JP2001196711A - 高比誘電率プリプレグ及びそれを用いたプリント配線板 - Google Patents

高比誘電率プリプレグ及びそれを用いたプリント配線板

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JP2001196711A
JP2001196711A JP2000002231A JP2000002231A JP2001196711A JP 2001196711 A JP2001196711 A JP 2001196711A JP 2000002231 A JP2000002231 A JP 2000002231A JP 2000002231 A JP2000002231 A JP 2000002231A JP 2001196711 A JP2001196711 A JP 2001196711A
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dielectric constant
prepreg
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copper foil
wiring board
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JP2000002231A
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Morio Take
杜夫 岳
Nobuyuki Ikeguchi
信之 池口
Masahiro Shimoda
正寛 下田
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高比誘電率のプリプレグ及びそれ
を用いた高密度のプリント配線板を得る。 【解決手段】 断面が扁平な形状のガラス繊維
で、その断面の長径/短径で表す扁平率が3.1〜5/1であ
り、断面積が、そのガラス繊維断面に外接する長方形の
面積の90〜98%であり、換算繊維径が5〜17μmである扁
平ガラス繊維を90重量%以上含み、厚さ100μm以下のガ
ラス不織布を基材として使用し、これに比誘電率500
以上の絶縁性無機充填剤粉末を80〜99重量%配合し
た熱硬化性樹脂を付着した高比誘電率プリプレグ、及び
これを使用した高密度のプリント配線板。 【効果】 耐熱性、吸湿後の電気特性、銅箔
との接着性等に優れた高比誘電率のプリント配線板を作
成できた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、比誘電率の高いB
ステージのプリプレグ、及びその銅張板を主としてコン
デンサとして用いるためのプリント配線板に関する。特
に炭酸ガスレーザーで孔あけして得られたプリント配線
板は、高密度の小型プリント配線板として、半導体チッ
プを搭載し、小型、軽量の新規な半導体プラスチックパ
ッケージ用等としての使用に適している。
【0002】
【従来の技術】近年、ますます小型、薄型、軽量化する
電子機器において、高密度の多層プリント配線板が使用
されるようになってきている。このプリント配線板の内
外層に高比誘電率の層を設け、この層をコンデンサとし
て使用し、実装密度を向上させることができる。多層板
の内層、外層や基板に高比誘電率の層を設けるには、特
開昭55-57212号、特開昭61-136281号、特開昭61-16754
7、特開昭62-19451、特公平5-415号公報に示されるよう
に、エポキシ樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド樹脂
等に、例えばチタン酸バリウム等の高比誘電率無機粉末
を配合し、これをガラス布等の繊維基材に含浸、乾燥し
て得られたプリプレグを複数枚重ね、最外層に銅箔を配
置して積層成形して高比誘電率銅張積層板を作成してい
た。このガラス布基材銅張積層板を作成するのに、ガラ
ス布として、ガラス繊維断面が円形の織布、不織布を使
用していた。この場合、厚さは厚くなり、例えば厚さが
50μm以下の絶縁層を有する銅張積層板は作成できなか
った。又、無機充填剤は比重が大きく、ワニスに分散さ
せると沈降するために多量に添加した事例が見あたらな
い。更にガラス織布基材が入っているために、全体のガ
ラス繊維の占める割合が大きくなり、樹脂の含有率を下
げることが困難であり、各公報の実施例では比誘電率が
10〜20程度のものしか得られていなかった。そのため、
静電容量の大きなコンデンサを形成できず、コンデンサ
機能を付与した積層板としては使用できなかった。
【0003】一方、一般の熱硬化性樹脂と高比誘電率無
機粉末からなる樹脂組成物を用いたものでも、無機充填
剤を多く使用した場合、得られた銅張積層板は脆く、更
には銅箔を接着させた場合、接着力は極めて低くプリン
ト配線板としては使用が困難であった。更に、特開平9-
12742号公報に示されるように、ガラス布基材を使用せ
ずに、熱硬化性樹脂と誘電率50以上の無機粉末を混合し
て得られた高誘電率フィルムは、フィルム状にするため
に、樹脂の粘度が高く、無機充填材の添加量は60重量%
程度が上限の限界である。更に得られた銅張積層板の誘
電率は、10前後と小さく、20以上の誘電率のものは得ら
れなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の問題
点を解決した、絶縁層の厚みが薄く、且つ比誘電率が10
以上、好適には20以上と大きく、通常のガラス織布基材
熱硬化性樹脂プリプレグと同様に加工可能な、高比誘電
率を有するプリプレグ、及びその銅張積層板を用いたプ
リント配線板の提供を目的とする。本発明のプリント配
線板は、小径の孔を炭酸ガスレーザーで孔あけして高密
度プリント配線板として使用するのにも適している。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ガラス繊維の
断面が扁平で、その断面の長径/短径で表す扁平率が3.
1/1〜5/1 であり、断面積がそのガラス繊維断面に外接
する長方形の面積の90〜98%であり、換算繊維直径が5
〜17μmである扁平ガラス繊維を90重量%以上含み、か
つ厚さが100μm以下のガラス繊維不織布を基材に使用
し、これに熱硬化性樹脂組成物を付着させたプリプレグ
及びそれを用いたプリント配線板である。本発明は又、
熱硬化性樹脂組成物として、(a)多官能性シアン酸エス
テル化合物、該シアン酸エステルプレポリマー100重量
部に対して、(b)室温で液状のエポキシ樹脂50〜10,000
重量部を配合し、この(a)成分と(b)成分の合計量100
重量部に対して、熱硬化触媒0.005〜10重量部を配合
し、これに比誘電率が室温で500以上の絶縁性無機充填
剤粉末を80〜99重量%となるように均一混合して作成し
た、好適には比誘電率20以上の高比誘電率プリプレグ、
及びこれを用いたプリント配線板を提供する。本発明に
よれば、銅箔接着力に優れ、高耐熱性で、高比誘電率で
あり、炭酸ガスレーザーによる小径孔あけ性に優れ、孔
接続の信頼性に優れたプリント配線板が提供される。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のプリプレグを使用して得
られた銅張積層板は、メカニカルドリルで孔あけ可能で
あるが、無機充填剤が多く、ドリル摩耗等が大きいた
め、レーザーでの孔あけが好適である。加工速度等の点
からは炭酸ガスレーザーが好適である。孔あけ方法は特
に限定しないが、補助材料を銅張積層板の上に配置し、
直接高エネルギーの炭酸ガスレーザーを照射することに
より、貫通孔及び/又はブラインドビア孔の形成が容易
にできる。貫通孔及び/又はブラインドビア孔をあけた
場合、孔周辺には銅箔バリが残存する。これは研磨等で
除去することも可能であるが、バリが残存する可能性が
大きい。好適には銅箔表層の銅箔の一部及び孔周辺に発
生した銅箔バリを薬液にて、表層銅箔の残存厚さ2〜7μ
mになるまでエッチング除去し、銅メッキを施す。つい
でこの表裏面に回路形成を行い、プリント配線板とす
る。多層銅張板とする場合、このプリント配線板の少な
くとも銅箔の片面に銅表面処理をした後、本発明のプリ
プレグ及び銅箔を配置し、積層成形して得られる多層銅
張板を用いる。好適には孔あけにおいて、最後に内外層
銅箔を接続するように表裏を貫通する孔及び/又はブラ
インドビア孔を形成し、表裏の銅箔の一部を薬液にてエ
ッチング除去すると同時に孔部に発生した銅箔バリをも
溶解除去し、スルーホールメッキ、ブラインドビア孔銅
メッキ、表裏の回路形成後、必要によりメッキレジスト
で被覆し、貴金属メッキを行い、プリント配線板とす
る。孔あけとしては、エキシマレーザー、YAGレーザ
ー、炭酸ガスレーザー、メカニカルドリル等、一般に公
知の孔あけ方法が使用できるが、作業性、孔あけ速度、
孔信頼性等の点から、炭酸ガスレ−ザーを使用するのが
好ましい。
【0007】孔径20μm以上、180μm以下の貫通孔及び
/又はブラインドビア孔は、一般にレーザーで形成す
る。孔径20μm以上、80μm未満の孔は、エキシマレーザ
ー、YAGレーザーが好ましい。孔径80μm以上で180μm以
下の孔は、銅箔表面に酸化金属処理又は薬液処理を施す
か、或いは融点900℃以上で、且つ結合エネルギーが300
kJ/mol 以上の金属化合物粉、カーボン粉、又は金属粉
の1種或いは2種以上を3〜97容積%を含む塗料、或い
はこれをシート状としたものを、好適には、総厚み30〜
200μmの厚みで銅箔表面上に配置する。ついで、好まし
くは20〜60mJ/パルスから選ばれるエネルギーの炭酸ガ
スレーザーを直接照射して貫通孔及び/又はブラインド
ビア孔を形成する。
【0008】加工後、銅箔の表面は機械的研磨でバリを
とることもできるが、完全にバリを取るためには、好適
には銅箔の両表面を平面的にエッチングし、もとの金属
箔を厚さ方向に一部エッチング除去することにより、孔
部に張り出した銅箔バリもエッチング除去することが好
ましい。エッチング除去により、銅箔が薄くなる。この
ため、その後の金属メッキでメッキアップして得られた
表裏銅箔の細線の回路形成において、ショートやパター
ン切れ等の不良の発生もなく、高密度のプリント配線板
を作成することができる。この表裏銅箔のエッチングに
よる薄銅化の時に、孔内部に露出した内層銅箔表面に付
着する樹脂層を、好適には少なくとも気相処理してか
ら、エッチング除去する。孔内部は、銅メッキで50容積
%以上充填することも可能である。また、貫通孔の場
合、表層の銅箔と孔内部の銅箔の接続を行うことによ
り、接続の極めて優れた孔が得られるものである。炭酸
ガスレーザーによる孔あけの加工速度はドリルであける
場合に比べて格段に速く、生産性も良好で、経済性にも
優れているものが得られた。また、孔径180μmを越える
孔をあける場合、好適にはメカニカルドリルであける。
【0009】本発明は、前記特定のガラス繊維不織布基
材と、(a成分)多官能性シアン酸エステルモノマー、該
シアン酸エステルプレポリマー100重量部に対し、(b成
分)室温で液状のエポキシ樹脂50〜10,000重量部を配合
し、(c)熱硬化触媒を(a成分)と(b成分)の合計量100
重量部に対して0.005〜10重量部配合した樹脂組成物を
必須成分とする樹脂成分に、比誘電率が500以上の絶縁
性無機充填剤を80〜99重量%となるように配合して均一
分散させた熱硬化性樹脂組成物の硬化物とを用いて、比
誘電率が10以上、好適には比誘電率が20以上、さらに好
適には比誘電率が50以上の高比誘電率プリプレグを作成
し、それを用いてプリント配線板を作成する。通常無機
充填剤を多量、特に80重量%以上添加すると、銅箔接着
力が低くなる等の欠点が生じる。そのために、従来の提
案技術では無機充填剤を多量に添加した銅張積層板は開
発されていない。
【0010】本発明では、特に比誘電率20以上で、且つ
銅箔接着力の保持された銅張積層板及びそれを用いたプ
リント配線板が作成される。本発明での使用に適した無
機充填剤は、好適には粒子径の幅は3〜50μmで平均粒子
径は5〜30μmであり、比表面積は0.35〜0.60m2/g
である、チタン酸バリウム系セラミック、チタン酸鉛系
セラミック、チタン酸カルシウム系セラミック、チタン
酸ストロンチウム系セラミック、チタン酸マグネシウム
系セラミック、チタン酸ビスマス系セラミック、ジルコ
ン酸鉛系セラミックの少なくとも1種以上を含有するか
及び/又はこれらの1種以上を焼結した後に粉砕した粉
末である。粒子径としては、もちろん3μm未満、50
μmを超えるものが含まれていても差し支えないが、余
り微細に砕き過ぎると比誘電率が下がる傾向にあり、粒
子径が大き過ぎると積層成形時に銅箔のピンホール等の
原因となる。
【0011】樹脂としては特に限定はしない。例えば、
多官能性シアン酸エステル樹脂、多官能性マレイミド樹
脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、二重結合付加ポリ
フェニレンオキサイド樹脂等一般に公知の熱硬化性樹脂
が用いられる。これらは1種或いは2種以上が組み合わ
せて使用される。この中でも、耐マイグレーション性、
耐熱性、吸湿後の耐熱性等の点から、多官能性シアン酸
エステル樹脂が好適に使用される。
【0012】使用される熱硬化性樹脂組成物としては、
好適には(a)多官能性シアン酸エステル化合物、該シア
ン酸エステルプレポリマー 100重量部に対し、(b)室温
で液状のエポキシ樹脂を50〜10,000重量部配合し、この
(a)成分と(b)成分の合計量100重量部に対し、熱硬化
触媒0.005〜10重量部配合する。
【0013】本発明で使用される多官能性シアン酸エス
テル化合物とは、分子内に2個以上のシアナト基を有す
る化合物である。具体的に例示すると、1,3-又は1,4-ジ
シアナトベンゼン、1,3,5-トリシアナトベンゼン、1,3
-、1,4-、1,6-、1,8-、2,6-又は2,7-ジシアナトナフタ
レン、1,3,6-トリシアナトナフタレン、4,4-ジシアナト
ビフェニル、ビス(4-ジシアナトフェニル)メタン、2,2-
ビス(4-シアナトフェニル)プロパン、2,2-ビス(3,5-ジ
ブロモー4-シアナトフェニル)プロパン、ビス(4-シアナ
トフェニル)エーテル、ビス(4-シアナトフェニル)チオ
エーテル、ビス(4-シアナトフェニル)スルホン、トリス
(4-シアナトフェニル)ホスファイト、トリス(4-シアナ
トフェニル)ホスフェート、およびノボラックとハロゲ
ン化シアンとの反応により得られるシアネート類などで
ある。
【0014】これらのほかに特公昭41-1928、同43-1846
8、同44-4791、同45-11712、同46-41112、同47-26853及
び特開昭51-63149号公報等に記載の多官能性シアン酸エ
ステル化合物類も用いられ得る。また、これら多官能性
シアン酸エステル化合物のシアナト基の三量化によって
形成されるトリアジン環を有する分子量400〜6,000のプ
レポリマーが使用される。このプレポリマーは、上記の
多官能性シアン酸エステルモノマーを、例えば鉱酸、ル
イス酸等の酸類;ナトリウムアルコラート等、第三級ア
ミン類等の塩基;炭酸ナトリウム等の塩類等を触媒とし
て重合させることにより得られる。このプレポリマー中
には一部未反応のモノマーも含まれており、モノマーと
プレポリマーとの混合物の形態をしており、このような
原料は本発明の用途に好適に使用される。一般には可溶
な有機溶剤に溶解させて使用する。
【0015】室温で液状のエポキシ樹脂としては、一般
に公知のものが使用可能である。具体的には、ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹
脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ポリエーテ
ルポリオールのジグリシジル化物、酸無水物のエポキシ
化物、脂環式エポキシ樹脂等が単独或いは2種以上組み
合わせて使用される。使用量は、多官能性シアン酸エス
テル化合物、該シアン酸エステルプレポリマー100重量
部に対し、50〜10,000重量部、好ましくは100〜5,000重
量部である。
【0016】本発明の熱硬化性樹脂組成物には、組成物
本来の特性が損なわれない範囲で、所望に応じて種々の
添加物を配合することができる。これらの添加物として
は、不飽和ポリエステル等の重合性二重結合含有モノマ
ー類及びそのプレポリマー類;ポリブタジエン、エポキ
シ化ブタジエン、マレイン化ブタジエン、ブタジエン-
アクリロニトリル共重合体、ポリクロロプレン、ブタジ
エン-スチレン共重合体、ポリイソプレン、ブチルゴ
ム、フッ素ゴム、天然ゴム等の低分子量液状〜高分子量
のelasticなゴム類;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リブテン、ポリ-4-メチルペンテン、ポリスチレン、AS
樹脂、ABS樹脂、MBS樹脂、スチレン-イソプレンゴム、
ポリエチレン-プロピレン共重合体、4-フッ化エチレン-
6-フッ化エチレン共重合体類;ポリカーボネート、ポリ
フェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエステル、ポ
リフェニレンサルファイド等の高分子量プレポリマー若
しくはオリゴマー;ポリウレタン等が例示され、適宜使
用される。また、その他、公知の無機、有機の充填剤、
染料、顔料、増粘剤、滑剤、消泡剤、分散剤、レベリン
グ剤、光増感剤、難燃剤、光沢剤、重合禁止剤、チキソ
性付与剤等の各種添加剤が、所望に応じて適宜組み合わ
せて用いられる。必要により、反応基を有する化合物は
硬化剤、触媒が適宜配合される。熱硬化性樹脂組成物
は、それ自体は加熱により硬化するが硬化速度が遅く、
作業性、経済性等に劣る場合には、使用した熱硬化性樹
脂に対して公知の熱硬化触媒を用い得る。使用量は、熱
硬化性樹脂100重量部に対し、0.005〜10重量部、好まし
くは0.01〜5重量部である。
【0017】本発明の絶縁性無機充填剤は、比誘電率が
500以上のものである。種類として特に限定はないが、
特にチタン酸化合物系セラミックが好ましい。具体的に
は、チタン酸バリウム系セラミック、チタン酸ストロン
チウム系セラミック、チタン酸鉛系セラミック、チタン
酸マグネシウム系セラミック、チタン酸ビスマス系セラ
ミック、チタン酸カルシウム系セラミック、ジルコン酸
鉛系セラミック等が挙げられる。これらは組成的には、
その成分単独系、又は他の少量の添加物を含む系で、主
成分の結晶構造が保持されているものである。これらは
単独或いは2種以上組み合わせて使用される。又、これ
らの無機粉末及び/又はこれらの1種以上を焼結した後
に粉砕した粉末を使用する。
【0018】本発明の各成分を均一に混練する方法は、
一般に公知の方法が使用され得る。例えば、各成分を配
合後、三本ロールにて、室温或いは加熱下に混練する
か、ボールミル、ライカイ機等、一般に公知のものが使
用される。また、溶剤を添加して加工法に合う粘度とし
て使用する。
【0019】また、基材としては、断面が扁平なガラス
繊維で、その断面の長径/短径で表す扁平率が3.1/1〜5
/1 であり、断面積が、そのガラス繊維断面に外接する
長方形の面積の90〜98%であり、換算繊維直径が5〜17
μmである扁平ガラス繊維を90重量%以上含むものを用
いて不織布としたものを使用する。なお、本発明におい
て換算繊維直径とは、繊維断面積を円形と仮定したとき
の直径を意味する。この扁平繊維は、不織布とした場合
に、円形の繊維を使用するのに比べて厚さは数分の1に
でき、薄い積層用プリプレグを作成することが可能。と
なる。また、不織布とする場合、繊維同士をつなぐため
にバインダーを付着させる。バインダーの量は特に限定
しないが、不織布の強度を維持するためには、好適には
3〜8重量%付着させる。
【0020】プリプレグを作成する方法は特に制限はな
く、無機充填剤を樹脂組成物に添加して、溶剤を添加し
てワニスとしたものを、含浸、乾燥してプリプレグにす
る方法、無溶剤樹脂組成物に無機充填剤を添加し、ライ
カイ機等にて混練し、これを押し出しながらガラス繊維
不織布の両面に付着させる方法、一部溶剤を加えて、粘
稠な溶液とし、ナイフコーティング等で不織布に所定の
厚みを塗布、乾燥してプリプレグとする等、一般に公知
の方法が使用可能である。
【0021】本発明のプリプレグは、少なくとも片面に
銅箔、好ましくは電解銅箔を配置し、加熱、加圧下に積
層成形して銅張積層板とする。この銅箔は特に限定しな
いが、好適には厚さ3〜12μmの電解銅箔が使用される。
積層成形条件は,一般には温度150〜250℃、圧力5〜50kg
f/cm2、時間は1〜5時間である。又、真空下に積層成形
するのが好ましい。
【0022】本発明で得られた銅張板に貫通孔及び/又
はブラインドビア孔をあける場合、孔径180μmを越える
孔は貫通孔をメカニカルドリルであけるのが好ましい。
更に、80μm以上で180mμ以下の貫通孔及び/又はブライ
ンドビア孔は、銅箔表面に酸化金属処理又は薬液処理を
施すか、融点900℃以上で、且つ結合エネルギー300kJ/m
ol 以上の金属化合物粉、カーボン粉、又は金属粉の1
種或いは2種以上を配合した樹脂組成物よりなる補助材
料を配置した上から直接炭酸ガスレーザーを照射して、
孔あけを行うのが好ましい。もちろん、その他の一般の
孔あけ方法も使用可能である。
【0023】本発明で使用する補助材料の中の、融点90
0℃以上で、且つ、結合エネルギー300kJ/mol以上の金属
化合物としては、一般に公知のものが使用できる。具体
的には、酸化物としては、酸化チタン等のチタニア類、
酸化マグネシウム等のマグネシア類、酸化鉄等の鉄酸化
物、酸化ニッケル等のニッケル酸化物、二酸化マンガ
ン、酸化亜鉛等の亜鉛酸化物、二酸化珪素、酸化アルミ
ニウム、希土類酸化物、酸化コバルト等のコバルト酸化
物、酸化錫等のスズ酸化物、酸化タングステン等のタン
グステン酸化物等が挙げられる。非酸化物としては、炭
化珪素、炭化タングステン、窒化硼素、窒化珪素、窒化
チタン、窒化アルミニウム、硫酸バリウム、希土類酸硫
化物等、一般に公知のものが挙げられる。その他、カー
ボンも使用できる。更に、その酸化金属粉の混合物であ
る各種ガラス類が挙げられる。又、カーボン粉が挙げら
れ、更に銀、アルミニウム、ビスマス、コバルト、銅、
鉄、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ニッケル、
パラジウム、アンチモン、ケイ素、錫、チタン、バナジ
ウム、タングステン、亜鉛等の単体、或いはそれらの合
金の金属粉が使用される。これらは一種或いは二種以上
が組み合わせて使用される。平均粒子径は、特に限定し
ないが、1μm以下が好ましい。
【0024】炭酸ガスレーザーの照射で分子が解離する
か、溶融して飛散するために、金属が孔壁等に付着し
て、半導体チップ、孔壁密着性等に悪影響を及ぼさない
ようなものが好ましい。Na,K,Clイオン等は、特
に半導体の信頼性に悪影響を及ぼすため、これらの成分
を含むものは好適でない。配合量は、3〜97容積%、好
適には5〜95容積%が使用され、好適には水溶性樹脂に
配合され、均一に分散される。補助材料の水溶性樹脂と
しては、特に制限はしないが、混練して銅箔表面に塗
布、乾燥した場合、或いはシート状とした場合、剥離欠
落しないものを選択する。例えばポリビニルアルコー
ル、ポリエステル、ポリエーテル、澱粉等、一般に公知
のものが使用される。
【0025】金属化合物粉、カーボン粉、又は金属粉と
樹脂からなる組成物を作成する方法は、特に限定しない
が、ニーダー等で無溶剤にて高温で練り、熱可塑性フィ
ルム上にシート状に押し出して付着する方法、水に水溶
性樹脂を溶解させ、これに上記粉体を加え、均一に攪拌
混合して、これを用い、塗料として熱可塑性フィルム上
に塗布、乾燥して膜を形成する方法等、一般に公知の方
法が使用できる。厚みは、特に限定はしないが、一般に
は総厚み30〜200μmで使用する。それ以外に銅箔表面に
酸化金属処理を施してから同様に孔あけすることが可能
である。この処理としては、特に限定はしないが、例え
ば黒色酸化銅処理、MM処理(Mac Dermid社)等が使用でき
る。又、薬液処理としては、例えばCZ処理(メック社)等
が好適に使用できる。しかしながら、孔形状等の点から
は上記補助材料を使用する方が好ましい。貫通孔を形成
した時に、炭酸ガスレーザーのテーブルの損傷を避ける
ために、銅張板の裏面には金属板の上に水溶性樹脂を付
着させたバックアップシートを使用するのが好ましい。
【0026】補助材料は銅箔面上に塗膜として塗布する
か、熱可塑性フィルム又は金属面上に塗布してシートと
する。シートを銅箔面に加熱、加圧下にラミネートする
場合、補助材料、バックアップシートともに塗布樹脂層
を銅箔面に向け、ロールにて、温度は一般に40〜150
℃、好ましくは60〜120℃で、線圧は一般に0.5〜20kg、
好ましくは1〜10kgの圧力でラミネートし、樹脂層を溶
融させて銅箔面と密着させる。温度の選択は使用する水
溶性樹脂の融点で異なり、又、線圧、ラミネート速度に
よっても異なるが、一般には、水溶性樹脂の融点より5
〜20℃高い温度でラミネートする。又、室温で密着させ
る場合、塗布樹脂層の表面3μm以下を、ラミネート前に
水分で湿らせて、水溶性樹脂を少し溶解させ、同様の圧
力でラミネートする。水分で湿らせる方法は特に限定し
ないが、例えばロールで水分を塗膜樹脂面に連続的に塗
布するようにし、その後、連続して銅張積層板の表面に
ラミネートする方法、水分をスプレー式に連続して塗膜
表面に吹き付け、その後、連続して銅張積層板の表面に
ラミネートする方法等が使用し得る。
【0027】炭酸ガスレーザーを、好適には出力20〜60
mJ/パルスで照射して孔を形成した場合、孔周辺はバリ
が発生する。これは、薄い銅箔を張った両面銅張積層板
では、特に問題でなく、銅箔面に残存した樹脂を気相或
いは液相処理を行って除去し、孔内部にそのまま銅メッ
キを行なって孔内部の50容積%以上を銅メッキし、同時
に表層もメッキして銅箔厚みを18μm以下とすることが
可能である。しかしながら、好適には、孔部にエッチン
グ液を吹き付けるか吸引して通し、張り出した銅箔バリ
を溶解除去すると同時に表層の銅箔の厚みが2〜7μm、
好適には3〜5μmとなるようにエッチングした後、銅メ
ッキを行う。この場合、機械研磨よりは薬液によるエッ
チングの方が、孔部のバリ除去、研磨による寸法変化等
の点から好適である。孔部に発生した銅箔のバリをエッ
チング除去する方法としては、特に限定されない。例え
ば、特開平02-22887、同02-22896、同02-25089、同02-2
5090、同02-59337、同02-60189、同02-166789、同03-25
995、同03-60183、同03-94491、同04-199592、同04-263
488号公報で開示された、薬品で金属表面を溶解除去す
る方法(SUEP法と呼ぶ)による。エッチング速度
は、一般には0.02〜1.0μm/秒 で行う。
【0028】炭酸ガスレーザーは、赤外線波長域にある
9.3〜10.6μmの波長が一般に使用される。出力は好まし
くは、20〜60mJ/パルスにて銅箔を加工し、孔をあけ
る。エキシマレーザーは波長248〜308nm、YAGレーザー
は波長351〜355 nmが一般に使用されるが、限定される
ものではない。加工速度は炭酸ガスレーザーが格段に速
く、経済的である。貫通孔及び/又はブラインドビア孔
をあける場合、最初から最後まで20〜60mJ/パルス から
選ばれるエネルギーを照射する方法、途中でエネルギー
を変えて孔あけする方法等が使用できる。表層の銅箔を
除去する場合、より高いエネルギーを選ぶと、照射ショ
ット数が少なくてすみ、効率が良い。中間の樹脂層を加
工する場合、必ずしも高出力が必要ではなく、基材及び
樹脂により適宜選択できる。例えば出力10〜35mJ/パル
ス から選ぶことも可能である。もちろん、最後まで高
出力で加工することもできる。孔内部に内層銅箔がある
場合、ない場合で加工条件を変化させることが可能であ
る。炭酸ガスレーザーで加工された孔内部の内層銅箔に
は1μm程度の樹脂層が残存する場合が殆どである。ま
た、メカニカルドリルで孔あけした場合、スミアが残る
可能性があり、この樹脂層を除去することにより、銅メ
ッキと内外層の銅箔との接続信頼性が良くなる。樹脂層
を除去するためには、デスミア処理等の一般に公知の処
理が可能である。しかし液が小径の孔内部に到達しない
場合、内層の銅箔表面に残存する樹脂層の除去残が発生
し、銅メッキと銅箔との接続不良を生ずる場合がある。
従って、より好適には、まず気相で孔内部を処理して樹
脂の残存層を完全に除去し、次いで孔内部を、好ましく
は超音波を併用して湿潤処理する。
【0029】気相処理としては一般に公知の処理が使用
可能である。例えばプラズマ処理、低圧紫外線処理等が
挙げられる。プラズマは、高周波電源により分子を部分
的に励起し、電離させた低温プラズマを用いる。これに
は、イオンの衝撃を利用した高速の処理、ラジカル種に
よる穏やかな処理が一般には使用され、処理ガスとし
て、反応性ガス、不活性ガスが使用される。反応性ガス
としては、主に酸素が使用され、化学的に表面処理をす
る。不活性ガスとしては、主にアルゴンガスを使用す
る。このアルゴンガス等を使用し、物理的な表面処理を
行う。物理的な処理は、イオンの衝撃を利用して表面を
クリーニングする。低紫外線は、波長が短い領域の紫外
線であり、波長として、184.9nm、253.7nm がピークの
短波長域の波長を照射し、樹脂層を分解除去する。その
後、樹脂表面が疎水化される場合が多いため、特に小径
孔の場合、超音波を併用して湿潤処理を行い、その後銅
メッキを行うことが好ましい。湿潤処理としては、特に
限定しないが、例えば過マンガン酸カリウム水溶液、ソ
フトエッチング用水溶液等によるものが挙げられる。孔
内部は、必ずしも銅メッキで50%以上充填しなくても電
気的導通はとれるが、好適には50容積%以上、更に好ま
しくは90容積%以上充填する。しかしながら、メッキ時
間を長くして孔内部を充填すると作業性が悪く、孔充填
に適したパルスメッキ用添加剤(日本リロナール<株>
製)を用いた工法等が好適に使用される。
【0030】
【実施例】以下に実施例、比較例で本発明を具体的に説
明する。尚、特に断らない限り、『部』は重量部を表
す。
【0031】実施例1〜8 2,2-ビス(4-シアナトフェニル)プロパンモノマー(成分
Aー1)を1,000部150℃に溶融させ、撹拌しながら4時間
反応させ、平均分子量1,900のプレポリマー(成分Aー
2)を得た。室温で液状のエポキシ樹脂として、ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂(商品名::エピコート828、油
化シェルエポキシ<株>製、成分B-1)、ビスフェノール
F型エポキシ樹脂(商品名:EXA830LVP、大日本インキ
化学工業<株>製、成分B-2)、ノボラック型エポキシ樹
脂(商品名:DEN431、ダウケミカル<株>製、成分B-3)、
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(商品名:ESCN220
F、住友化学工業<株>製、成分B-4)を配合し、熱硬化触
媒てしてアセチルアセトン鉄(成分C-1)、2-エチル-4-
メチルイミダゾール(成分C-2)、更に添加剤として、
エポキシシランカップリング剤(商品名:A-187、日本ユ
ニカ<株>製、成分D-1)、ジシアンジアミド(成分E-1)
を配合してワニスとした。絶縁性無機充填剤として、チ
タン酸バリウム系セラミック(室温での1MHzでの比誘電
率:2,010、比表面積0.41m2/g、成分F-1とする)、チタ
ン酸ビスマス系セラミック(室温での比誘電率:733、
比表面積0.52m2/g、成分F-2とする)、チタン酸バリウ
ム-錫酸カルシウム系セラミック(室温での比誘電率:
5,020、比表面積0.45m2/g、成分F-3とする)、チタン酸
鉛系セラミック(室温での比誘電率:1,700、比表面積
0.59m2/g、成分F-4とする)を用いて表1及び表2
のように配合した。ついで、ライカイ機で10分間均一に
混練し、粘度の高いものはメチルエチルケトンを少量添
加して塗布するのに適正な粘度としてワニスとした。
【0032】このワニスを、扁平比4/1、面積比が92
%、換算繊維直径が10μm、長さが13mmの高扁平ガラス
繊維を、ポリエチレンオキサイド分散溶液中に分散し、
目付量が20g/m2、厚さ60μmとなるように抄造した不織
布にエポキシ樹脂エマルジョン及びシランカップリング
剤を用いた接着剤溶液を作り、これを4重量%となるよ
うに付着させて150℃で乾燥して得られた不織布に含
浸、乾燥してプリプレグを作成した。これを4枚用い、
この両面に12μmの電解銅箔を配置し、 200℃、20kgf/c
m2、30mmHg以下の真空下で2時間積層成形し、両面銅張
積層板を得た。
【0033】一方、酸化金属粉として黒色酸化銅粉(平
均粒子径:0.8μm)を、ポリビニルアルコール粉体を水
に溶解したワニスに加え、均一に攪拌混合し、これを厚
さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム片面上
に、厚さ30μmとなるように塗布し、110℃で30分間乾
燥して、金属化合物粉含有量45容積%の補助材料Gを作
成した。上記両面銅張積層板の上に、樹脂面が銅箔側を
向くように補助材料G、裏面にバックアップシートHを配
置し、100℃でラミネートした。孔径100μmの孔を20mm
角内に144個直接炭酸ガスレーザーで、出力30mJ/パルス
で9ショット照射し、これを1ブロックとして合計70ブ
ロックの貫通孔をあけた。ついで、SUEP処理を行い、表
層の銅箔が厚さ3μmになるまでエッチングするととも
に、孔周辺のバリをも溶解除去した。銅メッキを付着さ
せ、孔内部を銅メッキで95容積%充填した。表裏を既存
の方法にて回路(ライン/スペース=50/50μm)、ソルダ
ーボール用ランド等を形成し、少なくとも半導体チップ
搭載部、パッド部を除いてメッキレジストで被覆し、ニ
ッケル、金メッキを施し、プリント配線板を作成した。
評価結果を表3から表6に示す。
【0034】比較例1 エポキシ樹脂(商品名:エピコート5045、油化シェルエ
ポキシ<株>製)2,000部、ジシアンジアミド70部、2ーエ
チルイミダゾール2部をメチルエチルケトンとジメチル
ホルムアミドの混合溶剤に溶解し、攪拌混合して均一分
散してワニスIを得た(この固形を成分B-5とする)。こ
れにチタン酸系セラミック(粒子径幅0.5〜5μm、比表面
積1.26m2/g、比誘電率107、F-5とする)を表1に示すよ
うに添加して均一混練してこれを厚さ50μm,重量48g/
m2のガラス織布に含浸、乾燥して、Bステージプリプレ
グを作成した。この両面に12μmの電解銅箔を配置し、1
90℃、20kgf/cm2、30mmHg以下の真空下で2時間積層成
形して両面銅張積層板Jを作成した。
【0035】この銅張積層板Jにメカニカルドリルで孔
径 200μmの貫通孔を形成した。SUEP処理を行わず、通
常の銅メッキを10μm付着させた。これを用いて、プリ
ント配線板を作成した。評価結果を表7及び表8に示
す。
【0036】比較例2〜3 比較例1のワニスIに二酸化チタン系セラミック粉体(比
表面積1.15m2/g,、比誘電率25、成分F-6とする)を70重
量%となるように加え、これを攪拌機にて良く攪拌混合
してから厚さ50μm、重量48g/m2のガラス織布に含
浸、乾燥してプリプレグとした。これを4枚使用し、そ
の両側に12μmの電解銅箔を置き、比較例1と同様に積
層成形して銅張積層板とした。同様にメカニカルドリル
で孔あけし、プリント配線板とした。評価結果を表7及
び表8に示す。
【0037】
【表1】 配合
【0038】
【表2】 配合
【0039】
【表3】 項目 実施例 1 2 3 4 5 プリプレグ樹脂組成物 92 91 93 92 92 含有量(重量%) 成形後のボイド 無し 無し 無し 無し 無し 銅箔接着力 kgf/cm 0.96 0.62 0.95 0.72 0.88 PCT(121℃・203kPa2hrs.)処理後のハンダ耐熱性 (260℃・30sec.浸せき) 異常無し パターン切れ及び 0/200 0/200 0/200 0/200 0/200 ショート(個) ガラス転移温度 (℃) 181 181 195 195 220 スルーホール・ヒートサイクル試験(%) 150サイクル 1.9 2.0 2.2 2.4 2.0
【0040】
【表4】 項目 実施例 1 2 3 4 5 誘電率(1MHz) 27 45 13 20 39 プレッシャークッカー処理後の絶縁抵抗値(Ω) 常態 − 4×1014 − 5×1014 − 150hrs 5×1010 2×1010 耐マイグレーション性(Ω) 常態 − 4×1013 − 5×1013 − 100hrs 7×1011 4×1011 300hrs 9×1010 8×1010
【0041】
【表5】 項目 実施例 6 7 8 プリプレグ樹脂組成物 91 93 92 含有量(重量%) 成形後のボイド 無し 無し 無し 銅箔接着力 kgf/cm 0.71 0.69 0.74 PCT(121℃・203kPa2hrs.)処理後のハンダ耐熱性 (260℃・30sec.浸せき) 異常無し パターン切れ及び 0/200 0/200 0/200 ショート (個) ガラス転移温度(℃) 220 219 173 スルーホール・ヒートサイクル試験(%) 150サイクル 2.0 2.1 1.9
【0042】
【表6】
【0043】
【表7】 項目 比較例 1 2 3 プリプレグ樹脂組成物 92 91 91 含有量(重量%) 成形後のボイド 有り 無し 有り 銅箔接着力 kgf/cm 0.15 0.90 0.09 PCT(121℃・203kPa2hrs.)処理後のハンダ耐熱性 (260℃・30sec.浸せき)、フクレの有無、大小 大 一部発生 大 パターン切れ及び 53/200 57/200 55/200 ショート (個) ガラス転移温度(℃) 137 138 136 スルーホール・ヒートサイクル試験(%) 150サイクル − 13.5 −
【0044】
【表8】 項目 比較例 1 2 3 誘電率(1MHz) − 7 − プレッシャークッカー処理後の絶縁抵抗値(Ω) 常態 − 6×1014 − 150hrs <108 耐マイグレーション性(Ω) 常態 − 5×1013 − 100hrs 8×109 300hrs <108
【0045】<測定方法> 1)積層成形後のボイド 積層成形した銅箔をエッチング除去し、目視にてボイド
を確認した。 2)銅箔接着力 JIS C6481に準じて測定した。 3)PCT(プレッシャークッカー;121℃・203kPa、2hrs.)
処理後の半田耐熱性 処理後に260℃の半田中に30sec.浸せきしてから異常の
有無を観察した。 4)回路パターン切れ、及びショート、 実施例、比較例で孔のあいていない板を同様に作成し、
ライン/スペース=50/50μmの櫛形パターンを作成した
後、拡大鏡でエッチング後の200パターンを目視にて観
察し、パターン切れ、及びショートしているパターンの
合計を分子に示した。 5)ガラス転移温度 DMA法にて測定した。 6)スルーホール・ヒートサイクル試験 各スルーホール孔にランド径300μmを作成し、900孔を
表裏交互につなぎ、1サイクルが、260℃・ハンダ・浸せ
き30秒→室温・5分で、150サイクルまで実施し、抵抗値
の変化率の最大値を示した。 7)プレッシャークッカー処理後の絶縁抵抗値 ライン/スペース=50/50μmの櫛形パターンを作成し、
この上に、それぞれ使用したプリプレグを配置し、積層
成形したものを、121℃・203kPa にて所定時間処理した
後、25℃・60%RHで2時間後処理を行い、500VDCを印加
して端子間の絶縁抵抗値を測定した。 8)耐マイグレーション性 上記6)の試験片を85℃・85%RH、50VDCを印加して端子
間の絶縁抵抗値を測定した。 9)誘電率 LCRメーター(ヒューレットパッカーズ社製)にて測定
し、計算にて算出した。
【0046】
【発明の効果】断面が扁平な形状のガラス繊維で、その
断面の長径/短径で表す扁平率が3.1/1〜5/1であり、断
面積が、そのガラス繊維断面に外接する長方形の面積の
90〜98%であり、換算繊維直径が5〜17μmである扁平ガ
ラス繊維を90重量%以上含み、厚さが100μm以下、好ま
しくは50μm以下のガラス繊維不織布を基材に使用し、
これに比誘電率が500以上、比表面積が好ましくは0.35
〜0.60m2/gの絶縁性無機充填剤を80〜99重量%、好まし
くは85〜95重量%となるように均一に混合して得られる
高比誘電率樹脂組成物を付着させて作成したプリプレグ
を用い、これを銅張積層板にしたものは、銅箔との密着
性に優れ、比誘電率が20以上のものが作成できた。又、
上記発明において、熱硬化性樹脂として、(a)多官能性
シアン酸エステルモノマー、該シアン酸エステルプレポ
リマー100重量部に対し、(b)室温で液状のエポキシ樹脂
を50〜10,000重量部配合し、この(a+b)成分100重量部に
対し、熱硬化触媒を0.005〜10重量部配合した樹脂を用
いて作成したプリント配線板は、耐熱性、、吸湿後の電
気絶縁性等に優れていた。さらに補助材料を銅張積層板
の上に使用することにより、高エネルギーの炭酸ガスレ
ーザーを照射して直接小径の孔をあけることが可能であ
り、高密度のプリント配線板を得ることができた。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断面が扁平な形状のガラス繊維で、その
    断面の長径/短径で表す扁平率が3.1/1〜5/1 であり、
    断面積が、そのガラス繊維断面に外接する長方形の面積
    の90〜98%であり、換算繊維直径が5〜17μmである扁平
    ガラス繊維を90重量%以上含み、厚さが100μm以下のガ
    ラス繊維不織布を基材として用い、これに比誘電率が50
    0以上の絶縁性無機充填剤粉末を80〜99重量%配合した
    熱硬化性樹脂組成物を付着してなることを特徴とする高
    比誘電率プリプレグ。
  2. 【請求項2】 熱硬化性樹脂組成物が、(a)多官能性シ
    アン酸エステルモノマー、該シアン酸エステルプレポリ
    マー100重量部に対し、(b)室温で液状のエポキシ樹脂50
    〜10,000重量部を配合し、この(a)成分と(b)成分との
    合計量100重量部に対し、熱硬化触媒0.005〜10重量部を
    必須成分として配合することを特徴とする請求項1記載
    の高比誘電率プリプレグ。
  3. 【請求項3】 絶縁性無機充填剤粉末が、チタン酸バリ
    ウム系セラミック、チタン酸ストロンチウム系セラミッ
    ク、チタン酸鉛系セラミック、チタン酸カルシウム系セ
    ラミック、チタン酸ビスマス系セラミック、ジルコン酸
    鉛系セラミックを少なくとも1種以上含有してなる無機
    粉末及び/又はこれらの1種以上を焼結した後に粉砕し
    た粉体である請求項1又は2記載の高比誘電率プリプレ
    グ。
  4. 【請求項4】 絶縁性無機充填剤が、粒子径3〜50μmで
    平均粒子径5〜30μmであり、且つ比表面積が0.35〜0.6
    0m2/gであることを特徴とする請求項1、2又は3記載
    の高比誘電率プリプレグ。
  5. 【請求項5】 請求項1から4記載の高比誘電率プリプ
    レグを使用したプリント配線板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023145327A1 (ja) * 2022-01-26 2023-08-03 株式会社レゾナック 熱硬化性樹脂組成物、プリプレグ、樹脂フィルム、積層板、プリント配線板、アンテナ装置、アンテナモジュール及び通信装置

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WO2023145327A1 (ja) * 2022-01-26 2023-08-03 株式会社レゾナック 熱硬化性樹脂組成物、プリプレグ、樹脂フィルム、積層板、プリント配線板、アンテナ装置、アンテナモジュール及び通信装置

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