラス繊
維として円形の繊維を使用した#1080タイプのガラス織
布(重量48g/m2)に樹脂量70重量%となるようにこのワ
ニスNを含浸、乾燥し、ゲル化時間116秒のプリプレグO
を得た。また通常の断面円形のガラス繊維を使用した厚
さ100μmのガラス繊維織布にこのワニスNを含浸、乾燥
して、ゲル化時間122秒、樹脂量45重量%のプリプレグP
を作成した。このプリプレグPを2枚使用し、その両面
に回路を形成し、黒色酸化銅処理を施した後、この両面
にプリプレグOを各1枚配置し、175℃、20kgf/cm2で2
時間積層成形して4層板Qを得た。この4層板Qを用いド
リル径150μmのメカニカルドリルにて、回転数10万rpm
にて同様に400μ間隔で貫通孔をあけた。SUEP処理を行
わず、デスミア処理を1回施し、その後、通常の方法で
銅メッキを行い、プリント配線板を作成した。評価結果
を表1及び表2に示す。
【0046】比較例5 実施例2の両面銅張板Lを用い(図4(1))、内層の
スルーホールとなる箇所の銅箔を孔径100μmとなるよう
に上下銅箔をエッチング除去し、回路を形成した後、銅
箔表面を黒色酸化銅処理して、その外側にプリプレグK
を各1枚置き、その外側に12μmの電解銅箔を配置し、
同様に積層成形して4層板を作成した。この多層板を用
い、貫通孔を形成する表面の位置に孔径150μmの孔を9
00個、銅箔をエッチングしてあけた。同様に裏面にも同
じ位置に孔径150μmの孔を900個あけた(図4
(2))。1パターン900個を70ブロック、合計63,000
の孔を、表面から炭酸ガスレーザーで、出力15mJ/パル
スにて6ショットかけ、貫通孔をあけた(図4
(3))。後は比較例4と同様にして、SUEP処理を行わ
ずに、デスミア処理を1回施し、銅メッキを15μm施し
(図4(4))、表裏に回路を形成し、同様にプリント
配線板を作成した。評価結果を表1及び表2に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】<測定方法> 1)表裏孔位置のズレ及び孔あけ時間 ワークサイズ250mm角内に、孔を900孔/ブロック として
70ブロック(孔計63,000孔)作成した。炭酸ガスレーザ
ー及びメカニカルドリルで孔あけを行ない、1枚の銅張
板に 63,000孔をあけるに要した時間、及び表裏ランド
用銅箔と孔との隙間、及び内層銅箔の隙間の最大値を示
した。 2)孔壁凹凸 断面を観察した。 3)回路パターン切れ、及びショート 実施例、比較例で作成した孔のあいていない板にライン
/スペース=50/50μm の櫛形パターンを作成した後、拡
大鏡でエッチング後の200パターンを目視にて観察し、
パターン切れ、及びショートしているパターンの合計を
分子に示した。 4)ガラス転移温度 DMA法にて測定した。 5)スルーホール・ヒートサイクル試験 各スルーホール孔にランド径250μmを作成し、900孔を
表裏交互につなぎ、1サイクルが、260℃・ハンダ・浸せ
き30秒→室温・5分 で、300サイクルまで実施し、抵
抗値の変化率の最大値を示した。 6)耐マイグレーション性(HAST) 孔径100μm又は150μm(メカニカルドリル)のスル
ーホールをそれぞれ表裏交互に1個ずつつないで、合計
50個をつなぎ、このつないだもの2組が孔壁間150
μmで平行となるようにして、合計100セット作成し、1
30℃、85%RH、1.8VDC にて所定時間処理後に、取り出
し、平行に配列したスルーホール間の絶縁抵抗値を測定
した。 7)表面平滑性 JIS B0601に準拠し、表面粗さ計で測定した。測定値は
最大高さで表示した。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、内層にガラス織布基材
銅張積層板を用い、この少なくとも片面に回路を形成
し、必要により表面化学処理を行い、その上に、断面が
扁平で、その断面の長径/短径で表す扁平率が3.1/1〜5
/1であり、断面積が、そのガラス繊維断面に外接する長
方形の面積の90〜98%であり、換算繊維径が5〜17μmで
ある扁平ガラス繊維を90重量%以上含むガラス繊維不織
布をビルドアップのプリプレグとして用いて得られるビ
ルドアップ多層プリント配線板が提供される。本発明の
多層プリント配線板によれば、表面平滑性に優れ、ガラ
ス層の厚さを薄くすることができると同時に、ガラス繊
維の密度を上げることが可能な多層プリント配線板が提
供される。本発明の多層プリント配線板は、高エネルギ
ーの炭酸ガスレーザーでの小径孔あけに適しており、好
適には20〜60mJ/パルス のエネルギーを、銅箔表面に
補助層を形成してから直接照射して銅箔を孔あけし、孔
壁の凹凸が少ない貫通孔及び/又はブラインドビア孔を
形成することができる。さらには、孔部に張り出してい
る内外層銅箔バリをエッチング除去してから、銅メッキ
を施して得られる銅張多層板を用いたプリント配線板が
提供される。本発明によれば、銅張板の表裏の孔とラン
ド銅箔との隙間もなく、メカニカルドリルで孔あけする
のに比べて格段に加工速度が速くでき、孔位置精度に優
れ、生産性についても大幅に改善でき、又、厚み2〜7
μmの薄い銅箔として使うことにより、その後の銅メッ
キでメッキアップして得られた表裏銅箔の回路形成にお
いても、ショートやパターン切れ等の不良発生もなく信
頼性に優れた高密度の多層プリント配線板が提供され
る。加えて熱硬化性樹脂組成物として、多官能性シアン
酸エステル樹脂組成物を使用することにより、耐熱性、
耐マイグレーション性などに優れた多層プリント配線板
が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】扁平ガラス繊維の断面形状を示す模式図。
【図2】実施例2の多層銅張板を用いた炭酸ガスレーザ
ーによる貫通孔及びブラインドビア孔形成(3)、SU
EPによるバリ除去(4)の工程図である。
【図3】実施例2の多層銅張板の炭酸ガスレ−ザーによ
る孔あけ、SUEP後の銅メッキ(5)、メッキレジストで
の被覆、ニッケルメッキ、金メッキ及びハンダボール接
合(6)の工程図である。
【図4】比較例5の多層銅張板の炭酸ガスレーザーによ
る孔あけ及び銅メッキの工程図である(SUEP無
し)。
【符号の説明】
a 両面銅張板 b 4層銅張多層板 c 内層銅箔回路 d 偏平ガラス繊維不織布基材熱硬化性樹脂組成物層 e 炭酸ガスレーザー孔あけ補助層 f 炭酸ガスレーザーでの貫通孔あけ部 g 炭酸ガスレーザーでのビア孔あけ部 h 発生した外層ブラインドビア孔部の銅箔バリ i 発生した貫通孔部の外層銅箔バリ j バリをSUEPでエッチング除去したブラインドビア
孔部 k バリをSUEPでエッチング除去した貫通孔部 l 銅メッキされたブラインドビア孔部 m 銅メッキされた貫通孔部 n メッキレジスト o ハンダボール p ズレを生じた内層銅箔部 q 孔あけが良好でない貫通孔の銅メッキ r 表層回路 s 炭酸ガスレーザー孔あけで発生した内層銅箔バリ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5E346 AA16 CC32 DD02 EE06 FF01 GG15 GG16 GG27 HH18 HH33

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内層板としてガラス織布基材銅張積層
    板に回路を形成し、必要により銅箔表面処理を行ったプ
    リント配線板の外側に、少なくとも1層以上の、断面が
    扁平な形状のガラス繊維で、その断面の長径/短径で表
    す扁平率が3.1/1〜5/1であり、断面積がそのガラス繊維
    断面に外接する長方形の面積の90〜98%であり、換算繊
    維直径が5〜17μmである扁平ガラス繊維を90重量%以上
    含み、かつ厚さが100μm以下のガラス繊維不織布基材を
    用いた熱硬化性樹脂組成物層を形成したことを特徴とす
    るビルドアップ多層プリント配線板。
  2. 【請求項2】 ガラス繊維不織布が、バインダーを3〜
    8重量%使用してなる請求項1記載のビルドアップ多層
    プリント配線板。
  3. 【請求項3】 熱硬化性樹脂組成物が、該組成物中に絶
    縁性無機充填剤を10〜80重量%含むことを特徴とする請
    求項1又は2記載のビルドアップ多層プリント配線板。
  4. 【請求項4】 熱硬化性樹脂が、多官能性シアン酸エス
    テル化合物、該シアン酸エステルプレポリマーを必須成
    分とする樹脂組成物である請求項1,2又は3記載のビ
    ルドアップ多層プリント配線板。
  5. 【請求項5】 ビルドアップ多層プリント配線板用銅張
    多層板が、該多層板の表面に、炭酸ガスレーザー孔あけ
    用補助層を配置し、この上から銅箔を加工するに十分な
    エネルギーの炭酸ガスレーザーを直接照射して150μm以
    下の孔を形成したものであることを特徴とする請求項
    1、2、3又は4記載のビルドアップ多層プリント配線
    板。
  6. 【請求項6】 炭酸ガスレーザー孔あけ後、薬液にて表
    層銅箔の厚みの一部を溶解除去すると同時に、孔周辺に
    発生した銅箔バリをも溶解除去して作成することを特徴
    とする請求項5記載のビルドアップ多層プリント配線
    板。
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