JP2002265754A - 高比誘電率bステージ樹脂組成物シート及びそれを用いたプリント配線板 - Google Patents

高比誘電率bステージ樹脂組成物シート及びそれを用いたプリント配線板

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JP2002265754A
JP2002265754A JP2001065824A JP2001065824A JP2002265754A JP 2002265754 A JP2002265754 A JP 2002265754A JP 2001065824 A JP2001065824 A JP 2001065824A JP 2001065824 A JP2001065824 A JP 2001065824A JP 2002265754 A JP2002265754 A JP 2002265754A
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resin composition
dielectric constant
inorganic filler
copper foil
resin
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JP2001065824A
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Nobuyuki Ikeguchi
信之 池口
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高比誘電率Bステージ樹脂シート及びそ
れを用いたプリント配線板を得る。 【解決手段】 (a)室温で液状のエポキシ樹脂と、(b)
熱硬化触媒を必須成分とするエポキシ樹脂組成物中に、
比誘電率が室温で500以上の絶縁性無機充填剤を80〜99
重量%配合し、絶縁性無機充填剤の1〜75重量%に針状
絶縁性無機充填剤を使用した樹脂組成物を用いて得られ
ることを特徴とする高比誘電率Bステージ樹脂組成物シ
ート、及び該樹脂組成物シートを用いたプリント配線
板。 【効果】 高比誘電率の樹脂シートを作成でき、こ
れを用いた耐熱性、吸湿後の電気特性、銅箔との接着
性、強度等に優れた高比誘電率のプリント配線板を作成
できた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、比誘電率の高いB
ステージの樹脂シート、及びその樹脂シートを主として
コンデンサとして用いるためのプリント配線板に関す
る。特に炭酸ガスレーザーで孔あけして得られたプリン
ト配線板は、高密度の小型プリント配線板として、半導
体チップを搭載し、小型、軽量の新規な半導体プラスチ
ックパッケージ用、遅延素子用等への使用に適してい
る。
【0002】
【従来の技術】近年、ますます小型、薄型、軽量化する
電子機器において、高密度の多層プリント配線板が使用
されるようになってきている。このプリント配線板の内
外層に高比誘電率の層を設け、この層をコンデンサとし
て使用し、実装密度を向上させることができる。多層板
の内層、外層や基板に高比誘電率の層を設けるには、特
開昭55-57212号、特開昭61-136281号、特開昭61-16754
7、特開昭62-19451、特公平5-415号公報に示されるよう
なエポキシ樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド樹脂等
に、例えばチタン酸バリウム等の高比誘電率無機粉体を
配合し、これをガラス布等の繊維基材に含浸、乾燥して
得られたプリプレグを複数枚重ね、最外層に銅箔を配置
して積層成形して高比誘電率銅張積層板を作成してい
た。このガラス布基材を用いてプリプレグを作成する場
合、樹脂組成物中の無機充填剤の量が多すぎる場合、含
浸、乾燥すると、ガラス布基材表層への樹脂組成物の付
着が困難であり、不均一となって、良質なプリプレグが
作成できなかった。加えて無機充填剤は比重が大きく、
ワニスに分散させると沈降するために多量に添加した事
例が見あたらない。このため、従来の提案では比誘電率
が10〜20程度のものしか得られていなかった。そのた
め、静電容量の大きなコンデンサを形成できず、コンデ
ンサ機能を付与した積層板としては使用できなかった。
【0003】一方、一般の熱硬化性樹脂と高比誘電率無
機粉体からなる樹脂組成物を用いたものでも、無機充填
剤を多く使用すると、得られた銅張積層板は脆く、更に
は銅箔を接着させた場合、接着力は極めて低くプリント
配線板としての使用は困難であった。特開平9-12742号
公報では、ガラス布基材を使用せずに、熱硬化性樹脂と
比誘電率50以上の無機粉末を混合して得られた高比誘電
率フィルムを提案している。しかしながら、フィルム状
にするために、樹脂の粘度が高く、無機充填材の添加量
は60重量%程度が上限である。更に得られた銅張積層板
の比誘電率は、10前後と小さく、20以上、まして30以上
の比誘電率のものを得ることは困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の問題
点を解決した、無機充填剤量が多くても、樹脂組成物と
銅箔との接着力が高く、且つ比誘電率が10以上、好適に
は20以上と大きく、機械的強度も良好で、通常のガラス
布基材熱硬化性樹脂プリプレグと同様に加工可能な、高
比誘電率を有するBステージ樹脂シート、及びそれから
得られた銅張板を用いて作成したプリント配線板の提供
を目的とする。さらには、炭酸ガスレーザーによる小径
孔あけによる高密度プリント配線板の提供を目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)室温で液
状のエポキシ樹脂と、(b)熱硬化触媒を必須成分とす
るエポキシ樹脂組成物中に、比誘電率が室温で500以上
の絶縁性無機充填剤を80〜99重量%配合し、絶縁性無機
充填剤の1〜75重量%に針状絶縁性無機充填剤を使用し
た樹脂組成物を用いて得られる高比誘電率Bステージ樹
脂組成物シート、及び該樹脂組成物シートを使用したプ
リント配線板を提供する。
【0006】本発明はさらに、エポキシ樹脂組成物が、
(c)多官能性シアン酸エステルモノマー、該シアン酸エ
ステルプレポリマー100重量部に対し、(a)室温で液状の
エポキシ樹脂50〜10,000重量部を配合し、この(a+c)100
重量部に対し、(b)熱硬化触媒0.005〜10重量部を配合し
たものを必須成分とする樹脂組成物に、比誘電率が室温
で500以上の絶縁性無機充填剤を80〜99重量%配合し、
絶縁性無機充填剤の1〜75重量%に針状絶縁性無機充填
剤を均一混合した樹脂組成物を用いて作成した、好適に
は比誘電率20以上の高比誘電率Bステージ樹脂組成物シ
ートを提供する。本発明の樹脂組成物シートを用いて得
られたプリント配線板は、銅箔接着力に優れ、強度が強
く、高耐熱性で、高比誘電率であり、炭酸ガスレーザー
による小径孔あけ性に優れ、孔の接続信頼性に優れてい
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、液状エポキシ樹脂と熱
硬化触媒を必須成分にした樹脂成分に比誘電率500以上
の絶縁性無機充填剤を80〜99重量%配合して製造される
Bステージの熱硬化性樹脂組成物シートである。この樹
脂シートを用いて銅張板とし、孔あけ、回路形成してプ
リント配線板とする。
【0008】無機充填剤を多量、特に80重量%以上添加
すると、銅箔と樹脂組成物との接着力が低くなる、機械
的強度が低くなる等の欠点が生じる。そのため、従来の
提案では無機充填剤を多量に添加した銅張積層板は開発
されていない。本発明では、特に比誘電率20以上で、且
つ銅箔接着力の保持された銅張積層板及びそれを用いた
プリント配線板を作成するために、チタン酸バリウム系
セラミック、チタン酸鉛系セラミック、チタン酸カルシ
ウム系セラミック、チタン酸ストロンチウム系セラミッ
ク、チタン酸マグネシウム系セラミック、チタン酸ビス
マス系セラミック、ジルコン酸鉛系セラミックの少なく
とも1種以上を含有するか、及び/又はこれらの1種以
上を焼結した後に粉砕した比誘電率が500以上の絶縁性
無機充填剤粉体と針状絶縁性無機繊維とを配合する。針
状でない無機充填剤粉体は、無機充填剤粉体の平均粒子
径が4〜30μm、比表面積0.30〜1.00m2/gであるものが好
ましく使用される。これらは組成的には、その成分単独
系、又は他の少量の添加物を含む系で、主成分の結晶構
造が保持されているものである。また、針状の該充填剤
も併せて使用される。
【0009】針状無機絶縁性充填剤は、エポキシ樹脂組
成物の80〜99重量%配合される無機充填剤の中、1
〜75重量%、好適には10〜70重量%配合される。
針状でない絶縁性無機充填剤は粒子の形状が粉体に近
く、これを使用した樹脂組成物シートは曲げ強度、引張
強度、弾性率等が低く、これをビルドアップ積層した多
層プリント配線板はたわみ強度、弾性率等に問題があっ
た。針状無機充填剤の併用により、これらの欠点は解消
され、曲げ強度、弾性率等が必要水準に達したプリント
配線板の提供が可能となった。しかしながら、針状無機
充填剤の配合量が上記範囲の下限未満では、上記した針
状無機充填剤の効果が少なく、上限を超えると繊維状で
ある無機充填剤同士の間に生ずる間隙が大きくなり、銅
箔接着力の低下、ボイドの発生等の問題が生ずる。
【0010】また、針状無機絶縁性充填剤としては、ア
ルミナ繊維、ボロン繊維、炭化珪素、窒化珪素、チタン
酸系セラミック、硼酸系セラミック繊維、βーウォラス
トナイト、ガラス繊維、炭酸カルシウム等公知の針状の
無機充填剤が使用される。形状は特に限定はなく、短径
0.5〜数μm、繊維長は数μmから数百μmの短繊維
で、そのアスペクト比(繊維長/繊維径)は、一般に3
〜300程度、好ましくは20〜200のものが使用さ
れる。針状充填剤の使用量は、無機充填剤の1〜75重
量%である。この針状無機充填剤はウイスカー状で、表
面に樹脂がコーティングされていても良い。また、アラ
ミド繊維、ポリベンゾオキサゾール繊維、液晶ポリエス
テル繊維等の有機針状繊維も併用できる。
【0011】樹脂としては(d)室温で液状のエポキシ
樹脂と熱硬化触媒を必須成分とし、これに他の樹脂成分
を添加して目的とする特性を備えた樹脂組成物を作成す
る。添加樹脂としては特に限定はしないが、例えば、多
官能性シアン酸エステル樹脂、多官能性マレイミド樹
脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、二重結合付加ポリ
フェニレンオキサイド樹脂等一般に公知の熱硬化性樹脂
が用いられる。これらは1種或いは2種以上が組み合わ
せて使用される。この中でも、耐マイグレーション性、
耐熱性、吸湿後の耐熱性等の点から、多官能性シアン酸
エステル樹脂が好適に使用される。使用量としては、好
適には(b)多官能性シアン酸エステル化合物、該シアン
酸エステルプレポリマー 100重量部に対し、(a)室温で
液状のエポキシ樹脂を50〜10,000重量部配合し、この(a
+b)成分100重量部に対し、(b)熱硬化触媒0.005〜10重
量部配合した樹脂組成物を必須成分とした熱硬化性樹脂
組成物を用いる。
【0012】本発明で使用される(c)多官能性シアン酸
エステル化合物とは、分子内に2個以上のシアナト基を
有する化合物である。具体的に例示すると、1,3-又は1,
4-ジシアナトベンゼン、1,3,5-トリシアナトベンゼン、
1,3-、1,4-、1,6-、1,8-、2,6-又は2,7-ジシアナトナフ
タレン、1,3,6-トリシアナトナフタレン、4,4-ジシアナ
トビフェニル、ビス(4-ジシアナトフェニル)メタン、2,
2-ビス(4-シアナトフェニル)プロパン、2,2-ビス(3,5-
ジブロモー4-シアナトフェニル)プロパン、ビス(4-シア
ナトフェニル)エーテル、ビス(4-シアナトフェニル)チ
オエーテル、ビス(4-シアナトフェニル)スルホン、トリ
ス(4-シアナトフェニル)ホスファイト、トリス(4-シア
ナトフェニル)ホスフェート、およびノボラックとハロ
ゲン化シアンとの反応により得られるシアネート類など
である。
【0013】これらのほかに特公昭41-1928、同43-1846
8、同44-4791、同45-11712、同46-41112、同47-26853及
び特開昭51-63149号公報等に記載の多官能性シアン酸エ
ステル化合物類も用いら得る。また、これら多官能性シ
アン酸エステル化合物のシアナト基の三量化によって形
成されるトリアジン環を有する分子量400〜6,000 のプ
レポリマーが使用される。このプレポリマーは、上記の
多官能性シアン酸エステルモノマーを、例えば鉱酸、ル
イス酸等の酸類;ナトリウムアルコラート等、第三級ア
ミン類等の塩基;炭酸ナトリウム等の塩類等を触媒とし
て重合させることにより得られる。このプレポリマー中
には一部未反応のモノマーも含まれており、モノマーと
プレポリマーとの混合物の形態をしており、このような
原料は本発明の用途に好適に使用される。一般には可溶
な有機溶剤に溶解させて使用する。
【0014】(d)室温で液状のエポキシ樹脂としては、
一般に公知のものが使用可能である。具体的には、ビス
フェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキ
シ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ポリエ
ーテルポリオールのジグリシジルエーテル、酸無水物の
エポキシ化物、脂環式エポキシ樹脂等が単独或いは2種
以上組み合わせて使用される。使用量は、多官能性シア
ン酸エステル化合物、該シアン酸エステルプレポリマー
100重量部に対し、50〜10,000重量部、好ましくは100
〜5,000重量部である。
【0015】本発明の熱硬化性樹脂組成物には、組成物
本来の特性が損なわれない範囲で、所望に応じて種々の
添加物を配合することができる。これらの添加物として
は、不飽和ポリエステル等の重合性二重結合含有モノマ
ー類及びそのプレポリマー類;ポリブタジエン、エポキ
シ化ブタジエン、マレイン化ブタジエン、ブタジエン-
アクリロニトリル共重合体、ポリクロロプレン、ブタジ
エン-スチレン共重合体、ポリイソプレン、ブチルゴ
ム、フッ素ゴム、天然ゴム等の低分子量液状〜高分子量
のelasticなゴム類;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リブテン、ポリ-4-メチルペンテン、ポリスチレン、AS
樹脂、ABS樹脂、MBS樹脂、スチレン-イソプレンゴ
ム、ポリエチレン-プロピレン共重合体、4-フッ化エチ
レン-6-フッ化エチレン共重合体類;ポリカーボネート、
ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエステ
ル、ポリフェニレンサルファイド等の高分子量プレポリ
マー若しくはオリゴマー;ポリウレタン等が例示され、
適宜使用される。また、その他、公知の無機、有機の充
填剤、染料、顔料、増粘剤、滑剤、消泡剤、分散剤、レ
ベリング剤、光増感剤、難燃剤、光沢剤、重合禁止剤、
チキソ性付与剤等の各種添加剤が、所望に応じて適宜組
み合わせて用いられる。必要により、反応基を有する化
合物は硬化剤、触媒が適宜配合される。
【0016】エポキシ樹脂組成物には、熱硬化性樹脂に
対して公知の熱硬化触媒を用いる。熱硬化触媒の好まし
い使用量は、エポキシ樹脂100重量部あるいはエポキシ
樹脂と(c)多官能性シアン酸エステルモノマー、該シア
ン酸エステルプレポリマー100重量部に対し、0.005〜10
重量部、好ましくは0.01〜5重量部である。本発明の各
成分を均一に混練する方法は、一般に公知の方法が使用
され得る。例えば、各成分を配合後、三本ロールにて、
室温或いは加熱下に混練するか、ボールミル、ライカイ
機、ホモミキサー等、一般に公知のものが使用される。
また、溶剤を添加して加工法に合う粘度として使用す
る。
【0017】Bステージ樹脂組成物はシ−ト状に作成し
て使用するが、好適には熱可塑性フィルムの片面に樹脂
組成物層を形成して、必要により加熱して、Bステージ
とする。この後、必要により、樹脂面に熱可塑性フィル
ムを被せ、Bステージ樹脂シートを挟むことも可能であ
る。熱可塑性フィルムは、樹脂付着面は無処理でも使用
可能であるが、好適には樹脂付着面に離型処理を施した
もの、反対面には帯電防止処理を施したもの、あるいは
片面に帯電防止処理を施した後、その上から離型処理を
施したものが使用される。このフィルムを使用すること
により、樹脂シートからフィルムを剥離する時に、静電
気が発生せずに、異物などの混入を避けることができ
る。
【0018】熱可塑性フィルムの片面に樹脂層を形成し
てBステージ樹脂シートを作成する方法は特に制限はな
いが、好適には、絶縁性無機充填剤を樹脂組成物に添加
して、必要により溶剤を加えてワニスとしたものを離型
フィルムの片面に塗布、乾燥してBステージとした後、
必要により、塗布樹脂面に離型フィルム又は銅箔等を配
置し、加熱、加圧下にラミネートして一体化して離型フ
ィルム付きBステージ樹脂シートする方法、無溶剤樹脂
組成物に無機充填剤を添加し、ライカイ機等にて混練
し、これを押し出しながら離型フィルムの片面に付着さ
せる方法等、一般に公知の方法が使用可能である。樹脂
組成物層の厚さは特に限定はないが、一般には10〜100
μm、好適には30〜80μmとする。
【0019】本発明のBステージ樹脂組成物シートは、
少なくとも片面に銅箔、好ましくは電解銅箔を配置し、
加熱、加圧下に積層成形して銅張板、多層板とする。離
型フィルムは、必要により、剥離して銅張板とする。こ
の銅箔は特に限定しないが、好適には厚さ3〜35μmの電
解銅箔が使用される。銅箔のシャイニー面は、従来の光
沢のある一般的な処理、或いはニッケル、コバルト等の
合金処理を施したもの等、公知のものが使用できる。圧
延銅箔も使用可能である。本発明で使用する銅張板の積
層成形条件は,一般には温度150〜250℃、圧力5〜50kgf/
cm、時間は1〜5時間である。又、ボイドを避けるため
に真空下に積層成形するのが好ましい。
【0020】本発明のBステージ樹脂組成物シートを使
用して得られた銅張積層板は、メカニカルドリルでも孔
あけ可能であるが、無機充填剤が多く、ドリル摩耗等が
大きいため、レーザーでの孔あけが好適である。加工速
度等の点からは炭酸ガスレーザーが好ましい。孔あけ方
法は特に限定しないが、孔あけ補助層を銅張積層板の上
に配置し、直接高エネルギーの炭酸ガスレーザーを照射
することにより、貫通孔及び/又はブラインドビア孔の
形成が容易にできる。
【0021】本発明で得られた銅張板に貫通孔及び/又
はブラインドビア孔をあける場合、孔径180μmを越える
孔は貫通孔をメカニカルドリルであけるのが好ましい。
又20μm以上で、180μm以下の貫通孔及び/又はブライ
ンドビア孔は、レ−ザーであけるのが好ましい。20μm
以上で80μm未満の貫通孔及び/又はブラインドビア孔
はエキシマレーザー、YAGレーザーで孔あけするのが好
ましい。更に、80μm以上で180mμ以下の貫通孔及び/又
はブラインドビア孔は、銅箔表面に薬液処理を施すか、
カーボン粉、金属粉又は融点900℃以上で、且つ結合エ
ネルギー300kJ/mol以上の金属化合物粉の1種或いは2
種以上を3〜97vol%配合した樹脂組成物を塗料或いはこ
れをシート状としたものを、好適には、総厚み30〜200
μmの厚みで銅箔表面上に配置し、好ましくは20〜60mJ
から選ばれるエネルギーの炭酸ガスレーザーを直接照射
して貫通孔及び/又はブラインドビア孔を形成する。
又、孔あけにおいては、銅箔のシャイニー面にニッケル
金属処理、又はニッケル合金処理等の炭酸ガスレーザー
エネルギーの吸収の良好な処理を施して孔あけ補助層と
した銅箔を使用し、この上から、好ましくは5〜60mJの
炭酸ガスレーザーを直接照射することにより貫通孔及び
/又はブラインドビア孔を形成することができる。更に
は、銅箔表面に薬液処理(例えばCZ処理、メック<株>)
を施して同様に孔を形成できる。加工後、銅箔の表面は
機械的研磨でバリをとることもできるが、完全にバリを
取るためには、好適には銅箔の両表面を平面的にエッチ
ングし、もとの金属箔を厚さ方向にエッチング除去する
ことにより、孔部に張り出した銅箔バリもエッチング除
去することが好ましく、且つ、銅箔が薄くなるために、
その後の金属メッキでメッキアップして得られた表裏銅
箔の細線の回路形成において、ショートやパターン切れ
等の不良の発生もなく、高密度のプリント配線板を作成
することができる。
【0022】この表裏銅箔のエッチングによる薄銅化の
時に、孔内部に露出した内層銅箔表面に付着する樹脂層
を、好適には少なくとも気相処理してから、エッチング
除去する。好適には銅箔表層の銅箔の一部及び孔周辺に
発生した銅箔バリを薬液にて、残存厚さ2〜7μm、好適
には3〜5μmになるまでエッチング除去し、銅メッキを
施した後、この表裏面に回路形成を行い、プリント配線
板とする。多層銅張板とする場合、内層板の銅表面に化
学処理を行い、Bステージ樹脂シート及び銅箔を配置
し、積層成形をして得られる多層銅張板を用いて、好適
には最後に内外層銅箔を接続するように表裏を貫通する
孔及び/又はブラインドビア孔を形成し、表裏の銅箔の
一部及び銅箔バリを薬液にてエッチング除去し、スルー
ホールメッキ、ブラインドビア孔銅メッキ、表裏の回路
形成後、必要によりメッキレジストで被覆し、貴金属メ
ッキを行い、プリント配線板とする。
【0023】炭酸ガスレーザーで孔を形成した場合、孔
周辺にはバリが発生する。これは、薄い銅箔を張った両
面銅張板では、特に問題でなく、銅箔面に残存した樹脂
を気相或いは液相処理を行って除去し、孔内部のそのま
ま銅メッキを行なって孔内部の50容積%以上を銅メッキ
し、同時に表層もメッキして銅箔厚みを18μm以下とす
ることも可能である。この場合、機械研磨よりは薬液に
よるエッチングの方が、孔部のバリ除去、銅箔の薄銅
化、研磨による寸法変化等の点から好適である。また、
貫通孔の場合、表層の銅箔と孔内部の銅箔の接続を行う
ことにより、接続の極めて優れた孔が得られる。加え
て、加工速度はドリルであける場合に比べて格段に速
く、生産性も良好で、経済性にも優れているものが得ら
れた。
【0024】本発明で使用する補助材料の中の、融点90
0℃以上で、且つ、結合エネルギー300kJ/mol 以上の金
属化合物としては、一般に公知のものが使用できる。具
体的には、酸化物としては、酸化チタン等のチタニア
類、酸化マグネシウム等のマグネシア類、酸化鉄等の鉄
酸化物、酸化ニッケル等のニッケル酸化物、二酸化マン
ガン、酸化亜鉛等の亜鉛酸化物、二酸化珪素、酸化アル
ミニウム、希土類酸化物、酸化コバルト等のコバルト酸
化物、酸化錫等のスズ酸化物、酸化タングステン等のタ
ングステン酸化物、等が挙げられる。非酸化物として
は、炭化珪素、炭化タングステン、窒化硼素、窒化珪
素、窒化チタン、窒化アルミニウム、硫酸バリウム、希
土類酸硫化物等、一般に公知のものが挙げられる。
【0025】補助材料としては、その他、カーボン粉、
酸化金属粉の混合物である各種ガラス類が挙げられる。
銀、アルミニウム、ビスマス、コバルト、銅、鉄、マグ
ネシウム、マンガン、モリブデン、ニッケル、パラジウ
ム、アンチモン、ケイ素、錫、チタン、バナジウム、タ
ングステン、亜鉛等の単体、或いはそれらの合金の金属
粉も使用される。上記補助材料は一種或いは二種以上が
組み合わせて使用される。平均粒子径は、特に限定しな
いが、1μm以下が好ましい。
【0026】炭酸ガスレーザーの照射で分子が解離する
か、溶融して飛散するために、金属が孔壁等に付着し
て、半導体チップ、孔壁密着性等に悪影響を及ぼさない
ようなものが好ましい。Na,K,Clイオン等は、特
に半導体の信頼性に悪影響を及ぼすため、これらの成分
を含むものは好適でない。樹脂中への配合量は、3〜97v
ol%、好適には5〜95vol%であり、樹脂としては好適に
は水溶性樹脂が使用される。補助材料の水溶性樹脂とし
ては、特に制限はしないが、混練して銅箔表面に塗布、
乾燥した場合、或いはシート状とした場合、剥離欠落し
ないものを選択する。例えばポリビニルアルコール、ポ
リエステル、ポリエーテル、澱粉等、一般に公知のもの
が使用される。
【0027】カーボン粉、金属粉又は金属化合物粉と樹
脂とからなる組成物を作成する方法は、特に限定しない
が、ニーダー等で無溶剤にて高温で練り、熱可塑性フィ
ルム上にシート状に押し出して付着する方法、水に水溶
性樹脂を溶解させ、これに上記粉体を加え、均一に攪拌
混合して、これを用い、塗料として熱可塑性フィルム上
に塗布、乾燥して膜を形成する方法等、一般に公知の方
法が使用できる。厚みは、特に限定はしないが、一般に
は総厚み30〜200μmで使用する。
【0028】銅張板の裏面には、貫通孔を形成した時
に、炭酸ガスレーザーのテーブルの損傷を避けるため
に、金属板の上に水溶性樹脂を付着させたバックアップ
シートを使用するのが好ましい。
【0029】補助材料は銅箔面上に塗膜として塗布する
か、熱可塑性フィルム上に塗布してシートとする。シー
トを銅箔面に加熱、加圧下にラミネートする場合、補助
材料、バックアップシートともに塗布樹脂層を銅箔面に
向け、ロールにて、温度は一般に40〜150℃、好ましく
は60〜120℃で、線圧は一般に0.5〜20kgf/cm、好ましく
は1〜10kgf/cmの圧力でラミネートし、樹脂層を溶融さ
せて銅張板の銅箔面と密着させる。温度の選択は使用す
る水溶性樹脂の融点で異なり、又、線圧、ラミネート速
度によっても異なるが、一般には、水溶性樹脂の融点よ
り5〜20℃高い温度でラミネートする。
【0030】孔部に発生した銅のバリをエッチング除去
する方法としては、特に限定しないが、例えば、特開平
02-22887、同02-22896、同02-25089、同02-25090、同02
-59337、同02-60189、同02-166789、同03-25995、同03-
60183、同03-94491、同04-199592、同04-263488号公報
で開示された、薬品で金属表面を溶解除去する方法(S
UEP:Surface Uniform Etching Processと呼ぶ)に
よる。エッチング速度は、一般には0.02〜1.0μm/秒 で
行う。
【0031】炭酸ガスレーザーは、赤外線波長域にある
9.3〜10.6μmの波長が一般に使用される。出力 は好ま
しくは、20〜60mJ/パルス にて銅箔を加工し、孔をあけ
る。エキシマレーザーは波長248〜308nm、YAGレーザー
は波長351〜355 nmが一般に使用されるが、限定される
ものではない。加工速度は炭酸ガスレーザーが格段に速
く、経済的である。
【0032】貫通孔及び/又はブラインドビア孔をあけ
る場合、最初から最後まで5〜60mJから選ばれるエネル
ギーを照射する方法、途中でエネルギーを変えて孔あけ
する方法等が使用できる。表層の銅箔を除去する場合、
より高いエネルギーを選ぶことにより、照射ショット数
が少なくてすみ、効率が良い。中間の樹脂層を加工する
場合、必ずしも高出力が必要ではなく、基材及び樹脂に
より適宜選択できる。例えば出力5〜35mJ から選ぶこと
も可能である。もちろん、最後まで高出力で加工するこ
ともできる。孔内部に内層銅箔がある場合、ない場合で
加工条件を変化させることが可能である。
【0033】炭酸ガスレーザーで加工された孔内部の内
層銅箔には1μm程度の樹脂層が残存する。また、メカニ
カルドリルで孔あけした場合、スミアが残る可能性があ
り、この樹脂層を除去することにより、さらなる銅メッ
キと内外層の銅との接続信頼性が良くなる。樹脂層を除
去するためには、デスミア処理等の一般に公知の処理が
可能であるが、液が小径の孔内部に到達しない場合、内
層の銅箔表面に残存する樹脂層の除去残が発生し、銅メ
ッキとの接続不良になる場合がある。従って、より好適
には、まず気相で孔内部を処理して樹脂の残存層を完全
に除去し、次いで孔内部を、好ましくは超音波を併用し
て湿潤処理する。
【0034】気相処理としては一般に公知の処理が使用
可能であるが、例えばプラズマ処理、低圧紫外線処理等
が挙げられる。プラズマは、高周波電源により分子を部
分的に励起し、電離させた低温プラズマを用いる。これ
は、イオンの衝撃を利用した高速の処理、ラジカル種に
よる穏やかな処理が一般には使用され、処理ガスとし
て、反応性ガス、不活性ガスが使用される。反応性ガス
としては、主に酸素が使用され、化学的に表面処理をす
る。不活性ガスとしては、主にアルゴンガスを使用す
る。このアルゴンガス等を使用し、物理的な表面処理を
行う。物理的な処理は、イオンの衝撃を利用して表面を
クリーニングする。低紫外線は、波長が短い領域の紫外
線であり、波長として、184.9nm、253.7nm がピークの
短波長域の波長を照射し、樹脂層を分解除去する。その
後、樹脂表面が疎水化される場合が多いため、特に小径
孔の場合、超音波を併用して湿潤処理を行い、その後銅
メッキを行うことが好ましい。湿潤処理としては、特に
限定しないが、例えば過マンガン酸カリ水溶液、ソフト
エッチング用水溶液等によるものが挙げられる。
【0035】孔内部は、必ずしも銅メッキで50容積%以
上充填しなくても電気的導通はとれるが、好適には50容
積%、更に好ましくは90容積%以上充填する。しかしな
がら、メッキ時間を長くして孔内部を充填すると作業性
が悪く、孔充填に適したパルスメッキ用添加剤(日本リ
ロナール<株>製)を用いた工法等が好適に使用され
る。
【0036】
【実施例】以下に実施例、比較例で本発明を具体的に説
明する。尚、特に断らない限り、『部』は重量部を表
す。
【0037】実施例1〜4 2,2-ビス(4-シアナトフェニル)プロパンモノマー(成分
Aー1)を1,000部150℃に熔融させ、撹拌しながら4時間
反応させ、平均分子量1,900のプレポリマー(成分Aー
2)を得た。室温で液状のエポキシ樹脂として、ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂(商品名::エピコート828、油
化シェルエポキシ<株>製、成分B-1)、ビスフェノール
F型エポキシ樹脂(商品名:EXA830LVP、大日本インキ
化学工業<株>製、成分B-2)、ノボラック型エポキシ樹
脂(商品名:DEN431、ダウケミカル<株>製、成分B-3)、
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(商品名:ESCN220
F、住友化学工業<株>製、成分B-4)を配合し、熱硬化触
媒てしてアセチルアセトン鉄(成分C-1)、2-エチル-4-
メチルイミダゾール(成分C-2)、更に添加剤として、
エポキシシランカップリング剤(商品名:A-187、日本ユ
ニカ<株>製、成分D-1)、ジシアンジアミド(成分E-1)
を配合してワニスとした。絶縁性無機充填剤として、チ
タン酸バリウム系セラミック(室温での1MHzでの比誘電
率:2,010、比表面積0.41m2/g、成分F-1とする)、チタ
ン酸ビスマス系セラミック(室温での比誘電率:733、
比表面積0.52m2/g、成分F-2とする)、チタン酸バリウ
ム-錫酸カルシウム系セラミック(室温での比誘電率:
5,020、比表面積0.45m2/g、成分F-3とする)、チタン酸
鉛系セラミック(室温での比誘電率1,700、比表面積1.0
9m2/g、成分F-4とする)、及び針状無機充填剤として、
平均針状繊維径0.5μm、長さ10〜25μmのチタン酸系
バリウム系針状繊維(室温での比誘電率2300、成分F-7
とする)を用いて表1のように配合し、ホモミキサー機
で60分間均一に混練し、粘度の高いものはメチルエチル
ケトンを少量添加して塗布するのに適正な粘度としてワ
ニスとした。このワニスを厚さ50μmの片面帯電防止処
理を施し、その上に離型処理を施したポリエチレンテレ
フタレート(PET)フィルムの離型剤処理面に連続して厚
さ80μmとなるように塗布、乾燥して、170℃、20kgf/cm
2、5分での樹脂流れが10〜23mmとなるようにBステージ
化した樹脂シートZを作成した。この樹脂シートの離型
フィルムを剥離し、これを2枚用い、この両面に12μmの
一般の電解銅箔(12μmJTC-LP、<株>ジャパンエナージ
ー製)を配置し、 200℃、25kgf/cm2、30mmHg以下の真
空下で2時間積層成形し、両面銅張板を得た。
【0038】一方、酸化金属粉として黒色酸化銅粉(平
均粒子径:0.8μm)800部に、ポリビニルアルコール粉
体を水に溶解したワニスに加え、均一に攪拌混合した。
これを厚さ50μmのPETフィルム片面上に、厚さ30μmと
なるように塗布し、110℃で30分間乾燥して、金属化合
物粉含有量45vol%の補助材料Pを作成した。又厚さ50
μmのアルミニウム箔の片面にこのワニスを厚さ20μmと
なるように塗布、乾燥してバックアップシートQを作成
した。上記両面銅張積層板の上側に上記補助材料P、下
側に上記バックアップシートQを、樹脂面が銅箔側を向
くように配置し、100℃、5kgf/cmでラミネートしてか
ら、孔径100μmの孔を20mm角内に144個直接炭酸ガスレ
ーザーで、出力30mJ/パルス で4ショット照射して、70
ブロック(合計10080個)の貫通孔をあけ、SUEP処
理を行い、表層の銅箔を残存厚さ3μmになるまでエッチ
ングするとともに、孔周辺のバリをも溶解除去した。銅
メッキを15μm付着させた後、表裏を既存の方法にて回
路(ライン/スペース=50/50μm)、ソルダーボール用ラ
ンド等を形成し、少なくとも半導体チップ搭載部、ボン
ディングパッド部、ハンダボールパッド部を除いてメッ
キレジストで被覆し、ニッケル、金メッキを施し、プリ
ント配線板を作成した。評価結果を表3及び表4に示
す。
【0039】実施例5 実施例1〜4において、PETフイルムのかわりに一般の
12μmの電解銅箔を用いた以外は、同様にして銅箔付
きBステージ樹脂組成物シートを作成し、これを2枚用い
て、樹脂面を向かい合わせ、同様に積層して両面銅張積
層板とし、同様に孔あけしてプリント配線板を作成し
た。評価結果を表3及び4に示す。
【0040】比較例1 エポキシ樹脂(商品名:エピコート5045、油化シェルエ
ポキシ<株>製)2,000部、ジシアンジアミド70部、2ーエ
チルイミダゾール2部をメチルエチルケトンとジメチル
ホルムアミドの混合溶剤に溶解し、攪拌混合して均一分
散してワニスGを得た(この固形を成分B-5とする)。こ
れにチタン酸ビスマス系セラミック(粒子径0.5〜5μm、
平均粒子径1.3μm、比表面積1.29m2/g、比誘電率730、F
-5とする)を表1に示すように添加して均一混練してこ
れを厚さ50μmのガラス織布に含浸、乾燥して、Bステ
ージプリプレグを作成した。この場合、樹脂量が多いた
めにガラス織布の表面でムラ、割れが生じた。塗布が良
好な箇所を選び、この両面に12μmの電解銅箔を配置
し、190℃、20kgf/cm、30mmHg以下の真空下で2時間
積層成形して両面銅張積層板を作成した。
【0041】この銅張積層板にメカニカルドリルで孔径
200μmの貫通孔を形成した。SUEP処理を行わず、通常
の銅メッキを10μm付着させた。これを用いて、プリン
ト配線板を作成した。評価結果を表3及び表4に示す。
【0042】比較例2 比較例1のワニスGに二酸化チタン系セラック粉体(比表
面積1.26m/g、比誘電率25、成分F-6とする)を90重量
%となるように加え、これを攪拌機にて良く攪拌混合し
てからガラス織布に含浸、乾燥してプリプレグとした
が、これも無機充填剤量が多いため、塗りムラ、割れが
生じたが、塗りの良好な箇所を選び、これを4枚使用
し、その両側に12μmの電解銅箔を置き、比較例1と同
様に積層成形して銅張積層板とした。同様にメカニカル
ドリルで孔あけし、プリント配線板とした。評価結果を
表3及び表4に示す。 比較例3 比較例2のワニスを用い、12μmの電解銅箔に樹脂層
が80μmとなるように塗布し、乾燥して銅箔付きBス
テージ樹脂シートとした。この樹脂面は脆く、折り曲げ
ると樹脂落ちがあり、作業性に劣っていた。これを2枚
用いて、樹脂面を向かい合わせて配置し、比較例1と同
様に積層成形して両面銅張積層板を作成し、同時にプリ
ント配線板とした。評価結果を表3,4に示す。 比較例4 実施例1の銅張積層板を用い、この上から直接出力30
mJの炭酸ガスレーザーを照射したが、10ショット照射
しても銅箔に孔はあかず、孔を形成したプリント配線板
は作成できなかった。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】配合
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】<測定方法> 1)積層成形後のボイド 積層成形した銅箔をエッチング除去し、目視にてボイド
を確認した。 2)銅箔接着力 JIS C6481に準じて測定した。 3)PCT(プレッシャークッカー;121℃・203kPa、2hrs.)
処理後の半田耐熱性処理後に260℃の半田中に30sec.浸
せきしてから異常の有無を観察した。 4)回路パターン切れ、及びショート、実施例、比較例で
孔のあいていない板を同様に作成し、ライン/スペース
=50/50μmの櫛形パターンを作成した後、拡大鏡でエッ
チング後の200パターンを目視にて観察し、パターン切
れ、及びショートしているパターンの合計を分子に示し
た。 5)ガラス転移温度 JIS C6481DMA法にて測定した。 6)スルーホール・ヒートサイクル試験 各スルーホール孔にランド径300μmを作成し、900孔を
表裏交互につなぎ、1サイクルが、260℃・ハンダ・浸せ
き30秒→室温・5分 で、150サイクルまで実施し、抵抗
値の変化率の最大値を示した。 7)プレッシャークッカー処理後の絶縁抵抗値 両面銅張積層板(商品名CCL-HL830,三菱瓦斯化学(株)
製,絶縁層の厚さ0.4mm、18μm銅箔)を用いて、端
子間(ライン/スペース=50/50μm)の櫛形パターンを
作成し、この上に、それぞれ使用したプリプレグを配置
し、積層成形したものを、121℃・203kPa にて所定時間
処理した後、25℃・60%RH で2時間後処理を行い、500V
DCを印加して端子間の絶縁抵抗値を測定した。 8)耐マイグレーション性 上記6)の試験片を85℃・85%RHで所定時間50VDC印加し
て端子間の絶縁抵抗値を測定した。 9)比誘電率 LCRメーターにて測定し、計算にて算出した。 10)静電気 Bステージ樹脂シートのPETフイルムを手で引き剥がした
時の静電気の発生状態を見た。 11)曲げ強度 両面銅張積層板(商品名:CCL−HL830、三菱ガス化学
製、厚さ0.3mm、18μm銅箔)の銅箔をエッチング除
去し、この両面に実施例1〜5及び比較例3のBステー
ジ樹脂シートを配置し、実施例1〜4はその外側に12
μmの電解銅箔を配置して、それぞれを実施例、比較例
の積層条件で積層成形後、両面の銅箔をエッチング除去
して、これを20mm幅で長さ70mmの長さに切断し
た。この試験片を用い、支点間距離」20mmにて曲げ
強度を測定した。 12)無機充填剤粒子径、幅及び平均粒子径 針状繊維でないものの粒子を測定した。
【0048】
【発明の効果】本発明は、(a)室温で液状のエポキシ樹
脂100重量部と(b)熱硬化触媒を必須成分とするエポキシ
樹脂樹脂組成物中に、比誘電率が室温で500以上の絶縁
性無機充填剤を80〜99重量%配合し、絶縁性無機充填剤
の1〜75重量%に針状絶縁性無機充填剤を使用した高比
誘電率Bステージ樹脂組成物シートを提供する。好適に
は帯電防止処理を施した上に離型剤処理を施した熱可塑
性フィルムを用い、この離型処理面に、比誘電率500以
上、且つ比表面積が0.30〜1.00m2/gの絶縁性無機充填剤
粉体及び針状無機充填剤を、エポキシ樹脂組成物、好適
には、(c)多官能性シアン酸エステルモノマー、該シア
ン酸エステルプレポリマー100重量部に対し、(a)室温で
液状のエポキシ樹脂を50〜10,000重量部配合し、この(a
+c)成分100重量部に対し、熱硬化触媒を0.005〜10重量
部配合した樹脂成分に80〜99重量%、好ましくは85〜95
重量%となるように均一に混合して得られる高比誘電率
樹脂組成物を付着させて作成したBステージ樹脂組成物
シート、及びこれを用いたプリント配線板を提供する。
本発明のプリント配線板は、銅箔との密着性や強度に優
れ、耐熱性、吸湿後の電気絶縁性等に優れ、比誘電率は
20以上のものが得られ、コンデンサ等として有用なもの
が作成できた。又、補助層を銅張板の上に使用すること
により、高エネルギーの炭酸ガスレーザーを照射して直
接小径の孔をあけることが可能であり、高密度のプリン
ト配線板を得ることができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 7/00 C08K 7/00 C08L 79/00 C08L 79/00 Z H05K 1/03 610 H05K 1/03 610T 610L 610R 3/00 3/00 N Fターム(参考) 4F071 AA42 AA59 AB20 AD01 AE17 AF36 AF39 AH13 BA02 BC01 4F100 AA01A AB17C AB33C AD03A AK01B AK42 AK53A BA02 BA03 BA07 BA10B BA10C CA23A DE10A GB43 JB13A JB16B JG03B JG04A JG05A JJ03 JL08A JL11 YY00A 4J002 CD02W CD05W CD06W CD07W CD10W CM02X DE147 DE177 DE188 DE237 DJ007 DK007 ET009 EU116 FA047 FD017 FD018 FD146 GQ00

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)室温で液状のエポキシ樹脂と、(b)
    熱硬化触媒を必須成分とするエポキシ樹脂組成物中に、
    比誘電率が室温で500以上の絶縁性無機充填剤を80〜99
    重量%配合し、絶縁性無機充填剤の1〜75重量%に針状
    絶縁性無機充填剤を使用した樹脂組成物を用いて得られ
    ることを特徴とする高比誘電率Bステージ樹脂組成物シ
    ート。
  2. 【請求項2】 エポキシ樹脂組成物が、(c)多官能性シ
    アン酸エステルモノマー、該シアン酸エステルプレポリ
    マー100重量部に対し、(a)室温で液状のエポキシ樹脂50
    〜10,000重量部を配合し、この(a+c)100重量部に対し、
    (b)熱硬化触媒0.005〜10重量部を配合したエポキシ樹脂
    組成物を必須成分とすることを特徴とする請求項1記載
    の高比誘電率Bステージ樹脂組成物シート。
  3. 【請求項3】 絶縁性無機充填剤が、針状無機充填剤以
    外の無機充填剤として平均粒子径4〜30μm、BET比表面
    積0.30〜1.00m2/gである粉体を配合したことを特徴とす
    る請求項1記載の高比誘電率Bステージ樹脂組成物シー
    ト。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の高比誘電率B
    ステージ樹脂組成物シートの少なくとも片面に熱可塑性
    フィルムを付着させたことを特徴とする高比誘電率Bス
    テージ樹脂組成物シート。
  5. 【請求項5】 熱可塑性フィルムの少なくとも樹脂付着
    面側に帯電防止処理及び離型処理を施したフィルムを使
    用することを特徴とする請求項4記載の高比誘電率Bス
    テージ樹脂組成物シート。
  6. 【請求項6】 絶縁性無機充填剤が、チタン酸バリウム
    系セラミック、チタン酸ストロンチウム系セラミック、
    チタン酸鉛系セラミック、チタン酸カルシウム系セラミ
    ック、チタン酸ビスマス系セラミック及びジルコン酸鉛
    系セラミックから選ばれた1種以上を含有している無機
    粉末及び/又はこれらの1種以上を焼結した後に粉砕し
    た粉末であることを特徴とする請求項1、2、3、4又
    は5記載の高比誘電率Bステージ樹脂組成物シート。
  7. 【請求項7】 請求項1、2、3、4、5又は6記載の
    高比誘電率Bステージ樹脂組成物シートの樹脂面に銅箔
    を付着させたことを特徴とする銅箔付高比誘電率Bステ
    ージ樹脂組成物シート。
  8. 【請求項8】 請求項1、2、3、4、5、6又は7記
    載の高比誘電率Bステージ樹脂組成物シートから作製さ
    れた銅張板を使用したことを特徴とするプリント配線
    板。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の銅張板の表面に炭酸ガス
    レーザー孔あけ補助層を設け、この上から出力5〜60mJ
    の炭酸ガスレーザーをパルス発振で直接照射して貫通孔
    及び/又はブラインドビア孔を形成して作製されること
    を特徴とするプリント配線板。
  10. 【請求項10】 炭酸ガスレーザーで孔あけ後、薬液に
    て孔部に発生した銅箔バリを溶解除去するとともに、表
    層銅箔を厚さ方向に対し垂直な面を平面的に一部溶解除
    去して得られる銅張板を用いることを特徴とする請求項
    9記載のプリント配線板。
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